JP2001208990A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001208990A
JP2001208990A JP2000128379A JP2000128379A JP2001208990A JP 2001208990 A JP2001208990 A JP 2001208990A JP 2000128379 A JP2000128379 A JP 2000128379A JP 2000128379 A JP2000128379 A JP 2000128379A JP 2001208990 A JP2001208990 A JP 2001208990A
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Koichi Maeyama
光一 前山
Michihiro Inoue
道浩 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的な補正や高周波信号を要することな
く、高速、低コストで、かつ安定して主走査方向の画像
形成位置を高精度に補正することができる画像形成装置
を得る。 【解決手段】 レジスト誤差データ取得部61とレジス
ト補正データ発生器62により、基準位置に対する画像
形成位置のずれ量に関するサイドレジ補正量S及び基準
主走査長に対する主走査長の割合に関する倍率補正量M
Aを得ておき、入力されたカラー画像データを多値画像
データ発生器60によって画像エッジをスムージングし
た画像データに変換し、該変換後の画像データと、サイ
ドレジ補正量S及び倍率補正量MAとに基づいて、画像
位置ずれ補正装置70によって画像形成位置を補正する
ことができるLD(レーザダイオード)点灯信号を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に係
り、特に、光ビームで感光体上を走査することにより画
像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザービーム等の光ビーム
により走査する光ビーム走査装置を複数備えて、カラー
画像を形成する画像形成装置が知られている。このよう
な画像形成装置として、複数の色(例えば、ブラック:
K、シアン:C、マゼンタ:M、イエロー:Yの4色)
毎に設けられた光ビーム走査装置及び感光体等を直列的
に配置し、対応する光ビーム走査装置による走査露光に
よって形成された各感光体上の各色のトナー像を共通の
転写ベルト上に順次重ねて転写し、その後、転写ベルト
上に転写されたトナー像を用紙上に一括転写することに
よってカラー画像を得る画像形成装置がある。
【0003】一般に上記の光ビーム走査装置は光ビーム
を出射するレーザダイオード(以下、「LD」という)
を備えており、該LDはレーザダイオードドライバ(以
下、「LDD」という)によって駆動され、画像データ
に応じた光ビームを出射する。そして、LDから出射さ
れた光ビームはコリメートレンズで平行光にされ、シリ
ンダレンズ等を介して略等角速度で回転されたポリゴン
ミラーへ入射される。
【0004】その後、ポリゴンミラーの回転角に応じて
偏向された光ビームは、fθレンズにより感光体上にお
ける走査速度が一定にされて、帯電されたドラム状の感
光体上を主走査する。ここで、ポリゴンミラーから感光
体に至る光ビームの光路上であり、感光体上の画像形成
領域より外側でかつ主走査開始位置近傍に対応する位置
に設けられた光センサを光ビームが走査したときをプリ
ント開始基準時間とし、1画素幅に相当する周期とされ
たビデオクロックに同期してLDDに送信される画像デ
ータにより、上記LDは点灯/消灯が選択される。
【0005】また、主走査方向と直交する方向に感光体
を一定の速度で回転させることにより副走査が成され
て、上記主走査及び副走査によって2次元の走査露光が
成される。
【0006】各感光体上の露光された部分には現像器に
よって対応する色のトナーが付着され、転写装置によっ
て各色のトナー像が順次同一の転写ベルトに転写された
後に、用紙に一括転写される。
【0007】ここで、各感光体上を走査する光ビーム
は、転写ベルトの移動速度や感光体間の距離に応じて決
定される所定の時間だけ間隔を置いて各々露光される。
このとき、各感光体に対応する画像データ(ここでは、
各画素毎の濃度データ及び位置データ(座標データ)が
含まれた画像データ)が同一の場合、理想的な状態にお
いては転写ベルト上における各色の主走査方向に対する
画像形成位置は全て重なる。しかしながら実際には、光
ビーム走査装置を構成する光学部品の取り付け位置ず
れ、該光学部品の特性の誤差、光ビーム走査装置の設置
位置ずれ、感光体の取り付け位置ずれ、装置全体の歪み
等に起因して各色の画像形成位置は、ずれてしまう場合
が多い。
【0008】すなわち、一例としてK、C、Mの各々に
ついて副走査方向に沿った直線画像を主走査方向に沿っ
て所定間隔毎に複数形成した場合、K、C、Mの各々に
おける主走査方向の画像倍率が一致しているときは、図
34(A)に示すようにK、C、Mともにずれがなく、
高品質な画像を形成することができるが、K、C、Mの
各々における主走査方向の画像倍率が光学部品の特性の
誤差等に起因して変化しているときには、図34(B)
に示すようにK、C、Mの各々について形成される画像
に相対的な位置ずれが生じてしまい、色ずれ(色むら)
が発生することになる。
【0009】この走査位置のずれを補正するために、所
定の位置に所定の画像(以下、「レジストマーク」とい
う)を書き込み、レジスト検知装置によって各感光体毎
にレジストマークの位置(レジ位置)を検知し、該レジ
位置のずれに基づいて光ビーム走査装置を構成する光学
部品等を移動させたり、変形させたりすることで走査位
置ずれを補正する技術が知られている(特開昭63−2
71275号公報等)。しかしながら、上記のような機
械的手段で走査位置を補正するためには、ステッピング
モータやソレノイド等のアクチュエータが必要であり、
一般にコストが高く、維持性が良くない、という問題が
あった。
【0010】このような問題を解決するために、機械的
な補正機構を用いずに電気的に走査位置のずれを補正す
る技術として、特開平4−326380号公報に記載の
技術があった。
【0011】すなわち、特開平4−326380号公報
記載の技術は、理想の走査位置と実際の走査位置とのず
れを表す位置ずれ情報を発生させる手段を有し、得られ
た位置ずれ情報に基づいて、少なくとも露光の対象とな
る記録パターン、露光量又は露光タイミングの何れかに
ついて補正を行い、画素単位以下で走査位置を補正する
ものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−326380号公報記載の技術では、各光ビー
ム走査装置の設置位置のずれ、光ビーム走査装置の内部
に備えられた光学部品の取り付け位置のずれ、該光学部
品の特性の誤差(例えば、感光体上における走査速度を
一定にするために用いられるfθレンズの走査速度の誤
差)、等に起因する感光体上の画像倍率の差に関しては
考慮されておらず、実機における主走査方向の画像形成
位置のずれを完全に解消することはできない、という問
題点があった。
【0013】上記の画像倍率の差に起因する画像形成位
置のずれを解消するために適用し得る技術として、PL
L(Phase Locked Loop)回路によりビデオクロック幅
を変更することによって各光ビーム走査装置における走
査倍率を揃える技術(特開平3−21965号公報等)
もあるが、この技術で用いられるPLL回路はフィード
バック動作を伴うアナログ回路であるので、クロック周
波数の安定性が低く、電源電圧の微細な変動に対しての
安定性も低い、という問題点があった。
【0014】また、上記のfθレンズの走査速度の誤差
を補正するために適用し得る技術として、高周波の基準
クロックを所定数カウントした時点でビデオクロックを
切り換えることによって走査速度の誤差を補正する技術
(特開平7−181408号公報等)もあるが、この技
術では基準パルスの周波数を高めることで高解像度化が
可能とされているものの、通常の伝送回路等における基
準パルスの周波数は100MHz程度が上限であるの
で、高解像度を維持したままでの高速な画像形成ができ
ない、という問題点があった。
【0015】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、機械的な補正や高周波信号を要するこ
となく、高速、低コストで、かつ安定して主走査方向の
画像形成位置を高精度に補正することができる画像形成
装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の画像形成装置は、画像データに基づ
いて感光体を光ビームで走査することにより画像を形成
する画像形成装置であって、前記光ビームによる前記感
光体上の実際の画像形成位置と所定の画像形成位置との
主走査方向のずれ量に関する第1の値と、前記光ビーム
による前記感光体上の実際の主走査ライン長と所定の主
走査ライン長との割合に関する第2の値とを導出する導
出手段と、前記実際の画像形成位置を、画素毎に前記第
1の値及び前記第2の値に基づく距離だけ主走査方向に
ずらすことにより画像形成位置を補正する補正手段と、
を備えている。
【0017】請求項1に記載の画像形成装置によれば、
導出手段によって、光ビームによる感光体上の実際の画
像形成位置と所定の画像形成位置との主走査方向のずれ
量に関する第1の値と、光ビームによる感光体上の実際
の主走査ライン長と所定の主走査ライン長との割合に関
する第2の値とが導出される。なお、上記第1の値に
は、上記実際の画像形成位置から上記所定の画像形成位
置を減じた値、上記所定の画像形成位置から上記実際の
画像形成位置を減じた値等を適用することができる。ま
た、上記第2の値には、上記実際の主走査ライン長を上
記所定の主走査ライン長で除した値、上記所定の主走査
ライン長を上記実際の主走査ライン長で除した値等を適
用することができる。
【0018】また、本発明では、補正手段によって、上
記実際の画像形成位置を、画素毎に上記第1の値及び上
記第2の値に基づく距離だけ主走査方向にずらすことに
より画像形成位置が補正される。
【0019】このように、請求項1に記載の画像形成装
置によれば、実際の画像形成位置を、画素毎に実際の画
像形成位置と所定の画像形成位置との主走査方向のずれ
量に関する第1の値及び実際の主走査ライン長と所定の
主走査ライン長との割合に関する第2の値に基づく距離
だけ主走査方向にずらすことにより画像形成位置を補正
しているので、所定の画像形成位置に所定の主走査ライ
ン長で画像を形成することができ、機械的な補正や高周
波信号を要することなく、高速、低コストで、かつ安定
