JP2001230246A - 半導体の熱酸化方法および熱酸化装置 - Google Patents

半導体の熱酸化方法および熱酸化装置

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JP2001230246A
JP2001230246A JP2000039589A JP2000039589A JP2001230246A JP 2001230246 A JP2001230246 A JP 2001230246A JP 2000039589 A JP2000039589 A JP 2000039589A JP 2000039589 A JP2000039589 A JP 2000039589A JP 2001230246 A JP2001230246 A JP 2001230246A
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hydrogen peroxide
carrier gas
semiconductor
aqueous solution
thermal oxidation
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JP2000039589A
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Masayuki Kureya
真之 呉屋
Fumihiko Hirose
文彦 廣瀬
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過酸化水素の水溶液を用いて半導体材料を熱酸
化する方法において、蒸気中の過酸化水素の割合を高め
ることにより半導体の酸化膜の形成を迅速にかつ安全に
進行させるとともに、酸化膜生成プロセスを安定に制御
可能な方法を提供する。 【解決手段】半導体を加熱下で過酸化水素を含む処理雰
囲気に曝して、その表面に絶縁性の酸化膜を形成する半
導体の熱酸化方法において、前記処理雰囲気は、過酸化
水素の水溶液を霧生成手段により霧状の液滴とし、この
過酸化水素の霧状の液滴をキャリアガスにより半導体に
向けて供給することにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の熱酸化方
法および熱酸化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン等の半導体デバイスの製造にお
いて、基板上に積層形成されたシリコンやシリコンゲル
マニウム薄膜を備えた半導体の熱酸化プロセスは、重要
な工程の一つである。この熱酸化プロセスは、通常、ド
ライ酸素雰囲気下或いは水蒸気雰囲気下にて1,000
℃程度の高温に加熱することによりなされている。しか
しながら、近年のデバイスサイズの微細化に伴ない、上
記したような高温下での熱酸化はリンやボロン等の不純
物が拡散するため、不純物プロファイルが変化すること
が問題視されている。したがって、この種の問題を改善
するために、酸化の際の加熱温度を800℃以下にする
低温化が強く求められている。このような低温に加熱す
る場合、酸化速度が著しく低下するため、より活性な酸
化ガスを用いる必要がある。このような酸化ガスとし
て、過酸化水素水の蒸気は、酸化力が非常に強いことが
知られており、活性な酸化剤の一つとして有望である一
方、この過酸化水素水は常温・常圧において液体である
ため、上述した酸化プロセスにおいては気化させる必要
がある。
【0003】例えば、特開昭59−97503号公報に
は、酸化剤として過酸化水素水を用いる熱酸化方法が提
案されている。この方法においては、加熱した過酸化水
素の水溶液中に窒素ガス等を吹き込みガスバブリングに
より蒸気を発生させ、これを加熱下の半導体に供給する
ことが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガスバブリング法では、過酸化水素の蒸気圧が水の蒸気
圧よりも低いために、生成される蒸気は大部分が水蒸気
であり過酸化水素の蒸気は少量しか含まれない。生成蒸
気は、過酸化水素の蒸気圧が水の蒸気圧との平衡蒸気圧
により制限されるため、過酸化水素の蒸気の分圧を上げ
ることが実質的に不可能である。例えば、30質量%の
過酸化水素の水溶液を用いた場合、過酸化水素の蒸気が
1.1質量%、水蒸気が98.9質量%程度に平衡す
