JP2001218582A - メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体 - Google Patents
メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体Info
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- JP2001218582A JP2001218582A JP2000367698A JP2000367698A JP2001218582A JP 2001218582 A JP2001218582 A JP 2001218582A JP 2000367698 A JP2000367698 A JP 2000367698A JP 2000367698 A JP2000367698 A JP 2000367698A JP 2001218582 A JP2001218582 A JP 2001218582A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体
の提供。 【解決手段】 メダカのビテロジェニンのみを認識する
抗体、及び該抗体とメダカの体液中のビテロジェニンと
を反応させることを特徴とするメダカのビテロジェニン
の濃度測定方法。
の提供。 【解決手段】 メダカのビテロジェニンのみを認識する
抗体、及び該抗体とメダカの体液中のビテロジェニンと
を反応させることを特徴とするメダカのビテロジェニン
の濃度測定方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メダカのビテロジ
ェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用いた化学
物質の毒性又は環境汚染の評価方法及びメダカの雌雄判
定方法に関する。
ェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用いた化学
物質の毒性又は環境汚染の評価方法及びメダカの雌雄判
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、化学物質が原因であると考えられ
ている動物の生殖異常が世界各地で観察されている。例
えば、アメリカ合衆国、フロリダ州のアポプカ湖におけ
る生殖異常に関する報告が最もよく知られている。その
調査報告によると、雄ワニのペニスが正常の1/4〜1
/2の大きさに萎縮した個体が多数発見され、その一
方、雌ワニでは、正常に比べて卵巣の多卵性ろ胞、多核
卵の形成が顕著であった。その原因は、湖畔に立地する
化学工場から出されたDDT関連物質であるジコホルと
呼ばれる物質によるものであることが判明し、ジコホル
は女性ホルモンと同様の作用を有するものであることが
分かってきた。
ている動物の生殖異常が世界各地で観察されている。例
えば、アメリカ合衆国、フロリダ州のアポプカ湖におけ
る生殖異常に関する報告が最もよく知られている。その
調査報告によると、雄ワニのペニスが正常の1/4〜1
/2の大きさに萎縮した個体が多数発見され、その一
方、雌ワニでは、正常に比べて卵巣の多卵性ろ胞、多核
卵の形成が顕著であった。その原因は、湖畔に立地する
化学工場から出されたDDT関連物質であるジコホルと
呼ばれる物質によるものであることが判明し、ジコホル
は女性ホルモンと同様の作用を有するものであることが
分かってきた。
【0003】このように生物の内分泌系に作用し機能を
障害する化学物質は、内分泌撹乱物質(endcrin
e disruptors)いわゆる環境ホルモンと呼
ばれ、これまでに有機塩素化合物、ビスフェノールA、
有機金属化合物等が内分泌撹乱作用をもつ物質として知
られている。そして、これらの物質以外の様々な未知化
合物の中にも同様の作用をもつ物質が存在するのではな
いかと疑われている。
障害する化学物質は、内分泌撹乱物質(endcrin
e disruptors)いわゆる環境ホルモンと呼
ばれ、これまでに有機塩素化合物、ビスフェノールA、
有機金属化合物等が内分泌撹乱作用をもつ物質として知
られている。そして、これらの物質以外の様々な未知化
合物の中にも同様の作用をもつ物質が存在するのではな
いかと疑われている。
【0004】本来の女性ホルモンであるエストロジェン
化合物に類似の構造を持つ化学物質は、その生体内レセ
プターへの結合を示すことで、ある種のホルモン作用を
惹起することが知られている。1950年〜1970年
に米国でDES(合成ホルモン剤)を服用した母親から
生まれた子供に多くの生殖器異常を引き起こしたのもそ
の例である。
化合物に類似の構造を持つ化学物質は、その生体内レセ
プターへの結合を示すことで、ある種のホルモン作用を
惹起することが知られている。1950年〜1970年
に米国でDES(合成ホルモン剤)を服用した母親から
生まれた子供に多くの生殖器異常を引き起こしたのもそ
の例である。
【0005】しかしながら、上述した化学物質は必ずし
もエストロジェンと類似の構造でない場合も多く、内分
泌撹乱物質として予測することは非常に困難であった。
もエストロジェンと類似の構造でない場合も多く、内分
泌撹乱物質として予測することは非常に困難であった。
【0006】従来、化学物質の内分泌撹乱作用を評価す
る方法として、試験管内において酵母にエストロジェン
受容体を発現させ、当該化合物がその受容体に結合する
度合を測定する方法、あるいは生体内においてマウス等
に化学物質を投与し、その生殖機能等を解析する等の方
法が採用されている。しかし、前者の試験管内における
試験方法においては、化学物質の生体内での代謝物の影
響を評価できない。また、後者の生体内における試験方
法においては、観察及び解析に大量の動物を使用し、ま
た、その解析に多大な労力を要する等、問題も多い。
る方法として、試験管内において酵母にエストロジェン
受容体を発現させ、当該化合物がその受容体に結合する
度合を測定する方法、あるいは生体内においてマウス等
に化学物質を投与し、その生殖機能等を解析する等の方
法が採用されている。しかし、前者の試験管内における
試験方法においては、化学物質の生体内での代謝物の影
響を評価できない。また、後者の生体内における試験方
法においては、観察及び解析に大量の動物を使用し、ま
た、その解析に多大な労力を要する等、問題も多い。
【0007】ところで、内分泌撹乱作用を有する化学物
質の存在下で魚類などを飼育すると、雌特有の卵黄蛋白
前駆物質であるビテロジェニンが雄の生体中にも誘導さ
れることが知られている(Steroids 1980
Mar;35(3):315−328 、Le Me
nn Fら)。従って、ビテロジェニンの濃度を測定す
ることによって化学物質が有する内分泌撹乱作用を評価
しようとする試みがなされてきた。しかしながら、ビテ
ロジェニンは不安定な物質であるため、高速液体クロマ
トグラフィーなどの機器分析によっては正確に測定する
ことに大きな問題があった。また、免疫学的な測定につ
いても汎用的に用いられる方法がなく、ビテロジェニン
の誘導を指標とした内分泌撹乱作用の評価方法は未だ確
立されていない。
質の存在下で魚類などを飼育すると、雌特有の卵黄蛋白
前駆物質であるビテロジェニンが雄の生体中にも誘導さ
れることが知られている(Steroids 1980
Mar;35(3):315−328 、Le Me
nn Fら)。従って、ビテロジェニンの濃度を測定す
ることによって化学物質が有する内分泌撹乱作用を評価
しようとする試みがなされてきた。しかしながら、ビテ
ロジェニンは不安定な物質であるため、高速液体クロマ
トグラフィーなどの機器分析によっては正確に測定する
ことに大きな問題があった。また、免疫学的な測定につ
いても汎用的に用いられる方法がなく、ビテロジェニン
の誘導を指標とした内分泌撹乱作用の評価方法は未だ確
立されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メダカのビ
テロジェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用い
た化学物質の毒性又は環境汚染の評価方法及びメダカの
雌雄判定方法を提供することを目的とする。
テロジェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用い
た化学物質の毒性又は環境汚染の評価方法及びメダカの
雌雄判定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、メダカ血液中よ
り精製したビテロジェニンを抗原として用いることによ
り、体液中に存在する卵巣に由来する他の関連タンパク
質には反応せず、ビテロジェニンにのみ特異的に反応す
る抗体を作製することに成功し、本発明を完成するに至
った。
を解決するため鋭意研究を行った結果、メダカ血液中よ
り精製したビテロジェニンを抗原として用いることによ
り、体液中に存在する卵巣に由来する他の関連タンパク
質には反応せず、ビテロジェニンにのみ特異的に反応す
る抗体を作製することに成功し、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は、メダカのビテロジェ
ニンのみを認識する抗体である。該抗体はモノクローナ
ル抗体又はポリクローナル抗体のいずれかであり、受託
番号がFERM P−17665であるハイブリドーマ
により産生されるものが挙げられる。
ニンのみを認識する抗体である。該抗体はモノクローナ
ル抗体又はポリクローナル抗体のいずれかであり、受託
番号がFERM P−17665であるハイブリドーマ
により産生されるものが挙げられる。
【0011】さらに、本発明は、前記モノクローナル又
はポリクローナル抗体とメダカの体液中のビテロジェニ
ンとを反応させることを特徴とする化学物質の毒性又は
環境汚染を評価する方法である。化学物質としては、例
えば内分泌撹乱作用を引き起こすものが挙げられ、環境
汚染としては、当該化学物質が原因で生じる内分泌撹乱
作用によるものが挙げられる。
はポリクローナル抗体とメダカの体液中のビテロジェニ
ンとを反応させることを特徴とする化学物質の毒性又は
環境汚染を評価する方法である。化学物質としては、例
えば内分泌撹乱作用を引き起こすものが挙げられ、環境
汚染としては、当該化学物質が原因で生じる内分泌撹乱
作用によるものが挙げられる。
【0012】メダカ(Cyprinodonidae)
は、トウゴロウイワシ目の一科で、熱帯から温帯地方の
