JP2001227947A - 傾き計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭い場所・高所・危険な場所での部材・棚面
・床面等の傾きを容易且つ正確に計測でき、又設定範囲
に入っているか否かの判断も容易且つ確実に出来る傾き
計測装置を提供する。 【解決手段】 角度センサー１の角度情報を入力するＡ
／Ｄ変換器２ｔ、設定範囲の設定数字の入力と計測開始
を行う入力操作部２ｅと、コンピュータ処理の実行を行
うＣＰＵ２ａと、ソフトデータ等を記憶するＲＯＭ２ｂ
と、ＲＡＭ２ｃと、ＸＹ二次元座標で角度計測値と設定
範囲ライン２ｐを示す液晶のディスプレイ２ｄと、設定
範囲内で入れば鳴らされるブザー２ｇと、同ブザー２ｇ
を起動させるブザー起動回路２ｈと、点灯する表示灯２
ｊと、同表示灯を点灯させる表示灯起動回路２ｋと、
「ＧＯＯＤ」の文字を出力するＧＯＯＤ表示部２ｓとか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物，装置，そ
の部材，配管，倉庫・棚・床面・建築部材等における傾
きを計測場所から離れた場所でデジタル表示し、又設定
角度内か否かを簡便に分かるようにした傾き計測装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、傾きを簡易に計測する器具として
は、液体中に気泡を封入した水準器、水銀を球状に遊動
させた水準器が広く使用されている。これは、水準器を
計測する面上に置いてその気泡・水銀玉の位置でその傾
きの方向のその大きさの程度を目視で確認するものであ
る。しかしながら、この水準器では、置いた水準器の上
方から目視しなくてはならないので狭い場所・高所・危
険な場所・上方の空間がない場所等での使用が難しいも
のであった。又その傾き角も目視によるので精度が悪い
ものであり、又所要の傾き角度以内にあるかの判断も容
易且つ迅速にできるものでなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこれらの問題点を解消し、人が入り
にくい場所，複雑な装置内の部材，高所でも傾きの計測
を容易且つ精度よく行え、又設定範囲に入っているか否
かも容易且つ確実に分るようにできる傾き計測装置を提
供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、 １） 載置面の傾きの方位と角度の情報を電気信号で有
線又は無線で出力する傾きセンサーと、同傾きセンサー
の信号を入力してセンサーの傾きの方位と傾きを表示す
る傾き表示器とからなる傾き計測装置 ２） 傾き表示器のディスプレイ上の傾き角度表現が、
角度センサーの直交する平面方向の傾き角とその方位
を、各方向の角度を座標軸とする二次元座標の点で表示
し、又傾き角度の設定範囲の境界ラインが二次元座標上
において原点を中心とする円又は長方形状の枠線で表現
される前記１）記載の傾き計測装置 ３） 角度センサーの実測傾き角度が、設定範囲内にあ
るときは、音でもって設定範囲内であることを知らせる
音警報手段を備えた前記１）又は２）記載の傾き計測装
置にある。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の角度センサーは、傾き角
度を電気的信号として出力するものであって、気泡、水
銀粒等の重力によってその傾きに応じて動いてこれを感
知して電気的信号として出力させるものである。この代
表的なものとして、電解液中に気泡を封入し、気泡の移
動位置を、ＸＹ２軸方向の一対のピン電極の印加電圧に
おける中心ピン電極の電位を計測することで気泡の位置
を計測する方法が知られている。本発明の傾き角度と方
位のデジタル表示方法としては、液晶、ＴＦＴ、ＣＲＴ
等のディスプレイ装置を用い、デジタルの数値でラジア
ン，ｍｍ／ｍ又は度，分，秒でもって表現し、併せてＸ
方向の傾きとＹ方向の傾き角をＸＹ２次元座標で現在の
傾き（Ｘ，Ｙ）の位置をマークして表示する。又傾き角
度の設定範囲は、Ｘ方向，Ｙ方向が同じ値であれば原点
を中心にした円でもって表示し、ＸＹ方向の設定値が違
うときは長方形状，又は多角形状，楕円状等でその設定
領域境界をディスプレイに表示する。又本発明の角度セ
ンサーの傾き角度が設定値以内か否かの判断は、ＣＰＵ
を用いてデジタル信号に直してソフト的に判断する方法
と、比較回路の電子回路を用いてする方法とがある。前
者のＣＰＵのコンピュータによる方法の方が高い精度，
変更，設定値の調整，変更，平均化，記憶において優れ
ているので好ましい。又角度センサーの計測値は、水平
に置いてゼロ調整するか又はオフセット値を計測して実
測値からオフセット値を差し引いてより正しい計測値を
出力するようにすることが好ましい。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、実施例の使用状態を示す説明図である。
図２は、実施例の角度センサーの断面図である。図３
は、実施例の角度センサーの特性を示す出力電圧角度特
性図である。図４は、実施例の計算表示処理回路の回路
ブロック図である。図５は、実施例のディスプレイの表
示例の説明図である。図６は、実施例の計算表示処理回
路の処理フローを示す説明図である。

