JP2001209799A - 3次元形状データ処理装置、それを用いた3次元形状加工装置、3次元形状データ処理方法および記録媒体 - Google Patents

3次元形状データ処理装置、それを用いた3次元形状加工装置、3次元形状データ処理方法および記録媒体

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JP2001209799A
JP2001209799A JP2000019162A JP2000019162A JP2001209799A JP 2001209799 A JP2001209799 A JP 2001209799A JP 2000019162 A JP2000019162 A JP 2000019162A JP 2000019162 A JP2000019162 A JP 2000019162A JP 2001209799 A JP2001209799 A JP 2001209799A
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dimensional shape
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Koji Fujiwara
浩次 藤原
Shinichi Ban
慎一 伴
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体における段差を有する部分に対しても自
然な3次元形状データを得る。 【解決手段】 以下のような特徴を有する3次元形状モ
デルを基に入力3Dデータに適合するように3次元形状
データを得る。3D入力と同時に撮影されたカラー画
像を予め背景、頭髪、肌領域に領域を分割しておき、分
割されたカラー画像の領域に応じて、入力3Dデータに
対して頭部モデルの対応する部位を適合させる。頭部
モデルは、a)顔の肌および頭皮を含む皮膚部と、b)
皮膚部の上に重ねられた、奥行き方向に凹凸を持った薄
い層として定義される頭髪層とから構成される。頭髪
領域と肌領域との境界に段差Gを許容するが、皮膚部の
奥行きはなるべく滑らかに変化し、頭髪層厚さdがなる
べく平均的には滑らかに変化するよう頭部モデルを適合
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物体に関する3
次元形状データを出力する3次元形状データ処理装置、
それを用いた3次元形状加工装置、3次元形状データ処
理方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、物体に関する3次元形状デー
タを生成、出力する3次元形状データ処理装置が知られ
ている。例えば、特開平11−108633号公報の装
置は、3次元形状を計測可能なバックボードを測定対象
物に近接させてその対象物とともに3次元形状の測定を
行い、測定3次元形状データを得る。
【0003】しかしながら、頭髪を含む人体頭部の3次
元形状データを得る場合を例に採ると、髪領域を光学式
の3次元測定機で測定すると、測定3次元形状データの
欠落する部分が多数発生する。これは、頭髪が異方性の
反射特性を持ち、一般に反射率が低いこと、および、詳
細形状が複雑なためオクルージョン(目に到達する光が
完全もしくは部分的に遮断されること)を発生し易いと
いった事情によるものである。
【0004】そのため、上記従来装置では、バックボー
ドに対応する背景領域と対象物との有効な3次元領域に
囲まれる3次元形状データの欠落部分を特定した後、欠
落部分の周囲の良好に測定された測定3次元形状データ
から、欠落部分を補間して3次元形状データを得てい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来装
置では、例えば、測定対象物が人体頭部の場合における
髪領域と肌領域等、物体中に異なる形状的特徴を有する
複数の部分が含まれる場合、それらの領域を区別せず、
得られた全測定3次元形状データから補間を行って全体
の3次元形状データを得ている。そのため、隣接する別
の部分(人体頭部では頭髪領域と肌領域)の境界付近の
測定3次元形状データに、欠落部分がある場合であっ
て、物体におけるその境界に段差があるとき、その段差
が3次元形状データに再現されず、不自然な3次元形状
データとなっていた。
【0006】この発明は、従来技術における上述の問題
の克服を意図しており、物体における段差を有する部分
に対しても自然な3次元形状データを得ることができる
3次元形状データ処理装置、それを用いた3次元形状加
工装置、3次元形状データ処理方法および記録媒体を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、物体に関する3次元形状データ
を出力する3次元形状データ処理装置であって、物体を
測定することによって得られた測定3次元形状データを
その特徴により複数の特徴領域に分割する領域分割手段
と、前記複数の特徴領域のうち、互いに隣接する2つの
特徴領域に同一種類のパラメータが定義されるととも
に、前記2つの特徴領域の境界で当該パラメータの値に
ギャップを有する3次元モデルを保持し、当該3次元モ
デルに基づいて、前記測定3次元形状データに適合する
3次元形状データを生成する適合データ生成手段と、を
備えている。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の3次元形状データ処理装置であって、前記物体が人体
頭部であるとともに、前記互いに隣接する2つの特徴領
域が髪領域と肌領域であり、前記パラメータが頭髪層の
厚さを表わすものであり、当該頭髪層の厚さが肌領域に
おいては「0」であるとともに、前記髪領域における前
記肌領域との境界においては「0」より大きい有限の値
を採ることにより前記ギャップを有している。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1または
請求項2に記載の3次元形状データ処理装置であって、
前記適合データ生成手段が、所定形状の複数の分割領域
のそれぞれにつき前記3次元モデルに基づいて前記3次
元形状データを生成するものである。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載の3次元形状データ処理装置
であって、前記適合データ生成手段が、異なる解像度の
複数の3次元モデルを記憶する記憶手段と、前記測定3
次元形状データの解像度を、前記異なる解像度のうちの
最低の解像度まで低下させた測定低解像度形状データを
生成する低解像度化手段と、得られた前記測定低解像度
形状データの解像度に対応する前記3次元モデルを用い
て前記測定低解像度形状データに最も適合する低解像度
3次元形状データを得る低解像度適合手段と、得られた
低解像度3次元形状データの解像度を高めて高解像度3
次元形状データを生成する高解像度化手段と、前記低解
像度適合手段および前記高解像度化手段を繰り返し能動
化することにより、最終的に元の解像度の3次元形状デ
ータを得るよう制御する繰り返し制御手段と、を備え、
前記繰り返し制御手段が、前記低解像度適合手段および
前記高解像度化手段を繰り返し能動化する際には、前記
低解像度適合手段により、前記測定低解像度形状データ
に対応する解像度の前記3次元モデルを用いて、前記測
定低解像度形状データに適合する低解像度3次元形状デ
ータを求め、前記高解像度化手段により、得られた低解
像度3次元形状データの解像度を高めて高解像度3次元
形状データとし、さらに、再度、前記低解像度適合手段
を能動化する際には、得られた高解像度3次元形状デー
タを前記測定低解像度形状データとして使用している。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項3に記載
の3次元形状データ処理装置であって、前記適合データ
生成手段が、前記3次元形状データ生成の際に、前記測
定3次元形状データにおける測定値の数が多い前記分割
領域から優先的に前記3次元形状データを生成してい
る。
【0012】また、請求項6の発明は、請求項2に記載
の3次元形状データ処理装置であって、前記適合データ
生成手段が、前記測定3次元形状データの測定値の数が
前記3次元形状データを生成するのに不十分な場合に
は、所定の頭髪層厚さ候補値をもとに前記3次元形状デ
ータを生成するものである。
【0013】また、請求項7の発明は、請求項1に記載
の3次元形状データ処理装置であって、測定3次元形状
データにおける法線ベクトルを算出する法線ベクトル算
出手段と、前記適合データ生成手段が、前記3次元形状
データの生成の際に、得られた法線ベクトルをも用い
る。
【0014】また、請求項8の発明は、人体頭部に関す
る3次元形状データを出力する3次元形状データ処理装
置であって、人体頭部を測定することによって得られた
測定3次元形状データを少なくとも髪領域と肌領域とに
分割する領域分割手段と、前記髪領域において、前記人
体頭部における頭髪層の厚さを反映するように前記3次
元形状データを求めるデータ生成手段と、を備えてい
る。
【0015】また、請求項9の発明は、請求項8に記載
の3次元形状データ処理装置であって、前記データ生成
手段が、前記髪領域内の位置に応じて前記髪領域におけ
る頭髪層の厚さの変化を許容しつつ、前記3次元形状デ
ータを求めるものである。
【0016】また、請求項10の発明は、請求項9に記
載の3次元形状データ処理装置であって、前記データ生
成手段が、髪領域の測定3次元形状データの奥行き成分
から前記頭髪層の厚さを差し引いた値が、前記肌領域の
3次元形状データの奥行き成分と滑らかに連続するよう
に前記髪領域の3次元形状データを求めるものである。
【0017】また、請求項11の発明は、請求項8ない
し請求項10のいずれかに記載の3次元形状データ処理
装置であって、前記データ生成手段が、前記髪領域にお
ける髪の流れを表現する流れ形状データを生成する流れ
形状生成手段と、前記流れ形状データを前記3次元形状
データに反映させる流れ反映手段と、を備え、前記流れ
形状生成手段が、前記流れ形状データを、当該流れ形状
データに対応する位置における前記頭髪層の厚さを越え
ない起伏を有するものとして求めるものである。
【0018】また、請求項12の発明は、請求項1ない
し請求項11のいずれかに記載の3次元形状データ処理
装置からなる3次元形状データ処理手段と、得られた3
次元形状データをもとに加工対象物を加工する加工手段
と、を備えている。
【0019】また、請求項13の発明は、物体に関する
3次元形状データを出力する3次元形状データ処理方法
であって、物体を測定することによって得られた測定3
次元形状データをその特徴により複数の特徴領域に分割
する領域分割工程と、前記複数の特徴領域のうち、互い
に隣接する2つの特徴領域に同一種類のパラメータが定
義されるとともに、前記2つの特徴領域の境界で当該パ
ラメータの値にギャップを有する3次元モデルを保持
し、当該3次元モデルに基づいて、前記測定3次元形状
データに適合する3次元形状データを生成する適合デー
タ生成工程と、を備える。
【0020】また、請求項14の発明は、人体頭部に関
する3次元形状データを出力する3次元形状データ処理
方法であって、人体頭部を測定することによって得られ
た測定3次元形状データを少なくとも髪領域と肌領域と
に分割する領域分割工程と、前記髪領域において、前記
人体頭部における頭髪層の厚さを反映するように前記3
次元形状データを求めるデータ生成工程と、を備えてい
る。
【0021】また、請求項15の発明は、物体に関する
3次元形状データをコンピュータによって出力するため
のプログラムを記録した記録媒体であって、物体を測定
することによって得られた測定3次元形状データをその
特徴により複数の特徴領域に分割する領域分割機能と、
前記複数の特徴領域のうち、互いに隣接する2つの特徴
領域に同一種類のパラメータが定義されるとともに、前
記2つの特徴領域の境界で当該パラメータの値にギャッ
プを有する3次元モデルを保持し、当該3次元モデルに
基づいて、前記測定3次元形状データに適合する3次元
形状データを生成する適合データ生成機能と、を実現さ
せるプログラムを記録している。
【0022】さらに、請求項16の発明は、人体頭部に
関する3次元形状データをコンピュータによって出力す
るためのプログラムを記録した記録媒体であって、人体
頭部を測定することによって得られた測定3次元形状デ
ータを少なくとも髪領域と肌領域とに分割する領域分割
機能と、前記髪領域において、前記人体頭部における頭
髪層の厚さを反映するように前記3次元形状データを求
めるデータ生成機能と、を実現させるプログラムを記録
している。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。
【0024】<1.第1の実施の形態> <1−1.立体模型作成システムの構成>図1は立体模
型作成システム1の構成を示すブロック図である。立体
模型作成システム1は、人物の頭部形状を計測し、得ら
れたデータを処理してワークを切削加工するために必要
な加工用データを生成するモデリングシステム10と、
ワークを加工するために設けられた複数の加工機21〜
24とから構成されている。
【0025】モデリングシステム10は、撮影システム
30、データ処理装置40、CRTや液晶ディスプレイ
等の表示装置16、半導体メモリや磁気ディスク等の記
憶装置43、および、キーボードやマウス等の操作入力
装置44を備えて構成される。