淡水に住み短命である。環境の影響を受けやすく環境指
標動物と言われており、化学物質の毒性又は環境汚染を
評価する対象として適切である。またさらに、メダカは
体長が数mmから大きくても数cmであり、大量に生産
することも比較的可能であるため、環境評価への工業的
利用が可能である。
は、トウゴロウイワシ目の一科で、熱帯から温帯地方の
淡水に住み短命である。環境の影響を受けやすく環境指
標動物と言われており、化学物質の毒性又は環境汚染を
評価する対象として適切である。またさらに、メダカは
体長が数mmから大きくても数cmであり、大量に生産
することも比較的可能であるため、環境評価への工業的
利用が可能である。
【0013】さらに、本発明は、前記モノクローナル又
はポリクローナル抗体とメダカの体液中のビテロジェニ
ンとを反応させることを特徴とするメダカの雌雄判定方
法である。
はポリクローナル抗体とメダカの体液中のビテロジェニ
ンとを反応させることを特徴とするメダカの雌雄判定方
法である。
【0014】さらに、本発明は、前記モノクローナル又
はポリクローナル抗体を含む、化学物質の毒性又は環境
汚染を評価するためのキットである。
はポリクローナル抗体を含む、化学物質の毒性又は環境
汚染を評価するためのキットである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、メダカの雌特有の卵黄
蛋白であるビテロジェニンを特異的に認識することがで
きるモノクローナル又はポリクローナル抗体に関するも
のであり、該抗体をメダカの体液中のビテロジェニンと
反応させることにより、ビテロジェニンを簡便かつ高感
度に測定することを可能とするものである。その結果、
本発明により化学物質の毒性(特に内分泌撹乱作用の強
度)を評価し、ある地域における内分泌撹乱物質の汚染
状況を把握し、さらにメダカの雌雄を判別することが可
能となる。
蛋白であるビテロジェニンを特異的に認識することがで
きるモノクローナル又はポリクローナル抗体に関するも
のであり、該抗体をメダカの体液中のビテロジェニンと
反応させることにより、ビテロジェニンを簡便かつ高感
度に測定することを可能とするものである。その結果、
本発明により化学物質の毒性(特に内分泌撹乱作用の強
度)を評価し、ある地域における内分泌撹乱物質の汚染
状況を把握し、さらにメダカの雌雄を判別することが可
能となる。
【0017】本発明者らは、メダカ血清から純粋に精製
したビテロジェニンを抗原として動物を免疫することに
より、体液中に遊離して存在するビテロジェニンの他の
構成成分とは反応せず、ビテロジェニンを特異的に認識
するモノクローナル又はポリクローナル抗体が得られる
と考えた。これにより、体液中に存在する卵巣に由来す
る他の関連タンパク質の影響を受けることなく、正確に
ビテロジェニン濃度の測定が可能になるものと考えた。
また、本発明者らは、複数の魚類のビテロジェニンをス
クリーニングに用いることにより、メダカのビテロジェ
ニンを特異的に認識するモノクローナル又はポリクロー
ナル抗体を得ることができると考えた。そこで、本発明
では、メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体を作
製するとともに、該抗体を用いて、簡便かつ正確で、高
速液体クロマトグラフィーなどに比べて高感度なビテロ
ジェニンの測定法を確立する。そして、本発明の抗体を
用いて化学物質が有する毒性(内分泌撹乱作用)の強度
を検討する。この強度は、内分泌撹乱作用を有する化学
物質により生体内のビテロジェニン濃度が有意に上昇す
るか否かを測定することにより評価することができる。
したビテロジェニンを抗原として動物を免疫することに
より、体液中に遊離して存在するビテロジェニンの他の
構成成分とは反応せず、ビテロジェニンを特異的に認識
するモノクローナル又はポリクローナル抗体が得られる
と考えた。これにより、体液中に存在する卵巣に由来す
る他の関連タンパク質の影響を受けることなく、正確に
ビテロジェニン濃度の測定が可能になるものと考えた。
また、本発明者らは、複数の魚類のビテロジェニンをス
クリーニングに用いることにより、メダカのビテロジェ
ニンを特異的に認識するモノクローナル又はポリクロー
ナル抗体を得ることができると考えた。そこで、本発明
では、メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体を作
製するとともに、該抗体を用いて、簡便かつ正確で、高
速液体クロマトグラフィーなどに比べて高感度なビテロ
ジェニンの測定法を確立する。そして、本発明の抗体を
用いて化学物質が有する毒性(内分泌撹乱作用)の強度
を検討する。この強度は、内分泌撹乱作用を有する化学
物質により生体内のビテロジェニン濃度が有意に上昇す
るか否かを測定することにより評価することができる。
【0018】さらに、本発明者は、ビテロジェニン濃度
を指標としてメダカの雌雄判別が可能であると考えた。
そこで、本発明では、上記モノクローナル又はポリクロ
ーナル抗体をビテロジェニンと反応させてビテロジェニ
ン濃度を測定することにより、メダカの雌雄判別法を確
立する。
を指標としてメダカの雌雄判別が可能であると考えた。
そこで、本発明では、上記モノクローナル又はポリクロ
ーナル抗体をビテロジェニンと反応させてビテロジェニ
ン濃度を測定することにより、メダカの雌雄判別法を確
立する。
【0019】1.ビテロジェニンの調製 本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体を作製
するにあたり、動物を免疫するため、およびメダカのビ
テロジェニンを特異的に認識するハイブリドーマを選択
するために、純粋なビテロジェニンを調製する必要があ
る。このタンパク質は、以下のようにして調製すること
ができる。
するにあたり、動物を免疫するため、およびメダカのビ
テロジェニンを特異的に認識するハイブリドーマを選択
するために、純粋なビテロジェニンを調製する必要があ
る。このタンパク質は、以下のようにして調製すること
ができる。
【0020】(1)ビテロジェニンの調製 ビテロジェニンは、卵黄に含まれるリンタンパク質の前
駆体であり、肝臓で大量に作られ血中に分泌される。本
発明においては、メダカから採取した血液を遠心分離に
かけて血清を調製し、さらに遠心分離やゲルろ過カラム
クロマトグラフィーなどを適宜組み合わせることにより
ビテロジェニンを精製することができる。
駆体であり、肝臓で大量に作られ血中に分泌される。本
発明においては、メダカから採取した血液を遠心分離に
かけて血清を調製し、さらに遠心分離やゲルろ過カラム
クロマトグラフィーなどを適宜組み合わせることにより
ビテロジェニンを精製することができる。
【0021】精製されたビテロジェニンは、ビテロジェ
ニンを特異的に認識する抗体を作製するための免疫に用
いられる。また、メダカのビテロジェニンを特異的に認
識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの
スクリーニングなどにも用いられる。
ニンを特異的に認識する抗体を作製するための免疫に用
いられる。また、メダカのビテロジェニンを特異的に認
識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの
スクリーニングなどにも用いられる。
【0022】2.メダカのビテロジェニンのみを認識す
るモノクローナル又はポリクローナル抗体の作製 本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体は、通
常は、メダカのビテロジェニンに結合し得る抗体分子全
体を意味するが、メダカのビテロジェニンに結合し得る
限り、その断片(例えば、Fab又はF(ab’)2断
片)であってもよい。
るモノクローナル又はポリクローナル抗体の作製 本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体は、通
常は、メダカのビテロジェニンに結合し得る抗体分子全
体を意味するが、メダカのビテロジェニンに結合し得る
限り、その断片(例えば、Fab又はF(ab’)2断
片)であってもよい。
【0023】本発明のモノクローナル又はポリクローナ
ル抗体は、種々の方法によって製造することができる。
このような抗体の製造法は当該分野で周知である[例え
ばSambrook, J et al., Mole
cular Cloning, Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press
(1989)を参照]。
ル抗体は、種々の方法によって製造することができる。
このような抗体の製造法は当該分野で周知である[例え
ばSambrook, J et al., Mole
cular Cloning, Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press
(1989)を参照]。
【0024】(1)抗体産生細胞の採取 前記のようにして調製したメダカのビテロジェニンを抗
原として、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギな
どに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジ
ュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、
アジュバントを用いるときは1〜100μgである。ア
ジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(F
CA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水
酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫
は、主として静脈内、皮下、腹腔内等に注入することに
より行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数
日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜
10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終
の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に
抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓
細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾
臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
原として、哺乳動物、例えばラット、マウス、ウサギな
どに投与する。抗原の動物1匹当たりの投与量は、アジ
ュバントを用いないときは0.1〜100mgであり、
アジュバントを用いるときは1〜100μgである。ア
ジュバントとしては、フロイント完全アジュバント(F
CA)、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水
酸化アルミニウムアジュバント等が挙げられる。免疫
は、主として静脈内、皮下、腹腔内等に注入することに
より行われる。また、免疫の間隔は特に限定されず、数
日から数週間間隔、好ましくは2〜5週間間隔で、1〜
10回、好ましくは2〜5回免疫を行う。そして、最終
の免疫日から1〜60日後、好ましくは1〜14日後に
抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓
細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾
臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
【0025】(2)細胞融合 ハイブリドーマを得るため、抗体産生細胞とミエローマ
細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミ
エローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可
能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株
は、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン及びチミジンを含む)中で生存でき
ず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる薬剤
選択性を有するものが好ましい。ミエローマ細胞として
は、例えばP3X63−Ag.8.U1(P3U1)、
NS−Iなどのマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミ
エローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可
能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株
は、未融合の状態ではHAT選択培地(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン及びチミジンを含む)中で生存でき
ず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる薬剤
選択性を有するものが好ましい。ミエローマ細胞として
は、例えばP3X63−Ag.8.U1(P3U1)、
NS−Iなどのマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
【0026】次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞
とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDM
EM、RPMI−1640培地などの動物細胞培養用培
地中で、1×106〜2.5×106個/mlの抗体産生
細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞
とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比
5:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合
反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量100
0〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使
用することができる。また、電気刺激(例えばエレクト
ロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用い
て抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることも
できる。
とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDM
EM、RPMI−1640培地などの動物細胞培養用培
地中で、1×106〜2.5×106個/mlの抗体産生
細胞と2×105〜2×106個/mlのミエローマ細胞
とを混合し(抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞比
5:1が好ましい)、細胞融合促進剤存在のもとで融合
反応を行う。細胞融合促進剤として、平均分子量100
0〜6000ダルトンのポリエチレングリコール等を使
用することができる。また、電気刺激(例えばエレクト
ロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用い
て抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることも
できる。
【0027】(3)ハイブリドーマの選別及びクローニ
ング 細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを
選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎
児血清含有RPMI−1640培地などで適当に希釈
後、マイクロタイタープレート上に3×105個/we
ll程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に
選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で
培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブ
リドーマとして得ることができる。
ング 細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを
選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎
児血清含有RPMI−1640培地などで適当に希釈
後、マイクロタイタープレート上に3×105個/we
ll程度まき、各ウエルに選択培地を加え、以後適当に
選択培地を交換して培養を行う。その結果、選択培地で
培養開始後、14日前後から生育してくる細胞をハイブ
リドーマとして得ることができる。
【0028】次に、増殖してきたハイブリドーマの培養
上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリー
ニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常
の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例
えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる
培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫
測定法等によってスクリーニングすることができる。
上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリー
ニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常
の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例
えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる
培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫
測定法等によってスクリーニングすることができる。
【0029】融合細胞のクローニングは、限界希釈法等
により行い、最終的にモノクローナル抗体産生細胞であ
るハイブリドーマを樹立する。
により行い、最終的にモノクローナル抗体産生細胞であ
るハイブリドーマを樹立する。
【0030】以上のようにして、本発明のモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマとして3C1、3H5
が得られる。このうち、3C1は「Mouse−Mou
sehybridoma 3C1」と称し、工業技術院
生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番
3号)に、平成11年11月29日付でFERMP−1
7665として寄託されている。
ル抗体を産生するハイブリドーマとして3C1、3H5
が得られる。このうち、3C1は「Mouse−Mou
sehybridoma 3C1」と称し、工業技術院
生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番
3号)に、平成11年11月29日付でFERMP−1
7665として寄託されている。
【0031】(4)モノクローナル抗体の採取 樹立したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取
する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を
採用することができる。
する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法等を
採用することができる。
【0032】細胞培養法においては、ハイブリドーマを
10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地、ME
