JP2001214756A - 圧縮機の運転監視装置 - Google Patents
圧縮機の運転監視装置Info
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Abstract
する。 【解決手段】 効率演算器19は、圧縮機3の入口およ
び出口温度検出器10,13と、入口および出口圧力検
出器11,14との出力に応答し、圧縮機3の効率ηを
演算する。設定手段20は、ダストによる汚染のない正
常な状態の圧縮機3の基準効率ηiを設定する。効率比
演算器21は、効率演算器19および設定手段20の出
力に応答し、効率比ηr(=η/ηi)を演算する。平
均値演算器23は、効率比演算器21の出力に応答し、
効率比の移動平均値ηrmを演算する。弁別手段18
は、前記求めた効率比ηrの移動平均値ηrmが予め定
める許容値ηo以下である状態が予め定める移動平均値
ηrmの演算回数継続したことを判別し、圧縮機3がダ
ストによって汚染されていることを表す出力を導出す
る。
Description
むガスを圧縮する圧縮機およびその圧縮機を備えるガス
タービン発電設備の運転監視装置に関する。
に含み、かつ低圧で発熱量の低いガスをガスタービン発
電設備の燃料として用いる場合、燃料ガスは圧縮機、た
とえば軸流圧縮機で圧縮された後、ガスタービンの燃焼
器に送られて燃焼される。この圧縮機には、運転中に燃
料ガスのダストが圧縮機の翼に付着し、圧縮機の効率を
低下させて圧縮機の消費動力を増大させるという問題が
ある。さらに、圧縮機のダストによる汚染が進行する
と、最悪の場合には回転バランスが崩れて圧縮機の破損
をもたらす恐れもある。このような問題を解決するため
には、運転中における圧縮機のダストによる汚染状況を
監視することが必要である。しかしながら、ダストによ
る圧縮機の汚染は圧縮機の内部で進行するので、これま
で有効な監視装置がなく、定期的な点検による監視が主
として行われていた。
ービン発電設備のガスタービンにおける運転中のダスト
付着状況の監視装置が開示されている。すなわち、この
先行技術には、発電機によって生ずる電力Wを検出し、
タービンの翼にダストが付着していない正常な状態に相
当する発電機の電力WNを演算によって求め、両者の比
率η=(W/WN)を求め、この比率ηの値が予め定め
る許容値以下になったときにガスタービンがダストによ
って汚染されていることを表す警報を発令する監視装置
が開示されている。
では、発電機がガスタービンの発生動力の計測装置とし
て機能するので、発電機の出力を計測してガスタービン
の発生動力を検出し、それに基づいてダストの付着状況
を監視することが可能である。しかしながら、圧縮機
は、複雑な機械構成の一部として組込まれる場合が多い
ので、圧縮機の消費動力のみを単独で検出することは困
難である。また複数の圧縮機を同一の駆動源で駆動する
場合なども個々の圧縮機の消費動力を検出することは困
難である。したがって、圧縮機の場合、前記ガスタービ
ンのようにダスト付着状況を消費動力に基づいて判断す
ることが困難であり、前記先行技術を適用しても問題を
解決することができない。
縮機のダストによる汚染状況を把握することができない
ので、ガスタービンがダストによって汚染されているの
か、圧縮機がダストによって汚染されているのかを判断
することができないという問題がある。したがって、ガ
スタービン発電設備の汚染対策を適切に行うことが困難
であり、ダスト付着状況を点検するための運転中止回数
が増加するという問題がある。
することができなくても、圧縮機のダストによる汚染状
況を確実に監視することができる圧縮機の運転監視装置
を提供することである。また本発明の他の目的は、ガス
タービンと圧縮機とを備えるガスタービン発電設備にお
いて、ガスタービンがダストによって汚染されているの
か、圧縮機がダストによって汚染されているのかを判断
することのできるガスタービン発電設備を提供すること
である。
ガスを圧縮する圧縮機の運転監視装置において、圧縮機
の効率または効率に関連する値を検出する効率検出手段
と、効率検出手段の出力に応答し、検出された効率また
は効率に関連する値が予め定める値以下になったことを
弁別し、効率または効率に関連する値が低下したことを
表す出力を導出する弁別手段とを含むことを特徴とする
圧縮機の運転監視装置である。
出された圧縮機の効率、たとえば断熱圧縮効率または効
率に関連する値、たとえば後記効率比の経時的な変化が
弁別手段によって監視され、圧縮機の効率または効率に
