JP2001226313A - フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体 - Google Patents

フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体

Info

Publication number
JP2001226313A
JP2001226313A JP2000035530A JP2000035530A JP2001226313A JP 2001226313 A JP2001226313 A JP 2001226313A JP 2000035530 A JP2000035530 A JP 2000035530A JP 2000035530 A JP2000035530 A JP 2000035530A JP 2001226313 A JP2001226313 A JP 2001226313A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl ether
fluorinated vinyl
ether compound
group
following formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000035530A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuriko Kaida
由里子 海田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2000035530A priority Critical patent/JP2001226313A/ja
Publication of JP2001226313A publication Critical patent/JP2001226313A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】配位部位としてのβ−ジケトン構造と重合性不
飽和基を有し、重合体としてから金属イオンに配位させ
ることにより高分子型金属錯体を形成しうる有用な重合
体の提供。 【解決手段】CF2=CFO(CF23COCH2COR
1(R1は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜2
0のポリフルオロアルキル基、アリール基、置換アリー
ル基、または1価複素環基)、および、該化合物の重合
単位を含む重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体とした場合
に、β−ジケトン構造を有する側鎖構造を重合体中に導
入させうる新規なフッ素化ビニルエーテル化合物、その
製造方法、および重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、取り扱いが容易、複合化が可能、
および低分子型金属錯体では発現しえない性能を有する
等の理由から、高分子型金属錯体の研究が行われてい
る。高分子型金属錯体としては、側鎖に配位部位を導入
した高分子を金属に配位させた錯体がある。
【0003】また、ヘキサフルオロアセチルアセトンな
どの化合物は、ペルフルオロアルキル基を有し、金属に
配位しうるβ−ジケトン構造(−COCH2CO−)を
有するβ−ジケトン型配位子である。該β−ジケトン型
配位子は、(1)吸収スペクトルが炭化水素系化合物に
比べ低振動数に存在する、(2)通常の炭化水素系化合
物に比べ酸素原子上の電荷が分極している、などの特徴
を有する。また、β−ジケトン型配位子は、種々の金属
と錯体を形成し、特異な光学特性を示す。
【0004】近年、ペルフルオロアルキル基を有し、か
つ、側鎖にβ−ジケトン構造(−COCH2CO−)が
導入された重合体を金属に配位させた高分子型金属錯体
が注目されている。β−ジケトン構造が側鎖に導入され
た重合体としては、(メタ)アクリロイル基とβ−ジケ
トン構造とを有する非フッ素系の重合性単量体を重合さ
せた非フッ素系重合体が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該非フッ素系
重合体を金属に配位させた高分子型金属錯体は、機能材
料として使用する場合に、耐久性、耐湿性等が不充分で
ある問題があった。そこで、この問題を解決するために
(メタ)アクリロイル基およびβ−ジケトン構造を有す
る非フッ素系の重合性単量体をフルオロオレフィンと重
合させようとしたが、共重合反応がうまく進まない欠点
が認められた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決する目的でなされたものであり、配位部位としての
β−ジケトン構造と、フルオロオレフィンと共重合しや
すい重合性不飽和基とを併有する重合性単量体、該重合
