JP2001222804A - 磁気抵抗効果型ヘッドおよび磁気抵抗効果型ヘッド製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッドおよび磁気抵抗効果型ヘッド製造方法

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JP2001222804A
JP2001222804A JP2000032742A JP2000032742A JP2001222804A JP 2001222804 A JP2001222804 A JP 2001222804A JP 2000032742 A JP2000032742 A JP 2000032742A JP 2000032742 A JP2000032742 A JP 2000032742A JP 2001222804 A JP2001222804 A JP 2001222804A
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Yutaka Shimizu
豊 清水
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果素子の厚みの減少に伴うMR
比の低減が抑制された磁気抵抗効果型ヘッドを提供す
る。 【解決手段】 磁化の方向が固定されたピンド層3と、
このピンド層上に形成された非磁性金属層4と、この非
磁性金属層上に形成された、外部磁界に応じて磁化の方
向が変化するフリー層5と、このフリー層上に形成され
た、窒化物、酸化物、硫化物、および炭化物からなる材
料群から選択された1つ以上の材料によって構成された
保護層6とを含む多層膜である、その自由磁性層の磁化
の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁界の強さに応じ
た抵抗変化を利用してその磁界の強さを検知する磁気抵
抗効果型ヘッド、およびその磁気抵抗効果型ヘッドを製
造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及に伴って、日
常的に多量の情報が取り扱われるようになっている。こ
のような情報は、多数の物理的な印によって記録媒体に
記録され、その記録媒体上の印を読み取って電気的な再
生信号を生成する情報再生装置により再生される。
【0003】ハードディスク装置(HDD:Hard
Disk Drive)は、そのような情報再生装置の
1つであり、記憶容量が大きく情報へのアクセス速度が
速いという特徴を持つ。このHDDは、一般に、表面が
磁性材料からなる記録媒体である磁気ディスク、および
この磁気ディスクに記録された情報を再生する再生ヘッ
ドを備えている。磁気ディスクは、表面が微小領域(1
ビット領域)ごとに磁化されており、1ビットの情報が
この1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。再生
ヘッドは、この磁気ディスクに近接して配置され、磁気
ディスクの1ビット領域の磁化から発生する磁界に応じ
た電気的な再生信号を出力することにより、磁気ディス
クに記録された情報を再生する。
【0004】現在、HDDに搭載されている再生ヘッド
の多くには、外部の磁界に応じて抵抗が変化する磁気抵
抗効果素子を有する磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッ
ド)が使用されている。このMRヘッドでは、磁気抵抗
効果素子にセンス電流が印加されており、この磁気抵抗
効果素子の抵抗の変化に応じて高出力の再生信号が生成
される。しかし、磁気ディスクの記録密度は年々向上し
続けており、その記録密度の向上に伴って1ビット領域
の面積が減少し、その1ビット領域から発生する磁界が
弱くなるため、このように弱い外部磁界に対しても大き
な再生信号を出力するヘッドが必要となる。このように
大きな再生信号を出力するヘッドとして、巨大磁気抵抗
(GMR)効果を利用したスピンバルブ磁気抵抗効果型
ヘッド(Spin Valve Magnetores
istive Head)が特開平4−358310号
公報により開示されており、また、その実用化が本格的
に始まりつつある。
【0005】このスピンバルブ磁気抵抗効果型ヘッド
は、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する自由磁性層
(フリー層)と、このフリー層に隣接して形成された非
磁性の金属からなる非磁性金属層と、この非磁性金属層
に隣接して形成された、磁化の方向が所定の方向に固定
された固定磁性層(ピンド層)と、このピンド層に隣接
して形成され、このピンド層の磁化の方向を固定する反
強磁性材料からなる反強磁性層とを含む多層膜であるス
ピンバルブタイプの磁気抵抗効果素子を有する。この磁
気抵抗効果素子は、外部磁界が変化すると、この磁気抵
抗効果素子のフリー層の磁化の方向が変化することによ
る、上記ピンド層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向
の相対的な角度変化に応じた抵抗変化を生ずる。一般
に、外部磁界の変化に応じた磁気抵抗効果素子の抵抗変
化の感度の良さは、磁気抵抗変化率R MR:(RMR={ρ
max−ρ0}/ρ0)によって表される。ここで、ρ0は外
部磁界が印加されていない場合の磁気抵抗効果素子の抵
抗率を表し、ρmaxは外部磁界が印加された磁気抵抗効
果素子の最大の抵抗率を表す。以下ではこの磁気抵抗効
果率をMR比と称する。このスピンバルブタイプの磁気
抵抗効果素子は、MR比が大きく上記抵抗変化が大きい
ため、上記センス電流を通じて大出力の再生信号が得ら
れる。
【0006】磁気抵抗効果素子は、膜厚方向を磁気ディ
スクのトラックに沿った方向に向けた状態で、磁気ディ
スクの各1ビット領域に対向するように設置される。そ
して、上記磁気抵抗効果型ヘッドによってこの1ビット
領域内の磁化から発生する磁界が効率よく検知されるよ
うに、磁気抵抗効果素子の厚みが、上記1ビット領域の
上記方向の長さ(1ビット長)に応じた適切な値に調整
される必要がある。このため、磁気抵抗効果型ヘッドの
開発は、磁気抵抗効果素子の厚みを、磁気ディスクの記
録密度の向上に伴う1ビット長の減少に対応して低減さ
せる方向に進んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フリー層をは
じめとする上記磁気抵抗効果素子の厚みの低減を進めた
結果、この厚みの低減によって磁気抵抗効果素子のMR
比が減少するという問題が生じてきており、この問題の
解決が望まれている。
【0008】本発明は上記事情に鑑み、磁気抵抗効果素
子の厚みの低減に伴うMR比の減少が抑制された磁気抵
抗効果型ヘッド、およびそのような磁気抵抗効果型ヘッ
ドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の磁気抵抗効果型ヘッドの第1の磁気抵抗効果型ヘッ
ドは、磁化の方向が固定された固定磁性層と、上記固定
磁性層上に形成された非磁性の第1の中間層と、上記第
1の中間層上に形成された、外部磁界に応じて磁化の方
向が変化する自由磁性層と、上記自由磁性層上に形成さ
れた、窒化物、酸化物、硫化物、および炭化物からなる
材料群から選択された1つ以上の材料によって構成され
た保護層とを含む多層膜である、その自由磁性層の磁化
の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子
を備え、その磁気抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知す
ることによりその外部磁界の強さを検知することを特徴
とする。
【0010】上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッド
は、上記保護層が、窒化物、酸化物、硫化物、および炭
化物からなる材料群から選択された1つ以上の材料を、
上記自由磁性層上に積層することにより形成されてなる
ものであることが好ましい。
【0011】従来、上記自由磁性層(フリー層)を保護
する保護層を構成する材料として、この磁気抵抗効果素
子を積層する際の下地層としても用いられるTaがよく
用いられている。このように保護層の材料としてTa等
の金属を採用すると、互いに隣接する、保護層の金属と
自由磁性層の金属との相互拡散が生じやすく、自由磁性
層のうちのこの相互拡散が生じた部分は非磁性化され
る。この自由磁性層が厚く、さらに磁気抵抗効果素子の
うちの自由磁性層を含む伝導性のある層の全体が厚い場
合にはこのように自由磁性層の一部が非磁性化されても
問題はないが、これらの厚みが薄すぎる場合には、この
自由磁性層の非磁性化された部分に磁気抵抗効果に寄与
しない余分な電流が流れるシャント効果の影響が大きく
なり、磁気抵抗効果型ヘッドのMR比が低下する。
【0012】これに対し、上記本発明の第1の磁気抵抗
効果型ヘッドでは、保護層が、窒化物、酸化物、硫化
物、および炭化物からなる材料群から選択された1つ以
上の材料からなるので、保護層の材料と自由磁性層の材
料との間の相互拡散はほとんど起こらない。このため、
この第1の磁気抵抗効果型ヘッドは、自由磁性層の薄層
化や磁気抵抗効果素子の厚みの減少に伴うMR比の低下
