JP2001226539A - オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JP2001226539A
JP2001226539A JP2000193493A JP2000193493A JP2001226539A JP 2001226539 A JP2001226539 A JP 2001226539A JP 2000193493 A JP2000193493 A JP 2000193493A JP 2000193493 A JP2000193493 A JP 2000193493A JP 2001226539 A JP2001226539 A JP 2001226539A
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olefin
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rubber
resin
parts
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Seizo Katayama
誠三 片山
Kazuo Kimura
和男 木村
Kazuhiro Ohashi
一弘 大橋
Minoru Horie
稔 堀江
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ERASUTO MITSUKUSU KK
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ERASUTO MITSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラフィン系鉱物油等の軟化剤による環境汚
染等がなく、且つ成形加工性等に優れたオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 EPDM等のオレフィン系ゴム及び/又
はジエン系ゴムと、ポリプロピレン等のオレフィン系樹
脂と、CH2=CHOCOR1又はCH2=CHOR2(R
1、R2は炭素原子数1〜6のアルキル基)で表されるビ
ニル単量体が20重量%以上共重合されたビニル共重合
体(エチレン−酢酸ビニル共重合体等)とを含有する樹
脂・ゴム組成物を、有機過酸化物等の架橋剤の存在下に
熱処理してなるか、或いは、オレフィン系ゴム及び/又
はジエン系ゴム並びにオレフィン系樹脂を含有する樹脂
・ゴム組成物を架橋剤の存在下に熱処理してなる熱架橋
樹脂・ゴム組成物と、少なくとも一部分量には架橋剤存
在下の熱処理が施されていない上記ビニル共重合体とを
含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物(以下、単に「エラストマー組
成物」ということもある。)に関する。更に詳しく言え
ば、十分な柔軟性、弾性回復性等の機械的特性及び耐久
性などを有し、軟化剤の使用による成形品表面の汚損及
び環境汚染がなく、少量の難燃剤によって十分な難燃性
を得ることができ、且つ成形加工性に優れ、自動車の内
外装部品、弱電製品のパッキン及びハウジング、防水シ
ート、ガスケットシール、電線被覆等、各種の工業分野
において有用なエラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物は、従来より、ゴム、オレフィン系樹脂、及びパラフ
ィン系鉱物油等の軟化剤などを、架橋剤の存在下、動的
に熱処理することにより調製されている。このエラスト
マー組成物を加工する工程においては加硫が不要であ
り、射出成形、異形押出等の押出成形、カレンダー加工
及びブロー成形など、通常の熱可塑性樹脂の加工方法を
採用することができる。
【0003】しかし、このエラストマー組成物は、軟化
剤を含んでいるため耐久性に劣り、柔軟性、弾性回復性
等の機械的特性も十分ではない。更に、経時とともに軟
化剤が成形品の表面にブリードアウトし、これが揮散す
ることによって環境汚染の原因にもなり得る。これらを
改良するため、従来より、架橋密度の向上、組み合わせ
るゴムの種類及びその配合比、並びに軟化剤の種類及び
その含有量等の検討が行われてきた。その結果、耐久性
等を向上させることはできたものの、その成形加工性が
低下するとの新たな問題が生じた。
【0004】一方、このエラストマー組成物のうち難燃
性を備えるものは、従来より、各種の無機系難燃剤及び
有機系難燃剤を用いて調製されている。しかし、十分な
難燃性を得るためにはエラストマーに対して通常200
〜300重量部もの多量の難燃剤を配合する必要があ
り、柔軟性及び弾性回復性等の機械的特性並びに耐久性
などが低下するとの問題がある。また、この種のエラス
トマーでは、ゴム的性質を維持するため多量の軟化剤
(例えば20重量部以上)の配合が必須であり、この軟
化剤により難燃性が損なわれるとの問題もある。
【0005】これらを改良するため、ゴム、オレフィン
系樹脂、及びパラフィン系鉱物油等の軟化剤などを、架
橋剤の存在下、動的に熱処理する手法において、架橋密
度の向上、組み合わせるゴムの種類及びその配合比、並
びに難燃剤及び軟化剤の種類及びその含有量等の検討が
行われてきた。その結果、耐久性等を向上させることは
できたものの、その成形加工性が低下するとの新たな問
題が生じたうえ、十分な難燃性を得ることも困難であっ
た。
【0006】この成形加工性は、オレフィン系樹脂の種
類及びその物性等を特定することによって向上させるこ
とができる。しかし、そのようなオレフィン系樹脂を使
用した場合は、弾性率が低下し、ヒステリシスロスが大
きくなる傾向にある。このように、従来のオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物では、十分な難燃性、機械
的特性及び耐久性等を有し、環境汚染等が防止され、且
つ優れた成形加工性をも併せ有するものとすることは容
易ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、難燃性、柔軟性、弾性回
復性等の機械的特性及び耐久性等に優れ、ハロゲン系等
の難燃剤やパラフィン系鉱物油等の軟化剤による成形品
表面の汚損及び環境汚染がなく、且つ優れた成形加工性
をも併せ有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明のエラストマー
組成物は、オレフィン系ゴム及び/又はジエン系ゴム
と、オレフィン系樹脂と、下記化学式(1)又は(2)
で表されるビニル単量体が20重量%以上共重合された
ビニル共重合体と、を含有する樹脂・ゴム組成物を、架
橋剤の存在下に熱処理してなることを特徴とする。
【0009】
【化5】 CH2=CHOCOR1 (1) CH2=CHOR2 (2) (ただし、式中のR1およびR2は炭素原子数1〜6のア
ルキル基である。)
【0010】第2発明のエラストマー組成物は、オレフ
ィン系ゴム及び/又はジエン系ゴム並びにオレフィン系
樹脂を含有する樹脂・ゴム組成物を架橋剤の存在下に熱
処理してなる熱架橋樹脂・ゴム組成物と、上記化学式
(1)又は(2)で表されるビニル単量体が20重量%
以上共重合されており、少なくとも一部分量には架橋剤
存在下の熱処理が施されていないビニル共重合体と、を
含有することを特徴とする。
【0011】また、第7発明のエラストマー組成物は、
オレフィン系樹脂と、上記化学式(1)又は(2)で表
されるビニル単量体が20重量%以上共重合されたビニ
ル共重合体と、を含有する樹脂組成物を、架橋剤の存在
下に熱処理してなることを特徴とする。
【0012】第8発明のエラストマー組成物は、オレフ
ィン系樹脂を含有する樹脂組成物を架橋剤の存在下に熱
処理してなる熱架橋樹脂組成物と、上記化学式(1)又
は(2)で表されるビニル単量体が20重量%以上共重
合されており、少なくとも一部分量には架橋剤存在下の
