JPH11253882A - 磁性粉末の選別方法 - Google Patents

磁性粉末の選別方法

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JPH11253882A
JPH11253882A JP10078298A JP7829898A JPH11253882A JP H11253882 A JPH11253882 A JP H11253882A JP 10078298 A JP10078298 A JP 10078298A JP 7829898 A JP7829898 A JP 7829898A JP H11253882 A JPH11253882 A JP H11253882A
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magnetic
powder
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particles
magnetic field
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JP10078298A
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Eiji Kato
英治 加藤
Akira Fukuno
亮 福野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性粉末の正確な磁気選別を可能とする。 【解決手段】 磁性粉末から磁性粒子を磁化率に応じて
選別する方法であって、粒径に基づいて分級する粒度分
級工程と、磁気特性に基づいて選別する磁気選別工程と
をこの順で設け、粒度分級工程において前記磁性粉末を
2つの粒度分画に分けるに際し、一方の粒度分画の平均
粒径をD1、他方の粒度分画の平均粒径をD2、分級前の
前記磁性粉末の平均粒径をD0としたとき、D1/D0
0.4〜0.7(ただし、D1<D2)となるように分級
し、磁気選別工程において、前記2つの粒度分画それぞ
れを、磁気特性に基づいて選別する磁性粉末の選別方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粉末中の磁性
粒子をそれぞれの磁気特性に応じて選別する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高性能を有する希土類磁石としては、粉
末冶金法によるSm−Co系磁石でエネルギー積32MG
Oeのものが量産されている。しかし、このものはSm、
Coの原料価格が高いという欠点を有する。希土類元素
の中では原子量の小さい元素、例えば、セリウムやプラ
セオジム、ネオジムは、サマリウムよりも豊富にあり価
格が安い。また、FeはCoに比べ安価である。そこ
で、近年、Nd−Fe−B等のR−Fe−B系磁石が開
発され、特開昭60−9852号公報では液体急冷法に
よるものが開示されている。
【0003】液体急冷法を利用して製造された磁石粉末
は、圧粉磁石などのバルク状磁石に適用される他、磁石
粒子が樹脂や非磁性金属のバインダ中に分散されたボン
ディッド磁石としても用いられる。バルク状磁石は一般
に硬くて脆いという欠点を有するが、ボンディッド磁石
は軽く弾性があり、欠けや割れがなく、複雑な形状の成
形が容易であり量産性に優れるため、用途は拡大の傾向
にある。
【0004】液体急冷法では、通常、単ロール法や双ロ
ール法が用いられる。これらの方法では、合金溶湯を冷
却ロールの周面に接触させて急冷し、薄帯状や薄片状の
急冷合金を得るが、急冷合金は部位によって冷却速度が
異なるため、結晶粒径にばらつきが生じる。このため、
急冷合金を粉砕して得られる磁石粉末も、磁気特性のば
らついた磁石粒子から構成されることになる。したがっ
て、液体急冷法を利用する場合、磁気特性が良好でその
ばらつきの小さいボンディッド磁石やバルク状磁石を得
るためには、磁石粒子を磁気特性に応じて選別する必要
が生じる。また、R−Fe−B系磁石では、結晶粒界を
構成する非磁性のRリッチ成分が粉末中に混入している
ため、高磁気特性を得るためにはこれを除去することが
好ましい。
【0005】磁性粒子をその磁気特性に応じて選別する
ことは、R−Fe−B系磁石に限らず、他の希土類磁石
やフェライト磁石などにおいても有用であり、また、磁
気記録媒体用の磁性粒子や軟磁性粒子についても適用し
得る。
【0006】磁性粒子の磁気選別については、例えば特
開昭64−15317号公報に開示がある。同公報に
は、磁気エネルギー積の比較的高い材料と比較的低い材
料とを、磁気的に分離する方法が開示されている。具体
的には、完全磁化時の磁性の低い過剰急冷材料を磁化で
きる程度に高く、しかし完全磁化時の磁性の高い材料の
実質的な磁化を回避できる程度に低い磁界を印加するこ