が抑制された、高いMR比を示すものとなっている。
【0013】また、上記本発明の第1の磁気抵抗効果型
ヘッドは、上記自由磁性層が、3nm以下の膜厚を有す
るものであることが好ましい。
【0014】後に実施形態で述べるように、自由磁性層
の厚みが3nm以下で上記MR比の低下が生じやすいた
め、このように自由磁性層が3nm以下の膜厚を有する
ものである場合に、上述した相互拡散によるMR比の低
下の抑制が有効に行われる。
【0015】また、上記本発明の第1の磁気抵抗効果型
ヘッドは、上記保護層が、鉄、コバルト、ニッケル、お
よびアルミニウムのうちのいずれか1つ以上の元素を含
む酸化物を、上記自由磁性層上に積層することにより形
成されてなるものであることが好ましい。
【0016】このように、保護層が、鉄、コバルト、ニ
ッケル、およびアルミニウムのうちのいずれか1つ以上
の元素を含む酸化物からなる磁気抵抗効果型ヘッドは、
後に実施例に示すように、保護層がTaからなる従来の
磁気抵抗効果型ヘッドより、高いMR比を示す。
【0017】また、この第1の磁気抵抗効果型ヘッド
は、後に実施形態および実施例に示すように、保護層
が、鉄、コバルト、およびニッケルのうちのいずれか1
つ以上の元素を含む酸化物からなる場合に、自由磁性層
と保護層との間の界面で、自由磁性層中の伝導電子の、
スピン状態を保った反射であるいわゆる鏡面反射(Sp
ecula Scattering)が生ずる。後に実
施形態で詳述するように、この鏡面反射によって、この
磁気抵抗効果素子の伝導電子の平均自由行程が増大す
る。この平均自由行程は、外部磁界に応じて抵抗の変化
する磁気抵抗効果素子が抵抗の低い状態にある場合に特
に増大して、その低い抵抗がさらに低下するため、この
第1の磁気抵抗効果型ヘッドのMR比は向上する。
【0018】また、この第1の磁気抵抗効果型ヘッド
は、保護層が自由磁性層上に積層することにより形成さ
れているので、自由磁性層表面を酸化することにより形
成された酸化膜で鏡面反射を起こす従来の磁気抵抗効果
型ヘッドと比較すると、この第1の磁気抵抗効果型ヘッ
ドを製造するにあたり、鏡面反射を起こす保護層の膜厚
の制御が自在に行われるためこの鏡面反射の特性の制御
が容易である。
【0019】上記保護層が、鉄、コバルト、ニッケル、
およびアルミニウムのうちのいずれか1つ以上の元素を
含む酸化物を、上記自由磁性層上に積層することにより
形成されてなる磁気抵抗効果型ヘッドは、その自由磁性
層とその保護層との間に非磁性の電気伝導体からなる第
3の中間層を有することが好ましい。
【0020】酸化物は、元素量論比、結晶構造、結晶配
向性等により、反強磁性を示すことがあり、この場合、
これらの酸化物の磁化と自由磁性層の磁化とが交換結合
することにより自由磁性層の軟磁気特性が劣化するおそ
れがある。しかし、このような第3の中間層が保護層と
自由磁性層との間に存在する場合には、保護層と自由磁
性層とが磁気的に分離されるため自由磁性層の軟磁気特
性は良好に保たれる。
【0021】この第3の中間層を有する磁気抵抗効果型
ヘッドは、その第3の中間層が、2nm以下の膜厚を有
するものであることが好ましい。
【0022】この第3の中間層は、直接には磁気抵抗効
果に関与しないものであるため、あまり膜厚が厚すぎる
と、この第3の中間層に不必要に電流が流れて、この磁
気抵抗効果型ヘッドのMR比が低下する。このため、こ
の第3の中間層の膜厚は、上記保護層と上記自由磁性層
とを磁気的に分離できる程度に薄い、具体的には上述し
た2nm以下の厚さを有するものであればよい。
【0023】上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッド
は、上記固定磁性層が、磁化の方向が固定された第1の
固定磁性層および第2の固定磁性層と、それらの第1の
固定磁性層および第2の固定磁性層どうしに挟まれてな
る第2の中間層とを含む多層構造を有するものであり、
その第2の中間層が、鉄、コバルト、およびニッケルの
うちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を積層する
ことにより形成されてなるものであることが好ましい。
【0024】ここで、上記固定磁性層(ピンド層)に含
まれる上記第2の中間層は、通常非磁性である。固定磁
性層は、非磁性の第2の中間層を含む場合にも、軟磁性
材料からなる単層である場合と同様に、磁気抵抗効果に
寄与する層として働く。また、以下に述べる、第2の中
間層を含む全ての固定磁性層においても同様である。
【0025】この固定磁性層が、上記酸化物を積層する
ことにより形成されてなる第2の中間層を有することに
より、この固定磁性層の第1の固定磁性層および第2の
固定磁性層中の伝導電子が、これらの第1の固定磁性層
および第2の固定磁性層とこの第2の中間層との間の界
面で鏡面反射を起こす。上述した、保護層と自由磁性層
との間の鏡面反射と同様に、この鏡面反射によって伝導
電子の平均自由行程が増大することにより、この第1の
磁気抵抗効果型ヘッドのMR比は向上する。
【0026】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッドの第2の磁気抵抗効果型ヘッドは、磁化の方向
が固定された固定磁性層と、上記固定磁性層に膜厚方向
に隣接して形成された非磁性の第1の中間層と、上記第
1の中間層に膜厚方向に隣接して形成された、外部磁界
に応じて磁化の方向が変化する自由磁性層とを含む多層
膜である、その自由磁性層の磁化の方向の変化に応じた
抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子を備え、その磁気抵抗
効果素子の抵抗の大きさを検知することにより上記外部
磁界の強さを検知する磁気抵抗効果型ヘッドであって、
上記固定磁性層が、磁化の方向が固定された第1の固定
磁性層および第2の固定磁性層と、それらの第1の固定
磁性層および第2の固定磁性層どうしに挟まれてなる第
2の中間層とを含む多層構造を有するものであり、その
第2の中間層が、鉄、コバルト、およびニッケルのうち
のいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を積層すること
により形成されてなるものであることを特徴とする。
【0027】この第2の磁気抵抗効果型ヘッドは、上述
した第2の中間層とを有する第1の磁気抵抗効果型ヘッ
ドと比べて、自由磁性層と固定磁性層とのうちのどちら
の層が上に形成されたものであってもよい点、すなわち
この第2の磁気抵抗効果型ヘッドの磁気抵抗効果素子が
積層順序を逆にして形成されたものであってもよいとい
う点で異なっている。但し、この第2の中間層の役割
は、いずれの磁気抵抗効果型ヘッドにおいても同じであ
るので、やはり、固定磁性層が、このような第2の中間
層を有することにより、この固定磁性層を構成する上記
第1の固定磁性層および第2の固定磁性層中の伝導電子
が、これらの第1の固定磁性層および第2の固定磁性層
とこの第2の中間層との間の界面で鏡面反射を起こし、
この鏡面反射によって伝導電子の平均自由行程が増大す
る。上記本発明の第2の磁気抵抗効果型ヘッドでは、こ
のような平均自由行程の増大によって高いMR比が得ら
れ、また、上述した自由磁性層の薄層化や磁気抵抗効果
素子の厚みの減少に伴うMR比の低下が抑制される。
【0028】上記本発明の第2の磁気抵抗効果型ヘッド
は、上記第1の固定磁性層および上記第2の固定磁性層
のうち、上記第1の中間層から遠い側の層が、複数の軟
磁性層と、それらの軟磁性層どうしに挟まれてなるとと
もにそれらの軟磁性層の磁化どうしを互いに逆方向に結
合する第4の中間層とを有するものであることが好まし
い。
【0029】この第2の磁気抵抗効果型ヘッドは、後に
実施形態で示すように、上記第4の中間層が上記軟磁性
層の磁化どうしを互いに逆方向に結合するため、上記固
定磁性層の磁化のピン止め力が強められ、またこの固定
磁性層の磁化の反磁界による上記自由磁性層の磁化の向
きのずれが抑制される。
【0030】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッド製造方法の第1の磁気抵抗効果型ヘッド製造方
法は、磁化の方向が固定された固定磁性層と、その固定
磁性層上に形成された非磁性の第1の中間層と、その第
1の中間層上に形成された、外部磁界に応じて磁化の方
向が変化する自由磁性層と、その自由磁性層上に形成さ
れた保護層とを含む多層膜である、その自由磁性層の磁
化の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素
子を備え、その磁気抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知
することにより上記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗
効果型ヘッドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法
であって、上記自由磁性層を上記第1の中間層上に成膜
する自由磁性層成膜工程と、上記自由磁性層成膜工程に
よって成膜された自由磁性層上に、上記保護層を、窒化
物、酸化物、硫化物、および炭化物からなる材料群から
選択された1つ以上の材料を積層することにより成膜す
る保護層成膜工程を有することを特徴とする。