して主走査方向の画像形成位置を高精度に補正すること
ができる。
【0020】また、請求項2記載の画像形成装置は、請
求項1記載の発明において、前記感光体を光ビームで走
査する際の前記感光体上における走査速度を一定にする
ためのfθレンズ又はfθミラーの少なくとも一方の特
性の所定の特性に対する誤差に関する第3の値を記憶す
る記憶手段を更に備えると共に、前記補正手段は、前記
実際の画像形成位置を、画素毎に前記第1の値、前記第
2の値及び前記第3の値に基づく距離だけ主走査方向に
ずらすことにより画像形成位置を補正することを特徴と
したものである。
【0021】請求項2に記載の画像形成装置によれば、
請求項1記載の発明において、感光体を光ビームで走査
する際の感光体上における走査速度を一定にするための
fθレンズ又はfθミラーの少なくとも一方の特性の所
定の特性に対する誤差に関する第3の値を記憶する記憶
手段が備えられ、補正手段によって、実際の画像形成位
置を、画素毎に上記第1の値、第2の値及び第3の値に
基づく距離だけ主走査方向にずらすことにより画像形成
位置が補正される。
【0022】このように、請求項2に記載の画像形成装
置によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、第1の値、第2の値に加えてfθ
レンズ又はfθミラーの少なくとも一方の特性の所定特
性に対する誤差に関する第3の値も加味した距離だけ画
像形成位置を主走査方向にずらすことにより画像形成位
置を補正しているので、より高精度に画像形成位置を補
正することができる。
【0023】ところで、本発明に係る補正手段では、実
際の主走査ライン長と所定の主走査ライン長との割合に
関する第2の値に基づく補正を行っているため、補正手
段によって補正された画素毎の画像形成位置の主走査方
向両端部は通常の画素の内部に位置する場合が多い。
【0024】そこで、請求項3記載の画像形成装置は、
請求項1又は請求項2記載の発明において、前記感光体
上における主走査方向の画像形成位置を1画素分より短
い間隔で切り換えることができる切換手段と、前記補正
手段によって補正された画素毎の画像形成位置におい
て、1画素未満に対応する画像形成位置については当該
画像形成位置に対応する位置で画像形成位置が切り換え
られるように前記切換手段を制御する制御手段と、を更
に備えたことを特徴としたものである。
【0025】請求項3に記載の画像形成装置によれば、
請求項1又は請求項2記載の発明において、感光体上に
おける主走査方向の画像形成位置を1画素分より短い間
隔で切り換えることができる切換手段が更に備えられ、
制御手段により、補正手段によって補正された画素毎の
画像形成位置において、1画素未満に対応する画像形成
位置については当該画像形成位置に対応する位置で画像
形成位置が切り換えられるように切換手段が制御され
る。
【0026】このように、請求項3に記載の画像形成装
置によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同様の
効果を奏することができると共に、補正された画素毎の
画像形成位置において、1画素未満に対応する画像形成
位置については当該画像形成位置に対応する位置で画像
形成位置が切り換えられるように制御しているので、よ
り高精度に画像形成位置を補正することができる。
【0027】また、請求項4記載の画像形成装置は、請
求項3記載の発明において、各々前記画像データと画素
毎に比較することにより1画素分より短い間隔で主走査
方向の画像形成位置を設定することができる複数の参照
波を生成する参照波生成手段を更に備え、前記切換手段
は、前記参照波生成手段によって生成された複数の参照
波から何れか1つを選択的に用いることによって主走査
方向の画像形成位置を1画素分より短い間隔で切り換え
ることを特徴としたものである。
【0028】請求項4に記載の画像形成装置によれば、
請求項3記載の発明において、参照波生成手段により、
各々画像データと画素毎に比較することにより1画素分
より短い間隔で主走査方向の画像形成位置を設定するこ
とができる複数の参照波が生成され、切換手段により、
上記参照波生成手段によって生成された複数の参照波か
ら何れか1つが選択的に用いられることによって主走査
方向の画像形成位置が1画素分より短い間隔で切り換え
られる。
【0029】このように、請求項4に記載の画像形成装
置によれば、請求項3記載の発明と同様の効果を奏する
ことができると共に、各々画像データと画素毎に比較す
ることにより1画素分より短い間隔で主走査方向の画像
形成位置を設定することができる複数の参照波を生成
し、かつ該複数の参照波から何れか1つを選択的に用い
ることによって主走査方向の画像形成位置を1画素分よ
り短い間隔で切り換えているので、該切り換えを高速に
行うことができ、この結果として高速に画像形成位置の
補正を行うことができる。
【0030】なお、請求項4記載の発明における複数の
参照波は、請求項5記載の画像形成装置のように、1画
素内における主走査方向に対する画像形成位置を、主走
査開始側の位置、中央の位置、主走査終了側の位置、及
び中央の位置を除く主走査開始側及び主走査終了側の位
置、のうちの複数の位置を設定するものとして構成する
ことができる。
【0031】なお、各々一例として、主走査開始側の位
置を設定する参照波は左端が頂点とされた三角波により
構成することができ、中央の位置を設定する参照波は中
央が頂点とされた三角波により構成することができ、主
走査終了側の位置を設定する参照波は右端が頂点とされ
た三角波により構成することができ、更に中央の位置を
除く主走査開始側及び主走査終了側の位置を設定する参
照波は中央が0(零)で左端及び右端が頂点とされた波
形形状の信号波により構成することができる。
【0032】一方、請求項6記載の画像形成装置は、請
求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明において、
前記補正手段による画像形成位置の補正に先立って、前
記画像データにより形成される画像の品質を向上するよ
うに前記画像データを変換する画像データ変換手段を更
に備えたことを特徴としたものである。
【0033】請求項6に記載の画像形成装置によれば、
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の発明におい
て、画像データ変換手段により、補正手段による画像形
成位置の補正に先立って、画像データにより形成される
画像の品質を向上するように画像データが変換される。
なお、上記画像データの変換には、画像エッジのスムー
ジングを行う変換、画像の鮮鋭化(シャープネス)を行
う変換等を適用することができる。
【0034】このように、請求項6に記載の画像形成装
置によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の
発明と同様の効果を奏することができると共に、画像形
成位置の補正に先立って、画像データにより形成される
画像の品質を向上するように画像データを変換している
ので、高品質な画像を形成することができる。
【0035】また、請求項7記載の画像形成装置は、請
求項1乃至請求項6の何れか1項記載の発明において、
複数の光ビームによって画像を形成する場合、前記所定
の画像形成位置及び前記所定の主走査ライン長を、前記
複数の光ビームの何れか1つによって形成された画像の
画像形成位置及び主走査ライン長とすることを特徴とし
たものである。
【0036】このように、請求項7に記載の画像形成装
置によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の
発明と同様の効果を奏することができると共に、複数の
光ビームによって画像を形成する場合、本発明に係る所
定の画像形成位置及び所定の主走査ライン長を、複数の
光ビームの何れか1つによって形成された画像の画像形
成位置及び主走査ライン長としているので、所定の画像
形成位置及び所定の主走査ライン長を別個に設定する必
要がなく、効率的に画像形成位置の補正を行うことがで
きる。
【0037】ところで、請求項4に記載の発明のよう
に、参照波を用いて画像形成位置を1画素分より短い間
隔で設定する場合は、参照波の全ての領域において線形
性(リニアリティ)を保証することは困難であるため、
参照波の全ての領域を用いて画像形成位置を設定した場
合には、画像形成位置の誤差や濃度むらが発生する場合
がある。
【0038】すなわち、一例として図35(A)に示す
ように、参照波と画像形成位置補正後の画像データ(図
35(A)では「補正画像データ」と表記)との比較に
よってPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変
調)信号を生成して用いる場合において、参照波が全て
の領域で線形な応答性をもつ場合に生成されるPWM信
号は、PWM信号のパルス発生時間及びパルス幅(図3
5(A)のTonに相当)が画像データに応じた正確な
ものとなり、結果的に形成される画像の位置及び線幅に
誤差は発生しない。
【0039】ところが、一例として図35(B)に示す
ように、参照波の最小レベル近傍及び最大レベル近傍に
非線形な応答性をもつ場合は、該参照波と補正画像デー
タとの比較によって生成されるPWM信号は、PWM信
号のパルス発生時間及びパルス幅(図35(B)のTo
n’に相当)の双方について誤差が発生し、結果的に形
成される画像の位置及び線幅に誤差が発生することにな
る。
【0040】このような場合等に対応するために請求項
8記載の画像形成装置は、線形領域及び非線形領域の少
なくとも一方が既知であり、かつ画像データと画素毎に
比較される参照波を生成する参照波生成手段と、前記画
像データの大きさが前記参照波の非線形領域に位置する
場合に前記画像データの大きさを前記参照波の非線形領
域以外の領域に位置するように調整する調整手段と、前
記調整手段によって調整された画像データと前記参照波
とを画素毎に比較することにより当該画像データに対応
するパルス幅のパルス幅変調信号を生成するPWM信号
生成手段と、前記PWM信号生成手段によって生成され
たパルス幅変調信号に基づいて感光体を光ビームで走査
することにより画像を形成するPWM画像形成手段と、
を備えている。
【0041】請求項8に記載の画像形成装置によれば、
参照波生成手段によって線形領域及び非線形領域の少な
くとも一方が既知であり、かつ画像データと画素毎に比
較される参照波が生成され、画像データの大きさが参照
波の非線形領域に位置する場合に画像データの大きさが
参照波の非線形領域以外の領域に位置するように調整手
段によって調整される。ここで、上記参照波には、三角
波やのこぎり波等が含まれる。
【0042】また、この発明では、PWM信号生成手段
