JP3307443B2 - 磁性粉体の選別方法 - Google Patents

磁性粉体の選別方法

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JP3307443B2 JP33370092A JP33370092A JP3307443B2 JP 3307443 B2 JP3307443 B2 JP 3307443B2 JP 33370092 A JP33370092 A JP 33370092A JP 33370092 A JP33370092 A JP 33370092A JP 3307443 B2 JP3307443 B2 JP 3307443B2
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    • B03SEPARATION OF SOLID MATERIALS USING LIQUIDS OR USING PNEUMATIC TABLES OR JIGS; MAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
    • B03CMAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
    • B03C1/00Magnetic separation
    • B03C1/02Magnetic separation acting directly on the substance being separated
    • B03C1/04Magnetic separation acting directly on the substance being separated with the material carriers in the form of trays or with tables
    • B03C1/06Magnetic separation acting directly on the substance being separated with the material carriers in the form of trays or with tables with magnets moving during operation

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  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性粉体中の磁性粒子
をそれぞれの磁気特性に応じて選別する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32MG
Oeのものが量産されている。しかし、このものはSm、
Coの原料価格が高いという欠点を有する。希土類元素
の中では原子量の小さい元素、例えば、セリウムやプラ
セオジム、ネオジムは、サマリウムよりも豊富にあり価
格が安い。また、FeはCoに比べ安価である。そこ
で、近年、Nd−Fe−B等のR−Fe−B系磁石が開
発され、特開昭60−9852号公報では高速急冷法に
よるものが開示されている。
【0003】高速急冷法により製造された磁石は、圧粉
磁石などのバルク状磁石に適用される他、磁石粒子が樹
脂や非磁性金属のバインダ中に分散されたボンディッド
磁石としても用いられる。バルク状磁石は一般に硬くて
脆いという欠点を有するが、ボンディッド磁石は軽く弾
性があり、欠けや割れがなく、複雑な形状の成型が容易
であり量産性に優れるため、用途は拡大の傾向にある。
【0004】高速急冷法では、通常、単ロール法や双ロ
ール法が用いられる。これらの方法では、合金溶湯を冷
却ロールの周面に接触させて急冷し、薄帯状や薄片状の
急冷合金を得るが、急冷合金は部位によって冷却速度が
異なるため、結晶粒径にばらつきが生じる。このため、
急冷合金を粉砕して得られる磁石粉体も、磁気特性のば
らついた磁石粒子から構成されることになる。したがっ
て、高速急冷法を用いて磁気特性が良好でそのばらつき
の小さいボンディッド磁石やバルク状磁石を得るために
は、磁石粒子を磁気特性に応じて選別する必要が生じ
る。また、結晶粒界を構成する非磁性のRリッチ成分が
粉体中に混入しているため、高磁気特性を得るためには
これを除去することが好ましい。
【0005】磁性粒子を磁気特性に応じて選別すること
は、R−Fe−B系磁石に限らず他の希土類磁石やフェ
ライト磁石などにおいても有用であり、また、磁気記録
媒体用の磁性粒子や軟磁性粒子についても適用し得る。
【0006】磁性粒子の磁気選別については、例えば特
開昭64−15317号公報や特開平4−161258
号公報に開示がある。