熱処理が施されていないビニル共重合体と、を含有する
ことを特徴とする。
【0013】第1発明および第2発明において、上記
「オレフィン系ゴム及び/又はジエン系ゴム」(以下、
これらを「共重合ゴム」ということもある。)として
は、エチレン−オレフィン系共重合ゴム、並びにスチレ
ン及びアクリロニトリル等の単量体の一種以上とブタジ
エン等のジエン系単量体とを用いたジエン系共重合ゴム
等を使用することができる。
【0014】エチレン−オレフィン系共重合ゴムとして
は、エチレンと炭素原子数3以上、好ましくは3〜8の
α−オレフィン、及び必要に応じて非共役ジエンを共重
合させたランダム共重合体などが挙げられる。また、塩
素等のハロゲン原子を含む単量体を共重合させることも
できる。エチレンと共重合される炭素原子数3以上のα
−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等
を挙げることができる。α−オレフィンは一種のみを用
いてもよいし、二種以上を併用することもできる。ま
た、必要に応じて共重合される非共役ジエンとしては、
ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロ
オクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノル
ボルネン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げ
られる。更に、エチレン系ランダム共重合体に通常の方
法によって分岐構造を付与することもでき、分岐構造を
付与するための好ましいジエンとしては、1,9−デカ
ジエン、ノルボルナジエン等を挙げることができる。こ
れらの非共役ジエンは一種のみを用いてもよいし、二種
以上を併用することもできる。また、オレフィン系ゴム
として、イソプレン−イソブチレン共重合ゴム等も同様
に使用することができる。
【0015】ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエンブロック共
重合ゴム、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタ
ジエン−イソプレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、天然ゴム及びこれらのブロック共重合ゴム等が挙
げられる。更に、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム、アク
リロニトリル−イソプレンゴムを用いることもできる。
また、一部又はすべての二重結合が水素添加されたジエ
ン系ゴムなどを使用することもできる。更に、共重合ゴ
ムとして共役ジエン等の不飽和単量体がグラフト重合さ
れた変性エチレン系共重合ゴムなどを用いることもでき
る。尚、これらの各種の共重合ゴムには、更に塩素等の
ハロゲン原子を含む単量体を共重合させることもでき
る。これら各種の共重合ゴムとして、場合により予め伸
展油を添加したものを使用することもできる。また、こ
れらの共重合ゴムは、ベール、クラム、ペレットいずれ
の形状であっても用いることができる。これらの共重合
ゴムのうち一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用
することもできる。
【0016】尚、非共役ジエンを共重合させる場合は、
生成する共重合ゴムのヨウ素価が60以下となるような
量比とすることが好ましい。このヨウ素価は5〜50、
特に10〜50とすることがより好ましく、このような
共重合ゴムを使用すれば、流動性とゴム的性質とのバラ
ンスのよいエラストマー組成物とすることができる。ま
た、エラストマー組成物の柔軟性及び弾性回復性(この
弾性回復性は圧縮永久歪みによって評価する。圧縮永久
歪みが大きい場合は弾性回復性に劣り、圧縮永久歪みが
小さい場合は弾性回復性に優れる。)の観点からエチレ
ン−プロピレンゴム(EPR)よりエチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)のほうが好ましい。更に、
分子量が大きく、不飽和結合が多いものがより好まし
い。但し、エラストマー組成物の流動性との関係を勘案
し、最適なゴムを選定する必要がある。
【0017】EPDMなどのオレフィン系ゴム及びSB
R等のジエン系ゴムは、有機過酸化物等の架橋剤を配合
し、熱処理することによって容易に架橋させることがで
きる。これらの共重合ゴムの架橋度は10%以上、特に
15%以上、更には20%以上であることが好ましい。
また、この架橋度は35%以上、特に50%以上、更に
は60%以上とすることもでき、エラストマー組成物の
成形加工性が損なわれない限り、架橋度が実質的に10
0%であってもよい。架橋度が10%未満であると、エ
ラストマー組成物の引張強度等が小さくなり、弾性回復
性も低下する。この共重合ゴムの架橋度は、使用する共
重合ゴムに、エラストマー組成物を調製する際と同じ架
橋剤を、エラストマー組成物を調製する際と同じ配合比
で加え、同様の条件により熱処理した場合の架橋度によ
って表すものとする。架橋度は、熱処理後の共重合ゴム
を沸騰したトルエンに2時間浸漬した場合の浸漬後重量
を浸漬前重量によって除して100を乗じた値として求
めることができる。
【0018】第1、第2、第7及び第8発明において、
上記「オレフィン系樹脂」は特に限定されないが、例え
ばエチレンの単独重合体である低密度ポリエチレン及び
高密度ポリエチレンを使用することができる。更に、エ
チレンと、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン等、他の少量のα−オレフィンとの共重合
体を用いることもできる。また、アイソタクチックポリ
プロピレン、及びプロピレンと、エチレン、1−ブテン
等、他の少量のα−オレフィンとの共重合体を使用する
こともできる。このオレフィン系樹脂として、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレンなど、塩素等のハロ
ゲン原子を含むものを用いることもでき、これらは難燃
性を向上させる作用を有する。これらのオレフィン系樹
脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用する
こともできる。
【0019】第1、第2、第7及び第8発明における上
記「ビニル共重合体」は、上記化学式(1)で表される
ビニルエステルおよび上記化学式(2)で表されるビニ
ルエーテルから選択されるビニル単量体の一種または二
種以上を含む単量体から得られる共重合体である。二種
以上のビニル単量体を併用する場合には、化学式
(1)、(2)のうちいずれか一方から選択してもよ
く、化学式(1)、(2)の双方からそれぞれ一種以上
を選択してもよい。
【0020】上記化学式(1)、(2)中、R1および
2はメチル基またはエチル基であることが好ましく、
メチル基であることが最も好ましい。R1またはR2の炭
素原子数が6を超えると重合性が低下し、またこの単量
体を共重合させて得られたビニル共重合体が硬くなるた
めエラストマー組成物の柔軟性、弾性回復性等が低下す
る。上記「ビニル共重合体」としては、上記ビニル単量
体と他の単量体との共重合体であれば特に限定されるこ
となく用いることができる。そのような共重合体の代表
的なものとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙
げられる。このビニル共重合体にも、更に塩素等のハロ
ゲン原子を含む単量体を共重合させることができる。
【0021】ビニル共重合体における上記ビニル単量体
の共重合比率は、20重量%(以下、架橋度の場合を除
き「%」は重量%である。)以上とする必要があり、2
5%以上であることが好ましく、30%以上のものを使
用することもできる。このように上記ビニル単量体の共
