JP2001214028A - 耐熱性液状フェノールノボラック樹脂及びその硬化物 - Google Patents
耐熱性液状フェノールノボラック樹脂及びその硬化物Info
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Abstract
性、耐熱性を発揮する耐熱性液状フェノールノボラック
樹脂を提供することを目的とする。 【解決手段】一般式(1)で示される液状フェノール樹
脂と、一般式(2)または一般式(3)のイミド化合物
を含有し、50℃での粘度が1000ポイズ以下である
耐熱性液状フェノールノボラック樹脂により解決され
る。
Description
物が得られる液状タイプのフェノールノボラック樹脂組
成物に関し、さらに詳細には半導体の封止材に適し、特
にチップサイズパッケージなどの半導体封止材に適する
耐熱性液状フェノールノボラック樹脂に関する。
のエポキシ樹脂としては、耐熱性、電気特性、低吸湿性
に優れることから、現状ではオルソクレゾールノボラッ
クのグリシジルエーテルが主として用いられている。こ
のエポキシ樹脂に対する硬化剤としてはフェノールノボ
ラック、各種アミン類、酸無水物が挙げられるが、IC
封止用としては、耐熱性、信頼性の面から主にフェノー
ルノボラックが用いられている。一方、近年、ICのシ
リコンチップが、ますます高集積化、大型化する反面、
パッケージ外形寸法は、小型、薄形化へと変化し、パッ
ケージをプリント配線板(PCB)に取り付ける際の実
装方式も、従来のピン挿入方式(DIP)から表面実装
方式(SOP,SOJ,QFP、CSP)へ変化してき
た。上記で用いられるフェノールノボラック樹脂は従来
半固形もしくは固形で、半固形もしくは固形のエポキシ
樹脂、硬化触媒、着色剤、ワックス等と共にドライブレ
ンドしてニーダー等で混練し、封止材料を製造し、半導
体をトランスファー成形(160〜170℃)する方式
で用いられている。他方、封止材を流動性のある一液性
として常温でポッティング、ディッピング、浸透圧で半
導体、ダイオード等を封止する方式も行なわれている。
これらは液状のエポキシ樹脂と液状の酸無水物、アミ
ン、アミド等の硬化剤が用いられ、フェノールノボラッ
ク硬化剤は半固形もしくは固形フェノールノボラック樹
脂又は溶剤に溶解したフェノールノボラック樹脂が用い
られている。このような半固形もしくは固形フェノール
ノボラック樹脂を用いた封止材は、流動性が劣り、溶剤
を用いたものは硬化した後、溶媒が封止材中に残存し性
能に悪影響を及ぼす。又、液状タイプのフェノールノボ
ラック樹脂を用いて、無溶媒で封止材を構成することも
試みられているが、硬化後の封止材の耐熱性が低い等の
問題が発生している。その改良方法として、熱可塑性樹
脂や固形フェノールノボラック樹脂の添加を攪拌混合で
行っているが、溶解せずに沈降したり、溶解するもので
も、溶解に長時間を要するなどの製造面に問題が生じ、
耐熱性や耐湿性の性能も低下して好ましくない。
問題点を解決し、無溶剤ないしは少量の溶剤の存在下で
封止に適する優れた流動性と耐吸湿性、耐熱性を発揮す
る耐熱性液状フェノールノボラック樹脂を提供すること
を目的とする。
般式(1)で示される液状フェノール樹脂と、一般式
(2)または一般式(3)のイミド化合物を含有し、5
0℃での粘度が1000ポイズ以下である耐熱性液状フ
ェノールノボラック樹脂である。
本発明で示される液状フェノール樹脂は、下記一般式
(1)で表されることを特徴とする。即ち、樹脂骨格成
分がフェノールとオルソ位にR1基が炭素数1〜4のア
ルキル基またはアリル基を持つフェノール化合物からな
り、架橋基がメチレン基及び/またはo−ヒドロキシフ
ェニルメチレン基あるいはp−ヒドロキシフェニルメチ
レン基を含有する液状のフェノールノボラック樹脂であ
る。
造法は、(A)フェノール、(B)オルソ位に炭素数1
〜4のアルキル基又はアリル基を持つフェノール化合物
と、(C)ホルムアルデヒド及び/または(D)o−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアル
デヒドを反応させることにより得ることができる。
れる。(B)オルソ位に炭素数1〜4のアルキル基又は
アリル基を持つフェノール化合物としては、オルソクレ
ゾール(o−クレゾール)、オルソエチルフェノール
(o−エチルフェノール)、オルソイソプロピルフェノ
ール(o−イソプロピルフェノール)、2−tert−
ブチルフェノール、o−sec−ブチルフェノールなど
が挙げられる。また、オルソ位にアリル基を持つフェノ
ール化合物としては、オルソアリルフェノール(o−ア
リルフェノール)が挙げられる。これらのフェノール化
合物は単独又は併用して用いることができる。
/((A)+(B))は、モル割合で5〜95モル%、
好ましくは10〜90モル%、より好ましくは10〜8
0モル%である。5モル%より少ない場合でも液状フェ
ノール樹脂は得られるが、得られた樹脂の粘度は高くな
る傾向がある。95モル%より多くても液状フェノール
樹脂は得られるが、製造コストが高くなる。
用され、ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン水溶