る。また、上述したガスバブリング法においては、大量
の過酸化水素の水溶液を必要とするため、バブリング装
置内に有機材料や重金属等の不純物が混入した場合等、
爆発の危険性がある。また、上述したように、過酸化水
素の水溶液をバブリングしながら加熱する方法において
は、過酸化水素より水の蒸気圧が高いため、水が過酸化
水素より多く気化する。このため、過酸化水素の水溶液
は、気化過程において水溶液中の過酸化水素の濃度が上
昇し、過酸化水素が濃縮されるので、爆発の危険性が高
くなる。さらに、過酸化水素濃度の上昇により生成蒸気
の組成が変わり、半導体の酸化速度が上昇するためプロ
セスの制御が極めて困難となる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、過酸化水素の水溶
液を用いて半導体材料を熱酸化する方法において、蒸気
中の過酸化水素の割合を高めることにより半導体の熱酸
化膜の形成を迅速にかつ安全に進行させるとともに、酸
化膜生成プロセスを安定に制御可能な方法を提供するこ
とにある。
【0006】また、本発明の別の目的は、このような方
法を行なうための半導体の熱酸化装置を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる
本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明に係る半導体の熱酸化方法は、半導
体を加熱下で過酸化水素を含む処理雰囲気に曝して、そ
の表面に絶縁性の酸化膜を形成する半導体の熱酸化方法
において、前記処理雰囲気は、過酸化水素の水溶液を霧
生成手段により霧状の液滴とし、この過酸化水素の霧状
の液滴をキャリアガスにより半導体に向けて供給するこ
とにより形成される方法である。
【0009】前記霧生成手段は、前記キャリアガスの気
流に向けて過酸化水素の水溶液を噴射して霧状の液滴に
する気化器であるか、或いは、過酸化水素の水溶液を超
音波振動させる超音波振動子であることを特徴とする。
【0010】本発明に係る半導体の熱酸化装置は、半導
体を加熱下で過酸化水素を含む処理雰囲気に曝して、そ
の表面に絶縁性の酸化膜を形成するための半導体の熱酸
化装置において、半導体を熱酸化処理するための処理雰
囲気が形成される処理室と、過酸化水素の水溶液を供給
する液供給手段と、この液供給手段により供給された過
酸化水素の水溶液を霧状の液滴とする霧生成手段と、こ
の霧生成手段により生成された過酸化水素の霧状の液滴
を前記処理室内に搬送するためのキャリアガスを供給す
るキャリアガス供給手段と、このキャリアガス供給手段
から供給されるキャリアガスにより搬送された過酸化水
素の霧状の液滴を加熱して気化させるとともに前記処理
室内の半導体を加熱するヒータと、を備えた装置であ
る。
【0011】前記霧生成手段は、前記キャリアガス供給
手段から供給されるキャリアガスの気流に向けて過酸化
水素の水溶液を噴射して霧状の液滴にする気化器である
か、或いは、前記過酸化水素の水溶液を超音波振動させ
る超音波振動子であることを特徴とする。
【0012】この霧生成手段は、さらに、過酸化水素の
霧状の液滴を加熱する加熱手段を備えることが好まし
い。これにより霧状液滴の気化が促進され、処理室内で
の結露が防止される。
【0013】前記熱酸化装置は、さらに、以下に挙げた
(1)〜(4)の手段を備えることが好ましい。
【0014】(1)前記液供給手段により供給される過
酸化水素の水溶液の供給量を調節する液供給量調節手
段。これにより霧状液滴の生成量が規定される。
【0015】(2)前記キャリアガス供給手段により供
給されるキャリアガスの供給量を調節するキャリアガス
供給量調節手段。これにより霧状液滴の粒径が規定され
る。また、(1)と(2)との組み合わせにより過酸化
水素の水溶液の完全気化が実現されやすくなる。
【0016】(3)前記処理室の下流側に設けられ、こ
の処理室から排気される廃棄ガスを冷却して廃棄ガス中
の過酸化水素成分を液化除去する少なくとも一つのコー
ルドトラップ。これにより廃棄ガスが無害化されるとと
もに、有用成分としての過酸化水素が回収される。
【0017】また、前記処理室は、石英管であることが
好ましい。
【0018】本発明による過酸化水素の安全かつ高ガス
分圧化できる液体気化の機構は以下のように説明され
る。霧生成手段としての気化器内に極少量の過酸化水素
水を導入し、これを一旦霧状にして直径10〜100μ
m程度の液滴粒子にすることにより表面積がおよそ50
