JP2001223113A - フェライト磁石を含む構造物の分別方法 - Google Patents
フェライト磁石を含む構造物の分別方法Info
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Abstract
き起こす分別プラントにおける不具合を実質的に解決し
たフェライト磁石・その構造物の分別方法を提供する。 【解決手段】 フェライト磁石・その構造物を破砕する
工程および磁石動作点の内部磁界が減じられる温度に冷
却する工程を有し、この後に磁気分離する工程からなる
フェライト磁石・その構造物の分別方法とする。磁石動
作点の内部磁界が減じられる温度に冷却することにより
磁気飽和状態から不飽和状態となり冷却を解かれた際減
磁する。このため自己磁化による磁気吸着による不具合
が実質的に解消される。また、本発明によればフェライ
ト磁石が磁気回路内に置かれていても本分別方法の適用
が可能である。
Description
・その構造物の分別方法に関するものである。
公報に記載の磁石の脱磁方法である。ボンド磁石の脱磁
を低温中で脱磁界を加えることにより、脱磁を容易にす
ることを目的にしている。図中、(a)(b)は被脱磁
磁石101を脱磁するための構成を示したもので、
(b)は(a)中B方向から見た図を示す。樹脂中にフ
エライト系磁石を混入した被脱磁ボンド磁石101、を
−20℃位の低温に保ちながら、脱磁場発生ヨーク10
2、102’、励磁用巻線103を用いて外部から交番
脱磁界を加える。または、被脱磁ボンド磁石を漸減する
直流磁界中で回転させたり、漸減する回転磁界中に置
く。上記の方法によると大きな磁界を必要とせず、容易
に脱磁が行える。
サイクルプラントにおいて、フェライト磁石の自己磁化
によりプラント機器・構造体への磁気吸引付着により、
例えば、穿孔を有する分級機の孔の周辺に磁気吸着する
ことにより孔を塞ぐ等して、プラント機器の能力低下、
引いては、稼働を停止させるなどの不具合が生じてい
た。このため、フェライト磁石の有効な減磁、すなわ
ち、磁気吸着が防止できる程度に自己磁化を減じられる
方法を鋭意調査検討した結果、内部磁界が減じられる温
度に冷却する処理を行う方法が有効であることをを発見
した。
用いるか或いは磁界中で回転させるなどして脱磁を行っ
ていたが、廃電気・電子機器等のリサイクルプラントの
工程で回収、取り扱われるフェライト磁石は、大きさ、
形状など様々であり、且つ、モータ等ではフェライト磁
石がヨーク(軟磁性)と構造物を形成しヨークが磁気シ
ールド体と化すために、これらに合わせた脱磁装置を作
成することは実質的に困難である問題点があった。ま
た、本発明の対象となるフェライト磁石は取り扱われる
量が大量であるために一括して処理できる構成であるこ
とが必要であり、従来装置ではこれが実質的に困難であ
る問題点があった。
ためになされたもので、分別プラントにおける不具合、
すなわち自己磁力によるプラント構造体への吸着による
目詰まり等の発生を実質的に解消したフェライト磁石・
その構造物の分別方法を提供する。
イト磁石を含む構造物の分別方法は、フェライト磁石を
含む構造物を破砕する工程の後に磁気分離する工程を有
する分別方法であって、前記磁気分離する工程の少なく
とも前段に前記フェライト磁石の磁石動作点における内
部磁界が減じられる温度に冷却する工程を備えるもので
ある。
フェライト磁石を含む構造物の分別方法は、磁石動作点
における内部磁界が減じられる温度にフェライト磁石・
その構造物を冷却するようにしたので、それが実プラン
トの周辺温度に晒された時、冷却前に比較して自己磁化
に大きな減少が起こり、これにより、以降の工程におい
てフェライト磁石・その構造物が自己磁化によりプラン
ト機器・構造体に吸着することが実質的に解消された分
別方法となる。また、従来例のように外部から磁界を印
加する方式では、軟磁性体に囲まれたフェライト磁石を
脱磁することは軟磁性体の磁気シールド効果により困難
であるが、本発明では磁気回路を組んだ磁石についても
効果的に減磁でき上記問題点が実質的に解消できる。
い実線は、各温度におけるフェライトの減磁曲線であ
る。モータやスピーカなどの電気機器では、通常の使用
