JP2001214270A - Pzt薄膜の合成方法およびplzt薄膜の合成方法 - Google Patents

Pzt薄膜の合成方法およびplzt薄膜の合成方法

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JP2001214270A JP2000020856A JP2000020856A JP2001214270A JP 2001214270 A JP2001214270 A JP 2001214270A JP 2000020856 A JP2000020856 A JP 2000020856A JP 2000020856 A JP2000020856 A JP 2000020856A JP 2001214270 A JP2001214270 A JP 2001214270A
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Katsuhiko Tomita
勝彦 冨田
Masaru Okada
勝 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば8インチSi基板のように大面積の基
板へのPLZT薄膜の合成に際して、化学量論組成で、
かつ、所定のLa/(Pb+La)およびZr/(Ti
+Zr)の値を含むPLZT薄膜の組成を短時間にかつ
精度よく制御することにより、大面積かつ良質のPLZ
T薄膜を確実に合成する方法を提供することである。。 【解決手段】 MOCVD法によって基板上にPZT薄
膜を合成する方法において、PZT薄膜を構成するP
b、La、Zr、Tiの先駆体であり、反応室に供給さ
れる複数の有機金属ガスの混合比を、ICP発光分光装
置を用いて、CVDの開始前および/またはCVD中に
測定し、この測定結果に基づいて前記有機金属ガスの流
量を個々に調整するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機金属原料を
用いた化学気相成長法によって、PZT薄膜またはPL
ZT薄膜を合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PLZT〔(Pb,La)(Zr,T
i)O3 〕薄膜は、PbTiO3 薄膜やPZT〔Pb
(Zr,Ti)O3 〕薄膜などと同様に、焦電性、圧電
性、強誘電性、電気光学効果などを有し、これらの特性
を利用した赤外線センサ、圧電センサ、LSI不揮発性
メモリなどが実用化されてきている。これらの電子デバ
イスへの応用に際し、PLZT薄膜の薄膜形成技術を確
立することが最重要な課題であり、従来からスパッタ
法、レーザアブレイション法、ゾル・ゲル法などの手法
が試みられている。
【0003】前記スパッタ法やレーザアブレイション法
などの物理的な手法では成膜速度が小さく、表面欠陥の
生成や組成制御の困難性などの欠点がある。また、ゾル
・ゲル法では、成膜操作が簡単で組成制御が容易である
が、膜質や段差被覆性(基板に凹凸があっても水平、垂
直方向に均一膜厚を与える性質)に劣り、基板上に平滑
な配向膜やエピタキシャル成長膜を形成しにくいといっ
た欠点がある。
【0004】上述した各手法の欠点を解決するものとし
て、MOCVD(Metalorganic Chem
ical Vapor Deposition)法が期
待されている。このMOCVD法は、原料となる複数の
有機金属化合物(ソース原料)を有機金属ガスとして反
応室に送り込み、化学反応によって基板上に薄膜を堆積
させる技術である。PLZT薄膜のように、多元素を含
む複合酸化膜を合成する場合、MOCVD法は、スパッ
タ法やレーザアブレイション法などの物理的成膜法とは
異なり、酸素分圧を任意に選ぶことができるとともに、
反応時に高エネルギー粒子を含まないため、きわめてマ
イルドな条件での成膜が可能である。また、基板上に平
滑な配向膜やエピタキシャル膜を成長させることも可能
であり、堆積速度もスパッタ法やレーザアブレイション
法より大きいといった特長がある。
【0005】ところで、MOCVD法によってPLZT
薄膜を合成する場合、PLZT薄膜を構成するPb、L