倍に拡大される。これにより効率よく過酸化水素水を加
熱できるため、気化器内に導入された全ての過酸化水素
水を気化することが可能になる。この方法では加熱され
る過酸化水素の水溶液が気化される極少量だけであるた
め、爆発の危険性を避けることができる。また、液供給
量調節手段を通して供給される過酸化水素の水溶液は、
常に同じ一定濃度であるため、熱酸化プロセス中におい
て常に一定の過酸化水素ガスおよび水蒸気を供給するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
【0020】熱酸化装置の全体を図1に示し、第1の実
施の形態に係る装置の霧生成手段としての気化器3を図
2に示す。
【0021】熱酸化装置は、気化器3、ヒータ5、処理
室8、コールドトラップ9a、9bを備えている。
【0022】気化器3の上流側には、キャリアガス供給
源(図示せず)に連通するガス供給ライン1と、過酸化
水素水タンク20に連通する液供給ライン2とがそれぞ
れ接続されている。
【0023】気化器3の下流側には石英管からなる処理
室8が設けられ、気化器3と処理室8とはライン4を介
して連通している。処理室8内の底部にはホルダ7が設
けられ、複数のウェハ6が等ピッチ間隔に上流側から下
流側まで配列されている。このホルダ7上では各ウェハ
6は斜めに立て掛け保持されている。
【0024】処理室8を取り囲むようにヒータ5が設け
られ、処理室8内に装入されたウェハ6が加熱されるよ
うになっている。処理室8にはライン10aを介して第
1のコールドトラップ9aの液担部が連通し、さらに第
1のコールドトラップ9aの気担部はライン10bを介
して第2のコールドトラップ9bの液担部に連通してい
る。下流側の第2のコールドトラップ9bの気担部には
大気開放されたライン10cが設けられている。
【0025】(第1の実施形態)第1の実施形態の気化
器3aは、図2に示すように、円筒又は角筒状の気化室
19を備えている。この気化室19の上流部には、ガス
ノズル11および液ノズル13の噴射口がそれぞれ開口
している。
【0026】ガスノズル11はマスフローコントローラ
12を介してガス供給ライン1に接続されている。この
マスフローコントローラ12は、0〜10リットル/m
in程度の範囲で制御できるものが好ましい。
【0027】液ノズル13はマスフローコントローラ1
4を介して液供給ライン2に連通している。液ノズル1
3は、その先端部が垂直に立ち上がり、かつその噴射口
がガスノズル11の噴射口のすぐ前方に位置するように
配置されている。マスフローコントローラ14は、過酸
化水素水の流量を0〜10g/min程度の範囲で制御
できるものが好ましい。
【0028】気化室19の主要部を取り囲むようにヒー
タ51が設けられ、ガスノズル11および液ノズル13
からの噴射により生成された霧状の液滴が加熱されて気
化されるようになっている。
【0029】気化室19の下流部はライン4を介して処
理室8に連通している。
【0030】キャリアガスは、ガス供給ライン1を通過
してマスフローコントローラ22によりその供給量を制
御された後に、ガスノズル11から気化室19内に噴射
される。このキャリアガスとしては、高純度の窒素ガ
ス、アルゴンガス、酸素ガス、空気等を用いることがで
きる。
【0031】過酸化水素の水溶液は、液供給ライン2を
通り、マスフローコントローラ14によりその供給量を
制御された後に、ガスノズル11から噴射されたキャリ
アガスの気流に向けて液ノズル13から噴射され、霧状
の液滴として分散される。
【0032】この過酸化水素の水溶液としては、例えば
30質量%濃度のものを用いることができる。過酸化水
素の水溶液を霧状にするために、ガスノズル11からキ
ャリアガスを流速30m/s以上で噴射する必要があ
る。このとき、過酸化水素の水溶液の供給量は、10g
/min程度以下とすることが好ましい。この過酸化水
素の水溶液の流量に対して、キャリアガスの供給量は1
〜10リットル/minにすることが好ましい。過酸化
水素の水溶液とキャリアガスとの供給割合は、過酸化水
素の水溶液を完全に気化させるように適宜変化させるこ
とが肝要である。例えば過酸化水素の水溶液の流量を5
g/minにする場合は、キャリアガスの流量は少なく
とも1リットル/min以上にする必要がある。
【0033】上述した霧状の液滴は、キャリアガスの気
流によって下流側に搬送されるとともにヒータ51によ