液)、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等を挙げる
ことができるが、安価なホルマリン水溶液が好ましい。
ホルムアルデヒドは、液状フェノール樹脂でメチレン基
架橋を形成する。
p−ヒドロキシベンズアルデヒドは市販品が使用され
る。これらの化合物は、o−ヒドロキシフェニルメチレ
ン基架橋またはp−ヒドロキシフェニルメチレン基架橋
となり液状フェノール樹脂を形成する。これらo−ヒド
ロキシベンズアルデヒド及びp−ヒドロキシベンズアル
デヒドは単独でも併用して用いても良い。
ロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドの配合割合(D)/((C)+(D))は、モル割
合で70モル%以下、好ましくは50モル%以下、より
好ましくは5〜50モル%である。70モル%より多い
場合では、得られた樹脂の粘度が高く、25℃で半固形
もしくは固体となる。
ェノール化合物((A)+(B))と架橋基となる化合
物((C)+(D))の配合割合については、通常、フ
ェノール化合物は架橋基となる化合物に対し、3倍モル
以上であればよい。好ましくは5〜10倍モルである。
3倍モルより少ないと、架橋が進み、得られる樹脂が半
固形もしくは固形となる。余りに多すぎると、未反応の
原料が多くなり経済的でない。
うにして行なわれる。即ち、上記の(A)フェノール、
(B)のフェノール化合物、(C)のホルムアルデヒド
及び(D)のo−ヒドロキシベンズアルデヒドあるいは
p−ヒドロキシベンズアルデヒドの架橋剤、及び合成触
媒を所定の配合割合で一括して反応器に仕込み、所定の
温度で所定の反応率まで反応した後、未反応成分の除去
工程を経て目的物の液状フェノール樹脂を得る。特殊な
製造方法としては、フェノールあるいは一つのフェノー
ル化合物と一つの架橋剤及び合成触媒とで前もってプレ
反応させた後、それぞれを併せて反応させて目的とする
液状フェノール樹脂を得ることも可能である。
れ蓚酸、パラトルエンスルホン酸、ジメチル硫酸等の有
機酸、塩酸、硫酸等の無機酸を使用することができる。
触媒の使用量は、(A)+(B)のフェノール化合物に
対し0.01〜1重量%の範囲で選択し使用される。少
ないと反応速度が遅く、多すぎると反応が急激に進行し
て反応を制御することが困難となる場合がある。
もよるが、通常50〜200℃、好ましくは70〜18
0℃、より好ましくは80〜180℃である。あまり低
いと重合が進まず、余りに高いと反応の制御が難しくな
り、液状フェノール樹脂を得ることが困難となる。
10時間以内である。
若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
常、減圧下で除去することにより液状フェノール樹脂を
得ることができる。
は、25℃で液体状態を呈するものであり、25℃で粘
度が500ポイズ(500Ps)以下、好ましくは40
0Ps以下、より好ましくは350Ps以下である。ま
た、25℃での下限の粘度は好ましくは1以上、より好
ましくは5以上である。あまりに低い粘度の液状フェノ
ール樹脂は、現状では入手が困難である。平均重合度n
については特に限定されるものではないが、nが3以下
である液状フェノール樹脂を使用するのが好ましい。本
発明での液状フェノール樹脂は、2量体だけでも使用す
ることができるので平均重合度nは0以上である。好ま
しくは0.3以上である。
る化合物ないし一般式(3)で示されるイミド化合物は
次式に示す構造を有するものである。
0もしくは正の整数を示す。)
正の整数を示す。)ここで、式中のR3は下記の芳香環
骨格を示す。 ここで、式中のR4は下記の芳香環骨格を示す。 ここで、式中のXは次の構造式を示し、 YはO、S、SO2、炭素原子数0〜6個のアルキル基
を示す。
る化合物ないし一般式(3)で示されるイミド化合物の
酸の成分としては、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体が挙げら
れ、具体的には、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン
酸、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物な
いしはそのエステル化物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物ないしはそのエステル化物、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物ないしはそのエステル化物、3,
3',4,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3',
4,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物な
いしはそのエステル化物、ビス(3,4-ジカルボキシフェ
ニル)メタン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタ
ン酸二無水物ないしはそのエステル化物、2,2-ビス(3,4
-ジカルボキシフェニル)プロパン酸、2,2-ビス(3,4-ジ
カルボキシフェニル)プロパン酸二無水物ないしはその
エステル化物、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水
物ないしはそのエステル化物を挙げることができる。液
状フェノール樹脂への溶解性から、好ましくは2,3,3',
4'-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3',4'-ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物ないしはそのエステル化物
であり、より好ましくは2,3,3',4'-ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物である。これらは単独でも混合して使
用することもできる。酸無水物を混合して用いる場合で
は、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の
成分量が全酸二無水物成分量の75モル%以上を含有し
ていることが好ましい。なお、エステル化物としては、
炭素数1〜4の脂肪族アルコールとのエステル化合物が
挙げられる。
れる化合物ないし一般式(3)で示されるイミド化合物
のジアミン成分としては、芳香族ジアミンであり、芳香
環を2個以上有するものである。芳香環1個のジアミン
成分であると液状フェノール樹脂への溶解性が低下して
好ましくない。また、芳香族以外のジアミンを使用すれ
ば耐熱性が向上せず好ましくない。一般式(2)、
(3)のR4で示される芳香族ジアミン成分の具体的種
類としては1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン[1,
4,3-APB]、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
[1,3,3-APB]、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン[1,3,4-APB]、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン[BAPP]、4,4'-ジアミノジフェニルエ
ーテル[4,4'-DDE]、3,3'-ジアミノジフェニルエーテ
ル[3,3'-DDE]、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、
4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'-ジアミノジ
フェニルスルフォン、2,2-ビス(4-アミノフェニル) ヘ
キサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル] ヘキサフルオロプロパン、ビス-[4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス-[4-(3
-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、4,4'-ジア
ミノジフェニルメタンなどのジアミンを挙げることがで
きる。好ましくは2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン[BAPP]、ビス-[4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル]スルフォン、ビス-[4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルフォンであり、より好ましく
は、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン[BAPP]である。
は、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸
二無水物及びその誘導体とジアミン成分の当量比rが
0.0≦r≦0.94及び1.06≦r≦2.0の範囲
にあることが好ましい。ただし、r=[全アミン成分の
当量数]/[全酸成分の当量数]である。rが0.94
を超え、1.06未満であるとイミド化合物の分子量が
高分子量化するため液状フェノール樹脂への溶解性が低
下し好ましくない。また、rが2.0を超えると合成し
た耐熱性液状フェノールノボラック樹脂が着色したり、
信頼性の面で好ましくない。また、イミド化合物の平均
重合度nについては、液状フェノール樹脂との溶解性を
考慮する必要があるが、余りに大きいと溶解しなくなり
本発明の目的を達成できない。好ましくは15以下、よ
り好ましくは10以下である。なお、本発明において一
般式(2)のイミド化合物では芳香族ジアミンを含まな
い場合においても目的を達成することが可能であり、平
均重合度nの下限は0以上である。好ましくは0.3以
上、より好ましくは1以上である。一般式(3)におい
ては平均重合度nの下限は1以上である。