重合比率の多い共重合体は、必要に応じて任意の程度に
架橋させることができ、所要の性能を有するオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物を容易に調製することが
できる。上記ビニル単量体の共重合比率が20%未満で
あるビニル共重合体を用いると、エラストマー組成物が
硬くなり、弾性回復性及び成形加工性が低下する。この
ビニル共重合体としては、分子量分布の狭い、強度の大
きいものを用いてもよい。
【0022】上記ビニル単量体の共重合比率の高いビニ
ル共重合体は、有機過酸化物等の架橋剤を配合し、熱処
理することによって容易に架橋させることができる。こ
のビニル共重合体の架橋度は特に限定されないが、例え
ば10%以上とすることができ、特に15%以上、更に
は20%以上であることが好ましい。また、この架橋度
は35%以上、特に50%以上、更には60%以上とす
ることもでき、エラストマー組成物の成形加工性が損な
われない限り、架橋度が実質的に100%であってもよ
い。架橋度が10%未満であると、エラストマー組成物
の引張強度、伸び等の機械的特性が低下する。一方、成
形加工性(メルトフローレート等で表される)を重視し
たエラストマー組成物とする場合には、ビニル共重合体
の架橋度が20%未満、特に15%未満、更には10%
未満であることが好ましく、実質的に0%であってもよ
い。なお、このビニル共重合体の架橋度は、使用するビ
ニル共重合体に、エラストマー組成物を調製する際と同
じ架橋剤を、エラストマー組成物を調製する際と同じ配
合比で加え、同様の条件により熱処理した場合の架橋度
によって表すものとする。架橋度は共重合ゴムの場合と
同様にして求めることができる。
【0023】第1発明及び第2発明においては、第3発
明のように、共重合ゴム、オレフィン系樹脂、及びビニ
ル共重合体の合計量を100重量部(以下、「部」と略
記する。)とした場合に、共重合ゴムは30〜70部で
あり、オレフィン系樹脂は10〜50部であって、ビニ
ル共重合体は20〜60部であることが好ましい。共重
合ゴムが過多であると、引張強度等が小さくなり、成形
加工性が低下することがある。一方、オレフィン系樹脂
が過多であると、伸び等が小さくなり、弾性回復性が低
下する傾向にある。
【0024】更に、第7発明及び第8発明においては、
第9発明のように、オレフィン系樹脂とビニル共重合体
との合計量を100部とした場合に、オレフィン系樹脂
は10〜30部であり、ビニル共重合体は70〜90部
であることが好ましい。また、オレフィン系樹脂は15
〜25部であり、ビニル共重合体は75〜85部である
ことが特に好ましい。オレフィン系樹脂が10部未満、
即ちビニル共重合体が90部を超えると、エラストマー
組成物の硬度及び引張強度等が低下する場合がある。一
方、オレフィン系樹脂が30部を超え、即ちビニル共重
合体が70部未満であると、エラストマー組成物が硬く
なり、伸び等が非常に小さくなり、且つ圧縮永久歪みが
大きくなり、弾性回復性も低下する傾向にある。
【0025】第1発明及び第7発明において、樹脂・ゴ
ム組成物または樹脂組成物を「架橋剤の存在下に熱処理
(これを「熱架橋処理」ともいう。)」する方法として
は、エラストマー組成物のそれぞれの成分と、必要に応
じて添加される配合剤とを、所定の温度で加熱する方法
を用いることができる。加熱温度及びこの温度を保持す
る時間は、それぞれの成分の性状及び量比、配合剤の種
類及び量比、架橋剤の1分半減期温度等によって適宜設
定することができる。この加熱温度は、通常、オレフィ
ン系樹脂の溶融のし易さと、架橋反応とのバランスのよ
い160〜200℃の範囲で行うことが好ましい。
【0026】また、第2発明及び第8発明のエラストマ
ー組成物に含有されるビニル共重合体のうち、少なくと
も一部分量(すなわち、ビニル共重合体の一部または全
部)には熱架橋処理が施されていない。一方、この「少
なくとも一部分量」以外のビニル共重合体には、樹脂・
ゴム組成物または樹脂組成物とともに、或いは樹脂・ゴ
ム組成物または樹脂組成物とは別に、熱架橋処理が施さ
れている。このような組成とすることにより、熱架橋処
理されていないビニル共重合体が軟化剤として強く働く
ので、流動性が高く成形加工性に優れたエラストマー組
成物とすることができる。この流動性は、エラストマー
組成物に含有されるビニル共重合体のうち、熱架橋処理
されていない(すなわち、実質的に未架橋の)ビニル共
重合体の割合(以下、ビニル共重合体の「非架橋率」と
もいう。)によって調節することができる。
【0027】このようなエラストマー組成物は、例え
ば、ビニル共重合体の一部分量または全量を除いたエラ
ストマー組成物の成分を熱架橋処理し、次いでこの熱架
橋処理物に特定の老化防止剤を添加混合して架橋剤を失
活させる工程と、熱架橋処理の対象から除かれたビニル
共重合体を架橋剤の非存在下に熱処理する工程とを別々
に行い、その後これらを混合する(これを「別処理法」
ともいう。)ことにより得ることができる。また、ビニ
ル共重合体の一部分量または全量を除いたエラストマー
組成物の成分を熱架橋処理し、次いでこの熱架橋処理物
に特定の老化防止剤を添加混合して架橋剤を失活させた
後に、未架橋のビニル共重合体を投入して熱処理する
(これを「後添加法」ともいう。)方法によっても得ら
れる。なお、失活後の架橋剤の存在下で熱処理する場合
にも「架橋剤の非存在下で熱処理する」という。また、
上記別処理法および後添加法において、共重合ゴムおよ
び/またはオレフィン系樹脂の一部を熱架橋処理の対象
から除き、これらをビニル共重合体の一部分量または全
量とともに架橋剤の非存在下で熱処理してもよい。
【0028】上記熱架橋処理は、剪断変形を与えながら
溶融状態で混練する等の動的な処理で行うことができ
る。混練条件は、それぞれの成分の性状及び量比、配合
剤の種類及び量比、架橋剤の1分半減期温度等によって
適宜設定することができる。動的な熱処理では、溶融混
練により各成分の分散及び架橋反応が同時に、或いは連
続的になされる。この動的な熱処理によって、第1発明
では、オレフィン系樹脂及び適度に架橋されたビニル
共重合体からなる連続相と、適度に架橋された共重合ゴ
ムからなる分散相、オレフィン系樹脂からなる連続相
と、適度に架橋されたビニル共重合体及び適度に架橋さ
れた共重合ゴムからなる分散相、並びにオレフィン系
樹脂及び適度に架橋されたビニル共重合体からなる連続
相と、適度に架橋されたビニル共重合体及び適度に架橋
された共重合ゴムからなる分散相、のいずれかにより構
成されるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とす
ることができる。
【0029】動的な熱処理に用いる装置は特に限定され
ず、加圧式ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダ
ーミキサー等のバッチ式の混練機を使用することができ
る。また、一軸押出機、二軸押出機、フィーダールーダ
ー等の連続式の混練機を用いることもできる。更に、こ
れらバッチ式及び連続式の混練機が一体となった装置を
使用することもでき、バッチ式及び連続式の混練機を組
み合わせて用いることもできる。
【0030】上記「架橋剤」としては、通常、ジエン含
有ゴム等の架橋に使用されるものを特に限定されること
なく使用することができる。そのような架橋剤として
は、硫黄、硫黄化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂
系架橋剤、キノイド系架橋剤、アクリル酸金属塩系架橋
剤、及びビスマレイミド系架橋剤等が挙げられる。
【0031】有機過酸化物としては、ジクミルパーオキ
サイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert
−ブチルパーオキシ)−3,3,5―トリメチルシクロ
