JP2001223344A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2001223344A
JP2001223344A JP2000031546A JP2000031546A JP2001223344A JP 2001223344 A JP2001223344 A JP 2001223344A JP 2000031546 A JP2000031546 A JP 2000031546A JP 2000031546 A JP2000031546 A JP 2000031546A JP 2001223344 A JP2001223344 A JP 2001223344A
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oxide film
tantalum oxide
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silicon
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Atsushi Kuroda
淳 黒田
Shinpei Iijima
晋平 飯島
Yasuhiro Sugawara
安浩 菅原
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Hitachi Ltd
Hitachi Solutions Technology Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi ULSI Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャパシタ絶縁膜の結晶化、酸化改質処理の
処理温度を低減する。 【解決手段】 半導体基板1の主面上にMISFETQ
s,Qn,Qpを形成し、シリコン酸化膜46上にシリ
コン窒化膜50、シリコン酸化膜51を堆積し、孔52
内にたとえば多結晶シリコン膜からなる下部電極55を
形成する。その後、下部電極55上にたとえば熱窒化法
でシリコン窒化膜56を形成する。さらにCVD法によ
り非晶質の酸化タンタル膜を堆積し、これを原子状酸素
を含む雰囲気で熱処理し、酸化タンタル膜を結晶化する
とともに酸素欠陥の補充(回復)処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造技術に関し、特に、DRAM(DynamicRandom
Access Memory)を有する半導体装置に適用して有効な
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば特開平11−26712号公報
に記載されているように、ビット線の上部に情報蓄積用
容量素子を配置するキャパシタ・オーバー・ビットライ
ン(Capacitor Over Bitline)構造のDRAMが知られて
いる。この公報には、情報が電荷として蓄積されるキャ
パシタ(情報蓄積用容量素子)として、深い溝(孔)内
に形成された筒型の下部電極と、その下部電極上に形成
されたキャパシタ絶縁膜および上部電極とからなるキャ
パシタが記載されている。そして、下部電極は多結晶シ
リコン膜からなり、キャパシタ絶縁膜は多結晶の酸化タ
ンタル膜からなり、上部電極は窒化チタン膜からなる。
一般に素子が微細化されても耐α線等の動作信頼性の維
持・向上の観点から、素子サイズにかかわらず一定以上
の蓄積容量値が要求される。上記のようなキャパシタで
は、下部電極を深い溝内の筒型とすることにより電極の
表面積を増加し、素子の微細化に伴う占有面積の減少に
対処している。
【0003】一方、たとえば、1996年11月10
日、応用物理学会発行、「応用物理」第65巻第11
号、p1106〜113に記載されているように、下部
電極であるシリコン表面に微小な凹凸を形成して粗面化
し、下部電極寸法を大きくすることなく、表面積を実質
的に大きくすることができる技術、いわゆるHSG(He
mispherical Silicon Grain )構造の技術が提案されて
いる。HSG技術を前記公報記載の筒型下部電極に適用
すれば、平面的な占有面積を増加させることなくさらに
実質的な電極表面積を増大でき、微細化に対応した容量
値の確保ができると期待できる。
【0004】ところが、さらに微細化を進めると、深溝
(孔)自体の平面サイズが減少し、HSG自体の大きさ
が溝(孔)内の空間を狭くする原因となる。HSGを形
成した後の孔内に十分な空間が無ければ、被覆性の良い
キャパシタ絶縁膜および上部電極が形成できず、正常な
キャパシタの形成が阻害される。また、溝径がHSGの
粒径よりも小さくなるような場合には正常なキャパシタ
を形成することは不可能となる。
【0005】そこで、更なる微細化の検討においては、
HSGを用いなくとも必要な容量値の確保が可能なキャ
パシタの構造が望まれる。このようなキャパシタ構造と
してMIM(Metal Insulator Metal )構造が挙げられ
る。下部電極材料にシリコンを採用するMIS(Metal
Insulator Semiconductor )構造の場合には、シリコン
の空乏化に起因して実質的なキャパシタ絶縁膜の膜厚が
増大し、十分な容量値を確保することが困難である。し
かし、下部電極が金属で構成されるMIM構造において
は空乏化の懸念は存在しない。
【0006】本発明者らのMIM構造に関する検討で
は、誘電体(キャパシタ絶縁膜)に酸化タンタル膜(T
aO)あるいはBST(ストロンチウム含有チタン酸バ
リウム結晶材料:(Ba,Sr)TiO3)、上下電極
に酸化タンタル膜、BSTとの相性に優れた白金あるい
はルテニウム系材料を用いるキャパシタ構造がある。酸
化タンタル膜あるいはBSTは比誘電率が大きく、小さ
な専有面積での高いキャパシタ容量が実現できる材料と
して期待が高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
検討により、以下のような問題があることが判明してい
る。すなわち、キャパシタ絶縁膜として用いる酸化タン
タル膜、BST膜は、アズデポ状態(被膜形成直後の段
階)では、非晶質状態である。十分に高い誘電率を確保
するには、これら非晶質膜を熱処理して結晶化する必要
がある。また、キャパシタとしての信頼性を確保する観
点からリーク電流を低減する必要がある。リーク電流の
低減には酸化タンタル膜、BST膜を結晶化するだけで
なく、膜中の酸素欠陥を補充するための酸化処理が必須
である。このような結晶化あるいは酸化処理は、乾燥酸
素等の雰囲気で熱処理を行うことにより実現することが
できる。
【0008】ところが、乾燥酸素雰囲気での熱処理で
は、必要な結晶化を実現するために800℃で3分程度
の高温度熱処理を必要とする。これ以下の温度では十分
な結晶化を行うことはできず、また酸素欠陥を十分に回
復してリーク電流を低減することも困難である。一方、
800℃、3分の熱処理は、半導体装置の製造工程にお
ける熱負荷を低減するための低温化要求を満足できな
い。つまり、キャパシタ絶縁膜の形成工程前に形成され
た部材、たとえばソース・ドレイン等の半導体領域や、
第1層配線あるいはビット線等と接続するための接続部
材が半導体基板と接触する部分の低抵抗化層(たとえば
タングステンシリサイド等のシリサイド層)が、前記熱
処理により劣化する不都合がある。特に、ロジック回路
とメモリ回路とを同一基板上に製造するような半導体装
置においては、ロジック回路の高性能化のためにMIS
FETのソース・ドレイン領域をシリサイド化して用い
る傾向が強まっており、その耐熱性が乏しいために、キ
ャパシタエ程で800℃の熱処理を施すと、トランジス
タの性能を確保できなくなる問題があった。
【0009】本発明の目的は、酸化タンタル膜、BST
膜等、結晶化および酸化改質処理を必要とする酸化物誘
電体膜をキャパシタ絶縁膜に用いる場合に、800℃程
度の熱処理を施さなくても十分に小さな実用的なリーク
電流値を実現でき、より低温での結晶化改質処理の方法
を提供することにある。
【0010】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0012】本発明は、酸化タンタル膜、BST膜の熱
処理雰囲気として、従来の乾燥酸素(O2分子)に代え
て原子状酸素(O)の雰囲気もしくは原子状酸素を含む
雰囲気とし、熱処理温度を500℃〜750℃として低
温化を図るものである。
【0013】原子状酸素は、分子状酸素に比べ物質中の