【0026】また、データ処理装置40はコンピュータ
としての機能を有するとともに読取装置45を介してC
D−ROMやメモリカード等の記録媒体9からプログラ
ムがデータ処理装置40へと読み出されるようになって
いる。そして、読み出されたプログラムに従ってデータ
処理装置40内のCPUが演算処理を行うことにより、
データ処理装置40によるデータ処理が実行される。な
お、データ処理装置40の全部または一部が専用の電気
的回路として構築されていてもよい。
【0027】撮影システム30は、オリジナル物体であ
る利用客の外観(特に顔部分を含む頭部形状)を計測し
て、デジタルデータに変換(すなわち、データ化)する
機能を有しており、スリット光投影法で形状情報をデー
タ化して、いわゆる測定3次元形状データである3次元
の距離画像DSを出力する3次元計測装置34と、色情
報をデータ化して平面的な2次元カラー画像DCを出力
する2次元撮影装置36と、コントローラ38とを備え
ている。なお、3次元計測法として、スリット光投影法
に代えて他の手法を用いてもよい。
【0028】ここで、3次元の距離画像DSはXYZの
直交座標系における座標値として与えられる画像データ
であり、3次元計測装置34内の計測基準点から対象物
(人物の頭部)の当該計測点までの距離情報を与えるも
のである。3次元計測装置34は、対象物に照明光を照
射し、その反射光を受光することによって、計測点まで
の距離情報を求める装置であるが、反射光が受光できな
い場合には計測データが得られない。このため、距離画
像DSには計測データが得られたか否かを示す有効フラ
グの情報も含まれる。
【0029】他方、2次元カラー画像DCの各画素の画
素値は3原色データ、すなわち、R(レッド)、G(グ
リーン)、B(ブルー)の値により構成される。
【0030】この実施の形態では、撮影システム30に
おいて、2次元カラー画像DCと3次元の距離画像DS
とは、後述の処理により、同じ指数(座標値)を示す画
素が互いに対応付けされる。このため、一方の画像にお
いて髪、肌等の特徴により分割された特徴領域または画
素が特定されると、他方の画像においてそれに対応する
特徴領域または画素を特定することが可能になってい
る。
【0031】なお、3次元計測と2次元撮影とをそれぞ
れ異なる視点で行ている。そして、距離画像DSおよび
2次元カラー画像DCにはそれぞれ視点情報が付加され
ており、かつ、3次元計測結果と2次元撮影結果との座
標の相対関係は既知であるため、距離画像DSおよび2
次元カラー画像DCとの対応付けを支障なく行うことが
できる。このような距離画像DSおよび2次元カラー画
像DCは、画像データとしてデータ処理装置40に入力
される。なお、撮影システム30を特開平9−1453
19号公報に開示されている3次元カメラを用いて構成
するときには、3次元計測と2次元撮影とを同一視点か
ら行うことができるため、距離画像DSと2次元カラー
画像DCとの対応付けを極めて容易に行うことができ
る。
【0032】また、以下の説明における画像に対する処
理は、モデリングシステム10(特に、データ処理装置
40)において画像データに対して演算処理が行われる
ことにより実現される処理である。
【0033】データ処理装置40は、距離画像DSおよ
び2次元カラー画像DCを取り込んで画像処理等の種々
のデータ処理を行うことにより、各加工機21〜24に
おいてワークを加工する際に必要となる加工用データを
生成して記憶装置43内に所定のファイル名を付して記
憶しておくように構成されている。
【0034】また、データ処理装置40の内部にはコン
トローラ42が設けられている。コントローラ42は、
撮影システム30内のコントローラ38に接続され、撮
影システム30におけるカラー画像の撮影や3次元形状
の計測のための制御信号が与えられる。また、コントロ
ーラ42は、操作入力装置44および表示装置16に接
続され、操作入力装置44からの入力に応じた動作を行
い、また、表示装置16における表示内容を変更する。
【0035】さらに、コントローラ42は、複数の加工
機21〜24と通信可能なように接続されており、各加
工機21〜24に対してコマンドを送出することによっ
て各加工機21〜24における加工動作を指示するとと
もに、各加工機21〜24の状態を監視するように構成
されている。すなわち、データ処理装置40のコントロ
ーラ42は、立体模型作成システム1の全体的な制御お
よび管理を行うように構成されている。
【0036】また、各加工機21〜24は、当該加工機
の特性データを記憶しておくための記憶装置171、樹
脂や金属等の材料で形成されたブロック形状やコイン形
状等のワークを切削加工する加工装置172、当該加工
機で加工中の加工データに対応するカラー画像や当該加
工機の状態を表示するための表示装置173、ワーク取
付け位置から加工位置へのワークの供給と加工品の取出
口への搬送を行う材料供給装置174、モデリングシス
テム10のコントローラ42からのコマンドに応じて当
該加工機内部の各装置を制御したり、モデリングシステ
ム10のコントローラ42へのステータスの返信を行う
コントローラ176、および、外部出力端子177を備
えている。
【0037】なお、加工装置172には、ワークを切削
加工する際に用いるエンドミル等の工具、工具の原点位
置等を検出するためのセンサ、ワークを切削加工する際
に発生する切粉(ゴミ)を蓄積するための切粉容器等が
設けられているが、これらについては図示を省略してい
る。
【0038】以上のように、立体模型作成システム1は
1台のモデリングシステム10に複数の加工機21〜2
4を接続した構成となっており、モデリングシステム1
0は各加工機21〜24に対してコマンドの送信と、ス
テータスの受信による各加工機21〜24の状態管理を
行うのみであり、各加工機21〜24においてワークを
加工する際の動作制御は各加工機内のコントローラ17
6に一任するようになっている。
【0039】すなわち、立体模型作成システム1におけ
る対象物の計測・加工用データの生成・ワークの加工と
いった一連の動作のうち、対象物の計測および加工用デ
ータの生成をモデリングシステム10が担当し、ワーク
の加工を複数の加工機21〜24が担当する。これによ
り、ワークの加工と、次の計測動作やデータ処理とを並
列的に行うことができ、パイプライン処理を行うことが
可能になる。その結果、スループットの向上が図られ
る。
【0040】なお、図1では、複数の加工機21〜24
がモデリングシステム10に接続されている構成例につ
いて示しているが、加工機の台数が1台であってもモデ
リングシステム10における計測処理やデータ処理と加
工機における加工とを並列的に行うことができるので、
並列処理を行わない場合に比べてスループットを向上さ
せることができることは勿論である。
【0041】また、加工機21〜24においては、外部
出力端子177が設けられており、記憶装置43から取
得する加工用データに定義されている動作シーケンスに
基づいて、外部出力端子177をON/OFF制御する
ことができるように構成されている。例えば、外部出力
端子177にランプを接続しておくと、加工用データに
定義されている動作シーケンスに基づいて、ランプを点
灯させたり消灯させたりすることができる。
【0042】したがって、加工用データに定義される動
作シーケンスに外部出力をON/OFFするような制御
コードを付加しておくことで、利用客等に加工動作を開
始する加工機を特定させることができる。この結果、利
用客等は、複数の加工機21〜24のうちのどの加工機
に対してワークを取り付ければよいのかを容易に特定す
ることが可能になる。
【0043】<1−2.モデリングシステムの動作>次
に、モデリングシステム10の全体動作について説明す
る。図2は、モデリングシステム10の動作を示すフロ
ーチャートである。
【0044】まず、図2に示すように、立体模型作成シ
ステム1に電源が投入されると、ステップS1に進み、
モデリングシステム10のコントローラ42は、各加工
機21〜24を適切に動作させるために必要な準備を行
う。具体的には、コントローラ42は、加工装置172
および材料供給装置174の原点復帰動作等の初期動作
を行わせるためのコマンドを各加工機21〜24に対し
て順番に送出し、各加工機21〜24に対して動作準備
を行わせる。
【0045】そして、コントローラ42は、正常に準備
動作が終了しなかったステータスを受信すると、その加
工機の識別名称やエラーの生じた動作名等を表示装置1
6に表示して、利用客等にその内容を報知する。また、
コントローラ42は、正常に準備動作が終了しなかった
加工機を加工動作開始のためのコマンドを送出する対象
から排除する。これにより、正常に準備動作が終了しな
かった加工機が存在する場合であっても、立体模型作成
システム1を動作可能な状態にすることができる。
【0046】続いてステップS2に進み、モデリングシ
ステム10のコントローラ42は、接続されている各加
工機21〜24の状態を診断する。この診断は、モデリ
ングシステム10による監視動作の一種であり、各加工
機21〜24の記憶装置171に格納されている特性デ
ータを取得し、その内容を解析することによって行われ
る。特性データには、工具消耗用データ、切粉容量用デ
ータ、加工機消耗用データ、および、加工機機種・識別
名称データの4種類のデータが含まれている。
【0047】次に、ステップS3に進み、モデリングシ
ステム10は人物の頭部の計測を行い、複数の加工機2
1〜24のうちの1台に対して加工用コマンドを送信す
るための入出力処理が行われる。この入出力処理では、
メイン処理S31と通信制御S32と状態表示制御S3
3との3つの処理が行われ、これら3つの処理が互いに
タスクの要求を行っていくことで入出力処理(ステップ
S3)が進められる。
【0048】メイン処理S31では、頭部の計測、すな
わちデータの入力から加工用データの作成およびその加
工用データに基づいてワークの加工を行わせる加工機の
選択を行う。なお、このメイン処理S31は、立体模型
作成システム1が定常的に稼働する間は繰り返し行われ
る処理であり、所定の終了操作が行われない限りはこの
メイン処理S31が終了することはない。したがって、
例えば、ワークの連続的な加工を行う際には、このメイ
ン処理S31は繰り返し行われる。このメイン処理S3
1の詳細については後述する。
【0049】通信制御S32では、複数の加工機21〜
24との間でコマンドの送出およびステータスの受信と
いった通信が行われる。
【0050】状態表示制御S33では、モデリングシス
テム10の表示装置16における、各加工機21〜24
が加工中であるか待機中であるかの表示の更新が行われ
る。
【0051】繰り返し行われるメイン処理(S31)の
終了が指示されると、入出力処理を抜けてステップS4
に進む。
【0052】ステップS4では、再び各加工機21〜2
4の診断が行われる。このステップS4で行われる処理
は、ステップS2に示した診断処理と同様である。そし
て、診断の結果、異常があるときには、モデリングシス
テム10の表示装置16にその内容を表示して、メンテ
ナンスを促す。
【0053】その後、ステップS5に進み、終了処理と
して、データ処理装置40における電源遮断のための準
備を行った後に、電源の切断が行われる。
【0054】<1−3.メイン処理の詳細>次に、メイ
ン処理S31の詳細について説明する。図3はモデリン
グシステム10におけるメイン処理の動作を示すフロー
チャートである。
【0055】図3に示すようにメイン処理S31では、
まず、2次元画像の表示が行われる(ステップS10
1)。ここでは、人物の頭部の位置決めを行うため、リ
アルタイム2次元キャプチャー画像の表示が行われる。
リアルタイム2次元キャプチャー画像は、顔等の頭部形
状のうち切削加工されるワークの形状のみが見えるよう
に画像枠が重ねられて表示される。図4は、このときの
表示画面を例示する図である。図4に示すように、表示
装置16の画面におけるメイン表示領域RAの画像枠表
示欄RA1には、ワークの外形に対応する画像枠231
が表示され、円形窓の内側には2次元キャプチャー画像
(図4では横顔の画像)が表示される。
【0056】そして、ステップS102に進み、撮影操
作が行われたか否かを判断し、撮影操作が行われた場合
には、2次元撮影装置36による2次元カラー画像DC
の撮影が行われる(ステップS103)。この結果得ら
れる2次元カラー画像DCはモデリングシステム10の
撮影システム30からデータ処理装置40の内部メモリ
に転送される。また、このとき、図4に示す画像枠表示
欄RA1に表示される画像枠231内の画像はリアルタ
イム2次元キャプチャー画像ではなくなり、撮影動作に
よって得られた2次元カラー画像DCが画像枠231内
に表示される。
【0057】次に、3次元計測装置34による3次元の
距離画像DSの計測が行われる(ステップS104)。
この結果得られる距離画像DSについても2次元カラー
画像DCの場合と同様にデータ処理装置40の内部メモ
リに転送される。
【0058】その後、ステップS105に進み、画像枠
位置調整、画像枠サイズ調整、背景領域の編集、肌領域
の編集等の各種の編集処理が行われる。図5はこの編集
処理の詳細を示すフローチャートである。
【0059】図5に示すように、編集処理(ステップS
105)では、まず、確認画像の表示が行われる(ステ
ップS201)。この確認画像の表示では、例えば、距
離画像DSの3次元計測が正常に行われた画素を「白」
とし、正常に行われなかった画素を「黒」とした2次元
