JP2001226643A - 光記録媒体用紫外線硬化型接着剤組成物及び光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体用紫外線硬化型接着剤組成物及び光記録媒体

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JP2001226643A
JP2001226643A JP2000037832A JP2000037832A JP2001226643A JP 2001226643 A JP2001226643 A JP 2001226643A JP 2000037832 A JP2000037832 A JP 2000037832A JP 2000037832 A JP2000037832 A JP 2000037832A JP 2001226643 A JP2001226643 A JP 2001226643A
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optical recording
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meth
film
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JP2000037832A
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Toshihiro Shoji
敏博 庄司
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ag(銀)又はAgを主成分とする金属及び
/又は合金を半透明膜及び/又は反射膜とする貼り合わ
せ型の光記録媒体において、高温高湿の耐久性試験にお
いても良好な防食及び接着性能を有する紫外線硬化型接
着剤組成物及びそれを適用した光記録媒体を提供する。 【解決手段】 紫外線硬化型接着剤組成物の中に、カル
ボキシル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーを含
有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼り合わせ型光記
録媒体に関し、より詳しくは、Ag又はAgを主成分と
する金属及び/又は合金を半透明膜又は反射膜とする貼
り合わせ型光記録媒体及びその製造に好適な紫外線硬化
型接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量情報担持媒体として、貼り
合わせ構造を有するDVD(デジタルバーサタイルディ
スク)が、単板構造を有する追記型ディスク(CD−
R)や書き換え可能型ディスク(CD−RW,MO等)
と共に注目されている。DVDには、再生専用型のDV
D−ROMと記録・再生可能なDVD−RAM,DVD
−RW,DVD+RW等があり、いずれも少なくとも一
方の基板上に情報記録ピット或いは記録層を有し、接着
剤にて貼り合わせた構造を持っている。
【0003】現在DVD−ROMには、貼り合わす2枚
の基板に共に情報記録ピットを有し、情報読み取りの為
のレーザー光反射用の反射膜として、例えばアルミニウ
ム(以下、Alと記す)を情報記録ピット上に形成し、
Al面を向かい合わせに貼り合わせたもの(DVD−1
0)、又は一方の基板には情報記録ピットを有しない透
明基板等を使用し貼り合わせたもの(DVD−5)、更
には貼り合わせる情報記録ピットを有する2枚の基板の
反射率を異なる値に設定し、一方は半透明膜とすること
で、情報読み取りを基板の一方向のみから行うもの(D
VD−9)等が提唱され、実用化されている。
【0004】ここで、DVD−9の製造においては、半
透明膜として、金(以下、Auと記す),銀(以下、A
gと記す),Si或いはSi系化合物(例えば、シリコ
ンナイトライド等)の薄膜等を使用する提案が為されて
いる。Auは、化学的に安定であり半透明膜としての機
能に優れているが、コスト的に高価であることと接着剤
との接着強度を確保しにくい欠点がある。この接着強度
を確保する為に、硬化塗膜のガラス転移温度を低くし
て、粘着作用による接着の確保を行っている。しかし、
接着層の膜が機械的に弱くなることにより、高温高湿状
態下での耐久性に劣るという問題点があった。また、S
i或いはSi系化合物については、最も低コストである
という利点を有するが、膜にクラックが入り易く、信頼
性に欠けるという問題点があった。
【0005】そこで、比較的低コストであり、薄膜クラ
ックの問題を発生しないAg薄膜を半透明膜及び/又は
反射膜に使用するという要望が高まってきたが、Ag薄
膜は耐食性に乏しい欠点があることが知られている。即
ちAgは、乾燥雰囲気中においては酸素中でも高温に熱
しても酸化されず、安定であるが、通常の湿気を含んだ
大気中や硫化水素ガスの存在下では、変質や、変色した
り、或いは光沢を失ってしまい易いという性質がある。
【0006】これまで、反射膜としてのAg薄膜の耐食
性を向上する為に、各種の金属との金属及び/又は合金
化の手法が提案されてきた。例えば、特開平7−336
3号には、1〜10at%のMg(マグネシウム)を含
有させる方法が提案されている。
【0007】一方、従来から多く使用されているAl等
の一般的な金属薄膜を反射膜とした場合に使用される紫
外線硬化型組成物については、例えば、保護膜に関して
は、特開昭62−97150号,特開平3−13160
5号等に、貼り合わせ用の接着剤に関しては、特開平1
0−46109号,特開平10−287718号等に開
