JP2001211851A - アレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造方法 - Google Patents

アレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造方法

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明雄 小幡
Ryota Kanegae
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ALLERGEN FREE TECHNOLOGY KENKY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風味を損なうことなく、アレルゲンを低減化
し得る大豆蛋白食品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 大豆蛋白食品素材に、アレルゲンの分解
活性及びペプチダーゼ活性を併有する酵素を作用させる
ことを特徴とするアレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレルゲンの低減
化された大豆蛋白食品、例えば豆腐、豆乳、分離大豆蛋
白質、油揚げ、厚揚げ等の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、食物性アレルギーは、特定の食物を繰り返し食した
ときに異常な過敏反応を生じ、その結果、病的な状態に
陥る現象を意味する。最近では卵、牛乳をはじめ米、
麦、蕎麦等による発症が多く見られる。食物性アレルギ
ーの症状としては鼻炎、湿疹、下痢、蕁麻疹等があり、
これらの治療法としては薬物による対症療法、又はアレ
ルゲンとなる食物を見つけ出しその再発の虞がなくなる
まで、その原因食物を患者の食餌から取り除き体質改善
を図るいわゆる除去食物療法がある。
【0003】アレルゲン成分が特定の蛋白質画分にある
ことが知られている場合、その画分の除去によりアレル
ゲンを除いて、或いはそのアレルゲン含有食物に蛋白質
分解酵素を作用させ蛋白質を分解してアレルゲンを低減
化させた原料を得てそれを用いて製造した代用食品によ
って除去食物療法に供する試みがなされている。例え
ば、アレルゲンの低減化した穀物類の製造法としては、
米等に蛋白質分解酵素を作用させ、米中の塩溶性蛋白質
のトリクロロ酢酸可溶率を指標にして所定量まで除去す
ることにより、アレルゲンの低減化した穀物類を製造す
ることが提案されている(特開平2−167040号公
報)。またこの他に、澱粉を主成分としてアレルゲン性
を除いた蛋白質類を混合させてその栄養価を高めた澱粉
加工食品等が提案されている(特開平4−218347
号公報)。
【0004】また、大豆を原料とする代表的な加工食品
には、味噌、醤油、納豆等の醗酵食品の他に、豆腐や豆
乳等の栄養価の高い大豆蛋白食品が知られてる。特に最
近、豆腐や豆乳等は病院食として使用され、分離大豆蛋
白等は栄養剤としても利用されている。しかしながら、
かかる豆腐や豆乳等にも最近、アレルゲンの存在が認め
られ、患者がこれらの食品を食餌とすると重度のアレル
ギーを生じることがある。これらの食品に蛋白質分解酵
素を作用させてアレルゲンを低減化させることも試みら
れているが、そのようにして得られた食品は、酵素処理
によって苦みが生じ、風味が低下してしまう。
【0005】従って、本発明の目的は、風味を損なうこ
となく、アレルゲンを低減化し得る大豆蛋白食品の製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、アレルゲンの低減化によって生じた苦みが、ペ
プチダーゼの作用によって低減化することを知見した。
【0007】本発明は前記知見に基づきなされたもので
あり、大豆蛋白食品素材に、アレルゲンの分解活性及び
ペプチダーゼ活性を併有する酵素を作用させることを特
徴とするアレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造方法(以
下、第1発明というときにはこの発明をいう)を提供す
ることにより前記目的を達成したものである。
