JP2001211221A - 遠隔通信システムのためのタイミング位相獲得方法及び装置 - Google Patents

遠隔通信システムのためのタイミング位相獲得方法及び装置

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JP2001211221A
JP2001211221A JP2000386238A JP2000386238A JP2001211221A JP 2001211221 A JP2001211221 A JP 2001211221A JP 2000386238 A JP2000386238 A JP 2000386238A JP 2000386238 A JP2000386238 A JP 2000386238A JP 2001211221 A JP2001211221 A JP 2001211221A
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angle
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quadrature
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JP2000386238A
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G Garcia Domingo
ジー、ガルシア ドミンゴ
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Texas Instruments Inc
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル信号のタイミング位相を判別し受信
機を初期設定するタイミング位相獲得及び初期設定装置
を提供する。 【解決手段】 この装置は、デジタル信号を処理する等
化器(302,303)と、等化器に適用する複数の等
化器係数を記憶するフィルタバッファと、バッファマネ
ジャ(304)とを備えている。バッファマネジャはデ
ジタル信号のバーストメッセージプリアンブルを検出
し、所望の記号点を選択し、所望の記号点の所望角度を
計算し、同相等化器(302)と直角等化器(303)
から出力信号をサンプルしてプリアンブルのサブセット
を形成し、サブセットから選択出力ペアを選択し、選択
出力ペアの出力角度を計算し、所望の角度と出力角度と
を比較して角度差を求め、角度差を基に同相等化器と直
角等化器の遅延を作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、遠隔通
信の分野に関し、特に、バーストモデムとその改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の電話網及び電話線により行
われるデータ伝送速度は大幅に向上した。このように速
度が向上した理由は、主に、送受信メッセージまたはデ
ータを表す信号の多重化及び変調に新たな技術を導入し
たためで、これにより通信帯域幅は大幅に拡張された。
さらに、この通信を実行する搬送波周波数も近年高くな
り、これによりビットレートはさらに高速化された。
【0003】一般的に、送信モデム及び受信モデムで使
用している局部発振器の周波数は同じではない。これら
のクロック周波数は、最大で100ppm異なっている
ことがある。受信モデムが実行する機能の1つは、モデ
ムの受信部からの出力を最適タイミングでサンプルでき
るように信号を生成することである。このタイミングを
最適化すれば、送信信号をどの時点でサンプルすれば良
いかを正確に推測できる。そのためには、受信機は、ま
ず、送信機のクロックの周波数ドリフトを獲得し追跡す
る必要がある。本発明は、送信信号と受信機との間の位
相差を初期状態で獲得する新しい方法を提供していて、
CAP/QAM変調方式で使用しているバーストモデム
などで特に有用である。
【0004】直交変調を使用するのは、変調信号の情報
搬送容量を向上させるためである。このような変調の1
つは、Betts等の米国特許第5,859,877号
に記載されている直交振幅変調(QAM)である。QA
Mは、2次元複合信号、つまり、同相成分と直交成分の
両方のシーケンスとしてデータを送信する。各記号に