【0007】特開昭64−15317号公報では、磁気
エネルギー積の比較的高い材料と比較的低い材料とを、
磁気的に分離する方法が開示されている。この方法で
は、完全磁化時の磁性の低い画分(過剰急冷材料)を磁
化できる程度に高く、しかし完全磁化時の磁性の高い画
分の実質的な磁化を回避できる程度に低い磁界を印加す
ることにより、両者を磁気的に分離する方法が開示され
ている。具体的には、磁気的分離手段としてマグネット
プーリなどを用いる。この方法では、粒子混合物をベル
トに載せて、磁化プーリ、アイドラ、ホイールなどの磁
化回転面まで搬送する。ベルトは回転面手段の周囲を走
行する。ベルトが回転面手段の周囲を通過するにしたが
って、誘導磁気の低い材料はベルトおよび磁化回転面手
段から自重により回収手段の中に落下する。これに対し
て誘導磁気の高い材料は、磁化ローラ手段に向かう吸着
力が働くためベルトと接触したまま残り、ベルトが磁化
ローラ手段の磁界を過ぎたところまで粒子を移動させた
時、初めて自重等によってベルトから強制的に除去され
る。また、この他、ベルト上の粒状材料の流れに近接し
て電磁石を配置し、誘導磁気の低い材料は通過させ、誘
導磁気の高い材料は電磁石の表面に収集する方法も開示
されている。
【0008】しかし、ベルトに載せられた磁性粉体中で
は、低磁化粒子が高磁化粒子群に挟み込まれるように力
学的に保持されていることがあるので、正確な選別を行
なうことが困難である。また、低磁界強度における磁化
が微妙に異なる粒子同士、すなわち初期磁化曲線の微妙
に異なる粒子同士を分離することも困難である。これ
は、ベルトに載せられた磁性粉体が厚くしかも厚さが不
均一であり、粉体の底部と頂部とで各粒子に印加される
磁界強度が等しくならないからである。
【0009】特開平4−161258号公報には、回転
する円筒体の内側半分に永久磁石を配置し、上部から落
下する原料を磁着分と非磁着分に分離する磁選機におい
て、永久磁石を軸方向に平行で円周方向にN極とS極が
交互になるように配置し、しかも円筒体の表面磁束密度
を3500ガウス以上とした磁選機が開示されている。
この磁選機では、非磁着分はそのまま落下し、磁着分は
永久磁石に吸引されて円筒体に付着した状態で下方に移
動する。同公報では、ブラウン管の破砕物に含まれる周
囲にガラスの付着したアノードボタン等のように、従来
の磁選機では選別できなかったものまで選別することを
目的としている。すなわち、この磁選機は、磁性体と非
磁性体とを選別するために利用されるものであり、磁性
体をその磁気特性に応じて選別するためのものではな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁性粉体の
正確な磁気選別が可能な方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(3)の本発明により達成される。 (1) 磁性粉体中の各磁性粒子を磁化率の違いに応じ
て選別する方法であって、基体の裏面側に異極が隣接す
るように磁極列を設け、前記基体の表面側に磁性粉体を
載せ、前記磁極列を前記基体に対し異極が隣接する方向
に相対的に移動させることにより前記磁性粒子を不完全
に磁化させて前記基体表面において回転移動させ、この
回転移動により前記基体表面に前記磁性粉体からなる薄
層をほぼ均一な厚さに形成して前記薄層中の各磁性粒子
にほぼ等しい強度の磁界を印加し、そして、磁化率の低
い磁性粒子を基板表面から落下させるとともにそれ以外
を基体表面に残すことで、各磁性粒子の磁化率の違いに
応じた磁気選別を行なうことを特徴とする磁性粉体の選
別方法。 (2) 前記基体が円筒状であり、前記磁極列が前記基
体の内周面の内側に円筒状に設けられており、異極が隣
接する方向が周方向であって、前記磁極列を前記基体に
対し相対的に回転させる上記(1)の磁性粉体の選別方
法。 (3) 前記磁性粉体が磁石粉末である上記(1)また
は(2)の磁性粉体の選別方法。
【0012】
【作用および効果】基体表面に載せられた磁性粉体中の
磁性粒子は、基体の裏面側に設けられた磁極列により、
各粒子固有の初期磁化曲線に応じて磁化される。このと
きの磁化は不完全であり、磁界を取り去るとほぼ消滅す
る程度のものである。基体表面に磁着可能な程度に磁化
されている磁性粒子は、磁極列が基体に対して相対的に
移動すると、磁束の流れの方向変化に沿って自転する。
このときの自転軸は、基体表面にほぼ平行である。この
自転により、磁性粒子は磁極列の移動方向と逆側に移動
する。磁性粒子のこのような回転移動により、基体表面
において磁性粉体は薄層化する。基体表面の磁性粉体が
厚くその厚さが不均一であると、各磁性粒子に印加され
る磁界強度は大きく異なってしまうが、上記のように薄