示されているように、リン酸エステルモノマーを含有さ
せることが有効であることが知られている。しかし、該
知見に基づいた紫外線硬化型組成物をAg又はAgを主
成分とする金属及び/又は合金を半透明膜及び/又は反
射膜とする光記録媒体の貼り合わせ用接着剤として使用
した場合、Alを反射膜とした場合と異なり、高温高湿
の環境下に長時間放置すると、Ag薄膜が変質し信号の
読み取りエラーや外観不良などを生じるという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Ag
又はAgを主成分とする金属及び/又は合金を半透明膜
及び/又は反射膜とする貼り合わせ型光記録媒体の接着
性が良好で、高温高湿状態下でも良好な防食作用を示す
紫外線硬化型接着剤組成物を提供し、耐久性の優れた光
記録媒体を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、従来Al等の金属に有効とされてきたリン酸エス
テルモノマーを含有する紫外線硬化型組成物は、Ag又
はAgを主成分とする金属及び/又は合金からなる半透
明膜及び反射膜の耐久性には悪影響を及ぼすこと、又、
接着剤とこれら半透明膜・反射膜の間に良好な接着性を
確保し、且つ防食作用を発現するためには、紫外線硬化
型接着剤組成物中に分子内にカルボキシル基を有するモ
ノマー及び/又はオリゴマーを特定の範囲内に含有する
ことが好ましいことを見出し、本発明に到達するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明は、少なくとも一方が、記
録層或いは情報記録ピット、Ag又はAgを主成分とす
る金属及び/又は合金からなる半透明膜又は反射膜をこ
の順で有する2枚の基板を貼り合わせることによって得
られる光記録媒体の製造に用いられる紫外線硬化型接着
剤組成物であって、カルボキシル基を有するモノマー及
び/又はオリゴマーを含有することを特徴とする紫外線
硬化型接着剤組成物、及びこれを接着層に含有する光記
録媒体を提供するものである。
【0011】本発明の紫外線硬化型接着剤組成物は、必
須成分として含有するカルボキシル基を有するモノマー
及び/又はオリゴマーの作用により、優れた基板への接
着性を示し、かつ従来その用途として使用されてきたリ
ン酸エステル系モノマーに比べ、酸性度が小さく、酸が
影響すると考えられるAg又はAgを主成分とする金属
及び/又は合金からなる薄膜に対する腐食性を、最小限
に抑制することができる。従って、接着性と耐食性の両
者を兼ね備えた好ましい接着剤組成物が実現できる。
【0012】本発明の紫外線硬化型接着剤組成物は、カ
ルボキシル基を有するモノマー及び/又はオリゴマー
を、それ以外の組成分100重量部に対し、半透明膜・
反射膜との接着性の面から0.05重量部以上含有する
ことが好ましく、防食性の面からは1.0重量部以下含
有することが好ましい。
【0013】以下、本発明について図面を参照しながら
詳しく説明する。光記録媒体として、図1に示すような
層構成の光記録ディスク(DVD−9)の製造方法につ
いて説明する。即ち、光記録媒体10は、2枚の透明な
樹脂基板(現状では、ポリカーボネート樹脂基板が使用
される)20,30から構成されており、それぞれの透
明基板の表面に記録情報に対応したピット21,31が
ある。第1の透明基板20上には、半透明膜として、A
g又はAg合金の薄膜が形成されている。更に、第2の
透明基板30上には、反射膜として、Al又はAg又は
Ag合金の薄膜が形成されている。第1の基板20と第
2の基板30の間には、光透過性の接着層40が設けら
れている。接着層40は、接着剤をスピンコート等で膜
厚40〜70μmになるように形成し、半透明膜を有す
る基板20側及び/又は反射膜(通常、若干の光透過性
を有する)を持つ基板30側から紫外線を照射すること
により接着剤組成物を硬化させて得られる。
【0014】DVD−5の場合には、上記透明基板30
の側には、情報記緑ピット・反射膜は特に必要はなく、
そのまま、或いはUV硬化性のインクにて印刷パターン
を形成し、又或いは、目視識別用のピットを形成し、そ
の上に反射膜形成した基板等と情報記緑ピットの上に反
射膜を形成した基板20とを上記と同様に貼り合わせて
作製される。
【0015】光記録媒体の接着剤に用いられる紫外線硬
化型組成物としては、通常、(A)オリゴマー成分、
(B)モノマー成分、(C)光重合開始剤成分、(D)
その他の成分よりなる。本発明の紫外線硬化型接着剤組
成物においては、(A)成分及び/又は(B)成分の一
部としてカルボキシル基を有するオリゴマー又はモノマ
ーを含有することが特徴である。ここで、成分(A)、
(B)の使用割合は求められる組成物の粘度・硬化物物
性等により決められる。
【0016】以下、更に詳細に説明する。 (A)オリゴマー成分としては、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート等が挙げられる。
【0017】本発明に関わるカルボキシル基を有するエ
ポキシアクリレートとしては、例えば、通常の残存2級
水酸基を酸無水物にてエステル化したエポキシアクリレ
ートが挙げられる。このようなエポキシアクリレートの
市販品としては、共栄社化学社製EX−C101,C1
06,C300,C501等が挙げられる。また、カル
ボキシル基を有するポリウレタンアクリレートとして
は、分子内にカルボキシル基を持つポリオール、例え
ば、ダイセル化学社製Placcel 205BA等か
