JP2001230398A - 二次元画像検出器及びその製造方法 - Google Patents

二次元画像検出器及びその製造方法

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JP2001230398A
JP2001230398A JP2000035753A JP2000035753A JP2001230398A JP 2001230398 A JP2001230398 A JP 2001230398A JP 2000035753 A JP2000035753 A JP 2000035753A JP 2000035753 A JP2000035753 A JP 2000035753A JP 2001230398 A JP2001230398 A JP 2001230398A
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pixel
voltage
terminal element
pixel electrode
electrode
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JP2000035753A
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Hisashi Nagata
尚志 永田
Yoshihiro Izumi
良弘 和泉
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Sharp Corp
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクティブマトリクス基板の製造工程を何ら
変更することなく、過剰電荷を放出して素子の破壊を防
止することができ、かつ構造の複雑化を防止し得る二次
元画像検出器及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 X線センサ71は、入射した電磁放射線
を電荷に変換する変換層51と、発生電荷を収集する複
数の画素電極12…と、信号読み出し用薄膜トランジス
タ200と、順次走査選択する複数の走査線1…と、個
々の画素電極12…に貯えられた電荷を信号読み出し用
薄膜トランジスタ200を介して伝達する信号線2…と
を有する。画素電極12…毎に、薄膜トランジスタのゲ
ート電極104とソース電極108とが短絡されてなる
二端子素子100が画素電極12の過剰電荷を放出すべ
く設けられる。二端子素子100の閾値が、通常動作時
の実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなる
ように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、人体を透
過したX線像を画像化するX線撮像装置又はX線診断画
像表示装置等に使用され、X線等の放射線、可視光、赤
外光等の画像を検出できるX線センサ、イメージセンサ
等の二次元画像検出器及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶表示装置等に用いられる
アクティブマトリクス基板においては、個々の独立した
絵素電極がマトリクス状に配置され、この絵素電極のそ
れぞれにスイッチイング素子が設けられている。各スイ
ッチイング素子は、走査線によって選択され、信号線か
ら電位が各絵素電極に書き込まれる。絵素電極を選択駆
動するスイッチイング素子としては、TFT(Thin Fil
m Transistor:薄膜トランジスタ)素子が一般的に知ら
れている。
【0003】このようなアクティブマトリクス基板の上
層に光やX線等を直接電荷に変換する層を形成すること
によって、本発明の説明図である図2に示すように、X
線センサ60やイメージセンサ等の二次元画像検出器を
形成することができる。
【0004】すなわち、変換層によって生成された電荷
は強電圧によって画素の容量に蓄積され、被写体の形態
に応じてそれぞれの画素の電荷としてのデータが保存さ
れる。これを、走査線にて順次スキャンすると、走査線
により選択された画素のデータを信号として読み出すた
めのオペアンプ等の回路によって、センサに映し出され
た物体が画像データとして取り出される。
【0005】ところで、この種の二次元画像検出器で
は、画素に蓄えられた電荷は、通常は、ある一定周期で
読み出されるが、故障や信号読み出しプログラムの不具
合等で正常な読み出しが行われなかった場合等に、予想
外の大きな電荷が画素電極に蓄積された場合、これが高
電圧となってアクティブマトリクス基板を破壊するおそ
れがある。
【0006】このような不具合を回避するため、例え
ば、特開平10−284713号公報や特開平10−1
0237号公報に開示された従来技術では、MIM(Me
tal Insulator Metal)構造によるダイオードを各画素に
配置して過剰電荷を放出したり、ツェナーダイオードを
各画素に配置し、十分な高電圧が画素に蓄積されたとき
だけ降伏電流が流れて、画素のスイッチイング素子等を
高電圧から保護したりする構造が考えられている。
【0007】ところが、これらの構造は、保護ダイオー
ドを形成するための特別な工程を必要とする。すなわ
ち、最適なMIM特性を得るために特別な絶縁膜を形成
したり、良好なツェナーダイオード特性を得るために特
殊な半導体層を形成したりする必要がある。しかし、液
晶表示装置等と比べると数量的には限られているため、
これらのために特殊な製造ラインを構築することはコス
ト的に相当な負担を製品に強要することになる。
【0008】一方、例えば、特開平11−4821号公
報に開示された技術では、従来のアクティブマトリクス
基板の製造工程を何ら変更することなく、過剰電荷を放
出して素子の破壊を防止することができる構造となって
いる。
【0009】すなわち、上記公報の技術では、信号読み
取り用のトランジスタは左右対称な普通のトランジスタ
を使用している。一方、過剰電荷を放出する方のトラン
ジスタはゲート電極とコンタクト部とにオフセット領域
を形成することによって閾値をより高い方にシフトさせ
ており、画素電極に高い電圧が充電されたときに、素子
の破壊に至る前に電荷を放出するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二次元画像検出器及びその製造方法では、構造が複
雑なばかりでなく、オフセット領域の形成に緻密なパタ
ーン制御が要求される。
【0011】したがって、所望の過剰電荷放出特性を均
一に得ることが難しく、精度の良い量産が非常に困難で
あるという問題点を有している。
【0012】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、アクティブマトリクス基
板の製造工程を何ら変更することなく、過剰電荷を放出
して素子の破壊を防止することができ、かつ構造の複雑
化を防止し得る二次元画像検出器及びその製造方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の二次元画像検出
器は、上記課題を解決するために、入射した例えばX線
等の電磁放射線を電荷に変換する変換層と、絶縁性基板
上に設けられて発生した上記電荷を収集する複数の画素
電極と、個々の上記画素電極からの電荷の読出しを制御
する例えば薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチン
グ素子と、上記スイッチング素子を順次走査選択するた
めの複数の走査線と、上記個々の画素電極に貯えられた
電荷を上記スイッチング素子を介して伝達する信号線と
を有する二次元画像検出器において、上記個々の画素電
極毎に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又
はドレイン電極とが短絡されてなる二端子素子が画素電
極の過剰電荷を放出すべく設けられるとともに、上記二
端子素子の閾値が、通常動作時の実質的な画素電位の絶
対値の最大値よりも大きくなるように設定されているこ
とを特徴としている。
【0014】上記の発明によれば、二次元画像検出器
は、入射した例えばX線等の電磁放射線を電荷に変換す
る変換層と、絶縁性基板上に設けられて発生した上記電
荷を収集する複数の画素電極と、個々の上記画素電極か
らの電荷の読出しを制御するスイッチング素子と、上記
スイッチング素子を順次走査選択するための複数の走査
線と、上記個々の画素電極に貯えられた電荷を上記スイ
ッチング素子を介して伝達する信号線とを有している。
【0015】したがって、該当する画素に対して外部か
ら例えばX線等の電磁放射線が照射されると変換層を介
して個々の画素電極に電荷が蓄積される。このため、そ
の画素の画素電極に接続された例えば薄膜トランジスタ
(TFT)等のスイッチング素子に対する走査線を選択
することにより、変換層に蓄積された電荷に基づく情報
信号が画素電極から信号線に流れ、外部に出力すること
ができる。これを例えば表示装置に表示させることによ
り、X線画像を得ることができる。
【0016】ここで、本発明では、個々の画素電極毎
に、二端子素子が画素電極の過剰電荷を放出すべく設け
られるとともに、上記二端子素子の閾値が、通常動作時
の実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなる
ように設定されている。
【0017】このため、画素電極に生じた過剰電荷を二
端子素子にて放出することができるので、変換層の局部
的な欠陥や信号読み出し系統の一時的なトラブルによっ
て画素からの正常な電荷の読み出しが行われなかった場
合でも、スイッチング素子を破壊する電圧に至る前に過
剰電荷を放出させることができる。
【0018】また、二端子素子の閾値は、通常動作時の
実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなるよ
うに設定されているので、通常動作時においては、画素
電極に蓄積された電荷は、スイッチング素子を通して信
号線に流れ、二端子素子から放出されることはない。す
なわち、画素電極に電荷が書き込まれて行く過程で、実
質的な画素電位の絶対値が通常動作時の最大画素電位
(絶対値)に至るまでに、二端子素子の閾値よりも超え
ることが無い。
【0019】このため、正常駆動時には、二端子素子が
閾値を跨いで導通状態に至り、二端子素子の順方向電流
が流れ始めるような状態に達するということが無い。し
たがって、通常の読み出し時に、二端子素子を流れる漏
れ電流によってS/N比が低下するのを防ぐことができ
る。
【0020】一方、一般的なダイオード等からなる二端
子素子では閾値を求め難い。しかし、本発明の二端子素
子は、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又は
ドレイン電極とが短絡されてなっている。
【0021】すなわち、半導体素子の特性評価としては
トランジスタの特性から求めることができるが、本発明
では、二端子素子と、画素電極用のスイッチング素子と
して一般的に使用される薄膜トランジスタ(TFT)か
らなるスイッチング素子とが並設されているために、二
端子素子の閾値はスイッチング素子に用いられる閾値と
同等と見做すことができる。このため、スイッチング素
子にトランジスタを用いている場合には、二端子素子の
閾値を容易に求めることができる。
【0022】また、二端子素子は、薄膜トランジスタか
らなり、一般的な薄膜トランジスタからなるスイッチン
グ素子と同種の構成を有している。このため、アクティ
ブマトリクス基板の製造工程においても、並設すれば良
いだけであるので、製造工程を変更することもない。ま
た、同種の素子であるので、構造も簡単である。
【0023】この結果、アクティブマトリクス基板の製
造工程を何ら変更することなく、過剰電荷を放出して素
子の破壊を防止することができ、かつ構造の複雑化を防
止し得る二次元画像検出器を提供することができる。
【0024】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、二端子素子の一方が画素電極に接続されており、か
つ上記二端子素子の他方が信号線に接続されていること
を特徴としている。
【0025】上記の発明によれば、二端子素子の一方が
画素電極に接続されており、かつ二端子素子の他方が信
号線に接続されている。
【0026】すなわち、過剰電荷を放出する配線を別途
設けるのでなく、信号線に対して放出する構造としてい
る。このため、過剰電荷放出機能を設けていない場合と
比べて画素電極面積の低下は殆どない。
【0027】この結果、画素電極の占める割合によって
収集される信号電荷量が増減する場合でも、過剰電荷放
出機能を持たないものと同等の信号量を得ることができ
る。
【0028】また、共通配線を設けた場合には、これと
走査線又は補助容量配線との間に交差部ができるため、
静電容量が生じ、走査信号の遅延や補助容量配線の負荷
増大等の問題があったが、本構造ではその懸念がなく、
過剰電荷放出機能を有しないものと同等である。
【0029】なお、共通配線は通常信号線間に設置され
るため、その入力はアクティブマトリクス基板内で短絡
されて1箇所ないし数箇所から全共通配線に入力される
ことが多い。
【0030】この場合、その短絡する配線には全共通配
線分の負荷がかかるため、電位が直流に保持されるとは
いえ、走査線や信号線からの突き上げ又は突き下げを受
けて、ノイズ状の電圧変動が生じ易い。これに二端子素
子が接続された場合、この電圧変動によって二端子素子
が動作して漏れ電流が生じるおそれがある。
【0031】しかし、本発明では、信号線は1本ずつ外
部回路からDC電圧が供給されるため、入力側からみた
インピーダンスが低く、このため、二端子素子の一端の
電圧は常に安定し、漏れ電流が生じ難い。
【0032】また、本発明では、二端子素子の一端は信
号線であり、ここへの電圧印加は例えば外部ICから行
われるため、ICの構成によっては二端子素子に任意の
信号を供給し易い。
【0033】例えば、意図的に、二端子素子が導通する
ように信号線に電圧を印加して画素に信号線から電荷を
書き込み、変換層からの電荷供給の前に画素電位にオフ
セットをかけておくことで、電荷蓄積のダイナミックレ
ンジを広げることも容易に可能である。
【0034】この方式にて読み出し毎に一回ずつ画素電
位をリフレッシュ駆動することにより、スイッチング素
子からの電荷読み出しの残留による残像を消去する効果
を得ることも比較的容易である。
【0035】さらに、意図的に二端子素子を導通させる
ことを、信号線毎にできることも利点である。例えば、
被写体が小さくかつX線透過量が少ない場合等、X線照
射量を多くして所望のデータを得ようとしたときに、被
写体が無い部分、すなわち周辺が額縁状に高い画素電位
に達し、ここからの電界の影響で観察エリアの周囲部の
データが歪められる状態に陥る場合がある。
【0036】この時には被写体がない部分の信号線に電
圧を印加して画素電荷をわざと放出し、観察部分への干
渉を減らすことによって解像度を増加させることができ
る。
【0037】この方法は、信号線に沿って帯状にX線過
剰照射エリアがある場合に特に有効であり、走査線に沿
ったものについては走査信号の制御によって過剰電荷蓄
積を防ぐことができるので、これらを組み合わせること
により、小被写体の高解像度観察が可能になる。
【0038】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、絶縁性基板上に複数の画素電極に跨がる共通配線が
設けられているとともに、二端子素子の一方が上記画素
電極に接続されており、かつ上記二端子素子の他方が上
記共通配線に接続されていることを特徴としている。
【0039】上記の発明によれば、絶縁性基板上に複数
の画素電極に跨がる共通配線が設けられているととも
