JP2001223451A - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
た場合でも、導電損失が小さく、電気・電子機器にトラ
ブルを発生させない回路基板を提供する。 【解決手段】回路基板1は、ポリ四フッ化エチレン製の
絶縁基板5の上に銅箔からなる層2、銅メッキ層3が所
定の回路状に積層され、それらの銅からなる層の上に錫
メッキ層4が積層されることによって形成されている。
Description
した電気・電子機器に搭載するための回路基板に関する
ものである。
れた合成樹脂製の絶縁基板上に、導電性の回路を形成し
たものが知られている。かかる回路基板においては、導
電性の回路は、導電性(電気伝導性)に優れた銅をベー
スとして形成されるが、銅は耐食性に劣るため、銅から
なる層の上に、導電性が高く耐腐食性に優れた材料を積
層することが必要とされる。そのような材料としては、
金を好適に用いることができるが、金が銅の中に拡散す
るため、通常、銅の表面にニッケルのやや厚め(約4〜
5μm)のアンカー層が積層され、そのアンカー層の上
に、金が積層される。したがって、従来の一般的な回路
基板としては、図5の如く、絶縁基板16の上に銅から
なる層12が積層され、その銅からなる層12の上にニ
ッケルメッキ層14が積層され、さらに、そのニッケル
メッキ層14の上に金メッキ層15が積層されたものが
知られている。なお、金は、高価であるため、通常、約
0.1μm以下のきわめて薄い厚みにメッキされる。
高周波電流が流れる場合には、電流が回路の表面層に局
限されて内部に入らない、という表皮効果が発生する。
したがって、上記の如き回路基板11を、たとえば高性
能アンプ(増幅器)やコンバータの如き高周波電流に対
応した電気・電子機器に使用した場合には、20GHz
前後の非常に高い周波数の電流が回路内を流れるため、
理論上では、表面から約0.45μmの深さの部分を電
流が流れることになる。それゆえ、回路基板11におい
ては、電流の多くがニッケルからなる層14を流れるこ
とになるため、導電損失が大きくなってしまい、使用さ
れた高性能アンプやコンバータの雑音指数が増大する等
のトラブルが発生してしまう。
従来の回路基板が有する問題点を解消し、高周波電流に
対応した電気・電子機器に搭載した場合でも、導電損失
が小さく、電気・電子機器にトラブルを発生させない回
路基板を提供することにある。
路基板の回路部分において、20GHz前後の周波数の
電流が流れる表面から約0.45μmの深さの部分に、
導電性の高い材料を高い比率で配設することにより、高
周波電流用の回路基板の導電損失を低減できることを見
出し、本発明を案出するに至った。かかる本発明の構成
のうち、請求項1に記載された発明の構成は、ポリ四フ
ッ化エチレン(du Pont社製テフロン等)製の絶
縁基板上に、導電性の回路を形成した回路基板であっ
て、前記導電性の回路が、銅からなる層の上に錫からな
る層を積層したものであることにある。請求項2に記載
された発明の構成は、請求項1に記載された発明におい
て、錫からなる層が、0.45μm未満の厚みを有して
いることにある。請求項3に記載された発明の構成は、
ポリ四フッ化エチレン製の絶縁基板上に、銅箔を形成し
た後に、その銅箔層の上に銅メッキを施し、しかる後
に、錫メッキを施す回路基板の製造方法にある。
形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
エチレン(テフロン)製の絶縁基板上に、所定のマイク
ロ波ストリップ回路を形成した後、その銅箔の上に、約
18μmの厚みとなるように銅メッキを施した。しかる
後に、その銅メッキ部分の上に、約0.3μmの厚みと
なるように錫メッキを施すことによって、実施例の回路
基板を得た。得られた回路基板を図1に示す。回路基板
1は、絶縁基板5の上に、銅箔層2、銅メッキ層3、錫
メッキ層4が順に積層された状態になっている。
エチレン製の基板上に、実施例と同じ回路状に、約18
μmの銅箔で回路を形成した後、その銅箔の上に、約1
8μmの厚みとなるように銅メッキを施した。しかる後
に、その銅メッキ部分の上に、約4μmの厚みとなるよ
うにニッケルメッキを施し、さらに、そのニッケルメッ
キ部分の上に、約0.03μmの厚みとなるように金メ
ッキを施すことによって、比較例の回路基板を得た。得
られた回路基板は、図5と同様の構造を有している。
路基板を用い、17〜22GHzの高周波電流を流した
場合における導電損失(通過損失およびリターンロス)
を測定した。なお、測定の際には、図4に示したフィル
ター(parallel−coupled−reaso