により、調整手段によって調整された画像データと上記
参照波とが画素毎に比較されることにより当該画像デー
タに対応するパルス幅のパルス幅変調信号が生成され、
PWM画像形成手段により、上記パルス幅変調信号に基
づいて感光体が光ビームで走査されることによって画像
が形成される。
【0043】このように、請求項8に記載の画像形成装
置によれば、画像データの大きさが参照波の非線形領域
に位置する場合に画像データの大きさを参照波の非線形
領域以外の領域に位置するように調整しているので、参
照波の非線形領域に起因する画像の位置及び線幅の誤差
を抑制することができると共に、参照波のリニアリティ
特性の要求値を緩和することができるので、参照波生成
のためのコストを低減することができる。
【0044】ここで、通常、参照波における非線形領域
の発生箇所として特に多いのは、図35(B)にも示さ
れるような、参照波の最大レベル付近の領域と最小レベ
ル付近の領域の2箇所である。
【0045】この場合に対応するために、請求項9記載
の画像形成装置は、請求項8記載の発明において、前記
調整手段は、前記参照波の非線形領域が当該参照波の第
1のレベル以上の領域と該第1のレベルより小さな第2
のレベル以下の領域の少なくとも一方の領域に存在する
場合に、前記画像データの大きさが前記第1のレベル以
上で、かつ前記第1のレベルに近いときは前記画像デー
タの大きさを前記第1のレベルとし、前記画像データの
大きさが前記第1のレベル以上で、かつ前記参照波の最
大レベルに近いときは前記画像データの大きさを前記最
大レベルとし、前記画像データの大きさが前記第2のレ
ベル以下で、かつ前記第2のレベルに近いときは前記画
像データの大きさを前記第2のレベルとし、前記画像デ
ータの大きさが前記第2のレベル以下で、かつ前記参照
波の最小レベルに近いときは前記画像データの大きさを
前記最小レベルとすることにより前記画像データの大き
さを調整することを特徴としたものである。
【0046】このようにすることにより、画像データの
調整に伴って発生する当該画像データの誤差を最小限に
抑えることができる。
【0047】一方、請求項8又は請求項9記載の画像形
成装置を、主走査方向の画像形成位置を補正することが
できる画像形成装置として構成するためには、請求項1
0記載の発明のように、前記光ビームによる前記感光体
上の主走査方向に対する画像形成位置が所定の画像形成
位置となるように補正するための補正情報を導出する補
正情報導出手段と、前記補正情報導出手段によって導出
された補正情報に基づいて前記調整手段によって調整さ
れる画像データを補正する画像データ補正手段と、を更
に備えればよい。
【0048】請求項10に記載の画像形成装置によれ
ば、光ビームによる上記感光体上の主走査方向に対する
画像形成位置が所定の画像形成位置となるように補正す
るための補正情報が補正情報導出手段によって導出さ
れ、導出された補正情報に基づいて、上記調整手段によ
って調整される画像データが画像データ補正手段によっ
て補正される。
【0049】このように、請求項10に記載の画像形成
装置によれば、請求項8又は請求項9記載の発明と同様
の効果を奏することができると共に、光ビームによる感
光体上の主走査方向に対する画像形成位置が所定の画像
形成位置となるように補正するための補正情報を導出
し、該補正情報に基づいて調整手段によって調整される
画像データを補正しているので、所定の画像形成位置に
画像を形成することができ、機械的な補正や高周波信号
を要することなく、高速、低コストで、かつ安定して主
走査方向の画像形成位置を高精度に補正することができ
る。
【0050】また、請求項10に記載の発明における補
正情報としては、請求項11記載の発明のように、前記
光ビームによる前記感光体上の実際の主走査ライン長と
所定の主走査ライン長との割合に関する第1の情報、前
記光ビームによる前記感光体上の実際の主走査ラインと
所定の主走査ラインとの部分的な長さの割合に関する第
2の情報、及び前記走査光学系の特性の所定の特性に対
する誤差に関する第3の情報の少なくとも1つの情報を
適用することができる。
【0051】一方、請求項12記載の画像形成装置は、
請求項10又は請求項11記載の発明において、複数の
光ビームによって画像を形成する場合、前記補正情報導
出手段による補正情報の導出を前記複数の光ビームの何
れか1つによって形成された画像を基準として行うこと
を特徴としたものである。
【0052】このように、請求項12に記載の画像形成
装置によれば、請求項10又は請求項11記載の発明と
同様の効果を奏することができると共に、複数の光ビー
ムによって画像を形成する場合、補正情報の導出を上記
複数の光ビームの何れか1つによって形成された画像を
基準として行っているので、補正情報を導出する際の基
準となる画像を形成するための手段を別個に設ける必要
がなく、効率的に画像形成位置の補正を行うことができ
る。
【0053】一方、請求項8乃至請求項12の何れか1
項に記載の発明では、パルス幅変調信号を生成する際
に、参照波の非線形領域については使用しないように画
像データを調整するので、調整前の画像データによって
形成される画像の主走査方向幅と調整後の画像データに
よって形成される画像の主走査方向幅には誤差が生じて
しまう場合がある。
【0054】この場合に対応するために、請求項13に
記載の画像形成装置は、請求項8乃至請求項12の何れ
か1項記載の発明において、前記調整手段は、画像デー
タを調整する際に発生した画像データの誤差を当該画素
に隣接する画素に分散することを特徴としたものであ
る。
【0055】請求項13に記載の画像形成装置によれ
ば、調整手段によって画像データが調整される際に発生
した画像データの誤差が当該画素に隣接する画素に分散
される。
【0056】このように、請求項13に記載の画像形成
装置によれば、請求項8乃至請求項12の何れか1項記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、画
像データを調整する際に発生した画像データの誤差を当
該画素に隣接する画素に分散しているので、形成された
画像を目視した場合の視覚的な線幅を理想的な線幅に近
いものとすることができる。
【0057】同様に、請求項8乃至請求項12の何れか
1項記載の発明では、参照波としてステップ状のデジタ
ル参照波を使用する場合についても、参照波の非線形領
域については使用しないように画像データを調整するの
で、調整前の画像データによって形成される画像の主走
査方向幅と調整後の画像データによって形成される画像
の主走査方向幅には量子化誤差が生じてしまう場合があ
る。
【0058】この場合に対応するために、請求項14に
記載の画像形成装置は、請求項8乃至請求項12の何れ
か1項記載の発明において、前記参照波生成手段によっ
て生成される参照波がステップ形状のデジタル参照波で
あり、前記調整手段が、画像データを調整する際に発生
した画像データの量子化誤差を当該画素に隣接する画素
に分散することを特徴としたものである。
【0059】請求項14に記載の画像形成装置によれ
ば、参照波生成手段によって生成される参照波がステッ
プ形状のデジタル参照波である場合において、調整手段
によって、画像データを調整する際に発生した画像デー
タの量子化誤差が当該画素に隣接する画素に分散され
る。
【0060】このように、請求項14に記載の画像形成
装置によれば、請求項8乃至請求項12の何れか1項記
載の発明と同様の効果を奏することができると共に、参
照波がステップ形状のデジタル参照波である場合におい
て、画像データを調整する際に発生した画像データの量
子化誤差を当該画素に隣接する画素に分散しているの
で、形成された画像を目視した場合の視覚的な線幅を理
想的な線幅に近いものとすることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、
本発明を複数の光ビーム走査装置及び感光体を有する所
謂タンデム型のカラー画像形成装置に適用した場合につ
いて説明する。
【0062】〔第1実施形態〕まず、本実施の形態に係
るカラー画像形成装置10の構成を説明する。
【0063】図1(A)に示すように、本実施の形態に
係るカラー画像形成装置10には、入力されたカラー画
像データ(例えば、ラスター形式の画像データ)をK
(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ
ー)の4色に各々対応する4つのLD点灯信号(レーザ
変調信号)として出力する画像処理部12と、該画像処
理部12から出力されたK、C、M、Yの各LD点灯信
号のうち、対応する色のLD点灯信号を入力して該LD
点灯信号に応じた光ビームを出射するK用の光ビーム走
査装置14K、C用の光ビーム走査装置14C、M用の
光ビーム走査装置14M、及びY用の光ビーム走査装置
14Yと、が備えられている。
【0064】また、カラー画像形成装置10には、光ビ
ーム走査装置14K、14C、14M、14Yに各々対
応する感光体20K、20C、20M、20Yと、各感
光体から像が転写される転写ベルト42と、転写ベルト
42上に形成された後述するレジストマークを検知する
レジスト検知装置44と、が備えられている。
【0065】また、光ビーム走査装置14KにはLDD
16Kが備えられており、画像処理部12から入力され
たLD点灯信号によって、後述するLD18K(図2も
参照)から出射される光ビームを変調し、感光体20K
上を走査する。
【0066】図2には、光ビーム走査装置14Kの概略
構成が示されている。なお、光ビーム走査装置14C、
14M、14Yについても構成は同一であるので説明は
省略する。
【0067】光ビーム走査装置14KにはLD18Kが
備えられており、LD18Kの光ビーム出射方向下流側
には、コリメートレンズ22、シリンダレンズ24、シ
リンダレンズ26、及び折り返しミラー28が順に配置
されており、折り返しミラー28による光ビームの反射
方向には、図示しないモータによって略等角速度で図2
矢印A方向に回転されるポリゴンミラー30が配置され
ている。
【0068】また、ポリゴンミラー30による光ビーム
の反射方向には、fθレンズ32、fθレンズ34、及
びシリンダミラー36が順に配置されており、シリンダ
ミラー36による光ビームの反射方向には折り返しミラ
ー38が配置され、更に折り返しミラー38による光ビ
ームの反射方向にはウィンドーガラス40、及び図示し
ないモータによって図2矢印B方向に回転される感光体
20Kが順に配置されている。
【0069】一方、シリンダミラー36の側方近傍で、
かつ光ビームが入射可能な位置に光センサ50が配置さ
れている。なお、光センサ50の配置位置はシリンダミ
ラー36の側方近傍に限定されるものではなく、ポリゴ
