JP2001212697A - スクリュウプレス式濾過装置 - Google Patents

スクリュウプレス式濾過装置

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JP2001212697A JP2000023395A JP2000023395A JP2001212697A JP 2001212697 A JP2001212697 A JP 2001212697A JP 2000023395 A JP2000023395 A JP 2000023395A JP 2000023395 A JP2000023395 A JP 2000023395A JP 2001212697 A JP2001212697 A JP 2001212697A
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圭一 土本
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航太郎 根尾
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B9/00Presses specially adapted for particular purposes
    • B30B9/02Presses specially adapted for particular purposes for squeezing-out liquid from liquid-containing material, e.g. juice from fruits, oil from oil-containing material
    • B30B9/26Permeable casings or strainers

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリュウ4によってその一端側から他端側
に搬送されるに従い含水率が低下して脱水され難くなる
処理物に対し、より効率的な脱水を行う。 【解決手段】 概略円筒状の濾過体10…の内周にスク
リュウ4を回転可能に挿入して、このスクリュウ4の一
端側から濾過体10…との間に供給された処理物を、ス
クリュウ4の回転によって他端側に搬送しつつ、濾過体
10…により濾過するスクリュウプレス式濾過装置であ
って、スクリュウ4の他端側に、複数の濾過体10B…
を、互いに独立して各濾過体10B…の中心軸X回りに
スクリュウ4の全周に亙って回転可能に支持するととも
に、スクリュウ4の回転軸線O方向における濾過体10
Bの長さを、スクリュウ4の一端側の濾過体10Aより
も短くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概略円筒状の濾過
体内に挿入されたスクリュウを回転することにより、そ
の一端側から供給された処理物を多端側に搬送しつつ濾
過するスクリュウプレス式濾過装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のスクリュウプレス式濾過装置と
しては、例えば特公平7−10440号公報に、互いに
間隔をあけて軸線方向に配列されて一体的に固定された
複数の固定リングと、各固定リング間の間隙に遊動可能
に配列された遊動リングと、これら複数の固定リングお
よび遊動リングの内部に回転可能に配置されたスクリュ
ウとを備えて、隣接する固定リングと遊動リングとの間
の微小な隙間から濾液を排出して処理物を脱水するよう
にしたものが提案されている。ここで、上記遊動リング
は、その内径がスクリュウの外径よりも小さく設定され
ていて、このスクリュウの羽根に一点で接触することに
より、この点に生じる摩擦力によってスクリュウの中心
軸線に対して偏心回転運動させられたり、あるいは遊動
リングの内周面に付設された突起がスクリュウの羽根に
係合することにより、スクリュウと一体的に強制連行さ
れて、やはり上記中心軸線に対して偏心回転運動させら
れるようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スクリュウプレス式濾過装置に供給された処理物は、ス
クリュウの一端側から他端側に搬送されるに従い、濾過
されることによって液分が徐々に失われて含水率が低く
なる。このため、スクリュウの一端側では処理物からの
脱水が行われ易いのに対し、他端側では処理物の含水率
が低下するのに伴い脱水効率も低下して脱水され難くな
るので、より効率的な濾過を行うことが望ましい。しか
しながら、上記公報に提案された従来の濾過装置では、
スクリュウの一端から他端に亙って配設された遊動リン
グが、すべて同じ大きさとされていて、スクリュウの羽
根の螺旋に合わせて互いに同じ軌跡に沿って偏心回転運
動させられることとなり、また特に遊動リングを強制回
転させるものにあってはその回転速度も互いに等しく、
しかもスクリュウの回転速度とも等しい速度で回転させ
られることとなるため、各遊動リングによる脱水効率は
処理物の含水率に拘らずスクリュウの一端から他端に亙
って等しいものとなってしまい、一端側においては脱水
され易い処理物に対しても遊動リングが細かいピッチで
偏心回転することとなって非効率的である一方、他端側
では含水率が低くなった処理物に対して十分な脱水を行
うことができなくなるおそれがあった。
【0004】本発明は、このような背景の下になされた
もので、スクリュウによってその一端側から他端側に搬
送されるに従い含水率が低下して脱水され難くなる処理
物に対し、より効率的な脱水を行うことが可能なスクリ
ュウプレス式濾過装置を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、概略円筒状
の濾過体の内周にスクリュウを回転可能に挿入して、こ
のスクリュウの一端側から上記濾過体との間に供給され
た処理物を、該スクリュウの回転によって他端側に搬送
しつつ、上記濾過体により濾過するスクリュウプレス式
濾過装置であって、上記スクリュウの他端側に、複数の
上記濾過体を、互いに独立して各濾過体の中心軸回りに
上記スクリュウの全周に亙って回転可能に支持するとと