に、二端子素子の一方が上記画素電極に接続されてお
り、かつ上記二端子素子の他方が上記共通配線に接続さ
れている。
【0040】このため、前述した、過剰電荷を逃がす効
果に加えて、逃がされた電荷が信号線に伝わることがな
いため、例え大量の電荷が二端子素子を介して流出して
も読み出し用アンプの故障といった不具合を生じない。
また、特定画素に過剰の電荷が蓄積される欠陥があって
も、他の画素の読み込み中の特定画素の過剰電荷放出は
信号線ではなく共通配線に向かって行われるため、特定
画素の欠陥が他の画素の画像データにまで悪影響を及ぼ
すことがない。
【0041】さらに、信号線との間に二端子素子を配置
する場合と異なり、これによって画素と信号線との間に
浮遊容量が発生しないため、信号線の静電容量の低減に
もつながり、S/N比の向上に効果がある。
【0042】ところで、前記発明においては、二端子素
子に任意の電圧を印加することが容易である旨述べた。
これに対して、本構造では、共通配線に電圧を印加する
ための電圧供給部が別途必要ではあるものの、信号読み
出しICの構成が電圧供給部を持つ必要が無く、より簡
単なもので済むため、ICが安価に製造できる。特に、
高価な高精度読み出しICに高耐電圧性を付加するのは
コスト的に不利であるので、過剰電荷放出用の電圧は別
途供給した方が良い場合が多い。また、前述のようなI
C構成や信号線に別途電圧供給手段を設けることは、信
号にノイズが重畳される可能性を増大させるため、都合
が悪い場合がある。
【0043】また、信号線に二端子素子を接続すること
によって、信号線の浮遊容量を増加させ、これもノイズ
増加の原因となる。共通配線を別途設けることによっ
て、これらの問題も避けられる。
【0044】一方、前記発明においては、入力側からみ
たインピーダンスが低いので、二端子素子の一端の電圧
は常に安定し、漏れ電流が生じ難い旨を述べた。
【0045】これに対して、本発明では、共通配線への
電圧の入力形態によっては、信号線に供給する場合より
も却って低いインピーダンスである場合がある。すなわ
ち、ノイズ低減の観点から容量増大を伴う信号線の広幅
化はできないが、共通配線の場合には、広幅化によって
抵抗を減少させ、さらに複数の共通配線を結線するアク
ティブマトリクス基板側の配線を低抵抗にすることによ
って、非常にインピーダンスを低く抑えられる可能性が
ある。
【0046】この時には、前述同様、走査線や信号線か
らの突き上げ、突き下げを受けてのノイズ状の電圧変動
が生じ難い。したがって、この電圧変動による二端子素
子の漏れ電流のおそれは少ない。
【0047】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、入射した電磁放射線を電荷に変換する
変換層と、絶縁性基板上に設けられて発生した上記電荷
を収集する複数の画素電極と、個々の上記画素電極から
の電荷の読出しを制御するスイッチング素子と、上記ス
イッチング素子を順次走査選択するための複数の走査線
と、上記個々の画素電極に貯えられた電荷を上記スイッ
チング素子を介して伝達する信号線とを有する二次元画
像検出器において、上記個々の画素電極毎に二端子素子
が画素電極の過剰電荷を放出すべく設けられ、上記二端
子素子の閾値が、通常動作時の実質的な画素電位の絶対
値の最大値よりも大きくなるように設定されているとと
もに、上記絶縁性基板上に複数の画素電極に跨がる共通
配線が設けられ、上記二端子素子の一方が上記画素電極
に接続されており、かつ上記二端子素子の他方が上記共
通配線に接続されている一方、上記画素電極の下層に、
層間絶縁膜を介して二端子素子と共通配線とが設けら
れ、上記各画素電極には、上記層間絶縁膜を貫通して上
記二端子素子に接触する接触部が設けられていることを
特徴としている。
【0048】上記の発明によれば、個々の画素電極毎に
二端子素子が画素電極の過剰電荷を放出すべく設けら
れ、二端子素子の閾値が、通常動作時の実質的な画素電
位の絶対値の最大値よりも大きくなるように設定されて
いる。
【0049】このため、画素電極に生じた過剰電荷を二
端子素子にて放出することができるので、変換層の局部
的な欠陥や信号読み出し系統の一時的なトラブルによっ
て画素からの正常な電荷の読み出しが行われなかった場
合でも、スイッチング素子を破壊する電圧に至る前に過
剰電荷を放出させることができる。
【0050】また、本発明では、絶縁性基板上に複数の
画素電極に跨がる共通配線が設けられ、上記二端子素子
の一方が上記画素電極に接続されており、かつ上記二端
子素子の他方が上記共通配線に接続されている。
【0051】このため、逃がされた電荷が信号線に伝わ
ることがないため、例え大量の電荷が二端子素子を介し
て流出しても読み出し用アンプの故障といった不具合を
生じない。また、特定画素に過剰の電荷が蓄積される欠
陥があっても、他の画素の読み込み中の特定画素の過剰
電荷放出は信号線ではなく共通配線に向かって行われる
ため、特定画素の欠陥が他の画素の画像データにまで悪
影響を及ぼすことがない。
【0052】さらに、本発明では、画素電極の下層に、
層間絶縁膜を介して二端子素子と共通配線とが設けられ
る。また、各画素電極には、上記層間絶縁膜を貫通して
上記二端子素子に接触する接触部が設けられている。
【0053】このため、二端子素子及び共通配線は画素
電極の下層に層間絶縁膜を介して設けられるので、共通
配線や二端子素子による開口率の低下を防ぐことができ
る。
【0054】しかも、この場合には、画素電極と補助容
量配線とを重ねることにより、補助容量配線の静電容量
が大きくなり、却って信号線等からくるノイズに対して
安定になるという利点もある。
【0055】また、同時に、画素の側からみても補助容
量配線との間で静電容量が形成されることから、より大
きな補助容量を容易に得るという効果も得ることができ
る。
【0056】さらに、この上層の画素電極と下層の補助
容量配線との間に静電容量を設けるという考え方は、補
助容量配線を信号線と並行に配置するという構造も容易
に実現する。
【0057】さらに、画素電極が下地の配線等による電
界をシールドするという効果もある。特に、共通配線に
電圧をかける構造では、共通配線は最上層(場合によっ
てはその上に保護膜が配される場合もある)に配置され
ることが多いため、この電圧による影響は変換層に及
び、画素電極と共通配線との隙間近傍の電界の乱れとな
るおそれがある。
【0058】しかし、本発明では、全体が略画素電極に
覆われているため、変換層にかかる垂直方向の略一様な
電界となる。このことは、信号の読み出し効率の向上に
つながる他、電界の乱れによって不安定なa−Se膜内
に欠陥が生じるのを防ぐ上でも重要である。
【0059】さらに、信号線や共通配線が変換層に面し
ているときには、これらと変換層に電圧をかける共通電
極との間の電圧によって、これらの上に電荷が蓄積さ
れ、変換層や保護膜に電圧ストレスがかかり続けた結
果、信頼性不良を生じるおそれがある。
【0060】しかし、本発明では、画素電極に覆われる
ことによって、各読み出し周期毎にリフレッシュされる
ため、固定電荷による特性変動等の信頼性不良は生じ難
い。
【0061】また、信頼性不良を生じるに至る前に、電
荷によってスイッチング素子や二端子素子に動作不良や
誤動作をもたらす可能性もあったが、画素電極にて覆わ
れる構造とすることによって、これら素子の上層はある
一定以上の電圧にはならず、誤動作するには至らない。
【0062】もちろん、この条件を満たすためには動作
異常によって画素に想定以上の電荷が蓄積されないこと
が前提であるが、二端子素子が機能するため、この前提
は満たされている。
【0063】また、下地の共通配線等によって画素電極
面積が制限されないという本発明の特徴により、配線等
に冗長構造を持たせることも可能となる。例えば、共通
配線を2本並行して設けておき、数箇所でこれらを結線
しておくと、仮に、どこか1箇所に断線が生じても動作
上不具合を起こさない。
【0064】この構造によると、仮に、二端子素子に短
絡不良があってもその部分の共通配線をレーザ等で切断
するだけで動作は正常になる。二端子素子を直接レーザ
切断する方が容易な場合と、共通配線を切断する方が容
易な場合とがあるが、後者の方が容易なことが多く、共
通配線を2本並行して設けることが有用なことがわか
る。
【0065】さらに、不良が二端子素子ではなくスイッ
チング素子に存在した場合は、スイッチング素子をレー
ザ切断して画素を信号線から解放する。従来はこれによ
って画素の読み出しが行われなくなるため、画素内のど
こかに高圧による不具合が発生する懸念があったが、本
構造では二端子素子が機能するため、スイッチング素子
の切断が可能となる。
【0066】しかも、画素電極との間に厚い層間絶縁膜
があるため、レーザ照射痕が上層に達する可能性が少な
く、特性に不具合を生じ難い。もちろん、理想的には上
層が形成される前にレーザ修正が行われることが好まし
く、修正後に層間絶縁膜以降の工程に進めることが好ま
しい。
【0067】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、共通配線には、電圧が印加されていることを特徴と
している。
【0068】上記の発明によれば、共通配線には、電圧
が印加されている。
【0069】すなわち、共通電極に与える電圧を適当に
設定することによって、画素電極に蓄えられた電荷によ
る画素電位と共通配線の電位との電位差が、二端子素子
の閾値を超えたときに初めて、二端子素子に順方向電流
が流れて過剰電荷の放出を始めるように、画素電位を任
意に設定することができる。
【0070】この結果、正常な読み出し時に、二端子素
子を漏れ電流が流れることによって、S/N比が低下す
ることを防止することができる。
【0071】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、画素電極との間で蓄積容量を形成するためのもう一
方の電極を形成する補助容量配線が共通配線を兼ねてい
る。
【0072】上記の発明によれば、画素電極との間で蓄
積容量を形成するためのもう一方の電極を形成する補助
容量配線が共通配線を兼ねている。
【0073】すなわち、共通配線が、画素電極との間で
蓄積容量を形成するためのもう一方の電極を形成する補
助容量配線と共通となっている。
【0074】したがって、蓄積された電荷を読み出すた
めのスイッチング素子と過剰電荷を放出するための二端
子素子とを同時に形成できるため、パターンの追加だけ
で工程数の増加が生じない。このため、生産コストを低
く抑えることができる。
【0075】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタのゲート電
極とソース電極又はドレイン電極とが短絡されてなる二
端子素子を備えるときには、画素電極に蓄えられる電荷
はスイッチング素子を導通するためのゲート電圧と同極
性である一方、共通配線には、上記電荷が読み出された
際の二端子素子の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以
上50V以下となるように電圧が印加されていることを
特徴としている。
【0076】上記の発明によれば、個々の画素電極毎
に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又はド
レイン電極とが短絡されてなる二端子素子を備えるとき
には、画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング素子を
導通するためのゲート電圧と同極性である一方、共通配
線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子の両端
の電圧が非導通方向でかつ2V以上50V以下となるよ
うに電圧が印加されている。
【0077】すなわち、共通配線の電圧範囲のもう一方
は、変換層に印加される電圧の極性、つまり画素電極に
蓄えられる電荷の極性によって考え方が異なる。
【0078】例えば、トランジスタがオンの際のゲート
電圧の極性と画素電荷の極性とが同じである場合、具体
的には、nチャネルのトランジスタが形成された画素に
プラス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積される
に伴って益々トランジスタは導通状態から遠くなる。
【0079】したがって、電荷によって素子が破壊され
るより前の状態にて、二端子素子が導通するように共通
配線の電圧を設定する必要がある。
【0080】nチャネルの二端子素子とプラス電荷との
組み合わせでは、二端子素子は、一般には素子に50V
以上の電圧がかかると破壊や特性異常が発生するので、
共通配線は50V程度以下の電圧としておく必要があ
る。つまり、通常状態で画素電圧が0Vから5Vの範囲
で使用され、二端子素子の閾値は最大でも3V程度であ
ることを考えると、共通配線に印加されるべき電圧の範
囲は、2V以上50V以下であることがわかる。この条
件を満たすことによって、正常動作時の漏れ電流は殆ど
なく、高電圧による素子の破壊も防止できる。
【0081】なお、本発明において、「通常動作時の実
質的な画素電位」としているのは、上記の場合、二端子
素子の閾値を3V程度にしたときに、通常状態で画素電
圧が0Vから5Vの範囲で使用されても、共通配線に印
加されるべき電圧の範囲を、2V以上50V以下にすれ
ば、実質的な画素電位である3V以内の値となることを
考慮したものである。
【0082】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタのゲート電
極とソース電極又はドレイン電極とが短絡されてなる二
端子素子を備えるときには、画素電極に蓄えられる電荷
はスイッチング素子を導通するためのゲート電圧と逆極
性である一方、共通配線には、上記電荷が読み出された
際の二端子素子の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以
上であり、電圧の絶対値が上記スイッチング素子の非導
通時の走査線に印加される電圧の絶対値以下であるよう
に電圧が印加されていることを特徴としている。
【0083】上記の発明によれば、個々の画素電極毎
に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又はド
レイン電極とが短絡されてなる二端子素子を備えるとき
には、画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング素子を
導通するためのゲート電圧と逆極性である一方、共通配
線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子の両端
の電圧が非導通方向でかつ2V以上であり、電圧の絶対
値が上記スイッチング素子の非導通時の走査線に印加さ
れる電圧の絶対値以下であるように電圧が印加されてい
る。
【0084】例えば、画素電荷の極性がトランジスタが
オンの際のゲート電圧の極性と逆である場合、具体的に
は、nチャネルのトランジスタが形成された画素にマイ
ナス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積されるに
伴ってスイッチング素子のゲートのオフ電位に対して画
素電位が近づいて行き、閾値を超えたところでスイッチ
ング素子が導通して画素の電荷が信号線に放出される。
【0085】したがって、信号線のデータに影響を与え
ることなく電荷放出するには、この状態に至る前に二端
子素子が導通状態に達する必要がある。3端子素子であ
るスイッチング素子のソース及びドレインのうちの一方
だけに電圧がかかった場合よりも二端子素子の方がより
強い導通状態になり易いことを考えると、スイッチング
素子の非導通時の走査線に印加される電圧と同じ電圧を
共通配線に与えることにより、過剰電荷蓄積時にはスイ
ッチング素子よりも二端子素子の方が早く導通状態に転