層化することにより各磁性粒子にほぼ等しい強度の磁界
が印加されるようになる。このため、各磁性粒子をほぼ
同一強度の磁界中で磁化することができるので、初期磁
化曲線の微妙に異なる各磁性粒子に、それぞれの初期磁
化曲線に対応した微妙に異なる磁化を与えることができ
る。このとき、基体表面を重力方向に対して傾斜させて
あれば、基体表面に磁着可能な程度に磁化されている磁
性粒子は基体表面に残り、磁化率がそれよりも低い磁性
粒子は基体表面から落下するため、それぞれの磁気特性
に応じた正確な磁気分離を行なうことが可能となる。
【0013】このようにして選別した後、基体表面にお
ける磁界強度を変えて、選別された各磁性粉体に対して
上記工程を繰り返すことにより、さらに細かい磁気選別
を行なうことができる。基体は、例えば図1に示される
ような円筒状や、図2に示されるような平板状など、各
種形状のものが使用可能である。
【0014】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0015】本発明に用いる磁気選別装置の構成例を、
図1および図2に示す。
【0016】図1に示される装置は、基体として円筒状
のスリーブ21を有し、スリーブ21内周面の内側に、
磁極列として円筒状磁石31を有する。この円筒状磁石
31は表面多極磁石であり、異極が周方向に並んでい
る。
【0017】スリーブ21および円筒状磁石31はそれ
ぞれ図示しない駆動装置に連結されており、スリーブ2
1が時計回り方向に回転し、円筒状磁石31が反時計回
り方向に回転する構成となっている。
【0018】磁性粉体の薄層化に適した磁性粒子の回転
を生じさせるためには、磁性粒子の径に応じて隣り合う
磁極同士の距離を適宜設定する必要がある。磁性粒子の
回転に実際に影響するのは、スリーブ21外周面におけ
る極性の反転間隔および磁性粒子の径なので、極性反転
間隔(スリーブ21表面の各磁極の投影像の間隔)と磁
性粒子径とを適当な値に設定する。回転移動を円滑に行
なわせるためには、極性反転間隔は、磁性粒子の平均径
の2倍以上とすることが好ましい。実際には、極性反転
間隔は、好ましくは1mm以上、より好ましくは5mm以上
とする。これは、極性反転間隔が短すぎると磁気回路の
制約から所望の強度の磁界を得ることが困難となるため
である。また、磁性粒子の平均径は特に限定されない
が、通常、0.5〜1000μm 、特に2〜500μm
とすることが好ましい。このような場合、極性反転間隔
は好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下と
する。極性反転間隔が長すぎると、スリーブ上の磁界強
度分布を表わす曲線がサインカーブ状から大きくはず
れ、曲線の山部に凹みが生じる傾向にある。磁性粒子は
この凹みの位置で回転が停止し、磁極と共に移動するよ
うになるため、回転移動の効率が低下する。
【0019】なお、磁性粉体を粒度分級した後、粒度に
合わせた極性反転間隔を有する磁気選別装置を用いれ
ば、より良好な磁気選別が可能となる。
【0020】また、磁極列の移動により効率のよい回転
移動を生じさせるためには、磁性粒子は形状異方性を有
することが好ましく、例えば鱗片状や針状などが好まし
い。
【0021】磁極列の極数は、上記した磁極間距離が得
られるようにスリーブ21や円筒状磁石31の寸法に応
じて決定すればよいが、通常、4〜32極程度の範囲か
ら選択することが好ましい。また、スリーブ21の寸法
にも特に制限はないが、通常、軸方向長さ50〜100
0mm、直径7〜80mmの範囲から選択することが好まし
い。
【0022】図示される磁気選別装置では、作用の項で
述べたように回分処理が行なわれる。すなわち、スリー
ブ21の頂部に磁性粉体10を適当量載せ、円筒状磁石
31をスリーブ21に対し相対的に回転させることによ
り、磁化されている磁性粒子を回転移動させて磁性粉体
を薄層化し、スリーブ21に磁着しなかった磁性粒子を
スリーブ表面から落下させ、トレイ12に回収する。こ
のような回分処理において、一回当たりの磁性粉体の供
給量はスリーブ21の長さや直径などに応じて適宜決定
すればよいが、好ましくは0.5〜200g 程度、より
好ましくは2〜50g 程度である。一回分の磁性粉体全
量をスリーブ頂部に供給してもよいが、薄層化を容易に
するためには少量づつ連続的ないし断続的に供給するこ
とが好ましい。
【0023】なお、磁性粉体10をスリーブ21頂部に
載せた後、スクレーパ11などにより磁性粉体の厚さを
規制することが好ましい。スリーブ21頂部に載せる際
に磁性粉体の厚さを規制することにより、磁性粉体の薄
層化が迅速に行なわれるようになる。
【0024】回転移動はするが磁着していない磁性粒子