【0031】この第1の磁気抵抗効果型ヘッド製造方法
によって、上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッドが
製造される。このため、この第1の磁気抵抗効果型ヘッ
ド製造方法によって、自由磁性層の薄層化や磁気抵抗効
果素子の厚みの減少に伴うMR比の低下が抑制された、
高いMR比を示す磁気抵抗効果型ヘッドが製造される。
【0032】上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッド
製造方法は、前記保護層成膜工程で、上記保護層を、
鉄、コバルト、ニッケル、およびアルミニウムのうちの
いずれか1つ以上の元素を含む酸化物を積層することに
より成膜することが好ましい。
【0033】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッド製造方法の第2の磁気抵抗効果型ヘッド製造方
法は、磁化の方向が固定された固定磁性層と、その固定
磁性層に膜厚方向に隣接して形成された非磁性の第1の
中間層と、その第1の中間層に膜厚方向に隣接して形成
された、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する自由磁
性層とからなる多層膜である、その自由磁性層の磁化の
方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子を
備え、上記磁気抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知する
ことにより上記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効果
型ヘッドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法であ
って、上記固定磁性層が、磁化の方向が固定された第1
の固定磁性層および第2の固定磁性層と、それらの第1
の固定磁性層および第2の固定磁性層どうしに挟まれて
なる第2の中間層とを含む多層構造を有するものであっ
て、上記第1の固定磁性層を成膜する第1の固定磁性層
成膜工程と、上記第1の固定磁性層成膜工程によって成
膜された第1の固定磁性層上に、上記第2の中間層を、
鉄、コバルト、およびニッケルのうちのいずれか1つ以
上の元素を含む酸化物を積層することによって成膜する
中間層成膜工程と、上記中間層成膜工程で成膜された第
2の中間層上に、上記第2の固定磁性層を成膜する第2
の固定磁性層成膜工程とを有することを特徴とする。
【0034】このような第2の磁気抵抗効果型ヘッド製
造方法によって、上記本発明の第2の磁気抵抗効果型ヘ
ッドが製造される。このため、この第2の磁気抵抗効果
型ヘッド製造方法によって、自由磁性層の薄層化や磁気
抵抗効果素子の厚みの減少に伴うMR比の低下が抑制さ
れた、高いMR比を示す磁気抵抗効果型ヘッドが製造さ
れる。
【0035】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
の第1の情報再生装置は、磁化の方向により情報が記録
された磁気記録媒体に近接あるいは接触して配置されて
その磁気記録媒体各点の磁化を検出する磁気ヘッドを備
え、その磁気ヘッドにより検出された上記磁気記録媒体
各点の磁化に応じた情報を再生する情報再生装置であっ
て、上記磁気ヘッドが、磁化の方向が固定された固定磁
性層と、その固定磁性層上に形成された非磁性の第1の
中間層と、その第1の中間層上に形成された、外部磁界
に応じて磁化の方向が変化する自由磁性層と、その自由
磁性層上に形成された、窒化物、酸化物、硫化物、およ
び炭化物からなる材料群から選択された1つ以上の材料
によって構成された保護層とを含む多層膜である、その
自由磁性層の磁化の方向の変化に応じた抵抗変化を示す
磁気抵抗効果素子を備え、その磁気抵抗効果素子の抵抗
の大きさを検知することにより上記外部磁界の強さを検
知するものであることを特徴とする。
【0036】この第1の情報再生装置に備えられた磁気
ヘッドは、上記第1の磁気抵抗効果型ヘッドに相当する
磁気ヘッドである。この磁気ヘッドは、上記第1の磁気
抵抗効果型ヘッドと同様に、磁気抵抗効果素子のMR比
が高められたものであるため、この第1の情報再生装置
は、磁気記録媒体各点の磁化の方向の検出を高い感度で
行うことのできるものであり、磁気記録媒体に高密度に
記録された情報の再生に適している。
【0037】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
の第2の情報再生装置は、磁化の方向により情報が記録
された磁気記録媒体に近接あるいは接触して配置されて
その磁気記録媒体各点の磁化を検出する磁気ヘッドを備
え、その磁気ヘッドにより検出された上記磁気記録媒体
各点の磁化に応じた情報を再生する情報再生装置であっ
て、上記磁気ヘッドが、磁化の方向が固定された固定磁
性層と、その固定磁性層に膜厚方向に隣接して形成され
た非磁性の第1の中間層と、その第1の中間層に膜厚方
向に隣接して形成された、外部磁界に応じて磁化の方向
が変化する自由磁性層とを含む多層膜である、その自由
磁性層の磁化の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気
抵抗効果素子を備え、その磁気抵抗効果素子の抵抗の大
きさを検知することにより上記外部磁界の強さを検知す
るものであり、上記固定磁性層が、磁化の方向が固定さ
れた第1の固定磁性層および第2の固定磁性層と、それ
らの第1の固定磁性層および第2の固定磁性層どうしに
挟まれてなる第2の中間層とを含む多層構造を有するも
のであり、その第2の中間層が、鉄、コバルト、および
ニッケルのうちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物
を積層することにより形成されてなるものであることを
特徴とする。
【0038】この第2の情報再生装置に備えられた磁気
ヘッドは、上記第2の磁気抵抗効果型ヘッドに相当する
磁気ヘッドである。この磁気ヘッドは、上記第2の磁気
抵抗効果型ヘッドと同様に、磁気抵抗効果素子のMR比
が高められたものであるため、この第2の情報再生装置
は、磁気記録媒体各点の磁化の方向の検出を高い感度で
行うことのできるものであり、磁気記録媒体に高密度に
記録された情報の再生に適している。
【0039】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について説
明する。
【0040】図1は、本実施形態のハードディスク装置
の概略構成図である。
【0041】同図に示すハードディスク装置(HDD)
100は、本発明の情報再生装置に相当するものであ
る。同図に示すHDD100のハウジング101には、
回転軸102、回転軸102に装着される磁気ディスク
103、磁気ディスク103の表面に近接して対向する
浮上ヘッドスライダ104、アーム軸105、浮上ヘッ
ドスライダ104を先端に固着してアーム軸105を中
心に磁気ディスク103上を水平移動するキャリッジア
ーム106、およびキャリッジアーム106の水平移動
を駆動するアクチュエータ107が収容される。
【0042】このHDD100では、磁気ディスク10
3へ情報の記録、および磁気ディスク103に記憶され
た情報の再生が行われる。これらの情報の記録および再
生にあたっては、まず、磁気回路で構成されたアクチュ
エータ107によってキャリッジアーム106が駆動さ
れ、浮上ヘッドスライダ104が回転する磁気ディスク
103上の所望のトラックに位置決めされる。浮上ヘッ
ドスライダ104の先端には、図1には図示しない本実
施形態の磁気ヘッドが設置されている。この本実施形態
の磁気ヘッドは、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドに相当
するものである。この磁気ヘッドは、磁気ディスク10
3の回転によって、磁気ディスク103の各トラックに
並ぶ各1ビット領域に順次近接する。情報の記録時に
は、このように磁気ディスク103に近接した磁気ヘッ
ドに電気的な記録信号が入力され、この磁気ヘッドによ
り、その記録信号に応じてそれらの各1ビット領域に磁
界が印加されて、その記録信号に担持された情報がそれ
らの各1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。ま
た、情報の再生時には、それらの各1ビット領域の磁化
の方向の形で記録された情報が、磁気ヘッドによって、
それらの磁化それぞれから発生する磁界に応じて生成さ
れる電気的な再生信号として取り出される。ハウジング
101の内部空間は、図示しないカバーによって閉鎖さ
れる。
【0043】次に、本実施形態の磁気ヘッドについて説
明する。
【0044】図2は、本実施形態の磁気ヘッドの要部斜
視図である。
【0045】図3は、本実施形態の磁気ヘッドの要部断
面図である。
【0046】本実施形態の磁気ヘッド30は、磁気ディ
スク103に情報を記録する記録ヘッドと情報を再生す
る再生ヘッドとからなる複合型のヘッドであり、これら
の図2、図3には再生ヘッドの部分のみが示される。図
3の断面図は、この再生ヘッドを、図1に示す磁気ディ
スク103の面に平行な面で切断した断面図である。