の2値画像を作成し、これを表示装置16に表示する。
【0060】図6は、このときの表示画面を示す図であ
る。図6に示すように、表示装置16の画面におけるガ
イダンス表示欄RA2に3次元計測が正常に行われたか
否かを示す確認用画像251が表示され、また、ガイダ
ンス表示欄RA2の右下位置には、再撮影および再計測
を行うための再撮影ボタンが252が表示される。
【0061】利用客等は、確認用画像251を参照する
ことにより、ワークを加工する際に必要な部分が正常に
3次元計測できているか否かを判断することができる。
そして、正常に3次元計測できていないと判断したとき
には、マウス等の操作入力装置44を操作して再撮影ボ
タン252を押すことで、図3に示す2次元画像の表示
(ステップS101)まで処理を戻すことができる。
【0062】また、この確認画像の表示(ステップS2
01)を行うときに、撮影および計測の対象物である利
用客等が撮影時に動いたか否かを示すようにしてもよ
い。3次元計測装置34で距離画像DSを得る際には、
光のスキャニング等のために対象物が一定時間(例え
ば、0.6秒程度)静止している必要がある。この間に
対象物が移動すると、正確な3次元形状の計測ができて
いないことになるからである。
【0063】次に、ステップS202に進み、輪郭切取
り操作が行われる。輪郭切取り操作では、利用客等が表
示装置16に表示される画像枠表示欄RA1の画像枠2
31の位置調整と画像枠231のサイズ調整が行われ
る。
【0064】その後、ステップS203に進み、背景領
域の表示が行われる。背景領域は、2次元カラー画像を
入力する際に人物頭部の背景側に設けられた背景幕(ブ
ルーバック)の色成分を予め測定しておくことにより特
定できる。つまり、予め測定されたブルーバックの色成
分(RGB値)と2次元カラー画像DCの各画素ごとの
色成分(RGB値)とを比較することにより、2次元カ
ラー画像DC中から背景領域を推定することができる。
【0065】なお、予め背景幕であると保証されている
領域(例えば、2次元カラー画像DCの左右の上隅の領
域)の色から、背景領域と判断すべき領域の色を求める
ようになっていてもよい。
【0066】そして、推定された背景領域を利用客等に
視認させるために、推定された背景領域に対して特殊処
理が施された2次元カラー画像が画像枠231内に表示
される。特殊処理としては、例えば、撮影システム30
から得られた2次元カラー画像において背景領域である
と推定された画素のRGB値に対して所定のオフセット
用RGB値を加減することが行われる。このような特殊
処理を施すのは、モデリングシステム10が背景領域を
正確に認識しているか否かを利用客等に示すためであ
る。これにより、カラー画像のうち背景領域と認識され
た領域が、例えば、赤味を帯びたように(赤いフィルタ
をかぶせたように)表示され、利用客が抽出された背景
領域を容易に認識することが可能となる。
【0067】このモデリングシステム10では、オフセ
ット用RGB値の加算、減算のいずれか一方を行うこと
ができ、表示装置16の画面上に加算/減算を択一的に
選択可能とするラジオボタンを表示させ、利用客等にい
ずれか一方を指定させる。ただし、オフセット用RGB
値を複数種類用意し、それぞれにラジオボタンを設定し
て択一的にオフセット用RGB値を選択させるように構
成してもよいし、また、利用客等にオフセット用RGB
値を直接入力させるように構成してもよい。
【0068】このように特殊処理として、複数種類の処
理を用意するのは、対象物(人物の頭部等)がどのよう
な色分布をしているかが人物に応じて異なるためであ
る。すなわち、対象物の色分布が不定であるため、オフ
セット用RGB値が1つだけの設定では、対象物の色分
布によっては、背景領域と推定した領域とその他の領域
との区別が難しい場合があるからである。しかし、複数
種類の特殊処理が可能なように構成しておけば、背景領
域と推定した領域とその他の領域との区別が難しい場合
には、特殊処理の態様を他のものに変更することによっ
て区別することが可能になるというメリットがある。
【0069】以上のようにして表示装置16に背景領域
の表示が行われると、次にステップS204に進む。
【0070】ステップS204では、背景領域の編集操
作が行われる。図7は、このときの表示装置16の表示
画面を示す図である。図7に示すように、ステップS2
03の背景領域の表示処置が終了した時点で、画像枠2
31の内側に背景領域に特殊処理が施されたカラー画像
が表示される。この背景領域は利用客等のマウス操作等
によってさらに追加したり、背景領域から他の領域に変
更したりすることができる。
【0071】具体的には、マウスポインタ233を画像
枠231中の背景領域以外の位置に合わせ、所定のクリ
ック操作およびドラッグ操作を行うことによってマウス
ポインタ233の移動軌跡内の画素が新たに背景領域と
して指定される。また、マウスポインタ233を画像枠
231中の背景領域内の位置に合わせ、所定のクリック
操作およびドラッグ操作を行うことによってマウスポイ
ンタ233の移動軌跡内の画素が背景領域以外として指
定される。このとき、編集対象となる領域は、画像枠2
31の円形窓の内部に表示された2次元カラー画像のみ
であり、画像枠231自体については編集対象とならな
い。
【0072】なお、ガイダンス表示欄RA2には、マウ
スポインタ233のサイズを変更するための変更ボタン
253が設けられており、変更ボタン253のうちのい
ずれか一つのサイズを選択することによって画像枠23
1内に表示されるマウスポインタ233のサイズが変更
される。
【0073】また、この背景領域の編集の作業を行う際
に、奥行き方向に対して顔から大きく離れた首や肩等の
部分を加工対象外とするために、これらの部分が背景領
域として指定される。
【0074】そして、背景領域の編集処理が終了する
と、2次元カラー画像DCにおいて、画像枠領域、背景
領域、および、これら以外の領域の3つの領域が区別さ
れ、それぞれの領域に対して所定の識別データを付した
状態でデータ処理装置40内の内部メモリに記憶され
る。
【0075】次に、ステップS205に進み、肌領域の
表示が行われる。モデリングシステム10では、肌領域
の抽出が自動的に行われるようになっており、その詳細
については後述する。なお、既に背景領域として確定し
ている部分については肌領域を抽出する対象から外され
る。
【0076】そして、ステップS203の場合と同様
に、画像枠231内に表示されているカラー画像の肌領
域と推定された部分に、所定のオフセット用RGB値を
加減することにより、肌領域の表示を行う。この表示に
より、カラー画像中のどの部分が肌領域として認識され
ているかを容易に把握することができる。
【0077】次に、ステップS206に進み、肌領域の
編集操作が行われる。ここで行われる操作は、ステップ
S204で説明した背景領域の編集操作と同様である。
つまり、所定のマウス操作を行うことにより、肌領域以
外の領域を肌領域として指定したり、また、肌領域と推
定されている部分を肌領域以外の領域として指定するの
である。ただし、既に背景領域として確定している領域
ついては、編集の対象とはならない。
【0078】なお、後述するようにモデリングシステム
10のデータ処理装置40には肌領域を適切に抽出する
ための工夫がなされているが、想定外の対象物に対して
も最終的に適切な肌領域を得るためにステップS206
が設けられている。
【0079】肌領域の編集処理が終了すると、2次元カ
ラー画像DCにおいて、画像枠領域、背景領域、肌領
域、および、これら以外の領域の4つの領域が区別さ
れ、それぞれの領域に対して所定の識別データを付した
状態でデータ処理装置40内の内部メモリに記憶され
る。
【0080】次に、ステップS207に進み、その他の
領域の表示が行われる。例えば、利用客等が所定のマウ
ス操作を行うことによって画像枠231内のカラー画像
中から髪飾り等の部分を指定する。このとき、既に背景
領域、肌領域として確定している部分については指定対
象から外される。
【0081】モデリングシステム10は、この指定され
た髪飾り等の部分の色成分を分析し、その色成分に類似
する画素を全て抽出することにより、髪飾り等の領域を
推定することができる。このとき、既に背景領域、肌領
域として確定している部分についてはその他の領域の推
定対象から外される。
【0082】そして、ステップS203の場合と同様
に、画像枠231内に表示されているカラー画像の髪飾
り等の特徴領域と推定された部分に、所定のオフセット
用RGB値を加減することにより、髪飾り等のその他領
域の表示を行う。この表示により、カラー画像中のどの
部分が髪飾り等のその他領域として認識されているかを
容易に把握することができる。
【0083】次に、ステップS208に進み、髪飾り等
のその他領域の編集操作が行われる。ここで行われる操
作は、ステップS204で説明した背景領域の編集操作
と同様である。つまり、所定のマウス操作を行うことに
より、髪飾り等の領域以外の領域を髪飾り等の領域とし
て新たに指定したり、また、髪飾り等の領域と推定され
ている部分を髪飾り等の領域以外の領域として指定する
のである。ただし、既に背景領域、肌領域として確定し
ている領域ついては、編集の対象とはならない。この髪
飾り等のその他の領域の編集処理が終了すると、2次元
カラー画像DCにおいて、画像枠領域、背景領域、肌領
域、髪飾り等の領域、および、これら以外の領域の5つ
の領域が区別され、それぞれの領域に対して所定の識別
データを付した状態でデータ処理装置40内の内部メモ
リに記憶される。
【0084】ここまでの処理が終了すると、編集処理
(ステップS105)が終了することとなり、図3に示
すステップS106に進む。
【0085】ステップS106では、2次元頭髪データ
の抽出を行う。上記の編集処理(ステップS105)に
より、2次元カラー画像DCは、画像枠領域、背景領
域、肌領域、髪飾り等のその他領域、および、これら以
外の領域の5つの特徴領域に区別されている。したがっ
て、これら以外の領域として認識されている領域は頭髪
領域と等価であると考えることができる。そこで、この
2次元頭髪データの抽出では、2次元カラー画像を構成
する画素から頭髪領域に含まれる画素を抽出し、頭髪の
流れ形状等を再現するために、所定の周波数領域でのフ
ィルタリング処理や正規化処理を行い、頭髪領域の2次
元グレイ画像を生成するのである。
【0086】次に、ステップS107に進み、3次元頭
部形状の生成を行う。3次元頭部形状は、2次元カラー
画像において背景領域を除いた肌領域と頭髪領域と髪飾
り等のその他領域とに分けられる。
【0087】肌領域やその他領域はその大部分が距離画
像DSに有効な計測データとして含まれていると考えら
れるが、有効な計測データとして含まれていない場合に
は、他の部分の有効な計測データの部分を使って形状補
間を行う。
【0088】一方、頭髪領域はその大部分が距離画像D
Sに有効な計測データとして含まれていないと考えられ
るため、演算による頭髪領域の形状データの推定が行わ
れる。すなわち、肌領域および頭髪領域の距離画像DS
から、肌領域に対して頭髪部分の盛り上がりを反映させ
た3次元頭部形状を生成する。
【0089】一方、頭髪領域の2次元グレイ画像のグレ
イ成分を高さ方向成分(奥行き方向の成分)に変換す
る。そして、2次元グレイ画像から得られる高さ方向成
分を3次元頭部形状における頭髪領域部分に重ね合わせ
ることにより頭髪模様を形成し、頭部の3次元形状デー
タが得られる。
【0090】次に、ステップS108に進み、スケーリ
ング処理が行われる。3次元頭部形状の生成処理(ステ
ップS107)で生成された3次元形状データは頭部と
同一のサイズとなっている。そこで、このスケーリング
処理(ステップS108)では、3次元形状データをワ
ークのサイズに適合するようにスケーリング(拡大/縮
小)を行うのである。
【0091】まず、平面的な拡大縮小について説明す
る。上述の画像枠231は加工対象となるワークのサイ
ズに対応するとともに、ワークのサイズが既知であるこ
とから、3次元形状データのサイズと画像枠231内に
表示された2次元カラー画像とのサイズとから拡大縮小
率が決定できる。そして、その決定された拡大縮小率に
基づいて3次元形状データをスケーリングすれば、ワー
クのサイズに適合した3次元形状データを生成すること
ができる。
【0092】一方、奥行き方向については、まず、平面
的な拡大縮小率と同一倍率の拡大縮小率を設定する。そ
して、その後は、3次元形状データの全ての画素を対象
に、一定のワークの切削深さ(奥行き寸法)に圧縮/拡
大する方法や、3次元形状データを設定された深さ(奥
行き寸法)で足切りした後に一定のワークの切削深さに
圧縮/拡大する方法の2通りの方法を選択することがで
きる。
【0093】このようにして、3次元形状データがワー
クのサイズに適合するようにスケーリングが行われる
と、ステップS109に進み、スケーリングされた3次
元形状データから加工用データを生成する。加工用デー
タが生成されると、ファイル名を付して記憶装置43に
格納しておく。
【0094】次に、ステップS110に進み、加工機の
選択が行われる。このステップS110では、図2に示
したようにメイン処理S31と通信制御S32と状態表
示制御S33とが機能し、メイン処理S31は加工可能
な加工機の情報を取得し、それを表示装置16に表示さ
せ、利用客等に加工機を選択することを促す。加工機の
選択が行われると、選択された加工機に対して加工用コ
マンドを送出するように通信制御S32が行われる。