は、磁界による力を重力が上回った位置でスリーブ21
表面から落下し、また、非磁性粒子もスリーブの回転に
より落下するが、磁性粉体の薄層化が不十分であると本
来磁着するはずの磁性粒子が落下することがある。この
ため、落下して回収された磁性粉体を繰り返しスリーブ
頂部に供給することにより、歩留りを高める構成として
もよい。
【0025】また、薄層化が不十分であると、本来落下
するはずの低磁化粒子や非磁性粒子などが高磁化粒子群
に挟まれるように力学的に保持されていて落下しないこ
とがあるので、十分に薄層化が進行するまでスリーブ2
1と円筒状磁石31の相対的回転を続けることが好まし
い。
【0026】なお、落下してトレイ12に回収された粉
体中から非磁性粒子を除去するために、このような磁気
選別後に、必要に応じて比較的高強度の磁界による磁気
選別を行なうことが好ましい。
【0027】スリーブ21表面に形成される磁性粉体の
薄層の厚さは、2〜1000μm 程度であることが好ま
しい。この薄層中において、磁性粒子は好ましくは10
層以下、より好ましくは5層以下、最も好ましくは1層
であることがよい。すなわち磁性粒子は積層されていな
いことが最も好ましい。なお、薄層中において磁性粒子
が積層されている場合、通常、磁性粒子は凝集した2次
粒子として回転移動する。
【0028】図示例では、スリーブ21と円筒状磁石3
1とが逆方向に回転する構成となっているが、磁着粒子
を回転させながら移動させ、かつ非磁着粒子を効率的に
落下させるためには、円筒状磁石31がスリーブ21に
対し相対的に回転し、かつ少なくともスリーブ21が回
転する構成であればよいので、図示例の他、両者が同方
向に回転する構成やスリーブ21だけが回転する構成の
いずれであってもよい。ただし、両者が同方向に回転す
る場合には、スリーブ表面で回転移動する磁性粒子が見
掛け上移動しない場合が生じ得るので、その場合には少
なくとも一方の回転速度を変更することが好ましい。ま
た、スリーブ21が回転しない構成としてもよいが、こ
の場合、粒子がスリーブの下側表面を通過する回数が減
少するため、非磁性粒子や低磁化粒子を落下させる効率
が低くなる。
【0029】これらのうち、最も好ましい態様は、スリ
ーブおよび円筒状磁石が互いに逆方向に回転し、スリー
ブの回転速度が円筒状磁石の回転速度よりも低い場合で
ある。この態様では、スリーブ回転による遠心力の影響
が少なく、しかも、磁性粉体薄層化の効率がよくなる。
【0030】磁性粒子を円滑に回転移動させるために
は、スリーブ21表面における極性反転点の移動速度を
好ましくは0.2〜100cm/sec 、より好ましくは2
〜50cm/sec とする。スリーブ表面における磁性粒子
の移動速度は、極性反転点の移動速度や、磁性粒子の寸
法、形状などによって変化するが、好ましくは5〜50
0mm/min 、より好ましくは25〜250mm/min であ
る。
【0031】スリーブ21の回転速度および円筒状磁石
31の回転速度は、上記した極性反転点の移動速度が好
ましい範囲に収まるように適宜決定すればよいが、スリ
ーブの回転速度は、通常、2〜120rpm 、特に20〜
60rpm 程度とすることが好ましい。スリーブ21の回
転速度が低すぎると非磁着粒子の滑落が円滑に行なわれ
なくなる傾向にあり、回転速度が高すぎると磁着してい
る粒子が遠心力の影響を受けて落下するおそれがある。
円筒状磁石31の回転速度は、スリーブと円筒状磁石と
が逆方向に回転する場合には、10〜1000rpm 程度
とすることが好ましい。
【0032】スリーブ21表面における磁界強度は、選
別する磁性粉体の種類および選別の段階に応じて適宜設
定すればよい。本発明では、スリーブ21表面において
磁性粒子が回転可能に磁着する程度の磁界強度とする必
要があり、磁性粉体の種類によっても異なるが、通常、
5〜5000G の範囲から選択され、好ましくは50〜
700G の範囲から選択する。磁界強度が強すぎると、
磁性粒子がスリーブ21表面に強力に磁着して上記した
ような回転移動が不可能となり、また、磁性粒子が不可
逆的に磁化されて凝集し、その後の処理が困難となる。
【0033】スリーブ21に磁着している磁性粒子は、
スリーブ21から円筒状磁石31を引き抜くなどの手段
により、スリーブ21表面の磁界強度をゼロとするか減
少させて回収することができる。
【0034】なお、図示例では表面多極円筒状磁石31
により磁極列を構成しているが、異極が交互に並ぶもの
であればどのような磁石であってもよい。例えば、図示
例のような円筒状磁石の一部を切り欠いた円弧状断面の
磁石を用いてもよい。ただし、このような磁石を用いた
場合、磁性粉体の薄層化の効率が低下し、また、薄層化