M培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常
の培養条件(例えば37℃、5%CO2濃度)で7〜1
4日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地、ME
M培地又は無血清培地等の動物細胞培養培地中で、通常
の培養条件(例えば37℃、5%CO2濃度)で7〜1
4日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。
【0033】腹水形成法の場合は、ミエローマ細胞由来
の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約
1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させ
る。そして、1〜2週間後に腹水を採集する。
の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約
1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させ
る。そして、1〜2週間後に腹水を採集する。
【0034】上記抗体の採取方法において抗体の精製が
必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマト
グラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組
み合わせることにより精製することができる。
必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマト
グラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフ
ィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組
み合わせることにより精製することができる。
【0035】本発明のモノクローナル又はポリクローナ
ル抗体は、メダカのビテロジェニンと特異的に反応する
が、コイ、マダイ、マミチョグなど他の種のビテロジェ
ニンとは反応しない性質を有する。
ル抗体は、メダカのビテロジェニンと特異的に反応する
が、コイ、マダイ、マミチョグなど他の種のビテロジェ
ニンとは反応しない性質を有する。
【0036】また、本発明のモノクローナル抗体のサブ
タイプは、市販のタイピングキットにより調べた結果、
IgG1である。
タイプは、市販のタイピングキットにより調べた結果、
IgG1である。
【0037】3.ビテロジェニンの濃度測定方法 本発明においては、前記モノクローナル又はポリクロー
ナル抗体を用いて、メダカの体液(例えば血漿、血清、
メダカ磨砕液など)のビテロジェニンの濃度を測定(定
量)することができる。
ナル抗体を用いて、メダカの体液(例えば血漿、血清、
メダカ磨砕液など)のビテロジェニンの濃度を測定(定
量)することができる。
【0038】例えば、メダカの血清をプレートにコーテ
ィングした後、前記モノクローナル又はポリクローナル
抗体を加えて反応させる。プレートを洗浄後、さらに西
洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識した抗マウス
IgG抗体をプレート上の本発明のモノクローナル又は
ポリクローナル抗体に結合させる。その後、発色基質を
加えて発色させ吸光度を測定することにより、試料中の
ビテロジェニン濃度を測定することができる。
ィングした後、前記モノクローナル又はポリクローナル
抗体を加えて反応させる。プレートを洗浄後、さらに西
洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識した抗マウス
IgG抗体をプレート上の本発明のモノクローナル又は
ポリクローナル抗体に結合させる。その後、発色基質を
加えて発色させ吸光度を測定することにより、試料中の
ビテロジェニン濃度を測定することができる。
【0039】4.化学物質の毒性又は環境汚染の評価 本発明においては、前記3のようにして測定されたビテ
ロジェニンの濃度の上昇を指標として化学物質の毒性又
は環境汚染を評価することができる。
ロジェニンの濃度の上昇を指標として化学物質の毒性又
は環境汚染を評価することができる。
【0040】例えば、雄のメダカを評価対象となる化学
物質の存在下で飼育した後、血液などを採取し、試料中
に含まれるビテロジェニンを本発明のモノクローナル又
はポリクローナル抗体と反応させてビテロジェニン濃度
を測定する。得られた測定値の大小により、化学物質の
毒性(例えば内分泌撹乱作用の強度)を評価することが
できる。すなわち、評価対象となる化学物質(例えばP
CB,ビスフェノールA、フタル酸エステル)の存在下
で雄のメダカを飼育し、経時的に血清中のビテロジェニ
ン濃度を測定し、対照のメダカから得られた血清中のビ
テロジェニン濃度と比較する。その結果、ビテロジェニ
ン濃度が対照と比較して高い場合は、評価対象となる化
学物質は、内分泌撹乱作用を有すると判断される。
物質の存在下で飼育した後、血液などを採取し、試料中
に含まれるビテロジェニンを本発明のモノクローナル又
はポリクローナル抗体と反応させてビテロジェニン濃度
を測定する。得られた測定値の大小により、化学物質の
毒性(例えば内分泌撹乱作用の強度)を評価することが
できる。すなわち、評価対象となる化学物質(例えばP
CB,ビスフェノールA、フタル酸エステル)の存在下
で雄のメダカを飼育し、経時的に血清中のビテロジェニ
ン濃度を測定し、対照のメダカから得られた血清中のビ
テロジェニン濃度と比較する。その結果、ビテロジェニ
ン濃度が対照と比較して高い場合は、評価対象となる化
学物質は、内分泌撹乱作用を有すると判断される。
【0041】また、ある濃度のエストロジェン存在下で
飼育したときのビテロジェニン濃度と、評価対象となる
化学物質存在下で飼育したときのビテロジェニン濃度と
を比較することにより、評価対象となる化学物質の内分
泌撹乱作用の強度をエストロジェンと相対化して評価す
ることが可能である。すなわち、ある濃度(例えば10
0ppm)のエストロジェン存在下で飼育したときのビ
テロジェニン濃度が、内分泌撹乱作用の強度が不明であ
ってエストロジェンと同濃度(例えば100ppm)で
ある化学物質の存在下で飼育したときのビテロジェニン
濃度よりも10分の1である場合は、当該化学物質の内
分泌撹乱作用はエストロジェンに対して10倍強いと判
断することができる。
飼育したときのビテロジェニン濃度と、評価対象となる
化学物質存在下で飼育したときのビテロジェニン濃度と
を比較することにより、評価対象となる化学物質の内分
泌撹乱作用の強度をエストロジェンと相対化して評価す
ることが可能である。すなわち、ある濃度(例えば10
0ppm)のエストロジェン存在下で飼育したときのビ
テロジェニン濃度が、内分泌撹乱作用の強度が不明であ
ってエストロジェンと同濃度(例えば100ppm)で
ある化学物質の存在下で飼育したときのビテロジェニン
濃度よりも10分の1である場合は、当該化学物質の内
分泌撹乱作用はエストロジェンに対して10倍強いと判
断することができる。
【0042】なお、ビテロジェニン濃度は、前記3の方
法により測定することができる。
法により測定することができる。
【0043】5.内分泌撹乱作用を有する化学物質によ
る環境汚染状態を評価する方法本発明においては、評価
対象となる河川や湖沼などに生息する雄のメダカの体液
中のビテロジェニンを本発明のモノクローナル又はポリ
クローナル抗体と反応させてビテロジェニンの濃度を測
定することにより、内分泌撹乱作用を有する化学物質に
よるその環境の汚染状態を評価することができる。その
測定結果が対照と比較して高い場合には、何らかの内分
泌撹乱作用を有する化学物質によって、その環境が汚染
されていると判断できる。
る環境汚染状態を評価する方法本発明においては、評価
対象となる河川や湖沼などに生息する雄のメダカの体液
中のビテロジェニンを本発明のモノクローナル又はポリ
クローナル抗体と反応させてビテロジェニンの濃度を測
定することにより、内分泌撹乱作用を有する化学物質に
よるその環境の汚染状態を評価することができる。その
測定結果が対照と比較して高い場合には、何らかの内分
泌撹乱作用を有する化学物質によって、その環境が汚染
されていると判断できる。
【0044】なお、ビテロジェニン濃度は、前記3の方
法により測定することができる。
法により測定することができる。
【0045】6.メダカの雌雄を判別する方法 本発明においては、前記のモノクローナル又はポリクロ
ーナル抗体をメダカの体液中のビテロジェニンと反応さ
せてビテロジェニン濃度を測定することにより、メダカ
の雌雄を判別することが可能である。例えば、メダカの
血液を採取し、そのビテロジェニン濃度を測定し、検出
できなければ雄、濃度が高ければ雌と判断できる。
ーナル抗体をメダカの体液中のビテロジェニンと反応さ
せてビテロジェニン濃度を測定することにより、メダカ
の雌雄を判別することが可能である。例えば、メダカの
血液を採取し、そのビテロジェニン濃度を測定し、検出
できなければ雄、濃度が高ければ雌と判断できる。
【0046】なお、ビテロジェニン濃度は、前記3の方
法により測定することができる。
法により測定することができる。
【0047】但し、メダカの雌雄判定をするには、化学
物質によって汚染されていない実験室又は養殖場などか
ら捕獲されたメダカを用いることが必要である。
物質によって汚染されていない実験室又は養殖場などか
ら捕獲されたメダカを用いることが必要である。
【0048】7.化学物質の毒性若しくは環境汚染の評
価用、又はメダカの雌雄判定用キット 本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体は、1
M〜10Mの公知緩衝液(pH7〜8)で希釈して0.
01μg/ml〜5μg/mlの濃度にし、化学物質の
毒性若しくは環境汚染の評価用、又はメダカの雌雄判定
用キットとして用いることができる。緩衝液としては、
リン酸緩衝液、マクラーレン緩衝液、トリス緩衝液、ベ
ロナール緩衝液、グリシン緩衝液等が挙げられる。
価用、又はメダカの雌雄判定用キット 本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体は、1
M〜10Mの公知緩衝液(pH7〜8)で希釈して0.