は、その記号が表すデータに従って特定の事前定義値が
割り当てられる。送信に使用するこれらすべての値のセ
ットはコンスタレーション(星座)と呼ばれ、2次元で
図形的に作図すると星座に似ている。
【0005】別の変調方式は、キャリアレス振幅位相変
調(CAP)である。CAP変調を使用する受信機は、
記号データをI及びQのペアとして編成する2次元の通
話帯域回線コードを使用して変調信号を受け取る帯域幅
有効手段である。Knutson等による米国特許第5
930,309号は、CAP信号に関する受信機信号処
理システムを記載している。このシステムのI及びQデ
ータは、共通の通信帯域を有する直交I及びQ帯域フィ
ルタによりフィルタされる。CAPでは、フィルタの通
話帯域で処理が行われるため、搬送波追跡ループの必要
がない。しかし、送信されるパルスの周波数では、記号
タイミングの制約が厳しい。CAP信号はQAM信号と
似ているが、送信データが搬送波周波数でスピンしたり
循環したりすることはない。
【0006】CAP/QAMシステムでは、タイミング
回復を実行するために従来から幾つかの方法が使用され
てきた。1つの方法は、図1に示すように、アナログ技
術とデジタル技術を組み合わせて位相同期ループ(PL
L)を実行する方法である。タイミング位相検波器(T
PD)101は、アナログ・デジタル変換器(A/D)
104を使用して信号S(t)からサンプルした入力デ
ータサンプルs[n]を処理する。
【0007】TPD101の機能を実行できる周知の方
法の1つは、帯域エッジ成分最大化(BECM)プロセ
スである。このプロセスでは、送信機クロックと受信機
クロック間の位相の差に比例した誤差信号を生成する。
TPD101が生成する誤差信号は、フィルタされ(平
均化され)、デジタル・アナログ(D/A)変換器10
2に渡される。D/A変換器の出力は、電圧制御発振器
(VCO)103の周波数を制御するために使用され
る。この方法の利点は、残りの受信機はタイミング不一
致を感知する必要がない点である。つまり、入力データ
ストリームを最適時にサンプルしたものと想定してい
る。しかし、この方法の欠点は、アナログ回路とデジタ
ル回路が混合している点である。タイミング回復処理を
実行する他の周知の方法は、図2に示すような、PLL
をすべてデジタルで実行する方法である。受信機のA/
D変換器は、自走発振器201のクロックに合わせて動
作する。第1の方法と同様に、タイミング位相検波器1
01を使用して、自走発振器201の周波数に従って送
信機クロックと受信機クロック間の位相誤差を判別す
る。次に、TPD101からの誤差信号は補間回路20
2に渡される。補間回路202は、受信機クロックによ
り調整された周波数で自走発振器によりサンプルした信
号S(t)を基に、最適にサンプルされたデータサンプ
ルs*[n]を生成する。補間回路202は、誤差信号
を基に、A/D変換器と他の受信機の処理との間に分数
遅延(1サンプル期間遅延より小さい遅延)を加える。
この遅延量を増減することで、TPDが測定する送信機
クロックドリフトを補正する。この方法の欠点は、サン
プルの挿入・削除時に、補間回路が要求する遅延量が挿
入1サンプルを超えているときか削除1サンプルを下回
っているときである。したがって、たとえば、サンプル
を挿入しなければならないときに受信機の信号処理時間
が1サンプル期間を下回ってしまい、このため情報が失
われることがある。
【0008】等化器を使用して送信媒体の特性を反映さ
せる場合は、モデムを操作するたびに等化器を初期設定
し、信号と等化器の初期状態の周波数特性との位相差を
処理しなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この分技
術野では、バーストモデムの位相獲得及び初期設定を実
行するための方法及び装置の必要が生じていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、デジタ
ル信号のタイミング位相を判別するた及び受信機を初期
設定するための方法と装置を提供する。
【0011】等化器を設け、バーストモデム受信機で受
け取ったデジタル信号を処理する。フィルタバッファを
設け、等化器に適用する等化器係数のセットを記憶す
る。バッファマネジャを設け、等化器の係数を記憶し、
タイミング位相の獲得と受信機の初期設定を実行する。