が不十分となりやすい。
【0035】スリーブ21は、磁性粒子の上記したよう
な回転移動が可能となるように、通常、非磁性材料、例
えば、Al、Cu、黄銅等の各種非磁性金属や各種非磁
性セラミックス、プラスチックなどから構成されるが、
これらの他、弱磁性材料も用いることができる。弱磁性
材料としては、磁極列からの磁界で容易に飽和してスリ
ーブ表面に十分な漏洩磁束を出せるものであり、例えば
弱磁性ステンレスなどが挙げられる。
【0036】スリーブ21と円筒状磁石31との距離は
特に限定されず、スリーブ表面において必要とされる磁
界強度に応じて適宜設定すればよい。
【0037】本発明で用いる基体は、図1の円筒状に限
らず、例えば図2に示されるような平板状であってもよ
い。
【0038】図2に示される磁気選別装置は、基体とし
て平板状の基板22を有し、基板22の裏面側に、磁極
列としてベルト状のゴム磁石32を有する。基板22表
面は重力方向に対して角度θだけ傾斜しており、ゴム磁
石32はその表面が基板22表面にほぼ平行となるよう
に配設されている。ゴム磁石32は、図示しない駆動装
置により異極の並ぶ方向(図中右側から左側)に移動す
る構成となっており、移動方向は重力方向に対しほぼ垂
直である。
【0039】この磁気選別装置では、選別対象の磁性粉
体を図中の基板22表面の左上隅部に載置ないし供給す
る。ゴム磁石32は異極の並ぶ方向(図中右側から左
側)に移動しているので、ゴム磁石32によって基板2
2に磁着可能な程度に磁化された磁性粒子は、基板22
表面を図中左側から右側に回転しながら移動して粉体が
薄層化され、基板22の右隅部に達したところで移動が
停止するが、ここに集まった粉体が厚くなると、上部の
磁性粒子に印加される磁界の強度が減少するため、集ま
った粉体から磁性粒子が滑落する。このため、粉体の供
給量が適当となるように制御し、また、滑落した粒子の
再選別を行なうことが好ましい。
【0040】一方、粉体中の非磁性粒子や低磁化粒子
は、基板22が重力方向に対し傾斜しているので、傾斜
方向に滑落するか、あるいは図中右方向の速度成分をも
ちながら滑落する。粉体中では、基板22表面に磁着し
ている高磁化粒子群に非磁性粒子や低磁化粒子が力学的
に保持されていることがあるが、粉体の薄層化が進むに
したがって粉体中に保持されていた非磁性粒子や低磁化
粒子も滑落し、基板22右隅部には実質的に高磁化粒子
だけが集積する。
【0041】基板22の材質、基板表面における極性反
転間隔や極性反転点の移動速度等の各種条件などは、図
1の構成例に準じて考えればよい。また、基板22の傾
斜角度θは、磁性粒子の寸法や形状、供給量などに応じ
て適宜決定すればよい。
【0042】本発明は、R−Fe−B系磁石等の希土類
磁石やフェライト磁石などの各種磁石材料粒子の選別に
好適であり、磁気記録媒体用の金属磁性粒子や酸化物磁
性粒子などの選別にも好適である。また、軟磁性粒子の
選別にも適用することができる。
【0043】なお、R−Fe−B系磁石などでは、一般
に、低磁界強度における磁化率の低い磁性材料ほど保磁
力が高く最大エネルギー積が高くなる。すなわち、初期
磁化曲線の立ち上がりが低いものほど磁石特性が高くな
る。このため、通常は粉体中の低磁化粒子の純度を向上
させるために磁気選別を行なうが、本発明では低磁化粒
子と高磁化粒子とをいずれもシャープに選別でき、低磁
化粒子も高磁化粒子も歩留りよく回収することができる
ので、R−Fe−B系磁石のような特性を有する磁石粉
体に限らず、軟磁性粉体など様々な特性の磁性粉体の選
別に好適である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0045】12.5Nd−6B−5Co−76.5F
eの組成(数値は原子百分率を表わす)を有する合金イ
ンゴットをアーク溶解により作製した。得られた合金イ
ンゴットを石英ノズルに入れ、高周波誘導加熱により溶
湯とした。この溶湯を片ロール法により急冷し、フレー
ク状永久磁石材料を製造した。急冷はArガス雰囲気で
行なった。
【0046】この永久磁石材料をピンミルにより粉砕
し、平均粒径170μm の磁石材料粉体を得た。粉体を
構成する磁性粒子は、鱗片状であった。
【0047】次に、図1に示される構成の磁気選別装置
により、前記粉体を磁気選別した。磁気選別装置の各部
の寸法および条件は下記の通りとした。
【0048】<スリーブ21> 材質:Al 外径:30mm 内径:28mm 長さ:300mm 回転速度:20rpm
【0049】<円筒状磁石31> 材質:フェライト磁石 直径:26mm 長さ:300mm 極数:12極 回転速度:200rpm (スリーブと逆方向に回転)
【0050】スリーブ表面における極性反転間隔は7.