ヘキサン、tert−ブチルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3及びベンゾイルパーオキサイド等が挙げら
れる。
【0032】有機過酸化物等の架橋剤は、均一、且つ穏
やかな架橋を行うとの観点から、第4発明のように、共
重合ゴム、オレフィン系樹脂及びビニル共重合体の合計
量を100部とした場合に、或いは第10発明のよう
に、オレフィン系樹脂及びビニル共重合体の合計量を1
00部とした場合に、0.03〜2.3部とすることが
好ましい。また、この架橋剤は0.05〜2.0部、更
には0.1〜1.5部とすることが特に好ましい。更
に、架橋剤の分散性を向上させるため、共重合ゴム、ビ
ニル共重合体等に予め高濃度の架橋剤を含有させたマス
ターバッチを調製し、これを使用することもできる。架
橋剤の量比が上記の範囲であれば、成形加工性を何ら損
なうことなく機械的特性を十分に向上させることができ
る。
【0033】また、架橋剤として有機過酸化物を用いる
場合は、架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキ
シム等のオキシム類、トリアリルシアヌレート、ジビ
ニルベンゼン、並びにエチレングリコールジメタクリレ
ート及びアクリルメタクリレート等の多官能性メタクリ
レート単量体などの多官能性ビニル単量体等を配合する
こともできる。これによって、共重合ゴム及びビニル共
重合体をより迅速に、且つ十分に架橋させることができ
る。これらの架橋助剤は、共重合ゴム、オレフィン系樹
脂、及びビニル共重合体の合計量100部に対して、
0.1〜2.0部、特に0.3〜1.5部程度を配合し
て使用することができる。なお、架橋剤として有機過酸
化物を用いる場合、前述の「別処理法」および「後添加
法」において架橋剤を失活させるための「特定の老化防
止剤」としては、テトラキス−〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン等を用いることができ
る。
【0034】本発明のエラストマー組成物の「架橋ゲル
分率」は、このエラストマー組成物を沸騰したトルエン
により2時間抽出した場合の抽出後重量を抽出前重量に
よって除して100を乗じた値として求めることができ
る。なお、上記条件で抽出されない難燃剤を含有するエ
ラストマー組成物については、上記抽出後重量から難燃
剤の重量を除いた重量を抽出前重量によって除して10
0を乗じた値を架橋ゲル分率とする。この架橋ゲル分率
は、第1発明および第7発明のエラストマー組成物にお
いては10%以上であることが好ましく、より好ましく
は20%以上、更に好ましくは50%以上、特に好まし
くは90%以上であって、エラストマー組成物の成形加
工性等が損なわれない限り、架橋ゲル分率が実質的に1
00%であってもよい。一方、第2発明および第8発明
のエラストマー組成物においては、架橋ゲル分率が95
%以下であることが好ましく、より好ましくは90%以
下、更に好ましくは70%以下、特に好ましくは60%
以下である。架橋ゲル分率の下限は、このエラストマー
組成物に要求される機械的特性等により異なるが、例え
ば10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは
30%以上である。
【0035】本発明のエラストマー組成物に用いる上記
「難燃剤」としては、この種のエラストマー組成物にお
いて一般に使用されるものを、特に制限されることなく
用いることができる。例えば、リン系難燃剤、塩素系及
び臭素系等のハロゲン系難燃剤等の他、三酸化アンチモ
ン、可塑剤としての作用をも併せ有するトリフェニルホ
スフェイトなどが挙げられ、有機系難燃剤及び無機系難
燃剤のいずれも使用することができる。これらの難燃剤
は一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよ
い。更に、この難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤の
み、或いはハロゲン系難燃剤のみを使用してもよく、ま
た、これらを適宜の量比で併用してもよい。
【0036】これら難燃剤の使用量は、第1発明または
第2発明においては共重合ゴム、オレフィン樹脂および
ビニル共重合体の合計量を100部として、第7発明お
よび第8発明においてはオレフィン樹脂とビニル共重合
体との合計量を100部として、それぞれ例えば100
部以下とすることができ、1〜90部とすることが好ま
しく、第5発明および第11発明のように25〜75部
とすることがより好ましく、特に30〜70部、更に4
0〜60とすることが好ましい。本発明のエラストマー
組成物は、難燃剤の使用量が75部以下(好ましくは5
0部以下)である場合にも、UL耐炎性試験規格のV−
1に適合するものとすることができ、更にはV−0に適
合するものとすることができる。本発明のエラストマー
組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、或い
は使用する場合にも従来に比べて少ない含有量で十分な
難燃性を得ることができ、近年の環境汚染防止の観点か
ら非常に有用である。また、多量の難燃剤による機械的
特性、弾性回復性及び成形加工性等の低下が防止され
る。
【0037】更に、第1発明及び第2発明における樹脂
・ゴム組成物、並びに第7発明及び第8発明における樹
脂組成物には、その用途及び所要特性等に応じて、機械
的特性及び成形加工性等を損なわない範囲で、補強剤、
白色充填剤等の充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外
線吸収剤、紫外線防止剤、滑剤等を添加することができ
る。また、オレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂、或い
は本発明において用いる共重合ゴムを除くエラストマー
などを配合することもできる。
【0038】本発明のエラストマー組成物では、上記特
定のビニル単量体の共重合比率の多いビニル共重合体が
軟化剤として作用する。そのため、通常この種のエラス
トマー組成物に軟化剤として配合されるパラフィン系、
ナフテン系、或いは芳香族系鉱物油等の油類を使用する
必要がない。このように、軟化剤としての油類を使用し
ないため、そのブリードアウトによる成形品表面の汚損
及び揮散等による環境の汚染が防止される。ビニル共重
合体の軟化剤としての作用により、軟化剤としての油類
を使用しなくても、十分な成形加工性を有するエラスト
マー組成物とすることができる。尚、本発明のエラスト
マー組成物は、この環境の汚染等が問題とならない範囲
で軟化剤としての油類を含有することもでき、必要であ
れば白色充填剤等と組み合わせて使用することができ
る。また、エラストマー組成物の硬度の調整を目的とし
て適量の軟化剤を用いることもできる。この軟化剤とし
ての油類の含有量は、第1発明または第2発明において
は共重合ゴム、オレフィン樹脂およびビニル共重合体の
合計量を100部として、第7発明および第8発明にお
いてはオレフィン樹脂とビニル共重合体との合計量を1
00部として、それぞれ例えば20部以下とすることが
でき、15部以下とすることが好ましい。また、第6発
明および第12発明のように10部以下とすることが更
に好ましく、8部以下、更には5部以下とすることがよ
り好ましい。
【0039】軟化剤としての油類はブリードアウトし易
く、この油類を含有するエラストマー組成物を溶剤と接
触させた場合には容易に抽出される。しかし、油類を含
有しないか、含有する場合も少量である本発明のエラス
トマー組成物では、溶剤としてトルエンとエチルアルコ
ールとの重量比30:70の混合物(ETA)を使用
し、この溶剤が沸騰した状態で1時間抽出した場合に、
抽出率を10%以下とすることができ、特に5%以下、