り加熱され、完全に気化される。すなわち、気化室19
内に供給された液滴中の過酸化水素成分は全て気化され
る。例えば30質量%濃度の過酸化水溶液を用いた場合
は、約30質量%濃度の過酸化水素ガスを含む水蒸気と
なる。また、ヒータ51の加熱によって、過酸化水素ガ
スを含む水蒸気は気体状態を安定に維持したまま搬送さ
れる。このヒータ51による加熱温度は120〜300
℃であることが好ましい。
【0034】過酸化水素ガスを含む水蒸気は、キャリア
ガスによりライン4を通過して処理室8内に搬送され、
この処理室8内に装入されたウェハ6の熱酸化処理のた
めの処理雰囲気を形成する。
【0035】処理室8内に設置されたウェハ6は、ヒー
タ5による加熱下で上記処理雰囲気に曝され、その表面
に酸化膜を形成する。
【0036】処理室8から排気された廃棄ガスは、ライ
ン10aを通って第1のコールドトラップ9aに導入さ
れる。二段のコールドトラップ9a、9bにおいて、廃
棄ガスは十分に冷却され、過酸化水素および水が液化除
去される。その結果、廃棄ガスは実質的にキャリアガス
のみとして大気中に放出される。
【0037】(実施例1)本実施例1では、前述した熱
酸化装置を用い、Si単結晶からなるウェハ6を熱酸化
処理に供した。このウェハ6は、あらかじめ次に述べる
一連の前処理を施したものである。すなわち、UVオゾ
ン処理によってSiウェハ表面に付着した有機物を除去
した後、アンモニア/過酸化水素の混合水溶液により洗
浄し、さらに硫酸/過酸化水素の混合水溶液により洗浄
し、Siウェハ表面から微粒子および重金属を除去し
た。次に、これらの洗浄処理によりSiウェハ表面に形
成された酸化膜を希釈フッ酸を用いて除去した後に、さ
らにUVオゾン処理を施した。この一連の前処理を施し
たウェハ6を処理室8内に装入した。
【0038】ウェハ6を装入した後、処理室8内の温度
をウェハ6の酸化がほとんど進行しない温度である20
0℃に加熱保持した状態で、キャリアガスとしての工業
的に純粋な窒素ガスをガスノズル11に導入するととも
に、30質量%濃度の過酸化水素水を液ノズル13に導
入した。このときの過酸化水素水の流量は2.0g/m
inに、窒素ガスの流量は2リットル/minに、各マ
スフローコントローラ12、14によりそれぞれ制御し
た。また、ヒータ51による液滴の加熱温度を150℃
に保持した。こうして、気化器3により過酸化水素ガス
を含む水蒸気を生成させ、この蒸気を処理室8内に導入
し、熱酸化装置内のガスの置換を約10分間行なった。
【0039】次いで、過酸化水素の水溶液および窒素ガ
スの各流量と、ヒータ51による加熱温度とを保持した
状態で、処理室8内をヒータ5により800℃まで昇温
させ、Siウェハ6の熱酸化処理を約1時間継続した。
その結果、Siウェハ6の表面上に膜厚102.2nm
のシリコン酸化膜を形成することができた。また、得ら
れたシリコン酸化膜について降伏電界および比誘電率を
測定したところ、降伏電界は約10MV/cmもの高い
値であり、比誘電率も4.0と高品質の酸化膜であるこ
とが判明した。
【0040】(比較例)過酸化水素の水溶液の代わりに
超純水を用いた以外、上記の実施例1と同様な手法によ
ってSiウェハの熱酸化処理を行なった。その結果、形
成された酸化膜の厚さは、70nmであった。
【0041】実施例1および比較例の結果から、超純水
を用いる場合に比べ、過酸化水素の水溶液を用いること
により酸化速度が1.5倍程度まで高められることが判
明した。
【0042】(第2の実施形態)次に、図3を参照しな
がら第2の実施形態の霧生成手段について説明する。
【0043】第2実施形態の気化器3bは、霧生成手段
として超音波振動子25と貯液槽23を備えている。気
化室29の上流部には、ガスノズル21の噴射口が開口
している。このガスノズル21はマスフローコントロー
ラ22を介してガス供給ライン1に連通している。マス
フローコントローラ22によりガスノズル21からのキ
ャリアガス噴射流量が調節されるようになっている。
【0044】気化室29内の貯液槽23は気化室29の
内側壁に接するように設けられ、ガスノズル21の噴射
口の直下に位置している。超音波振動子25は貯液槽2
3の底部に設けられ、貯液槽23内の過酸化水素水が超
音波振動により霧状の液滴とされるようになっている。
貯液槽23の底部にはマスフローコントローラ24を介
してライン2が連通している。
【0045】気化室29の主要部を取り囲むようにヒー