関連する値が予め定める値以下になったか否かが弁別さ
れる。また圧縮機の効率または効率に関連する値が予め
定める値以下になったことが弁別されると、効率または
効率に関連する値が低下したことを表す出力が導出され
る。これによって、圧縮機のダストによる汚染を効率ま
たは効率に関連する値を指標値として確実に検出するこ
とができる。
口と出口とのうち、少なくとも出口のガスの温度を検出
する温度検出器と、圧縮機の入口と出口とのうち、少な
くとも出口のガスの圧力を検出する圧力検出器と、温度
および圧力検出器の出力に応答し、少なくとも圧縮機の
出口におけるガスの温度および圧力から圧縮機の効率η
を演算する効率演算器とを含むことを特徴とする。
におけるガスの温度および圧力から圧縮機の効率ηが演
算されるので、圧縮機の消費動力を検出することができ
なくても、圧縮機の効率ηを求めることができる。これ
によって、圧縮機の設置環境にかかわらず、たとえば複
雑な機械構成の一部として圧縮機が組込まれている場合
でも、確実に圧縮機の効率を求めることができるので、
幅広い用途に監視装置を適用することができる。
とを1または複数段有する軸流圧縮機であって、少なく
とも1段目の静翼は翼の角度を角変位可能に構成されて
おり、翼の角度を検出する角度検出器と、角度検出器の
出力に応答し、検出角度に対応する圧縮機のダストが付
着していない正常な状態における基準効率ηiを設定す
る設定手段とを含み、効率検出手段は、設定手段の出力
に応答し、前記求めた効率ηと基準効率ηiとの効率比
ηr(=η/ηi)を演算する効率比演算器をさらに含
むことを特徴とする。
の付着していない正常な状態における圧縮機の基準効率
ηiが設定され、効率ηと基準効率ηiとの効率比ηr
が演算される。これによって、効率比ηrの経時的な変
化によってダスト付着状況を監視することができるの
で、効率ηの経時的な変化によってダスト付着状況を監
視するよりも明瞭にダストによる汚染の程度を検出する
ことができる。
し、効率比ηrの演算値を平均化処理する平均値演算器
をさらに含むことを特徴とする。
均化処理されるので、効率比ηrの一時的な異常変動に
よる誤った判断を防止することができる。
演算周期で効率比ηrを演算し、平均値演算器は、効率
比演算器の出力に応答し、効率比ηrが新たに演算され
る毎に新しいデータから順番に予め定めるデータ数を保
つように効率比ηrの演算値をサンプリングし、サンプ
リングした効率比ηrの演算値を平均化処理して移動平
均値ηrmを演算し、弁別手段は平均値演算器の出力に
応答し、効率比ηrの移動平均値ηrmが予め定める値
以下になった状態に予め定める演算回数以上継続したこ
とを弁別し、効率比ηrの移動平均値ηrmが低下した
ことを表す出力を導出することを特徴とする。
が移動平均化処理によって行われるので、新たな効率比
ηrが演算される毎に最も古い効率比ηrの演算値と最
も新し効率比ηrの演算値とが置き換えられる。これに
よって、効率比ηrの平均値を適正に把握することがで
きる。また効率比ηrの移動平均値ηrmが予め定める
値以下になった状態が予め定める移動平均の演算回数継
続したか否かが判断されるので、移動平均値ηrmの一
時的な異常変動による誤った判断を防止することができ
る。
するガスタービンと、燃料ガスを圧縮してガスタービン
の燃焼器に供給する圧縮機とを備えるガスタービン発電
設備の運転監視装置において、燃料ガスの流量を検出す
る流量検出器と、燃料ガスの発熱量を測定する発熱量測
定器と、燃料ガスの流量および発熱量から燃料ガスのエ
ネルギW1を求める燃料ガスエネルギ演算器と、発電機
によって発電された電力W2を検出する電力検出器と、
燃料ガスエネルギ演算器および電力検出器の出力に応答
し、燃料ガスのエネルギW1および発電された電力W2
からガスタービン発電設備の全エネルギ損失WL(=W
1−W2)を演算する全損失演算器と、圧縮機の入口と
出口とのうち、少なくとも出口のガスの温度を検出する
温度検出器と、圧縮機の入口と出口とのうち、少なくと
も出口のガスの圧力を検出する圧力検出器と、温度およ
び圧力検出器の出力に応答し、少なくとも圧縮機の出口
におけるガスの温度および圧力から圧縮機の効率ηを演
算する効率演算器と、効率演算器の出力に応答し、圧縮
機の損失WCを演算する圧縮機損失演算器と、全エネル
ギ損失演算器および圧縮機損失演算器の出力に応答し、
全エネルギ損失WLおよび圧縮機の損失WCからガスタ
ービンの損失WG(=WL−WC)を演算するガスター