ルボン酸二無水物及びその誘導体と芳香族ジアミンとの
イミド化反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法
で行われる。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N
-メチル-2-ピロリドン(NMP) 、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジグライム、シクロヘキサノン、1,4-ジオキサンな
どである。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いて
もよいし、二種類以上を混合してもよい。
性がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素
が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合
は、30重量%以下であることが好ましい。これは非極
性溶媒の割合が余りに多いと極性溶媒の溶解力が低下し
ポリアミック酸が析出する場合がある。
ルボン酸二無水物及びその誘導体と芳香族ジアミンとの
反応は、良く乾燥したジアミン成分を前述反応溶媒に溶
解し、これに閉環率98%、より好ましくは99%以上
の良く乾燥した芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加
して反応を進める。このようにして得たポリアミック酸
溶液を続いて有機溶媒中で加熱脱水環化してイミド化し
てイミド化合物にする。イミド化反応によって生じた水
は閉環反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶媒を
系中に加えて共沸させてディーン・スターク管などの装
置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機溶媒
としては前記芳香族炭化水素などを使用する。また、イ
ミド化反応の触媒として無水酢酸、β−ピコリン、ピリ
ジンなどの化合物を使用することは妨げない。
反応溶液をそのまま使用しても良いが、反応溶液を貧溶
媒中に投入してイミド化合物を再沈析出させて未反応モ
ノマーを取り除き、濾過、乾燥して精製することが好ま
しい。
ボラック樹脂の形態にするには、液状フェノール樹脂中
に一般式(2)または一般式(3)で示されるイミド化
合物を均一に溶解して製造する。これらの使用量につい
ては、本発明で得られる耐熱性液状フェノールノボラッ
ク樹脂が液体状態であり、50℃での粘度が1000ポ
イズ以下となれば特に制限はないが、液状のフェノール
樹脂100部に対して、一般式(2)または一般式
(3)で示されるイミド化合物の使用量は3〜50部、
好ましくは5〜40部、より好ましくは10〜30重量
部を均一に溶解して製造する。一般式(2)または一般
式(3)で示されるイミド化合物の使用量が余りに少な
ければ耐熱性が不十分となり、その使用量が余りに多け
れば、液状品の粘度が高くなる傾向が生じ好ましくな
い。
樹脂は、液状状態であり、試料約1gをE型粘度計
((株)トキメック製)を使用し50℃で測定した値が
1000Ps以下、好ましくは500Ps以下、より好
ましくは250Ps以下である。下限値については、そ
の粘度が小さけれが小さいほどよいが、通常はイミド化
合物を含有しない液状フェノール樹脂の50℃での粘度
と同じかそれより大きい値である。好ましくは1Ps以
上である。
ラック樹脂のエポキシ樹脂としての用途として、硬化剤
について説明する。この耐熱性液状フェノールノボラッ
ク樹脂は、フェノール性の水酸基を有しているので、通
常のフェノールノボラック樹脂と同様に、エポキシ樹脂
の硬化剤として用いることができる。この耐熱性液状フ
ェノールノボラック樹脂を硬化剤として用いたエポキシ
樹脂の硬化物は、低吸水性及び耐熱性に優れる。
例えばビスフェノールAやビスフェノールFなどのビス
フェノール類にエポキシ基を付与したビスフェノールジ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルトクレゾール
ノボラック樹脂及び臭素化フェノールノボラック樹脂等
のフェノールノボラック系の樹脂にエポキシ基を付与し
たノボラック型エポキシ樹脂、ジフェニルメタンジアミ
ンテトラグリシジルエーテルやシクロヘキサンジアミン
テトラグリシジルエーテル等のグリシジルアミン型エポ
キシ樹脂、エポキシ化SBRやエポキシ化大豆油等の脂
肪族エポキシ樹脂、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
や3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類にエ
ポキシ基を付与したジヒドロキシビフェニルジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフ
タレンジグリシジルエーテル等の多環芳香族型エポキシ
樹脂等を挙げることができ、ノボラック型エポキシ樹