タ52が設けられ、過酸化水素水の液滴が加熱されるよ
うになっている。気化室29の下流部は、ライン4を介
して処理室8に連通している。
【0046】上述した熱酸化装置において、キャリアガ
スは、ガス供給ライン1を通過してマスフローコントロ
ーラ22によりその供給量を制御された後、ガスノズル
21から気化室29内に噴射される。このキャリアガス
としては、第1の実施形態で説明したのと同様、高純度
の窒素ガス、アルゴンガス、酸素ガス、空気等を用いる
ことができる。
【0047】過酸化水素の水溶液は、液供給ライン2を
通過してマスフローコントローラ24により貯液槽23
内の液量を常時一定量とするようにその供給量を制御さ
れる。この過酸化水素の水溶液は、例えば30質量%濃
度のものを用いることができる。
【0048】貯液槽23内に供給された過酸化水素の水
溶液は、超音波振動子25から発振された超音波により
振動させられ、前述の噴射されたキャリアガスの気流に
向かって上方に霧状の液滴として放散される。この超音
波振動子25により発振させる超音波は、周波数1MH
z以上であることが好ましい。
【0049】上記霧状の液滴は、キャリアガスの気流に
よって下流側に搬送されるとともにヒータ52により加
熱されほぼ完全に気化される。すなわち、供給された液
中の過酸化水素成分は全て気化される。例えば30質量
%濃度の過酸化水溶液を用いた場合、約30質量%濃度
の過酸化水素の蒸気が含まれた水蒸気となる。また、ヒ
ータ52による加熱によって、過酸化水素ガスを含む水
蒸気は安定な気体状態に維持されたまま搬送される。こ
のヒータ52による加熱温度は、120〜300℃であ
ることが好ましい。
【0050】気化された過酸化水素ガスを含む水蒸気
は、キャリアガスによりライン4を通って図1に示す処
理室8内に搬送され、この処理室8内に装入されたウェ
ハ6を熱酸化処理するための処理雰囲気を形成する。
【0051】(実施例2)本実施例2において、実施例
1で説明したのと同様のSiウェハを用いた。また、キ
ャリアガスとして工業的に純粋な窒素ガスを、過酸化水
素の水溶液として30質量%濃度のものを用いた。
【0052】まず、ウェハ6を処理室8内に装入した
後、処理室8内の温度を200℃に加熱保持した状態で
窒素ガスおよび上記濃度の過酸化水素水をガスノズル2
1および貯液槽23に各々導入した。このときの過酸化
水素水の流量は2.0g/minに、窒素ガスの流量は
2リットル/minに、各マスフローコントローラ2
2、24によりそれぞれ制御した。また、ヒータ52に
よる液滴の加熱温度を150℃に保持した。こうして、
気化器3により過酸化水素ガスを含む水蒸気を生成さ
せ、この蒸気を処理室8内に導入し、熱酸化装置内のガ
スの置換を約10分間行なった。
【0053】次いで、過酸化水素の水溶液および窒素ガ
スの各流量と、ヒータ52による加熱温度とを保持した
状態で、処理室8内をヒータ5により800℃まで昇温
させ、Siウェハ6の熱酸化処理を約1時間継続した。
その結果、Siウェハ6の表面上に膜厚100nm以上
のシリコン酸化膜を形成することができた。また、得ら
れたシリコン酸化膜について降伏電界および比誘電率を
測定したところ、降伏電界は約10MV/cmもの高い
値であり、比誘電率も4.0と、実施例1で得られた酸
化膜と同様の高品質の酸化膜を形成できたことが判明し
た。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、キャリアガスの気
流に向けて過酸化水素の水溶液を噴射して霧状にする噴
射式気化器、或いは過酸化水素の水溶液を超音波振動さ
せて霧状にする超音波式気化器のような気化手段を用い
た本発明によれば、供給される液中の過酸化水素成分を
全て気化することができる。このため、過酸化水素ガス
の分圧を従来よりも大幅に高めることができ、半導体の
熱酸化処理時間が大幅に短縮できる。
【0055】また、熱酸化処理の初期段階から終期まで
一定量の過酸化水素ガスを安定供給することができる。
このため、熱酸化速度が時間の経過とともに変動せず、
プロセスを安定に制御できる。
【0056】さらに、過酸化水素水の消費量は少量で済
み省資源化に寄与する。また、過酸化水素の利用率を大
幅に向上させることができるので、爆発の危険性を回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体の熱酸化装置を