【0047】磁気ヘッド30は、非磁性の基板21、こ
の非磁性の基板21上に形成された下部シールド層2
2、この下部シールド層22上に形成された下部絶縁層
23、この下部絶縁層23上に形成された磁気抵抗効果
素子10、上記下部絶縁層23上に、この磁気抵抗効果
素子10を両側から挟むように形成された左右一対の磁
区制御層24、この左右一対の磁区制御層24上に形成
された左右一対の電極25、この左右一対の電極25と
上記磁気抵抗効果素子10との上に形成された上部絶縁
層26、およびこの上部絶縁層26上に形成された上部
シールド層27を有する。この上部シールド層27上に
は、上記記録ヘッドが形成されている。
【0048】基板21は、例えば、アルミナチタンカー
バイド(Al23−TiC)からなる基板上にSiある
いはSiO2が形成されたものである。
【0049】下部シールド層22および上部シールド層
27は、それぞれ、例えば、FeN等の軟磁性材料から
なる厚さ1.6μmの層であり、上記磁気抵抗効果素子
10に不必要な外部磁界が印加されないようその磁気抵
抗効果素子10を磁気シールドするものである。
【0050】下部絶縁層23および上部絶縁層26は、
それぞれ、例えば、アルミナ(Al 23)等の絶縁材料
からなる厚さ50nmの層であり、上記磁気抵抗効果素
子10、上記磁区制御層24、および上記一対の電極2
5からの電流のリークを防ぐものである。
【0051】磁区制御層24は、例えば、Co−Pt合
金、Co−Cr−Pt合金等の硬磁性を示す材料からな
る層であり、上記磁気抵抗効果素子10に静磁界および
交換相互作用などによるバイアス磁界を印加するもので
ある。ここでは、この磁区制御層24は、磁気抵抗効果
素子10と同じ高さまで積層されている。
【0052】電極25は、例えば、Ta/(Ti−W)
/Taという、2つのTa層とこれらのTaの間に挟ま
れたTi−W合金との多層膜などの導電性材料からなる
ものであり、上記磁区制御層24を介して上記磁気抵抗
効果素子10にセンス電流を印加するものである。この
一対の電極25から再生信号が取り出される。
【0053】磁気抵抗効果素子10は、この磁気ヘッド
30の情報再生の機能を担う部分である。すなわち、磁
気抵抗効果素子10は、上記磁気ディスク103の各1
ビット領域の磁化から発生する磁界に応じて抵抗が変化
するものであり、上述したように磁気抵抗効果素子10
には上記電極25によりセンス電流が印加されているた
め、上記抵抗の変化により、上記各1ビット領域の磁化
の方向によって担持された情報が電気的な再生信号とし
て取り出される。
【0054】本発明の特色は、この磁気抵抗効果素子1
0の構造にある。次に、この磁気抵抗効果素子10の構
造について説明する。ここでは、第1の磁気抵抗効果素
子10_1、第2の磁気抵抗効果素子10_2、第3の
磁気抵抗効果素子10_3という3タイプの磁気抵抗効
果素子をそれぞれ、図4、図9、図10とともに説明す
る。
【0055】図4は、第1の磁気抵抗効果素子の断面図
である。
【0056】同図に示す第1の磁気抵抗効果素子10_
1は、スピンバルブタイプの磁気抵抗効果素子であり、
図2、図3に示す下部絶縁層23上に形成された下地層
1、この下地層1上に形成された反強磁性層2、この反
強磁性層2上に形成されたピンド層3、このピンド層3
上に形成された非磁性金属層4、この非磁性金属層4上
に形成されたフリー層5、およびこのフリー層5上に形
成された保護層6によって構成されている。ここで、非
磁性金属層4は、本発明にいう第1の中間層に相当する
ものである。
【0057】下地層1は、例えば、厚さ2.5nmのT
aからなる第1の下地層1_1上に、厚さ2.5nmの
Ni−Fe合金からなる第2の下地層1_2が形成され
てなるものである。この第2の下地層1_2は、Taか
らなる第1の下地層1_1上に形成されたものであるた
め、fcc構造を有し、(111)方向に配向してい
る。
【0058】反強磁性層2は、例えば、Pd−Pt−M
n合金等の反強磁性材料からなる、厚さ15nm〜25
nmの層である。この反強磁性層2は、上記ピンド層3
に交換結合に伴う交換バイアス磁界を印加する。
【0059】ピンド層3は、例えば、Co−Fe−B合
金などの軟磁性材料からなる、厚さ2nm〜2.5nm
の層である。Co−Fe−B合金の組成としては、Co
88.2Fe9.82(数字は原子%)等があげられる。ま
た、このピンド層3に、CoFe/NiFe積層膜を用
いることもできる。ピンド層3は、磁化が、上記反強磁
性層2によって印加された交換バイアス磁界によって、
同図の紙面垂直方向に、すなわち、図2に示される一対
の電極25を互いに結ぶ素子長手方向とは垂直であって
かつピンド層等の各層に平行な素子高さ方向に固定され
る。
【0060】非磁性金属層4は、例えば、Cu等の非磁
性の金属からなる厚さ2.2nm〜2.8nmの層であ
る。
【0061】フリー層5は、例えば、Co−Fe−B合
金等の軟磁性材料からなる厚さ2.5nmの層である。
このCo−Fe−B合金の組成としては、上記Co88.2
Fe 9.82等があげられる。このCo−Fe−B合金
は、非磁性金属層4のCuと相互拡散しにくいため、非
磁性金属層4上に形成されるフリー層5の材料として好
ましい。
【0062】このフリー層5は、このように軟磁性材料
からなり、磁化のピン止めがされていない。このため、
その磁化は、磁気ディスク103の各1ビット領域の磁
化からの磁界に応じてその層の面内で回転する。第1の
磁気抵抗効果素子10_1の抵抗は、いわゆる巨大磁気
抵抗効果により、このフリー層5の磁化と上記ピンド層
3の固定された磁化との間の相対的な角度に応じて大き
く変化する。例えば、この抵抗は、これらの磁化が同方
向を向く場合に最小値をとり、これらの磁化が互いに逆
方向を向く場合に最大値をとる。この抵抗変化が、上述
したセンス電流に再生信号をのせる抵抗変化である。
【0063】また、フリー層5は、上記磁区制御層24
によって印加されたバイアス磁界によって、単磁区化さ
れている。このため、このフリー層5を含む磁気ヘッド
30では、磁壁の移動に伴って再生信号に生ずるバルク
ハウゼンノイズの発生が抑制されている。
【0064】保護層6は、窒化物、酸化物、硫化物、お
よび炭化物からなる材料群から選択された1つ以上の材
料によって構成された層である。保護層6の膜厚は、例
えば6nmである。窒化物としては、AlN、SiN等
があげられ、酸化物としては、Ta25、Fe23、N
iO、Co34、Al23、SiO、SiO2、Zn
O、SnO、Cr25等があげられる。また、硫化物と
しては、ZnS、CrS等があげられ、炭化物として
は、B4C等があげられる。但し、これらの窒化物、酸
化物、硫化物、および炭化物は、必ずしも正確な元素量
論比のものである必要はなく、また、結晶性や配向性も
問われるものではない。なお、従来の磁気抵抗効果素子
では、このようにフリー層上に形成される保護層とし
て、多くの場合、抵抗が高く下地層の材料としても使用
されるTaが使用されている。
【0065】なお、各層の膜厚は、本文中に例示した厚
さに限定されるものではなく変更可能であるが、磁気抵
抗効果素子は、それら各層の膜厚が厚すぎると、電流の
シャント効果によってMR比が減少するため、各層の膜
厚としては、本文中に例示した厚さが好ましい。この事
情は、後述する第2の磁気抵抗効果素子10_2および
第3の磁気抵抗効果素子10_3についても同じであ
る。
【0066】この第1の磁気抵抗効果素子10_1は、
第1の下地層1_1、第2の下地層1_2、反強磁性層
2、ピンド層3、非磁性金属層4、フリー層5、保護層
6の順に、これらの各層の例示した材料を用いて例示し
た厚さでスパッタリングにより連続的に積層してこれら
の各層を成膜し、そのように成膜された各層からなる多
層膜をリソグラフィ技術で素子の形状にパターニングす
ることによって製造する。
【0067】ここで、保護層6の成膜は、窒化物、酸化
物、硫化物、および炭化物のそれぞれのターゲットのう
ちのいずれかをスパッタリングすることで行う。但し、
この成膜は、金属ターゲットを、Ar+N2あるいはA
r+O2ガス中で反応性スパッタリングを行うことによ
り行うこともできる。
【0068】また、成膜方法としては、イオンビームス
パッタ法、真空蒸着法などの手段を用いてもよい。
【0069】なお、この多層膜には、反強磁性層2を構
成するPd−Pt−Mn合金を反強磁性化させるため
に、成膜後、200℃〜300℃の熱処理を施す。
【0070】また、この第1の磁気抵抗効果素子10_
1の成膜時に、フリー層5の異方性磁界を付与するため
に上記素子長手方向に8kA/m程度の直流磁界を印加
してもよい。
【0071】以上のような構成を有する第1の磁気抵抗
効果素子10_1は、保護層6が、上記材料群の材料に
よって構成されたものであることに特色がある。以下で
は、磁気抵抗効果素子の巨大磁気抵抗効果に対するこの
保護層6の役割について説明するために、まず、一般的
なスピンバルブ磁気抵抗効果素子における伝導電子のス
ピン依存散乱の様子について図5とともに説明する。
【0072】図5は、スピンバルブ磁気抵抗効果型ヘッ
ドにおける伝導電子のスピン依存散乱の模式図である。
【0073】図5(A)、図5(B)とも、左から右に
向かって順に、磁気抵抗効果素子を構成する複数層のう
ちの、フリー層5、非磁性金属層4、およびピンド層3