【0008】また本発明は、大豆蛋白食品素材に、アレ
ルゲンの分解活性を有する酵素を作用させ、次いで前記
酵素を作用させた後に、又は前記酵素を作用させるのと
同時にペプチダーゼ活性を有する酵素を作用させること
を特徴とするアレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造方法
(以下、第2発明というときにはこの発明をいう)を提
供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】先ず、第1発明のアレルゲン低減
化大豆蛋白食品の製造方法について詳述する。本発明の
製造方法に用いられる大豆蛋白食品素材としては、大豆
を原料として製造された非発酵の食品素材、例えば豆
乳、或いは分離大豆蛋白質等が用いられる。豆乳として
は、大豆を磨砕して得た呉からおからを分離したものが
挙げられる。分離大豆蛋白質としては、例えば脱脂大豆
の水抽出液を酸沈させて得られた沈澱物を分離乾燥した
もの等が挙げられる。
【0010】特に、前記大豆蛋白食品素材として豆乳を
用いる場合、該豆乳としては、大豆から得られた未加熱
の豆乳を所定条件下で遠心分離し上層液と下層液とに分
離した後に採取された下層液を用いることが好ましい。
この理由は、未加熱の豆乳を遠心分離すると、分離液の
上部にオイルボディパッドが形成され、アレルゲンの一
つであるGly m Bd 30Kがこのオイルボディパッドに移行
するからである。
【0011】しかしながら、遠心分離によって除去され
た上層液にはGly m Bd 30Kを主体とするアレルゲンと共
に呈味成分である油脂が含まれている。従って、該上層
液から分離された下層液のみを用いて豆乳を調製する
と、その豆乳は呈味性が低下したものとなることがあ
る。そこで、遠心分離による脱脂に起因する呈味性の低
下を改善するために、遠心分離によって除去された前記
上層液を回収し、該上層液に後述するアレルゲンの分解
活性及びペプチダーゼ活性を併有する酵素を所定温度で
作用させて、該上層液に含まれるGly m Bd 30Kを主体と
するアレルゲンを分解させた後、該上層液を、後述の酵
素処理が施された、あるいは酵素非処理の下層液と混合
し、両者を均質化することが好ましい。
【0012】前記未加熱豆乳を遠心分離する条件として
は、遠心分離時の該未加熱豆乳の温度が10〜60℃で
あることが好ましく、20〜40℃であることが更に好
ましい。温度が10℃に満たないと、11Sグロブリン
の沈殿に伴って、Gly m Bd 30Kも沈殿し、Gly m Bd 30K
を上層のオイルボディパッドに効率よく移行させること
ができない場合がある。60℃を超えると、蛋白質が変
性してしまい、遠心分離をしても上層のオイルボディパ
ッドにGly m Bd 30Kが移行しなくなる場合がある。遠心
分離時の遠心加速度は10,000(×g)以上である
ことが好ましく、25,000〜500,000(×
g)であることが更に好ましい。遠心加速度が10,0
00(×g)に満たないと、Gly m Bd 30Kを十分にオイ
ルボディパッドに移行することができない場合がある。
【0013】大豆蛋白食品素材の原料となる大豆として
は、主要アレルゲンとなる蛋白質である、Gly m Bd 28
k、Gly m Bd 30k、7Sグロブリンのαサブユニット等
が欠失した品種を用いることが好ましい。そのような品
種の大豆としては農林水産省東北農業試験場が開発した
Gly m Bd 28k及び7S−αサブユニット欠失の「東北1
24号」や、九州農業試験場が開発した7S−αサブユ
ニット欠失の「QT−2」等が挙げられる。
【0014】前記大豆蛋白食品素材に、所定の酵素を作
用させる。本発明に用いられる酵素としては、アレルゲ
ンの分解活性及びペプチダーゼ活性を併有する酵素を用
いる。本発明において「アレルゲンの分解活性」とは、
大豆アレルギー患者が有するIgEと反応する大豆蛋白
質成分を低減化させる作用全般を意味する。
【0015】前記大豆蛋白食品素材に前記酵素を作用さ
せることによって、該大豆蛋白食品素材に含まれるアレ
ルゲンが低減すると共に、アレルゲンの低減によって生
ずる苦みが低減して、風味の良い大豆蛋白食品を得るこ
とができる。