a、Zr、Tiをそれぞれ含む有機金属化合物が出発原
料(ソース原料)として使用される。一般に、ソース原
料は、低温で大きい蒸気圧を有し、500〜700℃の
合成温度において、複数の有機金属ガスが基板表面で反
応して薄膜を成長させるのが好ましい。基板からの輻射
熱によって有機金属ガスが基板に到達する前に気相中で
反応してしまい、酸化物の核(微粉体)が生成する現象
を「気相核生成反応」といい、核生成反応が起こるよう
な原料を使用すると、その核が膜中に混入して膜質を著
しく劣化させることになる。
【0006】MOCVD法の特長の一つに、段差被覆性
が良好であることが挙げられる。この性質は、薄膜を用
いた高密度のLSI不揮発性メモリに応用する場合、他
の方法にない利点である。この段差被覆性は、CVD原
料の種類や基板温度、反応室内の圧力などの合成条件に
よっても変化することが知られている。
【0007】MOCVD法によってPLZT薄膜を合成
する方法において、PLZT薄膜を構成するPb、L
a、Zr、Tiをそれぞれ含む有機金属化合物が気相中
で核生成反応を起こさず、しかも段差被覆性に優れた原
料を実験的に検討した結果を下記表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】ところで、PLZT薄膜の組成式は、一般
に、(Pb1-y Lay )(Zrx Ti1-x )O3 で表さ
れ、化学量論組成の(Pb1-y Lay )/(Zrx Ti
1-x)=1が必須であり、用途によって前記xおよびy
の値が任意に選ばれる。化学量論組成でないPLZT薄
膜は、誘電率、残留分極、抗電界といった電気的特性が
悪く、実用的ではない。
【0010】そこで、目的とする組成のPLZT薄膜を
得る一般的な方法として、PLZT薄膜の結晶化が起こ
る温度(550℃)より高い温度で固定し、反応室内の
圧力を667Pa以下で一定にする。一方、PLZT薄
膜を構成するPb、La、Zr、Tiの有機金属化合物
の原料温度をそれぞれ設定された温度に一定に保ち、設
定された流量のキャリアガス(例えばアルゴンガス)を
各原料をそれぞれ収容した容器中に流すことによって、
複数の有機金属ガスが混合したガス(有機金属混合ガ
ス)を反応室内に供給することができる。この場合、有
機金属混合ガスには、反応室に供給される前に所定量の
酸素ガスが酸化剤として添加される。
【0011】上記の方法によって反応室内に供給された
有機金属混合ガスは、サセプタ上の基板(例えば、Pt
/SiO2 /SiやPt/MgOなど)表面上で反応
し、この基板表面上にPLZT薄膜が成長する。この合
成されたPLZT薄膜の組成は、エネルギー分散型X線
分析装置(EDX)などで測定され、所定の組成になっ
ているか否かが判定される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実の
問題として、上述のように合成条件を固定しても、PL
ZT薄膜の組成に変動が生ずる。特に、この組成変動
は、ソース原料の交換時や装置洗浄などによる長時間の
反応停止や、長時間運転によるソース原料の劣化時など
に生ずる。また、PLZT薄膜の合成温度や反応室内の
圧力など合成条件を変えるとPLZT薄膜の組成は大き
く変動する。
【0013】一般に、MOCVD法は、スパッタ法やレ
ーザアブレイション法に比較して堆積速度を大きくとれ
るという特長を有する。例えば、実験用の2インチSi
基板を用いた場合、PLZT薄膜の堆積速度は、20n
m/分とすることができ、電子デバイスで用いられるP
LZT薄膜の膜厚200nmを得るには、10分の堆積
時間を要する。そして、EDXによる組成分析に約10
分程度要するので、組成変動の1回の修正作業を20分
程度で行うことができ、比較的短時間で組成変動の修正
を完了することができる。
【0014】しかしながら、PLZT薄膜の組成変動の
修正の問題は、電子デバイス生産用の大面積基板(例え
ば8インチSi基板)上に堆積させる場合に大きな障害
となる。すなわち、PLZT薄膜の合成条件が同じであ
れば、堆積速度は基板の直径の自乗に反比例して小さく
なるから、8インチSi基板における堆積速度は、2イ