それぞれが示される。これらの各層には、上記第1の磁
気抵抗効果素子の相当する各層の符号を付与した。
【0074】図5(A)は、磁気抵抗効果素子に磁気デ
ィスクから同図上向きに磁界Hが印加された状況を示
し、図5(B)は、磁気抵抗効果素子に磁気ディスクか
ら同図下向きに磁界Hが印加された状況を示す。図5
(A)と図5(B)に示すように、ピンド層3の磁化m
pは磁界Hの方向によらず上向きに固定される。フリー
層5の磁化mfは、磁界Hと同じ方向を向くため、図5
(A)に示すように磁界Hが上向きに印加されると上向
きとなり、図5(B)に示すように磁界Hが下向きに印
加されると下向きとなる。
【0075】図5(A)と図5(B)には、ピンド層3
の磁化mpと同方向のスピンを持つ伝導電子euが、上向
きの矢印を伴った白円で表されている。図5(A)に示
すように、フリー層5の磁化mfとピンド層3の磁化mp
とがともに上向きとなる状況では、この伝導電子e
uは、フリー層5中に進入してもほとんど散乱されず、
平均自由行程λが長い。しかし、図5(B)に示すよう
に、フリー層5の磁化m fとピンド層3の磁化mpが互い
に逆向きである状況では、上記伝導電子euは、フリー
層5中に進入すると強く散乱される。また、図示しない
が、ピンド層3の磁化mpと逆方向のスピンを持つ伝導
電子edは、磁界Hの向きによらず、フリー層5および
ピンド層3の少なくともいずれかにおいて強く散乱され
る。
【0076】このように、フリー層5の磁化mfとピン
ド層3の磁化mpとが同方向を向く場合には、長い平均
自由行程λで伝導する伝導電子euが存在するため磁気
抵抗効果素子の抵抗が小さく、フリー層5の磁化mf
ピンド層3の磁化mpが互いに逆向きである場合と比べ
て磁気抵抗効果素子の抵抗に差が生ずる。磁気抵抗効果
素子の外部磁界に応じた抵抗の変化は、以上のような機
構で生ずる。
【0077】なお、通常、フリー層5/非磁性金属層4
/ピンド層3の両端面、すなわち上記第1の磁気抵抗効
果素子10_1でいえば、フリー層5と保護層6との界
面とピンド層3と反強磁性層2との界面において、伝導
電子のスピンの向きに依存しない散乱が発生する。この
ため、フリー層5/非磁性金属層4/ピンド層3の積層
の厚さtが上記の長い平均自由行程λよりも大きい場合
には、十分な磁気抵抗効果が発現されるが、この積層の
厚みtが低減されて上記平均自由行程λよりも小さくな
ると、磁気抵抗効果素子のMR比が減少する。
【0078】図6は、Taからなる保護層を有する従来
のスピンバルブ磁気抵抗効果素子における磁性の状態の
模式図である。
【0079】ここでは、従来のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子として、図5(A)に示される磁気抵抗効果素子
に、フリー層3の左側に隣接したTaからなる保護層が
形成されたものを想定している。但し、図6には、この
Taからなる保護層は図示されていない。
【0080】このTaからなる保護層の存在により、こ
の保護層およびフリー層5それぞれを構成する各金属の
相互拡散が生じており、この相互拡散により、フリー層
5は、保護層側にTaが拡散して磁性を失っている。こ
のTaの拡散は、磁気抵抗効果素子の成膜後の熱処理に
より生ずると考えられる。フリー層5の、このように保
護層側に磁性を失った部分は層になっており、この層を
ここではデッドレイヤと称する。このデッドレイヤ5a
は、上記拡散により3元不規則合金となり、抵抗が高
い。また、フリー層5の、このデッドレイヤ5a以外の
磁性を有する層をここでは磁性フリー層5bと称する。
【0081】図6は、図5(A)と同様に、同図上向き
に磁界Hが印加された状況を示しており、ピンド層3お
よびフリー層5それぞれの磁化の方向は図5(A)に示
す各層の磁化の方向と同じである。但し、フリー層5の
磁化は、上記磁性フリー層5bのみに存在し、上記デッ
ドレイヤ5aでは磁化が存在しない。
【0082】フリー層5が厚い場合には、このように非
磁性化されたデッドレイヤ5aが形成されてもそれほど
問題はない。しかし、このデッドレイヤ5aの厚さは通
常0.5nm〜2nmに亘るため、フリー層5の厚みが
3nm以下になると、このデッドレイヤ5aに磁気抵抗
効果に寄与しない余分な電流が流れるシャント効果の影
響が大きくなり、磁気抵抗効果素子のMR比が低下す
る。
【0083】これに対して、本実施形態の第1の磁気抵
抗効果素子10_1では、保護層6が、金属と相互拡散
しにくい材料である、窒化物、酸化物、硫化物、および
炭化物からなる材料群から選択された1つ以上の材料に
よって構成されたものであるため、保護層6とフリー層
5との間で相互拡散が生じない。このため、第1の磁気
抵抗効果素子10_1では、フリー層5の厚みが3nm
以下と薄い場合にも大きなMR比が得られ、また1nm
〜2nmという極薄領域にある場合であっても大きなM
R比が得られる。
【0084】また、本実施形態の第1の磁気抵抗効果素
子10_1では、保護層6が、鉄、コバルト、およびニ
ッケルのうちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を
上記フリー層5上に積層することにより形成されてなる
ものである場合に、さらにMR比が向上する。このMR
比の向上について、以下に図7を用いて説明する。
【0085】図7は、第1の磁気抵抗効果素子における
伝導電子のスピン依存散乱の模式図である。
【0086】同図には、左から右に向かって順に、第1
の磁気抵抗効果素子10_1を構成する、保護層6、フ
リー層5、非磁性金属層4、およびピンド層3それぞれ
が示される。同図に示す状況は、図5(A)に示す状況
とは、鉄、コバルト、およびニッケルのうちのいずれか
1つ以上の元素を含む酸化物からなる保護層6が存在す
る点において異なる。酸化物と金属とでは相互拡散が起
こらないので、この場合には、上記デッドレイヤは生じ
ない。
【0087】この保護層6は、後に実施例で示すよう
に、鏡面反射効果を有する。鏡面反射とは、電子の、ス
ピンの状態が保たれた反射を意味する。例えば、同図に
示されるように、ピンド層3の磁化mpと同方向のスピ
ンを持つ伝導電子euは、ピンド層3からフリー層5に
到り、さらにフリー層5と保護層6との界面で鏡面反射
される。伝導電子euは、このような反射によって実質
上平均自由行程λが増大することになるので、フリー層
5の磁化mfとピンド層3の磁化mpとがともに同じ方向
を向く場合の抵抗が減少し、この抵抗とこれらの磁化が
互いに逆向きである場合の抵抗との差が増加するため、
MR比が増大する。
【0088】また、この第1の磁気抵抗効果素子10_
1は、保護層6がフリー層5上に酸化物を積層すること
により形成されているので、フリー層表面を酸化するこ
とによって形成された酸化膜によって鏡面反射を起こす
従来の磁気抵抗効果素子と比較すると、鏡面反射を起こ
す保護層の膜厚の制御が自在に行われるためこの鏡面反
射の特性の制御が容易である。
【0089】なお、上記ピンド層3は、図8に示すアン
チフェロ(AF)結合多層膜であることが好ましい。
【0090】図8は、AF結合多層膜の断面図である。
【0091】同図に示すAF結合多層膜は、軟磁性を示
す第1の軟磁性層3aおよび第2の軟磁性層3cと、こ
れらの軟磁性層に膜厚方向に挟まれてなる、それらの軟
磁性層の磁化を互いに逆向きに結合するAF結合中間層
3bとからなる。
【0092】第1の軟磁性層3aおよび第2の軟磁性層
3cは、図4に示す、単層のピンド層3の場合と同様
に、例えば、Co88.2Fe9.82などの軟磁性材料から
なるものである。
【0093】AF結合層3bは、例えば、Ru、Cr、
Rh、およびIrよりなる材料群から選択された1つ以
上の材料によって構成される。但し、AF結合層3b
は、上記軟磁性層の磁化を互いに逆向きに結合するもの
であればこれに限られるものではない。
【0094】第1の磁気抵抗効果素子10_1は、図4
に示すピンド層3を、単層ではなく、上記AF結合多層
膜からなるものとすることができる。このようなAF結
合多層膜からなるピンド層3を有する第1の磁気抵抗効
果素子10_1では、反強磁性層2上に、例えば厚み
1.8nmの第1の軟磁性層3aが形成され、この第1
の軟磁性層3a上に例えば厚み0.8nmのAF結合中
間層3bが形成され、このAF結合中間層3b上に例え
ば厚み1.4nmの第2の軟磁性層3cが形成され、こ
の第2の軟磁性層3c上に上記非磁性金属層4が形成さ
れている。
【0095】従来、ピンド層3が単層である場合には、
ピンド層3の磁化が外部磁界等の外乱を受けて、磁化の
固定が乱されやすい。また、ピンド層3が単層である場
合には、ピンド層3の磁化による大きな反磁界が生じて
おり、この反磁界は、フリー層5の磁化にも影響を及ぼ
す。例えば、この第1の磁気抵抗効果素子10_1が磁
気ディスク103からの磁界を受けていない場合には、
フリー層5の磁化の方向は、上記素子長手方向にあっ
て、ピンド層3の磁化の方向と直交することが望まれる
が、上記反磁界によって、フリー層5の磁化の方向がそ
の素子長手方向からずれやすくなる。
【0096】しかし、このAF結合多層膜からなるピン
ド層3では、AF結合層3bのために上記第1の軟磁性
層3aの磁化と上記第2の軟磁性層3bの磁化とが互い
に逆向きの状態にあるので、ピンド層3が単層の場合と
比べて、ピンド層3全体としての磁化および反磁界が低