じ、目的が達成される。
【0086】したがって、例えば、走査線の電圧が導
通、非導通それぞれに対して+15V、−10Vと設定
されていた場合、既に説明した正常動作時の漏れ電流の
制限からくる共通配線の電圧範囲と合わせると、−2V
から−10Vの間に共通配線に与える電圧を設定する必
要があることがわかる。
【0087】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破壊も防
止でき、かつ過剰電荷を放出する際に信号線への電荷流
出によってデータに支障を与えたり、読み出し回路の不
良発生といった不具合を回避することができる。
【0088】本発明の二次元画像検出器は、上記課題を
解決するために、上記記載の二次元画像検出器におい
て、二端子素子の一方が画素電極に接続されており、か
つ上記二端子素子の他方が後段の走査線に接続されてい
ることを特徴としている。
【0089】上記の発明によれば、二端子素子の一方が
画素電極に接続されており、かつ上記二端子素子の他方
が後段の走査線に接続されている。
【0090】このため、バイアスをかけるのに別段電圧
供給手段を必要とせず、また、共通配線設置にかかるス
ペースを特に要しないとすることができる。
【0091】さらに、走査線の電圧制御を厳密に行う必
要があるものの、これを実施することによって上記のよ
うにオフセットが自動的にかかってダイナミックレンジ
が広がるという利点を持つ。
【0092】また、3端子であるスイッチング素子より
も二端子素子の方がより強い導通状態に至るため、信号
線に過剰電荷が流出する以前に、隣接走査線に流出す
る。信号線への放出の際は、他のデータヘの影響や読み
出し回路の故障等が懸念されたが、走査回路は耐圧も高
いため故障も少なく、また、放出はスイッチング素子の
オフの状態で行われるため隣接画素への影響も考えなく
ても良い。
【0093】本発明の二次元画像検出器の製造方法は、
上記課題を解決するために、入射した電磁放射線を電荷
に変換する変換層と、絶縁性基板上に設けられて発生し
た上記電荷を収集する複数の画素電極と、個々の上記画
素電極からの電荷の読出しを制御するスイッチング素子
と、上記スイッチング素子を順次走査選択するための複
数の走査線と、上記個々の画素電極に貯えられた電荷を
上記スイッチング素子を介して伝達する信号線とを有す
る二次元画像検出器の製造方法において、上記個々の画
素電極に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極
又はドレイン電極とが短絡されてなる二端子素子を、ス
イッチング素子への過剰電荷を放出すべく設ける一方、
上記二端子素子と上記スイッチング素子とを同一の工程
にて製造することを特徴としている。
【0094】上記の発明によれば、個々の画素電極に、
薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又はドレイ
ン電極とが短絡されてなる二端子素子を、スイッチング
素子への過剰電荷を放出すべく設ける一方、上記二端子
素子と上記スイッチング素子とを同一の工程にて製造す
る。
【0095】このため、過剰電荷放出用の二端子素子を
形成する際、最適なMIM特性を得るために特別な絶縁
膜の形成や、良好なツェナーダイオード特性を得るため
に、特殊な半導体層の形成といった特別なプロセスを必
要としない。
【0096】この結果、従来の液晶表示装置に用いられ
るアクティブマトリクス基板の製造ラインを変更するこ
となく活用でき、生産に当たっては新たな設備投資等を
必要とせず、安価に生産することが可能であり、製造コ
ストを大幅に軽減できる。
【0097】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0098】本実施の形態の二次元画像検出器としての
X線センサは、例えば、人体を透過したX線像を画像化
するX線撮像装置等に使用され、X線等の画像を検出で
きるイメージセンサである。なお、このイメージセンサ
は、必ずしもフラットパネル型に限らず、基板が曲面に
て形成される曲面基板をも含むものとする。
【0099】すなわち、例えば、図2に示すように、X
線管球61から出射されるX線による被検体62の透過
X線像が、2次元アレイ状に光電変換素子が配置された
本実施の形態のX線センサ71により画像信号に変換さ
れるようになっている。
【0100】このX線センサ71から出力されたアナロ
グ信号は、A/D変換器63によりディジタル画像信号
に変換され、画像処理装置64に取り込まれる。画像処
理装置64は、種々の画像処理を行うとともに、保存が
必要な画像を画像記憶装置66に記憶させる。また、画
像処理装置64から出力されるディジタル画像信号は、
D/A変換器65によりアナログ信号に変換されて、画
像モニタ装置67の画面に表示することができるものと
なっている。
【0101】ここで、本実施の形態のX線センサ71
は、図1(a)(b)(c)に示すように、絶縁性基板
としてのガラス基板300上に、XYマトリクス状の電
極配線である走査線1及び信号線2と、スイッチング素
子としての信号読み出し用薄膜トランジスタ(TFT:
Thin Film Transistor)200と、画素電極12と、画
素電極12との間で蓄積容量を形成するためのもう一方
の電極を形成する補助容量配線3と、二端子素子100
と、変換層51と、共通電極52とが形成されている。
【0102】本実施の形態においては、過剰電荷放出用
として用いられる二端子素子100として、薄膜トラン
ジスタ(TFT)のゲートとソースとを短絡させて二端
子素子100とする構造を用いている。
【0103】その結果、画素電極12は、二端子素子1
00のソース電極108に接続されるとともに、コンタ
クトホール6を通じて二端子素子100のゲート電極1
04にも接続されている。
【0104】本実施の形態のX線センサ71等の二次元
画像検出器の製造方法を図3(a)〜(f)に基づいて
説明する。なお、同図(a)〜(f)においては、左が
二端子素子100を表し、右が信号読み出し用薄膜トラ
ンジスタ200を表す。
【0105】先ず、図3(a)に示すように、ガラス基
板300上にTa(タンタル)やAl(アルミニウム)
等の金属膜4を例えばスパッタ蒸着で成膜した後、所望
の形状にパターニングする。これにより、図3(b)に
示すように、信号読み出し用薄膜トランジスタ200の
ゲート電極204を形成するとともに、このとき同時
に、二端子素子100のゲート電極104と前記補助容
量配線3とを形成する。
【0106】次に、同図(b)に示すように、それぞ
れ、ゲート絶縁膜5を成膜し、パターニングする。この
ときのパターンは、周辺の端子近傍の前記走査線1及び
回路系との電気的コンタクトを取るべき部分(図示せ
ず)、及び二端子素子100のゲート電極104上の一
部である。すなわち、このときのパターン形成において
は、二端子素子100のゲート電極104上には、二端
子素子100の基となるトランジスタのゲート電極10
4とソース電極108とを短絡するためのコンタクトホ
ール6となるべき部分を設けておく。
【0107】次に、図3(c)に示すように、二端子素
子100及び信号読み出し用薄膜トランジスタ200の
いずれにも、半導体層7とn+ −Si層8とを連続して
積層し、パターニングする。後述するように、上記のn
+ −Si層8は、二端子素子100ではソース電極10
8及びドレイン電極103となる一方、信号読み出し用
薄膜トランジスタ200ではソース電極208及びドレ
イン電極203となる(同図(e)参照)。
【0108】次に、図3(d)に示すように、二端子素
子100及び信号読み出し用薄膜トランジスタ200の
いずれにも、信号線2となる金属層10と透明導電膜1
1とを積層しパターニングする。この時、パターニング
される透明導電膜11の一部が前記画素電極12とな
る。
【0109】これらの配線やパターンを2層の積層構造
にしているのは、積層時のダスト等による断線に対する
冗長としての効果や、上層の金属膜をパターニングする
時の下地へのダメージを防止する効果等を狙ったもの
で、従来のアクティブマトリクス基板にも用いられてい
る。
【0110】次いで、透明導電膜11をマスクとしてn
+ −Si層8をエッチングしてパターニングする。これ
により、図3(e)に示すように、信号読み出し用薄膜
トランジスタ200においてはチャネル209、ソース
電極208及びドレイン電極203が同時に形成される
一方、二端子素子100においてはチャネル109、ソ
ース電極108及びドレイン電極103が同時に形成さ
れる。
【0111】次に、図3(f)に示すように、保護膜1
7を成膜し、画素電極12用の開口部をエッチングによ
って除去する。さらに、保護膜17の上層に蒸着法によ
って変換層51となるセレニウムを主成分とする例えば
a−Se(非晶質セレニウム)を蒸着した後、最後にa
−Seに電圧を印加するための共通電極52となる金を
蒸着する。これによって、二次元画像検出器が完成す
る。
【0112】ここで、本実施の形態では、変換層51と
してa−Seを採用したが、光導電性を有しX線等のエ
ネルギーを受けることにより電子−正孔対が発生するも
のであれば、特に限定されるものでなく、例えば、Cd
Te(テルル化カドミウム)等を使用しても良い。
【0113】また、変換層51や共通電極52の材料
は、X線センサ71のみならず可視光や赤外線等、照射
されるエネルギーに応じて選択することができる。
【0114】上記工程のうち、変換層51及び共通電極
52を形成する工程を除いて、液晶表示装置のアクティ
ブマトリックス基板を製造する工程を略そのまま流用す
ることができる。
【0115】すなわち、本実施の形態では、二端子素子
100のゲート電極104は信号読み出し用薄膜トラン
ジスタ200のゲート電極204と補助容量配線3と同
時に形成される一方、二端子素子100のチャネル10
9は信号読み出し用薄膜トランジスタ200のチャネル
209と同時に形成される。また、二端子素子100の
ソース電極108及びドレイン電極103が信号読み出
し用薄膜トランジスタ200のソース電極208及びド
レイン電極203と同時に形成される。さらに、二端子
素子100のゲート絶縁膜5は、信号読み出し用薄膜ト
ランジスタ200のゲート絶縁膜5をそのまま用いて同
時に形成することができる。
【0116】この結果、二端子素子100を形成するた
めの工程として、信号読み出し用薄膜トランジスタ20
0を形成するための既存の工程以外の特別なプロセスを
必要としないため、従来の液晶表示装置に用いられるア
クティブマトリクス基板の製造ラインを変更することな
く活用でき、製造コストを大幅に軽減できる。
【0117】なお、本実施の形態においては、上述した
ように、二端子素子100について、ソース電極108
を画素電極12に接続し、ドレイン電極103を信号線
2に接続しているが、必ずしもこれに限らず、ソース電
極108を信号線2に接続し、ドレイン電極103を画
素電極12に接続しても良い。
【0118】また、同様に、信号読み出し用薄膜トラン
ジスタ29について、本実施の形態では、ソース電極2
08を信号線2に接続し、ドレイン電極203を画素電
極12に接続しているが、必ずしもこれに限らず、ソー
ス電極208を画素電極12に接続し、ドレイン電極2
03を信号線2に接続しても良い。
【0119】次に、上記のX線センサ71の動作を簡単
に説明する。
【0120】先ず、図1(a)(b)(c)に示すよう
に、X線センサ71の上方からX線が照射されると、こ
のエネルギーによって変換層51において電子−正孔対
が発生する。
【0121】共通電極52には、ある一定のバイアス電
圧が印加されている。本実施の形態では正極の高電圧が
印加されており、発生した電子−正孔対はこの電圧によ
り移動し、画素電極12には正の電荷が蓄積される。そ
して、この電荷は走査線1により選択された信号読み出
し用薄膜トランジスタ200を介して信号線2に伝達さ
れ、外部に接続されたアンプによって信号が読み出され
る。
【0122】ここで、欠陥画素や信号読み出しアルゴリ
ズムの不具合によって信号読み出し用薄膜トランジスタ
200による正規の読み出しの電荷量よりも、発生して
画素電極12に蓄積される電荷量の方が上回った場合、
画素電位が上昇し、最悪の場合、信号読み出し用薄膜ト
ランジスタ200が破壊されてしまう場合がある。
【0123】しかし、本実施の形態では、各画素電極1
2には、信号読み出し用薄膜トランジスタ200の他
に、ゲート電極104が各画素電極12とソース電極1
08とに短絡されたnチャネルトランジスタ構成の二端
子素子100が接続されている。
【0124】すなわち、この二端子素子100は、図4
(a)に示すように、一方の端子が画素電極12に接続
される一方、他方の端子は信号線2に接続されている。
また、この二端子素子100では、ゲート電極104
が、前記コンタクトホール6を通じて画素電極12とソ
ース電極108とに短絡されている。
【0125】したがって、本実施の形態の二端子素子1
00は、画素電極12方向から信号線2に向かう方向を
順方向とするダイオードとなる。
【0126】ここで、本実施の形態では、二端子素子1
00の閾値電圧は約2Vとなっており、これを超えると
二端子素子100が導通して、画素電極12から信号線
2に向かう方向を順方向に電流が流れ過剰電荷が放出さ
れる。そのため、万が一何らかの原因によって画素電極
12に蓄積された正の電荷が過剰になったとしても、二
端子素子100にかかる電圧が閾値電圧を超えると、二
端子素子100が導通状態に転じて過剰電荷が画素電極
12から信号線2に放出される。このため、過剰電荷に
より画素電位が上昇して信号読み出し用薄膜トランジス
タ200が破壊されることを防ぐことができる。
【0127】ところで、上記の閾値は、二端子素子10
0からでは求め難く、半導体素子の特性評価としてトラ
ンジスタの特性から求めるのが良い。
【0128】この閾値の求め方を説明する。
【0129】先ず、二端子素子100の電流−電圧特性
は、図5(a)にて示される一方、これを構成するトラ
ンジスタの特性は、図5(b)にて示される。すなわ
ち、図5(b)の特性を示すトランジスタのゲートとソ
ースとを短絡して構成した二端子素子100の特性が図
5(a)ということになる。
【0130】また、図5(b)においては、太線がソー
ス−ドレイン電流Idsであり、細実線がその平方根で
ある。さらに、同図(b)の横軸はゲート電圧である。
また、同図(b)は、ドレインを接地し、ソースに+1
0Vを印加したときの特性を示している。
【0131】ここで、同図(b)に示すように、細線
(√Ids−Vg曲線)において、その傾き(相互コン
ダクタンスGm=Δ√Ids/ΔVg)が最大となる点
(同図(b)に示すa点)における接線(同図(b)に
おいて破線で示す)を引き、この接線のX切片(同図
(b)に示すb点)を求めると、例えば約2Vとなる。
【0132】このような閾値の求め方は、飽和領域にお
けるIdsの一般式である、 Ids=β(Vg−Vth)2 によっている。すなわち、同図(b)において細線にて
示される実測値の曲線をこの式の変形である直線、 √Ids=√β(Vg−Vth) に近似するものであり、同図(b)における破線がこの
近似式に相当する。なお、このような求め方は、一般的
に用いられている。
【0133】ここで、本実施の形態では、二端子素子1
00と信号読み出し用薄膜トランジスタ200とは同時
に作成されているため、二端子素子100の閾値は信号
読み出し用薄膜トランジスタ200の閾値と同等と見做
して問題ない。そして、一般には、この閾値電圧におけ
る二端子素子100の電流値は数百pA程度である。
【0134】また、本実施の形態では、二端子素子10
0に流れる電流量は、二次元画像検出器であるX線セン
サ71がセンサとして正常に動作しているときには、微
弱である必要がある。これは、通常動作時の実質的な画