もに、上記スクリュウの回転軸線方向における上記他端
側の濾過体の長さを、上記スクリュウの一端側の濾過体
よりも短くしたことを特徴とする。従って、スクリュウ
の他端側に搬送された処理物に対して、これをスクリュ
ウの周方向に向けて捻るような剪断力を、処理物の含水
率に合わせて細かい範囲で制御して作用させることがで
き、これにより、含水率が低下した濾過され難い処理物
にも効率的な脱水を行うことが可能となる。
【0006】なお、このようにスクリュウの他端側にお
いてさらに複数の濾過体を回転可能に配設する場合に
は、各濾過体の間に従来の固定リングのような可動しな
い固定体を設けるようにしてもよい。また、これに対し
て、処理物の含水率が高いスクリュウの一端側において
は処理物が液状に近く、このような剪断力を作用させて
も脱水効率に対する効果は少ないので、このスクリュウ
の一端側の濾過体については、上記他端側の濾過体のよ
うなスクリュウの全周に亙る回転は拘束されて支持され
ていてもよい。
【0007】一方、上記スクリュウの他端側の濾過体の
回転は、その中心軸がスクリュウの回転軸線と一致させ
られた同軸回転であってもよいが、この濾過体の中心軸
を、上記スクリュウの回転軸線に対して偏心可能とし
て、この偏心する中心軸回りに該濾過体を回転可能とす
れば、スクリュウによって搬送される処理物にその外周
側から圧力を加えて径方向にも剪断力を作用させること
ができ、上記周方向の剪断力と相俟ってより一層の脱水
効率の向上を図ることができる。なお、この場合の濾過
体の中心軸の偏心とは、この中心軸が回転軸線に対して
偏心した状態で位置決めされた場合を初め、上記中心軸
がスクリュウの回転軸線を通って波線のような軌道を描
きつつ偏心運動して濾過体が揺動する場合や、中心軸が
回転軸線の周りに円や楕円等の軌道を描きつつ公転する
ように偏心運動をする場合であってもよい。
【0008】また、このように濾過体の中心軸を偏心運
動可能としつつ該濾過体をこの中心軸回りに回転可能と
するには、一つに、上記スクリュウの他端側の濾過体の
外周に、上記回転軸線方向に延びるカム軸線回りに回転
可能なカムを設け、該濾過体を、このカムにより、その
中心軸が偏心可能とされるようにすればよく、この場合
には、カムの形状や回転速度を適当に設定することによ
り、上記従来の濾過装置のようにスクリュウの回転には
拘束されずに、処理物の含水率に応じて濾過体の中心軸
を偏心させることが可能となる。さらに、このように濾
過体の中心軸が偏心する場合においても、上記スクリュ
ウの他端側に、その中心軸が偏心可能とされた上記濾過
体をさらに複数配設し、これらの濾過体のうち少なくと
も一部の濾過体を、その中心軸が他の濾過体とは異なっ
て偏心するように、すなわち互いの中心軸が異なる位置
で偏心した状態としたり異なる軌道・位相で偏心運動し
たりするようにすれば、搬送される処理物に上記軸線に
対する径方向への剪断力を多方向から与えることがで
き、処理物の含水率の低減を図ってより一層の脱水効率
の向上を促すことが可能となる。
【0009】さらにまた、上記濾過体としては、上記従
来の遊動リングのような金属板材を用いて隣接する固定
リングとの間の隙間から濾液を排出することにより濾過
を行うものであってもよいが、このようなものでは、特
に本発明のように濾過体が回転可能とされている場合に
は、リング間の隙間を所定の大きさに維持することが難
しい上、この隙間に処理物の微粒子が入り込むとリング
の端面が全周に亙って著しく摩耗するため、上記隙間の
維持が一層困難になるという問題が生じる。そこで、こ
のような問題を解消するには、上記濾過体を、その胴周
部に処理物を濾過する濾過間隙が形成された濾過部を設
けたものとして、濾過体自体に濾過機能を備えたものと
するのが望ましい。
【0010】ここで、このような濾過体の上記濾過部と
しては、一つに、濾過体の胴周部にウェッジワイヤーを
該濾過体の上記中心軸方向に上記濾過間隙を開けて多数
並ぶように巻回することにより形成したものを採用する
ことができ、このようにウェッジワイヤーを用いること
により、上記濾過間隙を濾液が排出される濾過体の外周
側に向けて大きくすることができて、処理物中の微粒子
等による濾過間隙の詰まりなどを防止することが可能と
なる。また、このように濾過体自体に濾過機能を具備し
た場合にあっても、上記スクリュウの他端側の濾過体
は、その上記濾過間隙の大きさが、上記スクリュウの一
端側の濾過体の濾過間隙よりも小さくなるようにすれ
ば、処理物の含水率の高いスクリュウの一端側ではより
速やかに濾液の排出を行うことができる一方、搬送によ
って処理物中により細かい微粒子が生じ易いスクリュウ
の他端側では、かかる微粒子が濾液に混入して濾液の清
澄性を低下させるような事態を防止することが可能とな
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は、本発明の一実
施形態を示すものである。本実施形態においては、架台
1上に横長箱型のケーシング2が載置されてその内部が
濾過室3とされており、この濾過室3内にスクリュウ4
がその回転軸線Oを水平にして配置されている。このス
クリュウ4は上記軸線Oを中心としてスクリュウシャフ
ト4Aの外周にスクリュウ羽根4Bが螺旋状に形成され
たものであって、スクリュウシャフト4Aの両端部はケ
ーシング2の両端外壁2A,2Bから突出して軸受5,
5に回転自在に支持されており、このうちスクリュウ4
の一端側(図1、2において左側)のスクリュウシャフ
ト4A端部が外壁2Aから突出する部分は液密にシール
されている。また、スクリュウ4の他端側(図1、2に
おいて右側)の軸受5に支持されたスクリュウシャフト
4A端部にはチェーンホイール4Cが取り付けられてお
り、架台1の側方に配置されたモータ等のロール駆動装
置6がチェーン7を介してこのチェーンホイール4Cに
連結されることにより、スクリュウ4は軸線O回りに回
転可能とされ、その一端側から供給された処理物を他端
側に搬送する。
【0012】なお、本実施形態では、上記スクリュウ羽
根4Bの捩れ角および外径はともに一定とされる一方、
スクリュウシャフト4Aの外径は、スクリュウ羽根4B
が設けられた部分において、一端側の所定の範囲では一