ンミラー30から感光体20Kに至る光ビームの光路上
であり、感光体20K上の画像形成領域より外側でかつ
主走査開始位置近傍に対応する位置であれば如何なる位
置でもよい。
【0070】図3には画像処理部12の概略構成が示さ
れている。同図に示すように、画像処理部12には、画
像形成の対象とするカラー画像データが入力される多値
画像データ発生器60と、レジスト検知装置44の出力
端に入力端が接続されたレジスト誤差データ取得部61
と、該レジスト誤差データ取得部61の出力端に入力端
が接続されたレジスト補正データ発生器62と、後述す
るfθ誤差補正データΔXが予め記憶されたfθ誤差補
正データ記憶部64と、上記多値画像データ発生器6
0、レジスト補正データ発生器62及びfθ誤差補正デ
ータ記憶部64の各々の出力端に入力端が接続された画
像位置ずれ補正装置70と、が備えられている。
【0071】なお、上記レジスト誤差データ取得部61
には、後述するレジストマークの基準位置(レジストマ
ークの主走査方向における理想的な位置)を示すデータ
が記憶されたメモリ(図示省略)が備えられている。
【0072】また、LD18から出射された光ビーム
は、fθレンズ32、34の設計上、又は製造上の特性
誤差に起因して、一例として図4に示すように、画像デ
ータの主走査方向座標Xに対する感光体上の露光位置及
び走査速度が理想値よりずれてしまう場合が多い。
【0073】そこで、fθ誤差補正データ記憶部64に
は光ビーム走査装置14の製造時に測定されたfθレン
ズ32、34の露光位置及び走査速度の理想値に対する
誤差に基づいて、該誤差がない場合における画像形成位
置に画像形成ができるように画像データの座標変換を行
うためのfθ誤差補正データΔXが予め記憶されてお
り、画像位置ずれ補正装置70では必要に応じて上記f
θ誤差補正データΔXを用いた画像データの座標変換を
行う。
【0074】一方、図5には画像位置ずれ補正装置70
の概略構成が示されている。同図に示すように画像位置
ずれ補正装置70には、多値画像データ発生器60、レ
ジスト補正データ発生器62及びfθ誤差補正データ記
憶部64の各々の出力端に入力端が接続された座標変換
器72と、該座標変換器72の出力端に入力端が接続さ
れた画像データ変換器74と、各々1画素中における主
走査方向に対する異なる画像形成位置を設定するための
参照波を生成する参照波生成器76M、76L、76
R、76Sと、一方の入力端が画像データ変換器74の
一方の出力端(後述する画像濃度データD2(XB)を
出力する出力端)に接続され、かつ他方の入力端が各々
対応する上記参照波生成器76M、76L、76R、7
6Sの出力端に接続された比較器78M、78L、78
R、78Sと、比較器78M、78L、78R、78S
の各々の出力端及び画像データ変換器74の他方の出力
端(後述する画像位置データE2(XB)を出力する出
力端)に接続された選択器80と、が備えられている。
【0075】なお、参照波生成器76Mでは図11に示
す参照波AS1が、参照波生成器76Lでは図11に示
す参照波AS2が、参照波生成器76Rでは図11に示
す参照波AS3が、参照波生成器76Sでは図11に示
す参照波AS4が、各々生成される。
【0076】更に、図6には画像データ変換器74の概
略構成が示されている。同図に示すように画像データ変
換器74には、座標変換器72の出力端に入力端が接続
されたエッジ位置計算器90と、該エッジ位置計算器9
0の出力端に入力端が接続された新規画像データ計算器
92と、が備えられている。
【0077】多値画像データ発生器60が本発明の画像
データ変換手段に、レジスト誤差データ取得部61及び
レジスト補正データ発生器62が本発明の導出手段に、
fθ誤差補正データ記憶部64が本発明の記憶手段に、
画像位置ずれ補正装置70が本発明の補正手段に、画像
データ変換器74が本発明の制御手段に、参照波生成器
76が本発明の参照波生成手段に、選択器80が本発明
の切換手段に、各々相当する。
【0078】次に、本実施の形態に係るカラー画像形成
装置10の作用を説明する。まず、実際の画像形成処理
を行うに先立ってカラー画像形成装置10で実施される
レジスト誤差データ取得処理について説明する。
【0079】まず、画像処理部12は画像濃度データ及
び画像位置データを含む共通の画像データを光ビーム走
査装置14K、14C、14M、14Yに出力すること
によって、一例として図1(B)に示すように、転写ベ
ルト42の幅方向両端部に副走査方向に沿った直線状の
各色毎のレジストマークを形成させる。
【0080】その後、転写ベルト42を図1(A)矢印
C方向に移動させることによって、画像処理部12には
各色に対応するレジストマークの主走査方向に対する位
置を示すデータがレジスト検知装置44A及び44Bか
ら入力される。
【0081】各色のレジストマークの位置を示すデータ
が入力された画像処理部12では、レジスト誤差データ
取得部61によって各色毎に次に示すようにサイドレジ
差SX及び画像倍率MXを算出する。
【0082】例えばK色に対するサイドレジ差SX及び
画像倍率MXを算出する場合は、図7に示すように、サ
イドレジ差SXは主走査開始側のK色のレジストマーク
の位置を示すデータから、予め記憶されている主走査開
始側の基準位置を示すデータを減じることによって得
て、画像倍率MXは主走査開始側と主走査終了側の各基
準位置間の距離Aを主走査開始側と主走査終了側のK色
による各レジストマーク間の距離Bで除することによっ
て得る。Y色、M色、及びC色の各色に対するサイドレ
ジ差SX及び画像倍率MXも同様に算出する。
【0083】すなわち、上記各色毎のレジストマーク
は、各色毎の主走査方向に対する位置ずれが発生しない
理想的な状態下では、図1(B)に示すように主走査方
向に対するずれがない状態で形成されるが、実際には光
ビーム走査装置に含まれる光学部材の取り付け位置の誤
差や特性の誤差、光ビーム走査装置の設置位置の誤差、
感光体の取り付け位置の誤差等に起因して、一例として
図8に示すように、ずれが発生した状態で形成される。
そこで、本実施の形態に係るカラー画像形成装置10で
は、上記各色毎のレジストマークを検出し、検出された
レジストマークの位置に基づいて各色毎の主走査方向の
ずれ量に関する値としてサイドレジ差SXを、主走査ラ
イン長に関する値として画像倍率MXを導出している。
【0084】その後、以上のように導出した各色毎のサ
イドレジ差SX及び画像倍率MXをレジスト補正データ
発生器62に出力した後に本レジスト誤差データ取得処
理を終了する。
【0085】次に、実際の画像形成処理を行う際にカラ
ー画像形成装置10で実施される処理について説明す
る。なお、本実施形態では、fθレンズ32、34の特
性上の理想値との誤差がない場合について説明する。
【0086】多値画像データ発生器60では、入力され
たカラー画像データによって形成される画像のエッジ部
のジャギー(ぎざぎざ)を抑制するように画素毎にカラ
ー画像データを変換する。
【0087】すなわち、多値画像データ発生器60に
は、入力された画像データが2値画像データである場合
に適用する画像変換テーブルTB1(図9参照)と、入
力された画像データが多値画像データであり、かつ画像
位置データを有しない場合に用いる画像変換テーブルT
B2(図10参照)と、の2種類の変換テーブルが予め
用意されており、各画像変換テーブルによって画素毎に
画像データを変換する。
【0088】なお、画像変換テーブルTB1及び画像変
換テーブルTB2における‘−1’は注目画素の左隣の
画素を示し、‘+1’は注目画素の右隣の画素を示す。
また、‘M’、‘R’、‘L’は各々1画素内におけ
る、主走査方向中心(以下、「中置き」という)、主走
査方向右側(以下、「右寄せ」という)、主走査方向左
側(以下、「左寄せ」という)を示す。
【0089】すなわち、画像変換テーブルTB1では、
例えば注目画素の左隣の画素、注目画素、注目画素の右
隣の画素、の各々の値が全て‘0’である場合(入力画
像パターンの場合)、多値の画像濃度データD0
(X)として‘0.00’が、画像位置データE0
(X)として‘M’が得られ、注目画素の左隣の画素、
注目画素、注目画素の右隣の画素、の各々の値が
‘0’、‘1’、‘1’である場合(入力画像パターン
の場合)、多値の画像濃度データD0(X)として
‘0.75’が、画像位置データE0(X)として
‘R’が得られる。
【0090】また、画像変換テーブルTB2では、例え
ば注目画素の左隣の画素及び右隣の画素の双方の値が
‘0’である場合(入力画像パターンの場合)、画像
位置データE0(X)として‘M’が得られ、注目画素
の左隣の画素及び右隣の画素の各々の値が‘≠0’及び
‘0’である場合(入力画像パターンの場合)、画像
位置データE0(X)として‘L’が得られる。また、
この場合は入力された画像データが多値画像データであ
るので、入力された画像データの画像濃度データが多値
の画像濃度データD0(X)として得られる。
【0091】なお、画像変換テーブルTB1又は画像変
換テーブルTB2によって画像データの変換を行う際
に、注目画素が画像の左端に位置するときは、注目画素
の左隣の画素のデータ(図9及び図10における‘−
1’のデータ)が‘0’であるものとして変換を行い、
注目画素が画像の右端に位置するときは、注目画素の右
隣の画素のデータ(図9及び図10における‘+1’の
データ)が‘0’であるものとして変換を行う。
【0092】また、入力された画像データが多値画像デ
ータであり、かつ画像位置データを有する場合には、入
力された画像データの画像濃度データ及び画像位置デー
タが、各々多値の画像濃度データD0(X)及び画像位
置データE0(X)として得られる。従って、この場合
に対応するための画像変換テーブルは用意されていな
い。
【0093】そして、多値画像データ発生器60では、
以上によって得られた画像濃度データD0(X)及び画
像位置データE0(X)と、主走査方向座標Xとを画像
位置ずれ補正装置70に出力する。
【0094】一方、レジスト補正データ発生器62で
は、レジスト誤差データ取得部61から上述したレジス
ト誤差データ取得処理によって入力された各色毎のサイ
ドレジ差SX及び画像倍率MXを次の(1)式及び
(2)式に代入することによって、各色毎のサイドレジ
補正量S及び倍率補正量MAを算出して画像位置ずれ補
正装置70に出力する。サイドレジ補正量Sが本発明の
第1の値に、倍率補正量MAが本発明の第2の値に、各
々相当する。
【0095】 S=−SX (1) MA=1/MX (2) 更に、画像位置ずれ補正装置70では、レジスト補正デ
ータ発生器62から入力されたサイドレジ補正量S及び
倍率補正量MAと多値画像データ発生器60から入力さ
れた主走査方向座標Xとに基づいて、多値画像データ発
生器60から入力された画像濃度データD0(X)及び