拡散が速く、また反応性が高いため効率的に酸化タンタ
ル膜の結晶化改質を達成できる。例えば下地電極がシリ
コンの場合、下地電極表面に熱窒化法により厚さ1.5
nm程度のシリコン窒化膜を形成した後、厚さ10nm
程度の酸化タンタルを形成する。酸化タンタルは、45
0℃程度のCVD法で形成するが、有機原料を用いるた
め成膜時には炭素が不純物として含まれている。このよ
うな酸化タンタルをO2分子雰囲気中で結晶化させよう
とすると、従来技術の問題で述べたように800℃以上
の温度が必要となる。しかし、本発明者の検討によれ
ば、原子状酸素を用いれば725℃で結晶化を完結する
ことが可能となる。この低温化は、原子状酸素の拡散が
速いことと反応性の高さによって実現される。酸化タン
タルの結晶化は、下地との接触界面から進行する。した
がって、界面近傍の酸化タンタルの品質が結晶化に大き
く影響する。O2分子は拡散が遅く且つ反応性が低いた
め、酸化タンタルの膜中を拡散して界面近傍に達し、且
つ不純物として存在する炭素を酸化して離脱させる効果
が乏しい。一方、O原子は拡散が速いため効率的に界面
近傍に到達でき、且つ反応性が高いため炭素と容易に反
応してCO(一酸化炭素)ガスとして効率的に離脱させ
ることができる。その結果、界面近傍の結晶化阻害要因
が減少し、低温結晶化が可能となると考えられる。ま
た、リーク電流増大の原因となる酸化タンタル膜、BS
T膜中の酸素欠陥についても同じ理由で補充効果を高め
ることが可能となり、低温であってもリーク電流を十分
に低いレベルまで低減することができる。
【0014】下地が窒化チタンの場合にはシリコンの場
合よりもさらに問題が増える。熱処理によって下地電極
中のチタンが酸化タンタル中に拡散し、リーク電流が増
大する。チタンの拡散は、当然のことながら温度に依存
する。800℃での熱処理は、キャパシタの信頼性を確
保できない程度までリーク電流が増大してしまい、実用
性に欠けるが、原子状酸素雰囲気による725℃での低
温結晶化改質を行なうことによりリーク電流の増大を抑
止することができる。
【0015】なお、本発明の半導体装置とその製造方法
を列記すれば以下の通りである。
【0016】本発明の半導体装置の製造方法は、第1電
極と、第1電極に対向して形成された第2電極と、第1
および第2電極の間に形成されたキャパシタ絶縁膜とを
含に、キャパシタ絶縁膜の形成工程に、誘電体膜を形成
する工程と、誘電体膜に500〜750℃の温度範囲に
おいて原子状酸素を含む雰囲気で熱処理を施す工程と、
を含む。
【0017】前記半導体装置の製造方法において、キャ
パシタ絶縁膜の形成工程に、第1誘電体膜を形成する工
程と、第1誘電体膜に500〜750℃の温度範囲にお
いて原子状酸素を含む雰囲気で熱処理を施す工程と、第
1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程と、第2誘電体
膜に500〜750℃の温度範囲において原子状酸素を
含む雰囲気で熱処理を施す工程と、を含む第1の構成、
または、第1誘電体膜を形成する工程と、第1誘電体膜
に500〜750℃の温度範囲において原子状酸素を含
む雰囲気で熱処理を施す工程と、第1絶縁膜上に第2絶
縁膜を形成する工程と、第2誘電体膜に500〜750
℃の温度範囲において原子状酸素を含まない雰囲気で熱
処理を施す工程と、を含む第2の構成、の何れかの構成
を含む。
【0018】また、前記半導体装置の製造方法におい
て、多結晶シリコンからなる第1電極を形成する工程
と、第1電極上にシリコン窒化膜を形成する工程とを有
し、誘電体膜ならびに第1および第2誘電体膜が酸化タ
ンタル膜であり、酸化タンタル膜の熱処理温度が650
℃〜750℃の範囲である第1の構成、金属または金属
化合物からなる第1電極を形成する工程と、第1電極上
にシリコン窒化膜を形成する工程とを有し、誘電体膜な
らびに第1および第2誘電体膜が酸化タンタル膜または
ストロンチウムバリウムチタンオキサイド(BST)膜
であり、酸化タンタル膜の熱処理温度が500℃〜75
0℃の範囲であり、BST膜の熱処理温度が500℃〜
700℃の範囲である第2の構成、金属または金属化合
物からなる第1電極を形成する工程を有し、誘電体膜な
らびに第1および第2誘電体膜が酸化タンタル膜または
ストロンチウムバリウムチタンオキサイド(BST)膜
であり、酸化タンタル膜の熱処理温度が500℃〜75
0℃の範囲であり、BST膜の熱処理温度が500℃〜
700℃の範囲である第3の構成、の何れかの構成を有
する。
【0019】また、前記半導体装置の製造方法におい
て、金属または金属化合物は、ルテニウム、窒化チタ
ン、窒化タンタル、タングステン、窒化タングステン、
白金、イリジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウムか
ら選択された何れかの材料またはこれらの積層膜であ
る。
【0020】本発明の半導体装置は、第1電極と、第1
電極に対向して形成された第2電極と、第1および第2
電極の間に形成されたキャパシタ絶縁膜とを含み、第1
電極が多結晶シリコンまたはルテニウム、窒化チタン、
窒化タンタル、タングステン、窒化タングステン、白
金、イリジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウムその
他の金属もしくは金属化合物からなり、キャパシタ絶縁
膜には酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチ
タンオキサイド(BST)膜が含まれ、酸化タンタル膜
またはストロンチウムバリウムチタンオキサイド膜は、
500〜750℃の温度範囲において原子状酸素を含む
雰囲気で熱処理されたものである第1の構成、酸化タン
タル膜またはストロンチウムバリウムチタンオキサイド
膜が第1膜と第1膜上の第2膜との積層膜で構成され、
第1膜および第2膜は500〜750℃の温度範囲にお
いて原子状酸素を含む雰囲気で熱処理されたものである
第2の構成、または、酸化タンタル膜またはストロンチ
ウムバリウムチタンオキサイド膜が第1膜と第1膜上の
第2膜との積層膜で構成され、第1膜は500〜750
℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰囲気で熱処理
されたものであり、第2膜は500〜750℃の温度範
囲において原子状酸素を含まない雰囲気で熱処理された
ものであ第3の構成、の何れかの構成を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一の機能を有する部材には同
一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】(実施の形態1)図1〜図12は、実施の
形態1のDRAMの製造工程の一例を工程順に示した断
面図である。
【0023】まず、図1に示すように、素子分離領域お
よび不純物が導入されたウェル領域を形成し、前記ウェ
ル上にMISFETQs、Qn、Qpを形成する。
【0024】p型で比抵抗が10Ωcm程度の単結晶シリ
コンからなる半導体基板1を用意し、前記半導体基板1
の主面に素子分離領域7を形成する。ここでは単結晶シ
リコンの半導体基板1を例示するが、表面に単結晶シリ
コン層を有するSOI(Silicon On Insulator)基板、
あるいは、表面に多結晶シリコン膜を有するガラス、セ
ラミックス等の誘電体基板であってもよい。
【0025】素子分離領域7の形成は、たとえば膜厚1
0nm程度の薄いシリコン酸化膜(図示せず)および膜厚
140nm程度のシリコン窒化膜(図示せず)を半導体基
板1上に堆積し、フォトレジスト膜(図示せず)をマス
クにして、前記シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を
パターニングする。このパターニングされたシリコン窒
化膜をマスクとして半導体基板1をドライエッチング
し、半導体基板1に深さ300〜400nm程度の溝5を
形成する。溝5の内壁に生じたダメージ層を除去するた
めに、薄い(膜厚10nm程度の)シリコン酸化膜6を溝
5の内壁に形成し、たとえばオゾン(O3)とテトラエ
トキシシラン(TEOS)とをソースガスに用いたプラ
ズマCVD法で堆積されたシリコン酸化膜(TEOS酸
化膜、図示せず)を300〜400nm程度の膜厚で堆積
する。このTEOS酸化膜をCMP法により研磨して溝
5以外の領域のTEOS酸化膜を除去し、溝5の内部に
これを残して素子分離領域7を形成する。