ビン損失演算器と、圧縮機損失演算器およびガスタービ
ン損失演算器の出力に応答し、圧縮機の損失WCが予め
定める値WCO以上のとき、圧縮機の損失WCが過大で
あることを表す出力を導出し、ガスタービンの損失WG
が予め定める値WGO以上のとき、ガスタービンの損失
WGが過大であることを表す出力を導出する制御手段と
を含むことを特徴とするガスタービン発電設備の運転監
視装置である。
が演算によって求められ、発電機の発電電力W2が検出
されるので、全エネルギ損失WL(=W1−W2)を求
めることができる。また圧縮機の損失WCが演算によっ
て求められるので、前記求めた全エネルギ損失WLと圧
縮機の損失WCとからガスタービンの損失WG(=WL
−WC)を求めることができる。また圧縮機の損失WC
が予め定める許容値WCO以上のとき、圧縮機の損失W
Cが過大であることを表す出力が導出され、ガスタービ
ンの損失WGが予め定める許容値WGO以上のとき、ガ
スタービンの損失WGが過大であることを表す出力が導
出される。これによって圧縮機およびガスタービンの損
失がそれぞれ求められ、予め定めるそれぞれの許容値と
比較されるので、圧縮機がダストによって汚染されてい
るのか、あるいはガスタービンがダストによって汚染さ
れているのかを確実に判断することができる。
機には、圧縮機を洗浄する洗浄手段が設けられており、
制御手段は圧縮機の損失WCが予め定める値WCO以上
のとき、圧縮機を洗浄すべきことを表す出力を導出する
ことを特徴とする。
であるとき、洗浄手段によって圧縮機が洗浄されるの
で、適切なタイミングで圧縮機を洗浄することができ、
ダスト付着による不具合の発生を未然に防止することが
できる。
る運転監視装置1の電気的構成を示すブロック図であ
り、図2は図1に示す運転監視装置1を備える圧縮機3
の構成を簡略化して示す系統図である。圧縮機3は、た
とえば後述の図6に示されるようにガスタービン発電設
備28に備えられ、高炉ガスなどのダストを多量に含む
ガスを圧縮してガスタービン30の燃焼器31に供給す
る。圧縮機3は、たとえば軸流圧縮機であり、1組の静
翼4と動翼5とを1または複数段有する。圧縮機3の1
段目の静翼4はガスの流れ方向最上流側に配置されてお
り、さらに少なくとも1段目の静翼4には角度調整手段
6が設けられている。角度調整手段6は、たとえば複動
油圧シリンダによって実現され、静翼4とガスの流れ方
向12との成す角度θ(以後、静翼角度と略称する)を
調整することができる。圧縮機3の回転軸7は、タービ
ンまたは電動機などの駆動源によって回転駆動される。
縮機3に導く入口管路8と、圧縮されたガスを圧縮機3
から排出する出口管路9とがそれぞれ接続されている。
入口管路8には、圧縮機3の入口におけるガスの温度T
1および圧力P1を検出する入口温度検出器10および
入口圧力検出器11がそれぞれ設けられており、出口管
路9には圧縮機3の出口におけるガスの温度T2および
圧力P2を検出する出口温度検出器13および出口圧力
検出器14がそれぞれ設けられている。さらに角度調整
手段6には、静翼角度θを検出する角度検出器15が設
けられており、圧縮機3の回転軸7には回転軸7の回転
速度Nを検出する回転速度検出器16が設けられてい
る。
別手段18とを備える。効率検出手段17は、入口およ
び出口温度検出器10,13と、入口および出口圧力検
出器11,14と、角度検出器15と、効率演算器19
と、設定手段20と、効率比演算器21と、平均値演算
器23とを含む。効率演算器19は、入口および出口温
度検出器10,13と入口および出口圧力検出器11,
14との出力に応答し、圧縮機3の効率ηを演算して効
率ηを表す出力を導出する。本実施の形態では、圧縮機
3の効率ηとして断熱圧縮効率ηが演算される。断熱圧
縮効率ηは、発生熱が外部に逃げないと仮定して求めら
れる効率であり、圧縮機3の断熱圧縮仕事とガスに実際
に与えられる仕事との比によって定義される。断熱圧縮
効率ηは次の式1によって求められる。式1中のkは断
熱指数であり、ガスの種類によって定まる値である。
3の入口および出口におけるガスの温度T1,T2と、
圧縮機3の入口および出口におけるガスの圧力P1,P
2とを式1に代入することによって求められるけれど
も、通常圧縮機3の入口におけるガスの温度T1および
圧力P1は安定しているので、圧縮機3の入口における
ガスの温度T1および圧力P1に一定値を代入して圧縮
機3の効率ηを求めるようにしてもよい。
る汚染の程度が圧縮機3の効率ηに基づいて判別され
る。これは次のように説明される。圧縮機3の入口にお