01μg/ml〜5μg/mlの濃度にし、化学物質の
毒性若しくは環境汚染の評価用、又はメダカの雌雄判定
用キットとして用いることができる。緩衝液としては、
リン酸緩衝液、マクラーレン緩衝液、トリス緩衝液、ベ
ロナール緩衝液、グリシン緩衝液等が挙げられる。
【0049】また、本発明のモノクローナル又はポリク
ローナル抗体を担体に固定化して使用することもでき
る。担体としては、セファロースなどが挙げられる。例
えば、本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体
を担体に結合させ、緩衝液中に分散させ、あるいはカラ
ムに詰めることにより使用することができる。
ローナル抗体を担体に固定化して使用することもでき
る。担体としては、セファロースなどが挙げられる。例
えば、本発明のモノクローナル又はポリクローナル抗体
を担体に結合させ、緩衝液中に分散させ、あるいはカラ
ムに詰めることにより使用することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。
【0051】〔実施例1〕モノクローナル抗体の調製 (1)抗原の調製 (i)ビテロジェニン 17β−エストラジオール処理したメダカ個体より採取
した腹水を20mMトリス緩衝液(pH8.0)と混合
し、同緩衝液で平衡化したH2カラム(46×100m
m)に添加した。20mMトリス緩衝液(pH8.0)
と1.5M塩化ナトリウム含有−20mMトリス緩衝液
(pH8.0)とのグラディエント法により流速5ml
/分で溶出した。腹水サンプルを添加してから5分後に
得られたピークを精製ビテロジェニンとした。
した腹水を20mMトリス緩衝液(pH8.0)と混合
し、同緩衝液で平衡化したH2カラム(46×100m
m)に添加した。20mMトリス緩衝液(pH8.0)
と1.5M塩化ナトリウム含有−20mMトリス緩衝液
(pH8.0)とのグラディエント法により流速5ml
/分で溶出した。腹水サンプルを添加してから5分後に
得られたピークを精製ビテロジェニンとした。
【0052】(2)動物の免疫 0.5 mg/mlの抗原(ビテロジェニン)を、等量
のフロイントアジュバントと混合してエマルジョンを作
製したのち、Balb/cマウスの背中皮内に200μ
l/匹ずつ免疫した。2週間おきに追加免疫(200μ
l/匹)を行い、初回免疫から3回免疫した後に眼窩よ
り採血を行い、抗体価の確認を行った。
のフロイントアジュバントと混合してエマルジョンを作
製したのち、Balb/cマウスの背中皮内に200μ
l/匹ずつ免疫した。2週間おきに追加免疫(200μ
l/匹)を行い、初回免疫から3回免疫した後に眼窩よ
り採血を行い、抗体価の確認を行った。
【0053】(3)抗体価の測定 5μg/mlのメダカビテロジェニンを含むPBS溶液
を100μl/wellずつELISAプレートに加
え、4℃で一晩静置し固相化した。5mg/mlのBS
Aを含有するTween−PBSを200μl/wel
l加え、室温で1時間静置しブロッキングした。この
後、1mg/mlのBSAを含有するTween−PB
Sで希釈した抗血清を100μl/well加え、室温
で2時間反応させた。さらに、1mg/mlのBSAを
含有するTween−PBSで希釈したHRP標識抗マ
ウスIgGヤギ抗体を100μg/well加え、室温
で1時間反応させた。
を100μl/wellずつELISAプレートに加
え、4℃で一晩静置し固相化した。5mg/mlのBS
Aを含有するTween−PBSを200μl/wel
l加え、室温で1時間静置しブロッキングした。この
後、1mg/mlのBSAを含有するTween−PB
Sで希釈した抗血清を100μl/well加え、室温
で2時間反応させた。さらに、1mg/mlのBSAを
含有するTween−PBSで希釈したHRP標識抗マ
ウスIgGヤギ抗体を100μg/well加え、室温
で1時間反応させた。
【0054】次に、2mg/ml OPD(o−phe
nylenediamine dihydrochlo
ride)を100μl/well加え、室温で3分間
発色反応を行い、490nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーによって測定した。
nylenediamine dihydrochlo
ride)を100μl/well加え、室温で3分間
発色反応を行い、490nmの吸光度をマイクロプレー
トリーダーによって測定した。
【0055】(4)細胞融合および抗体産生ハイブリド
ーマのクローニング 抗体価の上昇が確認されたマウスの脾臓細胞とミエロー
マ細胞P3U1とを、5:1の割合でポリエチレングリ
コール法により細胞融合し、HAT選択培地で、ハイブ
リドーマの選択培養を行った。細胞融合10日目にハイ
ブリドーマ培養上清を回収し、抗体価の測定を行った手
法と同様の手法でELISAを行い、メダカビテロジェ
ニンとの反応性が陽性である株のスクリーニングを行っ
た。
ーマのクローニング 抗体価の上昇が確認されたマウスの脾臓細胞とミエロー
マ細胞P3U1とを、5:1の割合でポリエチレングリ
コール法により細胞融合し、HAT選択培地で、ハイブ
リドーマの選択培養を行った。細胞融合10日目にハイ
ブリドーマ培養上清を回収し、抗体価の測定を行った手
法と同様の手法でELISAを行い、メダカビテロジェ
ニンとの反応性が陽性である株のスクリーニングを行っ
た。
【0056】上記スクリーニングで陽性となったハイブ
リドーマの細胞数を測定後、1個/wellとなるよう
に96ウェルプレートにまきこみ(サブクローニン
グ)、10日後にシングルコロニーのウェルのみ再度ス
クリーニングを行った。同様にして、スクリーニングで
陽性となったハイブリドーマについて再度サブクローニ
ングを行い、性質が100%一致するまでスクリーニン
グ操作を続けた。
リドーマの細胞数を測定後、1個/wellとなるよう
に96ウェルプレートにまきこみ(サブクローニン
グ)、10日後にシングルコロニーのウェルのみ再度ス
クリーニングを行った。同様にして、スクリーニングで
陽性となったハイブリドーマについて再度サブクローニ
ングを行い、性質が100%一致するまでスクリーニン
グ操作を続けた。
【0057】その結果、メダカビテロジェニンに対して
特異的な抗体産生細胞2株(3C1、3H5)を得た。
また、本発明のモノクローナル抗体のサブタイプは、市
販のタイピングキットによりIgG1であることを確認
した。
特異的な抗体産生細胞2株(3C1、3H5)を得た。
また、本発明のモノクローナル抗体のサブタイプは、市
販のタイピングキットによりIgG1であることを確認
した。
【0058】なお、ハイブリドーマ3C1(名称:「M
ouse−Mouse hybridoma 3c
1」)は、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県
つくば市東1丁目1番3号)に、平成11年11月29
日付でFERM P−17665として寄託されてい
る。
ouse−Mouse hybridoma 3c
1」)は、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県
つくば市東1丁目1番3号)に、平成11年11月29
日付でFERM P−17665として寄託されてい
る。
【0059】〔実施例2〕本発明のモノクローナル抗体
の種特異性に関する検討 メダカビテロジェニンのみを認識する本発明のモノクロ
ーナル抗体産生細胞株3C1、3H5について、種特異
性に関して検討を行った。
の種特異性に関する検討 メダカビテロジェニンのみを認識する本発明のモノクロ
ーナル抗体産生細胞株3C1、3H5について、種特異
性に関して検討を行った。
【0060】抗原として用いるメダカのビテロジェニン
は、メスの血漿から精製した。また、マダイ、マミチョ
グ、コイのビテロジェニンは、17β−エストラジオー
ルで処理したオスの血漿でまた、コイはメスの血清で確
認した。
は、メスの血漿から精製した。また、マダイ、マミチョ
グ、コイのビテロジェニンは、17β−エストラジオー
ルで処理したオスの血漿でまた、コイはメスの血清で確
認した。
【0061】5μg/mlのそれぞれの魚種のビテロジ
ェニンを含むPBS溶液を100μl/wellずつE
LISAプレートに加え、4℃で一晩静置し固相化し
た。5mg/mlのBSAを含有するTween−PB
Sを200μl/well加え、室温で1時間静置しブ
ロッキングした。この後、1mg/mlのBSAを含有
するTween−PBSで希釈した抗血清を100μl
/well加え、室温で2時間反応させた。さらに、1
mg/mlのBSAを含有するTween−PBSで希
釈したHRP標識抗マウスIgGヤギ抗体を100μg
/well加え、室温で1時間反応させた。次に、2m
g/ml OPD(o−phenylenediami
ne dihydrochloride)を100μl
/well加え、室温で3分間発色反応を行い、490
nmの吸光度をマイクロプレートリーダーによって測定
した。
ェニンを含むPBS溶液を100μl/wellずつE
LISAプレートに加え、4℃で一晩静置し固相化し
た。5mg/mlのBSAを含有するTween−PB
Sを200μl/well加え、室温で1時間静置しブ
ロッキングした。この後、1mg/mlのBSAを含有
するTween−PBSで希釈した抗血清を100μl
/well加え、室温で2時間反応させた。さらに、1
mg/mlのBSAを含有するTween−PBSで希
釈したHRP標識抗マウスIgGヤギ抗体を100μg
/well加え、室温で1時間反応させた。次に、2m
g/ml OPD(o−phenylenediami
ne dihydrochloride)を100μl
/well加え、室温で3分間発色反応を行い、490
nmの吸光度をマイクロプレートリーダーによって測定
した。
【0062】その結果、本発明のモノクローナル抗体
は、メダカのビテロジェニンとは反応するが、他の種の
ビテロジェニンとは反応性を示さないことを確認した
(図1)。
は、メダカのビテロジェニンとは反応するが、他の種の
ビテロジェニンとは反応性を示さないことを確認した
(図1)。
【0063】また、各種の魚から得られた血漿を7%ア
クリルアミドゲルで電気泳動を行い、ゲル上のタンパク
質をニトロセルロース膜に転写した。転写されたニトロ
セルロース膜をブロックエース(雪印乳業)中で、室温
で1時間振盪した。この後、5倍希釈ブロックエースで
希釈した抗体溶液(3C1)にニトロセルロース膜を浸
し、室温で2時間振盪した。ニトロセルロース膜を0.