更に3%以下とすることもできる。このように抽出量が
少量であることにより、本発明のエラストマー組成物で
はブリードアウト及び揮散等が少なく、成形品表面の汚
損及び環境の汚染が防止または抑制されることが推察さ
れる。また、軟化剤としての油類を含まないか、含有す
る場合も少量であるので、この油類による難燃性の低下
が防止または抑制される。
【0040】このようにして調製される本発明のエラス
トマー組成物は、軟化剤を含有せず、或いは含有する場
合は少量であるにもかかわらず、機械的特性、弾性回復
性及び成形加工性等に優れ、各種のパッキン材、シール
材等として有用である。弾性回復性は前記のように圧縮
永久歪みによって評価することができ、この圧縮永久歪
みは、30〜80%、特に30〜70%、更には30〜
60%とすることができる。一方、成形加工性はメルト
フローレート(MFR)によって評価することができ、
例えば180℃、100Kgの条件下においてMFRが
100g/10分以上、特に120g/10分以上(通
常、300g/10分以下)とすることができる。ま
た、230℃、10Kgの条件下においては、MFRが
1g/10分以上、特に5g/10分以上とすることが
できる。このMFRは樹脂、ゴム、その他、配合処方に
より調整することができ、上記範囲に限定されるもので
はない。
【0041】また、本発明のエラストマー組成物は上記
各特性のバランスにも優れ、例えば第13発明のよう
に、引張強度が30kg/cm2以上(より好ましくは
50kg/cm2以上)、JIS−A硬度が60〜95
(より好ましくは60〜80)、圧縮永久歪み(70
℃、22時間、25%圧縮)が20〜90%(より好ま
しくは30〜80%)であって、かつ230℃×10k
gの条件下におけるMFRが1g/10分以上(より好
ましくは5g/10分以上)のエラストマー組成物とす
ることができる。更に、これらの特性を備え、かつUL
耐炎性試験規格のV−1(より好ましくはV−0)に適
合するものとすることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって更
に詳しく説明する。これらの実施例において使用した各
成分は以下のとおりである。 (1)共重合系ゴム:エチレン−プロピレン−ジエン共
重合ゴム(ジェイエスアール株式会社製、商品名「EP
57C」) (2)オレフィン系樹脂: 樹脂−1;ポリプロピレン(三菱化学株式会社製、商
品名「ノバテックBC−1」) 樹脂−2;ポリプロピレン(三菱化学株式会社製、商
品名「ノバテックBC06C」)
【0043】(3)ビニル共重合体: ビニル共重合体−1;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン760」
(酢酸ビニル共重合率;42%) ビニル共重合体−2;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン750」
(酢酸ビニル共重合率;32%) ビニル共重合体−3;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン710」
(酢酸ビニル共重合率;28%) ビニル共重合体−4;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン635」
(酢酸ビニル共重合率;25%)、分子量分布が狭く、
強度の大きいエチレン−酢酸ビニル共重合体 ビニル共重合体−5;エチレン−酢酸ビニル共重合
体、日本ユニカー株式会社製、商品名「PES400」
(酢酸ビニル共重合率:18%) ビニル共重合体−6;エチレン−ビニルメチルエーテ
ル共重合体、(ビニルメチルエーテル共重合率:25
%)
【0044】(4)架橋剤: 架橋剤−1;1,3−ビス(tert−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ株式会社製、
商品名「パーカドックス14」) 架橋剤−2;ジクミルパーオキサイド(日本油脂株式
会社製、商品名「パークミルD」) (5)軟化剤:出光興産株式会社製、商品名「ダイアナ
プロセスPW−380」
【0045】(6)難燃剤 難燃剤−1;リン酸グアニジン(三和ケミカル株式会
社製、商品名「アピノン−301」) 難燃剤−2;デカブロモジフェニルオキシド(日宝化
学株式会社製、商品名「FR−PE」) 難燃剤−3;三酸化アンチモン(日本精鉱株式会社
製、商品名「PATOX−H」) 難燃剤−4;トリフェニルフォスフェイト(大八化学
株式会社製、商品名「TPP」)
【0046】得られるエラストマー組成物の各種の評価
は下記の方法によって行った。 (1)ミキサーから排出した際のコンパウンドの一体性 ミキサーから排出される際のコンパウンドの性状を目視
によって観察した。評価基準は以下のとおりである。 ◎;径(最大長さ)が10cm以上の塊状物として一体
にまとまっていて取り扱い易い。 ○;一体となった塊状物のところどころに粒状物が分散
していたが、取り扱いにはまったく問題はない。 △;径が2〜10mm程度の粒状物としてやや分散する
傾向にあったが取り扱いに特に問題はない。
【0047】(2)硬度 JIS K 6253に準拠して測定したJIS A硬
度である。 (3)圧縮永久歪み JIS K 6262に準拠して測定した。測定温度は
70℃、時間は22時間であり、25%圧縮時の圧縮永
久歪みを求めた。 (4)流動性 流動性の指標としてMFRを測定した。このMFRが大
きいほど流動性が高く、成形加工性に優れる。実施例1
および実施例2の測定条件は温度180℃、荷重100
kg、実施例3の測定条件は温度230℃、荷重10k
gである。
【0048】(5)難燃性 UL規格の耐炎性試験方法に準拠して測定した。すなわ
ち、10秒間接炎させ、6インチ以上離して消炎するま
での時間を測定し(第1回消炎時間)、消炎後再び10
秒間接炎させて燃焼させ、炎から離して消炎するまでの
時間を測定した(第2回消炎時間)。この方法で5回の
測定を行った。難燃性の評価基準は以下のとおりであ
る。 UL耐炎性試験規格V−0適合;5回の測定における消
炎するまでの時間の合計が50秒以内。 UL耐炎性試験規格V−1適合;5回の測定における消
炎するまでの時間の合計が250秒以内。
【0049】(6)抽出率 エラストマー組成物からなる試料5gをソックスレー抽
出器に入れ、溶剤として前記のETA(トルエン/エチ
ルアルコール=30/70)を用い、沸騰した状態で1
時間抽出した後、105℃で30分乾燥し、この乾燥後
の試料の重量を測定し、下記の式により抽出率を算出し
た。 抽出率(%)=[(抽出前の試料の重量−抽出後の試料
の重量)/抽出前の試料の重量]×100
【0050】(7)ブリード耐性 エラストマー組成物からなる試料を40℃に168時間
維持し、次いで室温まで冷却した後、試料表面の状態を
観察した。評価基準は以下のとおりである。 ○;ブリードは見られない。 △;若干のブリードが見られる。 ×;顕著にブリードが見られる。
【0051】(8)架橋ゲル分率および非架橋成分率 エラストマー組成物からなる試料5gをソックスレー抽
出器に入れ、沸騰したトルエンで2時間煮沸抽出した
後、手早く濾過して抽出残分A(架橋ゲル)と、濾液B
とに分けた。この抽出残分Aを105℃で30分乾燥さ
せ、その重量から下記式により架橋ゲル分率を算出し
た。ただし、この条件で抽出されない難燃剤を含む組成
物については、抽出残分A(架橋ゲル+難燃剤)から難
燃剤の重量を除いた値を用いて架橋ゲル分率を求めた。 架橋ゲル分率(%)=〔トルエン抽出残分(A)重量/
トルエン抽出前試料(S)重量〕×100
【0052】上記操作により得られた濾液Bを室温まで
徐冷し、これを濾過して析出物BA(主としてオレフィ
ン系樹脂からなる)と濾液BBとに分けた。この濾液B
Bに大量のメタノールを混合して溶解物を析出させ、こ
れを濾過して析出物CAと濾液CBとに分けた。析出物
CAをトルエン/メタノール=30/70(重量比)混