減されている。このような磁化の低減により、ピンド層
3中の上記両軟磁性層の磁化は安定して固定され、ま
た、このような反磁界の低減により、フリー層5の磁化
の方向のずれが抑制される。
【0097】次に、本実施形態の第2の磁気抵抗効果素
子10_2について説明する。
【0098】図9は、第2の磁気抵抗効果素子の断面図
である。
【0099】同図に示す第2の磁気抵抗効果素子10_
2は、図4とともに示す第1の磁気抵抗効果素子10_
1とは、ピンド層3が3層からなり、フリー層5と保護
層6との間に磁気分離層7が形成された点のみにおいて
異なる。なお、この第2の磁気抵抗効果素子10_2の
保護層6は、鉄、コバルト、ニッケル、およびアルミニ
ウムのうちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を、
上記自由磁性層上に積層することにより形成されてなる
ものである。この磁気分離層7は、本発明にいう第3の
中間層に相当する。
【0100】ピンド層3は、反強磁性層2上に形成され
たCo−Fe−B合金などの軟磁性材料からなる、例え
ば厚さ1nmの第1のピンド層3_1と、この第1のピ
ンド層3_1上に、鉄、コバルト、およびニッケルのう
ちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を積層するこ
とにより形成されてなる、例えば厚さ1nmのピンド中
間層3_2と、このピンド中間層3_2上に形成された
Co−Fe−B合金などの軟磁性材料からなる、例えば
厚さ2nmの第2のピンド層3_3とによって構成され
ている。このピンド中間層3_2は、本発明にいう第2
の中間層に相当する。Co−Fe−B合金の組成として
は、Co88.2Fe9.82等があげられる。このような材
料からなる、ピンド中間層3_2と上記第1のピンド層
3_1および上記第2のピンド層3_2との間には、相
互拡散は生じない。このピンド層3のうちの第1のピン
ド層3_1および第2のピンド層3_3は、磁化が、上
記反強磁性層2によって印加された交換バイアス磁界に
より上記素子高さ方向に固定されている。
【0101】ピンド中間層3_2は、図7に示す、鏡面
反射を引き起こす保護層6と同じ材料からなるものであ
るので、伝導電子は、第2のピンド層3_3とピンド中
間層3_2との界面で鏡面反射する。この鏡面反射によ
って、図7に示す鏡面反射の場合と同様に伝導電子の平
均自由行程λが増大するため、この第2の磁気抵抗効果
素子10_2のMR比は高められ、磁気抵抗効果素子の
薄層化に伴うMR比の減少は抑制される。
【0102】また、この第2の磁気抵抗効果素子10_
2は、ピンド中間層3_2の第1のピンド層3_1上へ
の形成が酸化膜を積層することにより行われているの
で、鏡面反射を起こすピンド中間層3_2の膜厚の制御
が自在に行われるためこの鏡面反射の特性の制御が容易
である。
【0103】磁気分離層7は、非磁性の電気伝導体から
なるものである。
【0104】酸化物、特に、鉄、コバルト、ニッケル等
の酸化物は、元素量論比、結晶構造、結晶配向性等によ
り、反強磁性を示すことがあり、この場合、これらの酸
化物の磁化とフリー層5の磁化とが交換結合することに
よりフリー層5の軟磁気特性が劣化するおそれがある。
しかし、このような磁気分離層7が保護層6とフリー層
5との間に存在する場合には、保護層6とフリー層5と
が磁気的に分離されるためフリー層5の軟磁気特性は良
好に保たれる。
【0105】但し、この磁気分離層7は、直接には磁気
抵抗効果に関与しないものであるため、あまり厚すぎる
と、この磁気分離層7に不必要な電流が流れるシャント
効果によりこの第2の磁気抵抗効果素子のMR比が低下
する。このため、磁気分離層7の膜厚は、保護層6とフ
リー層5とを磁気的に分離できる程度の厚みであればよ
く、具体的には0.5nm以上でありまた2nm以下で
あることが好ましい。
【0106】この第2の磁気抵抗効果素子10_2は、
図9に示すように第1の下地層1_1、第2の下地層1
_2、反強磁性層2、第1のピンド層3_1、ピンド中
間層3_2、第2のピンド層3_3、非磁性金属層4、
フリー層5、磁気分離層7、保護層6の順に、これらの
各層の例示した材料を用いて例示した厚さで連続的に積
層してこれらの各層を成膜することにより、第1の磁気
抵抗効果素子10_1と同様にして製造される。
【0107】なお、この第2の磁気抵抗効果素子10_
2は、上記第1のピンド層3_1が、図8に示すAF結
合多層膜となるものであることが好ましい。このような
AF結合多層膜からなる第1のピンド層3_1を有する
第2の磁気抵抗効果素子10_2では、反強磁性層2上
に、例えば厚み1.8nmのCo88.2Fe9.82からな
る第1の軟磁性層3aが形成され、この第1の軟磁性層
3a上に例えば厚み0.8nmのRuからなるAF結合
中間層3bが形成され、このAF結合中間層3b上に例
えば厚み1.4nmのCo88.2Fe9.82からなる第2
の軟磁性層3cが形成され、この第2の軟磁性層3c上
に例えば厚み1nm〜2nmの鉄酸化物からなるピンド
中間層3_2が形成され、このピンド中間層3_2上に
例えば厚み1.4nmのCo88.2Fe9.82からなる第
2のピンド層3_3が形成され、この第2のピンド層3
_3上に上記非磁性金属層4が形成されている。ここ
で、AF結合中間層3bは、本発明にいう第4の中間層
に相当する。
【0108】このように第1のピンド層3_1がAF結
合多層膜となった第2の磁気抵抗効果素子10_2は、
ピンド中間層3_2の存在による大きなMR比と、AF
結合中間層3bの存在によるピンド層3の小さな反磁界
を兼ね備えたものとなっている。このように反磁界が小
さいため、この第2の磁気抵抗効果素子10_2では、
ピンド層3の磁化は強くピン止めされ、フリー層5の磁
化の方向のずれは抑制されている。
【0109】なお、第2の磁気抵抗効果素子10_2
は、上記第2のピンド層3_3が、図8に示すAF結合
多層膜となるものであってもよい。
【0110】次に、本実施形態の第3の磁気抵抗効果素
子10_3について説明する。
【0111】図10は、第3の磁気抵抗効果素子の断面
図である。
【0112】同図に示す第3の磁気抵抗効果素子10_
3は、上述した第1の磁気抵抗効果素子10_1や第2
の磁気抵抗効果素子10_2のような、反強磁性層2
が、ピンド層3、非磁性金属層4、およびフリー層5の
3層の下側(基板側)に位置するいわゆるボトム型の磁
気抵抗効果素子ではなく、反強磁性層2が、ピンド層
3、非磁性金属層4、およびフリー層5の3層の上側
(基板から遠い側)に位置するトップ型の磁気抵抗効果
素子である。詳しく述べると、この第3の磁気抵抗効果
素子10_3は、図2、図3に示す下部絶縁層23上に
形成された下地層1、この下地層1上に形成されたフリ
ー層5、このフリー層5上に形成された非磁性金属層
4、この非磁性金属層4上に形成されたピンド層3、こ
のピンド層3上に形成された反強磁性層2、およびこの
反強磁性層2上に形成された保護層6’によって構成さ
れている。
【0113】下地層1は、例えば、厚さ5nmのTaか
らなる層である。
【0114】フリー層5、非磁性金属層4、ピンド層
3、および反強磁性層2は、上記第2の磁気抵抗効果素
子10_2のフリー層5、非磁性金属層4、ピンド層
3、および反強磁性層2と、積層の順番が上下逆になっ
ているだけで、全く同じ構成を有し、各層の役割も同じ
である。
【0115】保護層6’は、例えば厚さ6nmのTaか
らなる層である。この保護層6’は、ボトム型の磁気抵
抗効果素子とは異なり、フリー層5と隣接していないた
めTaからなるもので十分である。
【0116】この第3の磁気抵抗効果素子10_3は、
図10に示すように下地層1、フリー層5、非磁性金属
層4、第2のピンド層3_3、ピンド中間層3_2、第
1のピンド層3_1、反強磁性層2、保護層6’の順
に、これらの各層の例示した材料を用いて例示した厚さ
で連続的に積層してこれらの各層を成膜することによ
り、第1の磁気抵抗効果素子10_1と同様にして製造
される。
【0117】以上のような構成を有する第3の磁気抵抗
効果素子10_3は、上記材料群の材料によって構成さ
れたピンド中間層3_2を有する点に特色がある。この
ピンド中間層3_2は、上記第2の磁気抵抗効果素子1
0_2のピンド中間層3_2と、積層の順番が異なるだ
けで、同じく鏡面反射をもたらすものであるため、この
第3の磁気抵抗効果素子10_3は、上記第2の磁気抵
抗効果素子10_2と同様に、MR比が高められ、磁気
抵抗効果素子の薄層化に伴うMR比の減少は抑制されて
おり、また、鏡面反射の特性の制御が容易である。
【0118】なお、この第3の磁気抵抗効果素子10_
3も、上記第2の磁気抵抗効果素子10_2と同様に、
上記第1のピンド層3_1が、図8に示すAF結合多層
膜となるものであることが好ましい。このようなAF結
合多層膜からなる第1のピンド層3_1を有する第3の
磁気抵抗効果素子10_3では、AF結合多層膜からな
る第1のピンド層3_1を有する第2の磁気抵抗効果素
子10_2とは逆に、上記非磁性金属層4上に、第2の
ピンド層3_3、ピンド中間層3_2、第2の軟磁性層
3c、AF結合中間層3b、第1の軟磁性層3a、反強
磁性層2の順で形成されている。なお、これらの各層の
厚みおよび材料としては、これら各層に相当する、AF
結合多層膜からなる第1のピンド層3_1を有する第2