05%Tween含有PBS(T−PBS)に10分間
振盪し、膜の洗浄を行った。さらに、T−PBSを交換
し、同様の洗浄操作を2回行った。膜の洗浄後、5倍希
釈ブロックエースで5000倍に希釈したHRP標識抗
マウスIgGヤギ抗体溶液にニトロセルロース膜を浸
し、室温で1時間振盪した。続いて、上記と同様に膜の
洗浄操作を行った。ニトロセルロース膜をトリス塩化ナ
トリウム緩衝液ですすいだ後、ECL検出システム(ア
マシャム)を用いて、抗原抗体反応を検出した。
クリルアミドゲルで電気泳動を行い、ゲル上のタンパク
質をニトロセルロース膜に転写した。転写されたニトロ
セルロース膜をブロックエース(雪印乳業)中で、室温
で1時間振盪した。この後、5倍希釈ブロックエースで
希釈した抗体溶液(3C1)にニトロセルロース膜を浸
し、室温で2時間振盪した。ニトロセルロース膜を0.
05%Tween含有PBS(T−PBS)に10分間
振盪し、膜の洗浄を行った。さらに、T−PBSを交換
し、同様の洗浄操作を2回行った。膜の洗浄後、5倍希
釈ブロックエースで5000倍に希釈したHRP標識抗
マウスIgGヤギ抗体溶液にニトロセルロース膜を浸
し、室温で1時間振盪した。続いて、上記と同様に膜の
洗浄操作を行った。ニトロセルロース膜をトリス塩化ナ
トリウム緩衝液ですすいだ後、ECL検出システム(ア
マシャム)を用いて、抗原抗体反応を検出した。
【0064】その結果、本方法においても本発明のモノ
クローナル抗体は、メダカのビテロジェニンとは反応す
るが、他の種のビテロジェニンとは反応性を示さないこ
とを確認した(図2)。従って、本発明の2種のモノク
ローナル抗体産生細胞は、メダカのビテロジェニンに特
異的な抗体を産生するハイブリドーマであることが分か
った。
クローナル抗体は、メダカのビテロジェニンとは反応す
るが、他の種のビテロジェニンとは反応性を示さないこ
とを確認した(図2)。従って、本発明の2種のモノク
ローナル抗体産生細胞は、メダカのビテロジェニンに特
異的な抗体を産生するハイブリドーマであることが分か
った。
【0065】〔実施例3〕ビテロジェニンの測定系の検
討 本発明のモノクローナル抗体を用いて試料中のビテロジ
ェニンを測定するため、サンドイッチELISA法を適
用した。
討 本発明のモノクローナル抗体を用いて試料中のビテロジ
ェニンを測定するため、サンドイッチELISA法を適
用した。
【0066】すなわち、ハイブリドーマ3C1により産
生される本発明のモノクローナル抗体5μg/mlを含
むリン酸緩衝液(PBS)溶液を50μl/wellず
つ入れ、4℃で一晩コーティングした。抗体溶液を除去
した後、0.05%Tween−PBS(T−PBS)
で3回洗浄後、0.5%BSAを含むT−PBSで1時
間ブロッキングした。洗浄後、1mg/ml BSAを
含むTween−PBSで段階希釈した精製メダカビテ
ロジェニンを50μl/wellずつ入れ、室温で2時
間反応させた。上記と同様の洗浄操作を3回繰り返した
後、2μg/mlHRP標識抗メダカビテロジェニンウ
サギIgG抗体を50μl/wellずつ加え、室温で
1時間反応した。
生される本発明のモノクローナル抗体5μg/mlを含
むリン酸緩衝液(PBS)溶液を50μl/wellず
つ入れ、4℃で一晩コーティングした。抗体溶液を除去
した後、0.05%Tween−PBS(T−PBS)
で3回洗浄後、0.5%BSAを含むT−PBSで1時
間ブロッキングした。洗浄後、1mg/ml BSAを
含むTween−PBSで段階希釈した精製メダカビテ
ロジェニンを50μl/wellずつ入れ、室温で2時
間反応させた。上記と同様の洗浄操作を3回繰り返した
後、2μg/mlHRP標識抗メダカビテロジェニンウ
サギIgG抗体を50μl/wellずつ加え、室温で
1時間反応した。
【0067】上記と同様の洗浄操作を5回繰り返した
後、2mg/mlのOPD(o−フェニレンジアミン)
を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)を100μl/w
ellずつ入れ、15分間反応させた。反応後、2N硫
酸を50μl/well添加して反応を止め、490n
mの吸光度を測定した。
後、2mg/mlのOPD(o−フェニレンジアミン)
を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)を100μl/w
ellずつ入れ、15分間反応させた。反応後、2N硫
酸を50μl/well添加して反応を止め、490n
mの吸光度を測定した。
【0068】この結果、本測定系において測定限界が4
ng/mlであり、高感度にメダカのビテロジェニンを
測定することが可能であることが確認された(図3)。
ng/mlであり、高感度にメダカのビテロジェニンを
測定することが可能であることが確認された(図3)。
【0069】〔実施例4〕水槽中に内分泌攪乱物質を暴
露したメダカの血清中ビテロジェニン濃度の測定 ヒメダカを水槽中にオス10尾、試験群として2群お
き、それら水槽中に17βーエストラジオールを5pp
mの濃度で暴露した群と暴露しない群とに分けた。
露したメダカの血清中ビテロジェニン濃度の測定 ヒメダカを水槽中にオス10尾、試験群として2群お
き、それら水槽中に17βーエストラジオールを5pp
mの濃度で暴露した群と暴露しない群とに分けた。
【0070】暴露開始後、2週間後のヒメダカから血清
を分離し、それぞれの群を実施例2に記載の電気泳動法
により、血清中ビテロジェニンを検出した。その結果、
17βーエストラジオールを暴露した群において、強い
ビテロジェニンのバンドを検出できた(図4)。
を分離し、それぞれの群を実施例2に記載の電気泳動法
により、血清中ビテロジェニンを検出した。その結果、
17βーエストラジオールを暴露した群において、強い
ビテロジェニンのバンドを検出できた(図4)。
【0071】〔実施例5〕内分泌系攪乱化学物質の生体
への影響度の測定結果 水槽にエストラジオールを0,0.03,0.1,0.