とにより、両者を磁気的に分離する方法が開示されてい
る。磁気的分離手段としては、マグネットプーリなどを
用いる。この方法では、粒子混合物をベルトに載せて、
磁化プーリ、アイドラ、ホイールなどの磁化回転面まで
搬送する。ベルトは回転面手段の周囲を走行する。ベル
トが回転面手段の周囲を通過するにしたがって、誘導磁
気の低い材料はベルトおよび磁化回転面手段から自重に
より回収手段の中に落下する。これに対して誘導磁気の
高い材料は、磁化ローラ手段に向かう吸着力が働くため
ベルトと接触したまま残り、ベルトが磁化ローラ手段の
磁界を過ぎたところまで粒子を移動させた時、初めて自
重等によってベルトから強制的に除去される。また、こ
の他、ベルト上の粒状材料の流れに近接して電磁石を配
置し、誘導磁気の低い材料は通過させ、誘導磁気の高い
材料は電磁石の表面に収集する方法も開示されている。
【0007】しかし、特開昭64−15317号公報記
載の方法では、ベルトに載せられた磁性粉末中におい
て、低磁化粒子が高磁化粒子群に挟み込まれるように力
学的に保持されていることがあるので、正確な選別を行
なうことが困難である。また、低磁界強度における磁化
が微妙に異なる粒子同士、すなわち初期磁化曲線の微妙
に異なる粒子同士を分離することも困難である。これ
は、ベルトに載せられた磁性粉末が厚くしかも厚さが不
均一であり、粉末の底部と頂部とで各粒子に印加される
磁界強度が等しくならないからである。
【0008】しかも、上記特開昭64−15317号公
報に開示されている方法は、磁気選別のための磁界強度
が固定されているため、磁気特性別に細かく分けるため
には磁界強度を変更して再び磁気選別する必要があり、
連続的な処理が不可能で効率が低い。
【0009】これに対し、本出願人による特開平6−1
54647号公報では、上記特開昭64−15317号
公報に記載された方法の問題点がほぼ解消され、正確な
選別が連続的に行える磁気選別装置を提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性
粉末の正確な磁気選別を可能とすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)または(2)の本発明により達成される。 (1) 磁性粉末から磁性粒子を磁化率に応じて選別す
る方法であって、粒径に基づいて分級する粒度分級工程
と、磁気特性に基づいて選別する磁気選別工程とをこの
順で設け、粒度分級工程において前記磁性粉末を2つの
粒度分画に分けるに際し、一方の粒度分画の平均粒径を
1、他方の粒度分画の平均粒径をD2、分級前の前記磁
性粉末の平均粒径をD0としたとき、 D1/D0=0.4〜0.7 (ただし、D1<D2)となるように分級し、磁気選別工
程において、前記2つの粒度分画それぞれを、磁気特性
に基づいて選別する磁性粉末の選別方法。 (2) 前記磁気選別工程において、非磁性または弱磁
性の基体の表面に磁性粉末を供給し、前記基体の表面に
おいてほぼ一定間隔で磁界の極性が反転しかつ極性反転
部が異極の並ぶ方向に移動しかつ前記基体表面における
磁界強度が前記極性反転部の移動方向基端側から末端側
に向かって漸次または段階的に増加するように前記基体
の裏面側から磁界を印加することにより、前記磁性粉末
中の磁性粒子を不完全に磁化させて前記基体表面におい
て低磁界強度側に回転移動させ、この回転移動により前
記基体表面に磁性粉末の薄層をほぼ均一な厚さに形成す
ることによって各磁性粒子に前記基体表面における磁界
強度に対応した磁化を与え、回転移動に伴なって各粒子
の磁化が減少することを利用して、磁気特性に応じた磁
性粒子の選別を行う上記(1)の磁性粉末の選別方法。
【0012】
【作用および効果】本発明は、上記した特開昭64−1
5317号公報および特開平6−154647号公報に
記載されているような磁気選別方法に適用した場合に、
磁性粉末の選別精度がさらに向上する方法を提供する。
【0013】本発明では、磁気選別工程の前に粒度分級
工程を設け、この工程において磁性粉末を2つの粒度分
画に分級する。この粒度分級工程では、小径粒子を含む
一方の粒度分画の平均粒径が、分級前の磁性粉末の平均
粒径に対し所定の比率となるように、分級条件を設定す
る。この粒度分級の後、磁気選別工程において上記2つ
の粒度分画を独立して磁気選別し、各粒度分画において
低特性粒子を排除する。そして、上記2つの粒度分画か
らそれぞれ選別された高特性粉末を混合し、これを磁石
粉末またはその前駆体として用いる。なお、この場合の
前駆体とは、例えばSm−Fe−N系希土類窒化磁石を
製造する際の窒化前の合金粉末などを意味する。Sm−
Fe−N系希土類窒化磁石は、Sm2Fe17結晶にNが
侵入型に固溶した構造をもち、理論的にはNd−Fe−
B系磁石を超える特性が期待される磁石である。
【0014】このように、粒度分級によって得た所定の
2つの粒度分画に対し、独立して磁気選別を行うことに