ンチSi基板における堆積速度の1/16、すなわち、
1.25nm/分となり、200nmのPLZT薄膜を
得るのに160分の堆積時間を要することとなる。した
がって、1回の組成変動の修正に170分といった長時
間を要することになり、この点が実用化のネックとなっ
ていた。
【0015】ところで、8インチSi基板に対応したP
LZT薄膜の合成において堆積速度を大きくする方法と
して、ソース原料の温度を高くして有機金属混合ガスの
蒸気圧を大きくすることが考えられるが、過剰な高温は
ソース原料の早期劣化を招来する。また、キャリアガス
の流量を増やすと反応室内の圧力を上げることになり逆
効果となる。これらの改善手法では、PLZT薄膜の堆
積速度を大きく、つまり、堆積時間を短縮することはで
きなかった。
【0016】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、例えば8インチSi基板のよう
に大面積の基板へのPLZT薄膜の合成に際して、化学
量論組成で、かつ、所定のLa/(Pb+La)および
Zr/(Ti+Zr)の値を含むPLZT薄膜の組成を
短時間にかつ精度よく制御することにより、大面積かつ
良質のPZT薄膜またはPLZT薄膜を確実に合成する
方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明では、MOCVD法によって基
板上にPZT薄膜を合成する方法において、PZT薄膜
を構成するPb、Zr、Tiの先駆体であり、反応室に
供給される複数の有機金属ガスの混合比を、ICP発光
分光装置を用いて、CVDの開始前および/またはCV
D中に測定し、この測定結果に基づいて前記有機金属ガ
スの流量を個々に調整するようにしている。
【0018】そして、請求項2に係る発明では、MOC
VD法によって基板上にPLZT薄膜を合成する方法に
おいて、PLZT薄膜を構成するPb、La、Zr、T
iの先駆体であり、反応室に供給される複数の有機金属
ガスの混合比を、ICP発光分光装置を用いて、CVD
の開始前および/またはCVD中に測定し、この測定結
果に基づいて前記有機金属ガスの流量を個々に調整する
ようにしている。
【0019】この発明は、MOCVD法によって8イン
チSi基板のような大面積基板上に、例えばPLZT薄
膜を合成する方法において、PLZT薄膜を構成するP
b、La、Zr、Tiの先駆体である複数の有機金属ガ
スの混合比とPLZT薄膜における組成比との間には、
1:1の対応性があることを見出し、これにしたがっ
て、前記複数の有機金属ガスが混合された有機金属混合
ガスをICP発光分光分析し、この分析結果に基づいて
前記有機金属ガスの流量を個々に調整するようにしたも
のである。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図面を
参照しながら説明する。図1は、この発明のPLZT薄
膜の合成方法を実施するためのMOCVD装置の構成の
一例を概略的に示すもので、この図において、1はPL
ZT薄膜を形成させるための反応室で、その上流側は、
ガス供給路2(この構成の詳細は後述する)に接続さ
れ、下流側は、吸引ポンプ3および排ガス処理部4を備
えたガス排出路5が接続されている。
【0021】前記反応室1は、その内部には、PLZT
薄膜を形成するための基板(例えばPt/SiO2 /S
i基板)6を載置しこれを所定の温度に加熱するための
フラットヒータ7が設けられるとともに、その内部が適
宜のヒータ(図示していない)によって適宜の温度にな
るように加熱され、さらに、内部圧力が調整できるよう
にしてある。そして、8は反応室1内の圧力を検出する
圧力計であり、9は反応室1をバイパスする流路で、反
応室1の直ぐ上流側に介装される開閉弁10の上流側の
点11とガス排出路5の吸引ポンプ3の上流側の点12
との間に接続されており、開閉弁13と流量計14とを
備えている。
【0022】前記ガス供給路2は、複数の有機金属ガス
および酸化剤としての酸素ガスを混合した状態で反応室
1に供給するためのガスラインで、次のような部材が設
けられている。まず、15はソース原料気化部で、4種
類の有機金属ガスを発生する4つのソース原料気化器1