性単量体の製造方法、および該重合性単量体を重合させ
た重合体の提供を目的とする。
【0007】すなわち、本発明は、下式1で表されるフ
ッ素化ビニルエーテル化合物(以下、フッ素化ビニルエ
ーテル化合物(式1)と記す。他の化合物についても同
様に記す。)、該化合物の製造方法、および、該化合物
の重合単位を含む重合体を提供する。ただし、式1中の
1は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のポリフルオロアルキル基、アリール基、置換アリール
基、または1価複素環基を示す。
【0008】
【化3】
【0009】
【発明の実施の形態】フッ素化ビニルエーテル化合物
(式1)において、R1が炭素数1〜20のアルキル基
である場合、該アルキル基は直鎖の基であるのが好まし
い。アルキル基は炭素数1〜6のアルキル基が好まし
く、特にメチル基等が好ましい。
【0010】R1が炭素数1〜20のポリフルオロアル
キル基である場合、該ポリフルオロアルキル基は直鎖の
基であるのが好ましい。該ポリフルオロアルキル基は炭
素数1〜6のポリフルオロアルキル基が好ましい。ポリ
フルオロアルキル基は炭素数1〜20のアルキル基の水
素原子の全てがフッ素原子に置換された炭素数1〜20
のペルフルオロアルキル基が好ましい。炭素数1〜20
のペルフルオロアルキル基は、直鎖の基であるのが好ま
しい。該ペルフルオロアルキル基は炭素数1〜6のペル
フルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基
が特に好ましい。
【0011】R1がアリール基である場合、フェニル基
が好ましい。R1が置換アリール基である場合の置換基
としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、また
は臭素原子が好ましい。)、アルキル基、アミノ基、ま
たはアルコキシ基が好ましい。置換アリール基として
は、ハロゲン化アリール基が好ましく、特にポリフルオ
ロアリール基が好ましく、ペルフルオロフェニル基がと
りわけ好ましい。
【0012】R1が1価複素環基である場合、N−アル
キル−2−ピロリル基、2−フリル基、2−チエニル基
が好ましい。
【0013】フッ素化ビニルエーテル化合物(式1)と
しては、以下の化合物が挙げられる。ただし、下式中の
10は、N−アルキル−2−ピロリル基、2−フリル
基、または2−チエニル基を示す。
【0014】
【化4】
【0015】本発明のフッ素化ビニルエーテル化合物
(式1)は、下式2で表される化合物と下式3で表され
る化合物とのクライゼン縮合反応により下式4で表され
る化合物とし、つぎに該式4で表される化合物からXお
よびYを脱離することにより製造できる。
【0016】ただし、下式中のR1は上記と同じ意味を
示し、XおよびYはそれぞれ同一であっても異なってい
てもよく、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示
し、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す。
【0017】
【化5】
【0018】化合物(式2)中のXおよびYは、後述す
る脱離反応のしやすさの理由から、ともに塩素原子であ
るのが好ましい。XおよびYが塩素原子である化合物
(式2)は、下式5で表される化合物(ただし、式中の
2は式2における対応するR2と同一である。)に塩素
を付加させて得られる。塩素の付加反応は、塩素ガスと
の反応によるのが好ましい。
【0019】
【化6】
【0020】式2中のR2は、炭素数1〜4のアルキル
基が好ましく、クライゼン縮合反応時の副反応抑制の点
からメチル基が好ましい。R2の炭素数が5以上になる
とクライゼン縮合反応における反応性が低下し、また、
該アルキル基からラジカル的に水素原子が引き抜かれ、
副生成物が増加するおそれがある。
【0021】クライゼン縮合反応は、該反応の通常の手
法が適用できる。たとえば、塩基と化合物(式3)とを
反応させて化合物(式3)をエノラート陰イオン[-
2COR1]とし、該エノラート陰イオンと化合物(式
2)とを求核反応させることにより縮合する方法が挙げ
られる。
【0022】該縮合反応の反応温度は、−10℃〜+1
0℃が好ましく、0℃〜5℃が特に好ましい。反応温度
が10℃超であると、化合物(式2)に対するエノラー
ト陰イオンの求核反応の制御が困難になり、副生成物が
生成し、化合物(式4)の収率が低下するおそれがあ
る。塩基としてはt−C49OK、NaH、(CH32
CHNH2、NaNH2等が挙げられ、反応制御の容易さ
の理由からNaNH2が好ましい。塩基の量は、化合物
(式2)に対して7〜15質量%が好ましい。また、該
縮合反応には、溶媒を用いてもよい。溶媒としてはジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン等が挙げられる。反応時間は通常の場合2〜5時間が