素電位において二端子素子100に電流が流れ得る状態
にあると、画素電極12から信号読み出し用薄膜トラン
ジスタ200を介して正常に読み出されるべき画素電極
12に蓄積された電荷が、二端子素子100側に漏れ電
流として流出してしまうからである。
【0135】また、閾値の設定については、画素電極1
2の容量値と読み出しインターバルとにも依存するが、
少なくとも正常動作時に想定される画素電極12の到達
電位よりも、二端子素子100の閾値が高くなるように
設定しておく必要がある。
【0136】このため、本実施の形態では、二端子素子
100の閾値は、X線センサ71の通常動作時の実質的
な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなるように設
定されている。
【0137】したがって、通常動作時における二端子素
子100への漏れ電流は数百pA程度と微弱であり、こ
の漏れ電流によってS/N比が低下することは殆ど無
い。
【0138】例えば、本実施の形態の二端子素子100
では、電位2Vのときの抵抗値が約2×1010Ωであ
り、補助容量の値が5pFであるので、画素電極12か
ら電荷が流出する際の時定数は100msとなる。これ
は、10msのインターバルの間に画素電極12に保持
されている電位が90%にまで低下することを示してい
る。
【0139】実用上では、これらインターバルと保持電
圧の低下率の許容値とが事実上の限界であることを考え
ると、本実施の形態の構造では正常動作時の画素電圧は
二端子素子100の閾値である2V以上になるようには
設計してはいけないことがわかる。尤も、二端子素子1
00のチャネル長やチャネル幅を変更することによっ
て、電圧−電流特性を変えることはできるが、印加電圧
の若干の変化に対する電流の変動量からすると誤差であ
ると言わざるを得ない。
【0140】次に、画素電位を二端子素子100の閾値
以下とする方法は、二端子素子100の閾値そのものを
高く設定することが最も効果的であるが、前述したよう
に、これはプロセスの変更を要することや閾値制御が困
難であることから実現が難しい。
【0141】したがって、正常動作時に画素電位を低く
抑えることが重要であり、このためには、読み出しのイ
ンターバルを縮めることによりフレーム周期を早めて、
複数フレームの微少データを蓄積してより精度の良いデ
ータを得る方法や、蓄積容量を大きくして大きな電荷が
蓄積されても画素電位の上昇が低く抑えられる方法等が
考えられる。しかし、いずれの方法においても、二端子
素子100を形成するために新たな工程を増加させる必
要は無く、コストを低く抑えることができる。
【0142】ところで、本実施の形態では、図4(a)
に示すように、蓄積する電荷を正極性としてnチャネル
の二端子素子100から電荷を放出させる構造を示した
が、必ずしもこれに限らず、変換層51の特性やアクテ
ィブマトリクス基板における半導体プロセス上の制約に
よっては種々の形態が考えられる。
【0143】すなわち、例えば、図4(b)に示すよう
に、負極性の電荷をnチャネルの二端子素子100から
放出させる構造や、図4(c)に示すように、正極性の
電荷をpチャネルの二端子素子100から放出させる構
造、又は図4(d)に示すように、負極性の電荷をpチ
ャネルの二端子素子100から放出させる構造が考えら
れる。
【0144】これらは、いずれも蓄積された電荷が過剰
になったとき、二端子素子100が導通状態に転じて、
順方向電流が流れる構造となっている。
【0145】したがって、二端子素子100の閾値が画
素電極12の電圧より高いという意味合いは、電荷が画
素に蓄積されて行く過程で二端子素子100の閾値を跨
いで画素電極12の電圧が変化し、二端子素子100の
順方向電流が流れ始めるような状態に正常駆動時には達
しないという意味であり、絶対的な電圧の数値の大小を
示すものではない。
【0146】また、図5に示すように、非線型素子が非
導通状態から導通状態に移行する付近では、電流−電圧
特性は計算値とは異なって実際にはなだらかな立ち上が
りを示し、閾値以下であっても微少電流が流れることが
多い。したがって、順方向電流が流れない状態とは、電
流値が厳密にゼロである状態をいうのではなく、オン状
態での抵抗値と比べて十分に高抵抗な状態を指す。そし
て、一般には、1nA以下である状態を指すことが多
い。
【0147】また、本実施の形態では、画素電極12
と、信号読み出し用薄膜トランジスタ200を介して接
続された方の信号線2との間に二端子素子100を配し
たが、必ずしもこれに限らず、設置する空間上の制約に
よっては隣接する他方の信号線2に過剰電荷を放出する
構造としても構わない。
【0148】このように、本実施の形態のX線センサ7
1では、入射した例えばX線等の電磁放射線を電荷に変
換する変換層51と、ガラス基板300上に設けられて
発生した上記電荷を収集する複数の画素電極12…と、
個々の画素電極12…からの電荷の読出しを制御する信
号読み出し用薄膜トランジスタ200と、この信号読み
出し用薄膜トランジスタ200を順次走査選択するため
の複数の走査線1と、個々の画素電極12…に貯えられ
た電荷を信号読み出し用薄膜トランジスタ200を介し
て伝達する信号線2…とを有している。
【0149】したがって、該当する画素に対して外部か
ら例えばX線等の電磁放射線が照射されると変換層51
を介して個々の画素電極12に電荷が蓄積される。この
ため、その画素の画素電極12に接続された例えば信号
読み出し用薄膜トランジスタ200からなるスイッチン
グ素子に対する走査線1を選択することにより、変換層
51に蓄積された電荷に基づく情報信号が画素電極12
から信号線2に流れ、外部に出力することができる。こ
れを例えば表示装置に表示させることにより、X線画像
を得ることができる。
【0150】ここで、本実施の形態では、個々の画素電
極12毎に、二端子素子100が画素電極12の過剰電
荷を放出すべく設けられるとともに、二端子素子100
の閾値が、通常動作時の実質的な画素電位の絶対値の最
大値よりも大きくなるように設定されている。
【0151】このため、画素電極12に生じた過剰電荷
を二端子素子100にて放出することができるので、変
換層51の局部的な欠陥や信号読み出し系統の一時的な
トラブルによって画素からの正常な電荷の読み出しが行
われなかった場合でも、信号読み出し用薄膜トランジス
タ200を破壊する電圧に至る前に過剰電荷を放出させ
ることができる。
【0152】また、二端子素子100の閾値は、通常動
作時の実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きく
なるように設定されているので、通常動作時において
は、画素電極12に蓄積された電荷は、信号読み出し用
薄膜トランジスタ200を通して信号線2に流れ、二端
子素子100から放出されることはない。すなわち、画
素電極12に電荷が書き込まれて行く過程で、実質的な
画素電位の絶対値が通常動作時の最大画素電位(絶対
値)に至るまでに、二端子素子100の閾値よりも超え
ることが無い。
【0153】このため、正常駆動時には、二端子素子1
00が閾値を跨いで導通状態に至り、二端子素子100
の順方向電流が流れ始めるような状態に達するというこ
とが無い。したがって、通常の読み出し時に、二端子素
子100を流れる漏れ電流によってS/N比が低下する
のを防ぐことができる。
【0154】一方、一般的なダイオード等からなる二端
子素子では閾値を求め難い。しかし、本実施の形態の二
端子素子100は、信号読み出し用薄膜トランジスタ2
00のゲート電極204とソース電極208又はドレイ
ン電極203とが短絡されてなっている。
【0155】すなわち、半導体素子の特性評価としては
トランジスタの特性から求めることができるが、本実施
の形態では、二端子素子100と画素電極12用の信号
読み出し用薄膜トランジスタ200として最近一般的に
使用される薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッ
チング素子とが並設されているために、二端子素子10
0の閾値は信号読み出し用薄膜トランジスタ200に用
いられる閾値と同等と見做すことができる。このため、
スイッチング素子に薄膜トランジスタ等のトランジスタ
を用いている場合には、二端子素子100の閾値を容易
に求めることができる。
【0156】また、二端子素子100は、薄膜トランジ
スタからなり、一般的な薄膜トランジスタからなるスイ
ッチング素子と同種の構成を有している。このため、ア
クティブマトリクス基板の製造工程においても、並設す
れば良いだけであるので、製造工程を変更することもな
い。また、同種の素子であるので、構造も簡単である。
【0157】この結果、アクティブマトリクス基板の製
造工程を何ら変更することなく、過剰電荷を放出して素
子の破壊を防止することができ、かつ構造の複雑化を防
止し得るX線センサ71を提供することができる。
【0158】また、本実施の形態のX線センサ71で
は、二端子素子100の一方が画素電極12に接続され
ており、かつ二端子素子100の他方が信号線2に接続
されている。
【0159】すなわち、過剰電荷を放出する配線を別途
設けるのでなく、信号線2に対して放出する構造として
いる。このため、過剰電荷放出機能を設けていない場合
と比べて画素電極面積の低下は殆どない。
【0160】この結果、画素電極12の占める割合によ
って収集される信号電荷量が増減する場合でも、過剰電
荷放出機能を持たないものと同等の信号量を得ることが
できる。
【0161】また、後述する共通配線を設けた場合に
は、これと走査線1又は補助容量配線3との間に交差部
ができるため、静電容量が生じ、走査信号の遅延や補助
容量配線3の負荷増大等の問題があったが、本構造では
その懸念がなく、過剰電荷放出機能を有しないものと同
等である。
【0162】なお、共通配線は通常、信号線2…間に設
置されるため、その入力はアクティブマトリクス基板内
で短絡されて1箇所ないし数箇所から全共通配線に入力
されることが多い。
【0163】この場合、その短絡する配線には全共通配
線分の負荷がかかるため、電位が直流に保持されるとは
いえ、走査線1や信号線2からの突き上げ又は突き下げ
を受けて、ノイズ状の電圧変動が生じ易い。これに二端
子素子100が接続された場合、この電圧変動によって
二端子素子100が動作して漏れ電流が生じるおそれが
ある。
【0164】しかし、本実施の形態では、信号線2…は
1本ずつ外部回路からDC電圧が供給されるため、入力
側からみたインピーダンスが低く、このため、二端子素
子100の一端の電圧は常に安定し、漏れ電流が生じ難
い。
【0165】また、本実施の形態では、二端子素子10
0の一端は信号線2であり、ここへの電圧印加は例えば
外部ICから行われるため、ICの構成によっては二端
子素子100に任意の信号を供給し易い。
【0166】例えば、意図的に、二端子素子100が導
通するように信号線2に電圧を印加して画素に信号線2
から電荷を書き込み、変換層51からの電荷供給の前に
画素電位にオフセットをかけておくことで、電荷蓄積の
ダイナミックレンジを広げることも容易に可能である。
【0167】この方式にて読み出し毎に一回ずつ画素電
位をリフレッシュ駆動することにより、信号読み出し用
薄膜トランジスタ200からの電荷読み出しの残留によ
る残像を消去する効果を得ることも比較的容易である。
【0168】さらに、意図的に二端子素子100を導通
させることを、信号線2…毎にできることも利点であ
る。例えば、被写体が小さくかつX線透過量が少ない場
合等、X線照射量を多くして所望のデータを得ようとし
たときに、被写体が無い部分、すなわち周辺が額縁状に
高い画素電位に達し、ここからの電界の影響で観察エリ
アの周囲部のデータが歪められる状態に陥る場合があ
る。
【0169】この時には被写体がない部分の信号線2に
電圧を印加して画素電荷をわざと放出し、観察部分への
干渉を減らすことによって解像度を増加させることがで
きる。
【0170】この方法は、信号線2に沿って帯状にX線
過剰照射エリアがある場合に特に有効であり、走査線1
に沿ったものについては走査信号の制御によって過剰電
荷蓄積を防ぐことができるので、これらを組み合わせる
ことにより、小被写体の高解像度観察が可能になる。
【0171】また、本実施の形態のX線センサ71の製
造方法では、個々の画素電極12…に、信号読み出し用
薄膜トランジスタ200のゲート電極204とソース電
極208又はドレイン電極203とが短絡されてなる二
端子素子を、信号読み出し用薄膜トランジスタ200へ
の過剰電荷を放出すべく設ける一方、二端子素子100
と信号読み出し用薄膜トランジスタ200とを同一の工
程にて製造する。
【0172】このため、過剰電荷放出用の二端子素子1
00を形成する際、最適なMIM特性を得るために特別
な絶縁膜の形成や、良好なツェナーダイオード特性を得
るために、特殊な半導体層の形成といった特別なプロセ
スを必要としない。
【0173】この結果、従来の液晶表示装置に用いられ
るアクティブマトリクス基板の製造ラインを変更するこ
となく活用でき、生産に当たっては新たな設備投資等を
必要とせず、安価に生産することが可能であり、製造コ
ストを大幅に軽減できる。
【0174】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図6及び図7に基づいて説明すれば、以下の通
りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1の
図面に示した部材と同一の機能を有する部材について
は、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、前
記実施の形態1の各種の特徴点については、本実施の形
態についても組み合わせて適用し得るものとする。
【0175】本実施の形態のX線センサ72では、図6
及び図7に示すように、信号線2とは別に共通配線16
を設け、これに二端子素子100を介して過剰電荷を放
出する構造としている。
【0176】本実施の形態では、共通配線16は信号線
2と同時に形成され、二端子素子100は、実施の形態
1と同様に、信号読み出し用薄膜トランジスタ200と
同時に形成される。このため、本実施の形態でも工程数
の増加はない。
【0177】また、共通配線16は、信号線2のように
金属層10と透明導電膜11との2層構造とはせず、透
明導電膜のみの単層としている。共通配線16は、単に
過剰電荷を放出するだけの役目であり、信号線2の抵抗
値がS/N比に大きな影響を与えるのとは異なり、抵抗
が高くても構わない。むしろ、共通配線16を積層構造
とすることによって、アクティブマトリクス基板表面の
凹凸が多くなり、変換層51に欠陥が生じる確率が増加
するのを防ぐため、単層である方が望ましい場合があ
る。
【0178】すなわち、変換層51にa−Seを用いた
場合には、Seが凹凸のエッジのような特異点を起点に
結晶化し、正常なX線から電荷への変換特性が得られな
くなる欠陥が生じるおそれがある。この可能性を減らす
ために共通配線16は単層構造としているのである。
【0179】また、共通配線16を信号線2と平行して
配置している理由は、S/N比低下の要因となる信号線
2の静電容量の増加を生じさせないようにすべく、信号
線2と共通配線16とが交差するのを防止するためであ
る。
【0180】このように、二端子素子100を画素電極
12と信号線2との間ではなく、共通配線16との間に
形成することによって次のような利点がある。
【0181】すなわち、信号読み出しのアルゴリズムの
不具合により極端に大きい電荷が複数の画素電極12か
ら放出されたとき、信号線2へこの電荷が放出される
と、外部に取り付けられた読み出し用アンプが破壊され
るおそれがある。
【0182】また、画素電極12の欠陥によって過剰電
荷が生成される場合、この画素電極12から常時過剰電
荷が信号線2に放出されると、信号線2に接続された全