画像位置データE0(X)を変換して得られるデータ
(画像濃度データD2(XB)及び画像位置データE2
(XB))によりLD点灯信号を得てLDD16に出力
することによって、各色毎に画像形成位置のずれを補正
する。
【0096】すなわち、画像位置ずれ補正装置70の座
標変換器72では、次の(3)式に上記各色毎のサイド
レジ補正量S及び倍率補正量MAを代入することによっ
て、主走査方向座標Xを補正座標XA(X)に変換す
る。この変換によって補正座標XA(X)は実数値とし
て得られる。
【0097】 XA(X)=S+(X×MA) (3) そして、多値画像データ発生器60から入力された画像
濃度データD0(X)及び画像位置データE0(X)を
上記補正座標XAに対応する画像濃度データD0(X
A)及び画像位置データE0(XA)に各々変換した後
に補正座標XA、画像濃度データD0(XA)及び画像
位置データE0(XA)を画像データ変換器74に出力
する。
【0098】画像データ変換器74では、補正座標XA
を整数値の補正座標XBに変換した後に、該補正座標X
Bに対応する画像濃度データD2(XB)及び画像位置
データE2(XB)を算出する。
【0099】すなわち、画像データ変換器74では、エ
ッジ位置計算器90により、座標変換器72から入力さ
れた補正座標XA、画像濃度データD0(XA)及び画
像位置データE0(XA)に基づいて、各画像データに
対応する左エッジ位置データEL(XA)及び右エッジ
位置データER(XA)を算出した後に新規画像データ
計算器92に出力し、新規画像データ計算器92では、
入力された各エッジ位置データに基づいて理想位置に画
像が形成できる画像濃度データD2(XB)及び画像位
置データE2(XB)を算出し、画像濃度データD2
(XB)を比較器78M、78L、78R、78Sに出
力すると共に、画像位置データE2(XB)を選択器8
0に出力する。
【0100】一方、比較器78M、78L、78R、7
8Sの各々の他方の入力端には各々参照波生成器76
M、76L、76R、76Sの各々によって生成された
参照波が入力されており、各比較器では画像濃度データ
D2(XB)をアナログデータに変換した後に参照波と
比較し、参照波ASが上記アナログデータより大きな期
間をオン状態としてLDを点灯するLD点灯信号を生成
して選択器80に出力する。
【0101】すなわち、図11に示すように、参照波A
Sとして中心が頂点とされた三角波である中置き(M)
用の参照波AS1が入力された比較器78Mでは、参照
波AS1が上記アナログデータより大きな期間は1画素
中の中心部であるので、主走査方向中心に画素の中心が
一致するように画像を形成できるLD点灯信号が出力さ
れる。
【0102】また、参照波ASとして左端が頂点とされ
た三角波である左寄せ(L)用の参照波AS2が入力さ
れた比較器78Lでは、参照波AS2が上記アナログデ
ータより大きな期間は1画素中の左端部であるので、主
走査方向左端に画素が位置するように画像を形成できる
LD点灯信号が出力され、参照波ASとして右端が頂点
とされた三角波である右寄せ(R)用の参照波AS3が
入力された比較器78Rでは、参照波AS3が上記アナ
ログデータより大きな期間は1画素中の右端部であるの
で、主走査方向右端に画素が位置するように画像を形成
できるLD点灯信号が出力される。
【0103】更に、参照波ASとして中心が0で左端及
び右端の双方が頂点とされた波形形状である外置き(S
P)用の参照波AS4が入力された比較器78Sでは、
参照波AS4が上記アナログデータより大きな期間は1
画素中の左端部及び右端部であるので、主走査方向左端
及び右端に画素が位置するように画像を形成できるLD
点灯信号が出力される。
【0104】各比較器からLD点灯信号が入力され、か
つ画像データ変換器74から画像位置データE2(X
B)が入力された選択器80では、各LD点灯信号から
画像位置データE2(XB)が示す位置に対応したLD
点灯信号を選択してLDD16に出力し、LDD16で
は、画像処理部12から入力されたLD点灯信号によっ
て、LD18から出射される光ビームを変調する。
【0105】そして、K色に対応するLD18K(図2
も参照)から出射された光ビームはコリメートレンズ2
2により平行光とされ、シリンダレンズ24、26を順
に透過して折り返しミラー28でポリゴンミラー30の
方向へ折り返される。
【0106】ポリゴンミラー30は正多角柱状とされて
おり、図示しないモータにより図2矢印A方向へ略等角
速度で回転されることによって、ポリゴンミラー30の
反射面に入射された光ビームはポリゴンミラー30の回
転角度に応じた所定方向に偏向され、fθレンズ32及
び34を順に透過した後にシリンダミラー36により折
り返しミラー38の方向へ反射される。その後、光ビー
ムは折り返しミラー38によって感光体20Kの方向へ
折り返され、ウインドーガラス40を介して感光体20
K上を主走査する。
【0107】この主走査の際には、光センサ50を光ビ
ームが走査したときを走査開始基準時間とし、1画素幅
に相当する周期とされたビデオクロックに同期してLD
D16Kに送信される画像データによって上記LD18
Kは点灯/消灯が選択される。
【0108】また、主走査方向と直交する方向、すなわ
ち図2矢印B方向に感光体20Kを一定の速度で回転さ
せることにより副走査が成されて、上記主走査及び副走
査によって2次元の走査露光が成される。
【0109】その後、感光体20Kの露光された部分に
図示しない現像器によってK色のトナーが付着され、該
付着されたK色のトナーによるトナー像が図1(A)矢
印C方向へ進行する転写ベルト42に図示しない転写装
置によって転写される。
【0110】同様にして、光ビーム走査装置14C、1
4M、14Yによって感光体20C、20M、20Y上
が各々走査露光されることにより、シアン、マゼンタ、
イエローの各色のトナー像が転写ベルト42に転写さ
れ、該トナー像が図示しない用紙上に一括転写されるこ
とによってカラー画像が形成される。
【0111】次に、上述した画像形成処理時に画像処理
部12において実施されるデータ処理について、図12
及び図13を参照して、具体的かつ詳細に説明する。な
お、図12は、画像処理部12において実施されるデー
タ処理の流れの概要を示すフローチャートである。ま
た、図13では、‘X’との混同を避けるために‘×’
(かける)を‘*’と表記している。
【0112】画像濃度データD0(X)が、1画素期間
中の全てについてLD18をオンとする場合に‘1’に
なり、全てについてオフとする場合に‘0’になるとす
れば、図13に示す画像濃度データD0(X)と画像位
置データE0(X)は、理想画像イメージIMG0に示
すように座標X=2及び座標X=4においてのみ1画素
期間全てがオンになり、他の座標Xではオフとなる。
【0113】しかしながら、実際のカラー画像形成装置
が、画像座標イメージIMG1に示すように主走査方向
のずれがある場合は、本来の画像データで画像形成を行
うと意図しない位置に画像が形成されてしまうことにな
る。
【0114】そこで、まず、図12のステップ1では、
レジスト補正データ発生器62において、上述したよう
に(1)式及び(2)式によって各色毎のレジスト補正
量(サイドレジ補正量S及び倍率補正量MA)を算出す
る。すなわち、レジスト誤差データ取得部61によって
得られたサイドレジ差SXが‘−1.3’であり、画像
倍率MXが‘1.11’である場合、座標を補正するた
めのサイドレジ補正量S及び倍率補正量MAは次のよう
になる。
【0115】S=1.3(=−(−1.3)) MA=0.9(=1/1.11) 次のステップ2では、座標変換器72において、上述し
たように上記(3)式にサイドレジ補正量S及び倍率補
正量MAを代入することによって補正座標XA(X)を
算出する。図13に示す例では、XA(−1)=0.
4、XA(0)=1.3、XA(1)=2.2、XA
(2)=3.1、・・・となる。
【0116】図13に示すように、画像座標イメージI
MG1に示す実際の座標において、主走査方向座標Xを
補正座標XA(X)に置き換えることで、画像座標イメ
ージIMG2に示すように、座標位置を見かけ上、理想
画像イメージIMG0と等しくすることができる。
【0117】次のステップ3では、エッジ位置計算器9
0において、画像位置データE0(X)と補正座標XA
とに基づいて、各画像のエッジ位置(左エッジ位置デー
タEL(XA)及び右エッジ位置データER(XA))
を次のように算出する。なお、ここで、CTR(XA)
=(XA(X)+XA(X−1))/2とする。 (a)E0(X)=L(左寄せ)の場合 EL(XA)=XA(X−1) ER(XA)=XA(X−1)+(D0(X)×MA) (b)E0(X)=M(中置き)の場合 EL(XA)=CTR(XA)−(0.5×D0(X)×MA) ER(XA)=CTR(XA)+(0.5×D0(X)×MA) (c)E0(X)=R(右寄せ)の場合 EL(XA)=XA(X)−(D0(X)×MA) ER(XA)=XA(X) 図13に示す例では、全ての画像位置データE0(X)
が‘M’であるので、上記(b)の数式が適用され、例
えばXA=2.2である場合は、 CTR(XA)=(XA(X)+XA(X−1))/2 =(2.2+1.3)/2=1.75 EL(XA)=CTR(XA)−(0.5×D0(X)×MA) =1.75−(0.5×0×0.9)=1.75 ER(XA)=CTR(XA)+(0.5×D0(X)×MA) =1.75+(0.5×0×0.9)=1.75 となり、この場合は画像濃度データD0(X)が‘0’
であるので、左エッジ位置データEL(XA)と右エッ
ジ位置データER(XA)とが同一の値となっているこ
とがわかる。同様にXA=3.1である場合は、 CTR(XA)=(3.1+2.2)/2=2.65 EL(XA)=2.65−(0.5×1×0.9)=2.2 ER(XA)=2.65+(0.5×1×0.9)=3.1 となる。
【0118】また、補正座標XA以上の最小整数として
補正座標XBを求め、上記の演算によって得られた左エ
ッジ位置データEL(XA)が存在するエリア:EL−
Lと、右エッジ位置データER(XA)が存在するエリ
ア:ER−Eとを図14に示す変換テーブルTB3に基
づいて、ブロック及びサブブロックとして決定する。
【0119】図13に示す例では、例えばXA=2.2
である場合はXB=3であり、EL(XA)=ER(X
A)=1.75であるので、図14における主走査方向
開始位置の値が1であるブロックaが選択されると共
に、値が0.5〜0.75であるサブブロック3が選択
され、この結果、EL(XA)及びER(XA)の各々
の存在エリアEL−E及びER−Eは‘a3’となる。
【0120】同様に、XA=3.1である場合はXB=
4であり、EL(XA)=2.2、ER(XA)=3.