好ましく、反応圧力は0.08〜0.12MPaが好ま
しい。
【0023】化合物(式2)と化合物(式3)とのクラ
イゼン縮合反応で得た化合物(式4)は、つぎに脱離反
応によりXおよびYを脱離して、フッ素化ビニルエーテ
ル化合物(式1)とする。
【0024】脱離反応は、化合物(式4)を極性溶媒中
で、脱ハロゲン化剤を用いて実施するのが好ましい。該
極性溶媒としては、ジグライム、1,4−ジオキサン、
メタノール等が好ましく、1,4−ジオキサンが特に好
ましい。極性溶媒の質量は化合物(式4)の質量に対し
て0.5〜3倍量であるのが好ましい。
【0025】脱ハロゲン化剤としては、亜鉛、ナトリウ
ム、マグネシウム、スズ、鉄、銅等が挙げられ、反応速
度が早い理由から亜鉛が好ましい。脱ハロゲン化剤は、
化合物(式4)に対して2〜6倍モル用いるのが好まし
く、特に3〜4倍モル用いるのが好ましい。
【0026】亜鉛を用いて脱離反応を実施した場合に
は、ハロゲン化亜鉛が副生する。ハロゲン化亜鉛は、ろ
過して除くことができる。また、化合物(式4)または
フッ素化ビニルエーテル化合物(式1)のβ−ジケトン
構造に配位するおそれがあり、該配位がおこると、脱離
反応の反応速度が極端に遅くなるおそれがあることか
ら、脱離反応を有機相と水相の2相系で行い、生成する
ハロゲン化亜鉛を有機相から水相に移動させて除去して
もよい。脱離反応の反応温度は30〜80℃が好まし
く、反応時間は4〜16時間が好ましく、反応圧力は
0.08〜0.12MPaが好ましい。
【0027】本発明のフッ素化ビニルエーテル化合物
(式1)中には、CF2=CF−なる重合性不飽和基が
存在することから、これを重合反応させて重合体が製造
できる。
【0028】該重合体としては、フッ素化ビニルエーテ
ル化合物(式1)の重合単位の1種からなる単独重合体
(A1)、フッ素化ビニルエーテル化合物(式1)の重
合単位の2種以上からなる共重合体(A2)、または、
フッ素化ビニルエーテル化合物(式1)の重合単位の1
種以上とフッ素化ビニルエーテル化合物(式1)以外の
重合性単量体(以下、他の重合性単量体という)の重合
単位の1種以上からなる共重合体(A3)が挙げられ、
有用性の点から共重合体(A3)が好ましい。また、共
重合体(A2)とは、R1の構造が異なるフッ素化ビニル
エーテル化合物(式1)を2種以上共重合体させた共重
合体である。共重合体(A2)および共重合体(A3
は、ブロック重合体であってもランダム重合体であって
もよく、合成しやすさからランダム重合体であるのが好
ましい。
【0029】単独重合体(A1)、共重合体(A2)、お
よび共重合体(A3)の分子量はそれぞれ、1×103
1×105であるのが好ましく、1.5×103〜1.5
×104であるのが特に好ましい。また、共重合体
(A3)におけるフッ素化ビニルエーテル化合物(式
1)の重合単位は、共重合体(A3)中に0.2〜9
9.9モル%であり、好ましくは10〜60モル%であ
る。
【0030】共重合体(A3)における他の重合性単量
体としては、フッ素化ビニルエーテル化合物(式1)と
の共重合体しやすさの点から、ハロゲン化ビニル基を有
する重合性単量体が好ましい。ハロゲン化ビニル基を有
する重合性単量体としては、ペルフルオロ(プロピルビ
ニルエーテル)(以下PPVEと記す)等のペルフルオ
ロビニル化合物、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、またはフッ化ビニリデン等のフルオ
ロオレフィン化合物が特に好ましい。他の重合性単量体
は1種でも2種以上でもよい。
【0031】本発明のフッ素化ビニルエーテル化合物
(式1)は、優れた重合性を有するため他の重合性単量
体と容易に共重合し、かつ、共重合体反応における重合
速度が低下しない利点を有する。重合反応は、懸濁重
合、乳化重合、または溶液重合等の手法で実施できる。
重合反応は、ラジカル開始剤を用いて行うのが好まし
い。ラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニト
リル(以下、AIBNと記す)や過酸化ベンゾイル等が
挙げられる。
【0032】本発明のフッ素化ビニルエーテル化合物
(式1)の重合した単位を含む重合体は、−CF2−の
繰り返し構造が主鎖中に存在するために、熱安定性と化
学的安定性が大きい利点がある。また、重合体側鎖に−
O(CF23−部分を有するため、耐熱性、耐薬品性、
および耐溶剤性等にも優れる。
【0033】さらに本発明の重合体は、β−ジケトン構
造を有するβ−ジケトン型配位子である。したがって、
種々の金属イオンに配位して高分子型金属錯体を形成し
うる。金属イオンとしては、鉄(II)、銅(II)、
ニッケル(II)、コバルト(II)等の第4周期dブ
ロック遷移元素、およびLa(III)、Nd(II
I)、Sm(III)、Eu(III)、Er(II
I)等のランタニド類、から選ばれる金属のイオンが挙