6〜19からなる。各ソース原料気化器16〜19に
は、後述する表2に示すように、Pb(C2 5 4
La(C11192 3、Zr(C11192 4 、T
i(C11192 2 (OCH3 2 がソース原料とし
て収容されるとともに、キャリアガス(例えばアルゴン
ガス)を導入するためのキャリアガス流路20〜23お
よびソース原料気化器16〜19において前記ソース原
料が気化されて生成される、Pb、La、Zr、Tiを
それぞれ含む有機金属ガスをガス供給路2にそれぞれ導
出するための有機金属ガス流路24〜27が接続されて
いる。また、28〜31は、有機金属ガス流路24〜2
7にそれぞれ設けられる開閉弁である。
【0023】そして、32はキャリアガス流量制御部
で、キャリアガス流路20〜23およびガス供給路2の
それぞれ上流側に介装される5つのマスフローコントロ
ーラ33〜37からなる。このマスフローコントローラ
33〜37は、詳細な図示は省略するが、それぞれ、気
体流量センサ部と気体流量制御バルブとからなり、実際
に流れるガス(この場合、アルゴンガス)の流量を測定
し、この実測値が外部から与えられる設定値と等しくな
るようにガス流量を制御する。なお、キャリアガス流路
20〜23およびガス供給路2の前記マスフローコント
ローラ33〜37より上流側には、アルゴンガスボンベ
が設けられている。
【0024】また、38はガス供給路2のソース原料気
化部15より下流側に設けられる開閉弁である。39は
ガス供給路2を流れる有機金属ガスに酸化剤として酸素
ガスを導入する酸素導入路で、開閉弁40が設けられ、
その上流側には酸素ボンベが設けられ、下流側は開閉弁
38の下流の点41においてガス供給路2に接続されて
いる。
【0025】さらに、42は酸素導入路38のガス供給
路2への接続点41とガス供給路2の接続点11との間
に設けられるガス混合部で、ガス供給路2を流れるP
b、La、Zr、Tiをそれぞれ含む有機金属ガスと酸
素ガスは、このガス混合部42において混合されて有機
金属混合ガスとなり、これが反応室1に供給される。
【0026】ここまでの構成は、従来のPLZT薄膜を
合成するためのMOCVD装置の構成と変わるところが
ない。この発明で用いるMOCVD装置は、次のように
構成した点に特徴がある。
【0027】すなわち、ガス供給路2のガス混合部42
と反応室1との間の点43に有機金属混合ガスをサンプ
リングするための流路44が接続され、このサンプリン
グ流路44には開閉弁45を介してICP発光分光装置
46が設けられている。このICP発光分光装置46
は、有機金属混合ガスにおける複数の有機金属ガスの混
合比を測定するもので、市販の装置を用いることができ
る。なお、前記ソース原料気化器16〜19から反応室
1に至るガス供給路2およびガス供給路2からICP発
光分光装置46に至るサンプリング流路44をそれぞれ
構成する配管は、その外周に例えばリボンヒータが巻設
してあり、これによって例えば200℃に加熱され、ソ
ース原料気化器16〜19において気化によって生じた
有機金属混合ガスが凝縮しないようにしてある。
【0028】そして、47は装置全体を制御する演算制
御部で、例えばパソコン等のコンピュータよりなり、流
量計14の出力やICP発光分光装置46による測定結
果が入力されるとともに、各開閉弁10,13,28〜
31,38,40,45の開閉制御を行ったり、さらに
は、ICP発光分光装置46による測定結果に基づい
て、キャリアガス流量制御部32の各マスフローコント
ローラ33〜37に対して所定の制御信号を出力する機
能を備えている。
【0029】なお、前記開閉弁10,13,28〜3
1,38,40,45としては、例えば空気圧によって
駆動される自動弁が用いられる。
【0030】次に、上述のように構成されたMOCVD
装置を用いてPLZT薄膜を合成する方法の一例につい
て説明する。まず、薄膜合成開始に際して、開閉弁1
0,40,45を閉じるとともに、開閉弁13,28〜
31,38を開き、吸引ポンプ3を動作させる。4つの
ソース原料気化器16〜19内においては、Pb(C2
5 4 、La(C11192 3 、Zr(C1119