1であるので、EL(XA)については図14における
主走査方向開始位置の値が2であるブロックaが選択さ
れると共に、値が0〜0.25であるサブブロック1が
選択され、この結果、存在エリアEL−Eは‘a1’と
なり、ER(XA)については図14における主走査方
向開始位置の値が3であるブロックbが選択されると共
に、値が0〜0.25であるサブブロック1が選択さ
れ、この結果、存在エリアER−Eは‘b1’となる。
【0121】次のステップ4では、上記ステップ3の処
理によって得られた存在エリアEL−E及びER−Eに
基づいて、図15に示すパターン1〜パターン3の各パ
ターン毎の手順によって補正された画像位置データE1
(XB)を決定する。
【0122】すなわち、ERブロック=ELブロックの
場合(画像が1画素内に収まる場合)であるパターン1
では、変換テーブルTB4を用いて画像位置データE1
(ELとERのブロック座標)を決定する。例えば、E
Lのサブブロックが‘2’であり、ERのサブブロック
が‘3’である場合は画像位置データE1(ELとER
のブロック座標)として‘M’が選択され、ELのサブ
ブロックが‘4’であり、ERのサブブロックが‘4’
である場合は画像位置データE1(ELとERのブロッ
ク座標)として‘R’が選択される。
【0123】また、ELブロック=ERブロック−1の
場合(画像が2画素にまたがる場合)であるパターン2
では、画像位置データE1(ELブロック座標)として
‘R’が選択され、画像位置データE1(ERブロック
座標)として‘L’が選択される。更に、ELブロック
=ERブロック−2の場合(画像が3画素にまたがる場
合)であるパターン3では、E1(ELブロック座標+
1)として‘1’が選択され、E1(ERブロック座
標)として‘L’が選択される。
【0124】このようにして得られた画像位置データE
1に対して図13に示すように画素番号(〜)を付
し、並べ替えたものを図16に示す。
【0125】ここで、同一の補正座標XBに対して複数
の画像位置データE1を有する場合は、図17に示す変
換テーブルTB5を適用することにより、最終的な画像
位置データE2(XB)を決定する。
【0126】図16に示す例では、補正座標XBが4で
ある場合に2つの画像位置データE1(=‘L’)及
びE1(=‘M’)を有するが、この場合は変換テー
ブルTB5によって、E1(n−1)が‘L’でありE
1(n)が‘M’である場合に対応する‘L’が画像位
置データE2(XB)として選択される。
【0127】次のステップ5では、次のように画像濃度
データD1を算出する。 (a)EL(XB)の存在ブロック=ER(XB)の存在ブロックの場合 D1(ブロックの存在する座標)=ER(XA)−EL(XA) (b)EL(XB)の存在ブロック=ER(XB)の存在ブロック−1の場合 D1(L側ブロックの存在する座標)=ER(XA)−EL(XA) D1(R側ブロックの存在する座標) =ER(XA)−R側ブロック座標 (c)EL(XB)の存在ブロック=ER(XB)の存在ブロック−2の場合 D1(L側ブロックの存在する座標)=ER(XA)−EL(XA) D1(L側とR側の中間座標)=1 D1(R側ブロックの存在する座標) =ER(XA)−R側ブロック座標 図16に示す例では、画像位置データE1のみがEL
(XB)の存在ブロック=ER(XB)の存在ブロック
−1となっており、それ以外の画像位置データE1では
EL(XB)の存在ブロック=ER(XB)の存在ブロ
ックとなっている。従って、画像位置データE1のみ
上記(b)の数式を適用し、それ以外の画像位置データ
E1では上記(a)の数式を適用する。
【0128】この結果、画像位置データE1に対応す
る画像濃度データD1の値はXB=3において0.9
(=ER(XA)−EL(XA)=3.1−2.2)、
XB=4において0.1(=ER(XA)−R側ブロッ
ク座標=3.1−3)となる。また、例えば、画像位置
データE1に対応する画像濃度データD1の値はX
B=5において0.9(=ER(XA)−EL(XA)
=4.9−4.0)となる。
【0129】以上のように決定した画像濃度データD1
(XB)を補正座標XB毎に積算することにより、最終
的な画像濃度データD2(XB)が得られる。なお、条
件によっては、画像濃度データD2(XB)が‘1’を
越える場合がある。この場合は、当該画像濃度データD
2(XB)の値を‘1’に置換する、隣接画素の画像濃
度データD2(XB+1)に‘1’を越えた分を加算す
る等によって処理が可能となる。
【0130】このようにして得られた補正結果を図18
に示す。理想画像イメージIMG0と、補正後の形成画
像イメージIMG1とを比較すると、座標位置が異なる
にもかかわらず、見かけ上、同一の画像が形成されるこ
とが分かる。
【0131】以上詳細に説明したように、本第1実施形
態に係るカラー画像形成装置では、実際の画像形成位置
を、サイドレジ補正量と倍率補正量に基づく距離だけ主
走査方向にずらすことにより画像形成位置を補正してい
るので、機械的な補正や高周波信号を要することなく、
高速、低コストで、かつ安定して主走査方向の画像形成
位置を高精度に補正することができる。
【0132】また、本第1実施形態に係るカラー画像形
成装置では、補正された画素毎の画像形成位置におい
て、1画素未満に対応する画像形成位置については当該
画像形成位置に対応する位置で画像形成位置を切り換え
ているので、より高精度に画像形成位置を補正すること
ができる。
【0133】また、本第1実施形態に係るカラー画像形
成装置では、各々画像データ(画像濃度データ)と画素
毎に比較することにより1画素分より短い間隔で主走査
方向の画像形成位置を設定することができる4種類の参
照波を生成すると共に、該4種類の参照波から何れか1
つを選択的に用いることによって主走査方向の画像形成
位置を1画素分より短い間隔で切り換えているので、該
切り換えを高速に行うことができ、この結果として高速
に画像形成位置の補正を行うことができる。
【0134】更に、本第1実施形態に係るカラー画像形
成装置では、画像形成位置の補正に先立って、多値画像
データ発生器によって画像エッジのスムージングを行う
ように画像データを変換しているので、高品質な画像を
形成することができる。
【0135】〔第2実施形態〕上記第1実施形態では、
各光ビーム走査装置に使用されているfθレンズの特性
上の誤差がない場合について説明したが、本第2実施形
態ではfθレンズの特性上の誤差がある場合について図
19を参照しつつ説明する。なお、本第2実施形態に係
るカラー画像形成装置の構成は、上記第1実施形態に係
るカラー画像形成装置10と同様であるので、ここでの
説明は省略する。
【0136】まず、画像位置ずれ補正装置70は、サイ
ドレジ補正量Sを‘0’、倍率補正量MAを‘1’とし
て、中間補正座標XA0(X)を次の条件とする。
【0137】 XA0(X)=S+(X×MA)=X この条件下で、中間補正座標XA0(XA)を画像処理
部12内のfθ誤差補正データ記憶部64に出力するこ
とにより、光ビーム走査装置14の製造時に測定された
データに基づき、理想状態における座標Xに対応する位
置に画像を形成できるような、座標(X+ΔX)のfθ
誤差補正データΔXを入力する。fθ誤差補正データΔ
Xが本発明の第3の値に相当する。
【0138】次に、画像位置ずれ補正装置70は、補正
座標XA(X)を次の(4)式により求める。
【0139】 XA(X)=XA0(X)+ΔX (4) これ以降、上記第1実施形態におけるfθ補正なしの場
合の処理と同様の画像データ変換を行う。
【0140】この状態でレジストマークの検知を行い、
サイドレジ補正量S及び倍率補正量MAを求める。
【0141】図19に示すような理想画像イメージIM
G0に対し、fθ誤差がない場合には画像座標イメージ
IMG1に示すような画像座標となり、図中のfθ誤差
補正データΔXにより補正できるfθ誤差がある場合で
は、画像座標イメージIMG12に示すような画像座標
となる。
【0142】同様に、中間補正座標XA0(X)及び補
正座標XA(X)を算出し、上記第1実施形態における
fθ補正なしの場合の処理と同様に画像データ変換を行
うことによって、画像座標イメージIMG12を、見か
け上、画像座標イメージIMG2に示すように理想位置
と同様にすることができ、見かけ上、理想位置に画像を
形成することができる。
【0143】以上の処理によって、fθ誤差補正、サイ
ドレジ補正、倍率補正の全ての補正を行うことが可能と
なる。
【0144】以上詳細に説明したように、本第2実施形
態に係るカラー画像形成装置では、上記第1実施形態に
係るカラー画像形成装置と同様の効果を奏することがで
きると共に、サイドレジ補正量、倍率補正量に加えてf
θ誤差補正データも加味した距離だけ画像形成位置を主
走査方向にずらすことにより画像形成位置を補正してい
るので、より高精度に画像形成位置を補正することがで
きる。
【0145】なお、上記各実施形態では、感光体上の走
査速度を一定にするために用いる光学部材としてfθレ
ンズを適用した場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば、fθミラーを適用
する形態とすることもできる。
【0146】また、上記各実施形態では、本発明を1ビ
ーム毎に独立した光ビーム走査装置を有する画像形成装
置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば、1つの筐体に設置さ
れる光学部材の一部又は全部を共通に使用した1ボック
ス型の光ビーム走査装置を有する画像形成装置に適用す
る形態とすることもできる。この場合も、上記各実施形
態と同様の効果を奏することができる。
【0147】また、上記各実施形態では、光源としてレ
ーザダイオードを使用した装置に本発明を適用した場合
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えば、光源としてLED(発光ダイオード)
アレイプリントヘッドを使用した装置に適用する形態と
することもできる。
【0148】また、上記各実施形態では、各色毎のサイ
ドレジ補正量S及び倍率補正量MAを各色毎のレジスト
マークと基準位置との比較によって導出した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、各色のレジストマークのうちの1つを基準位置とし
て適用する形態とすることもできる。
【0149】〔第3実施形態〕上記第1、第2実施形態
では、参照波のリニアリティについては何ら考慮せず、
参照波の全ての領域を用いてLD点灯信号(PWM信
号)を生成する場合の形態例について説明したが、本第
3実施形態では参照波の線形領域のみを使用してPWM
信号を生成する場合の形態例について説明する。すなわ
ち、本第3実施形態では、請求項8〜請求項14に記載
の画像形成装置の実施の形態について説明する。まず、
図20を参照して、本第3実施形態に係るカラー画像形
成装置100の構成について説明する。
【0150】同図に示すように、本第3実施形態に係る
カラー画像形成装置100には、入力されたカラー画像
データ(例えば、ラスター形式の画像データ)をK
(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ
ー)の4色に各々対応する4つのLD点灯信号(レーザ
変調信号)として出力する画像処理部110と、該画像
処理部110から出力されたK、C、M、Yの各LD点
灯信号のうち、対応する色のLD点灯信号を入力して該