【0012】バッファマネジャを設け、デジタル信号の
バーストメッセージプリアンブルを検出し、既知のバー
ストシーケンスから所望の記号点を選択する。バッファ
マネジャは同相等化器及び直角等化器から出力信号をサ
ンプルしてプリアンブルのサブセットを形成し、そのサ
ブセットから選択出力ペアを選択する。
【0013】バッファマネジャは所望の記号点の所望角
度及び選択出力ペアの出力角度を計算し、所望角度と出
力角度とを比較して角度差を得る。
【0014】同相等化器と直角等化器の遅延は、角度差
を基にバッファマネジャにより与えられる。
【0015】本発明の他の技術的な利点は、当業者は以
下の図面、説明、及び請求項から簡単に理解できる。
【0016】
【発明の実施の形態】提案する発明は、受信信号のタイ
ミング位相を獲得するための方法及び装置である。本発
明による受信機300の実施例を図3に示す。受信機3
00は、ハードコードされた電子部品だけで実現するこ
ともでき、また、コンピュータ及びデジタル信号処理ソ
フトウェアを利用することもできる。
【0017】本発明の受信機300では、アナログ信号
s(t)はアナログ・デジタル(A/D)変換器301
でデジタル化できる。このA/D変換器は、受信機に組
み込むこともでき、また別途に用意してもよい。
【0018】デジタル化された信号は、まず、分数間隔
の適応等化器として実現された2つの分相フィルタで処
理される。線形適応等化器とは、単に、フィルタ係数を
プログラム可能な有限インパルス応答(FIR)フィル
タである。分数間隔等化器は、QAM/CAP記号期間
ごとに1 A/Dサンプルより多くのサンプルを処理す
る。
【0019】FIRフィルタは、次の差分方程式を実行
する。 ここで、 は入力サンプルで、 はフィルタ出力で、 は係数(タップ重みとも呼ばれる)である。QAM/C
AP受信機では、等化器は同相等化器302と直角等化
器303とで構成されていて、これらは次の処理を実行
する。 ここで、 はA/D変換器301からの入力サンプルで、 は同相等化器302の係数で、 は直角等化器303の係数で、I(n)とQ(n)はそ
れぞれ、同相等化器302と直角等化器303の出力で
ある。これら2つのフィルタの係数はバッファ管理装置
304または別途のメモリー装置に記憶することがで
き、等化器のインパルス応答を定義するものである。同
相等化器には1組の係数があり、直角等化器には1組の
係数がある。等化するチャネルの特定の特性により、等
化器フィルタの必須長(上記方程式のN)が決まる。
【0020】受信機が起動状態のとき、これら2つの等
化器を既知の調整シーケンスを使用する標準最小平均2
乗(LMS)アルゴリズムにより調整する。等化器の調
整とは、一定期間に渡り係数を変化させることで一定の
基準を満足たすようにしたことをいう。この場合、平均
2乗エラーの最小化が基準になる。LMSアルゴリズム
は、以下の式を使用してフィルタの係数を繰り返し更新
する。 ここで、 は推定エラーの複素数共役で、 はタップ重みベクトル(つまり、係数のセット)で、 は1回の繰返しを実行した後の更新係数セットで、 は所望の結果で、 は等化器フィルタの出力で、μは更新ステップサイズ
(0<μ<1)である。上付き文字のHはエルミート互
換(つまり、複素数共役によるベクトル互換の操作)で
ある。各等化器には等化器自身の係数が割り当てられて
いて、これらの係数を更新する必要がある。以下では、
片方の係数の組に関する演算だけを説明するが、手順は
両方の組に適用される。
【0021】所望の結果d(n)は、QAMコンスタレ
ーションの点である。簡単な4−QAMコンスタレーシ
ョンの場合、2次元座標(x,y)は(1,1)、(−
1,1)、(−1,−1)、及び(1,−1)である。
したがって、所望の結果は1と−1のシーケンスにな
る。調整時には、d(n)は送信機及び受信機の両方で
既知のシーケンスでも構わない。説明しているQAM/
CAP受信機では、2つの等化器を別々に調整し更新す
る。同相等化器は所望の結果としてx座標値を使用し、
直角等化器は所望の結果としてy座標値を使用する。上
記の式で、同相等化器の はI(n)として表され、直角等化器の はQ(n)として表されている。何回か繰り返すと、推
定エラーはある最小値に収束され、等化器の係数は定態
値に収束されるはずである。係数が32個の組を持つ収