ての画素電極12からの画像データが正しく検出されな
いおそれがある。しかし、共通配線16を信号線2と別
に形成することでこの問題が解決される。
【0183】因みに、本実施の形態では、nチャネルの
二端子素子100を用いており、変換層51に印加され
る電圧は負である。変換層51にて生成された電子が画
素電極12に蓄積され過剰になると、共通配線16から
二端子素子100を介して画素電極12に電流が流れ
る。すなわち、画素電極19に蓄積された電子を共通配
線16に逃がし、画素電極19の過剰となった負電位を
下げる。これは、前記実施の形態1にて示した図4
(b)に相当する構造である。
【0184】ところで、共通配線16には−3Vの直流
電圧を印加している。共通配線16に電圧を加えること
で、過剰電荷を放出し始めるための電圧を適切に設定す
ることができる。すなわち、二端子素子100の閾値は
2Vであるので、共通配線16の電位に対して画素電極
12の電位が2V低くなったとき、つまり画素電極12
が−5Vになったときに初めて、二端子素子100から
過剰電荷が放出される。
【0185】前記実施の形態1の場合は、二端子素子1
00の特性によって画素電極12に蓄積できる電荷の量
が制限されたが、本実施の形態では、利用できる電圧範
囲をより広くとることができる。
【0186】前述のインターバルを小さくする方法は、
走査線1の本数が多くなれば、自ずと1ライン当たりの
読み出し時間を小さくせざるを得ない欠点があり、読み
出し不十分による信号精度減少等の懸念がある。
【0187】また、補助容量を大きくすることも同様に
読み出し不十分の問題がある他、物理的に補助容量を形
成すべき領域が不足する懸念もあるが、本実施の形態に
よると、共通配線16を配置したのみの場合と構造を変
更する必要もなく、単に共通配線16に電圧を加えるだ
けで良いので、簡単でしかも確実な漏れ電流制御ができ
る。
【0188】さらに、共通配線16に印加する電圧とし
ては、通常の信号読み出し状態において画素電極12が
達する電圧においては、二端子素子100が導通状態に
ならないように設定すべきである。具体的には、通常時
の実質的な画素電位(絶対値)の最大値から閾値分だけ
差し引いた電圧が、共通配線16に加えるべき電圧の最
小値である。
【0189】ただし、ここで言う値の絶対的な大小につ
いては、実施の形態1で説明したのと同様に、二端子素
子100及び画素に蓄えるべき電圧の極性によって異な
り、より正確には画素電極12に電荷が書き込まれて行
く過程で、画素電位が通常動作時の実質的な最大画素電
位(絶対値)を超えるまでは二端子素子100が閾値を
跨いで導通状態に至ることの無いように、共通配線16
の印加電圧を決定するということである。
【0190】そして、共通配線16の電圧範囲のもう一
方は、変換層51に印加される電圧の極性、すなわち画
素電極12に蓄えられる電荷の極性によって考え方が異
なる。つまり、画素電荷の極性がトランジスタがオンの
際のゲート電圧の極性と同じである場合、例えば、nチ
ャネルのトランジスタが形成された画素にプラス電荷を
蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積されるに伴って益々
トランジスタは導通状態から遠くなる。したがって、電
荷によって信号読み出し用薄膜トランジスタ200が破
壊されるより前の状態で、二端子素子100が導通する
ように共通配線16の電圧を設定する必要がある。
【0191】nチャネルの二端子素子100とプラス電
荷との組み合わせでは、二端子素子100は、前記実施
の形態における図4(a)に示す構成となり、一般には
二端子素子100に50V以上の電圧がかかると破壊や
特性異常が発生するので、共通配線15は50V程度以
下の電圧としておく必要がある。
【0192】つまり、通常状態で画素電圧が0Vから5
Vの範囲で使用され、二端子素子100の閾値は最大で
も3V程度であることを考えると、共通配線16に印加
されるべき電圧の範囲は、2V以上50V以下であるこ
とがわかる。
【0193】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破壊も防
止できる。
【0194】また、画素電荷の極性がトランジスタがオ
ンの際のゲート電圧の極性と逆である場合、例えば、n
チャネルのトランジスタが形成された画素電極12にマ
イナス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積される
に伴って二端子素子100のゲートのオフ電位に対して
画素電位が近づいて行き、閾値を超えたところで二端子
素子100が導通して画素の電荷が信号線2に放出され
る。
【0195】信号線2のデータに影響を与えることなく
電荷放出するには、この状態に至る前に二端子素子10
0が導通状態に達する必要がある。
【0196】3端子素子である信号読み出し用薄膜トラ
ンジスタ200のソース・ドレインのうちの一方だけに
電圧がかかった場合よりも二端子素子100の方がより
強い導通状態になり易いことを考えると、信号読み出し
用薄膜トランジスタ200の非導通時の走査線に印加さ
れる電圧と同じ電圧を共通配線16に与えることによ
り、過剰電荷蓄積時には信号読み出し用薄膜トランジス
タ200よりも二端子素子100の方が早く導通状態に
転じ、目的が達成される。
【0197】したがって、例えば、走査線1の電圧が導
通、非導通それぞれに対して+15V、−10Vと設定
されていた場合、既に説明した正常動作時の漏れ電流の
制限から来る共通配線16の電圧範囲と合わせると、−
2Vから−10Vの間に共通配線16に与える電圧を設
定する必要があることがわかる。
【0198】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による信号読み出し用
薄膜トランジスタ200の破壊も防止でき、かつ過剰電
荷を放出する際に信号線2への電荷流出によってデータ
に支障を与えたり、読み出し回路の不良発生といった不
具合を回避できる。
【0199】このように本実施の形態のX線センサ72
では、ガラス基板300上に複数の画素電極12…に跨
がる共通配線16…が設けられているとともに、二端子
素子100の一方が画素電極12に接続されており、か
つ二端子素子100の他方が共通配線16に接続されて
いる。
【0200】このため、前述した、過剰電荷を逃がす効
果に加えて、逃がされた電荷が信号線2…に伝わること
がないため、例え大量の電荷が二端子素子100を介し
て流出しても読み出し用アンプの故障といった不具合を
生じない。また、特定画素に過剰の電荷が蓄積される欠
陥があっても、他の画素の読み込み中の特定画素の過剰
電荷放出は信号線2ではなく共通配線16に向かって行
われるため、特定画素の欠陥が他の画素の画像データに
まで悪影響を及ぼすことがない。
【0201】さらに、信号線2との間に二端子素子10
0を配置する場合と異なり、これによって画素と信号線
2との間に浮遊容量が発生しないため、信号線2の静電
容量の低減にもつながり、S/N比の向上に効果があ
る。
【0202】ところで、前記実施の形態1においては、
二端子素子100に任意の電圧を印加することが容易で
ある旨述べた。これに対して、本構造では、共通配線1
6に電圧を印加するための図示しない電圧供給部が別途
必要ではあるものの、信号読み出しICの構成が電圧供
給部をもつ必要が無く、より簡単なもので済むため、I
Cが安価に製造できる。特に、高価な高精度読み出しI
Cに高耐電圧性を付加するのはコスト的に不利であるの
で、過剰電荷放出用の電圧は別途供給した方が良い場合
が多い。また、前述のようなIC構成や信号線2に別途
電圧供給手段を設けることは、信号にノイズが重畳され
る可能性を増大させるため、都合が悪い場合がある。
【0203】また、信号線2に二端子素子100を接続
することによって、信号線2の浮遊容量を増加させ、こ
れもノイズ増加の原因となる。共通配線16を別途設け
ることにより、これらの問題も避けられる。
【0204】一方、前記実施の形態1においては、入力
側からみたインピーダンスが低いので、二端子素子10
0の一端の電圧は常に安定し、漏れ電流が生じ難い旨を
述べた。
【0205】これに対して、本実施の形態では、共通配
線16への電圧の入力形態によっては、信号線2に供給
する場合よりも却って低いインピーダンスである場合が
ある。すなわち、ノイズ低減の観点から容量増大を伴う
信号線2の広幅化はできないが、共通配線16の場合に
は、広幅化によって抵抗を減少させ、さらに複数の共通
配線16を結線するアクティブマトリクス基板側の配線
を低抵抗にすることによって、非常にインピーダンスを
低く抑えられる可能性がある。
【0206】この時には、前述同様、走査線1や信号線
2からの突き上げ、突き下げを受けてのノイズ状の電圧
変動が生じ難い。したがって、この電圧変動による二端
子素子100の漏れ電流のおそれは少ない。
【0207】また、本実施の形態のX線センサ72で
は、共通配線16には、電圧が印加されている。
【0208】すなわち、共通配線16に与える電圧を適
当に設定することによって、画素電極12…に蓄えられ
た電荷による画素電位と共通配線16の電位との電位差
が、二端子素子100の閾値を超えたときに初めて、二
端子素子100に順方向電流が流れて過剰電荷の放出を
始めるように、画素電位を任意に設定することができ
る。
【0209】この結果、正常な読み出し時に、二端子素
子100を漏れ電流が流れることによって、S/N比が
低下することを防止することができる。
【0210】また、本実施の形態のX線センサ72で
は、個々の画素電極19…毎に、薄膜トランジスタのゲ
ート電極104と前記ソース電極108又はドレイン電
極103とが短絡されてなる二端子素子100を備える
ときには、画素電極19に蓄えられる電荷は信号読み出
し用薄膜トランジスタ200を導通するためのゲート電
圧と同極性である一方、共通配線16には、上記電荷が
読み出された際の二端子素子100の両端の電圧が非導
通方向でかつ2V以上50V以下となるように電圧が印
加されている。
【0211】すなわち、共通配線16の電圧範囲のもう
一方は、変換層51に印加される電圧の極性、つまり画
素電極19に蓄えられる電荷の極性によって考え方が異
なる。
【0212】例えば、トランジスタがオンの際のゲート
電圧の極性と画素電荷の極性とが同じである場合、具体
的には、nチャネルのトランジスタが形成された画素に
プラス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積される
に伴って益々トランジスタは導通状態から遠くなる。
【0213】したがって、電荷によって素子が破壊され
るより前の状態にて、二端子素子100が導通するよう
に共通配線16の電圧を設定する必要がある。
【0214】nチャネルの二端子素子100とプラス電
荷との組み合わせでは、二端子素子100は、一般には
素子に50V以上の電圧がかかると破壊や特性異常が発
生するので、共通配線16は50V程度以下の電圧とし
ておく必要がある。つまり、通常状態で画素電圧が0V
から5Vの範囲で使用され、二端子素子100の閾値は
最大でも3V程度であることを考えると、共通配線16
に印加されるべき電圧の範囲は、2V以上50V以下で
あることがわかる。この条件を満たすことによって、正
常動作時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破
壊も防止できる。
【0215】また、本実施の形態のX線センサ72で
は、個々の画素電極19…毎に、薄膜トランジスタのゲ
ート電極104と前記ソース電極108又はドレイン電
極103とが短絡されてなる二端子素子100を備える
ときには、画素電極19…に蓄えられる電荷は信号読み
出し用薄膜トランジスタ200を導通するためのゲート
電圧と逆極性である一方、共通配線16には、上記電荷
が読み出された際の二端子素子100の両端の電圧が非
導通方向でかつ2V以上であり、電圧の絶対値が信号読
み出し用薄膜トランジスタ200の非導通時の電圧の絶
対値以下であるように電圧が印加されているとすること
ができる。
【0216】例えば、画素電荷の極性がトランジスタが
オンの際のゲート電圧の極性と逆である場合、具体的に
は、nチャネルのトランジスタが形成された画素にマイ
ナス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積されるに
伴ってスイッチング素子のゲートのオフ電位に対して画
素電位が近づいて行き、閾値を超えたところでスイッチ
ング素子が導通して画素の電荷が信号線に放出される。
【0217】したがって、信号線2のデータに影響を与
えることなく電荷放出するには、この状態に至る前に二
端子素子100が導通状態に達する必要がある。3端子
素子である信号読み出し用薄膜トランジスタ200のソ
ース電極208及びドレイン電極203のうちの一方だ
けに電圧がかかった場合よりも二端子素子100の方が
より強い導通状態になり易いことを考えると、信号読み
出し用薄膜トランジスタ200の非導通時の電圧と同じ
電圧を共通配線16に与えることにより、過剰電荷蓄積
時には信号読み出し用薄膜トランジスタ200よりも二
端子素子100の方が早く導通状態に転じ、目的が達成
される。
【0218】したがって、例えば、走査線1の電圧が導
通、非導通それぞれに対して+15V、−10Vと設定
されていた場合、既に説明した正常動作時の漏れ電流の
制限からくる共通配線16の電圧範囲と合わせると、−
2Vから−10Vの間に共通配線16に与える電圧を設
定する必要があることがわかる。
【0219】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破壊も防
止でき、かつ過剰電荷を放出する際に信号線への電荷流
出によってデータに支障を与えたり、読み出し回路の不
良発生といった不具合を回避することができる。
【0220】〔実施の形態3〕本発明の他の実施の形態
について図8及び図9に基づいて説明すれば、以下の通
りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1及
び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有す
る部材については、同一の符号を付し、その説明を省略
する。また、前記実施の形態1及び実施の形態2の各種
の特徴点については、本実施の形態についても組み合わ
せて適用し得るものとする。
【0221】本実施の形態のX線センサ73では、図8
及び図9に示すように、共通配線16を設けている点
が、前記実施の形態1と同様である。
【0222】しかし、本実施の形態では、画素電極19
の下層に、層間絶縁膜18を介して二端子素子100と
共通配線16とが設けられる。また、各画素電極19…
には、層間絶縁膜18を貫通して二端子素子100に接
触する接触部としてのコンタクトホール20が設けられ
ている。
【0223】すなわち、本実施の形態のX線センサ73
では、同図8及び図9に示すように、共通配線16を設
けるとともに、保護膜17を形成した後、感光性のアク
リル系透明樹脂を、スピン塗布法によって成膜する。そ
して、コンタクトホール20の部分を露光し、通常のフ
ォト工程と同様に現像処理を施すことにより、層間絶縁
膜18を形成する。
【0224】次に、画素電極19となる透明導電層を成
膜し、エッチングによってパターニングする。ここで、
画素電極19は、層間絶縁膜18を貫くコンタクトホー
ル20を介して二端子素子100におけるTFTのドレ
イン電極103と接続される。
【0225】このように形成されたアクティブマトリク
ス基板の上層に蒸着法によってa−Seを蒸着した後、
最後にa−Seに電圧を印加するための電極となる金を
蒸着し、イメージセンサの基板部分が完成する。
【0226】従来のイメージセンサは最大で約1.5μ