LD点灯信号に応じた光ビームを出射するK用の光ビー
ム走査装置120K、C用の光ビーム走査装置120
C、M用の光ビーム走査装置120M、及びY用の光ビ
ーム走査装置120Yと、が備えられている。
【0151】また、カラー画像形成装置100には、光
ビーム走査装置120K、120C、120M、120
Yに各々対応する感光体130K、130C、130
M、130Yと、各感光体から像が転写される転写ベル
ト140と、転写ベルト140上に形成された後述する
レジ検出パターンを検知する3つの光学センサ142
と、が備えられている。ここで、上記3つの光学センサ
142は、図20(A)に示されるように全ての感光体
130の転写ベルト140におけるベルト進行方向下流
側に各々設けられると共に、図20(B)に示されるよ
うに転写ベルト140上の主走査方向に沿って主走査開
始位置(図20(B)では「IN側」と表記)、主走査
中心位置(図20(B)では「CENTER」と表
記)、及び主走査終了位置(図20(B)では「OUT
側」と表記)の3箇所に設けられている。
【0152】画像処理部110には、入力されたカラー
画像データを色毎に記憶する画像メモリ部112と、画
像メモリ部112に記憶されたカラー画像データに対し
て所定の画像処理を行うメイン画像処理部114と、主
走査方向の画像形成位置のずれを補正するための処理を
行う走査線位置ずれ補正処理部116と、走査線位置ず
れ補正処理部116に対して後述するレジ検出パターン
を形成するためのPWM信号(LD点灯信号)を生成さ
せると共に、形成されたレジ検出パターンに基づいて画
像形成位置のずれ量に関する情報を検出するレジパター
ン生成・位置ずれ量検出部118と、を含んで構成され
ている。
【0153】メイン画像処理部114の入力端は画像メ
モリ部112の画像データを出力可能な出力端に接続さ
れており、メイン画像処理部114の出力端は走査線位
置ずれ補正処理部116の入力端に接続されており、走
査線位置ずれ補正処理部116のK、C、M、Yの各L
D点灯信号を出力する出力端は対応する光ビーム走査装
置120に接続されている。また、レジパターン生成・
位置ずれ量検出部118には3つの光学センサ142の
出力端が接続されており、レジパターン生成・位置ずれ
量検出部118は各光学センサ142からの出力信号に
基づいて各光学センサ142によるレジ検出パターンの
検知タイミングを知ることができる。更に、レジパター
ン生成・位置ずれ量検出部118の出力端は走査線位置
ずれ補正処理部116に接続されている。
【0154】本実施の形態に係るレジ検出パターンは、
図20(B)に示されるように、一端が接続されると共
に他端方向に向けて主走査方向間隔が副走査方向に沿っ
て徐々に開くように2本の直線が配置された形状(副走
査方向を水平方向とした場合の略‘く’の字状)に形成
されるものであり、各光学センサ142によって検出可
能な位置に、副走査方向の逆方向に対してK、C、M、
Yの順に複数回繰り返して形成される。
【0155】各光学センサ142は、このような形状の
レジ検出パターンを検出するために、各々レジ検出パタ
ーンを構成する2本の直線と略同一の角度となるように
設けられた2組のフォトセンサA及びフォトセンサBに
よって構成されている。なお、本実施の形態に係るフォ
トセンサA及びフォトセンサBは、レジ検出パターンの
副走査方向線幅の中心位置を当該レジ検出パターンの位
置として検出するために、各々2つのフォトセンサによ
り構成されている。すなわち、本実施の形態に係る光学
センサ142では、何らかの誤差要因等に起因してレジ
検出パターンの副走査方向線幅が各パターン間で異なっ
た場合であっても、高精度にレジ検出パターンの位置を
検出することができる。但し、この形態には限定され
ず、フォトセンサA及びフォトセンサBは各々1つのフ
ォトセンサで構成してもよいことは言うまでもない。
【0156】なお、本実施の形態に係る4つの光ビーム
走査装置120は、図2に示した光ビーム走査装置と同
様の構成とされているので、ここでの説明は省略する。
また、各光ビーム走査装置120には、上記第1、第2
実施形態と同様のLDD(図示省略)が備えられてお
り、画像処理部110から入力されたLD点灯信号によ
って、各光ビーム走査装置120に内蔵されたLDから
出射される光ビームを変調する。
【0157】一方、本実施の形態に係るメイン画像処理
部114は、画像メモリ部112に記憶されたカラー画
像データに対して所定の画像処理(例えば、スムージン
グ処理やシャープネス処理等)を行って画素毎の画像濃
度データを得ると共に、主走査方向座標Xと、各主走査
方向座標Xに対応する画像濃度データD(X)を出力す
る。
【0158】図21には走査線位置ずれ補正処理部11
6の概略構成が示されている。同図に示すように走査線
位置ずれ補正処理部116には、メイン画像処理部11
4の出力端及びレジパターン生成・位置ずれ量検出部1
18の出力端に入力端が接続された画像位置補正部15
0と、画像位置補正部150の出力端(後述する濃度デ
ータDn(X’)を出力する出力端)に入力端が接続さ
れた波形制御信号生成器160と、各々1画素中におけ
る主走査方向に対する異なる画像形成位置を設定するた
めの参照波を生成する参照波生成器170L、170
R、170M、170Sと、一方の入力端が画像位置補
正部150の出力端に接続され、かつ他方の入力端が各
々対応する上記参照波生成器170L、170R、17
0M、170Sの出力端に接続された比較器180L、
180R、180M、180Sと、比較器180L、1
80R、180M、180Sの各々の出力端及び波形制
御信号生成器160の出力端(後述する波形制御タグデ
ータT(X’)を出力する出力端)に接続された選択器
190と、が備えられている。
【0159】なお、参照波生成器170Mでは図11に
示す参照波AS1が、参照波生成器170Lでは図11
に示す参照波AS2が、参照波生成器170Rでは図1
1に示す参照波AS3が、参照波生成器170Sでは図
11に示す参照波AS4が、各々生成される。
【0160】一方、画像位置補正部150には、メイン
画像処理部114の主走査方向座標Xを出力する出力端
と画像濃度データD(X)を出力する出力端とが接続さ
れた座標変換器152と、レジパターン生成・位置ずれ
量検出部118の画像形成位置のずれ量に関する情報を
示す信号を出力する出力端が接続された位置補正関数発
生器154と、座標変換器152の出力端が接続された
画素位置補間器156と、画素位置補間器156の出力
端が接続されたエッジ誤差拡散器158と、が備えられ
ている。なお、位置補正関数発生器154の出力端は座
標変換器152に接続されている。また、エッジ誤差拡
散器158の出力端は画像位置補正部150全体の出力
端に相当するものであり、前述のように波形制御信号生
成器160に接続されると共に、各比較器180の一方
の入力端に接続されている。
【0161】なお、走査線位置ずれ補正処理部116に
は上記構成以外に、レジパターン生成・位置ずれ量検出
部118からの指示信号に応じ、各光ビーム走査装置1
20に対して転写ベルト140上にレジ検出パターンを
形成させるためのLD点灯信号を出力するための構成も
含まれている(図示省略)。
【0162】参照波生成器170が請求項8乃至請求項
14記載の発明の参照波生成手段に、エッジ誤差拡散器
158が本発明の調整手段に、位置補正関数発生器15
4が本発明の補正情報導出手段に、座標変換器152及
び画素位置補間器156が本発明の画像データ補正手段
に、各々相当する。
【0163】次に、図22を参照して、本第3実施形態
に係るカラー画像形成装置100における画像形成位置
の主走査方向位置ずれの補正に関する作用を説明する。
なお、図22は画像形成位置の主走査方向位置ずれを補
正する際に画像位置補正部150及び波形制御信号生成
器160において実施される処理(以下、「位置補正処
理」という)の流れを示すフローチャートである。
【0164】同図のステップ200では、各色毎のレジ
検出パターンに基づいて転写ベルト140上の主走査開
始位置における画像形成位置の位置ずれ量Δx_in、
主走査中心位置における画像形成位置の位置ずれ量Δx
_cnt、及び主走査終了位置における画像形成位置の
位置ずれ量Δx_outを次に示すように導出する。
【0165】まず、レジパターン生成・位置ずれ量検出
部118から所定の指示信号を走査線位置ずれ補正処理
部116に出力することによって走査線位置ずれ補正処
理部116に対してレジ検出パターンを形成するための
LD点灯信号を出力させる。これによって、一例として
図20(B)に示すように、転写ベルト140に各色毎
のレジ検出パターン(Kレジ検出パターン、Cレジ検出
パターン、Mレジ検出パターン、Yレジ検出パターン)
が形成される。
【0166】その後、転写ベルト140を図20(A)
に示されるベルト進行方向に所定移動速度で移動させる
ことによって、レジパターン生成・位置ずれ量検出部1
18には各色に対応するレジ検出パターンが光学センサ
142による検出位置を通過したタイミングを示す信号
が入力される。
【0167】そこでレジパターン生成・位置ずれ量検出
部118は、図20(B)に示すように、各光学センサ
142から入力された信号に基づき、次の(5)式によ
って位置ずれ量Δxを導出し、位置補正関数発生器15
4に出力する。
【0168】 Δx=0.5×Vp×(Tb−Ta) (5) ここで、Vpは転写ベルト140の移動速度を、Taは
基準となるレジ検出パターン(本実施の形態ではKレジ
検出パターン)と位置ずれ量の検出対象とするレジ検出
パターンとのフォトセンサAによる検出位置の通過時間
差を、Tbは基準となるレジ検出パターン(Kレジ検出
パターン)と位置ずれ量の検出対象とするレジ検出パタ
ーンとのフォトセンサBによる検出位置の通過時間差
を、各々示すものである。
【0169】上記(5)式に主走査開始位置に配置され
た光学センサ142から得られた通過時間差Ta及び通
過時間差Tbを代入することによって位置ずれ量Δx_
inが導出され、主走査中心位置に配置された光学セン
サ142から得られた通過時間差Ta及び通過時間差T
bを代入することによって位置ずれ量Δx_cntが導
出され、更に主走査終了位置に配置された光学センサ1
42から得られた通過時間差Ta及び通過時間差Tbを
代入することによって位置ずれ量Δx_outが導出さ
れる。
【0170】図22のステップ202では、図23に示
されるように、位置補正関数発生器154により、上記
ステップ200によって導出された位置ずれ量Δx_i
n、Δx_cnt、及びΔx_outに基づいて全倍率
変化分ΔMGn及び倍率バランス変化分ΔBLnを各々
次の(6)式及び(7)式によって導出する。
【0171】 ΔMGn=Δx_in−Δx_out (6) ΔBLn=(Δx_in−Δx_cnt)−(Δx_cnt−Δx_out) =Δx_in−2Δx_cnt+Δx_out (7) (6)式によって得られるK色を基準とした各色の全倍
率変化分を各々ΔMGn_C(Cの全倍率変化分)、Δ
MGn_M(Mの全倍率変化分)、ΔMGn_Y(Yの
全倍率変化分)とする。また、(7)式によって得られ
るK色を基準とした各色の倍率バランス変化分を各々Δ
BLn_C(Cの倍率バランス変化分)、ΔBLn_M
(Mの倍率バランス変化分)、ΔBLn_Y(Yの倍率
バランス変化分)とする。
【0172】図22のステップ204では、位置補正関
数発生器154により、以上の処理によって得られた各