の磁気抵抗効果素子10_2を構成する各層の、例示し
た厚みおよび例示した材料それぞれがあげられる。この
第3の磁気抵抗効果素子10_3におけるAF結合中間
層3bも、本発明にいう第4の中間層に相当する。
【0119】このように第1のピンド層3_1がAF結
合多層膜となった第3の磁気抵抗効果素子10_3は、
同じく第1のピンド層3_1がAF結合多層膜となった
第2の磁気抵抗効果素子10_2と同じ作用効果を奏す
る。また、第3の磁気抵抗効果素子10_3は、上記第
2のピンド層3_3が図8に示すAF結合多層膜となる
ものであってもよい。
【0120】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0121】<試料作成>図11は、本実施例の磁気抵
抗効果素子の断面図である。
【0122】同図に示す磁気抵抗効果素子20は、ボト
ム型のスピンバルブ磁気抵抗効果素子である。同図に示
すように、この磁気抵抗効果素子20は、シリコンある
いはSiO2付きのAl23−TiC基板21上に、順
に、Taからなる厚さ2.5nmの第1の下地層11_
1、NiFeからなる厚さ2.5nmの第2の下地層1
1_2、Pd31Pt17Mn52(原子%)からなる厚さ1
5nmの反強磁性層12、Co90Fe10(原子%)からな
る厚さ2.2nmのピンド層13、Cuからなる厚さ
2.8nmの非磁性中間層14、Co90Fe10からなる
厚さ0.5nm〜3nmのフリー層15、および厚さ1
nm〜5nmの保護層16を、DCマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて連続成膜した。
【0123】この成膜によって、保護層16が、鉄酸化
膜、ニッケル酸化膜、アルミ酸化膜、およびコバルト酸
化膜それぞれからなる各磁気抵抗効果素子20の試料を
作成した。これらの各酸化膜は、鉄酸化物(Fe
23)、ニッケル酸化物(NiO)、アルミニウム酸化
物(Al23)、およびコバルト酸化物(Co34)そ
れぞれの各ターゲットをそれぞれスパッタリングするこ
とによって形成した。また、比較のために、保護層をT
aに変更してなる磁気抵抗効果素子20の試料も作成し
た。
【0124】これらの試料には、上記ピンド層13の磁
化が実施形態で述べたように固定される所定の方向を向
く20kA/mの外部静止磁界中で、280℃の真空中
熱処理が3時間施された。
【0125】<規格化飽和磁化>まず、保護層16の材
料が互いに異なるこれらの試料の、それぞれのフリー層
15の規格化飽和磁化について調べた。ここでいう規格
化飽和磁化とは、フリー層15全体がCo90Fe10から
なる場合の飽和磁化の大きさに対する、実際に測定され
たフリー層15の飽和磁化の大きさの比である。測定
は、フリー層15の厚みが1.5nmである各試料に対
して行った。これら各試料のフリー層15の規格化飽和
磁化の測定結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】表1は、左右2欄に分かれており、左欄
に、保護層16の材料である、Ta、鉄酸化物、ニッケ
ル酸化物、アルミニウム酸化物、およびコバルト酸化物
それぞれが示され、右欄に、それらの各材料からなる保
護層16を有する各試料の、フリー層15の規格化飽和
磁化の値が示される。
【0128】この表1に示されるように、保護層16の
材料が、鉄酸化物、ニッケル酸化物、アルミニウム酸化
物、およびコバルト酸化物それぞれからなる各試料で
は、いずれもフリー層15の規格化飽和磁化は1であっ
た。すなわち、これらの各試料のフリー層15は、磁性
が失われておらず、層全体で強磁性が保たれている。
【0129】これに対して、保護層16の材料がTaか
らなる従来型の磁気抵抗効果素子20の試料では、フリ
ー層15の規格化飽和磁化は0.6であった。この結果
は、保護層16がTaからなる場合に、保護層16とフ
リー層15との間で材料の相互拡散が生ずることで、フ
リー層15に、磁性の失われたデッドレイヤが形成され
るためであると考えられる。このデッドレイヤの厚み
は、0.4×1.5nm、すなわち0.6nm程度であ
ると概算される。
【0130】<MR比>次に、保護層の材料やフリー層
15の厚みが異なる複数の試料それぞれに電極を取り付
けて、これらの試料それぞれの、フリー層15の膜厚に
対するMR比の関係を調べた。
【0131】図12は、磁気抵抗効果素子のMR比の、
フリー層の厚さ依存性を示すグラフである。
【0132】同図の横軸は、磁気抵抗効果素子20のフ
リー層15の厚さを表し、同図の縦軸は、磁気抵抗効果
素子20のMR比を%単位で表す。同図には、保護層1
6が、Ta、鉄酸化物、ニッケル酸化物、アルミニウム
酸化物、およびコバルト酸化物それぞれからなる、5つ
のタイプの各磁気抵抗効果素子20の、様々な厚みのフ
リー層15を有する様々な試料に対するMR比の実験結
果が示される。同図中の複数の白丸は、保護層16がT
aからなる試料の実験結果を表し、同図中の複数の、白
四角、黒丸、三角、菱形それぞれは、保護層16がそれ
ぞれ鉄酸化物、ニッケル酸化物、アルミニウム酸化物、
およびコバルト酸化物それぞれからなる試料の実験結果
を表す。これらの白丸どうし、白四角どうし、黒丸どう
し、三角どうし、菱形どうしをつなぐ各実線は、同タイ
プの試料に対する実験結果を補間した結果を表す。
【0133】保護層16がTaからなる場合には、MR
比は、フリー層15の厚みが0nm〜1nmの範囲では
ほぼ0%であるが、その厚みが1nmを超えるとその厚
みの増大とともにMR比は増大し、1.5nm〜2.5
nmの厚みでMR比は6%に達する。
【0134】保護層16がアルミニウム酸化物からなる
場合には、MR比は、フリー層15の厚みが0nm〜
0.5nmの範囲ではほぼ0%であるが、その厚みが
0.5nmを超えるとその厚みの増大とともにMR比は
単調に増大し、2nm〜2.5nmの厚みでMR比は7
%に達する。また、保護層16がニッケル酸化物からな
る場合には、MR比のフリー層15の厚みに対する依存
性は、保護層16がTaからなる場合とほぼ同じであ
り、保護層16がアルミニウム酸化物からなる場合のM
R比より0%〜1%低い値となっている。
【0135】保護層16がTaからなる場合と、保護層
16がアルミニウム酸化物あるいはニッケル酸化物から
なる場合における、フリー層15の厚さに対するMR比
の変化の様子の違いは、上述したように、保護層16が
Taからなる場合には、フリー層15にデッドレイヤが
形成されて、磁性の残っている層の厚みは、同図の横軸
で示されるフリー層の厚みより0.6nm程度小さいこ
とによって説明される。なお、同図には示されていない
が、このデッドレイヤの形成によるMR比の減少は、フ
リー層15の厚みが3nm以下の場合に大きい。
【0136】保護層16が鉄酸化物からなる場合には、
MR比が、フリー層15の厚みが0.5nm〜2.5n
mの範囲で、保護層16がアルミニウム酸化物からなる
場合のMR比より1%〜2.5%高い値となっている。
また、保護層16がコバルト酸化物からなる場合には、
MR比が、保護層16がアルミニウム酸化物からなる場
合のMR比より1%程度高い値となっている。
【0137】このように、保護層16が鉄酸化物やコバ
ルト酸化物からなる場合に、MR比が高いのは、上記相
互拡散が防止されていることに加え、さらに保護層16
とフリー層15との間の界面で鏡面反射が生じているた
めであると考えられる。
【0138】本実施例では、保護層16がニッケル酸化
物やアルミニウム酸化物からなる場合には、保護層15
とフリー層15との間で鏡面反射が生じているという明
確な結果は得られなかった。しかし、これらの酸化物の
うち少なくともニッケル酸化物は、一般に、鏡面反射を
引き起こす物質として広く知られているため、保護層1
6の成膜条件の調整などにより、ニッケル酸化物からな
る保護層とフリー層との間の界面に鏡面反射が生ずるこ
とは十分考えられる。
【0139】なお、本実施例の規格化飽和磁化およびM
R比の測定は、1nm〜5nmの間の様々な厚みの保護
層16を有する試料に対して行われたが、測定結果に
は、保護層16の厚みによる違いはなかった。
【0140】以上のように、保護層16の材料が適切に
選択されることにより、保護層16とフリー層15との
間で、相互拡散が防止され、場合によっては伝導電子が
鏡面反射を起こすことにより、MR比が高められる。そ
して、フリー層の厚みの減少などによる磁気抵抗効果素
子の厚みの低下に伴うMR比の減少が抑制される。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁気抵抗効果素子の厚みの減少に伴うMR比の低減が抑
制された磁気抵抗効果型ヘッド、およびそのような磁気
抵抗効果型ヘッドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造
方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のハードディスク装置の概略構成図
である。
【図2】本実施形態の磁気ヘッドの要部斜視図である。
【図3】本実施形態の磁気ヘッドの要部断面図である。
【図4】第1の磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図5】スピンバルブ磁気抵抗効果型ヘッドにおける伝