束等化器の例を図4に示す。
【0022】調整後に係数を更新する場合、所望の結果
d(n)がスライサ305の出力から得られる。スライ
サ305は、等化器出力に最も近いコンスタレーション
点を選択する。
【0023】このように、4−QAMの例では、I
(n)(同相等化器の出力)が0.75であれば、最も
近いx座標、つまりスライス値は1である(0.75
は、−1より1に近い)。したがって、スライス値、
I’(n)=1は、エラー式で使用するd(n)であ
る。したがって、 は次のようになる。 ここで、I’(n)はスライサ出力の値で、I(n)は
等化器出力である。
【0024】従来のQAM/CAP受信機では、適応等
化器を使用してチャネル特性の変化を補償している。上
記で述べたように、タイミングの回復処理は、別個のタ
イミング回復ブロックで実行される。しかし、分数間隔
等化器は分数遅延をインパルス応答に組み込むことがで
きるため、適応分数間隔等化器はタイミング回復ブロッ
クとして及びチャネル補償ブロックとして使用すること
ができる。
【0025】受信機がバーストメッセージの開始を最初
に検出した時点では、追跡システムは使用できない可能
性がある。これは、送信機クロックと受信機クロック間
の初期位相関係がまだ決定されていないからである。本
発明は、初期タイミング位相を獲得するため及び等化器
を正しく調整するための方法と装置を提供する。
【0026】送信チャネルが時間と共に変化することは
ないと仮定すれば、受信機等化器の調整は、システム電
源投入時に1度だけ行えばよい。これで、後続のメッセ
ージバーストは初期タイミング位相調整を獲得すること
ができ、後続のタイミングドリフトを追跡できる。しか
し、送信機クロック及び受信機クロックの位相はメッセ
ージバースト間でお互いにドリフトするため、これらク
ロック間の位相差はメッセージバースト毎に判別する必
要がある。
【0027】各メッセージバーストは、既知のシーケン
スで構成されるプリアンブルと、その後に続くデータス
トリームとで構成される。プリアンブルの構成要素は、
180°間隔で交代する一連のCAP/QAM記号で構
成される。既知のシーケンスとなるプリアンブルの設計
方法の1つは、CAP/QAMコンスタレーションの2
つの外側の点を使用することである。例えば、2つの外
側のコンスタレーション点、つまりI/Qペアは、16
−QAMコンスタレーションでは[−7,−7]と
[7,7]に相当する。したがって、16−QAMモデ
ムについて長さがN=64のプリアンブルでは、バース
トプリアンブルシーケンスは(7,7)、(−7,−
7)、(7,7)、(−7,−7)等となる。ここで、
32個の(7,7)記号と32個の(−7,−7)記号
はインターリーブしている。
【0028】プリアンブル部分は既知のシーケンスとな
り、受信システムはこのシーケンスを使用して、送信機
クロックと受信機クロック間の位相関係を判別する。送
信機クロックと受信機クロックが正しく調整されていれ
ば、各N個の等化器出力の1つは2つの外側点のいずれ
かに等しくなるはずである。クロックが調整されていれ
ば、記号レートで動作するスライサはこの最適等化器出
力ペアを入力として使用し、データを正しく復号できる
ようになる。N個の等化器出力で構成される後続の各組
におけるこの最適等化器ペアの位置は、記号点と呼ばれ
ることがある。ここで述べている分数間隔の例ではN=
4と想定する。
【0029】提供するプリアンブルを十分に長くし、シ
ステムが送信機クロックと受信機クロックの位相調整を
判別できるようにする。プリアンブルの長さは、システ
ムの特性に依存する。具体的には、信号の周波数及び以
下に述べる操作を受信機が実行できる速度に依存する。
【0030】本発明によるタイミング位相獲得システム
は、I及びQ等化器の連続N個の出力をサンプルする。
ここで、Nは記号当りのサンプル数である。(この例で
は4)。上記で述べたように、調整が完全に行われてい
れば、I及びQ等化器出力ペアのN個のサンプルのいず
れかが正しいコンスタレーション点に一致する。しか
し、通常は、これらのペアは調整されない。本発明で
は、記号点に対応するI/Q等化器出力ペアが所望のプ
リアンブル記号(この例では(7,7)または(−7,
−7)等)に等しくなるように、受信機において遅延を
効果的に計算して作る方法を記述している。