【０００７】図中、１は電解液中に気泡を封入した５個
のピン電極で気泡の位置即ち傾き角度を電圧値で出力す
る２個の角度センサー，１ａは同角度センサーの電解
液，１ｂは封入された気泡，１ｃは外周４個に配したピ
ン電極，１ｄは中心のピン電極，１ｅは対向するピン電
極１ｃに所定のクロックで所定の電圧を印加し、その時
の中心のピン電極１ｄの電位を出力する傾き角電圧変換
器，１ｆは同傾き角電圧変換器の電圧を出力する出力信
号線，２は角度センサー１の角度の電圧信号を入力して
角度に変更し、ディスプレイに表示し、設定範囲内か否
かの判断・表示・設定範囲内に入ったときの音・光・表
示による警報・表示処理する計算表示処理回路，２ａは
同計算表示処理回路のＣＰＵ，２ｂは処理ソフト・デー
タ・ＯＳ等を格納したＲＯＭ，２ｃはＲＡＭ，２ｄは液
晶を用いたディスプレイ，２ｔは角度センサー１の出力
信号線の電圧をデジタルに変換するＡ／Ｄ変換器，２ｅ
は入力操作盤，２ｅ１，２ｅ２は数値入力用アップダウ
ンボタン，２ｅ３は決定ボタン，２ｅ５は電源ボタン，
２ｅ６は押すことで設定モードにする設定ボタン，２ｅ
７は計測開始させる計測ボタン，２ｅ８はブザーの動作
／停止ボタン，２ｅ９はディスプレイ２ｄのバックライ
ト照明電源ボタン，２ｆはインターフェース回路，２ｇ
は設定範囲内であることを知らせるブザー，２ｈはブザ
ー起動回路，２ｉは欠番，２ｊは設定範囲内であること
を知らせる表示灯，２ｋは表示灯起動回路，２ｌは欠
番，２ｍはディスプレイ２ｄの表示画面，２ｎは傾き角
度表示座標（Ｘ，Ｙ座標），２ｏは欠番，２ｐは設定範
囲境界ライン，２ｑは角度計測値，２ｒは角度設定値，
２ｓはディスプレイ２ｄのＧＯＯＤ表示部である。

【０００８】この実施例では、角度センサー１を被測定
面の棚板の上に置く。角度センサー１の気泡１ｂはその
棚板の傾きに応じて中心から移動する。角度センサー１
のＸ方向又はＹ方向の直交する方向の外周の対向するピ
ン電極１ｃに一定のクロックで所定電圧を印加し、その
中心のピン電極１ｄの電位を取り込む。この電位は気泡
の位置で図３に示すように変化する。この中心のピン電
極１ｄの電圧に応じた電圧を傾き角情報として傾き角電
圧変換器１ｅで出力する。この角度センサー１自体の構
造は公知であり、知られている。この角度センサー１の
出力電圧と傾き角の特性は略比例関係にあり、図３に示
される特性を有する。この角度センサー１の電圧はＡ／
Ｄ変換器２ｔでデジタル値に変換され、ＣＰＵ２ａ側に
入力される。ＣＰＵ２ａはＲＯＭ２ｂにある処理プログ
ラムとデータを入力してソフトを実行する。角度センサ
ー１の傾き角は同ソフトによって読み込まれて、その
Ｘ，Ｙ座標の傾き角は図３に示すように対応する角度
（ラジアン，ｍｍ／ｍ又は度，分，秒）に変換され、Ｒ
ＡＭ２ｃに記憶される。傾き角のデータはＸ，Ｙ方向と
も所要回数取り込まれ、必要なオフセット値の補正がな
された後、平均値の計算がなされ、実測値としてのＸ，
Ｙ方向の傾き角度が記憶され、液晶のディスプレイ２ｄ
へ出力される。ディスプレイ２ｄでは、２つの角度セン
サー１の角度をチャンネルＣＨ１，ＣＨ２としてＸ方
向，Ｙ方向の傾き角度がラジアンで表示される（図５参
照）。その実測値はディスプレイ２ｄ上Ｘ印で表示され
る。又、傾き角の許容（目標）の設定範囲はアップダウ
ンボタン２ｅ１，２ｅ２，決定ボタン２ｅ３を使ってラ
ジアン単位で数値入力される。Ｘ，Ｙ方向とも同じ場合
はその設定範囲の境界ライン２ｐは円でディスプレイ２
ｄに表示され、Ｘ方向，Ｙ方向の値が違うと長方形状の
枠線で表示される。