導電子のスピン依存散乱の模式図である。
【図6】Taからなる保護層を有する従来のスピンバル
ブ磁気抵抗効果素子における磁性の状態の模式図であ
る。
【図7】第1の磁気抵抗効果素子における伝導電子のス
ピン依存散乱の模式図である。
【図8】AF結合多層膜の断面図である。
【図9】第2の磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図10】第3の磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図11】本実施例の磁気抵抗効果素子の断面図であ
る。
【図12】磁気抵抗効果素子のMR比の、フリー層の厚
さ依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11 下地層 1_1,11_1 第1の下地層 1_2,11_2 第2の下地層 2,12 反強磁性層 3,13 ピンド層 3_1 第1のピンド層 3_2 ピンド中間層 3_3 第2のピンド層 3a 第1の軟磁性層 3b AF結合中間層 3c 第2の軟磁性層 4,14 非磁性金属層 5,15 フリー層 5a デッドレイヤ 5b 磁性フリー層 6,6’,16 保護層 7 磁性分離層 10 磁気抵抗効果素子 10_1 第1の磁気抵抗効果素子 10_2 第2の磁気抵抗効果素子 10_3 第3の磁気抵抗効果素子 21 基板 22 下部シールド層 23 下部絶縁層 24 磁区制御層 25 電極 26 上部絶縁層 27 上部シールド層 30 磁気ヘッド 100 HDD 101 ハウジング 102 回転軸 103 磁気ディスク 104 浮上ヘッドスライダ 105 アーム軸 106 キャリッジアーム 107 アクチュエータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁化の方向が固定された固定磁性層と、 前記固定磁性層上に形成された非磁性の第1の中間層
    と、 前記第1の中間層上に形成された、外部磁界に応じて磁
    化の方向が変化する自由磁性層と、 前記自由磁性層上に形成された、窒化物、酸化物、硫化
    物、および炭化物からなる材料群から選択された1つ以
    上の材料によって構成された保護層とを含む多層膜であ
    る、該自由磁性層の磁化の方向の変化に応じた抵抗変化
    を示す磁気抵抗効果素子を備え、該磁気抵抗効果素子の
    抵抗の大きさを検知することにより該外部磁界の強さを
    検知することを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保護層が、窒化物、酸化物、硫化
    物、および炭化物からなる材料群から選択された1つ以
    上の材料を、前記自由磁性層上に積層することにより形
    成されてなるものであることを特徴とする請求項1記載
    の磁気抵抗効果型ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保護層が、鉄、コバルト、ニッケ
    ル、およびアルミニウムのうちのいずれか1つ以上の元
    素を含む酸化物を、前記自由磁性層上に積層することに
    より形成されてなるものであることを特徴とする請求項
    1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記自由磁性層と前記保護層との間に非
    磁性の電気伝導体からなる第3の中間層を有することを
    特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記固定磁性層が、磁化の方向が固定さ
    れた第1の固定磁性層および第2の固定磁性層と、それ
    らの第1の固定磁性層および第2の固定磁性層どうしに
    挟まれてなる第2の中間層とを含む多層構造を有するも
    のであり、該第2の中間層が、鉄、コバルト、およびニ
    ッケルのうちのいずれか1つ以上の元素を含む酸化物を
    積層することにより形成されてなるものであることを特
    徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】 磁化の方向が固定された固定磁性層と、 前記固定磁性層に膜厚方向に隣接して形成された非磁性
    の第1の中間層と、 前記第1の中間層に膜厚方向に隣接して形成された、外
    部磁界に応じて磁化の方向が変化する自由磁性層とを含
    む多層膜である、該自由磁性層の磁化の方向の変化に応
    じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気
    抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知することにより前記
    外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効果型ヘッドにおい
    て、 前記固定磁性層が、磁化の方向が固定された第1の固定
    磁性層および第2の固定磁性層と、それらの第1の固定
    磁性層および第2の固定磁性層どうしに挟まれてなる第
    2の中間層とを含む多層構造を有するものであり、該第
    2の中間層が、鉄、コバルト、およびニッケルのうちの
    いずれか1つ以上の元素を含む酸化物を積層することに
    より形成されてなるものであることを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第1の固定磁性層および前記第2の
    固定磁性層のうち、前記第1の中間層から遠い側の層
    が、複数の軟磁性層と、それらの軟磁性層どうしに挟ま
    れてなるとともにそれらの軟磁性層の磁化どうしを互い
    に逆方向に結合する第4の中間層とを有するものである
    ことを特徴とする請求項6記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 磁化の方向が固定された固定磁性層と、
    該固定磁性層上に形成された非磁性の第1の中間層と、
    該第1の中間層上に形成された、外部磁界に応じて磁化
    の方向が変化する自由磁性層と、該自由磁性層上に形成
    された保護層とを含む多層膜である、該自由磁性層の磁
    化の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素
    子を備え、該磁気抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知す
    ることにより該外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効果
    型ヘッドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法にお
    いて、 前記自由磁性層を前記第1の中間層上に成膜する自由磁
    性層成膜工程と、 前記自由磁性層成膜工程によって成膜された自由磁性層
    上に、前記保護層を、窒化物、酸化物、硫化物、および
    炭化物からなる材料群から選択された1つ以上の材料を
    積層することにより成膜する保護層成膜工程を有するこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド製造方法。
  9. 【請求項9】 磁化の方向が固定された固定磁性層と、
    該固定磁性層に膜厚方向に隣接して形成された非磁性の
    第1の中間層と、該第1の中間層に膜厚方向に隣接して
    形成された、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する自
    由磁性層とからなる多層膜である、該自由磁性層の磁化
    の方向の変化に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗効果素子
    を備え、前記磁気抵抗効果素子の抵抗の大きさを検知す
    ることにより前記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効
    果型ヘッドを製造する磁気抵抗効果型ヘッド製造方法に
    おいて、 前記固定磁性層が、磁化の方向が固定された第1の固定
    磁性層および第2の固定磁性層と、それらの第1の固定
    磁性層および第2の固定磁性層どうしに挟まれてなる第
    2の中間層とを含む多層構造を有するものであって、 前記第1の固定磁性層を成膜する第1の固定磁性層成膜
    工程と、 前記第1の固定磁性層成膜工程によって成膜された第1
    の固定磁性層上に、前記第2の中間層を、鉄、コバル
    ト、およびニッケルのうちのいずれか1つ以上の元素を
    含む酸化物を積層することによって成膜する中間層成膜
    工程と、 前記中間層成膜工程で成膜された第2の中間層上に、前
    記第2の固定磁性層を成膜する第2の固定磁性層成膜工
    程とを有することを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッド製
    造方法。
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