けるガスの温度T1および圧力P1が一定値であるとみ
なせる場合、圧縮機3の効率ηは式2によって表され
る。 η = f(P2,T2) …(2)
よび温度T2は、圧縮すべきガスの種類C、圧縮機3の
回転軸7の回転速度N、静翼角度θおよび汚染の程度X
によって変化する。したがって式2は次の式3と置き換
えることができる。 η = f(C,N,θ,X) …(3)
スの種類Cは予め決まっており、圧縮機3の回転速度N
も起動停止の一時的な部分を除いては一定の定格回転数
NOで駆動されるので、圧縮機3の効率ηに影響を与え
る要因は静翼角度θと圧縮機3の汚染の程度Xとにな
る。したがって、圧縮機3の効率ηは、次の式4によっ
て表される。 η = f(θ,X) …(4)
3の効率ηは、圧縮機3のダストによる汚染の程度Xを
表すので、効率ηに基づいて圧縮機3がダストによって
汚染されているか否かを判断することができる。
ていない正常な状態の圧縮機3の効率(以後、基準効率
ηiと呼ぶ)、圧縮機3の定格回転数NOおよび後述す
る効率比の移動平均値の許容値ηoを設定し、設定値を
表す出力を導出する。このうち、基準効率ηiは使用開
始時の正常な状態で計測された効率であり、実験によっ
て静翼角度θの関数として予め与えられる。設定手段2
0は、角度検出器15の出力に応答し、検出された静翼
角度θに対応する基準効率ηiを設定する。前記基準効
率ηiとして、設計的に与えられた効率を用いてもよ
い。この場合、基準効率ηiは数値データとして事前に
与えられる。
び設定手段20の出力に応答し、圧縮機3の効率ηと基
準効率ηiとの効率比ηrを演算して、演算値を表す出
力を導出する。効率比ηrは次の式5によって表され
る。前記平均値演算器23は効率比演算器21の出力に
応答し、後述のように効率比ηrの移動平均値ηrmを
演算し、演算値を表す出力を導出する。 ηr = η/ηi …(5)
設定手段20の出力に応答し、後述のように効率比ηr
の移動平均値ηrmが予め定める許容値ηo以下になっ
た状態が予め定める移動平均値の演算回数以上継続した
ことを弁別し、効率比ηrの移動平均値ηrmが低下し
たことを表す出力、すなわち圧縮機3がダストによって
汚染されていることを表す出力を導出する。弁別手段1
8の出力は、警報器24に送られる。警報器24は、圧
縮機3がダストによって汚染されていることを表す警報
を発令する。弁別手段18は、さらに回転速度検出器1
6および設定手段20の出力に応答し、圧縮機3の回転
速度Nが定格回転速度NOに到達したことを弁別し、到
達したことを表す信号を導出して効率検出手段17の動
作を開始させる。前記弁別手段18、効率演算器19、
効率比演算器21および平均値演算器23は、マイクロ
コンピュータなどによって実現される処理回路25を構
成する。
回路25の動作を説明するためのフローチャートであ
る。ステップa1では、圧縮機3が運転中であるか否か
が判断され、運転中であればステップa2に進む。ステ
ップa2では、圧縮機3の回転速度Nの検出値がデータ
入力される。ステップa3では、回転速度Nが定格回転
速度NOに到達しているか否かが判断され、この判断が
肯定であれば、ステップa4に進む。ステップa1およ
びステップa3の判断が否定であれば、ステップa12
に進み、警報が発令されていれば警報を解除して圧縮機
3の運転監視を終了する。このように、圧縮機3の運転
監視の開始に先立って、運転判断および回転速度判断が
行われるので、監視する時間範囲を安定した運転が行わ
れる期間に限定することができ、不安定な運転期間にお
ける異常な変動の影響を除去することができる。
機3の入口におけるガスの圧力P1および温度T1と、
圧縮機3の出口におけるガスの圧力P2および温度T2
と、静翼角度θとがデータ入力される。ステップa5で
は、圧縮機3の効率ηが式1から演算される。ステップ
a6では、基準効率ηiが検出された静翼角度θに対応
して次の式6に基づいて求められる。 ηi = ηi(θ) …(6)
づいて演算される。効率比ηrは予め定める演算周期、
たとえば30分毎に演算される。このように圧縮機3の
運転監視が効率ηでなく効率比ηrに基づいて行われる
のは、圧縮機3の汚染状況の経時的な変化を監視するに
は、ダストによる汚染のない状態との比較である効率比
ηrで表した方が汚染の程度を明瞭に表すことができる
からである。
値ηrmが平均値演算器23によって演算される。平均
値演算器23は、効率比ηrが新たに演算される毎に新
しいデータから順番に予め定めるデータ数(本実施の形