【0026】次に、半導体基板1の表面に残存している
シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をたとえば熱リン
酸を用いたウェットエッチングで除去した後、メモリセ
ルを形成する領域(メモリアレイ)の半導体基板1にn
型不純物、たとえばP(リン)をイオン打ち込みしてn
型半導体領域10を形成し、メモリアレイと周辺回路の
一部(nチャネル型MISFETを形成する領域)にp
型不純物、たとえばB(ホウ素)をイオン打ち込みして
p型ウエル11を形成し、周辺回路の他の一部(pチャ
ネル型MISFETを形成する領域)にn型不純物、た
とえばP(リン)をイオン打ち込みしてn型ウエル12
を形成する。また、このイオン打ち込みに続いて、MI
SFETのしきい値電圧を調整するための不純物、たと
えばBF2 (フッ化ホウ素)をp型ウエル11およ
びn型ウエル12にイオン打ち込みする。n型半導体領
域10は、入出力回路などから半導体基板1を通じてメ
モリアレイのp型ウエル11にノイズが侵入するのを防
止するために形成される。
【0027】次に、半導体基板1の表面をたとえばHF
(フッ酸)系の洗浄液を使って洗浄した後、MISFE
TQs、Qn、Qpを形成する。MISFETQs、Q
n、Qpの形成は以下の通りである。
【0028】半導体基板1を850℃程度でウェット酸
化してp型ウエル11およびn型ウエル12の各表面に
膜厚7nm程度の清浄なゲート酸化膜13を形成し、ゲー
ト電極およびキャップ絶縁膜、さらに低濃度不純物半導
体領域を形成する。
【0029】ゲート酸化膜13の上部にゲート電極14
A、14B、14Cを形成する。ゲート電極14Aは、
メモリセル選択用MISFETの一部を構成し、活性領
域以外の領域ではワード線WLとして使用される。この
ゲート電極14A(ワード線WL)の幅、すなわちゲー
ト長は、メモリセル選択用MISFETの短チャネル効
果を抑制して、しきい値電圧を一定値以上に確保できる
許容範囲内の最小寸法(たとえば0.24μm程度)で構
成される。また、隣接するゲート電極14A(ワード線
WL)同士の間隔は、フォトリソグラフィの解像限界で
決まる最小寸法(たとえば0.22μm)で構成される。
ゲート電極14Bおよびゲート電極14Cは、周辺回路
のnチャネル型MISFETおよびpチャネル型MIS
FETの各一部を構成する。
【0030】ゲート電極14A(ワード線WL)および
ゲート電極14B、14Cは、たとえばP(リン)など
のn型不純物がドープされた膜厚70nm程度の多結晶シ
リコン膜を半導体基板1上にCVD法で堆積し、次いで
その上部に膜厚50nm程度のWN(タングステンナイト
ライド)膜と膜厚100nm程度のW膜とをスパッタリン
グ法で堆積し、さらにその上部に膜厚150nm程度のシ
リコン窒化膜15をCVD法で堆積した後、フォトレジ
スト膜をマスクにしてこれらの膜をパターニングするこ
とにより形成する。WN膜は、高温熱処理時にW膜と多
結晶シリコン膜とが反応して両者の界面に高抵抗のシリ
サイド層が形成されるのを防止するバリア層として機能
する。バリア層は、WN膜の他、TiN(チタンナイト
ライド)膜などを使用することもできる。
【0031】次に、フォトレジスト膜を除去し、フッ酸
などのエッチング液を使って半導体基板1の表面に残っ
たドライエッチング残渣やフォトレジスト残渣などを除
去した後、n型ウエル12にp型不純物、たとえばB
(ホウ素)をイオン打ち込みしてゲート電極14Cの両
側のn型ウエル12にp-型半導体領域17を形成す
る。また、p型ウエル11にn型不純物、たとえばP
(リン)をイオン打ち込みしてゲート電極14Bの両側
のp型ウエル11にn-型半導体領域18を形成し、ゲ
ート電極14Aの両側のp型ウエル11にn型半導体領
域19を形成する。これにより、メモリアレイにメモリ
セル選択用MISFETQsが形成される。
【0032】次に、半導体基板1上にCVD法で膜厚5
0〜100nm程度のシリコン窒化膜20を堆積した後、
メモリアレイのシリコン窒化膜20をフォトレジスト膜
で覆い、周辺回路のシリコン窒化膜20を異方性エッチ
ングすることにより、ゲート電極14B、14Cの側壁
にサイドウォールスペーサ20aを形成する。その後、
フォトレジスト膜を除去し、周辺回路領域のn型ウエル
12にp型不純物、たとえばB(ホウ素)をイオン打ち
込みしてpチャネル型MISFETのp+型半導体領域
22(ソース、ドレイン)を形成し、周辺回路領域のp
型ウエル11にn型不純物、たとえばAs(ヒ素)をイ
オン打ち込みしてnチャネル型MISFETのn+型半
導体領域23(ソース、ドレイン)を形成する。これに
より、周辺回路領域にLDD(Lightly Doped Drain) 構
造を備えたpチャネル型MISFETQpおよびnチャ
ネル型MISFETQnが形成される。
【0033】次に、図2に示すように、第1層目の層間
絶縁膜およびプラグを形成する。
【0034】すなわち、半導体基板1上に膜厚300nm
程度のSOG(Spin On Glass )膜24をスピン塗布し
た後、半導体基板1を800℃、1分程度熱処理してS
OG膜24をシンタリング(焼き締め)する。また、S
OG膜24の上部に膜厚600nm程度のシリコン酸化膜
25を堆積した後、このシリコン酸化膜25をCMP法
で研磨してその表面を平坦化する。さらに、シリコン酸
化膜25の上部に膜厚100nm程度のシリコン酸化膜2
6を堆積する。このシリコン酸化膜26は、CMP法で
研磨されたときに生じた前記シリコン酸化膜25の表面
の微細な傷を補修するために堆積する。シリコン酸化膜
25、26は、たとえばTEOS酸化膜とする。シリコ
ン酸化膜26に代えてPSG(Phospho Silicate Glass)
膜などを堆積してもよい。
【0035】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングでメモリセル選択用MISFETQsの
n型半導体領域19(ソース、ドレイン)の上部のシリ
コン酸化膜26、25およびSOG膜24を除去する。
このエッチングは、シリコン窒化膜20に対するシリコ
ン酸化膜26、25およびSOG膜24のエッチングレ
ートが大きくなるような条件で行い、n型半導体領域1
9や素子分離溝5の上部を覆っているシリコン窒化膜2
0が完全には除去されないようにする。続いて、上記フ
ォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングでメモ
リセル選択用MISFETQsのn型半導体領域19
(ソース、ドレイン)の上部のシリコン窒化膜20とゲ
ート酸化膜13とを除去することにより、n型半導体領
域19(ソース、ドレイン)の一方の上部にコンタクト
ホール28を形成し、他方の上部にコンタクトホール2
9を形成する。このエッチングは、シリコン酸化膜(ゲ
ート酸化膜13および素子分離溝5内のシリコン酸化膜
7)に対するシリコン窒化膜15のエッチングレートが
大きくなるような条件で行い、n型半導体領域19や素
子分離溝5が深く削れないようにする。また、このエッ
チングは、シリコン窒化膜20が異方的にエッチングさ
れるような条件で行い、ゲート電極14A(ワード線W
L)の側壁にシリコン窒化膜20が残るようにする。こ
れにより、フォトリソグラフィの解像限界以下の微細な
径を有するコンタクトホール28、29がゲート電極1
4A(ワード線WL)に対して自己整合で形成される。
コンタクトホール28、29をゲート電極14A(ワー
ド線WL)に対して自己整合で形成するには、あらかじ
めシリコン窒化膜20を異方性エッチングしてゲート電
極14A(ワード線WL)の側壁にサイドウォールスペ
ーサを形成しておいてもよい。
【0036】次に、フォトレジスト膜を除去した後、フ
ッ酸+フッ化アンモニウム混液などのエッチング液を使
って、コンタクトホール28、29の底部に露出した基
板表面のドライエッチング残渣やフォトレジスト残渣な
どを除去し、コンタクトホール28、29の内部にプラ
グ30を形成する。プラグ30は、シリコン酸化膜26
の上部にn型不純物(たとえばP(リン))をドープし
た多結晶シリコン膜をCVD法で堆積した後、この多結
晶シリコン膜をCMP法で研磨してコンタクトホール2
8、29の内部に残すことにより形成する。
【0037】次に、図3に示すように、ビット線および
第1層配線(M1)を形成し、これらを層間絶縁膜で覆
った後、プラグ49を形成する。
【0038】シリコン酸化膜26の上部に膜厚200nm