2 4 、Ti(C11192 2 (OCH3 2 といっ
たソース原料が、それぞれ所定温度に加熱されることに
より気化し、Pb、La、Zr、Tiをそれぞれ含む有
機金属ガスが発生する。
【0031】前記状態で、マスフローコントローラ33
〜37を制御して、そのバルブを開くことにより、アル
ゴンガスがキャリアガスとしてソース原料気化器16〜
19に供給されるとともに、ガス供給路2を流れる。そ
して、ソース原料気化器16〜19内の有機金属ガスが
アルゴンガスによってガス供給路2に導出され、さら
に、ガス供給路2を流れるアルゴンガスによってガス混
合部42方向に流れる。
【0032】そして、前記各有機金属ガスは、ガス混合
部42に入り、有機金属混合ガスとなり、バイパス流路
9を流れる。そして、このバイパス流路9における有機
金属混合ガスの流量を流量計14によってモニターし、
これが定常状態に達すると、開閉弁13,38を閉じ、
開閉弁40,45を開いて、アルゴンガスによりガス混
合部42内の有機金属混合ガスをICP発光分光装置4
6に送り込む。このICP発光分光装置46において
は、前記有機金属混合ガスにおける複数の有機金属ガス
の混合比が測定される。この場合、ICP発光分光装置
46は、0.1〜0.01ppbというように非常に高
感度であり、また、試料としての有機金属混合ガスの量
も極めて微量でよいから、前記各開閉弁の開閉動作は1
秒程度というように短時間でよい。したがって、前記混
合比の測定に要する時間は極めて短い。
【0033】そして、前記ICP発光分光装置46によ
る有機金属混合ガスにおける複数の有機金属ガスの混合
比の測定結果は、コンピュータ47に送られ、前記混合
比が予め設定されている所定値と比較され、混合比が所
定値と異なるときは、キャリアガス流量制御部32の各
マスフローコントローラ33〜37に対して所定の制御
信号が出力される。この信号を受けた各マスフローコン
トローラ33〜37においては、気体流量制御バルブが
所定の開度となり、キャリアガスとしてのアルゴンガス
流量が調整される。そして、上述の手順で4つの有機金
属ガスを発生させ、その有機金属混合ガスにおける複数
の有機金属ガスの混合比をICP発光分光装置46にお
いて測定される。これらアルゴンガス流量の調整、有機
金属ガスの発生、ICP発光分光装置46における前記
混合比の測定といった作業は、混合比が予め設定されて
いる所定値と等しくなるまで繰り返される。
【0034】前記混合比が所定値と等しくなると、開閉
弁45を閉じ、開閉弁10,38を開いて、有機金属混
合ガスを反応室1に送り込み、例えば650℃に加熱さ
れている基板6上にPLZT薄膜を堆積させる。
【0035】ここで、この発明のPLZT薄膜の合成方
法における各種の条件の一例を示すと、ソース原料気化
器16〜19にそれぞれ収容されるソース原料の種類や
ソース原料温度、ソース原料気化器16〜19へのキャ
リアガス流量は、下記表2に示す通りである。
【0036】
【表2】
【0037】つまり、ソース原料気化器16〜19への
キャリアガス流量を20〜120mL/min、ガス供
給路2を流れる全ガス流量を400mL/min、酸素
添加する酸素ガスの量を全ガス流量の50%とし、反応
室1内の圧力を約400Paとした。
【0038】そして、反応室1に酸素ガスとともに導入
された有機金属混合ガスは、フラットヒータ7によって
650℃に加熱された基板6上にPLZT薄膜として堆
積させた。このPLZT薄膜の厚みが例えば200nm
に達した後、これを反応室1から取り出し、PLZT薄
膜の組成をEDXによって測定した。この組成の測定結
果は、前述したICP発光分光装置46による有機金属
混合ガスの組成比と1:1で対応することがわかった。
【0039】また、従来、8インチといった大面積基板
にPLZT薄膜を形成する場合、PLZT薄膜の組成変
動の1回の修正に3時間も要していたが、この発明のP
LZT薄膜の合成方法を用いることにより、僅か5分で
修正を行えるようになった。
【0040】ところで、PLZT薄膜は、赤外線センサ
の検出素子としても利用することができるが、このよう
な用途に用いるときは、PLZT薄膜は、2〜5μmと