【0095】これにより、選択された加工機において加
工が開始され、図7に示す加工状態表示領域RBの加工
中の加工機に対応する領域に加工状態や加工対象の人物
を示すカラー画像が表示される。
【0096】ここまでの処理が終了すると、メイン処理
S31は操作入力装置44から終了指示があったか否か
を判断し(ステップS111)、終了指示がない場合に
は、上記ステップS101からの処理を繰り返し行うこ
とで、次の人物の頭部の計測処理を開始する。したがっ
て、この場合には、モデリングシステム10は、加工機
21〜24におけるワークの加工が終了する前に次の処
理を開始することができ、モデリングシステム10と複
数の加工機21〜24との並列的処理が実現される。
【0097】一方、ステップS111において終了指示
があった場合には、メイン処理S31は終了し、図2に
示したステップS4に進む。
【0098】<1−4.2次元頭髪データ抽出の詳細>
次に、図3中に示す2次元頭髪データ抽出(ステップS
106)におけるモデリングシステム10における処理
について説明する。
【0099】この装置では以下のようにして、ノイズに
強く、自然な流れを再現できる2次元頭髪データとして
頭髪テクスチャデータを生成している。
【0100】図8は2次元頭髪データ抽出の処理手順を
説明するフローチャートである。以下、図8を用いて、
具体的な処理手順を説明する。
【0101】まず、処理領域の抽出(ステップS30
1)を行う。図9は処理領域の抽出の詳細な処理を説明
するフローチャートである。
【0102】2次元カラー画像から、編集(ステップS
105)選択された頭髪領域内の画像である頭髪カラー
画像を得る(ステップS311)。
【0103】図8に戻り、つぎに、得られた頭髪カラー
画像のグレイ化(ステップS302)を行う。図10は
頭髪カラー画像のグレイ化の詳細な処理手順を説明する
フローチャートである。
【0104】まず、頭髪カラー画像をグレイ化するパラ
メータを記憶装置43内に記憶されたそのパラメータが
記述されたファイルから読み込む(ステップS32
1)。
【0105】つぎに、次式を用いて、頭髪カラー画像を
グレイ化する。
【0106】
【数1】
【0107】ここで、Iはグレイ画像の輝度を表わし、
R,IG,IBは頭髪カラー画像の赤成分、緑成分、青
成分の輝度をそれぞれ表わしている。また、KR,KG
Bはグレイ化パラメータの赤成分、緑成分、青成分の
輝度をそれぞれ表わしている。すなわち、ここでは頭髪
カラー画像の輝度の各色成分の重み付け平均をとってい
る。
【0108】なお、グレイ化パラメータは、あらかじ
め、シミュレーションをして、ノイズが少なくなるよう
に選ばれている。具体的には、グレイ化パラメータの緑
成分K Gを大きくしている。
【0109】図8に戻り、つぎに、バンドパスフィルタ
ーの適用(ステップS303)を行う。図11はバンド
パスフィルターの適用の詳細な処理手順を説明するフロ
ーチャートである。具体的には、バンドパスフィルター
の適用にあたり、所定の周波数以下のデータをカットす
るための閾値に当たるパラメータである記憶装置43に
記憶されたバンドパスフィルターパラメータをそれが記
述されたファイルから読み込む。そして、そのバンドパ
スフィルターパラメータを用いてガウス型バンドパスフ
ィルターをステップS302で得られたグレイ画像に適
用する(ステップS331)。この装置ではガウス型の
バンドパスフィルターを用いることにより自然なグレイ
画像を得ている。
【0110】図8に戻り、つぎに、レベル調整(ステッ
プS304)を行う。図12はレベル調整の詳細な処理
手順を説明するフローチャートである。
【0111】まず、頭髪領域をモルフォロジーフィルタ
ーにより、一回り小さく収縮させる(ステップS34
1)。これにより、頭髪領域のエッジ部分のデータを使
用しないようにして、データの信頼性を高めている。
【0112】つぎに、得られたバンドパスフィルター適
用後の画像中のステップS341で得られた収縮後の頭
髪領域の画素について、輝度の最大値、最小値を求める
(ステップS342)。
【0113】つぎに、レベル調整のためのルックアップ
テーブルからパラメータを読み込む。ここで、レベル調
整のためのルックアップテーブルとは、各入力値に対す
る出力値を一対一で求めたデータ変換のためのテーブル
である。このルックアップテーブルは、頭髪領域におけ
る輝度データを髪の流れを抽出するのに適したレベル値
に変換するように予め調整して設定されている。
【0114】最後に、ステップS432で得られた、輝
度の最大値、最小値およびルックアップテーブルから、
ステップS303で得られたバンドパスフィルター適用
後の画像のレベル補正を行う。これにより、得られた画
像データを輝度域に応じて調整し、頭髪テクスチャデー
タが生成される。
【0115】以上のように、この装置では、バンドパス
フィルターを適用して、頭髪テクスチャ画像データを得
ているので、所定の周波数以下のデータが除去できると
ともに、照明むらを受けにくい。また、周波数異常のデ
ータが除去できるので、ノイズを除去できる。さらに、
加工機21〜24の特性、すなわちどの程度までの微細
加工が可能かという微細加工限界などを考えて、加工機
21〜24に対して適切な周波数の頭髪の流れのみを得
ることができる。
【0116】<1−5.3次元頭部形状生成の詳細>次
に、図3中に示す3次元頭部形状生成(ステップS10
7)におけるモデリングシステム10における処理につ
いて説明する。
【0117】図13は3次元頭部形状生成において使用
する3次元形状モデルを説明するための図である。この
実施の形態では、段差を有する自然な3次元形状データ
を生成するため、具体的には人体頭部における頭髪領域
と肌領域との境界に頭髪層の段差Gを有し、自然な頭髪
領域の形状を有する3次元形状データを生成するため、
図13に示す、以下のような特徴を有する3次元形状モ
デルを採用している。主に以下の特徴を有する3次元形
状モデルである。
【0118】3次元測定と同時に撮影された2次元カ
ラー画像を予め背景、頭髪、肌領域に領域(その他領域
は無視する)を分割しておき(図3のステップS10
5)、分割されたカラー画像の領域(特徴領域)に応じ
て、測定3次元形状データである距離画像データに対し
て3次元形状モデルの対応する部位を適合させる。
【0119】3次元形状モデルは、次の2つの部位か
ら構成される。 a)顔の肌および頭皮を含む皮膚部 b)皮膚部の上に重ねられた、奥行き方向に凹凸を持っ
た薄い層として定義される頭髪層
【0120】頭髪領域と肌領域との境界に段差Gを許
容するが、皮膚部の奥行き(z座標値z)はなるべく滑
らかに変化し、頭髪層厚さdがなるべく平均的には滑ら
かに変化するよう3次元形状モデルを適合させる。
【0121】さらに、このような3次元形状モデルに、
以下のような詳細な特徴を加味している。
【0122】上記の適合の際に皮膚部の奥行きの滑ら
かさを保証するため、3次元形状モデルの適合を行う前
に独立に距離画像データにおける皮膚部(頭髪領域にお
ける頭髪層の下の皮膚部分を含む)の各部の法線ベクト
ルnを推定する。この法線ベクトルnは、距離画像デー
タの欠落していない領域では入力されている距離画像デ
ータから求められ、頭髪領域と頭髪領域以外の領域との
境界にある輪郭である遮蔽輪郭部では、視点と画像面の
輪郭から求められる。また、距離画像データの欠落して
いる領域では、距離画像データ(測定3次元形状デー
タ)の欠落していない領域および遮蔽輪郭部の法線ベク
トルから補間して求められる。
【0123】頭髪領域に距離画像データが存在せず頭
髪層厚さdが決定できない(計算不定の)ときには、予
め定められた方法で頭髪層厚さdを決定する。
【0124】以上のような3次元形状モデルを具現化す
る手段として後述する数8の式を用いている。そして、
さらに、実際の計算においては以下のような方法を用い
ている。
【0125】計算を高速化するため、上記データを複
数のブロックに分け、モデル適合のための計算をブロッ
クごとに行う。
【0126】上記ブロックを隣合うブロック間で重な
りのあるものとし、ブロックごとの計算を行う際、計算
するのに十分なデータが存在するブロックから順に計算
することにより、計算が不定であるブロックを最小限に
抑える。
【0127】上記ブロックごとの計算を安定に行うた
め、それぞれの画素間対応づけが可能な解像度の異なる
複数のデータを入力データから作成し、低い解像度のデ
ータから順にモデル適合のための計算を行い、それぞれ
の解像度での処理結果を順次より高い解像度のデータに
反映させる。
【0128】頭髪領域と肌領域との領域判別が不正確
なとき、その境界周囲において、それぞれの領域の多く
の部分の属性と比べてどちらに近いかにより、頭髪層の
厚さを変化させる。
【0129】以上を踏まえて、以下、3次元頭部形状生
成(ステップS107)の詳細な処理について説明す
る。
【0130】図14は3次元頭部形状生成の処理手順を
示すフローチャートであり、図15は2次元頭髪データ
抽出(ステップS106)および3次元頭部形状生成
(ステップS107)の処理を行うデータ処理装置40
の機能構成をデータの流れとともに示す機能ブロック図
である。なお、図15に示す機能構成は、既述のように
記録媒体9から読み込まれたプログラムに基づいてデー
タ処理装置40内のCPUが演算処理を行うことにより
実現される機能であるが、これらの機能の全てまたは一
部が専用の電気的回路として構築されていてもよい。以
下の機能ブロック図においても同様である。
【0131】なお、以下の処理を各部が行うに当たり、
制御部400が各部の制御を行う。
【0132】まず、データ正規化部401がステップS
104(図3)で得られている距離画像データを入力3
Dデータとして、その入力3Dデータに対してデータ正
規化(図14:ステップS401)を行う。このデータ
正規化を説明するに当たり、まず、入力される入力3D
データ、ステップS104(図3)で得られている2次
元カラー画像データおよびステップS105(図3)で
得られている特徴領域データについて説明する。
【0133】図16は3次元形状測定機による対象測定
の様子を示す図である。前述のように入力3Dデータ
(測定3次元形状データ)は、光学式の3次元形状測定
機により入力された距離画像データである。図16に示
すように各画素値は、平面格子上に配列された光学セン
サと光学中心(視点)を結ぶ視線上の物体表面の3次元
座標が、測定機の基準となる点を原点とするワールド座
標により記述されている。
【0134】また、前述のように入力3Dデータの各画
素には、3Dデータが有効である(例えば「1」)か否
(例えば「0」)かを示すフラグが3次元計測装置34
により付加されており、このフラグが無効(「0」)と
なっている画素では3Dデータが欠落していることを示
している。さらに、入力3Dデータには、光学センサ配
列、光学中心、およびワールド座標の3次元位置関係の
情報(視点情報)が付属しており、空間中の任意の点に
対応する光学センサ配列位置が計算可能である。
【0135】前述のように、2次元カラー画像データ
は、2次元撮影装置36に設けられた光学式のカラーカ
メラにより入力された画像データである。各画素値は、
平面格子上に配列された光学センサOSと光学中心OC
(視点)を結ぶ視線上の物体表面の色を、3つの異なる
分光分布特性を持つセンサの出力値であるR,G,B値
として記述されている。2次元カラー画像データには、
光学センサ配列、光学中心、およびワールド座標の3次
元位置関係の情報(視点情報)が付属しており、空間中
の任意の点に対応する光学センサ配列位置が計算可能で
ある。
【0136】特徴領域データは2次元カラー画像データ
の各画素を、以下の3つの特徴領域に分類し、その結果
をカラー画像と同じ形式の格子上に配列したデータであ
り、前述のように少なくとも背景部、肌領域、頭髪領
域、その他の領域の4つの領域を区別するデータとなっ
ている。なお、以下の説明では「その他」の領域を肌領
域に含めて説明する。
【0137】図17は入力3Dデータの座標系変換の様
子を示す図である。入力3Dデータは上記のように、ワ
ールド座標系CO1により記述されているが、以下のデ
ータ処理都合上、3次元直交座標系CO2のデータに変
換して、入力3Dデータを2次元カラー画像データに一
対一対応するデータにする必要がある。この座標変換が
以下に示すデータ正規化である。
【0138】まず、2次元カラー画像の視点情報を用い
て入力3Dデータを再標本化(例えば、Z-bufferアルゴ
リズムを使ってカラー画像の各画素に対応する視線上の
最も近い3D座標値を取得)することにより、2次元カ
ラー画像の各画素に1対1に対応する3Dデータ列を得
る。
【0139】つぎに、2次元カラー画像の視点情報を用
いて、カラー画像の画角内で視点方向に予め定められた
範囲の四角錐台の空間(透視投影視体積)が予め定めら
れたx、y、z軸に平行な3辺を持つ直方体の空間(標
準視体積)へ変換されるよう、入力3Dデータを変形す
る。このとき、入力3Dデータは、x、y座標値が格子
上に等間隔(格子のx,y方向の間隔をbx,byとす
る)に配列され、z座標値がxy平面に平行な平面から
の距離を表わすデータ列となる。この変換後の入力3D
データのz座標値は変換前の四角錐台の底面からの距離
に比例する。以降このデータを正規化3Dデータと呼ぶ
ことにする。
【0140】なお、特徴領域データは2次元カラー画像
から作成されているので、すでにカラー画素と1対1対
応となっている。
【0141】つぎに、3Dノイズ除去部402が3Dノ