【０００９】そして、実測値の傾きの値が、この設定範
囲の境界ライン２ｐ内に入っているか否か、コンピュー
タのソフトは計算し、入っていれば、ブザー起動信号及
び灯点灯信号を発生し、ブザー起動回路２ｈ及び表示灯
起動回路２ｋを作動させ、ブザー音及び表示灯の点灯又
は点滅で設定範囲内にあることを確実に知らせる。従っ
て、角度センサー１は棚の狭い場所に置かれても作業者
は、棚から離れた位置でそのディスプレイ２ｄでデジタ
ル数値で正確且つ容易に傾き角を知ることができる。又
設定範囲内に入っていることも視覚ばかりでなく聴覚で
も理解でき、作業が分り易いものとしている。作業処理
フローは図６に示している。更に、２つ以上の角度セン
サー１間の傾き角度の相対偏差の角度を表示できるよう
に、いずれかの角度センサー１の傾き角度から他の角度
センサー１の傾き角度の差分を計算して表示できるよう
にすることが、被測定面同士の相対角度（平行になって
いるか否か）を知ることができるようにすれば更に好ま
しい。

【００１０】

【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、角度セン
サーは狭い場所、人が出入りできない場所・高所に置か
れても、これから離れた場所のディスプレイでその傾き
角・傾きの方位を確認でき、又設定範囲を設定してその
範囲内にあるか否かを目視の他にブザー、灯の点灯・点
滅で知らせることができ、傾き角の計測が容易・迅速且
つ確実に行えるようにした。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の使用状態を示す説明図である。

【図２】実施例の角度センサーの断面図である。

【図３】実施例の角度センサーの特性を示す出力電圧角
度特性図である。

【図４】実施例の計算表示処理回路の回路ブロック図で
ある。

【図５】実施例のディスプレイの表示例の説明図であ
る。

【図６】実施例の計算表示処理回路の処理フローを示す
説明図である。

【符号の説明】

１ 角度センサー １ａ 電解液 １ｂ 気泡 １ｃ ピン電極 １ｄ ピン電極 １ｅ 傾き角電圧変換器 １ｆ 出力信号線 ２ 計算表示処理回路 ２ａ ＣＰＵ ２ｂ ＲＯＭ ２ｃ ＲＡＭ ２ｄ ディスプレイ ２ｅ 入力操作盤 ２ｅ１，２ｅ２ アップダウンボタン ２ｅ３ 決定ボタン ２ｅ５ 電源ボタン ２ｅ６ 設定ボタン ２ｅ７ 計測ボタン ２ｅ８ ブザー動作／停止ボタン ２ｅ９ バックライト照明電源ボタン ２ｆ インターフェース回路 ２ｇ ブザー ２ｈ ブザー起動回路 ２ｊ 表示灯 ２ｋ 表示灯起動回路 ２ｍ 表示画面 ２ｎ 傾き角度表示座標 ２ｐ 設定範囲境界ライン ２ｑ 角度計測値 ２ｒ 角度設定値 ２ｓ ＧＯＯＤ表示部 ２ｔ Ａ／Ｄ変換器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 載置面の傾きの方位と角度の情報を電気
   信号で有線又は無線で出力する傾きセンサーと、同傾き
   センサーの信号を入力してセンサーの傾きの方位と傾き
   を表示する傾き表示器とからなる傾き計測装置。
2. 【請求項２】 傾き表示器のディスプレイ上の傾き角度
   表現が、角度センサーの直交する平面方向の傾き角とそ
   の方位を、各方向の角度を座標軸とする二次元座標の点
   で表示し、又傾き角度の設定範囲の境界ラインが二次元
   座標上において原点を中心とする円又は長方形状の枠線
   で表現される請求項１記載の傾き計測装置。
3. 【請求項３】 角度センサーの実測傾き角度が、設定範
   囲内にあるときは、音でもって設定範囲内であることを
   知らせる音警報手段を備えた請求項１又は２記載の傾き
   計測装置。