【0016】前記酵素としては、例えば糸状菌や放線菌
等の培養によって採取される培養物、培養液、該培養物
を適量の水や緩衝液で抽出した抽出液、該培養液から菌
を濾別した培養液、或いはこれらの液を濃縮した液に含
まれるものを用いることができる。具体的には天野製薬
(株)製のプロテアーゼM(商品名)、新日本化学工業
製のスミチームFP(商品名)、科研ファルマ(株)製
のアクチナーゼAS(商品名)、キッコーマン(株)製
のAOプロテアーゼ(商品名)等が好ましく用いられ
る。これらの酵素は一種又は二種以上を併用できる。
【0017】前記酵素を産生する糸状菌の例としては、
アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ソーヤ、ア
スペルギルス・ニガー、アスペルギルス・サイトイ等、
放線菌の例としては、ストレプトマイセス・グリセウス
等が挙げられる。
【0018】前記大豆蛋白食品素材に前記酵素を作用さ
せる条件は、酵素の種類にもよるが、温度は2〜60
℃、時間は0.5〜72時間とすることが好ましい。
【0019】前記大豆蛋白食品素材に前記酵素を作用さ
せる前又は後に、あるいは該酵素を作用させるのと同時
に、該大豆蛋白食品素材にマンナナーゼを作用させるこ
とが好ましい。本発明者らの検討の結果、大豆に含まれ
る蛋白質のうち、糖蛋白質の糖鎖部分もアレルゲンとな
ることが判明し、更に検討を推し進めたところ、マンナ
ナーゼには糖蛋白質の糖鎖部分の分解活性を有している
ことが判明した。そして、前記大豆蛋白食品素材に前記
酵素を作用させる前又は後に、あるいは該酵素を作用さ
せるのと同時に、該大豆蛋白食品素材にマンナナーゼを
作用させることで、該大豆蛋白食品素材に含まれるアレ
ルゲンが一層低下することが判明した。
【0020】マンナナーゼを作用させる条件は以下の通
りである。前記大豆蛋白食品素材に前記酵素を作用させ
る前にマンナナーゼを作用させる場合には、温度は40
〜80℃、時間は0.5〜72時間とすることが好まし
い。前記酵素を作用させた後にマンナナーゼを作用させ
る場合には、加熱処理により前記酵素を失活させた後に
作用させることが好ましい。前記大豆蛋白食品素材に前
記酵素を作用させるのと同時にマンナナーゼを作用させ
る場合には、至適温度が二つの酵素でほぼ同じになるこ
とが好ましく、具体的には温度を40〜60℃、時間を
0.5〜72時間とすることが好ましい。
【0021】マンナナーゼとしては、例えば糸状菌等の
培養によって採取される培養物、培養液、該培養物を適
量の水や緩衝液で抽出した抽出液、該培養液から菌を濾
別した培養液、或いはこれらの液を濃縮した液に含まれ
るものを用いることができ、具体的には阪急バイオイン
ダストリー(株)製のセルロシンGM5(商品名)等を
用いることができる。
【0022】マンナナーゼを産生する糸状菌の例として
は、アスペルギルス・ニガー等が挙げられる。
【0023】このようにして酵素が作用された前記大豆
蛋白食品素材は、次いで所望の大豆蛋白食品に加工され
る。例えば、前記大豆蛋白食品素材として豆乳を用いた
場合には、該豆乳を原料として、豆乳飲料、豆腐若しく
は豆腐様食品、分離大豆蛋白質、油揚げ、厚揚げ等が製
造される。
【0024】次に、第2発明について説明する。尚、第
2発明については第1発明と異なる点についてのみ説明
し、同じ点については特に説明しないが、第1発明に関
して詳述した説明が適宜適用される。
【0025】第2発明においては、先ず大豆蛋白食品素
材に、アレルゲンの分解活性を有する酵素を作用させ
る。これによって、該大豆蛋白食品素材に含まれるアレ
ルゲンを低減させる。用いられる酵素としては、例えば
醤油麹起源のプロテアーゼが挙げられる。醤油麹起源の
プロテアーゼは、そのプロテアーゼ含有液であれば良
く、例えば醤油麹の水懸濁液、醤油麹を水抽出した抽出
液、醤油もろみ、生醤油等を使用することができる。醤
油麹起源のプロテアーゼを作用させる方法としては、上
記プロテアーゼ含有液を大豆蛋白食品素材に添加した
り、大豆蛋白食品素材をその含有液中に浸漬したりする
方法が挙げられる。醤油麹起源のプロテアーゼを作用さ
せる条件としては、対象とする大豆蛋白食品素材の性状
や種類、またプロテアーゼ含有液の種類によって異なる