定の外径とされるとともに、他端側の所定の範囲でも一
端側よりも大きな外径で一定とされ、これらの範囲の間
では他端側に向かうに従い漸次拡径するようになされて
おり、スクリュウシャフト4A外周において軸線O方向
に隣接するスクリュウ羽根4B同士の間の空間が、処理
物の含水率に合わせて一端側よりも他端側の方が小さく
なるようにされている。なお、このようにスクリュウシ
ャフト4Aの外径を他端側で大きくなるように変化させ
る代わりに、スクリュウシャフト4Aの外径は一定とし
てスクリュウ羽根4Bのピッチを他端側で小さくするこ
とにより他端側の上記空間を小さくしたり、あるいはこ
れらを併せて、他端側でスクリュウシャフト4Aの外径
を大きくするとともにスクリュウ羽根4Bのピッチを小
さくすることにより、処理物の含水率に合わせて上記空
間を他端側で小さくするようにしてもよい。
【0013】一方、上記濾過室3内には、スクリュウ4
のスクリュウ羽根4Bが設けられた部分のうち、他端側
でスクリュウシャフト4Aの外径が一端側よりも大きな
径で一定とされる上記範囲の両端位置に合わせて、スク
リュウ4が挿通される孔が形成された隔壁8A,8Bが
設けられており、これらの隔壁8A,8Bによって濾過
室3内は、上記一端側から他端側に向けて順に、ケーシ
ング2の一端側の外壁2Aから一端側の隔壁8Aまでの
間の第1の濾過室3Aと、この隔壁8Aから他端側の隔
壁8Bまでの間の第2の濾過室3Bとの複数の濾過室に
分割されるとともに、この第2の濾過室3Bの他端側の
隔壁8Bと他端側の外壁2Bとの間の部分はケーキ排出
室3Cとされている。なお、これら第1、第2の濾過室
3A,3Bの底部には、それぞれの濾過室3A,3Bで
濾過された濾液を別々に排出する濾液排出口9A,9B
が設けられるとともに、ケーキ排出室3Cの底部にはケ
ーキ排出口9Cが設けられている。
【0014】そして、これら第1、第2の濾過室3A,
3B内には、概略円筒状をなす濾過体10が配設されて
いて、スクリュウ4はこの濾過体10の内周に挿入され
ており、処理物はスクリュウ4によって一端側から他端
側に搬送される間にこの濾過体10によって脱水されて
濾過される。ここで、本実施形態では、この濾過体10
は、図6に示すように円環板状をなす一対のフランジ1
1A,11Aが互いに平行かつその中心軸Xを同軸とし
て、該中心軸X方向に延びる複数の補強板11B…によ
って接合されて連結されることにより、その外形が上述
のように概略円筒状をなす濾過体本体11が形成され、
この濾過体本体11のフランジ11A,11A間の胴周
部に、処理物を濾過する濾過部12が形成された構成と
されている。さらに、この濾過部12は、フランジ11
A,11Aの互いに対向する側面間の補強板11B…よ
りも内周側に、断面涙滴形状をなす多数のサポートロッ
ド12A…が、それぞれその鋭角凸部を内周側に向け、
かつ周方向に適当な間隔を開けて取り付けられるととも
に、これらのサポートロッド12A…の内側に、リング
状の多数のウェッジワイヤー12B…が、上記中心軸X
方向に極小さな濾過間隔Sを開けて溶接により取り付け
られた構成とされている。
【0015】このウェッジワイヤー12Bは、本実施形
態ではその断面が二等辺三角形状をなすものであって、
この二等辺三角形の底辺部分がなす円筒面を内周側に向
けるとともに、全てのウェッジワイヤー12B…同士で
この円筒面が当該濾過体10の上記中心軸Xを中心とし
た一つの円筒面を構成するように形成されており、しか
もこの円筒面の径はフランジ11Aの内径と等しくされ
ている。なお、このようなウェッジワイヤー12Bは、
その断面がなす上記二等辺三角形の頂点部分にサポート
ロッド12A…の間隔に合わせて上記鋭角凸部が嵌合可
能な切り込みを入れた上で、上述のように溶接によりサ
ポートロッド12Aに取り付けるようにしてもよく、ま
たより簡単に、サポートロッド12Aに巻き付けるよう
にして取り付けることも可能である。さらに、本実施形
態では多数のウェッジワイヤー12B…を中心軸X方向
に並べて取り付けているが、例えば1本のウェッジワイ
ヤー12Bを中心軸X方向に上記濾過間隔Sを開けて螺
旋状に巻回することにより濾過部12を形成することも
可能である。また、上記補強板11B…は、それぞれ適
当数おきの上記サポートロッド12Aの外周側に当接ま
たは接合されて配設されており、周方向に隣接する補強
板11B…同士の間隔は本実施形態では非等分とされて
いる。
【0016】本実施形態では、このような濾過体10が
複数、それぞれその中心軸Xをスクリュウ4の上記軸線
Oと同軸または平行として該軸線O方向に並べられて配
設されており、しかも各第1、第2の濾過室3A,3B
においても、それぞれ複数ずつの濾過体10A…,10
B…が軸線O方向に並んで配設されるようにされてい
る。このうち、スクリュウ4の一端側の第1の濾過室3
A内においては、スクリュウ羽根4Bの外径よりも僅か
に大きな内径を有する円管状の供給管13が、上記外壁
2Aから軸線Oと同軸にスクリュウ4の一端側の部分の
外周を覆って他端側に延びるように外壁2Aに固定され
るとともに、この供給管13の上部には、該供給管13
内に連通する小径円管状の供給部13Aが、軸線Oに対
する径方向上向きに延びてケーシング2の上面に突出す
るように設けられており、処理物はこの供給部13Aか
らスクリュウ4の一端側の上記供給管13内に供給され
る。しかして、この第1の濾過室3Aには、スクリュウ
4の他端側の第2の濾過室3Bの第2の濾過体10Bよ
りも軸線O方向の長さがそれぞれ長尺となる第1の濾過
体10Aが2つ、この供給管13の他端側の端部と上記
隔壁8Aとの間に介装されている。
【0017】これら第1の濾過体10A,10Aは、本
実施形態ではその内径、すなわち上記濾過体本体11の
フランジ11A,11Aの内径および濾過部12のウェ
ッジワイヤー12B…の上記底辺部分がなす円筒面の内
径が、上記供給管13の内径と略等しく、つまりスクリ
ュウ羽根4Bの外径よりも僅かに大きくされており、互
いの中心軸X,Xを同軸として該中心軸X,X方向に連
結された上で、さらにこれら中心軸X,Xがスクリュウ
4の上記軸線Oと同軸となるように、その両端が上記供
給管13の他端部と隔壁8Aとに取り付けられて回転不