より、選別された高特性粉末中への低特性粒子の混合お
よび排除される低特性粉末中への高特性粒子の混合が抑
えられる。したがって本発明では、高特性の磁石粉末が
安定して得られると共に歩留まりが向上する。
【0015】なお、上記特開平6−154647号公報
には、磁性粉末を粒度分級した後、粒度に合わせた極性
反転間隔を有する磁気選別装置を用いれば、より良好な
磁気選別が可能となる旨の記載がある。しかし同公報に
は、粒度分級の具体的基準は記載されておらず、粒度分
級後に磁気選別を行った実施例はない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における粒度分級工程で
は、磁性粒子をその粒径に基づいて分級し、2つの粒度
分画を得る。粒度分級に際しては、小粒径の磁性粒子を
含む粒度分画の平均粒径をD1とし、分級前の磁性粉末
の平均粒径をD0としたとき、 D1/D0=0.4〜0.7 となるように分級する。なお、他方の粒度分画の平均粒
径をD2とすると、D1<D2である。D1/D0が大きす
ぎると、上記一方の粒度分画の粒度分布がブロードにな
りすぎるため、粒度分級工程を設けたことによる効果が
不十分となる。一方、D1/D0が小さすぎると、上記他
方の粒度分画の粒度分布がブロードとなりすぎるため、
やはり粒度分級工程を設けたことによる効果が不十分と
なる。
【0017】本明細書における平均粒径は、篩別により
求められた重量平均粒径D50を意味する。重量平均粒径
50は、例えば篩分級により得た粒度分画を、径の小さ
なほうから加算していって、その合計重量が全粒子の合
計重量の50%となったときの粒径、すなわち粒度分布
グラフにおける累積頻度である。D50を求める際に、各
粒度分画の最大粒径と最小粒径との差△Dは特に限定さ
れないが、D50を含む粒度分画の△Dは5〜15μm程
度であることが好ましい。
【0018】粒度分級手段は特に限定されないが、篩を
用いることが好ましい。分級に用いる篩の目の開きは、
1/D0が上記範囲となるように適宜設定すればよい。
なお、篩以外の手段を用いる場合でも、D1/D0が上記
範囲となるように条件を設定すれば、本発明の効果は実
現する。
【0019】粒度分級工程に続く磁気選別工程では、上
記粒度分級工程において得られた2つの粒度分画のそれ
ぞれについて、磁性粒子をその磁気特性に基づいて選別
する。すなわち、上記2つの粒度分画を独立して磁気的
に選別する。
【0020】本発明における磁性粉末とは、前述したよ
うに磁石粉末またはその前駆体を意味する。磁性粉末
は、通常、合金インゴットの粉砕や、アトマイズ法、液
体急冷法などにより製造される。なお、アトマイズ法と
は、溶湯状合金をガスや水などにより急速に冷却して粒
状等の合金を得る方法であり、液体急冷法とは、冷却基
体表面に溶湯状合金を衝突させて急速に冷却し、薄帯
状、薄片状等の合金を得る方法であり、これらの方法に
より製造された合金は、必要に応じて粉砕され、磁性粉
末とされる。合金製造時には全体の冷却速度を均一とす
ることが難しく、特に液体急冷法により製造された磁性
粉末は、急冷時の冷却速度の位置的なばらつきが大きく
なる。このため、磁性粉末は、結晶性の異なる磁性粒子
から構成されることになり、また、通常、磁性粒子内部
にも結晶性の不均一さが存在することになるので、磁石
粒子間で磁気特性がばらつくことになる。
【0021】R−Fe−B系磁石やSm−Fe−N系磁
石などでは、一般に、低磁界強度における磁化率の低い
磁性粒子ほど保磁力が高く最大エネルギー積が高くな
る。すなわち、初期磁化曲線の立ち上がりが鈍いものほ
ど磁石特性が高くなる。また、Sm−Fe−N系磁石の
前駆体であるSm−Fe合金粉末の場合、冷却速度の遅
かった領域を含む磁性粒子は、熱処理前に既に結晶化が
進んでいるため、熱処理により結晶粒が粗大化し、これ
を窒化して得られる磁石粒子は、保磁力が低くなってし
まう。このため、Sm−Fe合金粉末では、初期磁化曲
線の立ち上がりが鋭いものほど磁石特性が高くなり、軟
磁性粉末についても同様である。したがって、磁気選別
は、通常、磁性粉末を不完全に磁化し、相対的に強く磁
化された磁性粒子または相対的に弱く磁化された磁性粒
子を除くことにより行う。
【0022】本発明で用いる磁気選別手段は、少なくと
も磁石を備えるものであればよく、磁石としては、永久
磁石、電磁石のいずれも使用可能であるが、好ましくは
前記特開平6−154647号公報に記載された磁気選
別装置またはこれに類似した構成の装置を用いる。
【0023】前記特開平6−154647号公報に記載
された磁気選別装置は、非磁性または弱磁性の基体の表
面に磁性粉末を供給し、前記基体の表面においてほぼ一
定間隔で磁界の極性が反転しかつ極性反転部が異極の並
ぶ方向に移動しかつ前記基体表面における磁界強度が前
記極性反転部の移動方向基端側から末端側に向かって漸
次または段階的に増加するように前記基体の裏面側から