【0031】本発明によるタイミング位相獲得システム
は、以下に述べるステップで実行できる。本発明を実行
する装置は、ハードコード電子部品だけで実現すること
もでき、また、コンピュータとバッファ管理装置が提供
するデジタル信号処理ソフトウェアとを使用することも
できる。
【0032】システムは初期設定時に、N個の連続した
I及びQ等化器出力ペアを1度に操作する。システム
は、正しい調整を正常に獲得するために、複数回繰り返
すことができる。連続繰返し操作で使用するN個のペア
は、できれば、複数Nサンプル離れている方が望まし
い。この例では、n=0の場合、最初の繰返しはI
nn、In+1n+1、In+2n+2、In+3n+3を使用す
る。この方法の後続の繰返しでは、n=j*N(jはj
回目の繰返しを表す)の場合、これらのペアを使用しな
ければならない。
【0033】初期設定時に、 (度数で測定)はゼロに設定される。 は等化器フィルタにおける初期位相遅延を表していて、
タイミング位相が十分に一致するまで、連続繰返しによ
り更新される。
【0034】システムは、これらN個の等化器出力ペア
のいずれかを、記号点として指定されたペアとして選択
する。図4はプリアンブルの例を示していて、選択され
た記号点と実際に受信された記号点とをサンプルセット
について示している。これ以降に実行される繰返しで
は、この同じ記号点を使用する。タイミングが調整され
ると、この記号点に対応する等化器出力を受信機スライ
サへ送り、データを正しく復号できるようする。
【0035】I及びQの値を2次元空間のコンスタレー
ション点に対応させると、これらの点は大きさと角度に
よる極座標表記が可能である。システムは角度を判別
し、その角度と所望のコンスタレーション点の角度と比
較する。この角度は、Q/Iのアークタンジェントを計
算することで得られる。IとQは、選択した記号点に対
応する同相等化器び直角等化器の出力である。度数で表
した角度θoutput□は、次の式で表すことができる。
【0036】システムは、この角度とプリアンブル記号
のいずれかに対応する所望の角度とを比較する。度数で
表された所望の角度θdesiredは、次の式で表すことが
できる。
【0037】所望の角度θdesiredは、バーストメッセ
ージのプリアンブルに選択したコンスタレーション点に
依存する。例えば(コンスタレーション点(7,7)、
(−7,−7)など)、θdesired=45°である。所
望の角度からの差及び等化器出力のI及びQの値の角度
は、θdesiredからθoutputを減算することで判別でき
る。度数で表した位相の差は、変数□により表すことが
できる。これは、次の式により設定できる。
【0038】実際の見地からは、アークタンジェント
は、メモリーバッファまたはソフトウェアに組み込むこ
とができるルックアップテーブル方法を使用すること
で、実行できる。絶対値関数により符号情報が失われる
ので、□□が正の場合、システムは□の符号を変更する
ことでこれに対処している。
【0039】□□□の値が得られたら、システムは同相
等化器及び直角等化器について分数遅延を実施する。こ
れは、同じ記号点におけるこれら2つの等化器の出力が
所望のプリアンブル記号コンスタレーション点になるべ
く近くなるように行う。この遅延dlynewは、正のこ
とも負のこともあり、度数で表現され、次の式で表すこ
とができる。
【0040】デジタルフィルタでは分数遅延(1サンプ
ル期間より短い遅延)しか実現できないため、モジュロ
90°関数を使用して遅延を1サンプル期間より短くす
る。したがって、1記号当りN=4サンプルである上記
の例では、90°が1サンプル期間(360°/N)に
相当する。モジュロ関数により遅延を1単位の値に切り
捨てる場合は、符号または必要な訂正方向に従って遅延
を1単位ごとに増減できる。
【0041】新しい遅延値を獲得したら、システムは分
数遅延を挿入する(tは秒数で表す)。 ここで、Tは秒数で表した1サンプル期間に等しい。例
えば、図4では、選択された記号点は2から3に増加す
る。
【0042】新しい遅延dlynewを作るために、シス
テムは遅延フィルタを作成するためのフィルタ係数一時
セットまたは分数遅延量に対応するインパルス応答を生
成する。遅延フィルタ係数を元の等化器フィルタのイン
パルス応答によりたたみ込み、同相等化器及び直角等化
器の両方の新しい係数を生成する。この事前たたみ込み