げられる。得られた高分子型金属錯体は、光学フィルタ
や発光体として有用である。
【0034】
【実施例】以下に実施例(例1〜例9)を挙げて具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、
以下においてミリリットルをmLと記す。
【0035】[合成例1]CF2ClCFClO(C
23COOCH3(以下ClMXMと記す)の合成 ガス吹き込み管、撹拌装置、および温度計を装着した内
容積500mLの3つ口フラスコに、CF2=CFO
(CF23COOCH3(以下MXMという)204g
と反応溶媒としてのF(CF26H200mLを仕込
み、氷冷下、紫外線を照射しながら、溶媒中に塩素ガス
を吹き込んだ。1時間後に未反応の塩素ガスに由来する
黄色が現れたのを確認して、塩素ガスの吹き込みを止
め、つぎに窒素ガスの吹き込みを行い、未反応の塩素ガ
スを除去した。溶媒を留去して標掲化合物241gを単
離した。
【0036】[例1]CF2=CFO(CF23COC
2COC65(以下PVPhと記す)の合成 還流冷却管、滴下装置、撹拌装置、および温度計を装着
した内容積500mLの3つ口フラスコに、無水ジエチ
ルエーテル300mL、NaNH220gを加えて撹拌
した。氷冷下、窒素気流中で、アセトフェノン60gを
1時間かけて滴下した後、合成例1で得たClMXM1
85gを1時間かけて滴下した。系を室温に戻し、さら
に2時間撹拌を続けた。内容物を氷水中に注いだ後、塩
酸1モルを加え中和した。有機相を回収し、水洗、乾
燥、分留することにより、沸点:132〜133℃/1
000Paの留分として[CF2ClCFClO(C
23COCH2COC65](以下ClPVPhと記
す)を得た。
【0037】ClPVPh200g、亜鉛粉末40g、
塩化亜鉛0.4g、および1,4−ジオキサン200m
Lを、還流冷却管、温度計、および撹拌装置を装着した
内容積500mLの3つ口フラスコに仕込み、還流下で
8時間加熱および撹拌をした。反応混合物をろ過し、過
剰の亜鉛を分離した後、蒸留することにより、PVPh
を沸点:128〜130℃/1000Paの留分として
97g得た。以下のNMRの分析結果より、生成物は、
ケト体(30モル%)とエノール体(70モル%)から
なっていることがわかった。
【0038】19FNMR(CDCl3、基準物質CFC
3)δ(ppm):−86(2F,d)、−115
(1F,a)、−121(2F,f)、−124(1
F,b)、−126(2F,e)、−137(1F,
c)[a〜fは下式中のフッ素原子に付したa〜fに対
応する。]。
【0039】1HNMR(CDCl3,基準物質TMS)
δ(ppm):3.6(2H,g1)、6.7(1H,
g2)、7.6(3H,i)、8.0(2H,h)[g
1、g2、h、iは下式中の水素原子に付した記号に対
応する。]。
【0040】
【化7】
【0041】[例2]CF2=CFO(CF23COC
2COCH3(以下PVAcと記す)の合成 アセトフェノンのかわりにアセトン29gを用いた以外
は、例1と同様にしてPVAcを沸点:101〜102
℃/1000Paの留分として78g得た。
【0042】1H−NMR(CDCl3,基準物質TM
S)δ(ppm):2.1(3H,h)、3.7(2
H,g1)、6.8(1H,g2)[g1、g2、hは
下式中の水素原子に付した記号に対応する。]。
【0043】
【化8】
【0044】[例3]CF2=CFO(CF23COC
2COCF3(以下PVFAcと記す)の合成 アセトフェノンのかわりに1,1,1−トリフルオロア
セトン56gを用いた以外は、例1と同様にしてPVF
Acを沸点:101〜102℃/1000Paの留分と
して92g得た。
【0045】19FNMR(CDCl3,基準物質CFC
3)δ(ppm):−77(3F,h)、−86(2
F,d)、−115(1F,a)、−121(2F,
f)、−124(1F,b)、−126(2F,e)、
−137(1F,c)[a〜hは下式中のフッ素原子に
付した記号に対応する。]。
【0046】1HNMR(CDCl3,基準物質TMS)
δ(ppm):3.7(2H,g1)、6.8(1H,
g2)[g1、g2は下式中の水素原子に付した記号に
対応する。]。
【0047】
【化9】
【0048】[例4]CF2=CFO(CF23COC
2COC65(以下PVFPhと記す)の合成 アセトフェノンのかわりに、2’,3’,4’,5’,
6’−ペンタフルオロアセトフェノン112gを用いた
以外は、例1と同様にしてPVFPhを沸点:101〜
102℃/1000Paの留分として116g得た。19 FNMR(CDCl3,基準物質CFCl3)δ(pp
m):−86(2F,d)、−115(1F,a)、−
118(2F,h)、−121(2F,f)、−124
(1F,b)、−126(2F,e)、−137(1
F,c)、−154(1F,j)、−163(2F,