合液に浸漬し、1時間攪拌、24時間静置した後に濾過
して、析出物DA(主として共重合ゴムからなる。)と
濾液DBとに分けた。この濾液DBを大量のメタノール
と混合して溶解物を析出させ、濾過して析出物EA(主
としてビニル共重合体からなる。)と濾液EBとに分け
た。以上の操作手順を図1に示す。
【0053】得られた析出物BA、DA、EAを105
℃で30分乾燥させた後に重量を測定した。それらの値
から下記式により、非架橋のオレフィン系樹脂、非架橋
の共重合ゴム、および非架橋のビニル共重合体のそれぞ
れがエラストマー組成物全体に占める割合(非架橋成分
含有率)を算出した。 オレフィン系樹脂の非架橋成分含有率(%)=〔トルエ
ン抽出後室温析出物(BA)重量/トルエン抽出前試料
(S)重量〕×100 共重合ゴムの非架橋成分含有率(%)=〔トルエン−メ
タノール混合液不溶分(DA)重量/トルエン抽出前試
料(S)重量〕×100 ビニル共重合体の非架橋成分含有率(%)=〔メタノー
ル不溶分(EA)重量/トルエン抽出前試料(S)重
量〕×100
【0054】(9)ビニル共重合体非架橋率 上記で求めた「ビニル共重合体の非架橋成分含有率」か
ら、下記式により、トルエン抽出前の試料に含有される
ビニル共重合体の全体に対して非架橋のビニル共重合体
が占める割合(非架橋率)を算出した。 ビニル共重合体非架橋率(%)=〔ビニル共重合体の非
架橋成分含有率/トルエン抽出前試料(S)に対するビ
ニル共重合体の含有率〕×100
【0055】(実施例1)上記の共重合ゴム、オレフィ
ン系樹脂、ビニル共重合体及び架橋剤等を使用し、表1
に記載の実験例1〜9のエラストマー組成物、並びに表
2に記載の実験例10〜15のエラストマー組成物を調
製した。これらの組成物の調製は、160℃に調温され
た加圧式ニーダーに先ずオレフィン系樹脂を投入し、十
分に溶融し、分散するまで混練し、その後、共重合ゴ
ム、ビニル共重合体及び架橋剤等を投入し、更に5分間
混練を継続することにより行った。得られたエラストマ
ー組成物について上記の方法によって評価した結果を表
1及び表2に併記する。尚、この表2において、(*
1)は第1発明の、(*2)は第2発明の、(*4)は
第4発明の、そして(*6)は第6発明の、それぞれ範
囲外であることを表す。また、表中において各成分の量
はいずれも重量部で表す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】実験例2は、実験例1に比べて共重合ゴム
の配合量が多い例であり、実験例3は、共重合ゴムを更
に増量した例である。また、実験例4は、共重合ゴムを
使用せず、ビニル共重合体を多量に配合した例である。
更に、実験例5は、架橋剤の種類を変えた例であり、実
験例6は、実験例1に比べて酢酸ビニル含量の少ないエ
チレン−酢酸ビニル共重合体をビニル共重合体として用
いた例である。また、実験例7は、分子量分布が狭く、
強度の大きいエチレン−酢酸ビニル共重合体を併用した
例であり、実験例8、9は、第4発明の範囲内で架橋剤
を変量した例である。表1の結果によれば、第1発明に
対応する実験例1〜3及び5〜9、及び第7発明に対応
する実験例4では、一体性及び物性に差はあるものの、
いずれの実験例においても、所要の機械的特性、硬度、
弾性回復性、及び成形加工性を備えるオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物が得られていることが分かる。
これらのエラストマー組成物は、従来の軟化剤としての
油類を含まないためブリード耐性も良好であった。
【0059】一方、表2の結果によれば、ビニル共重合
体に代えて、従来の軟化剤としてプロセスオイル(油
類)を多量に使用した実験例10では、流動性は十分で
はあるものの、引張強度が小さく、圧縮永久歪みが大き
く、弾性回復性に劣り、ブリードも起こりやすいもので
あった。また、ビニル単量体の共重合割合が下限値未満
であるビニル共重合体を使用した実験例11では、エラ
ストマー組成物が硬く、圧縮永久歪みが大きく、弾性回
復性に劣る。更に、架橋剤を使用しなかった実験例12
では、引張強度が大きく低下し、圧縮永久歪みが著しく
大きくなり、弾性回復性が大きく低下することが分か
る。
【0060】また、第4発明の上限を超えて多量の架橋
剤を使用した実験例13では、混練物が粒状になり、や
や取り扱い難くなる傾向にあり、伸び及び流動性が低下
する。更に、共重合ゴムを第3発明の上限を超えて多量
に使用した実験例14では、引張強度が小さくなり、流
動性も低下する。また、オレフィン系樹脂を第3発明の
上限を大きく超えて多量に使用した実験例15では、伸
びが低下し、圧縮永久歪みが大きくなり、弾性回復性が
低下することが分かる。
【0061】(実施例2)難燃剤を含有するエラストマ
ー組成物につき検討した。上記の共重合ゴム、オレフィ
ン系樹脂、ビニル共重合体、難燃剤及び架橋剤等を使用
し、表3に記載の実験例16〜25のエラストマー組成
物、並びに表4に記載の実験例26〜35のエラストマ
ー組成物を調製した。これらの組成物の調製は、160
℃に調温された加圧式ニーダーに共重合ゴム、オレフィ
ン系樹脂、ビニル共重合体及び難燃剤を投入し、十分に
溶融し、分散するまで混練し、その後、架橋剤を投入
し、更に5分間混練を継続することにより行った。得ら
れたエラストマー組成物について上記の方法によって評
価した結果を表3及び表4に併記する。尚、表4におい
て、(*1)は第1発明の、(*3)は第3発明の、そ
して(*6)は第6発明の、それぞれ範囲外であること
を表す。また、表中において各成分の量はいずれも重量
部で表す。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】実験例16はリン系難燃剤を使用し、実験
例17はハロゲン系難燃剤とアンチモン系難燃剤とを併
用しており、実験例18〜20は、第3発明の範囲内で
ゴム或いは樹脂を変量したものである。また、実験例2
1はハロゲン系難燃剤も含め、難燃剤の含有量を半減し
たものである。更に、実験例22は第4発明の範囲内で
架橋剤を増量したものであり、実験例23は酢酸ビニル
含量の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した
ものである。また、実験例24はリン系とハロゲン系の
難燃剤を併用したものであり、実験例25はリン系難燃
剤と可塑剤としての作用を有するトリフェニルホスフェ
イトとを併用したものである。表3の結果によれば、共
重合ゴム及びオレフィン系樹脂の量比、及び難燃剤の種
類により、一体性、各種の物性及び難燃性に差はあるも
のの、所要の難燃性、機械的特性及び成形加工性を備え
るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られて
いることが分かる。これらの組成物は、いずれもブリー
ド耐性にも優れていた。
【0065】一方、表4の結果によれば、共重合ゴムの
量比が高い実験例26では、柔軟性はあるものの、流動
性に劣り、難燃性も低下する傾向にある。また、オレフ
ィン系樹脂の量比が低い実験例27では、柔軟性はある
ものの流動性は不十分であり、混練物が粒状となり、や
や取り扱い難くなった。一方、オレフィン系樹脂の量比
が高い実験例28では、流動性は大きく向上するもの
の、硬度及び圧縮永久歪みが大きく、弾性回復性に劣
る。更に、ビニル共重合体量の量比が高い実験例29で
も、圧縮永久歪みが大きく、弾性回復性に劣る。
【0066】また、難燃剤の含有量が多い実験例30で
は、混練物が粒状となり、やや取り扱い難く、引張強度
も小さくなり、流動性が低下して成形加工性に劣る。架
橋剤の含有量が多い実験例31でも、混練物が粒状にな
り、やや取り扱い難く、流動性も大きく低下して成形加
工性に劣る。更に、酢酸ビニル含量が第1発明の下限値