操作により、これら等化器の前に別のフィルタを設置す
る必要がなくなる。同相等化器及び直角等化器の前にそ
れぞれ等化器を備えるという方法でも同じ効果をもたら
すが、2つの等化器を組み合わせる方法に比べると効率
的ではない。新しい等化器係数が決定したら、N個の新
しい等化器出力サンプルを計算し、上記のプロセスを繰
り返す。
【0043】□□が十分にゼロに近づいて装置が効果的
に動作できるようにするためには、上記のステップを複
数回繰り返さなければならないことがある。例えば、図
4では、選択された記号点を3から3.5にシフトして
正しい記号点に一致させるために、2回目の繰返しを行
って分数遅延を追加しなければならない。□が十分にゼ
ロに近づいたら、これら等化器の修正済み係数により、
初期タイミング位相差は補償される。これにより、受信
機はメッセージバーストのデータ部分処理時に既知の方
法を使用し、スライサがデータを正しく復号するように
クロックドリフトを追跡することができる。
【0044】□が十分にゼロに近い時期を判別するため
に、□が事前定義しきい値より小さいかどうかをテスト
する。最適のしきい値の判別はシステムパラメータに依
存しているが、その判別の精度は、選択した記号点に対
応するI及びQ等化器出力をスライサでスライスする場
合に、他のコンスタレーション点ではなく、所望のプリ
アンブルコンスタレーション点に正しくスライスするこ
とが判別できるということでよい。例えば、QAM−1
6の場合、記号点におけるI及びQ等化器出力は、
(7,5)、(5,7)、(−7,−5)、または(−
5,−7)ではなく、(7,7)または(−7,−7)
のいずれかにスライスするはずである。□□□がしきい
値より小さい値に収束するのであれば、タイミング調整
が十分に行われていて、テスト及び調整繰返しプロセス
を中止することができる。
【0045】チャネルの品質及び等化器の効率によって
は、選択された記号点が正しい記号点がどうかが曖昧に
なることがある。この場合は、記号点が正しく調整され
ても、さらにテストを繰り返すことで、選択された記号
点が正しい記号点であることを確認することができる。
この追加テストでは、選択された記号点の前後のI及び
Q等化器出力を使用する。
【0046】この追加テストによれば、サンプルセット
内の他の記号と選択された記号点に対応するペアとの距
離を計算し比較する。図5は、図4に示した例によるこ
のテストのグラフ図である。これらの操作は、以下に示
す式で表すことができる。ここで、添え字2は選択され
た記号点に対応し、また、Nペアのセット内で2番目の
等化器出力ペアを表している。
【0047】abs(DISTANCE 1− DIS
TANCE 2)が距離しきい値より小さい場合、I2
及びQ2に対応する選択された記号点は正しい記号点で
ある。しかし、しきい値より小さくない場合は、サンプ
ル期間の2分の1の遅延を加え、記号点を1だけ増加さ
せる。新しい記号点は、Nペアのセットの3番目の位置
であるI3及びQ3に対応するようになる。以下の分数遅
延を持つ新しい遅延フィルタが生成される。 ここで、記号当りN=4サンプルを使用する上記の例で
は、90°は1サンプル期間(360°/N)に対応し
ている。
【0048】擬似コード形式では、このテストは次のよ
うに表現される。 If□□D1 − D2□<距離しきい値 であれば、選択された記号点はスライスのための正しい
記号点である。したがって、データの復号を開始;そう
でない場合は 新しい遅延フィルタを計算し、記号点を1だけ増加さ
せ、データの復号を開始。 ここで、記号当りN=4サンプルである上記の例では、
45°は1サンプル期間(360°/2N)に対応す
る。
【0049】距離しきい値の判別はシステムの特性に依
存するが、正しいコンスタレーション点を区別できる程
度でよい。距離D1及びD2は2乗値で、比較の目的にだ
け使用するため、平方根に減少させる必要はない。上記
で述べたように、□がゼロに十分に近くなり、等化器を
修正して送信機と受信機間のタイミング位相差を補うこ
とができれば、新しい係数セットは現在のメッセージバ
ーストに使用できる。メッセージ復号時には、従来の方
法を使用して後続の位相クロックドリフトを追跡するこ
とができる。後続のメッセージバーストごとにこの位相
獲得方法を実行し、送信機クロックと受信機クロック間