温度の範囲内におけるヒートサイクルにより性能が劣化
しないように、磁石パーミアンスPcは-20℃においても
同温度での減磁曲線における屈曲点201'以上の領域に設
定されている。このため、仮に+20℃から-20℃まで冷却
したとしても動作点はB1からB1'に移るのみで、屈曲点2
01'を超えた移動は起こらない。このことは、温度を+20
℃に戻すと再び磁石の動作点はB1に復帰することを示し
ており、減磁が起こらないので、従来はフェライト磁石
を減磁するために-20℃の冷却とともにさらに減磁磁界
を外部から印加して強制的に屈曲点を超えさせる手法を
取っていた。この手法は磁石単体の減磁には有効である
が、電気機器に組み込まれた磁石については、周囲を取
りまく軟磁性のヨーク等が外部磁界を遮蔽して効果的な
減磁が行えない問題があった。
なる低温、たとえば-150℃まで冷却することにより磁石
の減磁曲線を図中のようにより低保磁力・高残留磁化側
へシフトさせる。これにより、磁石の動作点はB1から屈
曲点201"を超えたB2に移り、その結果、不可逆的な減磁
が起り、この状態から仮に+20℃に戻すと最終的に点B3
まで減磁する。すなわち、本発明は、磁石動作点が減磁
曲線上の屈曲点を超える温度に冷却することにより不可
逆的な減磁を行うもので、外部減磁磁界を利用しないた
め、磁石が組み込まれた電気機器に対しても効果的に減
磁できる特長を有する。なお、点B3の位置は幾何学的に
次のように求めることができる。各温度における減磁曲
線上の屈曲点の接線PRと、原点Oからμoの傾きで引かれ
た線分との交点をTとし、直線TB2が+20℃の減磁曲線と
交わる点Qを求める。点Qを始点としてフェライト磁石が
もつリコイル透磁率の傾きで直線を引き、パーミアンス
線Pcとの交点をとれば、B3が求まる。このときの磁石内
部磁化の減磁率pは、点B1における磁束密度をb1、点B3
における磁束密度をb3とすれば、p=(b1−b3)/b1×10
0(%)である。
0.48cmの異方性Baフェライトを中心軸方向に着磁した後
に所定の温度に冷却処理し、低温減磁による磁気吸着能
を調べるために、これを図1に示す分級装置のドラム面
に磁気吸着させた。図1は分級装置の概略構成を示した
もので、表面に孔2を有するドラム1の投入口3に上記
被分級物を投入し、孔2の大きさに応じて被分級物が分
級される。試験ではドラム1(半径1m)を所定の回転数
で回転させて、ドラム面に吸着させた磁石の内、何%が
ドラム面から離れるか計測した。 尚、使用したBaフェ
ライトは20℃において(BH)max=3.8GOe、Br=0.4T、iHc=2
kOeの特性を有している。
で熱処理した磁石において、ドラムの回転数(rpm)と
分離率(分離量/全量×100%)の関係を調べた結果を示
す。図から、−20℃〜100℃の範囲では、実施したドラ
ム回転数(〜90rpm)の範囲において、分離率は明確な
差を示さなかった。しかし、所定の温度(本実施例では
−60℃)以下に冷却した磁石を使って調査したところ、
分離率が著しく向上することが判った。すなわち、所定
の温度以下に冷却することにより、磁石の減磁率が大き
くなり、分離が進む。
・その構造物の分別方法として、フェライト磁石・その
構造物を破砕する工程および磁石動作点における内部磁
界が減じられる温度に冷却する工程を有し、その後に磁
気分離する工程からなる構成の検討を行った。
たバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトおよ
びヨーク等が付着した構造物を利用した。図3は、分別
方法の流れを示した図で、構造物を粉砕する工程、粉砕
された構造物を熱処理(冷却)する工程、粉砕物を磁気
分離する工程を示している。破砕工程は図3に示される
ような破砕機を利用し、フィーダ(1)4から投入された
構造物は、破砕後取り出し口5に集められ、その大きさ
は概ね1cm以下の粒径となった。
機を用いて行われた。前工程で粉砕された処理材6は断
熱容器9に投入され、これに流量調整バルブ10で調整
された液体窒素11の蒸発ガスをヒータ8で加熱して所
定の温度となったことを温度計7で確認したガスを直接
吹き付ける方法で行った。