i)[a〜jは下式中のフッ素原子に付した記号に対応
する。]。
【0049】1HNMR(CDCl3,基準物質TMS)
δ(ppm):3.7(2H,g1)、6.8(1H,
g2)[g1、g2は下式中の水素原子に付した記号に
対応する。]。
【0050】
【化10】
【0051】[例5]還流冷却管、撹拌機、および温度
計を装着した内容積1リットルの3つ口フラスコに、C
ClF2CF2CHClF(以下R225cbと記す)5
00g、例1で得たPVPh185g、およびジイソブ
チルパーオキシジカーボネート(日本油脂製商品名:パ
ーロイルIPP)6.2gを仕込み、フラスコ内を窒素
ガスで置換した。撹拌下、50℃で10時間重合反応を
続けた後、反応器を水冷して重合を停止させた。反応器
を室温まで冷却した後、重合体溶液をメタノール中に注
ぎ込み、生成した沈殿をろ取し、減圧下にて50℃で1
2時間乾燥させ、数平均分子量(Mn)が9000のP
VPhの単独重合体を得た。得られた重合体のIRスペ
クトル(KBr法により測定)を図1に示す。
【0052】[例6]還流冷却管、撹拌機、および温度
計を装着した内容積1リットルの3つ口フラスコに、R
225cbを252g、PVPhを37g、PPVE3
1g、およびパーロイルIPP2.2gを窒素ガス存在
下にて仕込み、例5と同様にしてMnが13000、共
重合組成比がPVPh/PPVE=1/1(モル比)の
共重合体を得た。得られた共重合体のIRスペクトル
(KBr法により測定)を図2に示す。
【0053】[例7]内容積550mLのステンレス鋼
製撹拌機付きの耐圧反応器に、R225cbを252
g、PVPhを37g、テトラフルオロエチレン(以下
4Fと記す)20g、およびパーロイルIPP2.2g
を減圧下にて仕込んだ。撹拌下、50℃で10時間重合
反応を続けた後、反応器を水冷して重合を停止させた。
反応器を室温まで冷却した後、未反応単量体を抜き出
し、反応器を開放した。例5と同様にして、Mnが80
00、共重合組成比がPVPh/4F=3/7(モル
比)の共重合体を得た。
【0054】[例8]内容積550mLのステンレス鋼
製撹拌機付きの耐圧反応器に、R225cbを252
g、PVPhを37g、フッ化ビニリデン(以下2Fと
記す)20g、およびパーロイルIPP2.2gを減圧
下にて仕込み、例5と同様にしてMnが14000、共
重合組成比がPVPh/2F=3/7(モル比)の共重
合体を得た。
【0055】
【発明の効果】本発明の新規なフッ素化ビニルエーテル
化合物(式1)は、配位部位としてのβ−ジケトン構造
と、重合性不飽和基であるペルフルオロビニルオキシ基
とを併有し、ハロゲン化ビニル基を有する他の重合性単
量体との共重合性に優れる。また、フッ素化ビニルエー
テル化合物(式1)の重合単位を有する含フッ素重合体
は、種々の金属イオンに対して配位可能であり、有用な
高分子金属錯体を形成しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例5で得た重合体のIRスペクトル(縦軸は透
過率(単位%)、横軸は波数(単位cm-1))。
【図2】例6で得た重合体のIRスペクトル(縦軸は透
過率(単位%)、横軸は波数(単位cm-1))。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 333/22 C07D 333/22 C08F 16/26 C08F 16/26 // C08F 214/18 214/18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式1で表されるフッ素化ビニルエーテル
    化合物。ただし、式1中のR1は、炭素数1〜20のア
    ルキル基、炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基、
    アリール基、置換アリール基、または1価複素環基を示
    す。 【化1】
  2. 【請求項2】下式2で表される化合物と下式3で表され
    る化合物をクライゼン縮合反応して下式4で表される化
    合物とし、つぎに該式4で表される化合物からXおよび
    Yを脱離することを特徴とする下式1で表されるフッ素
    化ビニルエーテル化合物の製造方法。ただし、下式中の
    X、Yはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示し、R2
    炭素数1〜20のアルキル基を示し、R1は、炭素数1
    〜20のアルキル基、炭素数1〜20のポリフルオロア
    ルキル基、アリール基、置換アリール基、または1価複
    素環基を示す。 【化2】
  3. 【請求項3】XおよびYがともに塩素原子である請求項
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】R2がメチル基である請求項2または3に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のフッ素化ビニルエーテル