mの凹凸があり、しかも下層は全てエッチングによって
形成されているため、エッジ形状が急峻であった。その
ため断面形状としては変異点が多数存在することにな
り、a−Seの結晶化による欠陥画素発生の原因となっ
ていた。
【0227】しかし、本実施の形態では、樹脂を3μm
という厚みで塗布するため下層の凹凸は良く平坦化さ
れ、層間絶縁膜18の表面の凹凸はコンタクトホール2
0部分を除けば、最大でも0.3μmに抑えられる。
【0228】画素電極19を形成する透明導電膜は、
0.15μmの膜厚であるため、これを加えても従来よ
り格段に凹凸が緩和されており、a−Seの結晶化とい
う不具合の発生を防止することができる。
【0229】また、コンタクトホール20の部分でも、
パターニングはフォトプロセスの現像によって形成され
ているため、エッチングとは異なってテーパーがなだら
かであり、最大でも45°以下とすることができる。な
お、図9では、より急峻に見えるが、これは図を描く上
で横方向を圧縮したためであり、実際には、最大でも4
5°以下となっている。
【0230】したがって、コンタクトホール20も変異
点と言えるような形状ではなく、ここを起点としたa−
Seの結晶化は起こらない。
【0231】このように、画素電極19の下層に層間絶
縁膜18を設ける構造は、開口率を増やしたり、電界に
よるドメインの発生を防いだりする目的で液晶表示装置
に用いられるアクティブマトリクス基板でも採用されて
おり、X線センサ73の実現のための特別な工程の増加
や製造設備の構築は必要ない。
【0232】したがって、本構造においても液晶表示装
置用の工程を変更することなく使用できるため、コスト
を低く抑える上で有効である。
【0233】また、前記実施の形態2の場合には、共通
配線16及び二端子素子100を設けるべき部分には画
素電極12を設けることができなかったため、相対的な
画素電極12の占有する割合が減少してしまい、最悪の
場合には読み出し精度の低下という問題点があった。
【0234】しかし、本実施の形態では、画素電極19
の下層に層間絶縁膜18があるため、共通配線16及び
二端子素子100の上層にも画素電極19を配置するこ
とができる。したがって、実施の形態1及び実施の形態
2の場合と比べて、共通配線16の分だけ画素面積が減
少するという懸念も、本実施の形態では発生しない。
【0235】また、層間絶縁膜18の膜厚が十分厚く、
誘電率も低いため、画素電極19はソース信号線と重な
るように配置しても容量増加の増加とはならず、S/N
比の悪化は見られない。
【0236】一方、従来のアクティブマトリクス基板を
用いたときよりも収集される信号量は僅かながら多く、
画素電極19の占める割合が大きい方が効率が良いこと
が確認された。
【0237】仮に、層間絶縁膜18の膜厚が十分でなか
ったり、誘電率が高くなる場合には、信号線2の容量増
大を防ぐため、信号線2の上層の画素電極19は取り除
くべきである。この場合でも、二端子素子100及び共
通配線16は単に過剰電荷を逃がすためだけのものであ
って正常な駆動には何ら影響しないため、これらの上層
には画素電極19を設けていても何ら不都合はなく、上
述のような効果に変わりはない。
【0238】しかも、この時には、画素電極19と補助
容量配線3とを重ねることによって、補助容量配線3の
静電容量が大きくなり、却って、信号線2等から来るノ
イズに対して安定になるという利点もある。さらに、画
素の側からみても補助容量配線3との間で静電容量が形
成されることから、より大きな補助容量を容易に得ると
いう効果も有する。
【0239】また、この上層の画素電極19と下層の補
助容量配線3との間に静電容量を設けるという考え方
は、補助容量配線3を信号線2と並行に配置するという
構造も容易に実現できる。なお、これに関しては、後述
する実施の形態5にて詳述する。
【0240】一方、画素電極19が下地の配線等による
電界をシールドするという効果もある。特に、共通配線
16に電圧をかける構造では、共通配線16は最上層
(場合によってはその上に保護膜17が配される場合も
ある)に配置されることが多いため、この電圧による影
響は変換層51に及び、画素電極19と共通配線16と
の隙間近傍の電界の乱れとなるが、本構造では全体が略
画素電極19に覆われているため、変換層51にかかる
垂直方向の略一様な電界となる。
【0241】このことは、信号の読み出し効率の向上に
繋がる他、電界の乱れによって不安定なa−Se膜内に
欠陥が生じるのを防ぐ上でも重要である。
【0242】さらに、信号線2や共通配線16が変換層
51に面しているときには、これら信号線2及び共通配
線16と変換層51に電圧をかける共通電極との間の電
圧によって、これら信号線2及び共通配線16の上に電
荷が蓄積され、変換層51や保護膜17に電圧ストレス
がかかり続けた結果、信頼性不良を生じるおそれがあっ
た。しかし、本構造では、画素電極19に覆われること
によって、各読み出し周期毎にリフレッシュされるた
め、固定電荷による特性変動等の信頼性不良は生じ難
い。
【0243】また、信頼性不良を生じるに至る前に電荷
によって、信号読み出し用薄膜トランジスタ200や二
端子素子100に動作不良や誤動作をもたらす可能性も
あった。
【0244】しかし、画素電極19にて覆われる構造と
することによって、これら信号読み出し用薄膜トランジ
スタ200や二端子素子100の上層はある一定以上の
電圧にはならず、誤動作するには至らない。もちろん、
この条件を満たすためには動作異常によって画素に想定
以上の電荷が蓄積されないことが前提であるが、二端子
素子100が機能するため、この前提は満たされてい
る。
【0245】一方、下地の共通配線16等によって画素
電極19の面積が制限されないという本構造の特徴によ
り、配線等に冗長構造を持たせることも可能となる。
【0246】例えば、共通配線16を2本並行して設け
ておきかつ数箇所でこれらを結線しておくと、仮にどこ
か1箇所に断線が生じても動作上不具合を起こさない。
【0247】この構造によると、仮に二端子素子100
に短絡不良があっても、その部分の共通配線16をレー
ザ等にて切断するだけで動作は正常になる。二端子素子
100を直接レーザ切断する方が容易な場合と、共通配
線16を切断する方が容易な場合とがあるが、図8から
判断できるように、後者の方が容易なことが多く、共通
配線16を2本並行して設けることが有用なことがわか
る。
【0248】さらに、不良が二端子素子100ではなく
信号読み出し用薄膜トランジスタ200に存在した場合
は、信号読み出し用薄膜トランジスタ200をレーザ切
断して画素電極19を信号線2から解放する。従来は、
これによって画素の読み出しが行われなくなるため、画
素内のどこかに高圧による不具合が発生する懸念があっ
た。
【0249】しかし、本構造では二端子素子100が機
能するため、信号読み出し用薄膜トランジスタ200の
切断が可能となる。
【0250】しかも、画素電極19との間に厚い層間絶
縁膜18があるため、レーザ照射痕が上層に達する可能
性が少なく、特性に不具合を生じ難い。もちろん、理想
的には上層が形成される前にレーザ修正が行われること
が好ましく、修正後に層間絶縁膜18以降の工程に進め
ることが好ましい。
【0251】このように、本実施の形態のX線センサ7
3では、個々の画素電極19…毎に二端子素子100
が、画素電極19の過剰電荷を放出すべく設けられ、二
端子素子100の閾値が、通常動作時の画素電位の絶対
値の最大値よりも大きくなるように設定されている。
【0252】このため、画素電極19に生じた過剰電荷
を二端子素子100にて放出することができるので、前
記変換層51のの局部的な欠陥や信号読み出し系統の一
時的なトラブルによって画素からの正常な電荷の読み出
しが行われなかった場合でも、信号読み出し用薄膜トラ
ンジスタ200を破壊する電圧に至る前に過剰電荷を放
出させることができる。
【0253】また、本実施の形態では、ガラス基板30
0上に複数の画素電極19…に跨がる共通配線16が設
けられ、二端子素子100の一方が画素電極19に接続
されており、かつ二端子素子100の他方が共通配線1
6に接続されている。
【0254】このため、逃がされた電荷が信号線2…に
伝わることがないため、例え大量の電荷が二端子素子1
00を介して流出しても読み出し用アンプの故障といっ
た不具合を生じない。また、特定画素に過剰の電荷が蓄
積される欠陥があっても、他の画素の読み込み中の特定
画素の過剰電荷放出は信号線2…ではなく共通配線16
にに向かって行われるため、特定画素の欠陥が他の画素
の画像データにまで悪影響を及ぼすことがない。
【0255】さらに、本実施の形態では、画素電極19
の下層に、層間絶縁膜18を介して二端子素子100と
共通配線16とが設けられる。また、各画素電極19…
には、層間絶縁膜18を貫通して二端子素子100に接
触するコンタクトホール20が設けられている。
【0256】このため、二端子素子100及び共通配線
16は画素電極19の下層に層間絶縁膜18を介して設
けられるので、共通配線16や二端子素子100による
開口率の低下を防ぐことができる。しかも、この場合に
は、画素電極19と図示しない補助容量配線とを重ねる
ことにより、補助容量配線の静電容量が大きくなり、却
って信号線等からくるノイズに対して安定になるという
利点もある。
【0257】また、同時に、画素の側からみても補助容
量配線との間で静電容量が形成されることから、より大
きな補助容量を容易に得るという効果も得ることができ
る。
【0258】さらに、この上層の画素電極19とと下層
の補助容量配線との間に静電容量を設けるという考え方
は、補助容量配線を信号線2と並行に配置するという構
造も容易に実現する。
【0259】さらに、画素電極19が下地の配線等によ
る電界をシールドするという効果もある。特に、共通配
線16に電圧をかける構造では、共通配線16は最上層
(場合によってはその上に保護膜が配される場合もあ
る)に配置されることが多いため、この電圧による影響
は前記変換層51に及び、画素電極19と共通配線16
との隙間近傍の電界の乱れとなるおそれがある。
【0260】しかし、本実施の形態では、全体が略画素
電極19に覆われているため、変換層51にかかる垂直
方向の略一様な電界となる。このことは、信号の読み出
し効率の向上につながる他、電界の乱れによって不安定
なa−Se膜内に欠陥が生じるのを防ぐ上でも重要であ
る。
【0261】さらに、信号線2や共通配線16が変換層
51に面しているときには、これらと変換層51に電圧
をかける共通配線16との間の電圧によって、これらの
上に電荷が蓄積され、変換層51や保護膜に電圧ストレ
スがかかり続けた結果、信頼性不良を生じるおそれがあ
る。
【0262】しかし、本実施の形態では、画素電極19
に覆われることによって、各読み出し周期毎にリフレッ
シュされるため、固定電荷による特性変動等の信頼性不
良は生じ難い。
【0263】また、信頼性不良を生じるに至る前に、電
荷によって信号読み出し用薄膜トランジスタ200や二
端子素子100に動作不良や誤動作をもたらす可能性も
あったが、画素電極19にて覆われる構造とすることに
よって、これら素子の上層はある一定以上の電圧にはな
らず、誤動作するには至らない。
【0264】もちろん、この条件を満たすためには動作
異常によって画素に想定以上の電荷が蓄積されないこと
が前提であるが、二端子素子100が機能するため、こ
の前提は満たされている。
【0265】また、下地の共通配線16等によって画素
電極19の面積が制限されないという本実施の形態の特
徴により、配線等に冗長構造を持たせることも可能とな
る。
【0266】例えば、共通配線16を2本並行して設け
ておき、数箇所でこれらを結線しておくと、仮に、どこ
か1箇所に断線が生じても動作上不具合を起こさない。
【0267】この構造によると、仮に、二端子素子10
0に短絡不良があってもその部分の共通配線16をレー
ザ等で切断するだけで動作は正常になる。二端子素子1
00を直接レーザ切断する方が容易な場合と、共通配線
16を切断する方が容易な場合とがあるが、後者の方が
容易なことが多く、共通配線16を2本並行して設ける
ことが有用なことがわかる。
【0268】さらに、不良が二端子素子100ではなく
信号読み出し用薄膜トランジスタ200に存在した場合
は、信号読み出し用薄膜トランジスタ200をレーザ切
断して画素を信号線2から解放する。従来はこれによっ
て画素の読み出しが行われなくなるため、画素内のどこ
かに高圧による不具合が発生する懸念があったが、本構
造では二端子素子100が機能するため、信号読み出し
用薄膜トランジスタ200の切断が可能となる。
【0269】しかも、画素電極19との間に厚い層間絶
縁膜18があるため、レーザ照射痕が上層に達する可能
性が少なく、特性に不具合を生じ難い。もちろん、理想
的には上層が形成される前にレーザ修正が行われること
が好ましく、修正後に層間絶縁膜18以降の工程に進め
ることが好ましい。
【0270】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
の形態について図10及び図11に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同
一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、
その説明を省略する。また、前記実施の形態1ないし実
施の形態3の各種の特徴点については、本実施の形態に
ついても組み合わせて適用し得るものとする。
【0271】本実施の形態のX線センサ74は、過剰電
荷を逃がすべき共通配線16を別途設けた前記実施の形
態2とは異なり、図10及び図11に示すように、画素
の補助容量を形成するための補助容量配線3と共用して
いる点に特徴がある。
【0272】この構造により、共通配線形成のために余
分なパターンを追加することによる開口率の低下が阻止
できる。
【0273】すなわち、本実施の形態の二端子素子10
0の構成は、前記図4(b)に相当するものであり、負
電荷を画素電極12に蓄積し過剰となったとき、nチャ
ネルの二端子素子100を介して、共通配線としての補
助容量配線3から画素電極12方向に電流が流れて、画
素が高電圧になるのを阻止する。補助容量配線3には−
2Vの直流電圧が印加されている。
【0274】その効果は、実施の形態2で説明した通り
である。補助容量配線3は画素電極12との間で電荷を
蓄積する一方の電極を形成するために設けられているの
で、これがある略一定な電圧にバイアスされていても、
容量形成の上ではなんら不具合を生じない。
【0275】本構造では、二端子素子100のゲート電
極104が他のパターンから浮いたパターンではないた
め、例え走査線1及び補助容量配線3を陽極酸化して絶
縁膜を形成する工程を含むプロセスで形成されるとして
も、信号読み出し用薄膜トランジスタ200と同様に扱
うことができるという利点がある。すなわち、コンタク
トホール20の形成も端子部等の陽極酸化膜が形成され
た部分と二端子素子100の部分との違いを全く考慮す
る必要がないため、エッチング条件等に特別な配慮をす
る必要がない。
【0276】なお、図10においては、補助容量配線3
は大きな面積で信号線2と交差しているが、前述のよう
に、信号線2の静電容量がノイズに問題となる場合に
は、この部分のパターンをくびらせること等によって交
差面積を減らすことが有効であることは言うまでも無
い。
【0277】このように、本実施の形態のX線センサ7
4では、画素電極12との間で蓄積容量を形成するため
のもう一方の電極を形成する補助容量配線3が共通配線
を兼ねている。
【0278】すなわち、共通配線が、画素電極12との
間で蓄積容量を形成するためのもう一方の電極を形成す
る補助容量配線3と共通となっている。
【0279】したがって、蓄積された電荷を読み出すた
めの信号読み出し用薄膜トランジスタ200と過剰電荷
を放出するための二端子素子100とを同時に形成でき