磁界を印加することにより、前記磁性粉末中の磁性粒子
を不完全に磁化させて前記基体表面において低磁界強度
側に回転移動させ、この回転移動により前記基体表面に
磁性粉末の薄層をほぼ均一な厚さに形成することによっ
て各磁性粒子に前記基体表面における磁界強度に対応し
た磁化を与え、回転移動に伴なって各粒子の磁化が減少
することを利用して、磁気特性に応じた磁性粒子の選別
を行うものである。
【0024】この磁気選別装置では、非磁性または弱磁
性の基体表面に載せられた磁性粉末中の磁性粒子は、基
体の裏面側に設けられた磁界印加手段により、各粒子固
有の初期磁化曲線に応じて磁化される。このときの磁化
は不完全であり、磁界を取り去るとほぼ消滅する程度の
ものである。磁界印加手段による基体表面の磁界は、ほ
ぼ一定間隔で極性が反転しかつ極性反転部が移動するも
のである。このため、基体表面に磁着可能な程度に磁化
されている磁性粒子は、極性反転部が移動すると磁束の
流れの方向変化に沿って自転する。このときの自転軸
は、基体表面にほぼ平行である。この自転により、磁性
粒子は極性反転部の移動方向と逆側に移動する。磁性粒
子のこのような回転移動により、基体表面において磁性
粉末は薄層化する。基体表面の磁性粉末が厚くその厚さ
が不均一であると、粉末中の位置によって磁性粒子に印
加される磁界の強度が大きく異なることがあるが、上記
のように薄層化することにより、基体表面の磁界強度に
ほぼ等しい強度の磁界が各磁性粒子に印加されるように
なる。このため、初期磁化曲線の微妙に異なる各磁性粒
子に、それぞれの初期磁化曲線に対応した微妙に異なる
磁化を与えることができる。
【0025】そして、この磁気選別装置では、基体表面
における磁界強度が極性反転部の進行方向に向かって漸
次または段階的に増加するよう構成する。このため、回
転移動している磁性粒子に印加される磁界の強度は漸次
ないし段階的に減少し、それに応じて磁性粒子の磁化も
減少する。このとき、基体表面を重力方向に対して傾斜
させてあれば、基体表面に磁着可能な程度に磁化されて
いる磁性粒子は基体表面に残り、磁化率がそれよりも低
い磁性粒子は基体表面から落下する。磁性粒子の磁化は
磁性粒子の移動距離が大きくなるほど低くなるため、基
体表面から落下する位置の違いにより、磁気特性に応じ
た正確な磁気分離を行なうことが可能となる。
【0026】この磁気選別装置では、回分的ではなく連
続的な磁気選別が可能なので、効率が極めて良好であ
る。
【0027】前記特開平6−154647号公報に記載
された磁気選別装置の構成例を、図1および図2に示
す。
【0028】図1に示される装置は、基体として円筒状
のスリーブ21を有し、スリーブ21内周面の内側に、
磁界印加手段として円錐台状磁石31を有する。この円
錐台状磁石31は円錐台状部分を有する基体の側面に2
枚のゴム磁石311,312が巻回されたものである。
これらのゴム磁石は細長い帯状であり、一方の主面がN
極、他方の主面がS極となるように着磁されている。そ
して、ゴム磁石311ではN極が、ゴム磁石312では
S極がそれぞれ表側となるように基体側面に螺旋状に巻
回されており、異極が隣接する構成となっている。円錐
台状磁石31は、円錐台状部分がスリーブ21とほぼ同
軸となるように設けられている。
【0029】スリーブ21および円錐台状磁石31はそ
れぞれ図示しない駆動装置に連結されており、互いに逆
方向に回転する構成となっている。
【0030】図示される磁気選別装置では、磁気選別は
好ましくは下記のようにして行なわれる。
【0031】スリーブ21および円錐台状磁石31をそ
れぞれ回転させておき、スリーブ21表面の頂部付近に
磁性粉末を適当量連続的に供給する。スリーブ表面に磁
性粉末が供給される位置は、選別される磁性粉末の磁気
特性とスリーブ表面の磁界強度分布とを考慮して決定さ
れる。通常は、スリーブの軸方向長さを有効に使うため
に、スリーブ表面において最も磁界強度の高い側の端部
(図中左側の端部)付近に供給可能な組み合わせが選択
されるが、磁気選別装置を変更せずに磁気特性の異なる
磁性粉末を選別する際には、供給位置を図中右側方向に
移すこともできる。
【0032】スリーブ21表面では、ゴム磁石311と
ゴム磁石312との境界に対応するところで磁界の極性
が反転している。このため、円錐台状磁石31がスリー
ブ21に対し相対的に回転することにより、スリーブ表
面に存在する磁性粒子に対し極性反転部が移動すること
になる。このときの移動方向は、ゴム磁石311とゴム
磁石312との境界にほぼ垂直な方向である。
【0033】極性反転部が移動するため、粉末中の磁性
粒子は上記したように回転移動し、磁性粉末は薄層化さ
れる。スリーブ21表面の磁界強度は極性反転部の進行
方向(図中左側)に向かって漸増しているため、磁性粒
子の回転移動に伴なって磁性粒子に印加される磁界の強
度は漸減する。