態では12)を保つように効率比ηrの演算値をサンプ
リングし、すなわち新たな効率比ηrの演算値を加える
とともに最も古い効率比ηrの演算値を廃棄してデータ
数を一定に保ち、サンプリングした効率比ηrの演算値
を平均化処理して移動平均値ηrmを演算する。移動平
均値ηrmの演算式は、nを予め定めるデータ数、ηr
iをi番目の効率比ηrの演算値とすると次の式7によ
って表される。
経時的な変化と、警報器24の作動状況を示すグラフで
ある。効率比ηrの移動平均値ηrmは、図4(1)に
示すように圧縮機3のダストによる汚染の進行とともに
経時的に低下する。ステップa9では、効率比ηrの移
動平均値ηrmが予め定める許容値ηo以下であるか否
かが判断される。この判断が図4(1)の時刻t1に示
すように肯定であれば、ステップa10に進む。
許容値ηo以下である状態が予め定める移動平均の演算
回数m(本実施の形態では4)継続したか否かが判断さ
れる。この判断が図4(1)の時刻t2に示すように肯
定であれば、すなわち効率比ηrの移動平均値ηrmが
許容値ηo以下である状態が所定演算回数継続したこと
が弁別されれば、圧縮機3がダストによって汚染されて
いると判定されて、ステップa11に進む。このように
効率比ηrの移動平均値ηrmに基づいて圧縮機3の運
転監視が行われるので、外乱等による一時的な異常変動
による誤判断を防止することができる。
よって汚染されていることを表す警報が図4(2)の時
刻t2に示すように発令され、圧縮機3を洗浄すべきこ
とが勧告されて、圧縮機3の運転監視の1サイクルが終
了する。ステップa9およびステップa10の判断が否
定であれば、ステップa12に進み、警報が発令されて
いれば警報を解除して圧縮機3の運転監視を終了する。
前記ステップa1〜a12の一連の処理は繰返して行わ
れる。
効率比ηrの移動平均値ηrmを指標値として圧縮機3
の運転監視が行われるので、圧縮機3の消費動力を検出
することができなくても、圧縮機3がダストによって汚
染されているか否かを確実に検出することができる。こ
れによって、圧縮機3が複雑な機械構成の一部として組
込まれている場合でも、圧縮機3の運転監視を的確に行
うことができ、運転監視装置1を圧縮機を備える様々な
設備において好適に適用することができる。
機3は軸流圧縮機を対象としているけれども、これに限
定されるものではなく遠心圧縮機を対象にしてもよい。
また本実施の形態では、圧縮機3の効率比ηrの移動平
均値ηrmを指標値として用いているけれども、これに
限定されるものではなく、平均化処理を行わないで圧縮
機3の効率ηまたは効率比ηrをそのまま指標値として
用いてもよい。これによって、圧縮機3のダストによる
汚染の進行が緩やかな場合でも汚染状況を迅速に検知す
ることができる。さらに移動平均値以外の平均値を指標
値として用いてもよく、圧縮機3の効率ηの移動平均値
を指標値として用いてもよい。また、1段目の静翼4の
み角変位可能に構成されているけれども、他の静翼4お
よび動翼5も角変位可能に構成してもよい。また、すべ
ての静翼4および動翼5を角変位することができない非
可変形に構成してもよい。この場合においても基準効率
ηiを一定値とすれば本実施の形態を適用することが可
能である。
転監視装置27の電気的構成を示すブロック図であり、
図6は図5に示す運転監視装置27を備えるガスタービ
ン発電設備28の構成を簡略化して示す系統図である。
ガスタービン発電設備28は、発電機29と、発電機2
9を回転駆動して発電するガスタービン30と、燃料ガ
スを圧縮してガスタービン30の燃焼器31に供給する
圧縮機3とを含む。ガスタービン30は、空気圧縮機3
3と燃焼器31とタービン34とを含んで構成される。
圧縮機3と空気圧縮機33とタービン34とは、同軸に
連結され、同一回転速度で回転する。圧縮機3およびそ
の周辺の構成は、前記図2に示す実施の形態と類似して
いるので、対応する部分には同一の参照符号を付し、説
明を省略する。
に含む燃料ガスが入口管路8を介して供給される。入口
管路8には、供給される燃料ガスの流量Fを検出する流
量検出器37と、燃料ガスの発熱量を検出する発熱量検
出器38とが設けられている。圧縮機3には、さらに洗
浄手段39が設けられている。洗浄手段39は、タンク
40に貯留されている洗浄剤を洗浄ポンプ41によって
供給管路42を介してノズルヘッダ43に供給し、ノズ
ル44から圧縮機3に噴射して圧縮機3を洗浄する。発
電機29によって発電された電力Wは、電力検出器46