イズ除去(図14:ステップS402)を行う。すなわ
ち、正規化3Dデータを重み付け平均を採って平滑化す
ることにより、異常データの座標値を修正し、不自然な
凹凸などを除去する。以降このデータを修正正規化3D
データと呼ぶ。
【0142】つぎに、背景除去部403が背景除去(図
14:ステップS403)を行う。すなわち、修正正規
化3Dデータにおいて、特徴領域データ中の背景領域に
対応する部分の3Dデータを除去(3Dデータ中の対応
部分の点データすべてのフラグを無効に設定)する。以
降このデータを前景3Dデータと呼ぶことにする。
【0143】つぎに、特徴領域信頼性計算部404が特
徴領域信頼性計算(図14:ステップS404)を行
う。図18は特徴領域信頼性計算の詳細な処理手順を示
すフローチャートである。以下、図18を参照して特徴
領域信頼性計算をより詳細に説明する。
【0144】まず、肌領域信頼性計算(ステップS44
1)を行う。すなわち、2次元カラー画像中の肌領域S
skinにおいて、各画素(i,j)のカラーベクトルv
(i,j)(R,G,B成分を有するベクトル)から肌平均
カラーベクトルmskinおよび肌共分散行列Cskinを次の
2式により計算する。
【0145】
【数2】
【0146】
【数3】
【0147】ここで、Nskinは肌領域Sskinにおける画
素数を、tは転置行列を示している。このようにして求
められた平均値mskinは肌領域Sskinについての色代表
を示すベクトルとなる。
【0148】つぎに、上記画素領域の各画素に対して、
平均カラーベクトルmskinからのマハラノビス距離s"
(i,j)を次式により求める。
【0149】
【数4】
【0150】得られたマハラノビス距離s"(i,j)は記憶
装置43に格納しておく。ここで導かれるマハラノビス
距離s"(i,j)は、カラー画像の各画素について、平均カ
ラーベクトルmskinからの色差を表すものであり、いわ
ば肌らしさを示している。したがって、このマハラノビ
ス距離s"(i,j)が小さい値を示すほど当該画素が肌らし
いことを示し、大きい値を示すほど当該画素が肌らしく
ないことを示す。
【0151】つぎに、2次元カラー画像中の肌領域に対
応する画素が「1」、その他の画素が「0」であるよう
な肌2値画像を作成する。
【0152】つぎに、得られた肌2値画像に対し、収縮
処理を予め定められた回数(Kskin回)だけ繰り返し、
新しく「1」から「0」となった(肌領域から肌以外の
領域になった)画素に対し、「0」となった際の収縮回
数L(i,j)を記憶装置34に記録しておく。これにより
肌領域中の境界寄りの画素に関して、どれだけ境界から
離れているかを評価したこととなる。
【0153】つぎに、収縮処理前の2値画素値が「0」
である画素に対応する画素領域Ssk in0、収縮処理後の
2値画素値が「1」である画素に対応する画素領域S
skin1、収縮により2値画素値が新しく「0」となった
画素に対応する画素領域Sskin2のそれぞれにおいて、
次式のs'(i,j)で与えられる肌2値画像を作成する。
【0154】
【数5】
【0155】ここで、askinは予め定められた定数であ
り、Min(a,b)は2つの値a,bのうち小さい方
を出力する関数である。
【0156】図19は各特徴領域におけるy方向の画素
位置とs'(i,j)との関係を例示する図である。数5の式
から明らかなように、肌領域以外ではs'(i,j)=0、肌
領域中央ではs'(i,j)=1であり、その境界においてな
だらかにs'(i,j)は変化している。
【0157】つぎに、数5の式により求めたs'(i,j)
平滑化する。具体的には各画素の周囲画素についての重
み付け平均を求める。この結果、各画素値は、その画素
が肌領域の代表色(平均カラーベクトル)からどれだけ
離れているか、および、肌領域の境界からどれだけ離れ
ているかを同時に評価していることになる。以降このデ
ータを肌領域信頼性データs'(i,j)と呼ぶことにする。
【0158】つぎに、頭髪領域信頼性計算(ステップS
442)を行う。なお、この処理はステップS441の
肌領域信頼性計算とほぼ同様の処理である。すなわち、
2次元カラー画像中の頭髪領域に対応する領域Shair
おいて、各画素(i,j)のカラーベクトルv(i,j)
髪平均カラーベクトルmhairおよび髪共分散行列Chai r
を計算する。具体的には数2および数3の式における添
え字skinを添え字hairに置き換えた式を用い
る。
【0159】つぎに、上記画素領域の各画素に対して、
髪平均カラーベクトルmhairからのマハラノビス距離
h"(i,j)を次式により求める。
【0160】
【数6】
【0161】つぎに、2次元カラー画像中の頭髪領域に
対応する画素が「1」、その他の画素が「0」であるよ
うな髪2値画像を作成する。
【0162】つぎに、得られた髪2値画像に対し、収縮
処理を予め定められた回数(Khair回)だけ繰り返し、
新しく「1」から「0」となった画素に対し、「0」と
なった際の収縮回数L(i,j)を記録しておく。これによ
り頭髪領域中の境界寄りの画素に関して、どれだけ境界
から離れているかを評価したこととなる。
【0163】つぎに、収縮処理前の2値画素値が「0」
である画素に対応する画素領域Sha ir0、収縮処理後の
2値画像画素値が「1」である画素に対応する画素領域
hai r1、収縮により2値画像画素値が新しく「0」と
なった画素に対応する画素領域Shair2のそれぞれにお
いて、次式で与えられるh'(i,j)からなる髪2値画像を
作成する。
【0164】
【数7】
【0165】ここで、ahairは予め定められた定数であ
る。
【0166】つぎに、数7の式により求めた画像データ
を平滑化する。この結果、各画素値は、その画素が頭髪
領域の代表色からどれだけ離れているか、および、頭髪
領域の境界からどれだけ離れているかを同時に評価して
いることになる。以降このデータを頭髪領域信頼性デー
タh'(i,j)と呼ぶことにする。
【0167】図14の説明に戻る。つぎに、低解像度化
部405が低解像度化(図14:ステップS405)を
行う。このステップS405では、図14のフローチャ
ートにおける以下のステップにおいて、データ欠落部の
大まかな形状を復元する際、処理データ量を削減して処
理時間を短縮するため、前景3Dデータ、特徴領域デー
タ、および、頭髪領域信頼性データのデータサイズを予
め定められたサイズに変換する。
【0168】入力3Dデータにおけるデータ欠落部は、
主に頭髪領域や肌領域の境界周辺などで発生するため、
これらの部分の大まかな形状を復元する際には、肌領域
の主要部分の3Dデータとは同じ級密さを必要としな
い。そのためこのような低解像度化が可能となるのであ
る。こうして低解像度化されたデータをそれぞれ低解像
度3Dデータ、低解像度特徴領域データ、低解像度頭髪
領域信頼性データと以下では呼ぶものとする。
【0169】頭髪領域信頼性データの解像度の変換は、
公知の解像度変換方法を用いて行うことができ、この装
置ではキュービックコンボリューションなど、周囲の画
素との重み付き平均を用いた方法で行っている。3Dデ
ータに関しては、無効画素を除いた有効画素のみを使用
して、同様にして解像度変換が行える。特徴領域データ
については、新しい解像度のデータにおける各画素につ
いて、対応する元の画素が含まれる特徴領域の分類のう
ち、最も大きい面積を占める分類をその画素の特徴領域
の分類とすることにより解像度の変換を行うことができ
る。
【0170】つぎに、測定部・欠落部法線ベクトル推定
部406が、入力3Dデータにおけるデータ測定部およ
びデータ欠落部法線ベクトル推定(図14:ステップS
406)を行う。図20は、測定部および欠落部法線ベ
クトル推定の詳細な処理手順を示すフローチャートであ
る。
【0171】まず、低解像度3Dデータにおいて、低解
像度特徴領域データの前景領域(肌領域Sskin+頭髪領
域Shair)と背景領域との境界、すなわち、遮蔽輪郭部
上の各点の単位法線ベクトルを設定する(ステップS4
61)。図21は低解像度法線ベクトルの初期値の様子
を示す図である。図21に示すように、遮蔽輪郭部上の
点の単位法線ベクトルv1は境界と視線方向に共に直交
し、前景領域から外に出る(背景領域に向かう)方向に
設定される。
【0172】つぎに、低解像度3Dデータ中の3次元測
定された各点に対し、単位法線ベクトルv2を設定する
(ステップS462)。それぞれ3次元測定された点の
法線ベクトルは、同一の特徴領域に属す入力3Dデータ
により特定される人体頭部表面内において2方向に隣り
合う点と対象点とを結んで形成される3角形により平面
が一意に特定され、その平面に対する単位法線ベクトル
を対象点の単位法線ベクトルとして求める。
【0173】つぎに、前景領域において単位法線ベクト
ルの設定がされていない点に、図21に示すように視線
方向(+z方向)の単位ベクトルを、データ欠落部の単
位法線ベクトルv3の初期値として設定する(ステップ
S463)。
【0174】つぎに、以上により新規に設定された単位
法線ベクトルを、前景領域中の隣合う点の単位法線ベク
トルと重み付き平均した後、単位法線ベクトルに正規化
したものと置き換える(ステップS464)。
【0175】つぎに、所定回数の繰り返しまたは新たな
単位法線ベクトルが元の単位法線ベクトルとほぼ同じに
なったか否かを判定し(ステップS465)、両方の条
件を満たしていなければ、ステップS464に戻り、い
ずれかの条件を満たしていれば終了する。すなわち、所
定の回数だけ、または、新たに設定される単位法線ベク
トルが元の単位法線ベクトルとほぽ同じとなるまで、ス
テップS464の処理を繰り返す。
【0176】こうして前景領域に属する画素(i,j)
の系列に対して単位法線ベクトルの系列n(i,j)を求
め、後述する低解像度頭部3D形状推定および低解像度
頭髪層データ推定処理において使用する。この結果出力
されるデータを、以下、低解像度法線ベクトルと呼ぶ。
以上の説明から分かるように、測定部および欠落部法線
ベクトル推定(ステップS406)では、前景領域中に
おける法線の方向は滑らかに変化するということを仮定
している。
【0177】図14の説明に戻る。つぎに、低解像度頭
部3D形状・低解像度頭髪層データ推定部408がそれ
ぞれ低解像度頭部3D形状推定および低解像度頭髪層デ
ータ推定(図14:ステップS407)を行う。図22
は、低解像度頭部3D形状推定および低解像度頭髪層デ
ータ推定の詳細な処理手順を示すフローチャートであ
る。また、図23は矩形領域に分割した様子を示す図で
ある。
【0178】まず、低解像度3Dデータを、境界が互い
に重なり合った、同じ大きさ(M×N)の矩形のブロッ
クBL(分割領域)に分割する(ステップS471)。
【0179】つぎに、それぞれのブロックBLに属し、
肌領域または頭髪領域に属する画素(i,j)の系列に
対して次式を作成する(ステップS472)。
【0180】
【数8】
【0181】ただし、ブロックBLからはみ出る画素の
データを参照する項は、数8の式から除くものとする。
【0182】ここで、w1,w2は予め定められた重み付
けの係数、n(i,j)は座標(i,j)における単位法線
ベクトルである。また、添え字x,y,zはx,y,z
成分をそれぞれ表わし、x,y,z以外の添え字は座標
を表わしている。ただし、k,rは任意の整数を表わし
ている。また、bx,byは前述の格子のx,y方向の間
隔を表わしており、したがって、p(q,r),(s,t)および
(s,t),(u,v)はそれぞれ法線ベクトルのxおよびy方
向の1次微分係数に相当する。また、図13に示すよう
に、z座標値z(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)は、それ
ぞれ低解像度3Dデータにおけるz成分(奥行き成分)
および頭髪層の厚さを表わしている。
【0183】数8の式は、肌領域と頭髪領域において、
与えられた単位法線ベクトルと欠落していない3Dデー
タのz座標値の系列に最適に適合するように、頭髪領域
でのみ頭髪層が重ねられた3Dデータのz座標値データ
を求めるための式であり、この式が前述の3次元形状モ
デルを表わすものである。
【0184】J0の項は、与えられた単位法線ベクトル
および欠落していない3Dデータのz座標値と頭髪層厚
さdの系列に対して、最もよく当てはまる3Dデータの
z座標値zと頭髪層厚さdの系列を求めるための項であ
る。具体的には、z−dが滑らかに連続するような3D
データを求める(推定する)ための項であり、肌領域に
おける頭髪層厚さdは「0」としているので、肌領域と
頭髪領域との境界に段差を許容するものとなっている。
また、頭髪領域では頭髪層厚さdは変化し得るものとな
っている。
【0185】J1の項は、求められる頭髪層厚さdの系
列をなるべく滑らかにするための項である。
【0186】J2の項は、頭髪としての判別の信頼性の
低いところでは求められる頭髪層厚さdを薄くするため
の補正項である。
【0187】また、数8の式において先に求めた肌領域
信頼性データs'および頭髪領域信頼性データh'は互い
に相関があるため、それら両方の影響における肌のみ、
髪のみの影響分を表わす係数sおよびhを用いている。
【0188】つぎに、得られた式におけるJの評価値を
最小にするような、各画素に対応するz座標値z(i,j)
および頭髪層厚さd(i,j)の系列を求める(ステップS
473)。Jの評価値を最小にするということは、重み
付き線形最小2乗問題となり、Jを構成する式から欠落
した3Dデータのz座標値と頭髪層厚さの系列を一列に