が、温度4〜37℃で12〜240時間程度である。
【0026】アレルゲンの分解活性を有する前記酵素を
作用させた後に、又は該酵素を作用させるのと同時に、
前記大豆蛋白食品素材にペプチダーゼ活性を有する酵素
を作用させる。これによって、アレルゲンの低減によっ
て生ずる苦みが低減して、風味の良い大豆蛋白食品を得
ることができる。ペプチダーゼ活性を有する前記酵素
は、アレルゲンの分解活性を併有してもよい。これによ
って、前記大豆蛋白食品素材に含まれるアレルゲンが一
層低減する。ペプチダーゼ活性を有する前記酵素として
は、第1発明に関して説明したアレルゲンの分解活性及
びペプチダーゼ活性を併有する酵素が好適に用いられ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の有効性を例証す
る。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限
されるものではない。尚、以下の例中、特に断らない限
り、「%」は「重量%」を意味する。
【0028】〔実施例1〕丸大豆を水道水中に16時間
浸漬し、十分に吸水させたのち5倍量の水と共に磨砕し
て呉となし、この呉を濾過して豆乳を得た。この豆乳中
の蛋白質濃度は約6%であった。この豆乳に、キッコー
マン(株)製AOプロテアーゼを、豆乳の重量に対して
0.5%、新日本化学工業(株)製スミチームFPを
0.25%添加し、5℃で40時間攪拌した。このよう
にして得られた豆乳に乳化安定剤及びフレーバーを添加
した後、125℃で5秒間殺菌処理し、容器に充填して
飲用豆乳を得た。
【0029】〔実施例2〕実施例1で得られた豆乳を9
5℃、10分間加熱して、含有酵素を失活させた後、阪
急バイオインダストリー(株)製のセルロシンGM5
(商品名)を、該豆乳の重量に対して0.1%添加し、
50℃で2時間攪拌して豆乳を得た。その後は実施例1
と同様にして飲用豆乳を得た。
【0030】〔実施例3及び4〕実施例1で得られた豆
乳に、カードラン及びワキシーコーンスターチを、該豆
乳の重量に対して各々1.5%及び2.5%添加して豆
腐調製用豆乳となした。次いで、該豆腐調製用豆乳を8
5℃で加熱した後に冷却し充填豆腐を得た(実施例
3)。また、実施例2で得られた豆乳を用いて同様の方
法で充填豆腐を得た(実施例4)。
【0031】〔実施例5〕丸大豆を水道水中に16時間
浸漬し、十分に吸水させたのち5倍量の水と共に磨砕し
て呉となし、この呉を濾過して豆乳を得た。この豆乳中
の蛋白質濃度を約5%に調整した後回転数17,000
rpm(遠心加速度20,000×g)・温度40℃の
条件下で遠心分離した。遠心分離後、上層液と下層液と
に分別し、取り出された上層液に、キッコーマン(株)
製AOプロテアーゼを、該上層液の重量に対して0.5
%、新日本化学工業(株)製スミチームFPを0.25
%添加し、45℃で3時間攪拌した。次いで、先に分別
した下層液とこの上層液を混合し、両者を均一化させて
豆乳を得た。このようにして得られた豆乳をフレーバリ
ングした後、125℃で5秒間殺菌処理し、容器に充填
して飲用豆乳を得た。
【0032】〔実施例6〕実施例5で得られた豆乳を9
5℃、10分間加熱して、含有酵素を失活させた後、阪
急バイオインダストリー(株)製のセルロシンGM5
(商品名)を、該豆乳の重量に対して0.1%添加し、
50℃で2時間攪拌して豆乳を得た。その後は実施例5
と同様にして飲用豆乳を得た。
【0033】〔実施例7及び8〕実施例5で得られた豆
乳に、凝固剤としてグルコノデルタラクトンを、該豆乳
の重量に対して0.3%添加し、これを80℃で加熱し
た後に冷却させて充填豆腐を得た(実施例7)。また、
実施例6で得られた豆乳を用いて同様の方法で充填豆腐
を得た(実施例8)。
【0034】実施例3、4、7及び8で得られた大豆蛋
白食品(豆腐)について、以下の方法で含まれるアレル
ゲンの量を評価すると共に、官能試験によって味を評価
した。その結果を以下の表1に示す。
【0035】〔アレルゲンの量の評価方法〕蛋白質量2
mgに相当する非酵素処理の大豆蛋白食品及び実施品の
各大豆蛋白食品に、最終濃度がドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)1%、2−メルカプトエタノール1%、トリ