程度のシリコン酸化膜31を堆積した後、半導体基板1
を800℃程度で熱処理する。シリコン酸化膜31は、
たとえばTEOS酸化膜とする。この熱処理によって、
プラグ30を構成する多結晶シリコン膜中のn型不純物
がコンタクトホール28、29の底部からメモリセル選
択用MISFETQsのn型半導体領域19(ソース、
ドレイン)に拡散し、n型半導体領域19が低抵抗化さ
れる。
【0039】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングで前記コンタクトホール28の上部のシ
リコン酸化膜31を除去してプラグ30の表面を露出さ
せ、前記フォトレジスト膜を除去した後、新たなフォト
レジスト膜を形成し、これをマスクにしたドライエッチ
ングで周辺回路領域のシリコン酸化膜31、26、2
5、SOG膜24およびゲート酸化膜13を除去する。
これにより、nチャネル型MISFETQnのn+型半
導体領域23(ソース、ドレイン)の上部にコンタクト
ホール34、35を形成し、pチャネル型MISFET
Qpのp+型半導体領域22(ソース、ドレイン)の上
部にコンタクトホール36、37を形成する。
【0040】次に、前記フォトレジスト膜を除去した
後、シリコン酸化膜31の上部にビット線BLおよび周
辺回路の第1層配線38、39を形成する。ビット線B
Lおよび第1層配線38、39を形成するには、まずシ
リコン酸化膜31の上部に膜厚50nm程度のTi膜をス
パッタリング法で堆積し、半導体基板1を800℃程度
で熱処理する。次いで、Ti膜の上部に膜厚50nm程度
のTiN膜をスパッタリング法で堆積し、さらにその上
部に膜厚150nm程度のW膜と膜厚200nm程度のシリ
コン窒化膜40とをCVD法で堆積した後、フォトレジ
スト膜をマスクにしてこれらの膜をパターニングする。
【0041】シリコン酸化膜31の上部にTi膜を堆積
した後、半導体基板1を800℃程度で熱処理すること
により、Ti膜と下地Siとが反応し、nチャネル型M
ISFETQnのn+型半導体領域23(ソース、ドレ
イン)の表面とpチャネル型MISFETQpのp+
半導体領域22(ソース、ドレイン)の表面とプラグ3
0の表面とに低抵抗のTiSi2(チタンシリサイド)
層42が形成される。これにより、n+型半導体領域2
3、p+型半導体領域22およびプラグ30に接続され
る配線(ビット線BL、第1層配線38、39)のコン
タクト抵抗を低減することができる。ビット線BLは、
隣接するビット線BLとの間に形成される寄生容量をで
きるだけ低減して情報の読み出し速度および書き込み速
度を向上させるために、その間隔がその幅よりも長くな
るように形成する。ビット線BLの間隔はたとえば0.2
4μm程度とし、その幅はたとえば0.22μm程度とす
る。
【0042】前記フォトレジスト膜を除去した後、ビッ
ト線BLの側壁と第1層配線38、39の側壁とにサイ
ドウォールスペーサ43を形成する。サイドウォールス
ペーサ43は、ビット線BLおよび第1層配線38、3
9の上部にCVD法でシリコン窒化膜を堆積した後、こ
のシリコン窒化膜を異方性エッチングして形成する。
【0043】ビット線BLおよび第1層配線38、39
の上部に膜厚300nm程度のSOG膜44をスピン塗布
する。次いで、半導体基板1を800℃、1分程度熱処
理してSOG膜44をシンタリング(焼き締め)する。
SOG膜44は、BPSG膜に比べてリフロー性が高
く、微細な配線間のギャップフィル性に優れているの
で、フォトリソグラフィの解像限界程度まで微細化され
たビット線BL同士の隙間を良好に埋め込むことができ
る。
【0044】次に、SOG膜44の上部に膜厚600nm
程度のシリコン酸化膜45を堆積した後、このシリコン
酸化膜45をCMP法で研磨してその表面を平坦化す
る。シリコン酸化膜45は、たとえばTEOS酸化膜と
する。
【0045】次に、シリコン酸化膜45の上部に膜厚1
00nm程度のシリコン酸化膜46を堆積する。このシリ
コン酸化膜46は、CMP法で研磨されたときに生じた
前記シリコン酸化膜45の表面の微細な傷を補修するた
めに堆積する。シリコン酸化膜46は、たとえばTEO
S酸化膜とする。
【0046】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングでコンタクトホール29の上部のシリコ
ン酸化膜46、45、SOG膜44およびシリコン酸化
膜31を除去してプラグ30の表面に達するスルーホー
ル48を形成する。フォトレジスト膜を除去した後、フ
ッ酸+フッ化アンモニウム混液などのエッチング液を使
って、スルーホール48の底部に露出したプラグ30の
表面のドライエッチング残渣やフォトレジスト残渣など
を除去する。
【0047】次に、スルーホール48の内部にプラグ4
9を形成する。プラグ49は、たとえばシリコン酸化膜
からなる。プラグ49は、シリコン酸化膜46の上部
に、たとえば多結晶シリコン膜をCVD法により堆積
し、これをエッチバックしてスルーホール48の内部に
残すことにより形成する。エッチバック法をCMP法に
代えてもよい。
【0048】次に、図4に示すように、キャパシタ(情
報蓄積用容量素子)形成のための絶縁膜を形成し、さら
に、前記絶縁膜にキャパシタ形成用の溝を形成する。
【0049】シリコン酸化膜46上にシリコン窒化膜5
0およびシリコン酸化膜51を順次堆積する。シリコン
窒化膜50およびシリコン酸化膜51は、たとえばCV
D法により形成できる。
【0050】シリコン窒化膜50は、後に説明する孔5
2の加工の際のエッチングストッパとして機能するのも
であり、ストッパ機能を果たすに必要な膜厚を選択でき
る。シリコン窒化膜50の膜厚はたとえば200nmと
することができる。
【0051】シリコン酸化膜51は、キャパシタ下部電
極の加工のために形成されるものであり、その膜厚は、
必要な容量値が確保できる下部電極表面積(電極面積)
から逆算して求められる。下部電極に要求される電極面
積は、キャパシタに許容される占有面積、あるいはキャ
パシタ絶縁膜の膜厚および誘電率に左右される。
【0052】シリコン酸化膜51上にフォトレジスト膜
をパターニングし、これをマスクとしてプラグ49が露
出するように孔52を形成する。孔52の加工は、異方
性を有するドライエッチング法を用いる。まず、シリコ
ン酸化膜のエッチング速度が高く、シリコン窒化膜のエ
ッチング速度が小さい選択的なエッチング条件で第1の
エッチングを行う。この際、シリコン窒化膜50はエッ
チングされ難いので、第1のエッチングにおけるエッチ
ングストッパとして機能する。次にシリコン窒化膜がエ
ッチングされやすい条件で第2のエッチングを行う。こ
れによりシリコン窒化膜50をエッチングして孔52を
形成する。このような2段階のエッチングを用いること
により、シリコン酸化膜46の過剰なエッチングを防止
できる。
【0053】なお、孔52の形成後に、エッチングによ
り受けたプラグ49表面のダメージ層を除去することが
好ましい。
【0054】次に、図5に示すように、多結晶シリコン
膜53を堆積する。多結晶シリコン膜53は、プラグ4
9に電気的に接続される。多結晶シリコン膜53は、後
に説明するようにキャパシタの下部電極となるものであ
り、図示するように、孔52の内面に沿うように堆積す
る。多結晶シリコン膜53には、たとえばリン(P)が
高濃度(たとえば4×1020atoms/cm3程度)導入さ
れ、その抵抗率が低減されている。多結晶シリコン膜5
3の膜厚はたとえば60nmとする。
【0055】次に、図6示すように、孔52を埋め込む
ように絶縁膜54を形成する。絶縁膜54は、たとえば
SOG膜とすることができる。SOG膜とした場合に
は、後に説明する絶縁膜54の除去の際に、絶縁膜54
を選択的に除去できる。絶縁膜54の埋め込みは、半導
体基板1上の全面に絶縁膜54を形成後、これをエッチ
バック法等により除去することにより行える。なお、絶
縁膜54は、SOG膜の他にレジスト膜等を用いること
もできる。
【0056】次に、図7に示すように、たとえばCMP
法を用いて孔52の領域以外の多結晶シリコン膜53を
除去する。これにより多結晶シリコン膜53からなるキ
ャパシタの下部電極55が孔52内に形成される。多結
晶シリコン膜53の除去にはエッチバック法を用いるこ
ともできるが、エッチバック法を用いた場合には下部電
極55の先端部が鋭利な形状に加工される傾向にあり、
絶縁膜の信頼性、電界集中の緩和の観点から好ましくな
い。この点、CMP法を用いた場合には、下部電極55