3,1ppbの濃度となるように溶解し、雄メダカをそ
れぞれの濃度で5〜6匹ずつ、2週間飼育して暴露した
後、その血液を採取し、遠心処理後の血清を実施例2に
示す測定系で測定したところ、下記表のようにエストラ
ジオール濃度に依存して、ビテロジェニン濃度も上昇し
た。このことから、本測定系でエストロジェン様の活性
を有する内分泌系攪乱化学物質の生体への影響度を測定
できることが判明した。
への影響度の測定結果 水槽にエストラジオールを0,0.03,0.1,0.
3,1ppbの濃度となるように溶解し、雄メダカをそ
れぞれの濃度で5〜6匹ずつ、2週間飼育して暴露した
後、その血液を採取し、遠心処理後の血清を実施例2に
示す測定系で測定したところ、下記表のようにエストラ
ジオール濃度に依存して、ビテロジェニン濃度も上昇し
た。このことから、本測定系でエストロジェン様の活性
を有する内分泌系攪乱化学物質の生体への影響度を測定
できることが判明した。
【表1】 N.D 測定限界以下
【0072】 〔実施例6〕メダカVg測定用ELISAキット及び使用方法の説明 (キット内容) (1)抗体固相化抗体マイクロプレート 1枚 (2)メダカVg標準品 300μL×2本 (3)検体希釈液 30mL×2本 (4)ビオチン化抗メダカVg抗体(×100) 70μL×1本 (5)HRP−ストレプトアビジン(×500) 20μL×1本 (6)基質液 15mL×1本 (7)OPD(オルトフェニレンジアミン) 2錠 (8)濃縮洗浄液(×20) 30mL×1本 (9)反応停止液 6mL×1本
【0073】(測定原理)メダカVgに特異的な抗体を
用いたサンドイッチELISA法(図5参照)
用いたサンドイッチELISA法(図5参照)
【0074】(使用方法) (1)試薬調製 (イ)抗体固相化マイクロプレート アルミシートから使用するウェルだけ取り出し、洗浄液
を300μL/ウェル加え、室温で10〜60分間静置
する。 (ロ)標準液 メダカVg標準液は64ng/mLの標準液となってお
り、この原液を検体希釈液で2倍段階希釈し、32、1
6、8、4、2、1ng/mLの各濃度を調製する。 (ハ)ビオチン化抗メダカVg抗体(×100) ビオチン化抗メダカVg抗体(×100)30μLを検
体希釈液3mLで希釈すると48ウェル分のビオチン化
抗メダカVg抗体溶液を調製することができる。 (ニ)HRP−ストレプトアビジン(×500) P−ストレHRプトアビジン(×500)6μLを検体
希釈液3mLで希釈すると48ウェル分のHRP−スト
レプトアビジン溶液を調製することができる。 (ホ)発色液 室温に戻した基質液6.5mLにOPD錠を1錠溶解す
る。(48ウェル分) (ヘ)洗浄液 濃縮洗浄液(×20)を室温に戻し、塩類が沈殿してい
ないかを確かめる。濃縮洗浄液(×20)30mLを精
製水570mLで希釈して用いる。希釈した洗浄液は冷
蔵で14日間安定する。
を300μL/ウェル加え、室温で10〜60分間静置
する。 (ロ)標準液 メダカVg標準液は64ng/mLの標準液となってお
り、この原液を検体希釈液で2倍段階希釈し、32、1
6、8、4、2、1ng/mLの各濃度を調製する。 (ハ)ビオチン化抗メダカVg抗体(×100) ビオチン化抗メダカVg抗体(×100)30μLを検
体希釈液3mLで希釈すると48ウェル分のビオチン化
抗メダカVg抗体溶液を調製することができる。 (ニ)HRP−ストレプトアビジン(×500) P−ストレHRプトアビジン(×500)6μLを検体
希釈液3mLで希釈すると48ウェル分のHRP−スト
レプトアビジン溶液を調製することができる。 (ホ)発色液 室温に戻した基質液6.5mLにOPD錠を1錠溶解す
る。(48ウェル分) (ヘ)洗浄液 濃縮洗浄液(×20)を室温に戻し、塩類が沈殿してい
ないかを確かめる。濃縮洗浄液(×20)30mLを精
製水570mLで希釈して用いる。希釈した洗浄液は冷
蔵で14日間安定する。
【0075】(2)試料の調製 メダカ血清は検体希釈液にて10倍以上に希釈して使用
する。
する。
【0076】(3)測定操作方法 (イ)ウェル内の洗浄液を捨て、ペーパータオルなどの
上でプレートを叩きよく水気を取り、速やかに次のステ
ップに進む。 (ロ)ウェルに標準液(64〜0ng/mL)及び検体
を50μLずつ加え、室温で2時間インキュベートす
る。 (ハ)反応終了後、ウェル内の反応液を捨て、洗浄液を
少なくとも300μLずつ分注し、デカントで除去す
る。この操作をさらに2回繰り返した後、ペーパータオ
ルなどの上でプレートを叩きよく水気を取り、速やかに
次のステップに進む。 (ニ)各ウェルにビオチン化抗メダカVg抗体を50μ
Lずつ加え、室温で1時間インキュベートする。 (ホ)反応終了後、同様の洗浄操作を行う。 (ヘ)各ウェルにHRP−ストレプトアビジンを50μ
Lずつ加え、室温で1時間インキュベートする。このと
き基質液を室温に戻しておく。 (ト)反応終了後、同様の洗浄操作を行う。 (チ)各ウェルに発色液を100μLずつ加え、室温で
5分間反応させる。 (リ)各ウェルに反応停止液を50μLずつ加え、酵素
反応を停止させる。各ウェルの酵素反応時間が一定にな
るよう、発色液と同様にシステマティックに添加する。 (ヌ)プレートリーダーで490あるいは492nmの
吸光度」を測定する。 (ル)図6に示す標準曲線より、メダカVgの濃度を算
出する。
上でプレートを叩きよく水気を取り、速やかに次のステ
ップに進む。 (ロ)ウェルに標準液(64〜0ng/mL)及び検体
を50μLずつ加え、室温で2時間インキュベートす
る。 (ハ)反応終了後、ウェル内の反応液を捨て、洗浄液を
少なくとも300μLずつ分注し、デカントで除去す
る。この操作をさらに2回繰り返した後、ペーパータオ
ルなどの上でプレートを叩きよく水気を取り、速やかに
次のステップに進む。 (ニ)各ウェルにビオチン化抗メダカVg抗体を50μ
Lずつ加え、室温で1時間インキュベートする。 (ホ)反応終了後、同様の洗浄操作を行う。 (ヘ)各ウェルにHRP−ストレプトアビジンを50μ
Lずつ加え、室温で1時間インキュベートする。このと
き基質液を室温に戻しておく。 (ト)反応終了後、同様の洗浄操作を行う。 (チ)各ウェルに発色液を100μLずつ加え、室温で
5分間反応させる。 (リ)各ウェルに反応停止液を50μLずつ加え、酵素
反応を停止させる。各ウェルの酵素反応時間が一定にな
るよう、発色液と同様にシステマティックに添加する。 (ヌ)プレートリーダーで490あるいは492nmの
吸光度」を測定する。 (ル)図6に示す標準曲線より、メダカVgの濃度を算
出する。
【0077】〔実施例7〕抗メダカビテロジェニンポリ
クローナル抗体の作製 (免疫抗原の調製) 初回免疫抗原としてメダカビテロジェニンの0.6mg
をフロイントの完全アジュバント(FCA : Fre
und complete adjuvant)と1:
1の割合にて混合し、均一エマルジョンを作製し抗原液
とする。2回目〜4回目免疫抗原としてメダカビテロジ
ェニンの0.2mgをフロイント不完全アジュバント
(FIA : Freund incomplete
adjuvant)と1:1の割合にて混合し、均一エ
マルジョンを作製し抗原液とする。
クローナル抗体の作製 (免疫抗原の調製) 初回免疫抗原としてメダカビテロジェニンの0.6mg
をフロイントの完全アジュバント(FCA : Fre
und complete adjuvant)と1:
1の割合にて混合し、均一エマルジョンを作製し抗原液
とする。2回目〜4回目免疫抗原としてメダカビテロジ
ェニンの0.2mgをフロイント不完全アジュバント
(FIA : Freund incomplete
adjuvant)と1:1の割合にて混合し、均一エ
マルジョンを作製し抗原液とする。
【0078】(免疫)ウサギ(日本白色種:Japan
ese White)の背部皮内に1mLずつ、2週間
に1回の間隔で4回に渡り、数十カ所に接種する。4回
目免疫後1週間を経て、ウサギより全採血を実施し、抗
メダカビテロジェニン抗血清を得る。
ese White)の背部皮内に1mLずつ、2週間
に1回の間隔で4回に渡り、数十カ所に接種する。4回
目免疫後1週間を経て、ウサギより全採血を実施し、抗
メダカビテロジェニン抗血清を得る。
【0079】(抗メダカビテロジェニンポリクローナル
抗体の精製(IgG精製))PBSに平衡化されたPr
otein G アフィニティーカラム(Amersh
am 社)に、抗メダカビテロジェニン抗血清を加え
て、IgG 画分を吸着させ、その他の血清成分をPB
S にて洗浄する。次に吸着画分を0.1MGlyci
ne / HC1 pH3.0 にて溶出する。得られ
たIgGを速やかに中性に戻し、PBSにて一晩透析す
る。これを抗メダカビテロジェニンポリクローナル抗体
とする。
抗体の精製(IgG精製))PBSに平衡化されたPr
otein G アフィニティーカラム(Amersh
am 社)に、抗メダカビテロジェニン抗血清を加え