並べたベクトルを未知ベクトルとし、測定3Dデータを
定数項として線形方程式を構成し、この方程式の最小2
乗解を求めることである。具体的には、この線形方程式
の係数行列は疎行列となり、最小2乗解は、係数行列の
疑似逆行列を方程式の両辺の左側から乗ずることによ
り、各画素に対応するz座標値z(i,j)および頭髪層厚
さd(i,j)の系列を求めることができる。
【0189】この線形方程式において、例えば、頭髪領
域を含むブロックBLに頭髪領域の入力3Dデータのz
座標値が全く与えられていない場合などでは、この線形
方程式は不定となり、一意に解が求まらない。このた
め、最小2乗解を求める前に係数行列の階数を調べ、階
数が未知数の数より小さいブロックBLに関しては、計
算を実行せず、何も出力しない。
【0190】こうして求められたブロックBLごとのz
座標値zと頭髪層厚さdは、隣接するブロックBLにお
いては、互いに境界が重なっているので、境界上の画素
に関してはそれぞれ各ブロックBLで求められたz座標
値zどうしおよび頭髪層厚さdどうしを平均したものを
出力する。
【0191】こうして求めたz座標値zと頭髪層厚さd
の系列を、以下、それぞれ低解像度頭部3D形状デー
タ、低解像度頭髪層データと呼ぶ。
【0192】つぎに、所定回数だけ計算を繰り返した
か、または全ての肌領域と頭髪領域のz座標値データと
頭髪層厚さdが求められたか否かを判定し(ステップS
474)、条件を満たさなければ、ステップS472に
戻り、条件を満たせば次のステップに進む。ただし、ス
テップS472に戻る場合、前回作成した方程式を用い
るのではなく、低解像度3Dデータの代わりにステップ
S473で求められた各画素に対応するz座標値z
(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)とを方程式に代入し、求
められているz座標値z(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)
を定数項として展開し、新たな方程式を作成することが
異なっている。
【0193】すなわち、ステップS407では、図23
において、まず、数8の式を用いて上記のようにして入
力3Dデータ中のデータ測定部のブロックBL1のz座
標値z(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)の系列を求め、さ
らに、得られたデータを用いて、数8の式を展開した式
を作成し、その式によりデータ測定部に隣接するデータ
欠落部のブロックBL2におけるz座標値z(i,j)およ
び頭髪層厚さd(i,j)を求める。そして、このような処
理を順次、入力3Dデータにおけるデータ欠落部に隣接
するブロックBLに対して行うことで、次第にデータ欠
落部のz座標値z (i,j)および頭髪層厚さd(i,j)を求め
ていくのである。そして、最終的に全ての点でのz座標
値z(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)を生成することがで
きるのである。
【0194】つぎに、ステップS474までの処理で求
められた低解像度頭部3D形状データと低解像度頭髪層
データを平滑化する(ステップS475)。これは、ス
テップS474までの処理は分割されたブロックBLご
とに行われるので、隣り合うブロックBLの境界に不自
然な輪郭が発生することがあるので、この輪郭を目立た
なくするために行われる。
【0195】図14の説明に戻る。つぎに、低解像度欠
落3D形状データ合成部409が低解像度欠落3D形状
データ合成(図14:ステップS408)を行う。低解
像度で処理されたデータを前景3Dデータの肌領域のデ
ータと合成する。これは以下の手順で行われる。
【0196】図24は、低解像度欠落3D形状データ合
成の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【0197】まず、低解像度頭部3D形状データを前景
3Dデータと同じ解像度に変換する(ステップS48
1)。解像度の変換(高解像度化)は、周囲の画素の重
み付け平均により得られたデータを補間データとする等
の公知の補間法によって行うことができる。
【0198】つぎに、特徴領域データを参照しながら、
前景3Dデータのうち頭髪領域に含まれる画素の画素値
をステップS481において出力される高解像度化3D
データ中の対応する画素の画素値と置き換える(ステッ
プS482)。ただし、ステップS481の高解像度化
3Dデータ中の対応する画素が有効でない場合にはこの
置き換えは行われない。
【0199】つぎに、特徴領域データを参照しながら、
頭髪領域に含まれない画素のうちで有効でない画素の前
景3Dデータの画素値を高解像度化3Dデータ中の対応
する画素のデータと置き換える(ステップS483)。
ただし、高解像度化3Dデータ中の対応する画素が有効
でない場合にはこの置き換えは行われない。このような
変更処理により得られた3Dデータを以下では頭髪テク
スチャなし頭部3D形状データと呼ぶものとする。
【0200】図14の説明に戻る。つぎに、頭髪3Dテ
クスチャ付加部410が、頭髪3Dテクスチャ付加(図
14:ステップS409)を行う。ステップS409で
は、以下に示す手順により頭髪テクスチャなし頭部3D
形状データの頭髪領域に頭髪の流れを表現する起伏を付
加する。
【0201】図25は頭髪3Dテクスチャ付加の詳細な
処理手順を示すフローチャートである。
【0202】まず、低解像度頭髪層データを頭髪テクス
チャなし頭部3D形状データと同じ解像度に変換する
(ステップS491)。解像度の変換は、図24のステ
ップS481と同様にして実行される。
【0203】つぎに、頭髪テクスチャなし頭部3D形状
データの頭髪領域において、各画素の3Dデータのz座
標値z(i,j)に、次式により、それぞれ頭髪の流れを表
現する頭髪テクスチャデータ(2次元グレイ画像のグレ
イ成分)を高さ方向成分δ(i ,j)として付加する(ステ
ップS492)。なお、ここで用いる頭髪テクスチャデ
ータは2次元頭髪データ抽出部301により2次元頭髪
データ抽出(図3:ステップS106)で得られたもの
である。
【0204】
【数9】
【0205】ここで、z'(i,j)は頭髪3Dテクスチャ付
加後の3Dデータのz座標値であり、d'(i,j)はステッ
プS491で解像度変換された画素(i,j)の頭髪層
厚さの画素値である。また、g(i,j)は頭髪テクスチャ
データの画素(i,j)の画素値であり、gMAXは頭髪
テクスチャ画像の画素値の取り得る最大値である。ま
た、hは「+1」または「−1」をとる定数であり、こ
こではh=+1としている。このようにして3次元形状
データにおけるz座標値に頭髪テクスチャ画像が反映さ
れるが、数9の式から分かるように、高さ方向成分δの
絶対値はd'の絶対値より必ず小さくなる。そのため、
頭髪領域において形成される起伏が頭髪層を越えて、頭
蓋にまで至ることがなく自然な3次元形状データをえる
ことができる。
【0206】こうして得られた、頭髪の流れを表現する
起伏が付加された3Dデータを以下では頭髪テクスチャ
付き頭部3D形状データと呼ぶものとする。
【0207】図14の説明に戻る。最後に、視体積補正
部411により視体積補正(図14:ステップS41
0)を行う。すなわち、図14のステップS401で行
った座標変換の逆変換を頭髪テクスチャ付き頭部3D形
状データに対して行い、得られたデータが3次元形状デ
ータとなる。以上で、3次元形状データが形成された。
【0208】以上説明したように、この発明の第1の実
施の形態によれば、測定された頭髪領域の3Dデータに
より特徴的な頭髪形状を再現するとともに、欠落した頭
髪領域の3Dデータをそれらの測定された頭髪領域の3
Dデータに滑らかに生成し、特に肌領域に近い欠落した
頭髪領域の3Dデータを生成する際にも、肌と頭髪との
境界部分に適切な段差を発生させることができる。
【0209】<2.第2の実施の形態>第1の実施の形
態ではステップS407において、低解像度3Dデータ
を分割したブロックBL群の中に、頭髪領域の欠落しな
い3Dデータと肌領域の欠落しない3Dデータを含むも
のが少なくとも1つなければ、頭髪層データの計算が不
定となってしまう。欠落していない3Dデータを持つ肌
領域の直近に、欠落していない3Dデータを持つ頭髪領
域が存在しているとは限らず、この問題は頻繁に発生す
る。
【0210】しかし、第2の実施の形態では、装置構成
は第1の実施の形態と全く同じであるが、以下で述べる
ように、低解像度化部405(図15)が各種低解像度
データをさらに低解像度化したデータを得て、それに対
して処理した結果をステップS407の処理に反映させ
ている。
【0211】図26は第2の実施の形態における2重低
解像度推定の詳細な処理手順を示すフローチャートであ
る。以下、処理手順について説明する。
【0212】まず、低解像度化部405が低解像度3D
データ、低解像度特徴領域データ、低解像度肌領域信頼
性データ、低解像度頭髪領域信頼性データ、低解像度法
線ベクトルデータを、図14のステップS405と同様
にして、さらに低解像度化することにより2重低解像度
3Dデータ、2重低解像度特徴領域データ、2重低解像
度肌領域信頼性データ、2重低解像度頭髪領域信頼性デ
ータ、2重低解像度法線ベクトルデータ(以下、まとめ
て「2重低解像度データ」という)を得る(ステップS
501)。
【0213】つぎに、低解像度頭部3D形状・低解像度
頭髪層データ推定部408がそれら2重低解像度データ
に対して図14のステップS407と同様の処理である
2重低解像度データによる推定(ステップS502)を
行う。ここで、低解像度法線ベクトルデータの解像度の
変換は、他のデータと同じように周囲の単位法線ベクト
ルとの重み付き平均を行った後、単位ベクトルに正規化
することによって行うことができる。
【0214】つぎに、ステップS502によって得られ
た2重低解像度頭部3D形状データ、2重低解像度頭髪
層データを、低解像度欠落3D形状データ合成部409
が元の低解像度データと同じ解像度に変換(高解像度
化)する(ステップS503)。この処理は図14にお
けるステップS408と同様に行う。
【0215】最後に、次式のようなJ'を最小化する線
形方程式を作成し、その最小2乗解を求める(ステップ
S504)。
【0216】
【数10】
【0217】ここで、Jには数8の式を用い、
z'(i,j),d'(i,j)は、それぞれ、元の低解像度データ
の画素(i,j)に対応する、ステップS502の低解
像度頭部3D形状データ画素値、低解像度頭髪層データ
の画素値である。また、w3,w4は予め定められた重み
付けの係数である。この処理概要は図14のステップS
407と同様に行う。
【0218】なお、以上の処理を実行する各部の制御も
制御部400が行う。また、その他の構成は第1の実施
の形態と同様である。
【0219】以上説明したように、第2の実施の形態に
よれば、より低解像度の2重低解像度データを用いてい
るので、ブロックBL群の中に、頭髪領域の欠落しない
3Dデータと肌領域の欠落しない3Dデータとを含むも
のが少なくとも1つなければ、頭髪層データの計算が不
定となってしまうという問題の発生確率を下げることが
できる。これは、より低解像度のデータでは、頭髪領域
の欠落しない3Dデータと肌領域の欠落しない3Dデー
タを含むブロックBLが存在する可能性が大きく、それ
により得られた結果を新たな拘束条件として方程式に付
加することにより頭髪領域と肌領域の欠落しない3Dデ
ータのz座標値が代替され、方程式の解が一意に決定で
きるからである。
【0220】また、大局的情報がより低解像度のデータ
からもたらされるため、方程式の解が一意に決定できる
ブロックBLから順次、隣接する欠落部分のデータを求
めることができるため、発生する積算誤差を軽減するこ
とができる。
【0221】<3.第3の実施の形態>第2の実施の形
態では2段階の解像度の異なるデータを使い、低い解像
度のデータから順次で処理を行ったが、もっと多くの低
解像度のデータを使用することも可能である。これは第
2の実施の形態における処理を再帰的に実行することに
より容易に実現できる。
【0222】図27は第3の実施の形態における多重低
解像度推定の詳細な処理手順を示すフローチャートであ
る。以下、処理手順について説明する。なお、第3の実
施の形態の装置も装置構成は第1の実施の形態と全く同
じである。
【0223】まず、低解像度化部405が低解像度3D
データ、低解像度特徴領域データ、低解像度肌領域信頼
性データ、低解像度頭髪領域信頼性データ、低解像度法
線ベクトルデータを、図14のステップS405と同様
の処理を低解像度化の多重度の回数だけ繰り返して、所
望程度の低解像度を有する多重低解像度3Dデータ、多
重低解像度特徴領域データ、多重低解像度肌領域信頼性
データ、多重低解像度頭髪領域信頼性データ、多重低解
像度法線ベクトルデータ(以下、まとめて「多重低解像
度データ」という)を得る(ステップS511)。
【0224】つぎに、低解像度頭部3D形状・低解像度
頭髪層データ推定部408が、それら多重低解像度デー
タに対して図14のステップS407と同様の処理であ
る多重低解像度データによる推定(ステップS512)
を行う。ここで、低解像度法線ベクトルデータの解像度
の変換は、他のデータと同じように周囲の単位法線ベク
トルとの重み付き平均を行った後、単位ベクトルに正規
化することによって行うことができる。
【0225】つぎに、低解像度欠落3D形状データ合成
部409が、ステップS502によって得られた多重低