によって検出される。
検出器10,13と、入口および出口圧力検出器11,
14と、流量検出器37と、発熱量検出器38と、電力
検出器46と、燃焼ガスエネルギ演算器48と、全損失
演算器49と、効率演算器19と、圧縮機損失演算器5
0と、ガスタービン損失演算器51と、設定手段53
と、制御手段54とを含む。
器37および発熱量検出器38の出力に応答し、燃焼ガ
スの流量Fおよび発熱量Hから燃焼ガスの保有するエネ
ルギW1を演算して、それを表す出力を導出する。燃焼
ガスのエネルギW1は次の式8によって表される。 W1 = f(F,H) …(8)
び燃料ガスエネルギ演算器48の出力に応答し、導入さ
れたエネルギを表す燃焼ガスのエネルギW1と得られた
エネルギを表す発電電力W2とから全エネルギ損失WL
を演算して、それを表す出力を導出する。全エネルギ損
失WLは、次の式9によって表される。 WL = W1−W2 …(9)
出器10,13と、入口および出口圧力検出器11,1
4との出力に応答し、図1に示す実施の形態と同様に圧
縮機3の効率ηを式1から演算して、それを表す出力を
導出する。圧縮機損失演算器50は、効率演算器19、
流量検出器37および出口圧力検出器14の出力に応答
し、圧縮機3の効率ηと、燃料ガスの流量Fと、圧縮機
3の出口におけるガスの圧力P2とから圧縮機3の損失
WCを演算して、それを表す出力を導出する。圧縮機3
の損失WCは次の式10によって表される。 WC = f(η,F,P2) …(10)
算器49および圧縮機損失演算器50の出力に応答し、
全エネルギ損失WLと、圧縮機3の損失WCとからガス
タービン30の損失WGを演算して、それを表す出力を
導出する。ガスタービン30の損失WGは、次の式11
によって表される。 WG = WL−WC …(11)
の許容値WGOと、圧縮機の損失の許容値WCOとを設
定し、それを表す出力を導出する。制御手段54は、圧
縮機損失演算器50、ガスタービン損失演算器51およ
び設定手段53の出力に応答し、圧縮機3の損失WCと
許容値WCOとを対比するとともに、ガスタービン30
の損失WGと許容値WGOとを対比し、WC≧WCOの
ときには圧縮機3を洗浄すべきことを表す出力を導出し
て洗浄ポンプ41を駆動し、WG≧WGOのときにはガ
スタービン30の損失WGが過大であることを表す出力
を導出して、警報器55を駆動する。前記燃料ガスエネ
ルギ演算器48、全損失演算器49、効率演算器19、
圧縮機損失演算器50、ガスタービン損失演算器51お
よび制御手段54は、マイクロコンピュータなどによっ
て実現される処理回路56を構成する。
理回路56の動作を説明するためのフローチャートであ
る。ステップs1では、検出データである圧縮機3の入
口における燃焼ガスの圧力P1および温度T1と、圧縮
機3の出口における燃焼ガスの圧力P2および温度T2
と、発電電力W2と、燃焼ガスの流量Fと、燃焼ガスの
発熱量Hとがデータ入力される。このステップs1の処
理に先立って、図3のステップa1〜ステップa3と同
様に圧縮機3の運転判断および回転速度判断を行っても
よい。
1が式8に基づいて演算され、ステップs3では、全エ
ネルギ損失WLが式9に基づいて演算され、ステップs
4では、圧縮機3の効率ηが式1に基づいて図3のステ
ップa5と同様に演算される。さらにステップs5で
は、圧縮機3の損失WCが式10に基づいて演算され、
ステップs6では、ガスタービン30の損失WGが式1
1に基づいて演算される。
失WCが許容値WCO以上であるか否かが判断され、こ
の判断が肯定であれば、ステップs8に進む。ステップ
s8では、圧縮機3の損失WCが過大であることを表す
出力、すなわち圧縮機3がダストによって汚染されてい
るので圧縮機3を洗浄すべきことを表す出力が導出され
る。この出力が導出されると、洗浄手段39の洗浄ポン
プ41が駆動されて圧縮機3の洗浄が行われる。ステッ
プs7の判断が否定であれば、ステップs9に進む。ス
テップs9では、ガスタービン30の損失WGが許容値
WGO以上であるか否かが判断され、この判断が肯定で
あれば、ステップs10に進む。ステップs10では、
ガスタービン30の損失WGが過大であることを示す出
力、すなわちガスタービン30がダストによって汚染さ
れているので警報を発令すべきことを表す出力が導出さ
れる。これによって、運転監視の1サイクルの処理が終
了する。ステップs1〜s10の一連の処理は繰返して
行われる。
およびガスタービン30の運転監視を個別に行うことが