可能に固定されている。なお、これら2つの第1の濾過
体10A,10A同士でも、スクリュウ4の一端側に位
置する濾過体10Aの上記中心軸X方向の長さ、すなわ
ち軸線O方向の長さは、他端側の濾過体10Aよりも若
干長くなるようにされている。また、図中において符号
11Cで示すのは、長尺となるこれらの第1の濾過体1
0A,10Aの中心軸X方向略中央部に設けられた補強
体であり、さらにスクリュウ4は、軸線O方向において
上記一端側の第1の濾過体10Aの途中の、この補強材
11Cの部分辺りからスクリュウシャフト4A外径が漸
次拡径し始めるようにされている。
【0018】一方、上記第2の濾過室3Aはその軸線O
方向の長さが第1の濾過室3Aよりも短くされているの
に対し、この第2の濾過室3Aには第1の濾過体10A
…よりも多数の第2の濾過体10B…が配設されてい
て、しかもこれら第2の濾過体10B…は互いに同形同
大とされており、従ってこのスクリュウ4の他端側の第
2の濾過体10Bの中心軸X方向の長さ、すなわち軸線
O方向の長さは、第1の濾過体10Aの長さよりも大幅
に短くされている。なお、図6に示したのはこの第2の
濾過体10Bであるが、上記補強体11Cが設けられて
いない点以外は、基本的な構成は第1、第2の濾過体1
0A,10Bとも共通である。また、この第2の濾過室
3Bにおいては、軸線O方向に隣接する濾過体10B,
10B同士の間に、スクリュウ4が挿通される孔14A
が中央に形成された平板状の固定体14がそれぞれ介装
されていて、軸線O方向にこれら濾過体10Bと固定体
14とが交互に並ぶように配設されており、スクリュウ
4の他端側の、スクリュウシャフト4A外径が大径で一
定とされた上記所定の範囲の部分は、これら交互に配さ
れる固定体14の孔14Aと概略円筒状の第2の濾過体
10Bとの内周に挿入されている。
【0019】さらに、本実施形態においては、これら第
2の濾過体10B…が、その両側の固定体14,14の
側面に上記フランジ11A,11Aを密着させて摺接さ
せながら、それぞれの上記中心軸Xを中心としてスクリ
ュウ4の周方向にその全周に亙って回転可能に支持され
ている。さらに本実施形態では、これらの濾過体10B
…は、互いに独立して回転可能とされるとともに、それ
ぞれの中心軸Xが上記軸線Oと平行とされたまま該軸線
Oに対して偏心可能とされ、しかもこの偏心の状態が軸
線O方向に隣接する濾過体10B…同士で異なったもの
となるようにされている。
【0020】すなわち、まず上記固定体14…は、それ
ぞれ図5および図7に示すように正三角形の各角部をそ
の対辺に平行に切り欠いた偏六角形の平板状をなしてい
て、互いに同形同大に形成されており、この正三角形の
3つの角部の内側に挿通されて上記隔壁8A,8Bに取
り付けられる取付ボルト15…により、軸線O方向に隣
接する固定体14,14同士の間に濾過体10Bを嵌挿
可能な間隔を開けて、それぞれ軸線Oに垂直かつ互いに
平行となるように、またそれぞれの上記正三角形の中心
が軸線O上に位置するとともに該正三角形の1辺が水平
かつ下向きとなるように、第2の濾過室3B内に隔壁8
A,8B間に亙って固定されて配設されている。なお、
この固定体14に形成される上記孔14Aは上記軸線O
を中心とした円形に形成されていて、その内径は、上記
第1の濾過体10Aの内径よりもさらに若干大きく、図
7に示すようにスクリュウ羽根4Bの外径円Dとの間に
全周に亙って径方向に間隔が開けられるようになされて
いる。
【0021】また、こうして配設された固定体14…の
周りには、軸線O方向に延びる3本のカムシャフト16
…が上記正三角形の各辺の中点部分の外周側に位置する
ようにそれぞれ配設されており、これらのカムシャフト
16…は、その一端部が上記隔壁8Aに支持されるとと
もに、他端部は、隔壁8Bおよび外壁2Bを突き抜け
て、上記他端側の軸受5と軸線O方向に略同位置に設け
られた軸受17…に支持された後、この軸受17から上
記チェーンホイール4Cの外周側を通り抜けてさらに他
端側に延びるように形成されており、その端部にはギア
16Aが取り付けられている。一方、架台1の他端部に
は、モータ等のカム駆動装置18が、そのギア18Aを
上記一端側に向けて上記軸線Oと同軸に回転可能として
配設されており、このギア18Aが各カムシャフト16
…のギア16A…に噛合することにより、該カムシャフ
ト16…は、それぞれのカム軸線Cを軸線Oと平行にし
て、該カム軸線C回りに同一方向に回転可能とされてい
る。なお、軸線Oに平行とされるこれらのカム軸線C…
は、軸線Oに直交する断面においては図7に示すよう
に、該軸線Oを中心としてその1辺が水平かつ上向きと
された正三角形の各頂点上に位置することとなり、すな
わち上記固定体14がなす正三角形とは反対向きの正三
角形の頂点上に配置される。
【0022】さらに、これらのカムシャフト16…に
は、軸線O方向に隣接する各固定体14…同士の間の上
記濾過体10B…が嵌挿される位置に合わせて、それぞ
れカム16B…が設けられている。これらのカム16B
…は、本実施形態ではすべて同形同大とされて、図7の
下側のカム16Bに見られるように、その中心線Eが上
記カム軸線Cから平行に所定の偏心量eだけ偏心した外
形円板状に形成されており、そのカム軸線C方向の長さ
は第2の濾過体10Bの中心軸X方向の長さと略等しく
されて、該濾過体10Bの両フランジ11A,11Aの
外周縁がカム16Bの外周面に同時に当接可能とされる
とともに、互いに隣接する固定体14,14間にカム1
6Bが挿入可能とされている。さらにまた、これら3本
のカムシャフト16…に設けられたカム16B…は、同
じ固定体14,14同士の間にあって一つの濾過体10
Bが嵌挿される位置に配される3つのカム16B…同士
で、カムシャフト16…の回転に伴うカム16B…の偏
心の位相が一致するように設定されており、すなわちカ
ムシャフト16…の回転位置に拘らず、各カムシャフト
16のカム軸線Cからカム16Bの中心線Eに向かう直
線が互いに同じ向きで平行となるようにされている。
【0023】このようにカム16B…が設けられること
により、軸線O方向に同じ位置に配される上記3つのカ
ム16B…の間には、やはりカムシャフト16…の回転