るため、パターンの追加だけで工程数の増加が生じな
い。このため、生産コストを低く抑えることができる。
【0280】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について図12及び図13に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態1ないし実施の形態4の図面に示した部材と同
一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、
その説明を省略する。また、前記実施の形態1ないし実
施の形態4の各種の特徴点については、本実施の形態に
ついても組み合わせて適用し得るものとする。
【0281】本実施の形態のX線センサ75では、信号
線2の静電容量をさらに低減した形態となっている。
【0282】すなわち、X線センサ75では、図12及
び図13に示すように、過剰電荷放出用共通配線を兼ね
た補助容量配線24は信号線2と平行に配置されている
ため、信号線2が交差するのは走査線1…のみである。
また、画素電極19との重ね部は前述のように信号線2
の静電容量増加には殆ど寄与しない。
【0283】信号読み出し用薄膜トランジスタ200の
ドレイン電極203は、層間絶縁膜18及び保護膜17
に設けられたコンタクトホール20を介して画素電極1
9に接続されている。
【0284】また、ドレイン電極203から延長された
導電性薄膜は、二端子素子100のソース電極108と
なると同時に、ゲート絶縁膜5に設けられたコンタクト
ホール21を介して二端子素子100のゲート電極23
と接続されている。
【0285】一方、信号線2と平行して設けられた共通
配線としての補助容量配線24は、図13に示すよう
に、二端子素子100のドレイン電極103となり、ゲ
ート電極23の上部分22で画素電極19方向から補助
容量配線24方向に向かって順方向を持つ二端子素子1
00が構成される。補助容量配線24と画素電極19と
は、層間絶縁膜18に設けられたコンタクトホール25
において保護膜17を誘電膜として画素容量を形成す
る。
【0286】本実施の形態では、補助容量配線24に
は、+2Vがバイアスされており、前記変換層51には
正の高電圧が印加されている。このため、画素電極19
には、正電荷が蓄積され、これが過剰となった場合に
は、補助容量配線24に過剰電荷が放出される。
【0287】この効果は前述の通りであり、その他、信
号線2との間の静電容量が低減される点、信号線2への
漏れ電荷による信号精度低下が無い点、開口率を大きく
できるという点、及びプロセスの増加や変更を要しない
という点等、前述の利点を全て満たすとともに、極めて
有利なアクティブマトリクス基板が得られる。
【0288】〔実施の形態6〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図14及び図15に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実
施の形態1ないし実施の形態5の図面に示した部材と同
一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、
その説明を省略する。また、前記実施の形態1ないし実
施の形態5の各種の特徴点については、本実施の形態に
ついても組み合わせて適用し得るものとする。
【0289】本実施の形態のX線センサ76では、図1
4に示すように、それぞれの画素電極27・28…が、
読み出し方向に対して次の走査線26aつまり後段の走
査線26aとの間に二端子素子30を有している。
【0290】すなわち、同図に示すように、画素電極2
7・28は走査線26bに対応する画素であって、二端
子素子30は各画素電極27・28と隣接画素に対応す
る走査線26aとの間に配置されている。走査方向は、
同図において矢印にて示したように下から上の方向であ
り、走査線26bの次に走査線26aが選択される方向
である。
【0291】上記の二端子素子30は、接続された隣接
する走査線26aがトランジスタを導通させるべく選択
電位になった際に導通状態となるように設置されてい
る。
【0292】上記構成のX線センサ76について、画素
電極28が正常画素であり、かつ画素電極27は欠陥画
素であるとした場合の各部材の電位状態を、図15
(a)〜(d)に基づいて説明する。
【0293】先ず、上記の二端子素子30は、nチャネ
ルの半導体を構成するように組まれているので、選択電
位とはゲートがハイ電位になったときである。つまり、
図15(b)に示すように、走査線26bが15Vにな
ったとき、信号読み出し用薄膜トランジスタ29が導通
して、画素電極27・28の電荷が信号線2に読み出さ
れる。これにより、図15(c)(d)に示すように、
画素電極27・28はグランドレベル(=0V)とな
る。
【0294】次に、図15(a)に示すように、走査線
26aが15Vとなると、二端子素子30が導通状態と
なり走査線26aと画素電極27・28とが導通し、画
素電位は15Vになる。この状態は言わば画素に+15
Vのオフセット電圧が与えられた状態であり、これによ
り電荷蓄積のダイナミックレンジを大きく取る効果があ
る。
【0295】次に、図15(a)に示すように、走査線
26aが−10Vとなって二端子素子30が非導通とな
ったときから、画素電極27・28への電荷蓄積が開始
される。変換層51にはマイナスの電圧が印加されてい
るので、X線の照射量に応じてマイナスの電荷が画素電
極27・28に蓄積される。
【0296】このとき、図15(c)(d)に示すよう
に、画素電極27・28には予め15Vが加えられてい
るため、これとの差がデータとして取り出される。そし
て、図15(c)に示すように、正常な画素電極28で
は最も照射量が大きい時でも−5Vまでしか達しないよ
うに設計されている。したがって、ダイナミックレンジ
は20Vである設計ということになる。
【0297】一方、欠陥画素である画素電極27は、図
15(d)に示すように、画素電極27に流入する電荷
が異常に多く、次の読み出しタイミングが来る前に−1
0Vにまで達する。
【0298】ここで、画素電位が−10Vよりも低くな
ると走査線26aよりも低電位となり、二端子素子30
が導通する。この結果、画素電位は−10Vよりも低下
することはなく、信号読み出し用薄膜トランジスタ29
が破壊から守られる。
【0299】本構造の利点は、前述の構造のように、バ
イアスをかけるのに別段電圧供給手段を要しないことで
あり、共通配線設置にかかるスペースを特に要しないと
いう点である。
【0300】また、走査線26a・26b…の電圧制御
を厳密に行う必要があるものの、これを実施することに
よって上記のようにオフセットが自動的にかかってダイ
ナミックレンジが広がるという利点を持つ。
【0301】さらに、3端子であるスイッチング素子よ
りも二端子素子の方がより強い導通状態に至るため、信
号線2に過剰電荷が流出する以前に、隣接する走査線2
6aに流出する。信号線2への放出の際は他のデータヘ
の影響や読み出し回路の故障等が懸念されたが、走査回
路は耐圧も高いため故障も少なく、また、放出はスイッ
チング素子のオフの状態で行われるため隣接画素への影
響も考えなくても良い。
【0302】このように、本実施の形態のX線センサ7
6では、二端子素子30の一方が画素電極27・28に
接続されており、かつ二端子素子30の他方が後段の走
査線26aに接続されている。
【0303】このため、バイアスをかけるのに別段電圧
供給手段を必要とせず、また、共通配線設置にかかるス
ペースを特に要しないとすることができる。
【0304】さらに、走査線26a・26b…の電圧制
御を厳密に行う必要があるものの、これを実施すること
によって上記のようにオフセットが自動的にかかってダ
イナミックレンジが広がるという利点を持つ。
【0305】また、3端子である信号読み出し用薄膜ト
ランジスタ29よりも二端子素子30の方がより強い導
通状態に至るため、信号線2…に過剰電荷が流出する以
前に、走査線26a・26bに流出する。信号線2…へ
の放出の際は、他のデータヘの影響や読み出し回路の故
障等が懸念されたが、走査回路は耐圧も高いため故障も
少なく、また、放出は信号読み出し用薄膜トランジスタ
29のオフの状態で行われるため隣接画素への影響も考
えなくても良い。
【0306】なお、本実施の形態1ないし実施の形態6
では、トランジスタのゲートとソースを短絡して二端子
素子とした場合を例に挙げて説明したが、これに限るも
のではなく、ツェナダイオードやMIM等の二端子素子
でも同様であることを追記しておく。
【0307】また、本実施の形態1ないし実施の形態6
では、スイッチング素子はTFTから形成されている
が、これに限るものではなく、ツェナダイオードやMI
M等のスイッチング素子でも良い。
【0308】
【発明の効果】本発明の二次元画像検出器は、以上のよ
うに、個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタのゲート
電極とソース電極又はドレイン電極とが短絡されてなる
二端子素子が画素電極の過剰電荷を放出すべく設けられ
るとともに、上記二端子素子の閾値が、通常動作時の実
質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなるよう
に設定されているものである。
【0309】それゆえ、画素電極に生じた過剰電荷を二
端子素子にて放出することができるので、変換層の局部
的な欠陥や信号読み出し系統の一時的なトラブルによっ
て画素からの正常な電荷の読み出しが行われなかった場
合でも、スイッチング素子を破壊する電圧に至る前に過
剰電荷を放出させることができる。
【0310】また、二端子素子の閾値は、通常動作時の
実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大きくなるよ
うに設定されているので、通常動作時においては、画素
電極に蓄積された電荷は、スイッチング素子を通して信
号線に流れ、二端子素子から放出されることはない。す
なわち、画素電極に電荷が書き込まれて行く過程で、実
質的な画素電位の絶対値が通常動作時の最大画素電位
(絶対値)に至るまでに、二端子素子の閾値よりも超え
ることが無い。
【0311】このため、正常駆動時には、二端子素子が
閾値を跨いで導通状態に至り、二端子素子の順方向電流
が流れ始めるような状態に達するということが無い。し
たがって、通常の読み出し時に、二端子素子を流れる漏
れ電流によってS/N比が低下するのを防ぐことができ
る。
【0312】一方、一般的なダイオード等からなる二端
子素子では閾値を求め難い。しかし、本発明の二端子素
子は、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極又は
ドレイン電極とが短絡されてなっている。このため、ス
イッチング素子にトランジスタを用いている場合には、
二端子素子の閾値を容易に求めることができる。
【0313】また、二端子素子は、薄膜トランジスタか
らなり、一般的な薄膜トランジスタからなるスイッチン
グ素子と同種の構成を有している。このため、アクティ
ブマトリクス基板の製造工程においても、並設すれば良
いだけであるので、製造工程を変更することもない。ま
た、同種の素子であるので、構造も簡単である。
【0314】この結果、アクティブマトリクス基板の製
造工程を何ら変更することなく、過剰電荷を放出して素
子の破壊を防止することができ、かつ構造の複雑化を防
止し得る二次元画像検出器を提供することができるとい
う効果を奏する。
【0315】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、二端子素子
の一方が画素電極に接続されており、かつ上記二端子素
子の他方が信号線に接続されているものである。
【0316】それゆえ、過剰電荷を放出する配線を別途
設けるのでなく、信号線に対して放出する構造としてい
るので、画素電極の占める割合によって収集される信号
電荷量が増減する場合でも、過剰電荷放出機能を持たな
いものと同等の信号量を得ることができる。
【0317】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、絶縁性基板
上に複数の画素電極に跨がる共通配線が設けられている
とともに、二端子素子の一方が上記画素電極に接続され
ており、かつ上記二端子素子の他方が上記共通配線に接
続されているものである。
【0318】それゆえ、過剰電荷を逃がす効果に加え
て、逃がされた電荷が信号線に伝わることがないため、
例え大量の電荷が二端子素子を介して流出しても読み出
し用アンプの故障といった不具合を生じない。また、特
定画素に過剰の電荷が蓄積される欠陥があっても、他の
画素の読み込み中の特定画素の過剰電荷放出は信号線で
はなく共通配線に向かって行われるため、特定画素の欠
陥が他の画素の画像データにまで悪影響を及ぼすことが
ない。
【0319】さらに、信号線との間に二端子素子を配置
する場合と異なり、これによって画素と信号線との間に
浮遊容量が発生しないため、信号線の静電容量の低減に
もつながり、S/N比の向上に効果があるという効果を
奏する。
【0320】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、個々の画素電極毎に二端子素子が画素電極の過剰電
荷を放出すべく設けられ、上記二端子素子の閾値が、通
常動作時の実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大
きくなるように設定されているとともに、上記絶縁性基
板上に複数の画素電極に跨がる共通配線が設けられ、上
記二端子素子の一方が上記画素電極に接続されており、
かつ上記二端子素子の他方が上記共通配線に接続されて
いる一方、上記画素電極の下層に、層間絶縁膜を介して
二端子素子と共通配線とが設けられ、上記各画素電極に
は、上記層間絶縁膜を貫通して上記二端子素子に接触す
る接触部が設けられているものである。
【0321】それゆえ、二端子素子及び共通配線は画素
電極の下層に層間絶縁膜を介して設けられるので、共通
配線や二端子素子による開口率の低下を防ぐことができ
る。
【0322】しかも、この場合には、画素電極と補助容
量配線とを重ねることにより、補助容量配線の静電容量
が大きくなり、却って信号線等からくるノイズに対して
安定になるという利点もある。
【0323】また、同時に、画素の側からみても補助容
量配線との間で静電容量が形成されることから、より大
きな補助容量を容易に得るという効果も得ることができ
る。
【0324】さらに、この上層の画素電極と下層の補助
容量配線との間に静電容量を設けるという考え方は、補
助容量配線を信号線と並行に配置するという構造も容易
に実現する。
【0325】また、画素電極が下地の配線等による電界
をシールドするという効果もある。
【0326】さらに、画素電極に覆われることによっ
て、各読み出し周期毎にリフレッシュされるため、固定
電荷による特性変動等の信頼性不良は生じ難い。
【0327】また、画素電極にて覆われる構造とするこ
とによって、これら素子の上層はある一定以上の電圧に
はならず、誤動作するには至らないという効果を奏す
る。
【0328】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、共通配線に
は、電圧が印加されているものである。
【0329】それゆえ、共通電極に与える電圧を適当に
設定することによって、画素電極に蓄えられた電荷によ
る画素電位と共通配線の電位との電位差が、二端子素子
の閾値を超えたときに初めて、二端子素子に順方向電流
が流れて過剰電荷の放出を始めるように、画素電位を任
意に設定することができる。
【0330】この結果、正常な読み出し時に、二端子素
子を漏れ電流が流れることによって、S/N比が低下す