nator filter)を使用した。通過損失、リ
ターンロスの測定結果を、それぞれ、図2、図3に示
す。図2から、実施例の回路基板の20GHz付近にお
ける通過損失は、比較例の回路基板の通過損失よりも小
さいことが分かる(実施例の回路基板の20GHzにお
ける通過損失は約2.0dB、比較例の回路基板の20
GHzにおける通過損失は約2.8dB)。一方、図3
から、実施例の回路基板の20GHz付近におけるリタ
ーンロスは、比較例の回路基板のリターンロスよりも大
きいことが分かる(実施例の回路基板の20GHzにお
けるリターンロスは約20dB、比較例の回路基板の2
0GHzにおけるリターンロスは約15dB)。したが
って、20GHz付近においては、実施例の回路基板の
方が、比較例の回路基板より、電流が流れ易いことが分
かる。
性の回路が、銅からなる層の上に錫からなる層を積層し
たものであるため、高周波電流が流れる場合における導
電損失が非常に小さい。それゆえ、高周波電流に対応し
た高性能アンプ等に使用した場合の雑音指数が低い。
0.45μm未満の厚みを有しており、20GHz前後
の高周波電流が流れる場合には、電流がきわめて高い割
合で銅からなる層を流れるため、20GHz前後の高周
波電流が流れるローノイズアンプ等に使用した場合に、
雑音指数を非常に低く抑えることができる。
如く、ポリ四フッ化エチレン製の絶縁基板上に、銅箔で
回路を形成した後に、その銅箔層の上に銅メッキを施
し、しかる後に、錫メッキを施すものであるため、従来
の回路基板の製造方法の如く、高価な金を積層しないの
で、安価に製造することができる。加えて、銅からなる
層の上に直接的に錫からなる層を積層することが可能で
あり、アンカー層を必要としないので、非常に容易に製
造することができる。
法の構成は、上記した各実施例の態様に何ら限定される
ものではなく、絶縁基板、回路等の構成を、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
たとえば、銅からなる層は、銅箔に銅メッキ層を積層し
たものに限定されず、単なる銅箔からなる銅でも良い
し、単なる銅メッキ層でも良い。さらに、メッキの方法
は、化学メッキ、電気メッキに限定されず、蒸着、スパ
ッタ、イオンメッキ、溶射等の方法を用いることも可能
である。また、絶縁基板は、ポリ四フッ化エチレンによ
って形成されたものに限定されず、その他の絶縁性の合
成樹脂によって形成されたものでも良い。なお、ポリ四
フッ化エチレンは、特に高周波電流に対する絶縁性能に
優れているので、本発明の回路基板に好適に用いること
ができる。また、銅からなる層、錫からなる層の厚み
は、回路基板が使用される周波数に応じて適宜変更する
ことができる。
性の回路が、銅からなる層の上に錫からなる層を積層し
たものであるため、高周波電流が流れる場合における導
電損失が非常に小さい。また、高周波電流に対応した高
性能アンプ等に使用した場合の雑音指数が低い。
なる層が、0.45μm未満の厚みを有しており、20
GHz前後の高周波電流が流れる場合には、電流がきわ
めて高い割合で銅からなる層を流れるため、20GHz
前後の高周波電流が流れるローノイズアンプ等に使用し
た場合に、雑音指数を非常に低く抑えることができる。
は、ポリ四フッ化エチレン製の絶縁基板上に、銅箔を積
層した後に、その銅箔層の上に銅メッキを施し、しかる
後に、錫メッキを施すものであるため、従来の回路基板
の製造方法の如く、高価な金を積層しないので、安価に
製造することができる。加えて、銅からなる層の上に直
接的に錫からなる層を積層することが可能であり、アン
カー層を必要としないので、非常に容易に製造すること
ができる。
である。
明図である。
明図である。
・・錫メッキ層、5・・絶縁基板、11・・回路基板、
12・・銅からなる層、14・・ニッケルメッキ層、1
5・・金メッキ層、16・・絶縁基板。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリ四フッ化エチレン製の絶縁基板上
に、導電性の回路を形成した回路基板であって、 前記導電性の回路が、銅からなる層の上に錫からなる層
を積層したものであることを特徴とする回路基板。 - 【請求項2】 錫からなる層が、0.45μm未満の厚
みを有していることを特徴とする請求項1に記載の回路
基板。 - 【請求項3】 ポリ四フッ化エチレン製の絶縁基板上
に、銅箔を形成した後に、その銅箔層の上に銅メッキを
施し、しかる後に、錫メッキを施すことを特徴とする回
路基板の製造方法。
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