【0034】磁性粒子はスリーブ21の軸方向に対し傾
いた方向に移動し、また、スリーブ21は回転している
ため、スリーブ21表面に磁着している磁性粒子はスリ
ーブの下側表面を通過することになるが、磁性粒子の磁
化率が高く磁着力が重力を上回っていれば磁性粒子は落
下せず、非磁性粒子や磁化率の低い磁性粒子は落下す
る。磁性粒子が図中右側方向に移動するにしたがって磁
界が減少するため磁着力が減少し、当初は落下しなかっ
た磁性粒子も落下するようになる。すなわち、磁性粒子
個々の初期磁化曲線に対応して落下する位置が決定され
る。従って、図示のトレイ1〜6のように、スリーブ2
1の軸方向に粒子回収用のトレイなどを並べおけば、磁
気特性の揃った粒子を選別して回収することができる。
そして、スリーブ21の右端部には、低磁界強度におけ
る磁化率が高い磁性粒子だけが到達し、ここで移動が停
止するが、ここに集まった粉末が厚くなると、上部の磁
性粒子に印加される磁界の強度が減少するため、集まっ
た粉末から磁性粒子が落下する。このため、粉末の供給
量が適当となるように制御し、また、落下した粒子の再
選別を行なうことが好ましい。
【0035】この磁気選別装置では、磁性粉末を連続的
に供給することにより連続的な磁気選別が可能である。
スリーブ21右端部に集まった磁性粒子は、円錐台状磁
石31を移動させたりスリーブ21から抜き去ることな
どにより回収することができる。なお、必要に応じ、磁
界強度を低くして再度磁気選別を行なってもよい。
【0036】粉末中では、スリーブ21表面に磁着して
いる高磁化粒子群に非磁性粒子や低磁化粒子が挟まれる
ように力学的に保持されていることがあるが、粉末の薄
層化が進むにしたがって粉末中に保持されていた非磁性
粒子や低磁化粒子も落下するため、このことを考慮して
回収用トレイを配置することが好ましい。また、回収さ
れた粉末中から非磁性粒子を除去するために、このよう
な磁気選別後に必要に応じて比較的高強度の磁界による
磁気選別を行なうことが好ましい。
【0037】磁性粉末の薄層化に適した磁性粒子の回転
を生じさせるためには、磁性粒子の径に応じて極性反転
間隔を適宜設定する必要がある。回転移動を円滑に行な
わせるためには、極性反転間隔は、磁性粒子の平均径の
2倍以上とすることが好ましい。実際には、極性反転間
隔は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.5
mm以上とする。これは、極性反転間隔が短すぎると磁気
回路の制約から所望の強度の磁界を得ることが困難とな
るためである。また、磁性粒子の平均径は特に限定され
ないが、通常、0.5〜1000μm、特に2〜500
μmとすることが好ましい。このような場合、極性反転
間隔は好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以
下とする。極性反転間隔が長すぎると、磁性粒子の回転
移動の効率が低下する。
【0038】なお、極性反転部の移動により効率のよい
回転移動を生じさせるためには、磁性粒子は形状異方性
を有することが好ましく、例えば鱗片状や針状などが好
ましい。
【0039】スリーブの両端部における各磁界強度およ
びその差は、磁性粉末の種類や選別の目的などに応じて
適宜決定すればよいが、本発明では、スリーブ21表面
に磁性粒子が回転可能に磁着する程度の磁界強度とする
必要があり、磁性粉末の種類によっても異なるが、通
常、高磁界側で80〜3500G、特に100〜800
G、低磁界側で5〜1500G、特に20〜300Gとす
ることが好ましい。磁界強度が強すぎると、磁性粒子が
スリーブ21表面に強力に磁着して上記したような回転
移動が不可能となり、また、磁性粒子が不可逆的に磁化
されて凝集し、その後の処理が困難となる。
【0040】スリーブ21の寸法に特に制限はないが、
通常、長さ50〜1000mm、直径10〜1000mmの
範囲から選択することが好ましい。
【0041】なお、磁性粉末をスリーブ21頂部に供給
した後、スクレーパなどにより磁性粉末の厚さを規制す
ることが好ましい。スリーブ21頂部に載せる際に磁性
粉末の厚さを規制することにより、磁性粉末の薄層化が
迅速に行なわれるようになる。
【0042】スリーブ21表面に形成される磁性粉末の
薄層の厚さは、2〜1000μm程度であることが好ま
しい。この薄層中において、磁性粒子は好ましくは10
層以下、より好ましくは5層以下、最も好ましくは1層
であることがよい。すなわち磁性粒子は積層されていな
いことが最も好ましい。なお、薄層中において磁性粒子
が積層されている場合、通常、磁性粒子は凝集した2次
粒子として回転移動する。
【0043】図示例では、スリーブ21と円錐台状磁石
31とが逆方向に回転する構成となっているが、磁着粒
子を回転させながら移動させ、かつ非磁着粒子を落下さ
せるためには、円錐台状磁石31がスリーブ21に対し
相対的に回転し、かつ少なくともスリーブ21が回転す