の初期タイミング調整を行う必要がある。
【0050】具体的な実施例を参照して本発明を説明し
たが、請求項の主旨と範囲から逸脱しない限り、この実
施例は変形及び修正できる。
【0051】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1)デジタル信号のタイミング位相を判別し、受信機
を初期設定する方法であって、デジタル信号のバースト
メッセージプリアンブルを検出するステップと、所望の
記号点を選択するステップと、所望の記号点の所望角度
を計算するステップと、同相等化器と直角等化器からの
出力信号をサンプルしてプリアンブルのサブセットを形
成するステップと、サブセットから選択出力ペアを選択
するステップと、選択出力ペアの出力角度を計算するス
テップと、所望角度と出力角度とを比較して角度差を求
めるステップと、角度差を基に、同相等化器と直角等化
器の遅延を作るステップと、を含むことを特徴とする方
法。
【0052】(2)第1項記載のタイミング位相を判別
する方法であって、曖昧さをテストするステップであっ
て、選択出力ペアと、第1の隣接する同相・直角出力ペ
アとの第1の距離を判別するステップと、選択出力ペア
と、第2の隣接する同相・直角出力ペアとの第2の距離
を判別するステップと、距離の差を計算するステップ
と、距離の差と距離のしきい値とを比較するステップ
と、を含むステップと、距離の差が距離のしきい値より
小さい場合は、同相等化器と直角等化器の遅延を作るス
テップと、距離の差が距離のしきい値より小さくない場
合は、新しい分数遅延を計算するステップと、距離の差
が距離のしきい値より小さくない場合は、同相等化器及
び直角等化器の新しい分数遅延を作るステップと、をさ
らに含むことを特徴とする方法。 (3)第1項記載のタイミング位相を判別する方法であ
って、繰返しプロセスを実行するステップであって、選
択出力ペアの繰返し出力角度を計算するステップと、所
望の角度と繰返し出力角度とを比較して繰返し角度差を
求めるステップと、分数間隔同相等化器と分数間隔直角
等化器の分数遅延を計算するステップと、しきい値のテ
ストの繰返しプロセスを完了するステップと、を含むス
テップと、分数間隔同相等化器と分数間隔直角等化器の
分数遅延を作るステップと、をさらに含むことを特徴と
する方法。
【0053】(4)第1項に記載のタイミング位相を判
別する方法であって、繰返しプロセスを実行するステッ
プであって、選択出力ペアの繰返し出力角度を計算する
ステップと、所望の角度と繰返し出力角度とを比較して
差を求めるステップと、分数間隔同相等化器と分数間隔
直角等化器の分数遅延を計算するステップと、しきい値
のテストの繰返しプロセスを完了するステップと、を含
むステップと、曖昧さのテストを実行するステップであ
って、選択出力ペアと、第1の隣接する同相・直角出力
ペアとの第1の距離を判別するステップと、選択出力ペ
アと、第2の隣接する同相及び直角出力ペアとの第2の
距離を判別するステップと、距離の差を計算するステッ
プと、距離の差と距離のしきい値とを比較するステップ
と、を含むステップと、距離の差が距離のしきい値より
小さい場合は、分数間隔同相等化器と分数間隔直角等化
器の遅延を作るステップと、距離の差が距離のしきい値
より小さくない場合は、新しい分数遅延を計算するステ
ップと、距離の差が距離のしきい値より小さくない場合
は、分数間隔同相等化器と分数間隔直角等化器の新しい
分数遅延を作るステップと、をさらに含むことを特徴と
する方法。 (5)デジタル信号のタイミング位相を判別し、受信機
を初期設定するタイミング位相獲得及び初期設定装置で
あって、前記デジタル信号を処理する等化器と、前記等
化器に適用する複数の等化器係数を記憶するフィルタバ
ッファと、デジタル信号のバーストメッセージプリアン
ブルを検出し、所望の記号点を選択し、所望の記号点の
所望角度を計算し、同相等化器と直角等化器から出力信
号をサンプルしてプリアンブルのサブセットを形成し、
サブセットから選択出力ペアを選択し、選択出力ペアの
出力角度を計算し、所望の角度と出力角度とを比較して
角度差を求め、角度差を基に、同相等化器と直角等化器
の遅延を作るバッファマネジャと、を備えることを特徴
とする装置。
【0054】(6)デジタル信号のタイミング位相を判
別し受信機を初期設定するタイミング位相獲得及び初期