ら合成したポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0018】(B)成分としては、組成物の硬化塗膜強
度をアップ上げ、塗膜のガラス転移温度をアップする成
分(以下、B1成分という)及び組成物の粘度を低下さ
せ、樹脂基板との接着性を確保する為の希釈成分(以
下、B2成分という)を含有することができる。B1成
分は、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
することが好ましく、3個以上の(メタ)アクリロイル
基を有することが特に好ましい。
【0019】分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル
基を有する化合物としては、例えば、ジシクロペンタニ
ルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(E
O)やプロピレンオキサオド等のアルキレンオキシド変
性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0020】分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル
基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド
(EO)やプロピレンオキサイド等のアルキレンオキシ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メ
タ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メ
タ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラ
クトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソ
シアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】また、B2成分は、分子中に2個以下の
(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。分子
中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とし
ては、例えばトリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6―ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を
有する化合物としては、2−(2−エトキシエトキシ)
エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシ(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、N,N,−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、アクリルモルホリン、等のアミ
ノアクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N,−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド、等のアミノアクリルア
ミド等が挙げられる。
【0022】しかし、塩基性のつよい物質(アミノアク
リレート、アミノアクリルアミド等)は、カルボキシル
基を有するモノマー及び/又はオリゴマー成分と反応が
進み本発明の効果を減ずる為、これらの使用は好ましく
ない。
【0023】本発明に関わる分子内にカルボキシル基を
もつモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリルダイマー酸、2−(メタ)アクリロイロキシエ
チルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピル
フタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク
酸等が挙げられる。市販品としては、東亞合成社製アロ
ニックスM−5300,M−5400,M−5600、
共栄社化学社製ライトアクリレートHOA−MS,HO
A−MPL、大阪有機化学工業社製98%アクリル酸、
ビスコート#2000,2100等が挙げられる。この
中で、アロニックスM−5600(アクリルダイマー
酸)が特に好ましい。
【0024】(C)成分としては、一般の紫外線硬化型
樹脂に使用されている各種の光重合開始剤及び光重合増
感剤が使用できる。開裂型の光重合開始剤としては、例
えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2
−メチルベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1−
(4−イソプロピル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒ
ロドキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メ
チルフェニルグリオキシレート、、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメルアミ
ノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−
トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド等が挙げられる。また、水素引き抜