る構成であればよいので、図示例の他、両者が同方向に
回転する構成やスリーブ21だけが回転する構成のいず
れであってもよい。ただし、両者が同方向に回転する場
合には、スリーブ表面で回転移動する磁性粒子が見掛け
上殆ど移動しない場合が生じ得るので、その場合には少
なくとも一方の回転速度を変更することが好ましい。ま
た、スリーブ21が回転しない構成としてもよいが、こ
の場合、粒子がスリーブの下側表面を通過する回数が減
少するため、非磁性粒子や低磁化粒子を落下させる効率
が低くなる。
【0044】これらのうち、最も好ましい態様は、スリ
ーブおよび円錐台状磁石が互いに逆方向に回転し、スリ
ーブの回転速度が円錐台状磁石の回転速度よりも低い場
合である。この態様では、スリーブ回転による遠心力の
影響が少なく、しかも、磁性粉末薄層化の効率がよくな
る。
【0045】磁性粒子を円滑に回転移動させるために
は、スリーブ21表面における極性反転部の移動速度を
好ましくは0.2〜100cm/sec、より好ましくは2
0〜50cm/secとする。スリーブ表面における磁性粒
子の移動速度は、極性反転部の移動速度や、磁性粒子の
寸法、形状などによって変化するが、好ましくは5〜5
00mm/min、より好ましくは25〜250mm/minであ
る。
【0046】スリーブ21の回転速度および円錐台状磁
石31の回転速度は、上記した極性反転部の移動速度が
好ましい範囲に収まるように、極性反転間隔などを考慮
して適宜決定すればよいが、スリーブの回転速度は10
〜100rpmとすることが好ましい。スリーブ21の回
転速度が低すぎると非磁着粒子の滑落が円滑に行なわれ
なくなる傾向にあり、回転速度が高すぎると磁着してい
る粒子が遠心力の影響を受けて落下するおそれがある。
円錐台状磁石31の回転速度は、通常、50〜400rp
m程度とすることが好ましい。
【0047】なお、図示例では、均一に磁化されたゴム
磁石311,312を円錐台側面に螺旋状に巻回してお
り、スリーブ表面における磁界強度が連続的に変化する
構成となっているが、磁界強度が段階的に変化するよう
に巻回してもよい。また、ゴム磁石311,312の着
磁率を一端部から他端部にかけて連続的ないし段階的に
変化させ、これらを円筒状の基体に螺旋状に巻回して磁
界印加手段としてもよい。また、両主面に磁極をもつゴ
ム磁石ではなく、両側面に磁極を有する帯状ゴム磁石を
螺旋状に巻回する構成としてもよい。また、ゴム磁石を
用いずに、円錐台状や円筒状の磁石材料を、上記のよう
な磁極配列となるように着磁して磁界印加手段としても
よい。また、電磁石を用いてもよい。電磁石を用いる場
合には、例えば、円錐台状基体の側面に、2本のコイル
をそれぞれ螺旋状に隣接させて巻回し、これらのコイル
に互いに逆方向の電流を流す構成とすればよい。
【0048】スリーブ21は、磁性粒子の上記したよう
な回転移動が可能となるように、通常、非磁性材料、例
えば、Al、Cu、黄銅等の各種非磁性金属や各種非磁
性セラミックス、プラスチックなどから構成されるが、
これらの他、弱磁性材料も用いることができる。弱磁性
材料としては、ゴム磁石からの磁界で容易に飽和してス
リーブ表面に十分な漏洩磁束を出せるものであり、例え
ば弱磁性ステンレスなどが挙げられる。
【0049】本発明で用いる基体は、図1の円筒状に限
らず、例えば図2に示されるような平板状であってもよ
い。
【0050】図2に示される磁気選別装置は、基体とし
て平板状の基板22を有し、基板22の裏面側に、磁界
印加手段としてベルト状のゴム磁石32を有する。
【0051】ゴム磁石32は、基板22に対し相対的に
移動可能であり、移動方向に異極が並んでおり、移動方
向の基端側から末端側(図中右側から左側)にかけて基
板22との距離が漸減するように配設されている。磁性
粒子はゴム磁石32の進行方向と逆側(図中左側から右
側)に回転移動する力をうける。基板22表面は、基板
22表面に磁着している磁性粒子の移動方向に対しほぼ
垂直な方向に傾斜しており、重力方向に対する傾斜角度
はθである。
【0052】この磁気選別装置では、選別対象の磁性粉
末を図中の基板22表面の左上隅部に供給する。ゴム磁
石32によって基板22に磁着可能な程度に磁化された
磁性粒子は、基板22表面を図中左側から右側に回転し
ながら移動して粉末が薄層化される。基板22表面の磁
界強度は図中左側から右側にかけて減少しているので、
各磁性粒子は、移動に伴なってそれぞれの初期磁化曲線
に応じて磁化が減少し、基板22の傾斜による重力の作
用が磁着力を上回ったところで基板22表面から滑落す
るので、磁性粒子が滑落する位置にトレイなどを並べる
設けることにより、磁気特性の揃った粒子を選別して回
収することができる。最後まで磁着していた磁性粒子
は、基板22の右隅部に達したところで移動が停止する
が、ここに集まった粉末が厚くなると、上部の磁性粒子
に印加される磁界の強度が減少するため、集まった粉末