未満であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した実
験例32では、圧縮永久歪みが大きく、弾性回復性に劣
り、難燃性も低下する傾向にある。共重合ゴムの量比が
高く、難燃剤を多量に含有させた実験例33では、難燃
性には優れるものの、引張強度及び流動性が大きく低下
し、弾性回復性及び成形加工性にも劣る。また、軟化剤
としての油類を5部含有する実験例34では、機械的特
性及び難燃性は低下する傾向にあるものの実用可能な範
囲内であり、また成形加工性は向上している。これに対
して、この軟化剤を30部含有する実験例35では、成
形加工性には優れるものの機械的特性及び弾性回復性が
低下し、ブリードを起こしやすく、しかも難燃性が不十
分であった。
【0067】(実施例3)熱架橋処理されていないビニ
ル共重合体を含有するエラストマー組成物につき検討し
た。上記の共重合ゴム、オレフィン系樹脂、ビニル共重
合体、難燃剤及び架橋剤等を使用し、表5に記載の実験
例36〜45のエラストマー組成物、表6に記載の実験
例46〜55のエラストマー組成物、並びに表7に記載
の実験例56〜60のエラストマー組成物を調製した。
【0068】これらの組成物の調製は、実験例36およ
び実験例41については、160℃に調温された加圧式
ニーダーに共重合ゴム、オレフィン系樹脂、ビニル共重
合体の全量及び難燃剤を投入し、十分に溶融し、分散す
るまで混練し、その後、架橋剤を投入し、更に5分間混
練を継続することにより行った(以後、これを「完全架
橋法」ともいう。なお、実施例1および2のエラストマ
ー組成物の調整方法はこの完全架橋法に相当する。)。
それ以外の実験例については、160℃に調温された加
圧式ニーダーに共重合ゴム、オレフィン系樹脂、ビニル
共重合体のうち熱架橋処理を施す分量、及び難燃剤を投
入し、十分に溶融し、分散するまで混練し、次いで架橋
剤を投入し、5分間混練を行った後に、老化防止剤を投
入して十分に分散させ、ニーダー内での架橋を止める。
その後、熱架橋処理を施さない分量のビニル共重合体
(後添加)を投入し、十分に溶融分散するまで混練した
後に排出する方法(後添加法)により組成物を調整し
た。なお、老化防止剤としてはテトラキス−〔メチレン
−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタンを、共重合ゴム
/オレフィン系樹脂/ビニル共重合体(全量)の合計1
00重量部に対して0.1部の割合で用いた。得られた
エラストマー組成物について上記の方法によって評価し
た結果を表5〜7に併記する。なお、この表6におい
て、(*2)は第2発明の、(*5)は第5発明の、そ
して(*6)は第6発明の、それぞれ範囲外であること
を表す。また、表中において各成分の量はいずれも重量
部で表す。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】表5に示す実験例のうち実験例36〜45
は、硬度70程度(実験例36〜40)または硬度80
程度(実施例41〜45)を目標硬度として、ビニル共
重合体の非架橋率が物性に及ぼす影響を調べた例であ
る。ビニル共重合体の非架橋率を制御することにより、
優れた圧縮永久歪み特性を維持しつつ、それぞれの硬度
においてMFRの値をを0.3〜14あるいは0.5〜
21の範囲で任意に調整することができた。これらの実
験例はいずれも、難燃性、ブリード耐性ともに良好であ
った。
【0073】表6に示す実験例のうち実験例46〜49
は、実験例37〜39の組成から難燃剤を減らすか或い
は除いて調整したエラストマー組成物である。また、実
験例50および51は第6発明の範囲内で軟化剤として
の油類を含有する例である。本発明のエラストマー組成
物は、所定のビニル共重合体を含有することから、軟化
剤としての油類を使用する場合にも、難燃性を損なわな
い程度の少量で十分な性能が得られる。これらの実験例
はいずれも、難燃性、ブリード耐性ともに良好であっ
た。一方、架橋剤を使用しない実験例52では引張強度
が大きく低下し、圧縮永久歪みが著しく大きくなり、弾
性回復性が大きく低下した。実験例53および54はビ
ニル共重合体を含有しない比較例である。実験例50の
組成から単にビニル共重合体を除いた実験例53では難
燃性が不足した。実験例53の組成に、難燃性向上のた
め第5発明の範囲を超えて多量の難燃剤を添加し、難燃
剤増量にともなう流動性の低下を押さえるために第6発
明の範囲を超えて多量の軟化剤を添加した実験例54で
は、流動性は十分ではあるものの、引張強度が小さく、
弾性回復性およびブリード耐性も不十分であった。
【0074】また、表7に示す実験例55〜57は、共
重合ゴムを使用しない組成の例である。また実験例58
は、エラストマー組成物に含有させるビニル共重合体と
して、ビニルエーテルを共重合させたビニル共重合体を
用いた例である。これらはいずれも、実用上十分な機械
的特性および硬度を備えつつ、弾性回復性および成形加
工性に優れ、かつブリード耐性も良好なエラストマー組
成物であった。
【0075】尚、本発明においては、上記の実施例に限
定されず、目的、用途等に応じて、本発明の範囲内で種
々変更した実施例とすることができる。例えば、オレフ
ィン系、ジエン系以外のゴム、オレフィン系樹脂以外の
樹脂等を、得られるエラストマー組成物の所要特性が損
なわれない範囲の量比で併用することもできる。また、
架橋剤を配合し、又は配合せずに熱処理しつつ、放射線
等の電子線を照射して架橋することもできる。この電子
線架橋の場合は、適宜の温度に加熱しつつ電子線を照射
して架橋させてもよいが、必ずしも加熱する必要はな
い。
【0076】
【発明の効果】第1、第2、第7及び第8発明によれ
ば、十分な柔軟性、弾性等の機械的特性及び耐久性を有
し、軟化剤としての油類等による成形品表面の汚損及び
環境の汚染等がなく、且つ優れた成形加工性を有するオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることがで
きる。また、共重合ゴム、オレフィン系樹脂及びビニル
共重合体の量比を第3及び第9発明のように特定し、架
橋剤の量比を第4及び第10発明のように特定し、難燃
剤の量比を第5及び第11発明のように特定することに
よって、より優れた特性を有するエラストマー組成物と
することができる。更に、第6発明及び第12発明のよ
うに、軟化剤としての油類の含有量を少なくすることに
よって、より確実に環境汚染等の恐れのないエラストマ
ー組成物とすることができる。本発明によると、第13
発明のように優れた特性を有するエラストマー組成物と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】架橋ゲル分率および非架橋成分率を求める際の
操作手順を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 一弘 東京都中央区新川1丁目17番25号 株式会 社エラストミックス内 (72)発明者 堀江 稔 東京都中央区新川1丁目17番25号 株式会 社エラストミックス内 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA12 AA13 AA15 AA25 AA27 AA28 AB09 AB11 AC13 AC38 AC55 AC56 AC94 AE02 AE07 AE08 GA06 GA09 GB01 4J002 AC01W AC02W AC03W AC06W AC07W AC08W AC11W AE054 BB03Y BB05W BB05Y BB06X BB12Y BB14Y BB15W BB15Y BB24Y BE04X BF01X BN03W BN06W BP01W CC035 DA046 DE127 EE056 EG016 EK036 EK046 EK066 ER006 EU026 EV006 EW067 FD024 FD137 FD145 FD146 FD150 GJ02 GN00 GQ00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系ゴム及び/又はジエン系ゴ