の先端部は平坦に形成され、前記のような電界集中、絶
縁膜の信頼性低下の問題が生じにくい。
【0057】次に、図8に示すように、絶縁膜54をた
とえばウエットエッチング法を用いて除去する。このと
き、シリコン酸化膜51の表面も一部エッチングされ、
下部電極55の上端部が一部突出した形状となる。この
ように下部電極55の上端部が一部突出して形成される
ため、この突出部分については下部電極55の表面およ
び裏面の両面が電極面積に寄与する。これにより、同一
の占有平面積、同一の高さの場合に孔52内にほぼ完全
に下部電極55が埋め込まれて形成された場合と比較し
て電極面積を増加し、キャパシタ容量を増加できる。
【0058】次に、図9に示すように、半導体基板1の
全面にシリコン窒化膜56を形成する。シリコン窒化膜
56は、後に酸化タンタル膜が酸化性雰囲気において熱
処理されるときに下部電極55が酸化されることを抑制
する酸素拡散防止膜として機能する。シリコン窒化膜5
6は、下部電極55(多結晶シリコン膜)表面の自然酸
化膜を除去する目的で清浄化する処理を行なった後、ア
ンモニア(NH3)雰囲気中での熱窒化法により形成で
きる。シリコン窒化膜56の膜厚は、1.5nm程度と
することができる。また、シリコン窒化膜56はたとえ
ばLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Depositi
on)法を用いて形成できる。形成条件としては、原料ガ
スをジクロルシラン(SiH2Cl2)とアンモニア、温
度を700度、雰囲気を大気圧以下の圧力とすることが
できる。
【0059】次に、図10に示すように、半導体基板1
の全面に膜厚10nm程度の酸化タンタル膜57を堆積す
る。酸化タンタル膜57の堆積は、たとえばペンタエト
キシタンタル(Ta(OC255)を原料ガスに、酸
素(O2)を酸化剤に用い、処理温度をたとえば440
℃、処理圧力をたとえば65Paとする熱CVD法によ
り行える。このように、酸化タンタル膜57を熱CVD
法により堆積することにより、ステップカバレッジに優
れた酸化タンタル膜57とすることができる。
【0060】この条件で形成された酸化タンタル膜57
は、アモルファス薄膜である。また、酸化タンタル膜5
7には原料から混入する炭素が不純物として多量に含ま
れており、そのままではキャパシタ絶縁膜として安定的
な特性を確保できず、実用には耐えない。
【0061】安定性を確保するためには、図11に示す
ように、酸化タンタル膜57の熱処理が必要である(な
お、図では熱処理を白抜きの下矢印で示している)。酸
化タンタル膜57を熱処理することにより結晶化酸化タ
ンタル膜58が形成される。この熱処理により酸化タン
タル膜57の結晶化と酸素欠陥の補充が行われる。
【0062】本実施の形態では、熱処理を、原子状酸素
を含む雰囲気で行う。原子状酸素を含む雰囲気は、
(1)酸素ラジカル発生器で発生させた酸素ラジカルを
反応処理室に導入する方法、(2)オゾン発生器で発生
させたオゾンを反応処理室に導入する方法、(3)高周
波励起により発生させる酸素プラズマ中に含まれる酸素
原子を用いる方法、(4)N2OやNOガスの熱分解に
より発生する酸素原子を発生する方法等を用いることが
できる。これら原子状酸素を発生させる方法は、単独ま
たは組み合わせで用いても良い。前記原子状酸素発生方
法の何れを採用するかにより、温度や圧力などの熱処理
条件を任意に変更することが可能である。本実施の形態
ではオゾンとN2Oを導入できる反応容器を有するより
装置を用いる。処理雰囲気の組成は、オゾンを5%、オ
ゾン発生の原料となる酸素を45%、N2Oを45%と
なるように設定し、処理温度は725℃とした。処理圧
力は大気圧とし、処理時間は3分とした。
【0063】このように非晶質の酸化タンタル膜57を
原子状酸素雰囲気で熱処理することにより、酸化タンタ
ル膜57の結晶化を低温化し、酸素欠陥の回復(補充)
を低温化できる。これにより既に形成された素子あるい
はシリサイド層等の低抵抗化層を劣化させることなく、
高性能なキャパシタを形成できる。
【0064】なお、この段階で、シリコン窒化膜56
は、シリコン酸窒化(SiON)膜59に転換される。
【0065】次に、図12に示すように、キャパシタの
上部電極61、第2層配線67等を形成する。
【0066】多結晶酸化タンタル膜58上に窒化チタン
膜を堆積する。窒化チタン膜の形成はCVD法を用いる
ことができ、その条件は、たとえば4塩化チタンとアン
モニアを原料ガスとし、低圧雰囲気で、500℃程度の
反応温度を選択できる。その後、窒化チタン膜上にフォ
トレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜をマスク
として窒化チタン膜、多結晶酸化タンタル膜58および
シリコン酸窒化膜59をエッチングして、多結晶酸化タ
ンタル膜58およびシリコン酸窒化膜59からなるキャ
パシタ絶縁膜と窒化チタン膜からなる上部電極61とを
形成する。このようにしてキャパシタCが形成される。
これにより、メモリセル選択用MISFETQsとこれ
に直列に接続されたキャパシタCとで構成されるDRA
Mのメモリセルが完成する。なお、上部電極61を構成
する材料としては、窒化チタン膜に代えて、タングステ
ン膜等を用いることができる。
【0067】次に、キャパシタCの上部に膜厚40nm程
度のTEOS酸化膜62を堆積し、さらにSOG膜63
を塗布してメモリセルの形成された領域を平坦化すると
同時に、周辺回路領域との段差を緩和する。
【0068】次に、フォトレジスト膜をマスクにしたド
ライエッチングで周辺回路の第1層配線38の上部のS
OG膜63等を除去することにより、スルーホール64
を形成する。また、同様に上部電極61の上部のSOG
膜63、TEOS酸化膜62を除去することにより、ス
ルーホール65を形成する。その後、スルーホール6
4、65の内部にプラグ66を形成し、続いてSOG膜
63の上部に第2層配線67を形成する。プラグ66
は、SOG膜63の上部にスパッタリング法で膜厚10
0nm程度のTiN膜を堆積し、さらにその上部にCVD
法で膜厚500nm程度のW膜を堆積した後、これらの膜
をエッチバックしてスルーホール64、65の内部に残
すことにより形成する。第2層配線67は、SOG膜6
3の上部にスパッタリング法で膜厚50nm程度のTiN
膜、膜厚500nm程度のAl(アルミニウム)膜、膜厚
50nm程度のTi膜を堆積した後、フォトレジスト膜を
マスクにしたドライエッチングでこれらの膜をパターニ
ングして形成する。
【0069】その後、層間絶縁膜を介して第3層配線を
形成し、その上部にシリコン酸化膜とシリコン窒化膜と
で構成されたパッシベーション膜を堆積するが、その図
示は省略する。以上の工程により、本実施の形態のDR
AMが略完成する。
【0070】なお、第3層配線およびそれに接続するプ
ラグは第2層配線の場合と同様に形成することができ、
層間絶縁膜は、たとえば膜厚300nm程度のシリコン酸
化膜、膜厚400nm程度のSOG膜および膜厚300nm
程度のシリコン酸化膜で構成できる。シリコン酸化膜
は、たとえばTEOS酸化膜とする。
【0071】本実施の形態によれば、原子状酸素雰囲気
で非晶質の酸化タンタル膜57を熱処理するため、72
5℃程度の低温な処理条件で良好なキャパシタCを形成
できる。このため、微細化に伴う低温化要求を満足する
ことができる。図13は、本実施の形態の製造方法で形
成したキャパシタCの特性を評価した結果を示すグラフ
であり、図14は、比較のために示した従来技術による
キャパシタCの特性を示すグラフである。両図において
縦軸がリーク電流密度J、横軸が印加電圧Vを示す。室
温おける測定結果(実線)と劣化加速評価のため90℃
における測定結果(破線)をともに示している。図13
に示す結果より、本実施の形態の製造方法で形成したキ
ャパシタCの特性は、室温測定と90℃測定との問に有
意差が見られない。ところが、図14に示す結果より、
従来技術で形成したキャパシタの特性では印加電圧Vに
負の電圧を印加した際に、1桁以上リーク電流密度Jが
大きくなっており、劣化していることがわかる。すなわ
ち、本実施の形態によれば酸化タンタル膜57の熱処理
雰囲気に、少なくとも原子状酸素を含む雰囲気を用いる
ことにより、結晶化温度を低くすることができ、且つリ
ーク電流を低減できる効果がある。
【0072】(実施の形態2)図15〜図18は、実施
の形態2のDRAMの製造工程の一例を工程順に示した
断面図である。本実施の形態のDRAMは、キャパシタ