き型の光重合開始剤の組み合わせとしては、例えばベン
ゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、アクリル化ベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系の増感剤と例えばト
リエチルアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等の脂肪族アミン、ビス(N−メチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セ
バケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケート、フェニル−4−ピペリジニ
ルカーボネート等のHALS(ヒンダードアミン)、2
−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルア
ミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の芳香族
アミンとの組み合わせ、即ちベンゾフェノン系化合物と
塩基性化合物との組み合わせが挙げられる。
【0025】しかし、モノマー、オリゴマーと同様に、
塩基性の強い光重合開始剤・増感剤(脂肪族アミン,ヒ
ンダードアミン等)は、上記のカルボキシル基を有する
モノマー及び/又はオリゴマー成分と反応が進み本発明
の効果を減ずる為、これらの使用は好ましくない。
【0026】上記の光重合開始剤及び光重合増感剤の組
み合わせ及び添加量は、紫外線硬化型接着剤組成物の硬
化性に影響する400nm付近の紫外線の透過率が、光
記録媒体の半透明膜・反射膜の膜厚に依存すること、及
び硬化に要求される生産性の観点から決定される。
【0027】(D)成分としては、各種の添加剤−例え
ば、重合禁止剤、界面活性剤等を必要に応じて使用す
る。製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止する為に、
紫外線硬化樹脂組成物中に、ハイドロキノンモノメチル
エーテル、t−ブチルカテコール、p−ベンゾキノン、
2,5−t−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン等
の公知の熱重合防止剤を添加することが好ましい。
【0028】更に、貼り合わせ時の塗料の広がりを改善
するために、界面活性剤が添加されることもある。界面
活性剤としては、大日本インキ化学工業社製の「メガフ
ァックF−142D」、「メガファックF−144
D」、「メガファックF−150」、「メガファックF
−171」、「メガファックF−173」、「メガファ
ックF−177」、「メガファックF−183」等のフ
ッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができる。但
し、組成に依っては、接着性を減ずることがあるので、
添加成分の選択及び添加量には、注意が必要である。
【0029】紫外線硬化型接着剤組成物において、A、
B1成分及びB2成分の使用割合は、所望の塗料粘度・
塗膜物性から決定される。B1成分を多くすると塗膜の
強度は向上し、ガラス転移温度も上がり、光記緑媒体の
高温高湿状態下の耐久性が向上する傾向がある。しか
し、接着性の観点からは逆効果であり、適度な強度に設
定するのが好ましい。B2成分は、配合割合が増加する
に従って、紫外線硬化型接着剤組成物の粘度・硬化性は
低下し、塗膜強度が弱くなる傾向にある。
【0030】本発明で用いられる紫外線硬化型接着剤組
成物の粘度は、常温にて100から1000mPa・s
の範囲に調整することが好ましい。
【0031】A成分及びB1成分の使用割合は、(A+
B1)成分の使用割合において、50重量%以上とする
のが塗膜強度の面で好ましく、85重量%以下とするこ
とが組成物粘度からは好ましい。またB2成分の使用割
合は、5重量%以上とするのが希釈効果の面から好まし
く、40重量%以下とすることが塗膜強度からは好まし
い。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0033】(貼り合わせ型ディスクサンプルの作製)
図1に示した構成の光記録媒体DVD−9を作製した。
まず、渦巻状の情報記緑ピット(21,31)を有する直
径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂
基板20,30上に、Ag半透明膜22、Ag反射膜3
2をスパッタ法により形成した。半透明膜膜、反射膜の
厚さは、それぞれ20、80nmとした。基板20の上
に、表1の実施例1、2及び比較例1、2の各組成から
なる紫外線硬化型接着剤組成物をディスペンサで中周に
一周にわたり滴下し、その上に基板30をのせた。その
後、平均55μmの厚さになるようにスピン回転して、
ディスク全面に接着剤がゆきわたるように接着層を形成
し、基板20の側から紫外線を120W/cmのメタル
ハライドランプ(アイグラフィックス社製M03−L3
1)で0.5J/cm2 (アイグラフィックス社製UV
光量計UVPF−36での測定値)照射して接着剤を硬
化させた。このようにして、DVD−9ディスクサンプ
ルを得た。
【0034】(PIエラーの測定)以上のようにして得
られた各ディスクサンプルについて、80℃、80%R
H、100時間の加速試験を行い、試験前後で半透明膜
側の記録(L0)につき中周部分でPIエラーの測定を
行った。