できるので、圧縮機3がダストによって汚染されている
のか、ガスタービン30がダストによって汚染されてい
るのかを確実に判断することができる。したがって、監
視結果に基づいて的確な対策を講ずることができる。ま
た圧縮機3がダストによって汚染されていると判断され
たときには、洗浄手段39の洗浄ポンプ41が駆動され
て圧縮機3の洗浄が行われるので、適切なタイミングで
圧縮機3を洗浄することができ、ダスト付着による不具
合、たとえば圧縮機3の破損の発生を未然に防止するこ
とができる。また本実施の形態では、洗浄手段39が設
けられているけれども、洗浄手段39を設けないで、圧
縮機3がダストによって汚染されていると判断されると
き、それを表す警報が発令されるように構成してもよ
い。
れば、圧縮機のダストによる汚染を効率または効率に関
連する値を指標値として確実に検出することができる。
くとも圧縮機の出口におけるガスの温度および圧力から
圧縮機の効率ηが演算されるので、圧縮機の消費動力を
検出することができなくても、圧縮機の効率ηを求める
ことができる。これによって圧縮機の設置環境にかかわ
らず、確実に圧縮機の効率を求めることができるので監
視装置の適用範囲を拡大することができる。
ηと基準効率ηiとの効率比ηrが演算されるので、効
率比ηrの経時的な変化によってダスト付着状況を監視
することができ、効率ηの経時的な変化によってダスト
付着状況を監視するよりも明瞭にダストによる汚染の程
度を検出することができる。
比ηrの演算値が平均化処理されるので、効率比ηrの
一時的な異常変動による影響を除去することができる。
比ηrの平均化処理は移動平均化処理によって行われる
ので、効率比ηrの平均値を適正に把握することができ
る。また効率比ηrの移動平均値ηrmが予め定める値
以下になった状態が予め定める移動平均の演算回数継続
したか否かが判断されるので、移動平均値ηrmの一時
的な異常変動による影響を除去することができる。
機およびガスタービンの損失がそれぞれ求められ、予め
定めるそれぞれの許容値と比較されるので、圧縮機がダ
ストによって汚染されているのか、あるいはガスタービ
ンがダストによって汚染されているのかを確実に判断す
ることができる。
機の損失WCが過大であるとき洗浄手段によって圧縮機
が洗浄されるので、適切なタイミングで圧縮機を洗浄す
ることができ、ダスト付着による不具合の発生を未然に
防止することができる。
電気的構成を示すブロック図である。
構成を簡略化して示す系統図である。
作を説明するためのフローチャートである。
と、警報器24の作動状況を示すグラフである。
7の電気的構成を示すブロック図である。
ビン発電設備28の構成を簡略化して示す系統図であ
る。
動作を説明するためのフローチャートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ダストを含むガスを圧縮する圧縮機の運
転監視装置において、圧縮機の効率または効率に関連す
る値を検出する効率検出手段と、 効率検出手段の出力に応答し、検出された効率または効
率に関連する値が予め定める値以下になったことを弁別
し、効率または効率に関連する値が低下したことを表す
出力を導出する弁別手段とを含むことを特徴とする圧縮
機の運転監視装置。 - 【請求項2】 効率検出手段は、 圧縮機の入口と出口とのうち、少なくとも出口のガスの
温度を検出する温度検出器と、 圧縮機の入口と出口とのうち、少なくとも出口のガスの
圧力を検出する圧力検出器と、 温度および圧力検出器の出力に応答し、少なくとも圧縮
機の出口におけるガスの温度および圧力から圧縮機の効
率ηを演算する効率演算器とを含むことを特徴とする請
求項1記載の圧縮機の運転監視装置。 - 【請求項3】 圧縮機は、1組の静翼と動翼とを1また
は複数段有する軸流圧縮機であって、少なくとも1段目
の静翼は翼の角度を角変位可能に構成されており、 翼の角度を検出する角度検出器と、 角度検出器の出力に応答し、検出角度に対応する圧縮機
のダストが付着していない正常な状態における基準効率
ηiを設定する設定手段とを含み、 効率検出手段は、 設定手段の出力に応答し、前記求めた効率ηと基準効率
ηiとの効率比ηr(=η/ηi)を演算する効率比演
算器をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の圧縮
機の運転監視装置。 - 【請求項4】 効率比演算器の出力に応答し、効率比η
rの演算値を平均化処理する平均値演算器をさらに含む
ことを特徴とする請求項3記載の圧縮機の運転監視装