設定装置(300)を提供する。この装置は、デジタル
信号を処理する等化器(302,303)と、等化器に
適用する複数の等化器係数を記憶するフィルタバッファ
と、バッファマネジャ(304)とを備えている。バッ
ファマネジャはデジタル信号のバーストメッセージプリ
アンブルを検出し、所望の記号点を選択し、所望の記号
点の所望角度を計算し、同相等化器(302)と直角等
化器(303)から出力信号をサンプルしてプリアンブ
ルのサブセットを形成し、サブセットから選択出力ペア
を選択し、選択出力ペアの出力角度を計算し、所望の角
度と出力角度とを比較して角度差を求め、角度差を基に
同相等化器と直角等化器の遅延を作る。
【図面の簡単な説明】
本発明とその利点を詳細に理解するために、以下の説明
及び添付図面を参照する。同じ参照番号は同じ構成要素
を表している。
【図1】既知の位相同期ループのブロック図である。
【図2】デジタルで実現した既知の位相同期ループのブ
ロック図である。
【図3】本発明による受信機のためのタイミング位相獲
得及び初期設定装置の1実施例のブロック図である。
【図4】選択した記号点を含むプリアンブルを例として
示したグラフ図である。
【図5】コンスタレーション点を例として示したグラフ
図である。
【符号の説明】
101 タイミング位相検波器 102 アナログ・デジタル変換器 103 電圧制御発振器 201 自走発振器 202 補間回路 300 受信機 301 アナログ・デジタル変換器 302 同相等化器 303 直角等化器 304 バッファ管理装置 305 スライサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル信号のタイミング位相を判別
    し、受信機を初期設定する方法であって、 デジタル信号のバーストメッセージプリアンブルを検出
    するステップと、 所望の記号点を選択するステップと、 所望の記号点の所望角度を計算するステップと、 同相等化器と直角等化器からの出力信号をサンプルして
    プリアンブルのサブセットを形成するステップと、 サブセットから選択出力ペアを選択するステップと、 選択出力ペアの出力角度を計算するステップと、 所望角度と出力角度とを比較して角度差を求めるステッ
    プと、 角度差を基に、同相等化器と直角等化器の遅延を作るス
    テップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 デジタル信号のタイミング位相を判別
    し、受信機を初期設定するタイミング位相獲得及び初期
    設定装置であって、 前記デジタル信号を処理する等化器と、 前記等化器に適用する複数の等化器係数を記憶するフィ
    ルタバッファと、 デジタル信号のバーストメッセージプリアンブルを検出
    し、所望の記号点を選択し、所望の記号点の所望角度を
    計算し、同相等化器と直角等化器から出力信号をサンプ
    ルしてプリアンブルのサブセットを形成し、 サブセットから選択出力ペアを選択し、 選択出力ペアの出力角度を計算し、 所望の角度と出力角度とを比較して角度差を求め、 角度差を基に、同相等化器と直角等化器の遅延を作るバ
    ッファマネジャと、を備えることを特徴とする装置。
JP2000386238A 1999-12-21 2000-12-20 遠隔通信システムのためのタイミング位相獲得方法及び装置 Abandoned JP2001211221A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501264A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 フエンテ、ビセンテ ディアス 直交相補系列のペアの逐次発射によって、送信メディアによって生じたひずみを最適に推定する装置及び方法
JP2013214893A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Asahi Kasei Electronics Co Ltd パイロット信号抽出回路及びステレオ復調回路
JP7451030B2 (ja) 2020-02-27 2024-03-18 日本無線株式会社 無線受信装置

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