脂、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂及び多環芳香族型エポキシ樹脂が好ましく、
ノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましい。
樹脂を硬化剤として用いてエポキシ樹脂硬化物を得るに
は、例えば、特開平8−143648号公報記載の方法
に準じて、本発明の耐熱性液状フェノールノボラック樹
脂の水酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基とのモル比が概
ね当量となるように、本発明の耐熱性液状フェノールノ
ボラック樹脂と前記エポキシ樹脂とを混合してエポキシ
樹脂組成物とし、これを100〜250℃程度で加熱す
る。この際に、エポキシ樹脂組成物中には、硬化を促進
するために一般的に用いられる硬化促進剤、例えば、N
−メチルイミダゾール、トリエチルアミンやトリフェニ
ルフォスフィン等が添加されているのが好ましい。ま
た、必要に応じて、充填剤、カップリング剤、難燃剤、
易滑剤、離型剤、可塑剤、着色剤、増粘剤等の各種添加
剤を添加してもよい。
樹脂は、エポキシ樹脂等の硬化剤として優れた流動性、
硬化特性を発揮し、低吸水性で耐熱性に優れた樹脂硬化
物を提供する。得られた樹脂は低吸水性で耐熱性に優れ
ることから、IC封止材として耐湿性と耐熱衝撃性を有
する封止用樹脂組成が得られる。
り具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、部は重量部を示す。
容量部のガラス製フラスコにフェノール94部(1モ
ル)、o−アリルフェノール134部(1モル)、42
%ホルマリン17.2部(0.24モル)及び蓚酸2部
を三つ口フラスコに入れ、100℃で5h反応させた
後、160℃まで昇温して脱水し、40torrの減圧
下で未反応成分を除去した。得られた液状フェノール樹
脂の粘度は19Ps(25℃)であり、平均重合度nは
1.4であった。温度計、仕込・留出口及び攪拌機を備
えた容量500容量部のガラス製フラスコに2,3,3'、4'-
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)
58.8部(200ミリモル)、2,2-ビス[4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)41.1部
(100ミリモル)及びN-メチル-2-ピロリドン(NM
P)300部を仕込み、窒素気流中で50℃の温度で溶
解させた後、1時間攪拌した後、この溶液にキシレンを
50部添加し200℃に昇温して3時間還流下に攪拌し
て反応水を除去した後イミド化合物が24重量%均一に
溶解しているポリマー溶液が得られた。次に、室温に戻
したポリマー溶液を加圧濾過してイオン交換水を使用し
て析出・洗浄させてイミド化合物を回収した。200℃
で5時間乾燥して粉末状の酸末端イミド化合物92部
(収率95%、イミド化率:実質的に100%、n=
1)が得られた。次に、容量500容量部のガラス製フ
ラスコに、上記で合成した液状フェノール樹脂100部
に、上記で合成したイミド化合物10部を添加し、窒素
気流下、100℃で2時間攪拌し耐熱性液状フェノール
ノボラック樹脂を得た。得られた耐熱性液状フェノール
ノボラック樹脂の粘度は9Ps(50℃)であり、OH
当量は151g/eqであった。さらに、得られた耐熱
性液状フェノールノボラック樹脂80重量部とビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(油化シェル−エポキシ社製E
p828:エポキシ当量189g/eq)100重量部
及びトリフェニルフォスフィン1重量部を25℃で均一
混合後(25℃での流動性の目安)、150℃、1分間
加熱した後、金型(150×70×4mm)に注入後、
150℃で5時間、さらに180℃で3時間恒温槽で硬
化させテストピースを作成した。このようにして得られ
たテストピースの硬化特性を表3に示した。ここで、得
られた液体フェノール樹脂、耐熱性液状フェノールノボ
ラック樹脂の特性及びテストピースの硬化特性の評価方
法は以下の通りである。 (1)平均重合度(n) GPC測定装置(東ソー社製HLC−802A型)を用
い、分子量分布を測定して平均重合度nを算出した。 (2)粘度測定 JIS K6909に準じてE型粘度計((株)トキメ
ック社製)で測定した。 (3)OH当量の測定 試料2〜3gを無水酢酸1.25gでアセチル化し、ア
セチル化後の酢酸を水酸化カリウムで滴定し、OH当量
を求めた。(アセチル化法) (4)吸水率 JIS K6911に準じて、試験片(直径50±1m
m、厚さ3±1mm)を成形し、100℃の熱水中に2
4h浸した後、前後の重量変化より求めた。 (5)Tg(ガラス転位温度)の測定 熱機械分析法(TMA法)により求めた。 (6)曲げ強度及びヤング率 JIS K6911に準じて測定した。
酸二無水物(a−BPDA)29.0部(100ミリモ
ル)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン(BAPP)82.1部(200ミリモル)の割合