絶縁膜の構造と製造方法において実施の形態1と相違
し、他の構成は実施の形態1と同様である。従って、以
下の説明では相違する部分について説明し、実施の形態
1と共通する説明は省略する。
【0073】本実施の形態の製造方法は、実施の形態1
における図9までの工程については同様である。実施の
形態1で説明したと同様にシリコン窒化膜56を形成
し、その後図15に示すように、シリコン窒化膜56上
に第1酸化タンタル膜68を堆積する。第1酸化タンタ
ル膜68の堆積方法は実施の形態1の酸化タンタル膜5
7と同様であるが、膜厚が相違する。第1酸化タンタル
膜68の膜厚はたとえば5nmとする。アズデポ状態の
第1酸化タンタル膜68は、実施の形態1の酸化タンタ
ル膜57と同様に非晶質(アモルファス)である。
【0074】次に、図16に示すように、第1酸化タン
タル膜68に、実施の形態1と同様に原子状酸素を含む
雰囲気での熱処理を行い、第1酸化タンタル膜68を結
晶化して第1多結晶酸化タンタル膜69を形成する。こ
のとき、シリコン窒化膜56はシリコン酸窒化膜70に
なる。
【0075】実施の形態1と同様に原子状酸素を含む雰
囲気で熱処理を行うため、結晶化温度を低下し、また、
酸素欠陥の補充を低温で行うことができる。なお、実施
の形態1と比較して第1酸化タンタル膜68の膜厚が5
nmと薄いため、実施の形態1よりも処理時間を短くす
ることも可能である。
【0076】次に、図17に示すように、第1多結晶酸
化タンタル膜69上に第2酸化タンタル膜71を堆積す
る。第2酸化タンタル膜71の堆積方法は実施の形態1
の酸化タンタル膜57と同様であるが、膜厚は5nmと
する。
【0077】その後、図18に示すように、第2酸化タ
ンタル膜71に第1酸化タンタル膜68と同様の熱処
理、つまり原子状酸素を含む雰囲気での熱処理を施す。
【0078】その後の工程は実施の形態1と同様である
ため説明を省略する。
【0079】なお、第2酸化タンタル膜71は、第1多
結晶酸化タンタル膜69上に形成されるため、下地の結
晶性を反映して一種のエピタキシャル成長が生じる。こ
のため、第2酸化タンタル膜71はアズデポ状態で既に
結晶化されており、多結晶酸化タンタル膜となってい
る。従って、第2酸化タンタル膜71に施す熱処理は、
特に原子状酸素を含む雰囲気での処理が要求されず、通
常の分子状酸素雰囲気での熱処理でもよい。これにより
第2酸化タンタル膜71の酸素欠陥を補充(回復)でき
る。
【0080】このように本実施の形態では、下層(第1
多結晶酸化タンタル膜69)と上層(第2酸化タンタル
膜71)との2層で構成される酸化タンタル膜キャパシ
タ絶縁膜が提供される。酸化タンタル膜を2層構成とす
れば、酸化タンタル膜68を薄い膜厚で形成しこれを結
晶化処理しているため結晶粒を均一に形成でき、最終的
に均一な結晶を有するキャパシタ絶縁膜を構成すること
ができる。また、結晶の粒界が多結晶酸化タンタル膜の
膜厚方向で分断されるため、リーク電流を低減すること
ができる。それらの結果、キャパシタ絶縁膜の信頼性を
向上してDRAMの信頼を向上できる。
【0081】なお、ここでは2層構成の多結晶酸化タン
タル膜を例示したが、2層以上の多層で構成してもよ
い。
【0082】(実施の形態3)図19は、実施の形態3
のDRAMの一例を示した拡大断面図である。図19で
は、実施の形態1におけるキャパシタCの部分を拡大し
て示している。本実施の形態ではキャパシタCの容量の
増大を図るために、下部電極表面に凹凸を設ける構造を
説明する。なお、図面においてキャパシタ絶縁膜は省略
している。
【0083】本実施の形態の場合、図5における多結晶
シリコン膜53に代えて非晶質シリコン膜を半導体基板
1の全面に形成する。その後適度な熱処理を施すと、非
晶質シリコン膜が結晶化されて多結晶シリコン膜72が
形成されるとともに凹凸73が形成される。凹凸73を
形成した後、適当な不純物をドービングし、さらにその
表面に熱窒化法によりシリコン窒化膜(図示せず)を形
成する。以下、実施形態1と同じ工程を経ることにより
下地(多結晶シリコン膜72)に凹凸73を有するキャ
パシタを形成することができる。
【0084】下地電極に凹凸73が形成されたキャパシ
タCにおいては、凹凸73がない場合に比べてリーク電
流が増大する。これは電界集中の効果により実効的に電
界が増加する領域が増えることによる。しかし、本実施
の形態のように酸化タンタル膜に原子状酸素を含有する
雰囲気での熱処理を施すことにより、リーク電流を低減
することができる。これにより、電界集中によるリーク
電流の増大を抑えられる効果がある。
【0085】(実施の形態4)図20は、実施の形態4
のDRAMの一例を示した拡大断面図である。図20で
は、実施の形態3と同様にキャパシタCの部分を拡大し
て示している。本実施の形態では下部電極に金属もしく
は金属化合物を用いるキャパシタ構造を説明する。
【0086】実施の形態1で説明した工程に従い、シリ
コン酸化膜46のの所定の領域にシリコンプラグ49を
形成し、シリコン窒化膜50およびシリコン酸化膜51
を積層形成し、シリコンプラグ49が露出するように所
定の位置に孔52を開孔する。孔52の内部を含む半導
体基板1の全面に600℃の温度雰囲気で厚さ30nm
のCVD法によるTiN(窒化チタン)膜を形成した
後、孔52の内部にのみSOG膜を形成し、孔52以外
の表面に露出したTiN膜を除去し、孔52内部を充填
していたSOG膜をも除去して孔52内部にのみTiN
からなる下部電極74を形成する。その後、厚さ10n
m程度の酸化タンタル膜を実施の形態1と同様にCVD
法により形成し、オゾン(O3)、酸素(O2)、N2
からなる雰囲気で、温度700℃で3分間熱処理した。
これによりキャパシタ絶縁膜75を形成する。その後の
工程は実施の形態1と同様である。
【0087】従来技術のように、酸化タンタル膜を80
0℃、3分問熱処理すると、TiNは含有チタンが酸化
タンタル中に拡散してしまい、リーク電流が著しく増大
する。このため、所望の特性が得られなくなってしま
う。しかし、本実施の形態では、原子状酸素を含む雰囲
気で酸化タンタル膜を熱処理するため、下地電極(下部
電極74)が窒化チタンの場合であっても、700℃で
結晶化を完結させることができる。このため酸化タンタ
ル膜(キャパシタ絶縁膜75)中へのチタンの拡散を低
減でき、リーク電流の増加量を低減できる効果がある。
なお、下部電極74には窒化チタンの他、窒化タンタ
ル、窒化タングステン、タングステン、ルテニウムなど
の金属および金属化合物を用いることができる。
【0088】(実施の形態5)図21は、実施の形態5
のDRAMの一例を示した拡大断面図である。図21で
は、実施の形態3,4と同様にキャパシタCの部分を拡
大して示している。本実施の形態では絶縁膜に酸化タン
タルとシリコン酸窒化膜を用いる場合の例について説明
する。
【0089】実施の形態4では、下部電極74に金属も
しくは金属化合物を用いた場合であっても、本発明を適
用することにより酸化タンタル膜(キャパシタ絶縁膜7
5)の熱処理温度を低温化することができ、この結果チ
タン等の金属が酸化タンタル膜に不純物として混入する
ことが抑制できることを説明した。しかし、金属は酸化
されやすい欠点を併せ持っており、特にタングステンの
場合には極めて酸化されやすく、700℃程度の温度で
も酸化タンタル中を拡散した酸化剤により酸化され、酸
化タンタル膜(キャパシタ絶縁膜75)が剥離に至る場
合がある。
【0090】本実施の形態では酸化の問題を回避するた
めに酸化タンタル膜75と下部電極74との問にシリコ
ン窒化膜を介在させた構造について説明する。
【0091】図21に示すように、実施の形態4と同様
にCVD法を用いてTiN膜を孔52の内部に形成し、
下部電極74を形成後、低圧CVD法により厚さ2nm
程度のシリコン窒化膜を半導体基板1の全面に形成す
る。
【0092】その上層に厚さ10nm程度の酸化タンタル
膜75を形成し、オゾン(O3)、酸素(O2)、N2
雰囲気中、725℃、3分間の条件で熱処理を施した。
このときシリコン窒化膜はシリコン酸窒化膜76に変化
する。その後CVD法によりTiN電極61を形成す
る。その後の工程は実施の形態1と同様である。
【0093】本実施の形態により形成したキャパシタC
を顕微鏡などにより詳細な観察を試みたところ、剥離等
の異常は観察されなかった。本実施の形態によれば、酸
化タンタル膜75と、金属もしくは金属化合物からなる
下部電極74との間にシリコン窒化膜(シリコン酸窒化
膜76)を介在させることにより下部電極74の酸化を