位置に拘らずにこれら3つのカム16B…の外周面に常
に接し、かつ該カムシャフト16…の回転に伴って軸線
Oからの半径が上記偏心量eと等しい円軌道を描きなが
らその中心が周回移動する一つの円が画成されることと
なる。そして、本実施形態では、上記第2の濾過体10
Bの外径はこの円に合わせて設定されており、このよう
な第2の濾過体10Bが、その外周部、すなわち上記フ
ランジ11A,11Aの外周縁を3つのカム16B…の
外周面に摺動可能に常に接触させた状態で支持されて、
上記隣接する固定体14,14間に嵌挿されることによ
り、当該第2の濾過体10Bは、その上記外周部がカム
16…の外周面を摺動することによって中心軸Xを中心
に回転自在とされるとともに、カム軸線C回りに回転す
るカム16B…の外周面との摩擦によってやはり中心軸
Xを中心に回転駆動もさせられ、すなわち上述のように
該中心軸X回りにスクリュウ4の全周に亙って回転可能
とされている。
【0024】また、これらの第2の濾過体10B…は、
それぞれが独立してその外周部がカム16B…の外周面
に摺動可能に接することにより支持されているので、こ
の摺動による回転は各濾過体10B…間でも独立したも
のとなり、すなわち濾過体10B…は互いに独立して回
転可能とされる。さらに、このカム16B…によって濾
過体10B…は、図7に示すようにその中心軸Xが軸線
Oを中心とした偏心量eの半径の円軌道を周回しながら
回転可能とされており、すなわち上述のように軸線Oに
対して偏心可能とされる。なお、この図7においては濾
過体10Bが図中で最も上側(上死点)に位置したとき
を実線で、最も下側(下死点)に位置したときを鎖線で
示してある。
【0025】さらにまた、本実施形態ではこれらカム1
6B…の上記偏心の位相が、軸線O方向に同じ位置にあ
る3つのカム16B…同士では一致させられているもの
の、軸線O方向に異なる位置にあるカム16B…同士で
は少なくとも一部が他と異なるようにされており、特に
該軸線O方向に固定体14を挟んで隣接するカム16
B,16B同士で、そのカム軸線Cからカム16Bの中
心線Eに向かう上記直線が、スクリュウ4の一端側から
他端側に向けて所定角度(例えば60°)ずつカム軸線
C回りに一方向にずれるように設定されている。従っ
て、これにより隣接する濾過体10B…同士では、その
中心軸Xの上記円軌道上の位置が上記所定角度ずつずれ
た状態となり、すなわち上述のように濾過体10B…同
士で異なった偏心状態を採ることとなる。
【0026】なお、ここで、この第2の濾過体10Bの
内径は、本実施形態では第1の濾過体10Aの内径より
も大きくされて、固定体14の上記孔14Aの内径と等
しくされており、特にスクリュウ4のスクリュウ羽根4
Bの外径に上記偏心量eの2倍の長さを加えた大きさと
略同じか、これよりも僅かに大きく設定されていて、該
濾過体10Bが偏心することによってその内周部がスク
リュウ羽根4B外周に接近する部分では、該スクリュウ
羽根4Bに干渉しない範囲で固定体14の上記孔14A
よりも内周側に突出する一方、この内周部がスクリュウ
羽根4B外周から離間する部分では、上記孔14Aより
も外周側に後退するようにされている。また、このスク
リュウ4の他端側の第2の濾過体10Bの上記濾過部1
2においては、そのウェッジワイヤー12B…間の濾過
間隙Sの大きさが、第1の濾過体10Aの濾過部12の
濾過間隙Sよりも小さくされている。
【0027】さらに、このような濾過体10…が配設さ
れる濾過室3内には、上記第1の濾過室3Aから第2の
濾過室3Bに亙って洗浄管19が配設されており、特に
本実施形態では、軸線Oに平行に延びる複数の洗浄管1
9…が、該軸線O方向に並ぶように配設された上記濾過
体10…を中心としてその周りを取り囲むように配設さ
れていて、しかも洗浄管19…はそれぞれその中心軸線
回りに回動可能とされている。すなわち、本実施形態の
洗浄管19は、洗浄水を噴射する多数のノズル孔が上記
中心軸線方向に沿って適当間隔を開けて該洗浄管19の
外周部に一列に形成されたものであって、その一端部は
上記外壁2Aから突出させられて図示されない洗浄水供
給源にバルブ19Aを介して接続されるとともに、他端
部は上記隔壁8Aを突き抜けて隔壁8Bに支持されてい
る。
【0028】また、本実施形態ではこのような洗浄管1
9…が6本、軸線Oに直交する断面において図7に示す
ように、スクリュウ4の周方向にカムシャフト18…と
固定体14がなす上記正三角形の各頂点との間に位置し
て、軸線Oを中心とした略正六角形の頂点上に配置され
ており、これら固定体14やカムシャフト18に干渉せ
ずに濾過体10…にできるだけ接近可能な配置となるよ
うに配設されている。さらに、これらの洗浄管19…は
上記外壁2Aおよび隔壁8A,8Bに上記中心軸線回り
に回転可能に挿通・支持される一方、この洗浄管19…
が外壁2Aから突出してバルブ19Aに至る部分の途中
には、それぞれカップリングプーリ19B…が設けられ
ていて、これらのカップリングプーリ19B…にはベル
ト20が巻き掛けられて連結されているとともに、この
うち一つの洗浄管19にはレバー19Cが取り付けられ
ており、このレバー19Cによって上記一つの洗浄管1
9を回動させることにより、ベルト20を介して全ての
洗浄管19…が連動して回動し、ノズル孔からの洗浄水
の噴出方向が調整可能とされる。
【0029】さらにまた、この濾過室3の上記ケーキ排
出室3Cにおいては、スクリュウ4のスクリュウシャフ
ト4Aの外径が、上記第2の濾過室3Bにおいて大径で
一定とされた上記範囲から略そのままの径でケーキ排出
室3Cの途中まで延長されるとともに、この延長された
部分には、円環状のスリーブ21が上記軸線O方向に進
退可能に外嵌されている。このスリーブ21は、スクリ
ュウ4が挿通されるとともに濾過されたケーキを排出す
るために上記隔壁8Bに形成された孔の内径よりも大き
な外径を有し、かつその円環状をなす先端面が外周側に
向かうに従いスクリュウシャフト4の他端側に向かうよ
うに傾斜したテーパ面状に形成されている。また、この
スリーブ21の上記他端側には、上記外壁2Bに取り付
けられたエアシリンダー22のピストンロッド22Aが
連結されていて、このピストンロッド22Aが上記軸線