置。 - 【請求項5】 効率比演算器は、予め定める演算周期で
効率比ηrを演算し、平均値演算器は、効率比演算器の
出力に応答し、効率比ηrが新たに演算される毎に新し
いデータから順番に予め定めるデータ数を保つように効
率比ηrの演算値をサンプリングし、サンプリングした
効率比ηrの演算値を平均化処理して移動平均値ηrm
を演算し、 弁別手段は平均値演算器の出力に応答し、効率比ηrの
移動平均値ηrmが予め定める値以下になった状態に予
め定める演算回数以上継続したことを弁別し、効率比η
rの移動平均値ηrmが低下したことを表す出力を導出
することを特徴とする請求項4記載の圧縮機の運転監視
装置。 - 【請求項6】 発電機を回転駆動して発電するガスター
ビンと、燃料ガスを圧縮してガスタービンの燃焼器に供
給する圧縮機とを備えるガスタービン発電設備の運転監
視装置において、 燃料ガスの流量を検出する流量検出器と、 燃料ガスの発熱量を測定する発熱量測定器と、 燃料ガスの流量および発熱量から燃料ガスのエネルギW
1を求める燃料ガスエネルギ演算器と、 発電機によって発電された電力W2を検出する電力検出
器と、 燃料ガスエネルギ演算器および電力検出器の出力に応答
し、燃料ガスのエネルギW1および発電された電力W2
からガスタービン発電設備の全エネルギ損失WL(=W
1−W2)を演算する全損失演算器と、 圧縮機の入口と出口とのうち、少なくとも出口のガスの
温度を検出する温度検出器と、 圧縮機の入口と出口とのうち、少なくとも出口のガスの
圧力を検出する圧力検出器と、 温度および圧力検出器の出力に応答し、少なくとも圧縮
機の出口におけるガスの温度および圧力から圧縮機の効
率ηを演算する効率演算器と、 効率演算器の出力に応答し、圧縮機の損失WCを演算す
る圧縮機損失演算器と、 全エネルギ損失演算器および圧縮機損失演算器の出力に
応答し、全エネルギ損失WLおよび圧縮機の損失WCか
らガスタービンの損失WG(=WL−WC)を演算する
ガスタービン損失演算器と、 圧縮機損失演算器およびガスタービン損失演算器の出力
に応答し、圧縮機の損失WCが予め定める値WCO以上
のとき、圧縮機の損失WCが過大であることを表す出力
を導出し、ガスタービンの損失WGが予め定める値WG
O以上のとき、ガスタービンの損失WGが過大であるこ
とを表す出力を導出する制御手段とを含むことを特徴と
するガスタービン発電設備の運転監視装置。 - 【請求項7】 ガスタービン発電設備の圧縮機には、圧
縮機を洗浄する洗浄手段が設けられており、制御手段は
圧縮機の損失WCが予め定める値WCO以上のとき、圧
縮機を洗浄すべきことを表す出力を導出することを特徴
とする請求項6記載のガスタービン発電設備の運転監視
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000023719A JP3400967B2 (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | ガスタービン発電設備 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005133583A (ja) * | 2003-10-29 | 2005-05-26 | Hitachi Ltd | ガスタービン洗浄時期判定装置及び判定方法 |
JP2006194550A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Hitachi Ltd | 排熱回収ボイラの発生蒸気推定方法及び発生蒸気推定装置、発電設備の保全計画支援方法及び保全計画支援システム |
JP2008018307A (ja) * | 2006-07-11 | 2008-01-31 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 制御装置、及び異常検出方法 |
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-
2000
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JP4575176B2 (ja) * | 2005-01-17 | 2010-11-04 | 株式会社日立製作所 | 排熱回収ボイラの発生蒸気推定方法及び発電設備の保全計画支援方法 |
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