防止して良好なキャパシタ特性を得ることができる。
【0094】なお、下部電極74に他の金属または金属
化合物を適用できることは実施の形態4と同様である。
【0095】(実施の形態6)図22および図23は、
実施の形態6のDRAMの一例を示した拡大断面図であ
る。図22および図23では、実施の形態3〜5と同様
にキャパシタCの部分を拡大して示している。
【0096】本実施の形態では、より大きな容量を得る
ための構造に本発明を適用した場合を説明する。図22
および図23に示すように、下部電極74の内側面だけ
でなく外側面の一部についても容量として寄与する構造
を示している。
【0097】図22に示すように、本実施の形態では、
下部電極74を形成するためのシリコン窒化膜77およ
びシリコン酸化膜78を形成する。シリコン窒化膜77
およびシリコン酸化膜78は、実施の形態1における下
部電極55を形成するためのシリコン窒化膜50および
シリコン酸化膜51に相当する。ただし、その膜厚比率
を変えている。すなわち、シリコン窒化膜77は、孔5
2を形成する際のエッチングストッパとしてのみなら
ず、下部電極74の支持母材としても機能する。
【0098】実施の形態5と同様に、孔52の内部に下
部電極74を形成し(図22)、その後、シリコン酸化
膜78を湿式エッチングにより除去する。シリコン窒化
膜77は、この湿式エッチング時のストッパとしても用
いることができる。
【0099】その後、実施の形態5と同様、酸化タンタ
ル膜75をCVD法により形成し、原子状酸素を含有す
る雰囲気で熱処理する。さらに上部電極となるTiN膜
61を同じくCVD法により形成し、キャパシタを構成
する(図23)。その後の工程は実施の形態1と同様で
ある。
【0100】なお、図24に示すように、キャパシタ絶
縁膜に酸化タンタル膜75とシリコン酸窒化膜76の積
層膜を用いた構造としても良い。
【0101】本実施の形態によれば、下部電極74の外
側側面も容量部として用いることができるのでキャパシ
タCの容量値を大きくできる効果がある。また、シリコ
ン窒化膜77を下部電極74の支えとして残しているの
で、支えがない場合に電極自身が倒壊する問題を回避で
きる効果がある。
【0102】(実施の形態7)図25は、実施の形態7
のDRAMの一例を示した拡大断面図である。図25で
は、実施の形態3〜6と同様にキャパシタCの部分を拡
大して示している。本実施の形態では下部電極を複数の
膜で構成した構造について説明する。
【0103】シリコン酸化膜51の所定の領域に孔52
を形成した後、半導体基板1の全面にTiN膜79をC
VD法により形成する。この後、前記したと同様の方
法、たとえばエッチバック法等により、孔52内部の少
なくともシリコンプラグ49が露出している底面を覆
い、且つ孔の上部で最終的に酸化タンタル膜75と接触
することのないようにTiN膜79を残存させる。
【0104】さらに、ルテニウム膜を半導体基板1の全
面に堆積し、前記と同様の方法たとえばエッチバック法
によりルテニウム膜をエッチングして孔52の内部に残
存させ下部電極74とする。酸化タンタル膜75を形成
した後、650℃の原子状酸素を含む雰囲気で熱処理を
施し、上部電極となるTiN膜61を形成してキャパシ
タCを構成する。その後の工程は実施の形態1と同様で
ある。
【0105】本実施の形態では、特にルテニウムからな
る下部電極74の場合について記載した。この場合には
酸化タンタル膜75が特に結晶化しやすく、さらに低温
化が可能となる効果がある。一方でルテニウムは酸素透
過率が高く、その下地となるシリコンプラグ49が酸化
されやすい。シリコンプラグ49が酸化されると、絶縁
膜であるSiO2が生成され、下部電極74とシリコン
プラグ49との間の電気的導通が阻害されて好ましくな
い。本実施の形態ではルテニウムの下地にTiN膜79
を設けているのでシリコンプラグ49の酸化を防止し、
SiO2の生成を回避できる。
【0106】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでも
ない。
【0107】たとえば、前記実施の形態ではキャパシタ
絶縁膜に酸化タンタル膜を用いる場合について述べた
が、これに限るものではなく、チタン酸バリウムストロ
ンチウム(BST)膜であってもよい。BST膜の場合
にも、原子状酸素を含む雰囲気で熱処理することによ
り、処理温度を低減できる。この場合には下部電極には
ルテニウムを用いることができる。
【0108】また、実施の形態ではDRAMについて説
明したが、DRAMを含むシステムLSI等にも適用が
可能である。
【0109】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以
下のとおりである。
【0110】本発明によれば、酸化タンタル膜、BST
膜等、結晶化および酸化改質処理を必要とする酸化物誘
電体膜をキャパシタ絶縁膜に用いる場合に、800℃程
度の熱処理を施さなくても十分に小さな実用的なリーク
電流値を実現でき、より低温での結晶化改質処理の方法
を提供できる。
【0111】また、本発明によれば、キャパシタの容量
値の増大を図って、またリーク電流の増大を回避でき、
DRAMのリフレッシュ特性のマージンを確保できる。
これにより、高速で低電力の信頼性の高いDRAM等半
導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるDRAMの製造工
程の一例を工程順に示した断面図である。
【図2】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図3】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図4】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図5】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図6】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図7】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図8】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図9】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を工
程順に示した断面図である。
【図10】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図11】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図12】実施の形態1のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図13】実施の形態1のDRAMのキャパシタ特性を
評価した結果を示すグラフである。
【図14】比較のために示した従来技術によるキャパシ
タ特性を示すグラフである。
【図15】本発明の実施の形態2であるDRAMの製造
工程の一例を工程順に示した断面図である。
【図16】実施の形態2のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図17】実施の形態2のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図18】実施の形態2のDRAMの製造工程の一例を
工程順に示した断面図である。
【図19】本発明の実施の形態3であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【図20】本発明の実施の形態4であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【図21】本発明の実施の形態5であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【図22】本発明の実施の形態6であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【図23】本発明の実施の形態6であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【図24】本発明の実施の形態6であるDRAMの他の
例を示した拡大断面図である。