て、IgG 画分を吸着させ、その他の血清成分をPB
S にて洗浄する。次に吸着画分を0.1MGlyci
ne / HC1 pH3.0 にて溶出する。得られ
たIgGを速やかに中性に戻し、PBSにて一晩透析す
る。これを抗メダカビテロジェニンポリクローナル抗体
とする。
【0080】
【発明の効果】(1)本発明により、メダカのビテロジ
ェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用いた化学
物質の毒性の測定方法、環境汚染の評価方法及びメダカ
の雌雄判定方法が提供される。
ェニンのみを認識する抗体、並びに該抗体を用いた化学
物質の毒性の測定方法、環境汚染の評価方法及びメダカ
の雌雄判定方法が提供される。
【0081】(2)本発明の抗体はメダカに特異的であ
り、他の卵巣に由来する関連タンパク質の影響を受けず
正確な測定が可能である。従って、本発明の抗体は、化
学物質の毒性の測定方法、環境汚染の評価方法及びメダ
カの雌雄判定方法に有用である。
り、他の卵巣に由来する関連タンパク質の影響を受けず
正確な測定が可能である。従って、本発明の抗体は、化
学物質の毒性の測定方法、環境汚染の評価方法及びメダ
カの雌雄判定方法に有用である。
【0082】(3)メダカは環境に対して敏感ないわゆ
る環境指標動物であり、かつ狭いエリアでその大量生産
が可能であるため、化学物質の毒性や環境汚染の評価の
ための工業的利用価値が大である。
る環境指標動物であり、かつ狭いエリアでその大量生産
が可能であるため、化学物質の毒性や環境汚染の評価の
ための工業的利用価値が大である。
【図1】 ハイブリドーマ3C1が産生するモノクロー
ナル抗体の反応性を示す図である。
ナル抗体の反応性を示す図である。
【図2】 ハイブリドーマ3H5が産生するモノクロー
ナル抗体の種特異性を示す図である。
ナル抗体の種特異性を示す図である。
【図3】 ハイブリドーマ3C1が産生するモノクロー
ナル抗体のサンドイッチELISA法におけるメダカの
ビテロジェニンに対する反応性を示す図である。
ナル抗体のサンドイッチELISA法におけるメダカの
ビテロジェニンに対する反応性を示す図である。
【図4】 水槽中に内分泌攪乱物質を暴露した雄メダカ
血清中のビテロジェニン濃度を示す図である。
血清中のビテロジェニン濃度を示す図である。
【図5】 メダカVgに特異的な抗体を用いたサンドイ
ッチELISA法を示す説明図である。
ッチELISA法を示す説明図である。
【図6】 メダカVgの標準曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12P 21/08 C12R 1:91) C12R 1:91) C12N 15/00 C (72)発明者 有薗 幸司 熊本県熊本市月出3丁目1番100号 熊本 県立大学内 (72)発明者 井口 泰泉 神奈川県横浜市金沢区瀬戸22−2 横浜市 立大学内 (72)発明者 井出 剛 熊本県上益城郡益城町田原2081−10 株式 会社クマモト抗体研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 メダカのビテロジェニンのみを認識する
抗体。 - 【請求項2】 前記抗体がモノクロナール抗体又はポリ
クローナル抗体のいずれかである請求項1記載のメダカ
のビテロジェニンのみを認識する抗体。 - 【請求項3】 受託番号がFERM P−17665で
あるハイブリドーマにより産生される、メダカのビテロ
ジェニンのみを認識する抗体。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の抗
体とメダカの体液中のビテロジェニンとを反応させるこ
とを特徴とする、メダカのビテロジェニンの濃度測定方
法。 - 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の抗
体とメダカの体液中のビテロジェニンとを反応させ、該
反応により測定されたビテロジェニンの濃度の上昇を指
標として化学物質の毒性又は環境汚染を評価する方法。 - 【請求項6】 化学物質が内分泌撹乱作用を有するもの
である請求項5記載の化学物質の毒性又は環境汚染を評
価する方法。 - 【請求項7】 環境汚染が内分泌撹乱作用を有する化学
物質によるものである請求項5記載の化学物質の毒性又
は環境汚染を評価する方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれかに記載の抗
体とメダカの体液中のビテロジェニンとを反応させるこ
とを特徴とするメダカの雌雄判定方法。 - 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれかに記載の抗
体を含む、化学物質の毒性又は環境汚染の評価用キッ
ト。 - 【請求項10】 請求項1ないし3のいずれかに記載の
抗体を含む、メダカの雌雄判定用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000367698A JP2001218582A (ja) | 1999-12-03 | 2000-12-01 | メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34548499 | 1999-12-03 | ||
JP11-345484 | 1999-12-03 | ||
JP2000367698A JP2001218582A (ja) | 1999-12-03 | 2000-12-01 | メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001218582A true JP2001218582A (ja) | 2001-08-14 |
Family
ID=26578032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000367698A Pending JP2001218582A (ja) | 1999-12-03 | 2000-12-01 | メダカのビテロジェニンのみを認識する抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001218582A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001281239A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Enbiotec Laboratories:Kk | 環境汚染物質の検出方法 |
KR20040027222A (ko) * | 2002-09-27 | 2004-04-01 | 바이오돔(주) | 내분비교란물질 검출 바이오마커 시약 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000125867A (ja) * | 1998-08-20 | 2000-05-09 | Kumamoto Kotai Kenkyusho:Kk | コイのビテロジェニンに対するモノクロ―ナル抗体 |
JP2001122899A (ja) * | 1998-11-10 | 2001-05-08 | Sumitomo Chem Co Ltd | メダカ由来のビテロジェニンおよび抗体 |
-
2000
- 2000-12-01 JP JP2000367698A patent/JP2001218582A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000125867A (ja) * | 1998-08-20 | 2000-05-09 | Kumamoto Kotai Kenkyusho:Kk | コイのビテロジェニンに対するモノクロ―ナル抗体 |
JP2001122899A (ja) * | 1998-11-10 | 2001-05-08 | Sumitomo Chem Co Ltd | メダカ由来のビテロジェニンおよび抗体 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001281239A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Enbiotec Laboratories:Kk | 環境汚染物質の検出方法 |
KR20040027222A (ko) * | 2002-09-27 | 2004-04-01 | 바이오돔(주) | 내분비교란물질 검출 바이오마커 시약 |
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101102 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110308 |