いうようにかなりの厚みにする必要がある。このよう
な、厚膜の合成には、前記時間より長時間を要するが、
この発明の合成方法によれば、従来よりもはるかに短時
間で修正並びに合成することができる。
【0041】上述の実施の形態においては、PLZT薄
膜を構成するPb、La、Zr、Tiの先駆体であり、
反応室1に供給される複数の有機金属ガスの混合比を、
CVDの開始前に測定するようにしていたが、これに代
えて、前記混合比の測定を、CVD中、またはCVDの
開始前および/CVD中に行うようにしてもよい。
【0042】そして、上述の実施の形態においては、基
板6上にPLZT薄膜を合成するものであったが、この
発明はこれに限られるものではなく、基板6上にPZT
薄膜を合成する場合にも同様に適用することができる。
その場合、PZT薄膜は、Pb、Zr、Tiを含むもの
であるから、ソース原料気化器16〜19のうち、ソー
ス原料気化器17にソース原料を収容せず、アルゴンガ
スの給路も停止するようにすればよい。この場合、前記
Pb、Zr、Tiを含む有機金属混合ガスの混合比の測
定を、CVDの開始前および/またはCVD中に行うよ
うにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明において
は、MOCVD法によって基板上にPZT薄膜またはP
LZT薄膜を合成する方法において、PZT薄膜または
PLZT薄膜を構成するPb、Zr、TiまたはPb、
La、Zr、Tiの先駆体であり、反応室に供給される
複数の有機金属ガスの混合比を、ICP発光分光装置を
用いて、CVDの開始前および/またはCVD中に測定
し、この測定結果に基づいて前記有機金属ガスの流量を
個々に調整するようにしているので、例えば前記薄膜を
8インチというような大きな基板上に形成する場合、従
来においては、1回の組成修正に約3時間といった長時
間を要していたが、この発明によれば、僅か5分という
ように非常に短縮することができるに至った。
【0044】そして、この発明方法は、CVDの開始前
の組成調整のみならず、長時間のCVD作業中において
も、組成変動のモニタリングを容易に行うことができる
から、前記PZT薄膜またはPLZT薄膜の組成変動に
基づく電気的特性の変動や劣化を抑制することができ
る。
【0045】また、ソース原料としては、上記表2にお
いて例示したものの組み合わせに限られるものではな
く、表1に示した各種のソース原料を組み合わせてもよ
く、このようにした場合においても、予め有機金属混合
ガスにおける有機金属ガスの混合比と薄膜の組成との関
係を求めておくことにより、この発明方法を有効に利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の実施に用いるMOCVD装置の
構成の一例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…反応室、6…基板、46…ICP発光分光装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOCVD法によって基板上にPZT薄
    膜を合成する方法において、PZT薄膜を構成するP
    b、Zr、Tiの先駆体であり、反応室に供給される複
    数の有機金属ガスの混合比を、ICP発光分光装置を用
    いて、CVDの開始前および/またはCVD中に測定
    し、この測定結果に基づいて前記有機金属ガスの流量を
    個々に調整するようにしたことを特徴とするPZT薄膜
    の合成方法。
  2. 【請求項2】 MOCVD法によって基板上にPLZT
    薄膜を合成する方法において、PLZT薄膜を構成する
    Pb、La、Zr、Tiの先駆体であり、反応室に供給
    される複数の有機金属ガスの混合比を、ICP発光分光
    装置を用いて、CVDの開始前および/またはCVD中
    に測定し、この測定結果に基づいて前記有機金属ガスの
    流量を個々に調整するようにしたことを特徴とするPL
    ZT薄膜の合成方法。
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