Oに平行に一端側に向けて出没してスリーブ21を進退
せしめることにより、このスリーブ21と隔壁8Bの上
記孔との間隔を適当に設定して該孔からのケーキの排出
量を調整することが可能となる。
【0030】従って、このように構成されたスクリュウ
プレス式濾過装置においては、まずスクリュウ4の他端
側に配設された複数の第2の濾過体10B…が、それぞ
れカム16B…に摺動可能に接して支持されてこれらの
カム16B…の外周面に接する上記円に沿って回転自在
とされるとともに、回転する該カム16B…との摩擦に
よってもその中心軸X回りにスクリュウ4の全周に亙っ
て回転可能とされているので、処理物をスクリュウ4と
の間で捻るようにして該処理物にスクリュウ4の周方向
に向けて剪断力を作用させることができる。そして、こ
れら回転可能とされたスクリュウ4の他端側の第2の濾
過体10Bが、該スクリュウ4の一端側の第1の濾過体
10Aに対してその軸線O方向の長さが短く、しかも互
いに独立して中心軸X回りに回転可能とされているの
で、上記剪断力を、軸線O方向においてより細かい範囲
ごとに搬送される処理物の含水率に合わせて制御して、
処理物が螺旋状に絞り上げられるように作用させること
ができ、これにより、スクリュウ4の他端側に搬送され
た含水率が低くて濾過されにくい処理物に対しても、効
率的な脱水を図ることが可能となる。
【0031】なお、本実施形態では、このようにスクリ
ュウ4の他端側の第2の濾過体10B…が軸線O方向の
長さを短くされて互いに独立して回転可能とされている
のに対し、スクリュウ4の一端側の第1の濾過体10A
…は、その軸線O方向の長さが長く、しかもその中心軸
X回りの回転やスクリュウ4の全周に亙る回転が拘束さ
れて、第1の濾過室3A内の供給管13と隔壁8Aとに
固定されて取り付けられている。しかるに、このスクリ
ュウ4の一端側に供給される処理物は含水率が高くて液
状に近く、従ってそのような処理物に対して第2の濾過
体10B…のように周方向の剪断力を作用させても脱水
効率に対する効果は少なく、むしろ該濾過体10Aを回
転可能に支持したりするのに装置構造の複雑化を招いた
りする結果となる。そこで、本実施形態ではこのように
回転させる必要のない部分の濾過体10Aについては、
複雑な回転構造を採ることなく固定式として、装置構造
の簡略化を図っている。ただし、これら第1の濾過体1
0A,10Aについても、その一方あるいは両方を回転
可能に支持するようにしてもよい。
【0032】一方、本実施形態では、これら回転可能と
された第2の濾過体10Bの回転中心となる中心軸X
が、さらにスクリュウ4の回転軸線Oに対して偏心量e
で偏心した円軌道に沿って回転可能とされていて、すな
わち中心軸Xが軸線Oに対して偏心可能とされており、
従ってこの中心軸Xの偏心によって濾過体10Bの内周
が軸線O側に接近する部分では、スクリュウ4によって
他端側に搬送される処理物に外周側から圧力を加えられ
て、上記周方向の剪断力に加えて軸線Oに対する径方向
にも剪断力が作用することとなり、脱水効率の一層の向
上を図ることが可能となる。しかも、このように濾過体
10Bの中心軸Xが軸線O回りの円軌道に沿って回転し
て偏心させられているので、スクリュウ4の全周に亙っ
てその外周側から満遍無く処理物に圧力を加えて上記径
方向の剪断力を作用させることができ、処理物の均一な
濾過を促すことが可能となる。加えて、複数の濾過体1
0B…が間に固定体14を介して偏心回転可能とされて
おり、この固定体14の孔14Aの内径と濾過体10B
の内径とが互いに等しくされているので、スクリュウ4
に搬送されて固定体14の孔14Aを抜け出た処理物
は、偏心回転する濾過体10Bによって外周側から切り
込まれるように剪断力を受けることとなり、これによっ
て内周側の比較的含水率の高い処理物からも効率的に濾
液を排出させてさらに効率的かつ均一的な濾過を図るこ
とができるという効果も得られる。
【0033】また、このように濾過体10Bの中心軸X
を軸線Oに対して偏心させるに際して、本実施形態で
は、濾過体10Bの外周にカム軸線C回りに回転可能な
カムシャフト16を設けて、濾過体10Bの外周部をこ
のカムシャフト16に設けたカム16Bの外周面に摺動
可能に接しさせて該濾過体10Bを支持するようにして
おり、このカム16Bによって中心軸Xを軸線Oに対し
て偏心可能としつつも、該カム16Bの外周面を濾過体
10Bの外周部が摺動することで該濾過体10Bが中心
軸X回りに回転自在とされているのに加えて、濾過体1
0Bがカム16Bに対して摺動しない場合でも上述のよ
うにカム16Bとの接触摩擦によって濾過体10Bは強
制的に回転駆動させられるので、いずれにおいても濾過
体10Bを確実に回転可能とすることができる。なお、
本実施形態では、このように濾過体10Bの外周部をカ
ム16Bの外周面に摺動可能に接しさせて回転自在とし
ているが、例えばこれら濾過体10Bの外周部とカム1
6Bの外周面とに互いに噛合するギアを形成したりし
て、濾過体10Bがカム16Bの回転に伴って常に強制
的に回転駆動させられるようにしてもよい。
【0034】さらに、本実施形態では、この中心軸X回
りに回転可能かつ該中心軸Xが軸線Oに対して偏心可能
とされた第2の濾過体10Bが軸線O方向に並んで複数
設けられており、しかも各濾過体10Bの外周部が接す
るカム16B…の上記偏心の位相が、軸線O方向に隣接
するカム16B…間でずらされていて、これにより濾過
体10B…も、各中心軸X…が軸線O方向視に同じ円軌
道を互いに異なる位相で周回しながら偏心するようにさ
れている。従って、スクリュウ4によって搬送される処
理物も、これら複数の第2の濾過体10B…によって異
なる位相で外周側から上記圧力および径方向の剪断力を
受けつつ濾過されることとなるため、本実施形態によれ
ば、一層均一かつ効率的な濾過を図ることが可能とな
る。
【0035】なお、本実施形態では、このように複数の
第2の濾過体10B…の中心軸X…を軸線Oから偏心量
eだけ偏心した円軌道上を異なる位相で周回させること
により、隣接する濾過体10B…同士で異なって偏心す
ることを可能としているが、中心軸Xが描く偏心軌道は
このような円軌道のみに限定されることはなく、またこ