85mmであり、スリーブ表面における磁界強度は400
G であった。また、粉体の供給量は、一回あたり5g と
し、スリーブ頂部に少量づつ供給し、スクレーパにより
厚さを規制した。
【0051】磁気選別中には、スリーブ表面において磁
性粒子が自転しながら移動していることが、ルーペを用
いて目視により確認された。このときの自転軸は、スリ
ーブ表面にほぼ平行であった。
【0052】粉体供給後、スリーブが500回転するま
でに、粉体はスリーブ表面で厚さ約200μm まで薄層
化した。実体顕微鏡による観察の結果、薄層中において
粒子は殆ど重なっておらず、1層構成であることが確認
された。
【0053】次いで、スリーブから円筒状磁石を引き抜
いて、スリーブ表面に磁着していた粉体を回収し、その
磁気特性を測定した。また、スリーブ表面から落下して
トレイに回収された粉体についても磁気特性を測定し
た。その結果、磁着していた粉体は Br :8700G 、 iHc :9500 Oe 、 (BH)max :14.8MGOe であり、一方、落下した粉体は Br :7700G 、 iHc :8300 Oe 、 (BH)max :11.5MGOe であり、特性差の小さい磁性粒子が極めて正確に選別さ
れていたことが確認された。
【0054】比較のために、スリーブ表面の磁界強度を
6000G とした以外は上記と同様にして磁気選別を試
みたところ、スリーブ表面に磁着した粒子は上記したよ
うな回転移動はせず、その一部はスリーブ表面の面内に
おいて自転(自転軸がスリーブ表面に垂直)していた
が、スリーブ表面における位置の変化は殆ど認められな
かった。また、磁着した粒子の一部は2次粒子を形成
し、磁極の移動に伴なってスリーブ表面を移動してい
た。これは、2次粒子内において閉磁路が形成されてい
たためと考えられる。そして、スリーブ表面から落下し
た粒子は微量の非磁性粒子だけであり、磁気特性に応じ
た選別は不可能であった。
【0055】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる磁気選別装置の構成例を示す断
面図である。
【図2】本発明に用いる磁気選別装置の構成例を示す斜
視図である。
【符号の説明】
10 磁性粉体 11 スクレーパ 12 トレイ 21 スリーブ 22 基板 31 円筒状磁石 32 ゴム磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−28041(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B03C 1/00 - 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉体中の各磁性粒子を磁化率の違い
    に応じて選別する方法であって、基体の裏面側に異極が
    隣接するように磁極列を設け、前記基体の表面側に磁性
    粉体を載せ、前記磁極列を前記基体に対し異極が隣接す
    る方向に相対的に移動させることにより前記磁性粒子を
    不完全に磁化させて前記基体表面において回転移動さ
    せ、この回転移動により前記基体表面に前記磁性粉体か
    らなる薄層をほぼ均一な厚さに形成して前記薄層中の各
    磁性粒子にほぼ等しい強度の磁界を印加し、そして、磁
    化率の低い磁性粒子を基板表面から落下させるとともに
    それ以外を基体表面に残すことで、各磁性粒子の磁化率
    の違いに応じた磁気選別を行なうことを特徴とする磁性
    粉体の選別方法。
  2. 【請求項2】 前記基体が円筒状であり、前記磁極列が
    前記基体の内周面の内側に円筒状に設けられており、異
    極が隣接する方向が周方向であって、前記磁極列を前記
    基体に対し相対的に回転させる請求項1の磁性粉体の選
    別方法。
  3. 【請求項3】 前記磁性粉体が磁石粉末である請求項1
    または2の磁性粉体の選別方法。
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