解像度頭部3D形状データ、多重低解像度頭髪層データ
を、1段高解像度化する(ステップS513)。この処
理は図14におけるステップS405と同様に行う。
【0226】つぎに、数10の式を用いてJ'を最小化
する線形方程式を作成し、その最小2乗解を求める(ス
テップS514)。この具体的処理は図26のステップ
S504と同様に行う。ただし、ここでのz'(i,j)
d'(i,j)は、それぞれ、1段階前の低解像度データの画
素(i,j)に対応する、ステップS512またはS5
14による低解像度頭部3D形状データ画素値、低解像
度頭髪層データの画素値を用いる。
【0227】つぎに、元の低解像度データと同じ解像度
になったか否かについて判定を行い(ステップS51
5)、同じ解像度になっていなければステップS513
に戻り、ステップS513〜S515の処理を繰り返
し、同じ解像度になっていれば、処理を終了する。
【0228】なお、その他の構成は第1の実施の形態と
同様である。
【0229】以上説明したように、第3の実施の形態に
よれば、多重低解像度データを用いることにより、分割
するブロックBLを小さくして計算量を減らして、ブロ
ック境界の不自然な輪郭の発生を抑えるとともに、より
解像度の低いデータで求められた結果を反映することに
より、測定3次元形状データが少ない場合にも、方程式
の解を一意に計算可能とすることができる。
【0230】<4.第4の実施の形態>第2の実施の形
態および第3の実施の形態は、方程式の解が不定となる
場合を減らすための工夫であるが、頭髪領域の3Dデー
タが全く入力されていない場合や、入力されていてもデ
ータが少なすぎて低解像度化をする際に欠落してしまう
ような場合では、やはり役に立たない。そのため第4の
実施の形態では、以下に示すようなJ"を第2の実施の
形態のJ'の代わりに使用することにより方程式の解を
一意に決定可能としている。
【0231】
【数11】
【0232】ここで、J'には数10の式を用い、頭髪
層厚さ候補値chairおよびw5は予め定められた定数で
ある。ただし、w5は非常に小さい(前出の係数w1〜w
4に対して十分小さく「0」に近い)数に設定してお
く。これにより、J'のみの評価値により構成した方程
式が不定であるような揚合では、J5の項により頭髪の
層の厚さは頭髪層厚さ候補値chairに設定されるが、不
定でないときには重みが非常に小さいためJ5の項はほ
とんど解に影響を与えず、無視される。
【0233】なお、装置構成およびその他の機能構成は
第1の実施の形態と同様である。
【0234】以上説明したように、第4の実施の形態に
よれば、数11の式が頭髪層厚さ候補値chairを含むJ
5の項を備えるため、測定値が不十分な場合にも頭髪層
厚さを求めることができる。
【0235】<5.第5の実施の形態>上記第1〜第4
の実施の形態は、髪飾りや服などのその他領域は無視し
ている。このような「その他」の領域を頭髪領域に分類
すれば、頭髪領域同様の頭髪テクスチャデータを表わす
起伏が付加され不自然となる。
【0236】一方、「その他」の領域を肌領域に分類す
れば、例えば、「その他」の領域である髪飾りの直近に
3Dデータの欠落した頭髪領域が存在するとき、髪飾り
よりも周りの頭髪領域が盛り上がってしまい不自然とな
る。
【0237】このような問題を解消するために、第5の
実施の形態では、第1の実施の形態の装置における3次
元頭部形状生成(ステップS107)において以下の点
が異なる。 ステップS404において、ステップS441での肌
領域や、ステップS442での頭髪領域に加えて、その
他領域についても同様にその他領域信頼性データm'
(i,j)を計算する。 ステップS407において、特徴領域データに背景領
域、肌領域、頭髪領域の各領域に加えて、その他領域S
miscを加味した線形方程式を作成する。 図14のステップS407において、評価値Jの代わ
りに以下に示すJ'''を用いて方程式を構成する。
【0238】
【数12】
【0239】ここで、先に求めた肌領域信頼性データ
s'および頭髪領域信頼性データh'に加え、その他領域
信頼性データm'にも互いに相関があるため、それらの
影響における肌領域のみ、頭髪領域のみ、その他領域の
みの影響分を表わす係数s''',h''',m'''を用いて
いる。
【0240】低解像度頭部3D形状・低解像度頭髪層デ
ータ推定部408がこの数12の式における評価値
J'''を最小にするz座標値z(i,j)および頭髪層厚さd
(i,j)の系列を求めることによって、3次元形状データ
が求まる。
【0241】また、以上において、その他領域が複数個
与えられた場合についても、それぞれのその他領域に対
して独立して、上記数12の式を作成して、評価値
J'''を最小にするz座標値z(i,j)および頭髪層厚さd
(i,j)の系列を求めることによって、複数のその他領域
それぞれに対しても3次元形状データを容易に得ること
ができる。
【0242】なお、装置構成およびその他の機能構成は
第1の実施の形態と同様である。
【0243】以上説明したように、第5の実施の形態に
よれば、背景領域、肌領域、頭髪領域に加えて、その他
領域に対してもその他領域信頼性データm'(i,j)を計算
し、それを含む評価値J'''の方程式である数12の式
を用いてz座標値z(i,j)および頭髪層厚さd(i,j)を求
めるので、その他領域に対しても自然な3次元形状デー
タを生成することができる。
【0244】<6.第6の実施の形態>第6の実施の形
態では、図14のステップS406において、図20に
おけるステップS465の判定による収束を速くするた
め、第2の実施の形態と同様に、さらに低解像度の3D
データにおいて予めステップS406を実行したものを
解像度変換し、ステップS463で設定される単位ベク
トルの初期値の代わりに、対応する法線ベクトルを用い
る。また、第3の実施の形態と同様に3段階以上の多重
低解像度化されたデータから法線ベクトルデータを解像
度の低い側から順に処理すればさらに効果が上がること
が期待される。
【0245】なお、その他の構成は第1の実施の形態と
同様である。
【0246】以上説明したように、第6の実施の形態に
よれば、多重低解像度化されたデータから法線ベクトル
データを低い解像度のデータから順に使用して法線ベク
トルを求めるので、大局的なデータから次第に精密なデ
ータを用いることにより処理時間を短縮することができ
る。
【0247】<7.第7の実施の形態>第1の実施の形
態では図14におけるステップS407の数8の式にお
けるJ0の項において法線の情報をx,y方向の一次微
分の形に変換して使用している。このため、法線の方向
がz軸に対して大きく傾いている場所では、法線方向の
わずかな変動にも大きく影響を受けてしまう。これによ
り、例えば、前景部分の遮蔽輪郭部で顕著に影響が現
れ、その周辺の形状が歪むことが発生する。
【0248】この問題を解決するため、第7の実施の形
態では、第1の実施の形態におけるステップS407の
数8の式において、評価値J0を次式で表わされる評価
値J''0で置き換え、法線の方向がz軸に対して傾いて
いる度合いに応じて重みを減じるものとしている。
【0249】
【数13】
【0250】なお、その他の構成は第1の実施の形態と
同様である。
【0251】以上説明したように、第7の実施の形態に
よれば、数13の式を基にz座標値z(i,j)および頭髪
層厚さd(i,j)を求めるので、遮蔽輪郭部分においても
自然な3次元形状データを生成することができる。
【0252】<8.変形例>上記実施の形態において3
次元形状データ処理装置、3次元形状加工装置、3次元
形状データ処理方法および記録媒体の例を示したが、こ
の発明はこれに限定されるものではない。
【0253】例えば、上記実施の形態では測定対象物を
人体頭部としたが、建造物や動植物等を測定対象物とし
てもよい。
【0254】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項7、請求項12および請求項13の発明によれば、
互いに隣接する2つの特徴領域に同一種類のパラメータ
が定義されるとともに、2つの特徴領域の境界で当該パ
ラメータの値にギャップを有する3次元モデルを保持
し、当該3次元モデルに基づいて、測定3次元形状デー
タに適合する3次元形状データを生成するため、物体に
おける段差を有する部分に対しても自然な3次元形状デ
ータを得ることができる。
【0255】また、特に請求項2の発明によれば、互い
に隣接する2つの特徴領域が髪領域と肌領域であり、パ
ラメータが頭髪層の厚さを表わすものであり、頭髪層の
厚さが肌領域においては「0」であるとともに、髪領域
における肌領域との境界においては「0」より大きい有
限の値を採ることによりギャップを有するため、髪領域
と肌領域の境界部分に自然な段差を有する3次元形状デ
ータを得ることができる。
【0256】また、特に請求項3の発明によれば、所定
形状の複数の分割領域のそれぞれにつき、3次元モデル
に基づいて3次元形状データを生成するため、一度に扱
うデータ量が少なくて済むので処理速度が向上する。
【0257】また、特に請求項4の発明によれば、測定
3次元形状データの解像度を、前記異なる解像度のうち
の最低の解像度まで低下させた測定低解像度形状データ
を基に、低解像度適合手段および高解像度化手段を繰り
返し能動化することにより、最終的に元の解像度の3次
元形状データを得るよう制御するため、解像度の低いデ
ータで求められた結果を反映することにより、測定3次
元形状データが少ない場合にも、それらのデータによく
適合した3次元形状データを得ることができる。
【0258】また、特に請求項5の発明によれば、3次
元形状データ生成の際に、測定3次元形状データにおけ
る測定値の数が多い分割領域から優先的に3次元形状デ
ータを生成するため、測定値が少ない分割領域からの結
果を測定値が多い分割領域に対する3次元形状データの
生成に使用しないので、測定3次元形状データによく適
合した3次元形状データを得ることができる。
【0259】また、特に請求項6の発明によれば、測定
3次元形状データの測定値の数が前記3次元形状データ
を生成するのに不十分な場合には、所定の頭髪層厚さ候
補値をもとに3次元形状データを生成するため、測定3
次元形状データの測定値が不十分な場合にも、3次元形
状データを得ることができる。
【0260】また、特に請求項7の発明によれば、3次
元形状データの生成の際に、得られた測定3次元形状デ
ータにおける法線ベクトルをも用いるため、測定3次元
形状データが測定されていない領域に対しても法線ベク
トルを基に3次元形状データを得ることができる。
【0261】また、請求項8ないし請求項11、請求項
14の発明によれば、髪領域において、人体頭部におけ
る頭髪層の厚さを反映するように3次元形状データを求
めるため、肌領域と髪領域の境界に段差を持たせた自然
な3次元形状データを得ることができる。
【0262】また、特に請求項9の発明によれば、髪領
域内の位置に応じて髪領域における頭髪層の厚さの変化
を許容しつつ3次元形状データを求めるため、髪領域に
自然な凹凸のある3次元形状データを得ることができ
る。
【0263】また、特に請求項10の発明によれば、髪
領域の測定3次元形状データの奥行き成分から頭髪層の
厚さを差し引いた値が、肌領域の3次元形状データの奥
行き成分と滑らかに連続するように髪領域の3次元形状
データを求めるため、頭蓋沿った自然な髪形状を有する
3次元形状データを生成することができる。
【0264】また、特に請求項11の発明によれば、流
れ形状データを、当該流れ形状データに対応する位置に
おける頭髪層の厚さを越えない起伏を有するものとして
求めるため、自然な流れ形状データを生成することがで
きる。
【0265】また、請求項12の発明によれば、請求項
1ないし請求項11のいずれかに記載の3次元形状デー
タ処理装置からなる3次元形状データ処理手段と、得ら
れた3次元形状データをもとに加工対象物を加工する加
工手段とを備えるため、物体における段差を有する部分
に対しても加工対象物を自然な3次元形状に加工するこ
とができる。
【0266】また、請求項15の発明によれば、コンピ
ュータによって請求項1の各手段の機能を実現するプロ
グラムを記録しているため、そのようなプログラムをコ
ンピュータにより読み取って実行させることにより、請
求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0267】さらに、請求項16の発明によれば、コン
ピュータによって請求項8の各手段の機能を実現するプ
ログラムを記録しているため、そのようなプログラムを
コンピュータにより読み取って実行させることにより、
請求項8の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体模型作成システムの構成を示すブロック図
である。
【図2】モデリングシステムの動作を示すフローチャー
トである。
【図3】モデリングシステムにおけるメイン処理の動作
を示すフローチャートである。
【図4】このときの表示画面を例示する図である。
【図5】この編集処理の詳細を示すフローチャートであ
る。
【図6】このときの表示画面を示す図である。
【図7】このときの表示装置の表示画面を示す図であ
る。
【図8】2次元頭髪データ抽出の処理手順を説明するフ
ローチャートである。
【図9】処理領域の抽出の詳細な処理手順を説明するフ
ローチャートである。
【図10】頭髪カラー画像のグレイ化の詳細な処理手順
を説明するフローチャートである。