【0035】(接着性評価サンプルの作製)渦巻状の情
報記緑ピットを有する直径120mm、厚さ1.2mm
のポリカーボネート樹脂基板上に、Ag反射層をスパッ
タ法により形成した。反射層の厚さは、80nmとし
た。Ag薄膜付き基板の上に、表1の実施例及び比較例
の各組成からなる紫外線硬化型接着剤組成物をディスペ
ンサで内周に一周にわたり滴下し、その後、平均10μ
mの厚さになるようにスピン回転して、ディスク全面に
接着剤がゆきわたるように接着層(塗膜)を形成し、接
着層(塗膜)側から紫外線を120W/cmのメタルハ
ライドランプ(アイグラフィックス社製M03−L3
1)で0.5J/cm2 (アイグラフィックス社製UV
光量計UVPF−36での測定値)照射して接着剤(塗
膜)を硬化させた。このようにして、Ag薄膜と接着剤
硬化膜との接着性を評価するサンプルを得た。
【0036】(接着強度の測定1)接着性評価サンプル
ディスクの接着剤硬化物表面の最内周にナイフで直線上
に切れ目を入れた。その後、ディスク内周から放射状に
ニチバン社製セロハンテープを貼り付け、更にセロハン
テープの幅で再び塗膜にナイフで切れ目を入れた。それ
を引っ張り試験機(東洋ボールドウィン社RTM−2
5)にて、引っ張り速度を50mm/分の条件で内周側
から180度剥離を行い、塗膜−Ag薄膜界面での剥離
強度を求めた。
【0037】(接着強度の測定2)接着性評価サンプル
ディスクの接着剤硬化物表面の中周にナイフで放射状に
切れ目を入れた。その後、切れ目を起点にして、直角方
向にニチバン社製セロハンテープ(幅18mm)を貼り
付けた後、手で強制的に剥離させ、剥離面の観察から接
着性の良否を以下の基準で判定した。 良:Ag薄膜と塗膜が一緒に剥離した場合 否:Ag薄膜と塗膜の界面にて剥離した場合
【0038】以上の実験結果を表1にまとめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】ここで、上表の紫外線硬化型組成物に用い
られた原料の略号は、それぞれ以下の物質を示してい
る。 ETA-300:EO変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート APG-200:トリプロピレングリコールジアクリレート V-5500:ビスフェノールA型エポキシジアクリレート CBA:カルビトールアクリレート TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフ
ォスフィンオキサイド Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン PM-2:エチレンオキサイド変性リン酸メタクリレート M-5600:アクリルダイマー酸
【0041】表のPIエラーの結果より、本発明の紫外
線硬化型接着剤組成物を接着層に用いた実施例1及び2
のディスクサンプルでは、加速試験後もPIエラー測定
値の変化が少なく、接着性も良好で実用上十分な性能を
有していることが明らかである。一方、従来Al反射膜
を有する光記録媒体にて有効であったリン酸エステル系
モノマーを含有する組成物を接着層に用いた比較例1の
ディスクサンプルにおいては、加速試験後にPIエラー
が大幅に悪化して記録媒体としての機能を失しているこ
とが判る。また、接着性を向上させる組成分を添加して
いない組成物を接着層に用いた比較例2のディスクサン
プルの場合は、加速試験後のPIエラーの悪化は少ない
が、接着性に劣ることが判った。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、Ag又はAgを主成分
とする金属及び/又は合金からなる半透明膜及び/又は
反射膜を有する光記録媒体において、紫外線硬化型接着
剤組成物の中に、分子中にカルボキシル基を有するモノ
マー及び/又はオリゴマーを含有させることにより、接
着性に優れ、且つ高温高湿状態下での耐久性が向上した
貼り合わせ型の光記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による光記録媒体の部分断面図の一例
である。
【符号の説明】
10:DVD−9ディスク 20,30:透明樹脂基板 21,31:情報記緑ピット 22:半透明膜 32:反射膜 40:接着層 50:読み出しレーザー光

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が、記録層或いは情報記
    録ピット、Ag又はAgを主成分とする金属及び/又は
    合金からなる半透明膜又は反射膜をこの順で有する2枚
    の基板を貼り合わせることによって得られる光記録媒体
    の製造に用いられる紫外線硬化型接着剤組成物であっ
    て、カルボキシル基を有するモノマー及び/又はオリゴ
    マーを含有することを特徴とする紫外線硬化型接着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するモノマー及び/
    又はオリゴマーをそれ以外の組成分100重量部に対し
    て0.05から1.0重量部含むことを特徴とする請求
    項1に記載の紫外線硬化型接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の紫外線硬
    化型接着剤組成物を接着層に有することを特徴とする貼
    り合わせ型の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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