の中心軸Xの偏心を異なる位相とする場合でも上記とは
さらに異なった態様を採ることができる。すなわち、例
えばカム16B…の形状やカムシャフト16…の配置を
適当に設定すれば、中心軸Xを楕円軌道やサイクロイ
ド、トロコイド等の各種曲線軌道に沿って異なる位相で
移動させることも可能である。
【0036】また、例えば軸線Oを挟んでその直径方向
に一対の同大同形状のカムを同位相で配置するとともに
上記直径方向と平行に延びて濾過体10Bの外周部を摺
動可能に案内する一対のガイドを濾過体10Bを挟み込
むように設ければ、中心軸Xが軸線Oを通って一定の振
幅で上記直径方向に揺動するように偏心運動させること
も可能となり、この場合においては中心軸Xが揺動する
上記直径方向を濾過体10B…同士で軸線O回りに異な
る方向とすれば、やはり処理物に異なる方向から圧力や
剪断力を与えることが可能となる。さらに、これらのよ
うに濾過体10Bの中心軸Xを軸線Oに対して偏心した
特定の軌道上で移動させることなく、中心軸Xを軸線O
から径方向に離れた所定の位置で位置決めして偏心した
状態としても、処理物に外周側から圧力を与えることは
可能であり、またこれを含めて上述した偏心の態様の2
種またはそれ以上を複数の濾過体10B…で適宜組み合
わせるようにしてもよい。さらにまた、本発明の請求項
1に係るスクリュウプレス式濾過装置に関してのみ言え
ば、濾過体10Bは中心軸X回りに回転可能とさえされ
ていればよく、この中心軸Xがスクリュウ4の軸線Oと
同軸に位置決めされていても構わない。
【0037】一方、本実施形態では、その濾過体10
が、従来のように金属板材よりなる遊動リングと固定リ
ングとを交互に重ねてその間の隙間から濾液を排出する
ものではなく、概略円筒状の濾過体10自体の胴周部に
濾過部12が設けられたものであり、濾液の大部分はこ
の濾過体10の濾過部12から排出される。しかるに、
上記従来の濾過体では、遊動リングが偏心回転可能とさ
れていることも相俟って固定リングとの間の隙間を所定
の大きさに維持することが難しく、しかもこの隙間に入
り込んだ処理物中の微粒子を遊動リングの回転によって
除去するようにしているため、この微粒子によって遊動
リングと固定リングの互いに対向する端面が傷ついて摩
耗し易く、従って上記隙間を所定の大きさに維持するこ
とが一層困難となって、例えば濾液に上記微粒子が混入
してその清澄性を低下させるおそれがあるが、これに対
して本実施形態では、上述のように濾過体10の胴周部
に濾過部12が設けられているので、かかる問題が生じ
て濾液の清澄性や円滑な濾過性が損なわれるのを避ける
ことができる。
【0038】また、本実施形態では、この濾過部12
が、濾過体10の胴周部に断面二等辺三角形状のウェッ
ジワイヤー12B…を上記中心軸X方向に必要な濾過間
隙Sを開けて多数並ぶように巻回して形成したものであ
り、サポートロッド12A…による支持とも相俟って濾
過部12に必要な剛性を確保することができる一方、中
心軸X方向に隣接するウェッジワイヤー12B,12B
間の間隔は外周側に向けて漸次大きくなるので、処理物
中の上記微粒子等が濾過間隙Sに詰まるようなことがな
く、長期に亙って安定した濾過効率を維持することがで
きる。なお、このウェッジワイヤー12Bの断面形状と
しては、このような二等辺三角形の他に、例えば等脚台
形状など、他の形状を採用することも可能である。
【0039】さらに本実施形態では、このような濾過体
10…が配設される第1、第2の濾過室3A,3Bに、
該濾過体10…の外周を取り囲むように洗浄管19…が
配設されているので、たとえ濾過間隙Sに微粒子が詰ま
ったりしても、これらの洗浄管19…から噴射される洗
浄水によってこれを確実に除去することができるととも
に、濾過体10の内周側に向けては幅狭となる濾過間隙
Sを通して効率的に洗浄水を供給して処理物を洗浄し、
より純度の高いケーキを得たりすることも可能となる。
しかも、本実施形態では第2の濾過体10B…が回転可
能に支持されているので、洗浄管19から噴射される洗
浄水を濾過体10Bの全周に亙って満遍無く均一に、か
つ効率的に供給することができ、上記レバー19Cによ
ってこの洗浄管19…を回転させて洗浄水の噴射の向き
を適宜調整することが可能であるのとも相俟って、さら
に確実に微粒子の除去等を行うことができる一方、場合
によっては、第2の濾過体10B…が配設される第2の
濾過室3Bにおいては洗浄管19の数を削減することも
可能となる。
【0040】さらにまた、本実施形態では、これら胴周
部にウェッジワイヤー12B…によって濾過部12が形
成された濾過体10のうち、スクリュウ4の他端側の第
2の濾過体10B…における濾過間隙Sが、一端側の第
1の濾過体10Aにおける濾過間隙Sよりも小さくされ
ており、従って含水率の高いスクリュウ4の一端側では
大きな濾過間隙Sから速やかに濾液を排出して含水率を
低減することができる一方、こうして含水率が低減され
るとともにスクリュウ4による搬送や偏心回転する濾過
体10Bによって圧力や剪断力を受けることにより処理
物中の細かい微粒子が増大しがちなスクリュウ4の他端
側では、濾過間隙Sを小さくすることによって、かかる
微粒子が濾過間隙Sに詰まって脱水効率を損なうような
事態をさらに確実に防止することが可能となる。なお、
本実施形態では第1の濾過体10A,10A間と第2の
濾過体10B…間では濾過間隙Sはそれぞれ同じとされ
ているが、これらの一部あるいは全体において一端側か
ら他端側に向けて濾過間隙Sが漸次小さくなるようにし
てもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
処理物が搬送されるスクリュウの他端側に配設される複
数の濾過体を、スクリュウの全周に亙ってその中心軸回
りに互いに独立して回転可能に支持するとともに、この
他端側の濾過体のスクリュウ軸線方向の長さを一端側の
濾過体よりも短くすることにより、含水率が低くて濾過
され難い他端側に搬送された処理物に対しても、周方向
に向けての剪断力をその含水率に合わせて細かい範囲で
制御しながら作用させることができ、効率的な脱水を図
ることが可能となる。また、含水率が高くて脱水され易