ることを防止することができるという効果を奏する。
【0331】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、画素電極と
の間で蓄積容量を形成するためのもう一方の電極を形成
する補助容量配線が共通配線を兼ねている。
【0332】それゆえ、蓄積された電荷を読み出すため
のスイッチング素子と過剰電荷を放出するための二端子
素子とを同時に形成できるため、パターンの追加だけで
工程数の増加が生じない。このため、生産コストを低く
抑えることができるという効果を奏する。
【0333】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、個々の画素
電極毎に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極
又はドレイン電極とが短絡されてなる二端子素子を備え
るときには、画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング
素子を導通するためのゲート電圧と同極性である一方、
共通配線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子
の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以上50V以下と
なるように電圧が印加されているものである。
【0334】それゆえ、nチャネルの二端子素子とプラ
ス電荷との組み合わせでは、二端子素子は、一般には素
子に50V以上の電圧がかかると破壊や特性異常が発生
するので、共通配線は50V程度以下の電圧としておく
必要がある。
【0335】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破壊も防
止できるという効果を奏する。
【0336】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、個々の画素
電極毎に、薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極
又はドレイン電極とが短絡されてなる二端子素子を備え
るときには、画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング
素子を導通するためのゲート電圧と逆極性である一方、
共通配線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子
の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以上であり、電圧
の絶対値が上記スイッチング素子の非導通時の走査線に
印加される電圧の絶対値以下であるように電圧が印加さ
れているものである。
【0337】それゆえ、画素電荷の極性がトランジスタ
がオンの際のゲート電圧の極性と逆である場合、具体的
には、nチャネルのトランジスタが形成された画素にマ
イナス電荷を蓄積する構造の場合は、電荷が蓄積される
に伴ってスイッチング素子のゲートのオフ電位に対して
画素電位が近づいて行き、閾値を超えたところでスイッ
チング素子が導通して画素の電荷が信号線に放出され
る。
【0338】したがって、信号線のデータに影響を与え
ることなく電荷放出するには、この状態に至る前に二端
子素子が導通状態に達する必要がある。3端子素子であ
るスイッチング素子のソース及びドレインのうちの一方
だけに電圧がかかった場合よりも二端子素子の方がより
強い導通状態になり易いことを考えると、スイッチング
素子の非導通時の走査線に印加される電圧と同じ電圧を
共通配線に与えることにより、過剰電荷蓄積時にはスイ
ッチング素子よりも二端子素子の方が早く導通状態に転
じ、目的が達成される。
【0339】この条件を満たすことによって、正常動作
時の漏れ電流は殆どなく、高電圧による素子の破壊も防
止でき、かつ過剰電荷を放出する際に信号線への電荷流
出によってデータに支障を与えたり、読み出し回路の不
良発生といった不具合を回避することができるという効
果を奏する。
【0340】本発明の二次元画像検出器は、以上のよう
に、上記記載の二次元画像検出器において、二端子素子
の一方が画素電極に接続されており、かつ上記二端子素
子の他方が後段の走査線に接続されているものである。
【0341】それゆえ、バイアスをかけるのに別段電圧
供給手段を必要とせず、また、共通配線設置にかかるス
ペースを特に要しないとすることができる。
【0342】さらに、走査線の電圧制御を厳密に行う必
要があるものの、これを実施することによって上記のよ
うにオフセットが自動的にかかってダイナミックレンジ
が広がるという利点を持つ。
【0343】また、3端子であるスイッチング素子より
も二端子素子の方がより強い導通状態に至るため、信号
線に過剰電荷が流出する以前に、隣接走査線に流出す
る。信号線への放出の際は、他のデータヘの影響や読み
出し回路の故障等が懸念されたが、走査回路は耐圧も高
いため故障も少なく、また、放出はスイッチング素子の
オフの状態で行われるため隣接画素への影響も考えなく
ても良いという効果を奏する。
【0344】本発明の二次元画像検出器の製造方法は、
以上のように、個々の画素電極に、薄膜トランジスタの
ゲート電極とソース電極又はドレイン電極とが短絡され
てなる二端子素子を、スイッチング素子への過剰電荷を
放出すべく設ける一方、上記二端子素子と上記スイッチ
ング素子とを同一の工程にて製造する方法である。
【0345】それゆえ、過剰電荷放出用の二端子素子を
形成する際、最適なMIM特性を得るために特別な絶縁
膜の形成や、良好なツェナーダイオード特性を得るため
に、特殊な半導体層の形成といった特別なプロセスを必
要としない。
【0346】この結果、従来の液晶表示装置に用いられ
るアクティブマトリクス基板の製造ラインを変更するこ
となく活用でき、生産に当たっては新たな設備投資等を
必要とせず、安価に生産することが可能であり、製造コ
ストを大幅に軽減でき、かつ構造の複雑化を防止し得る
二次元画像検出器の製造方法を提供することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における二次元画像検出器の実施の一形
態を示すものであり、(a)は1画素当たりの構成を示
す平面図、(b)は二端子素子の構成を示す(a)のA
−A線断面図、(c)は信号読み出し用薄膜トランジス
タの構成を示す(a)のB−B線断面図である。
【図2】上記二次元画像検出器であるX線センサの適用
状態を示す説明図である。
【図3】(a)〜(f)は上記二次元画像検出器の製造
工程を示す説明図であり、それぞれの左に示すものが二
端子素子を示すもの、それぞれの右に示すものが信号読
み出し用薄膜トランジスタを示すものである。
【図4】(a)〜(d)は、上記二次元画像検出器にお
ける二端子素子の種々の形態を示す構造図である。
【図5】(a)は二端子素子の電流−電圧の関係を示す
特性図、(b)は二端子素子を構成するトランジスタの
電流−電圧の関係を示す特性図である。
【図6】本発明における二次元画像検出器の他の実施の
形態を示すものであり、1画素当たりの構成を示す平面
図である。
【図7】上記二次元画像検出器における二端子素子の構
成を示すものであり、図6のC−C線断面図である。
【図8】本発明における二次元画像検出器のさらに他の
実施の形態を示すものであり、1画素当たりの構成を示
す平面図である。
【図9】上記二次元画像検出器における二端子素子の構
成を示すものであり、図8のD−D線断面図である。
【図10】本発明における二次元画像検出器のさらに他
の実施の形態を示すものであり、1画素当たりの構成を
示す平面図である。
【図11】上記二次元画像検出器における二端子素子の
構成を示すものであり、図10のE−E線断面図であ
る。
【図12】本発明における二次元画像検出器のさらに他
の実施の形態を示すものであり、1画素当たりの構成を
示す平面図である。
【図13】上記二次元画像検出器における二端子素子の
構成を示すものであり、図12のF−F線断面図であ
る。
【図14】本発明における二次元画像検出器のさらに他
の実施の形態を示すものであり、1画素周辺の構成を示
す平面図である。
【図15】上記二次元画像検出器において走査線に印加
される信号波形と画素電極に蓄積される電位を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 走査線 2 信号線 3 補助容量配線(共通配線) 6 コンタクトホール 7 半導体層 8 n+ −Si層 10 金属層 11 透明導電膜 12 画素電極 16 共通配線 18 層間絶縁膜 19 画素電極 20 コンタクトホール(接触部) 24 補助容量配線 26a 走査線(後段の走査線) 26b 走査線 27 画素電極 28 画素電極 29 信号読み出し用薄膜トランジスタ 30 二端子素子 51 変換層 71〜76 X線センサ(二次元画像検出器) 100 二端子素子 103 ドレイン電極 104 ゲート電極 108 ソース電極 200 信号読み出し用薄膜トランジスタ(スイ
ッチング素子) 203 ドレイン電極 204 ゲート電極 208 ソース電極 300 ガラス基板(絶縁性基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA02 AA10 AB01 BA05 BA14 CA14 CA19 CA32 CB05 FB03 FB09 FB13 FB14 FB16 FB23 FB24 FB25 FB27 FB30 GA07 5C024 AX11 CX12 CY47 GY31 GZ01 5F110 AA16 AA22 AA27 BB01 BB10 CC07 DD02 EE03 EE04 EE37 EE44 HK07 HK09 HM19 NN02 NN72 NN73 QQ08 QQ09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射した電磁放射線を電荷に変換する変換
    層と、 絶縁性基板上に設けられて発生した上記電荷を収集する
    複数の画素電極と、 個々の上記画素電極からの電荷の読出しを制御するスイ
    ッチング素子と、 上記スイッチング素子を順次走査選択するための複数の
    走査線と、 上記個々の画素電極に貯えられた電荷を上記スイッチン
    グ素子を介して伝達する信号線とを有する二次元画像検
    出器において、 上記個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタのゲート電
    極とソース電極又はドレイン電極とが短絡されてなる二
    端子素子が画素電極の過剰電荷を放出すべく設けられる
    とともに、 上記二端子素子の閾値が、通常動作時の実質的な画素電
    位の絶対値の最大値よりも大きくなるように設定されて
    いることを特徴とする二次元画像検出器。
  2. 【請求項2】二端子素子の一方が画素電極に接続されて
    おり、かつ上記二端子素子の他方が信号線に接続されて
    いることを特徴とする請求項1記載の二次元画像検出
    器。
  3. 【請求項3】絶縁性基板上に複数の画素電極に跨がる共
    通配線が設けられているとともに、 二端子素子の一方が上記画素電極に接続されており、か
    つ上記二端子素子の他方が上記共通配線に接続されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の二次元画像検出器。
  4. 【請求項4】入射した電磁放射線を電荷に変換する変換
    層と、 絶縁性基板上に設けられて発生した上記電荷を収集する
    複数の画素電極と、 個々の上記画素電極からの電荷の読出しを制御するスイ
    ッチング素子と、 上記スイッチング素子を順次走査選択するための複数の
    走査線と、 上記個々の画素電極に貯えられた電荷を上記スイッチン
    グ素子を介して伝達する信号線とを有する二次元画像検
    出器において、 上記個々の画素電極毎に二端子素子が画素電極の過剰電
    荷を放出すべく設けられ、上記二端子素子の閾値が、通
    常動作時の実質的な画素電位の絶対値の最大値よりも大
    きくなるように設定されているとともに、 上記絶縁性基板上に複数の画素電極に跨がる共通配線が
    設けられ、上記二端子素子の一方が上記画素電極に接続
    されており、かつ上記二端子素子の他方が上記共通配線
    に接続されている一方、 上記画素電極の下層に、層間絶縁膜を介して二端子素子
    と共通配線とが設けられ、 上記各画素電極には、上記層間絶縁膜を貫通して上記二
    端子素子に接触する接触部が設けられていることを特徴
    とする二次元画像検出器。
  5. 【請求項5】共通配線には、電圧が印加されていること
    を特徴とする請求項3又は請求項4記載の二次元画像検
    出器。
  6. 【請求項6】画素電極との間で蓄積容量を形成するため
    のもう一方の電極を形成する補助容量配線が共通配線を
    兼ねていることを特徴とする請求項5記載の二次元画像
    検出器。
  7. 【請求項7】個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタの
    ゲート電極とソース電極又はドレイン電極とが短絡され
    てなる二端子素子を備えるときには、 画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング素子を導通す
    るためのゲート電圧と同極性である一方、 共通配線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子
    の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以上50V以下と
    なるように電圧が印加されていることを特徴とする請求
    項5又は6記載の二次元画像検出器。
  8. 【請求項8】個々の画素電極毎に、薄膜トランジスタの
    ゲート電極とソース電極又はドレイン電極とが短絡され
    てなる二端子素子を備えるときには、 画素電極に蓄えられる電荷はスイッチング素子を導通す
    るためのゲート電圧と逆極性である一方、 共通配線には、上記電荷が読み出された際の二端子素子
    の両端の電圧が非導通方向でかつ2V以上であり、電圧
    の絶対値が上記スイッチング素子の非導通時の走査線に
    印加される電圧の絶対値以下であるように電圧が印加さ
    れていることを特徴とする請求項5又は6記載の二次元
    画像検出器。
  9. 【請求項9】二端子素子の一方が画素電極に接続されて
    おり、かつ上記二端子素子の他方が後段の走査線に接続
    されていることを特徴とする請求項1記載の二次元画像
    検出器。
  10. 【請求項10】入射した電磁放射線を電荷に変換する変
    換層と、 絶縁性基板上に設けられて発生した上記電荷を収集する
    複数の画素電極と、 個々の上記画素電極からの電荷の読出しを制御するスイ
    ッチング素子と、 上記スイッチング素子を順次走査選択するための複数の
    走査線と、 上記個々の画素電極に貯えられた電荷を上記スイッチン
    グ素子を介して伝達する信号線とを有する二次元画像検
    出器の製造方法において、 上記個々の画素電極に、薄膜トランジスタのゲート電極
    とソース電極又はドレイン電極とが短絡されてなる二端
    子素子を、スイッチング素子への過剰電荷を放出すべく
    設ける一方、 上記二端子素子と上記スイッチング素子とを同一の工程
    にて製造することを特徴とする二次元画像検出器の製造
    方法。
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