示す概略図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体の熱酸化
装置における気化器を示す断面模式図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体の熱酸化
装置における気化器を示す断面模式図。
【符号の説明】
1…ガス供給ライン、 2…液供給ライン、 3,3a,3b…気化器、 4,10a,10b,10c…ライン、 5,51,52…ヒータ、 6…ウェハ、 7…ホルダ、 8…処理室、 9a,9b…コールドトラップ、 11,21…ガスノズル、 13…液ノズル、 12,14,22,24…マスフローコントローラ、 19,29…気化室、 20…タンク、 23…貯液槽、 25…超音波振動子。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体を加熱下で過酸化水素を含む処理
    雰囲気に曝して、その表面に絶縁性の酸化膜を形成する
    半導体の熱酸化方法において、 前記処理雰囲気は、過酸化水素の水溶液を霧生成手段に
    より霧状の液滴とし、この過酸化水素の霧状の液滴をキ
    ャリアガスにより半導体に向けて供給することにより形
    成されることを特徴とする半導体の熱酸化方法。
  2. 【請求項2】 前記霧生成手段は、前記キャリアガスの
    気流に向けて過酸化水素の水溶液を噴射して霧状の液滴
    にする気化器であることを特徴とする請求項1記載の熱
    酸化方法。
  3. 【請求項3】 前記霧生成手段は、過酸化水素の水溶液
    を超音波振動させる超音波振動子であることを特徴とす
    る請求項1記載の熱酸化方法。
  4. 【請求項4】 半導体を加熱下で過酸化水素を含む処理
    雰囲気に曝して、その表面に絶縁性の酸化膜を形成する
    ための半導体の熱酸化装置において、 半導体を熱酸化処理するための処理雰囲気が形成される
    処理室と、 過酸化水素の水溶液を供給する液供給手段と、 この液供給手段により供給された過酸化水素の水溶液を
    霧状の液滴とする霧生成手段と、 この霧生成手段により生成された過酸化水素の霧状の液
    滴を前記処理室内に搬送するためのキャリアガスを供給
    するキャリアガス供給手段と、 このキャリアガス供給手段から供給されるキャリアガス
    により搬送された過酸化水素の霧状の液滴を加熱して気
    化させるとともに前記処理室内の半導体を加熱するヒー
    タと、を備えたことを特徴とする半導体の熱酸化装置。
  5. 【請求項5】 前記霧生成手段は、前記キャリアガス供
    給手段から供給されるキャリアガスの気流に向けて過酸
    化水素の水溶液を噴射して霧状の液滴にする気化器であ
    ることを特徴とする請求項4記載の熱酸化装置。
  6. 【請求項6】 前記霧生成手段は、前記過酸化水素の水
    溶液を超音波振動させる超音波振動子であることを特徴
    とする請求項4記載の熱酸化装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記霧生成手段は、過酸化水素
    の霧状の液滴を加熱する加熱手段を備えたことを特徴と
    する請求項4記載の熱酸化装置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記液供給手段により供給され
    る過酸化水素の水溶液の供給量を調節する液供給量調節
    手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の熱酸化装
    置。
  9. 【請求項9】 さらに、前記キャリアガス供給手段によ
    り供給されるキャリアガスの供給量を調節するキャリア
    ガス供給量調節手段を備えたことを特徴とする請求項4
    記載の熱酸化装置。
  10. 【請求項10】 さらに、前記処理室の下流側に設けら
    れ、この処理室から排気される廃棄ガスを冷却して排気
    ガス中の過酸化水素成分を液化除去する少なくとも一つ
    のコールドトラップを備えたことを特徴とする請求項4
    記載の熱酸化装置。
  11. 【請求項11】 前記処理室は、石英管であることを特
    徴とする請求項4記載の熱酸化装置。
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