い処理物が搬送されるスクリュウの一端側では濾過体の
回転を拘束することにより、装置構造の簡略化を図るこ
とができる。
【0042】一方、この他端側の濾過体をスクリュウの
軸線に対して偏心可能な中心軸回りに回転可能とすれ
ば、処理物に外周側から圧力や径方向の剪断力を与えて
一層の脱水効率の向上を図ることができる。この場合に
は、例えば濾過体の外周にカム軸線回りに回転可能に設
けたカムに濾過体の外周部を摺動可能に接しさせて回転
可能とすれば、カムの偏心量に応じて中心軸線を偏心さ
せることができるとともに、カムと濾過体との摺動とカ
ムによる濾過体の接触摩擦とにより、濾過体を中心軸回
りに確実に回転可能とすることができる。また、この他
端側の濾過体を、その中心軸が異なって偏心可能に配設
すれば、処理物に多方向から剪断力を与えることができ
て、より一層の濾過効率の向上を図ることができる。
【0043】さらに、濾過体として、例えばウェッジワ
イヤーを巻回したりして、その胴周部に濾過部を備えた
ものを採用すれば、処理物中の微粒子などによって脱水
効率が損なわれたり、かかる微粒子が濾液に混入してそ
の清澄性が低下したりするのをより確実に防止すること
ができる。また、このような場合においても複数の濾過
体を配設して、スクリュウの他端側の濾過体の濾過間隙
を一端側よりも小さくすれば、一端側では含水率の高い
処理物から速やかに濾液を排出することができる一方、
他端側では処理物中の微粒子による濾過間隙の詰まり等
を防ぐことができ、効率的かつ円滑な濾過を促すことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の平面図である。
【図3】 図1に示す実施形態をスクリュウ4の一端側
から見た正面図である。
【図4】 図1に示す実施形態をスクリュウ4の他端側
から見た背面図である。
【図5】 図1におけるZZ断面図である。
【図6】 図1に示す実施形態における濾過体10(第
2の濾過体10B)を示す(イ)側断面図、(ロ)一部
破断正面図である。
【図7】 図1に示す実施形態の第2の濾過体10Bの
偏心状態を示すZZ拡大断面図である。
【符号の説明】
3 濾過室 3A 第1の濾過室 3B 第2の濾過室 4 スクリュウ 4A スクリュウシャフト 4B スクリュウ羽根 6 ロール駆動装置 8A,8B 隔壁 10 濾過体 10A 第1の濾過体 10B 第2の濾過体 12 濾過部 12B ウェッジワイヤー 14 固定体 16 カムシャフト 16B カム 18 カム駆動装置 19 洗浄管 O スクリュウ4の回転軸線 X 濾過体10の中心軸 C カム軸線 E カム16Bの中心線 e カム16Bの中心線Eのカム軸線Cからの偏心量 S 濾過部12の濾過間隙
フロントページの続き (72)発明者 土本 圭一 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 根尾 航太郎 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 佐藤 益弘 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 概略円筒状の濾過体の内周にスクリュウ
    が回転可能に挿入されて、このスクリュウの一端側から
    上記濾過体との間に供給された処理物を、該スクリュウ
    の回転によって他端側に搬送しつつ、上記濾過体により
    濾過するスクリュウプレス式濾過装置であって、上記ス
    クリュウの他端側には、複数の上記濾過体が互いに独立
    して各濾過体の中心軸回りに上記スクリュウの全周に亙
    って回転可能に支持されるとともに、上記スクリュウの
    回転軸線方向における上記他端側の濾過体の長さが、上
    記スクリュウの一端側の濾過体よりも短くされているこ
    とを特徴とするスクリュウプレス式濾過装置。
  2. 【請求項2】 上記スクリュウの一端側の濾過体は、上
    記スクリュウの全周に亙る回転は拘束されて支持されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のスクリュウプレ
    ス式濾過装置。
  3. 【請求項3】 上記スクリュウの他端側の濾過体は、そ
    の上記中心軸が、上記スクリュウの回転軸線に対して偏
    心可能とされていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のスクリュウプレス式濾過装置。
  4. 【請求項4】 上記スクリュウの他端側の濾過体の外周
    には、上記回転軸線方向に延びるカム軸線回りに回転可
    能なカムが設けられていて、該濾過体は、このカムによ
    り、その上記中心軸が偏心可能とされていることを特徴
    とする請求項3に記載のスクリュウプレス式濾過装置。
  5. 【請求項5】 上記スクリュウの他端側には、その中心
    軸が偏心可能とされた上記濾過体がさらに複数配設され
    ており、これらの濾過体のうち少なくとも一部の濾過体
    は、その上記中心軸が他の濾過体とは異なって偏心させ
    られることを特徴とする請求項3または請求項4に記載
    のスクリュウプレス式濾過装置。
  6. 【請求項6】 上記濾過体は、その胴周部に、上記処理
    物を濾過する濾過間隙が形成された濾過部が設けられた
    ものであることを特徴とする請求項1ないし請求項5の
    いずれかに記載のスクリュウプレス式濾過装置。
  7. 【請求項7】 上記濾過部は、上記濾過体の胴周部にウ
    ェッジワイヤーが該濾過体の上記中心軸方向に上記濾過
    間隙を開けて多数並ぶように巻回されることにより形成
    されていることを特徴とする請求項6に記載のスクリュ
    ウプレス式濾過装置。
  8. 【請求項8】 上記スクリュウの他端側の濾過体は、そ
    の上記濾過間隙の大きさが、上記スクリュウの一端側の
    濾過体よりも小さくされていることを特徴とする請求項
    6または請求項7に記載のスクリュウプレス式濾過装
    置。
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