から磁性粒子が滑落する。このため、粉末の供給量が適
当となるように制御し、また、滑落した粒子の再選別を
行なうことが好ましい。
【0053】粉末中の非磁性粒子や低磁化粒子は、基板
22が重力方向に対し傾斜しているので、傾斜方向に滑
落するか、あるいは図中右方向の速度成分をもちながら
滑落する。粉末中では、基板22表面に磁着している高
磁化粒子群に非磁性粒子や低磁化粒子が挟まれて力学的
に保持されていることがあるが、粉末の薄層化が進むに
したがって粉末中に保持されていた非磁性粒子や低磁化
粒子も滑落する。
【0054】基板22の材質、基板表面における極性反
転間隔や極性反転部の移動速度、基体表面における磁界
強度の変移等の各種条件などは、図1の構成例に準じて
考えればよい。また、基板22の傾斜角度θは、磁性粒
子の寸法や形状、供給量などに応じて適宜決定すればよ
い。
【0055】本発明は、R−Fe−B系磁石粉末等の希
土類磁石粉末、Sm−Fe−N希土類窒化磁石粉末およ
びその前駆体粉末、フェライト磁石粉末などの各種磁性
粉末の選別に好適であり、磁気記録媒体用の金属磁性粉
末や酸化物磁性粉末などの選別にも好適である。また、
軟磁性粉末の選別にも適用することができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0057】原子比で表した組成がSm8Fe85Zr3
4である合金インゴットをアーク溶解により作製し
た。得られた合金インゴットを石英ノズルに入れ、高周
波誘導加熱により溶湯とした。この溶湯を片ロール法に
より急冷し、薄帯状合金を製造した。この薄帯状合金を
粉砕し、平均粒径(D0)が53μmの合金粉末とした。
【0058】次いで、この合金粉末に725℃で1時間
熱処理を施し、さらに、窒素雰囲気中において425℃
で20時間窒化処理を施して、磁石粉末を得た。
【0059】次に、この磁石粉末を、目の開きが53μ
mの篩により粒度分級し、平均粒径(D1)が25μmの
粒度分画(全体の44重量%)と、平均粒径(D2)が
65μmの粒度分画(全体の56重量%)とを得た。D1
/D0は0.47となる。
【0060】D0、D1およびD2を求める際に用いた累
積頻度グラフを、図3に示す。
【0061】次に、図1に示される構成の磁気選別装置
により、前記2つの粒度分画のそれぞれについて、独立
して磁気選別を行った。磁気選別装置の各部の寸法およ
び条件は下記の通りとした。
【0062】スリーブ21 材質:SUS316 外径:30mm 内径:29mm 長さ:474mm 回転速度:40rpm
【0063】円錐台状磁石31 材質:アルミ製円錐台状基体の側面に、2本の帯状フェ
ライトゴム磁石を巻回したもの ゴム磁石巻回部の軸方向長さ:450mm 回転速度:200rpm(スリーブと逆方向に回転)
【0064】スリーブ軸方向における極性反転間隔は7
mmであり、スリーブ表面における磁界強度は、図中左端
部において150G、右端部において30Gであった。磁
石粉末はスリーブ左端部の頂部付近に連続的に供給し
た。選別された磁石粒子を回収するために、スリーブの
下に、その軸方向に並ぶ7個のトレイを配置した。
【0065】この装置を用いて磁気選別に行った後、ス
リーブから円錐台状磁石を引き抜いて、スリーブ表面に
磁着していた粉末を8個目のトレイに回収した。
【0066】なお、磁気選別中には、スリーブ表面にお
いて磁石粒子が自転しながら移動していることが、ルー
ペを用いて目視により確認された。このときの自転軸
は、スリーブ表面にほぼ平行であった。
【0067】磁気選別後、各トレイに回収された分画
(以下、磁気的分画という)を、VSM(東英工業製V
SM−3型)用の粉末試料測定セル中にパラフィンと共
に封入し、磁場中で固化した後、50kOeでパルス着磁
して測定用試料を作製し、これらについて、前記VSM
で最大エネルギー積(BH)maxを測定した。
【0068】(BH)maxが14.5MGOe以下であった磁気
的分画について、回収位置での選別磁界強度、回収率お
よび(BH)maxを表1に示す。なお、表1に示す回収率
は、磁石粉末全体に対する各磁気的分画の重量比率であ
る。また、この場合の磁石粉末全体とは、それぞれの粒
度分画の重量ではなく、粒度分級前の磁石粉末全体の重
量である。
【0069】また、比較のために、粒度分級を行わなか
ったほかは上記と同様にして磁気選別を行った。得られ
た磁気的分画のうち、(BH)maxが14.5MGOe以下であ
ったものについて、回収位置での選別磁界強度、回収率
および(BH)maxを表2に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】(BH)maxが14.5MGOe以下のものを低特
性粉末とすると、低特性粉末の回収率の合計は、表1で
は4.65+2.62+3.09=10.36(重量
%)、表2では6.41+2.79+6.69=15.