に変えて合成して、200℃で5時間乾燥して粉末状の
アミン末端イミド化合物101部(収率94%、イミド
化率:実質的に100%、n=1)を得た以外は、実施
例1に準じて耐熱性液状フェノールノボラック樹脂を得
た。得られた樹脂の性状を表1に併せて示した。次に、
表2に示す配合割合にてテストピースを作成し、テスト
ピースの硬化物特性を表3に示した。
ル樹脂から、実施例1に準じて耐熱性液状フェノールノ
ボラック樹脂を得た。次に、得られた耐熱性液状フェノ
ールノボラック樹脂とエポキシ樹脂を表2の割合で反応
させ、実施例1に準じてテストピースを作成し、硬化物
特性を評価した。それぞれの物性を表2及び表3に示し
た。
容量部のガラス製フラスコにフェノール94部(1モ
ル)、o−アリルフェノール134部(1モル)、42
%ホルマリン17.2部(0.24モル)及び蓚酸2部
を三つ口フラスコに入れ、100℃で5h反応させた
後、160℃まで昇温して脱水し、40torrの減圧
下で未反応成分を除去した。得られた液状フェノール樹
脂の粘度は19Ps(25℃)であり、平均重合度nは
1.4であった。次に、この液状フェノール樹脂75重
量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル−
エポキシ社製Ep828:エポキシ当量189g/e
q)100重量部及びトリフェニルフォスフィン1重量
部を25℃で均一混合後(25℃での流動性の目安)、
150℃、1分間加熱した後、金型(150×70×4
mm)に注入後、150℃で5時間、さらに180℃で
3時間恒温槽で硬化させテストピースを作成した。この
ようにして得られたテストピースの硬化特性を表3に示
した。
ルノ樹脂から、実施例1に準じて耐熱性液状フェノール
ノボラック樹脂を得た。次に、得られた耐熱性液状フェ
ノールノボラック樹脂とエポキシ樹脂を表2の割合で反
応させ、実施例1に準じてテストピースを作成し、硬化
物特性を評価した。それぞれの物性を表2及び表3に示
した。
フェノールノボラック樹脂は、エポキシ樹脂等の硬化剤
として優れた流動性、吸湿特性、耐熱性を発揮する樹脂
硬化物を提供する。得られた樹脂は上記特性から一液性
の液状封止材に使用し半導体封止に使用することができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】一般式(1)で示される液状フェノール樹
脂と、一般式(2)または一般式(3)のイミド化合物
を含有し、50℃での粘度が1000ポイズ以下である
耐熱性液状フェノールノボラック樹脂。 【化1】一般式(1) 【化2】一般式(2) (ただし、式中のR3、R4は芳香族化合物を示し、nは
0もしくは正の整数を示す。) 【化3】一般式(3) (ただし、式中のR3、R4は芳香族化合物を示し、nは
正の整数を示す。)ここで、式中のR3は下記の芳香環
骨格を示す。 ここで、式中のR4は下記の芳香環骨格を示す。 ここで、式中のXは次の構造式を示し、 YはO、S、SO2、炭素原子数0〜6個のアルキル基
を示す。 - 【請求項2】一般式(2)または一般式(3)で示され
るイミド化合物が、芳香族テトラカルボン酸、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物及びその誘導体のうち少なくと
も1以上の化合物と芳香族ジアミンから得られる請求項
1記載の耐熱性液状フェノールノボラック樹脂。 - 【請求項3】一般式(1)で示される液状フェノール樹
脂100部に対して、一般式(2)または一般式(3)
で示されるイミド化合物を3〜50部含有する請求項1
または2記載の耐熱性液状フェノールノボラック樹脂。 - 【請求項4】一般式(1)で示される液状フェノール樹
脂の平均重合度nが3以下であり、一般式(2)または
一般式(3)で示されるイミド化合物の平均重合度nが
15以下である請求項1から3のいずれか1項記載の耐
熱性液状フェノールノボラック樹脂。 - 【請求項5】一般式(2)または(3)で示されるイミ
ド化合物の酸の成分である芳香族テトラカルボン酸、芳
香族テトラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体が、
2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3',4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物ないしはその誘導体
である請求項1から4のいずれか1項記載の耐熱性液状
フェノールノボラック樹脂 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の耐熱性液
状フェノールノボラック樹脂を含む半導体封止用硬化
剤。
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- 2000-02-02 JP JP2000025435A patent/JP2001214028A/ja active Pending
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