ス塩酸緩衝液1mM、グリセリン20%となるように、
これらの物質を加え、更に蒸留水を加えて1mlにし
て、電気泳動〔SDS−PAGE(ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動)〕試料を調製した。試料を95℃にて4
分間加熱処理し、次いで0.05%となるようにブロモ
フェノールブルーを加えた。12%SDS−ポリアクリ
ルアミドゲルに試料を5μl加え、次いで40mAで7
0分間電気泳動して分画した。
【0036】次に分画成分を、ミリポア社製イモビロン
P膜に、電気泳動的に転写した。転写条件は、80mA
定電流にて1時間であった。転写膜を5%スキムミルク
でブロッキングした後、大豆アレルギー患者血清及びア
レルギーを持たないコントロール成人血清を14時間室
温にて反応させた。膜を洗浄した後125Iラベルされた抗
ヒトIgE抗体に2時間37℃に反応させ、膜に結合し
たIgEを125Iで標識した。これをX線フィルムに感光
させ、アレルゲンとなりうるIgEと結合する蛋白質の
検出を行った。対照である非酵素処理の大豆蛋白食品
(対照1)を100として、残存する蛋白質の度合い
(バンドの濃さ、本数)に応じて100〜70%(++
+)、50〜10%(++)、10%未満(±)、0%
(−)として、アレルゲンの量の評価を行った。尚、対
照2としてトリプシンを用いた場合のアレルゲンの量の
評価も同様に行った。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示す結果から明らかなように、各実
施例で得られた大豆蛋白食品(豆腐)は、酵素非処理
(対照1)のものに比して、含まれているアレルゲンの
量が低減していることが判る。特に、実施例4及び8で
得られた大豆蛋白食品は、実施例3及び7で得られた大
豆蛋白食品それぞれに比して、アレルゲンの量が一層低
減していることが判る。また各実施例で得られた大豆蛋
白食品(豆腐)は、酵素としてトリプシンを用いた場合
(対照2)に比して、苦みが低減されたことも判る。特
に、実施例7及び8で得られた大豆蛋白食品は、酵素非
処理(対照1)のものとほぼ同様の風味を有していた。
【0039】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、風味を損な
うことなく、アレルゲンが低減化した大豆蛋白食品が得
られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆蛋白食品素材に、アレルゲンの分解
    活性及びペプチダーゼ活性を併有する酵素を作用させる
    ことを特徴とするアレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記酵素を作用させる前又は後に、ある
    いは前記酵素を作用させるのと同時にマンナナーゼを作
    用させる請求項1記載のアレルゲン低減化大豆蛋白食品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 未加熱の豆乳を所定条件下で遠心分離し
    て上層液と下層液とに分離し、次いで該下層液に前記酵
    素を作用させる請求項1又は2記載のアレルゲン低減化
    大豆蛋白食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 未加熱の豆乳を所定条件下で遠心分離し
    て上層液と下層液とに分離し、次いで該上層液に前記酵
    素を作用させ、然る後、該上層液と該下層液とを混合・
    均一化させる請求項3記載のアレルゲン低減化大豆蛋白
    食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 大豆蛋白食品素材に、アレルゲンの分解
    活性を有する酵素を作用させ、次いで前記酵素を作用さ
    せた後に、又は前記酵素を作用させるのと同時にペプチ
    ダーゼ活性を有する酵素を作用させることを特徴とする
    アレルゲン低減化大豆蛋白食品の製造方法。
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