【図25】本発明の実施の形態7であるDRAMの一例
を示した拡大断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 5 溝(素子分離溝) 6 シリコン酸化膜 7 シリコン酸化膜(素子分離領域) 10 n型半導体領域 11 p型ウエル 12 n型ウエル 13 ゲート酸化膜 14A〜14C ゲート電極 15 シリコン窒化膜 17 p-型半導体領域 18 n-型半導体領域 19 n型半導体領域 20 シリコン窒化膜 20a サイドウォールスペーサ 22 p+型半導体領域 23 n+型半導体領域 24 SOG膜 25 シリコン酸化膜 26 シリコン酸化膜 28、29 コンタクトホール 30 プラグ 31 シリコン酸化膜 34、36 コンタクトホール 38 第1層配線 40 シリコン窒化膜 42 チタンシリサイド層 43 サイドウォールスペーサ 44 SOG膜 45、46 シリコン酸化膜 48 スルーホール 49 プラグ(シリコンプラグ) 50 シリコン窒化膜 51 シリコン酸化膜 52 孔 53 多結晶シリコン膜 54 絶縁膜 55 下部電極 56 シリコン窒化膜 57 酸化タンタル膜 58 多結晶酸化タンタル膜(結晶化酸化タンタル膜) 59 シリコン酸窒化膜 61 上部電極(TiN膜、TiN電極) 62 TEOS酸化膜 63 SOG膜 64、65 スルーホール 66 プラグ 67 第2層配線 68 第1酸化タンタル膜 69 第1多結晶酸化タンタル膜 70 シリコン酸窒化膜 71 第2酸化タンタル膜 72 多結晶シリコン膜 73 凹凸 74 下部電極 75 キャパシタ絶縁膜(酸化タンタル膜) 76 シリコン酸窒化膜 77 シリコン窒化膜 78 シリコン酸化膜79 TiN膜 BL ビット線 C キャパシタ J リーク電流密度 Qn nチャネル型MISFET Qp pチャネル型MISFET Qs メモリセル選択用MISFET WL ワード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 晋平 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 菅原 安浩 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 Fターム(参考) 5F083 AD10 AD24 AD48 AD56 AD61 GA06 HA02 JA06 JA35 JA38 JA39 JA40 JA56 MA06 MA17 NA01 PR40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1電極と、前記第1電極に対向して形
    成された第2電極と、前記第1および第2電極の間に形
    成されたキャパシタ絶縁膜と、を含む半導体装置の製造
    方法であって、前記キャパシタ絶縁膜の形成工程に、 誘電体膜を形成する工程と、前記誘電体膜に500〜7
    50℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰囲気で熱
    処理を施す工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法で
    あって、前記キャパシタ絶縁膜の形成工程に、 第1誘電体膜を形成する工程と、前記第1誘電体膜に5
    00〜750℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰
    囲気で熱処理を施す工程と、前記第1絶縁膜上に第2絶
    縁膜を形成する工程と、前記第2誘電体膜に500〜7
    50℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰囲気で熱
    処理を施す工程と、を含む第1の構成、または、 第1誘電体膜を形成する工程と、前記第1誘電体膜に5
    00〜750℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰
    囲気で熱処理を施す工程と、前記第1絶縁膜上に第2絶
    縁膜を形成する工程と、前記第2誘電体膜に500〜7
    50℃の温度範囲において原子状酸素を含まない雰囲気
    で熱処理を施す工程と、を含む第2の構成、 の何れかの構成を含むことを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体装置の製
    造方法であって、 多結晶シリコンからなる第1電極を形成する工程と、前
    記第1電極上にシリコン窒化膜を形成する工程とを有
    し、前記誘電体膜ならびに第1および第2誘電体膜が酸
    化タンタル膜であり、前記酸化タンタル膜の熱処理温度
    が650℃〜750℃の範囲である第1の構成、 金属または金属化合物からなる第1電極を形成する工程
    と、前記第1電極上にシリコン窒化膜を形成する工程と
    を有し、前記誘電体膜ならびに第1および第2誘電体膜
    が酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチタン
    オキサイド(BST)膜であり、前記酸化タンタル膜の
    熱処理温度が500℃〜750℃の範囲であり、前記B
    ST膜の熱処理温度が500℃〜700℃の範囲である
    第2の構成、 金属または金属化合物からなる第1電極を形成する工程
    を有し、前記誘電体膜ならびに第1および第2誘電体膜
    が酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチタン
    オキサイド(BST)膜であり、前記酸化タンタル膜の
    熱処理温度が500℃〜750℃の範囲であり、前記B
    ST膜の熱処理温度が500℃〜700℃の範囲である
    第3の構成、 の何れかの構成を有することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法で
    あって、 前記金属または金属化合物は、ルテニウム、窒化チタ
    ン、窒化タンタル、タングステン、窒化タングステン、
    白金、イリジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウムか
    ら選択された何れかの材料またはこれらの積層膜である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1電極と、前記第1電極に対向して形
    成された第2電極と、前記第1および第2電極の間に形
    成されたキャパシタ絶縁膜とを含む半導体装置であっ
    て、 前記第1電極が多結晶シリコンまたはルテニウム、窒化
    チタン、窒化タンタル、タングステン、窒化タングステ
    ン、白金、イリジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウ
    ムその他の金属もしくは金属化合物からなり、前記キャ
    パシタ絶縁膜には酸化タンタル膜またはストロンチウム
    バリウムチタンオキサイド(BST)膜が含まれ、 前記酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチタ
    ンオキサイド膜は、500〜750℃の温度範囲におい
    て原子状酸素を含む雰囲気で熱処理されたものである第
    1の構成、 前記酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチタ
    ンオキサイド膜が第1膜と前記第1膜上の第2膜との積
    層膜で構成され、前記第1膜および第2膜は500〜7
    50℃の温度範囲において原子状酸素を含む雰囲気で熱
    処理されたものである第2の構成、または、 前記酸化タンタル膜またはストロンチウムバリウムチタ
    ンオキサイド膜が第1膜と前記第1膜上の第2膜との積
    層膜で構成され、前記第1膜は500〜750℃の温度
    範囲において原子状酸素を含む雰囲気で熱処理されたも
    のであり、前記第2膜は500〜750℃の温度範囲に
    おいて原子状酸素を含まない雰囲気で熱処理されたもの
    であ第3の構成、 の何れかの構成を有することを特徴とする半導体装置。
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