気分離機を用い行われた。フィーダ(2)12により投入
され、ベルト13で搬送された処理材のうち、フェライ
ト磁石の粉砕物はドラム16の内部円周部に設置された
磁石の磁気吸引力により吸着され、シュータ(2)15に
集められる。他方非磁性の構造物は磁性ドラムに吸着せ
ず、そのままシュータ(1)14に集められる。磁性材で
あるフェライトとヨークの分別は、フェライトは酸化鉄
が主成分で抵抗が高い、ヨークは金属鉄が主成分で抵抗
が低いことを利用した。即ち、磁性ドラムに磁気吸引さ
れて磁気選別されたフェライトとヨークの磁性材が非磁
性ドラム19から離れてシュータ(2)15に収集される
途上、交流磁界を発生する交流選別機17の磁界による
電磁誘導反発力により、ヨークは弾かれてシュータ(3)
18に収集され、一方、フェライトは実質的に電磁誘導
が無視できるためそのまま落下し、シュータ(2)15に
収集される。従って、フェライト構造物に対して、非磁
性構造物はシュータ(1)14へ、磁性構造物の内、フェ
ライト磁石はシュータ(2)15へ、ヨークはシュータ(3)
18へ収集することができた。
はフェライト磁石・その構造物を破砕機に投入した際に
自己磁化により破砕機に磁気吸着したまま出てこないも
のが有ったり、或いは、磁気分離機に投入した際に自己
磁化により鉄製のホッパーに磁気吸着して磁気選別でき
ないものが有り、磁気選別の効率が著しく低下した。
尚、フェライト磁石・その構造物に非磁性のプラスチッ
クを混合した混合物を本発明の分別方法にかけた結果、
フェライト磁石・その構造物はシュータ(2)へ、プラス
チックはシュータ(1)へ分別することができた。以上か
ら、冷却処理したフェライト磁石では自己磁力によるプ
ラント構造物への吸着が実質的に解消され、磁気分離に
より分別することができることが判明した。
後で配置することの効果確認を実施した。各温度処理さ
れたフェライトについて、破砕機に投入した全量に対し
て磁気分離器でシュータ(2)15に分別された分別量に
ついて結果を図4に示す。図において、◎、○、△およ
び×は、分別率(シュータ(2)15に分別された分別量
/破砕機に投入したフェライト磁石全量)の程度を表
し、各々、非常に良好(>80%)、良好、効果有りおよ
び不可の判定結果を示す。実験結果から、破砕後に冷却
処理する方法は破砕機に磁気吸着するものが発生するた
めに分別率が低下すること、破砕前に処理する方法と破
砕前後に処理する方法では有為差が無いことが判った。
バリウムフェライトの残留磁化および保磁力の温度依存
性を示す。この結果から、低温減磁は温度とともに徐々
に大きくなることが推測できる。この減磁により磁気分
離が利用できなくなることが考えられたが、低温処理後
放置されたフェライトでは何の磁気吸着不具合も発生し
なかった。
ライト磁石・その構造物を磁石動作点における内部磁界
が減じられる温度に冷却するように構成したので、フェ
ライト磁石・その構造物の自己磁化を効果的に減磁で
き、プラント構造体への吸着不具合の無いフェライト磁
石・その構造物の分別方法の効率が向上する効果が有
る。
観を示す図である。
関係を示す図である。
分離の各工程で利用した設備の外観を示す図である。
砕工程の位置をパラメータとした際の分別試験の結果を
示す図である。
各温度における残留磁化および保磁力を示す図である。
線と磁石動作点を示した図である。
4 フィーダ(1)、5 取り出し口、 6 処理
材、 7 温度計、 8 ヒータ、9 断熱容
器、 10 流量調整バルブ、 11 液体窒
素、12 フィーダ(2)、 13 搬送ベルト、
14 シュータ(1)、15 シュータ(2)、 1
6 磁性ドラム、 17 交流選別器、18 シュ
ータ(3)、 19 非磁性ドラム。
Claims (1)
- 【請求項1】 フェライト磁石を含む構造物を破砕する
工程の後に磁気分離する工程を有する分別方法であっ
て、前記磁気分離する工程の少なくとも前段に前記フェ
ライト磁石の磁石動作点における内部磁界が減じられる
温度に冷却する工程を備えることを特徴とするフェライ
ト磁石を含む構造物の分別方法。
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