    化合物の重合単位の1種からなる単独重合体(A1)、
    請求項1に記載のフッ素化ビニルエーテル化合物の重合
    単位の2種以上からなる共重合体(A2)、または、請
    求項1に記載のフッ素化ビニルエーテル化合物の重合単
    位の1種以上と請求項1に記載のフッ素化ビニルエーテ
    ル化合物以外の重合性単量体の重合単位の1種以上から
    なる共重合体(A3)であり、かつ、請求項1に記載の
    フッ素化ビニルエーテル化合物の重合単位が共重合体
    (A3)中に0.2〜99.9モル%存在することを特
    徴とする含フッ素重合体。
  6. 【請求項6】含フッ素重合体の分子量が1×103〜1
    ×105である請求項5に記載の含フッ素重合体。
  7. 【請求項7】請求項1に記載のフッ素化ビニルエーテル
    化合物以外の重合性単量体がフルオロオレフィンを必須
    とする請求項5または6に記載の含フッ素重合体。
JP2000035530A 2000-02-14 2000-02-14 フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体 Pending JP2001226313A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035530A JP2001226313A (ja) 2000-02-14 2000-02-14 フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000035530A JP2001226313A (ja) 2000-02-14 2000-02-14 フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001226313A true JP2001226313A (ja) 2001-08-21

Family

ID=18559716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000035530A Pending JP2001226313A (ja) 2000-02-14 2000-02-14 フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001226313A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002072696A1 (fr) * 2001-03-08 2002-09-19 Daikin Industries, Ltd. Matériau optique contenant un fluoropolymère fonctionnalisé
WO2007010713A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Daikin Industries, Ltd. 重合性含フッ素化合物金属錯体、該金属錯体を含む重合性含フッ素錯体組成物および該組成物から得られる複合材料
EP3170875A4 (en) * 2014-07-15 2018-01-24 Asahi Glass Company, Limited Adhesive for ultraviolet-light-emitting device, and ultraviolet-light-emitting device
WO2024009763A1 (ja) * 2022-07-06 2024-01-11 Agc株式会社 含フッ素化合物、含フッ素共重合体、及び含フッ素共重合体組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002072696A1 (fr) * 2001-03-08 2002-09-19 Daikin Industries, Ltd. Matériau optique contenant un fluoropolymère fonctionnalisé
US7220809B1 (en) 2001-03-08 2007-05-22 Daikin Industries, Ltd. Optical material containing fluorine-containing polymer having functional group
CN100427542C (zh) * 2001-03-08 2008-10-22 大金工业株式会社 含有具有官能团的含氟聚合物的光学材料
WO2007010713A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Daikin Industries, Ltd. 重合性含フッ素化合物金属錯体、該金属錯体を含む重合性含フッ素錯体組成物および該組成物から得られる複合材料