    ムと、オレフィン系樹脂と、下記化学式(1)又は
    (2)で表されるビニル単量体が20重量%以上共重合
    されたビニル共重合体と、を含有する樹脂・ゴム組成物
    を、架橋剤の存在下に熱処理してなることを特徴とする
    オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。 【化1】 CH2=CHOCOR1 (1) CH2=CHOR2 (2) (ただし、式中のR1およびR2は炭素原子数1〜6のア
    ルキル基である。)
  2. 【請求項2】 オレフィン系ゴム及び/又はジエン系ゴ
    ム並びにオレフィン系樹脂を含有する樹脂・ゴム組成物
    を架橋剤の存在下に熱処理してなる熱架橋樹脂・ゴム組
    成物と、 下記化学式(1)又は(2)で表されるビニル単量体が
    20重量%以上共重合されており、少なくとも一部分量
    には架橋剤存在下の熱処理が施されていないビニル共重
    合体と、 を含有することを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー組成物。 【化2】 CH2=CHOCOR1 (1) CH2=CHOR2 (2) (ただし、式中のR1およびR2は炭素原子数1〜6のア
    ルキル基である。)
  3. 【請求項3】 上記オレフィン系ゴム及び/又はジエン
    系ゴム、上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル共重合体
    の合計量を100重量部とした場合に、上記オレフィン
    系ゴム及び/又はジエン系ゴムは30〜70重量部であ
    り、上記オレフィン系樹脂は10〜50重量部であっ
    て、上記ビニル共重合体は20〜60重量部である請求
    項1または2記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
  4. 【請求項4】 上記オレフィン系ゴム及び/又はジエン
    系ゴム、上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル共重合体
    の合計量を100重量部とした場合に、上記架橋剤は
    0.03〜2.3重量部である請求項1、2又は3記載
    のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 上記オレフィン系ゴム及び/又はジエン
    系ゴム、上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル共重合体
    の合計量100重量部に対して、難燃剤25〜75重量
    部を含有する請求項1から4のいずれか一項記載のオレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 上記オレフィン系ゴム及び/又はジエン
    系ゴム、上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル共重合体
    の合計量を100重量部とした場合に、軟化剤としての
    油類の含有量が10重量部以下である請求項1から5の
    いずれか一項記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
  7. 【請求項7】 オレフィン系樹脂と、下記化学式(1)
    又は(2)で表されるビニル単量体が20重量%以上共
    重合されたビニル共重合体と、を含有する樹脂組成物
    を、架橋剤の存在下に熱処理してなることを特徴とする
    オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。 【化3】 CH2=CHOCOR1 (1) CH2=CHOR2 (2) (ただし、式中のR1およびR2は炭素原子数1〜6のア
    ルキル基である。)
  8. 【請求項8】 オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物
    を架橋剤の存在下に熱処理してなる熱架橋樹脂組成物
    と、 下記化学式(1)又は(2)で表されるビニル単量体が
    20重量%以上共重合されており、少なくとも一部分量
    には架橋剤存在下の熱処理が施されていないビニル共重
    合体と、 を含有することを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー組成物。 【化4】 CH2=CHOCOR1 (1) CH2=CHOR2 (2) (ただし、式中のR1およびR2は炭素原子数1〜6のア
    ルキル基である。)
  9. 【請求項9】 上記オレフィン系樹脂と上記ビニル共重
    合体との合計量を100重量部とした場合に、上記オレ
    フィン系樹脂は10〜30重量部であり、上記ビニル共
    重合体は70〜90重量部である請求項7または8記載
    のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】 上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル
    共重合体の合計量を100重量部とした場合に、上記架
    橋剤は0.03〜2.3重量部である請求項7、8又は
    9記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  11. 【請求項11】 上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル
    共重合体の合計量100重量部に対して、難燃剤25〜
    75重量部を含有する請求項7から10のいずれか一項
    記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  12. 【請求項12】 上記オレフィン系樹脂及び上記ビニル
    共重合体の合計量を100重量部とした場合に、軟化剤
    としての油類の含有量が10重量部以下である請求項7
    から11のいずれか一項記載のオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  13. 【請求項13】 引張強度が30kg/cm2以上、J
    IS−A硬度が60〜95、圧縮永久歪み(70℃、2
    2時間、25%圧縮)が20〜90%、かつ230℃、
    10kgの条件におけるメルトフローレートが1g/1
    0分以上である請求項1から12のいずれか一項記載の
    オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
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JP11-349930 1999-12-09
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083322A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Riken Technos Corp 架橋熱可塑性難燃樹脂組成物、その製造方法及びその成形体
JP2015124331A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 住友化学株式会社 難燃性熱可塑性エラストマー組成物の製造方法

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