89(重量%)である。したがって、低特性粉末に混入
する高特性粉末の量が、粒度分級工程を設けることによ
り抑えられ、歩留まりが向上したと考えられる。このこ
とは、表1の小粒径粉末の60〜80G分画において、
表2の60〜80G分画よりも(BH)maxが低くなっている
ことからも裏付けられる。すなわち、表2では、60〜
80G分画よりも上の分画に入るべき高特性粉が混入し
たため、(BH)maxが高くなったと考えられる。また、表
1、表2の40〜60G分画についても同様と考えられ
る。
【0073】また、(BH)maxが14.0MGOe以下のもの
を低特性粉末とすると、表1では、選別磁界強度60〜
80Gに相当する磁気的分画のうち、平均粒径の小さい
粒度分画のものだけが低特性粉末である。また、選別磁
界強度がこれより低い場合には、両粒度分画共にすべて
の磁気的分画が低特性粉末となっている。一方、表2で
は、選別磁界強度60〜80Gの磁気的分画は低特性粉
末ではなく、選別磁界強度がこれより低い磁気的分画だ
けが低特性粉末となっている。すなわち、平均粒径の大
きい粒度分画では、粒度分級を行わなかった場合に比
べ、選別磁界強度のより高い位置で低特性粉末が回収さ
れることがわかる。したがって、粒度分級を行わなかっ
た場合、低特性粉末の少なくとも一部が、選別磁界強度
60〜80Gの磁気的分画に含まれていることになる。
また、低特性粉末の回収率の合計は、表1では3.09
+2.62+1.67=7.38(重量%)、表2では
6.69+2.79=9.48(重量%)である。した
がって、この場合も歩留まりが向上したことがわかる。
【0074】また、(BH)maxが12.0MGOe以下のもの
を低特性粉末とすると、表1では、選別磁界強度40〜
60Gに相当する磁気的分画のうち、平均粒径の小さい
粒度分画のものだけが低特性粉末であり、選別磁界強度
0〜40Gの場合には、両粒度分画共にすべての磁気的
分画が低特性粉末となっている。一方、表2では、選別
磁界強度40〜60Gの磁気的分画は低特性粉末ではな
く、選別磁界強度0〜40Gの磁気的分画だけが低特性
粉末となっている。すなわち、低特性粉末の判定基準を
(BH)max=12.0MGOeとした場合でも、平均粒径の大
きい粒度分画では、粒度分級を行わなかった場合に比
べ、選別磁界強度のより高い位置で低特性粉末が回収さ
れることがわかる。また、低特性粉末の回収率の合計
は、表1では3.09+1.71=4.80(重量
%)、表2では6.69(重量%)である。したがっ
て、この場合も歩留まりが向上したことがわかる。
【0075】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気選別装置の構成例を示す断面図である。
【図2】磁気選別装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】粒度分級前後の磁石粉末重量の累積頻度グラフ
である。
【符号の説明】
21 スリーブ 22 基板 31 円錐台状磁石 311、312 ゴム磁石 32 ゴム磁石 1、2、3、4、5、6 トレイ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉末から磁性粒子を磁化率に応じて
    選別する方法であって、粒径に基づいて分級する粒度分
    級工程と、磁気特性に基づいて選別する磁気選別工程と
    をこの順で設け、 粒度分級工程において前記磁性粉末を2つの粒度分画に
    分けるに際し、一方の粒度分画の平均粒径をD1、他方
    の粒度分画の平均粒径をD2、分級前の前記磁性粉末の
    平均粒径をD0としたとき、 D1/D0=0.4〜0.7 (ただし、D1<D2)となるように分級し、 磁気選別工程において、前記2つの粒度分画それぞれ
    を、磁気特性に基づいて選別する磁性粉末の選別方法。
  2. 【請求項2】 前記磁気選別工程において、非磁性また
    は弱磁性の基体の表面に磁性粉末を供給し、前記基体の
    表面においてほぼ一定間隔で磁界の極性が反転しかつ極
    性反転部が異極の並ぶ方向に移動しかつ前記基体表面に
    おける磁界強度が前記極性反転部の移動方向基端側から
    末端側に向かって漸次または段階的に増加するように前
    記基体の裏面側から磁界を印加することにより、前記磁
    性粉末中の磁性粒子を不完全に磁化させて前記基体表面
    において低磁界強度側に回転移動させ、この回転移動に
    より前記基体表面に磁性粉末の薄層をほぼ均一な厚さに
    形成することによって各磁性粒子に前記基体表面におけ
    る磁界強度に対応した磁化を与え、回転移動に伴なって
    各粒子の磁化が減少することを利用して、磁気特性に応
    じた磁性粒子の選別を行う請求項1の磁性粉末の選別方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105855167A (zh) * 2016-06-16 2016-08-17 中国大唐集团科学技术研究院有限公司 新型磁粉筛分装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105855167A (zh) * 2016-06-16 2016-08-17 中国大唐集团科学技术研究院有限公司 新型磁粉筛分装置
CN105855167B (zh) * 2016-06-16 2019-06-07 中国大唐集团科学技术研究院有限公司 磁粉筛分装置

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