EP3170875A4 (en) * 2014-07-15 2018-01-24 Asahi Glass Company, Limited Adhesive for ultraviolet-light-emitting device, and ultraviolet-light-emitting device
US10246615B2 (en) 2014-07-15 2019-04-02 Agc, Inc. Ultraviolet-light-emitting device with adhesive having low glass transition temperature
WO2024009763A1 (ja) * 2022-07-06 2024-01-11 Agc株式会社 含フッ素化合物、含フッ素共重合体、及び含フッ素共重合体組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5666909B2 (ja) パーフルオロ(メチルビニルエーテル)の二官能性オリゴマー
JP5513614B2 (ja) ジアクリレート末端を有するフルオロポリマー
EP2455408B1 (en) Process for production of fluorine-containing block copolymer
JP3293630B2 (ja) フルオロモノマー重合用のヨウ素含有連鎖移動剤
JP2012533646A5 (ja)
JP3012324B2 (ja) ヒドロキシ含有フルオロビニル化合物及びそのポリマー
US5773538A (en) Process for polymerization of olefinic monomers
EP0868447B1 (en) Iodonitriles as chain transfer agents in the manufacture of perfluoropolymers
WO2002064648A1 (fr) Composes et polymeres contenant du fluor et leurs procedes de production
KR20000029892A (ko) 올레핀계단량체의중합방법
Perrier et al. Preparation of fluorinated methacrylic copolymers by copper mediated living radical polymerization
JP5635084B2 (ja) フッ素重合体の共縮合重合
KR20180068991A (ko) 작용성화된 플루오르화 코폴리머
Ameduri et al. Synthesis and polymerization of fluorinated monomers bearing a reactive lateral group: Part 4. Preparation of functional perfluorovinyl monomers by radical addition of functional mercaptans to 1, 1, 2-trifluoro-1, 4-pentadiene
JP3882229B2 (ja) 新規なビニルエーテル化合物、その合成中間体およびそれらの製造法
US8722809B2 (en) Process for preparing end-modified vinylidene fluoride elastomer
JP2001226313A (ja) フッ素化ビニルエーテル化合物、その製造方法、および含フッ素重合体
Guiot et al. Synthesis and polymerization of fluorinated monomers bearing a reactive lateral group 13. Copolymerization of vinylidene fluoride with 2-benzoyloxypentafluoropropene
CA2659497C (en) Polyfluoroalkane carboxylic acid fluoride, process for producing the same and process for producing polyfluoroalkane carboxylic acid using the same
JP3817757B2 (ja) 新規ビニルエーテル化合物、その製造法およびその共重合体の製造法
JP4081905B2 (ja) 含フッ素ジエン化合物の製造方法
JPH07501096A (ja) 新規な熱可塑性フルオル共重合体及びその製造に使用されるフルオル単量体
JP4039079B2 (ja) 含フッ素ジエン化合物、その製造方法および重合体
JP3075588B2 (ja) 含フッ素化合物及びその製造法
JPH0475898B2 (ja)