【図11】バンドパスフィルターの適用の詳細な処理手
順を説明するフローチャートである。
【図12】レベル調整の詳細な処理手順を説明するフロ
ーチャートである。
【図13】3次元頭髪形状生成において使用する3次元
形状モデルを説明するための図である。
【図14】3次元頭髪形状生成の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図15】2次元頭髪データ抽出および3次元頭髪形状
生成の処理を行うデータ処理装置の機能構成をデータの
流れとともに示す機能ブロック図である。
【図16】3次元形状測定機による対象測定の様子を示
す図である。
【図17】3次元形状データの座標系変換の様子を示す
図である。
【図18】特徴領域信頼性計算の詳細な処理手順を示す
フローチャートである。
【図19】肌領域信頼性データと各特徴領域との関係を
例示する図である。
【図20】測定部および欠落部法線ベクトル推定の詳細
な処理手順を示すフローチャートである。
【図21】低解像度法線ベクトルの初期値の様子を示す
図である。
【図22】低解像度頭部3D形状推定および低解像度頭
髪層データ推定の詳細な処理手順を示すフローチャート
である。
【図23】ブロックに分割した様子を示す図である。
【図24】低解像度欠落3D形状データ合成の詳細な処
理手順を示すフローチャートである。
【図25】頭髪3Dテクスチャ付加の詳細な処理手順を
示すフローチャートである。
【図26】第2の実施の形態における多重低解像度推定
の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図27】第3の実施の形態における多重低解像度推定
の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 立体模型作成システム(3次元形状加工装置) 9 記録媒体 10 モデリングシステム(3次元形状データ処理装
置) 21〜24 加工機 34 3次元計測装置 36 2次元撮影装置 38 コントローラ 40 データ処理装置 43 記憶装置 301 2次元頭髪データ抽出部 400 制御部 401 データ正規化部 402 3Dノイズ除去部 403 背景除去部 404 特徴領域信頼性計算部 405 低解像度化部 406 測定部・欠落部法線ベクトル推定部 408 低解像度頭部3D形状・低解像度頭髪層データ
推定部 409 低解像度欠落3D形状データ合成部 410 頭髪3Dテクスチャ付加部 411 視体積補正部 BL,BL1,BL2 ブロック DC 2次元カラー画像 DS 距離画像 G 段差 n 法線ベクトル δ 高さ方向成分
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 15/64 Z 9A001 15/70 330Z Fターム(参考) 5B046 DA02 FA04 FA06 FA18 GA00 GA01 HA05 5B047 AA07 AA30 AB04 BB06 BB10 BC04 5B050 BA09 BA12 CA07 EA13 EA28 FA02 FA13 5B057 AA20 BA02 BA15 CA01 CA12 CA13 CB13 CE08 DA07 DC16 DC22 5L096 EA02 EA12 FA08 FA46 GA55 9A001 GG01 HH29 JJ49

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に関する3次元形状データを出力す
    る3次元形状データ処理装置であって、 物体を測定することによって得られた測定3次元形状デ
    ータをその特徴により複数の特徴領域に分割する領域分
    割手段と、 前記複数の特徴領域のうち、互いに隣接する2つの特徴
    領域に同一種類のパラメータが定義されるとともに、前
    記2つの特徴領域の境界で当該パラメータの値にギャッ
    プを有する3次元モデルを保持し、当該3次元モデルに
    基づいて、前記測定3次元形状データに適合する3次元
    形状データを生成する適合データ生成手段と、を備える
    ことを特徴とする3次元形状データ処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の3次元形状データ処理
    装置であって、 前記物体が人体頭部であるとともに、前記互いに隣接す
    る2つの特徴領域が髪領域と肌領域であり、 前記パラメータが頭髪層の厚さを表わすものであり、当
    該頭髪層の厚さが肌領域においては「0」であるととも
    に、前記髪領域における前記肌領域との境界においては
    「0」より大きい有限の値を採ることにより前記ギャッ
    プを有することを特徴とする3次元形状データ処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の3次元
    形状データ処理装置であって、 前記適合データ生成手段が、所定形状の複数の分割領域
    のそれぞれにつき前記3次元モデルに基づいて前記3次
    元形状データを生成するものであることを特徴とする3
    次元形状データ処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の3次元形状データ処理装置であって、 前記適合データ生成手段が、 異なる解像度の複数の3次元モデルを記憶する記憶手段
    と、 前記測定3次元形状データの解像度を、前記異なる解像
    度のうちの最低の解像度まで低下させた測定低解像度形
    状データを生成する低解像度化手段と、 得られた前記測定低解像度形状データの解像度に対応す
    る前記3次元モデルを用いて前記測定低解像度形状デー
    タに最も適合する低解像度3次元形状データを得る低解
    像度適合手段と、 得られた低解像度3次元形状データの解像度を高めて高
    解像度3次元形状データを生成する高解像度化手段と、 前記低解像度適合手段および前記高解像度化手段を繰り
    返し能動化することにより、最終的に元の解像度の3次
    元形状データを得るよう制御する繰り返し制御手段と、
    を備え、 前記繰り返し制御手段が、前記低解像度適合手段および
    前記高解像度化手段を繰り返し能動化する際には、 前記低解像度適合手段により、前記測定低解像度形状デ
    ータに対応する解像度の前記3次元モデルを用いて、前
    記測定低解像度形状データに適合する低解像度3次元形
    状データを求め、 前記高解像度化手段により、得られた低解像度3次元形
    状データの解像度を高めて高解像度3次元形状データと
    し、 さらに、再度、前記低解像度適合手段を能動化する際に
    は、得られた高解像度3次元形状データを前記測定低解
    像度形状データとして使用することを特徴とする3次元
    形状データ処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の3次元形状データ処理
    装置であって、 前記適合データ生成手段が、前記3次元形状データ生成
    の際に、前記測定3次元形状データにおける測定値の数
    が多い前記分割領域から優先的に前記3次元形状データ
    を生成することを特徴とする3次元形状データ処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の3次元形状データ処理
    装置であって、 前記適合データ生成手段が、前記測定3次元形状データ
    の測定値の数が前記3次元形状データを生成するのに不
    十分な場合には、所定の頭髪層厚さ候補値をもとに前記
    3次元形状データを生成するものであることを特徴とす
    る3次元形状データ処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の3次元形状データ処理
    装置であって、 測定3次元形状データにおける法線ベクトルを算出する
    法線ベクトル算出手段と、 前記適合データ生成手段が、前記3次元形状データの生
    成の際に、得られた法線ベクトルをも用いることを特徴
    とする3次元形状データ処理装置。
  8. 【請求項8】 人体頭部に関する3次元形状データを出
    力する3次元形状データ処理装置であって、 人体頭部を測定することによって得られた測定3次元形
    状データを少なくとも髪領域と肌領域とに分割する領域
    分割手段と、 前記髪領域において、前記人体頭部における頭髪層の厚
    さを反映するように前記3次元形状データを求めるデー
    タ生成手段と、を備えることを特徴とする3次元形状デ
    ータ処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の3次元形状データ処理
    装置であって、 前記データ生成手段が、前記髪領域内の位置に応じて前
    記髪領域における頭髪層の厚さの変化を許容しつつ、前
    記3次元形状データを求めるものであることを特徴とす
    る3次元形状データ処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の3次元形状データ処
    理装置であって、 前記データ生成手段が、髪領域の測定3次元形状データ
    の奥行き成分から前記頭髪層の厚さを差し引いた値が、
    前記肌領域の3次元形状データの奥行き成分と滑らかに
    連続するように前記髪領域の3次元形状データを求める
    ものであることを特徴とする3次元形状データ処理装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし請求項10のいずれか
    に記載の3次元形状データ処理装置であって、 前記データ生成手段が、 前記髪領域における髪の流れを表現する流れ形状データ
    を生成する流れ形状生成手段と、 前記流れ形状データを前記3次元形状データに反映させ
    る流れ反映手段と、を備え、 前記流れ形状生成手段が、前記流れ形状データを、当該
    流れ形状データに対応する位置における前記頭髪層の厚
    さを越えない起伏を有するものとして求めるものである
    ことを特徴とする3次元形状データ処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
    に記載の3次元形状データ処理装置からなる3次元形状
    データ処理手段と、 得られた3次元形状データをもとに加工対象物を加工す
    る加工手段と、を備えることを特徴とする3次元形状加
    工装置。
  13. 【請求項13】 物体に関する3次元形状データを出力
    する3次元形状データ処理方法であって、 物体を測定することによって得られた測定3次元形状デ
    ータをその特徴により複数の特徴領域に分割する領域分
    割工程と、 前記複数の特徴領域のうち、互いに隣接する2つの特徴
    領域に同一種類のパラメータが定義されるとともに、前
    記2つの特徴領域の境界で当該パラメータの値にギャッ
    プを有する3次元モデルを保持し、当該3次元モデルに
    基づいて、前記測定3次元形状データに適合する3次元
    形状データを生成する適合データ生成工程と、を備える
    ことを特徴とする3次元形状データ処理方法。
  14. 【請求項14】 人体頭部に関する3次元形状データを
    出力する3次元形状データ処理方法であって、 人体頭部を測定することによって得られた測定3次元形
    状データを少なくとも髪領域と肌領域とに分割する領域
    分割工程と、 前記髪領域において、前記人体頭部における頭髪層の厚
    さを反映するように前記3次元形状データを求めるデー
    タ生成工程と、を備えることを特徴とする3次元形状デ
    ータ処理方法。
  15. 【請求項15】 物体に関する3次元形状データをコン
    ピュータによって出力するためのプログラムを記録した
    記録媒体において、 物体を測定することによって得られた測定3次元形状デ
    ータをその特徴により複数の特徴領域に分割する領域分
    割機能と、 前記複数の特徴領域のうち、互いに隣接する2つの特徴
    領域に同一種類のパラメータが定義されるとともに、前
    記2つの特徴領域の境界で当該パラメータの値にギャッ
    プを有する3次元モデルを保持し、当該3次元モデルに
    基づいて、前記測定3次元形状データに適合する3次元
    形状データを生成する適合データ生成機能と、を実現さ
    せるプログラムを記録していることを特徴とするコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 【請求項16】 人体頭部に関する3次元形状データを
    コンピュータによって出力するためのプログラムを記録
    した記録媒体において、 人体頭部を測定することによって得られた測定3次元形
    状データを少なくとも髪領域と肌領域とに分割する領域
    分割機能と、 前記髪領域において、前記人体頭部における頭髪層の厚
    さを反映するように前記3次元形状データを求めるデー
    タ生成機能と、を実現させるプログラムを記録している
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
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