種データに基づいて画素位置補正関数f(X)を導出
し、該関数f(X)を示す情報を座標変換器152に出
力する。ここで、画素位置補正関数f(X)は、補正前
の主走査方向座標Xを代入することにより、C、M、Y
の画素毎の主走査方向に対する画像形成位置が基準色
(K)の画素毎の主走査方向に対する画像形成位置と略
一致させることができる主走査方向座標X’が得られる
ように、全倍率変化分ΔMGn及び倍率バランス変化分
ΔBLnの少なくとも一方を加味して導出する。
【0173】すなわち、例えば全倍率変化分ΔMGn及
び倍率バランス変化分ΔBLnの双方を加味する場合、
補正後の主走査方向座標X’と画素位置補正関数f
(X)の関係は、次の(8)式で示すものとなる。
【0174】 X’=f(ΔMGn、ΔBLn、X)=x+xf (8) (8)式で示すように、補正後の座標X’は整数部xと
端数部xfとによって表現される。なお、本実施の形態
では、副走査方向座標に対する補正は行わないので、補
正後の副走査方向座標Y’は補正前の副走査方向座標Y
と等しくなる。画素位置補正関数f(X)が本発明の補
正情報に、全倍率変化分ΔMGnが本発明の第1の情報
に、倍率バランス変化分ΔBLnが本発明の第2の情報
に、各々相当する。
【0175】次のステップ206では、座標変換器15
2により、以上の処理によって得られた画素位置補正関
数f(X)を用いて補正座標X’を算出して画素位置補
間器156に出力すると共に、入力された画像濃度デー
タD(X)を画素位置補間器156に出力し、画素位置
補間器156によって座標X’での画像濃度データD
(X’)を次の(9)式に基づいて算出する画素補間処
理を行い、算出した画像濃度データD(X’、Y’)を
エッジ誤差拡散器158に出力する。
【0176】 D(X’、Y’)=D(X、Y)×(1−xf) +D(X+1、Y)×xf (9) 次のステップ208では、エッジ誤差拡散器158によ
り、次に示すようにエッジ誤差拡散処理を行う。なお、
ここでは、一例として図24に示すように、参照波にお
ける非線形領域が当該参照波の高レベル側閾値Vh以上
である領域と低レベル側閾値Vl以下である領域の2つ
の領域に存在しており、かつ高レベル側閾値Vh及び低
レベル側閾値Vlが走査線位置ずれ補正処理部116に
内蔵された図略のメモリに予め記憶されている場合につ
いて説明する。高レベル側閾値Vhが本発明の第1のレ
ベルに、低レベル側閾値Vlが本発明の第2のレベル
に、各々相当する。
【0177】まず、補正後の画像濃度データD(X’、
Y’)を次の(10)式によって画像濃度データDd
(X’、Y’)に変形する。
【0178】 Dd(X’、Y’)=D(X’、Y’)+e(X’、Y’) (10) ここで、e(X’、Y’)は非線形特性によるエッジ補
正誤差分であり、初期値は0(零)である。
【0179】次に、以下に示す条件判断処理によって、
画像濃度データDd(X’、Y’)が参照波の非線形領
域に入るか否かを判定すると共に、該判定結果に応じて
誤差拡散後の画像濃度データDn(X’、Y’)を導出
する。 Vl<Dd(X’、Y’)<Vhの場合: Dn(X’、Y’)=Dd(X’、Y’) Vl/2<Dd(X’、Y’)≦Vlの場合: Dn(X’、Y’)=Vl E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’)−Vl 0≦Dd(X’、Y’)≦Vl/2の場合: Dn(X’、Y’)=0 E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’) Vh≦Dd(X’、Y’)<Vh+(Vsat−V
h)/2の場合: Dn(X’、Y’)=Vh E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’)−Vh Vh+(Vsat−Vh)/2≦Dd(X’、Y’)
≦Vsatの場合: Dn(X’、Y’)=Vsat E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’)−Vsat ここで、Vsatは、図24に示すように、実際の参照
波における非線形領域を線形領域における直線の延長線
として置き換えることによって得られる理想参照波の最
大電圧レベルを示すものである。また、E(X’、
Y’)は、隣接画素に分散すべき画像濃度データである
補正誤差を示すものである。
【0180】次に、上記条件判断処理によって得られた
補正誤差E(X’、Y’)を次の(11)式〜(13)
式に代入することによって隣接画素に分散する。
【0181】 e(X’+1、Y’ )=a×E(X’、Y’) (11) e(X’ 、Y’+1)=b×E(X’、Y’) (12) e(X’+1、Y’+1)=c×E(X’、Y’) (13) ここで、a、b、cは誤差拡散を行うための重み係数で
あり、a+b+c=1の関係を満たすことが条件とな
る。また、重み係数a、b、cは、各隣接画素の画像濃
度データD(X+1、Y)、D(X、Y+1)、D(X
+1、Y+1)の値が0(零)でない画素に対して優先
的に値を割り当てる。例えば、D(X+1、Y)=0
で、D(X、Y+1)≠0かつD(X+1、Y+1)≠
0である場合は、a=0、b=h、c=1−h(ここ
で、0≦h≦1)、というように重み係数を設定する。
【0182】次のステップ210では、全ての画素につ
いて上記ステップ206及びステップ208の処理が終
了したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定
の場合)は上記ステップ206へ戻り、終了した時点
(肯定判定となった時点)でステップ212へ移行す
る。
【0183】ステップ212では、以上の処理によって
得られた誤差拡散後の画像濃度データDn(X’、
Y’)を波形制御信号生成器160及び各比較器180
に出力する。
【0184】引き続き、波形制御信号生成器160で
は、エッジ誤差拡散器158から入力された画像濃度デ
ータDn(X’、Y’)に基づいて、以下に示すように
波形制御信号生成処理を行う。
【0185】まず、図22のステップ214では、注目
画素の画像濃度データDnをAとし、注目画素の主走査
方向左側に隣接する画素の画像濃度データDnをBと
し、更に注目画素の主走査方向右側に隣接する画素の画
像濃度データDnをCとし、これ以降のステップ216
〜ステップ222の処理により、次に示す条件判断処理
によって波形制御タグデータT(X’、Y’)を生成す
る。 ・A≠0かつB>C≧0である場合:左寄せタグを選択 ・A≠0かつC>B≧0である場合:右寄せタグを選択 ・A≠0かつB=Cである場合:中寄せタグを選択 ・上記以外である場合:任意のタグを選択 ここで、例えば左寄せタグを選択した場合は波形制御タ
グデータT(X’、Y’)に‘1’を代入し、右寄せタ
グを選択した場合は波形制御タグデータT(X’、
Y’)に‘2’を代入し、中寄せタグを選択した場合は
波形制御タグデータT(X’、Y’)に‘3’を代入す
る。
【0186】次のステップ224では、全ての画素につ
いて上記ステップ214〜ステップ222の処理が終了
したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定の
場合)は上記ステップ214へ戻り、終了した時点(肯
定判定となった時点)でステップ226へ移行する。
【0187】ステップ226では、以上の波形制御信号
生成処理によって得られた波形制御タグデータT
(X’、Y’)を選択器190に出力し、その後に本位
置補正処理を終了する。
【0188】次に、以上のような位置補正処理における
画素位置補間処理を実際のデータを参照しつつ、より具
体的に説明する。なお、ここでは、図25を参照して図
22における画素位置補間処理のステップ206までの
処理を、図26を参照して図22におけるステップ20
8の処理(エッジ誤差拡散処理)を、各々説明する。ま
た、ここでは、倍率バランス変化分ΔBLnについては
考慮せず、全倍率変化分ΔMGnのみについて考慮する
場合について説明する。
【0189】ステップ204では、ステップ202まで
の処理によって得られた全倍率変化分ΔMGnを次の
(14)式に代入することによって画像倍率f’(%)
を算出する。
【0190】 f’=(1−(ΔMGn/ΔMGK))×100 (14) ここで、ΔMGKは基準色(K)の全倍率変化分であ
る。なお、以下の説明では、画像倍率f’が95%であ
る場合について説明する。
【0191】また、ステップ204では、次の(15)
式に示すように、画像倍率f’に基づいて画素位置補正
関数f(X)を導出する。
【0192】 X’=f(X)=(f/f’)×(X−XK)+XK =(100/95)×(X−XK)+XK (15) ここで、XKは主走査方向の補正基準位置を示す座標で
あり、この座標位置を基準として座標変換器152によ
り主走査方向座標の変換が行われる。また、fは基準色
(K)における画像倍率であり、ここでは100%であ
る。なお、図25に示す例では、座標XKとして‘2’
を適用した場合について示している。
【0193】同図に示す例では、0(零)以外の画像濃
度データ列が存在する補正前の主走査方向座標Xは
‘2’、‘6’、‘10’の3座標である。これらの座
標値を座標XKとして‘2’を適用した場合の(15)
式に各々代入すると、X’として各々‘2’、‘6.2
5’、‘10.5’が得られる。なお、X=6に対応す
るX’の値は‘6.21’であり、X=10に対応する
X’の値は‘10.42’であるが、本実施の形態に係
るカラー画像形成装置100では主走査方向の分解能が
1画素の主走査方向幅の25%とされており、主走査方
向座標の小数点以下の数値として0.25刻みの値
(0、0.25、0.5、0.75)しか取り得ないた
めに、各々‘6.25’、‘10.5’としている。
【0194】以上のように得られた座標X’はステップ
206により、(8)式に基づいて次のように整数部x
と端数部xfとに分解される。
【0195】 X’=2=2+0 X’=6.25=6+0.25 X’=10.5=10+0.5 また、ステップ206では、(9)式に基づいて画素補
間処理が施される。具体的には、例えば補正前の座標X
=6に対応する画像濃度データは‘255’であるが、
この画像濃度データが画素補間処理によって、補正後の
座標X’=6に対応する画像濃度データとして‘19
2’(=255×(1−0.25))と、座標X’=7
に対応する画像濃度データとして‘63’(=255×
0.25)とに分割される。
【0196】同様に、例えば補正前の座標X=10に対
応する画像濃度データは‘255’であるが、この画像
濃度データが画素補間処理によって、補正後の座標X’
=10に対応する画像濃度データとして‘128’(=
255×(1−0.5))と、座標X’=11に対応す
る画像濃度データとして‘128’(=255×0.
5)とに分割される。
【0197】引き続き、図26を参照して、エッジ誤差
拡散処理(図22のステップ208の処理)について具
体的に説明する。
【0198】なお、以下では座標X=7の画像濃度デー
タ‘63’に着目して説明する。また、以下では参照波
の閾値Vl(ここでは、‘128’)以下の領域のみが
非線形領域であり、閾値Vlを越える領域は全て線形領
域である場合について説明する。すなわち、この場合の
ステップ208における条件判断処理は次のようにな
る。 ’128<Dd(X’、Y’)の場合: Dn(X’、Y’)=Dd(X’、Y’) ’64<Dd(X’、Y’)≦128の場合: Dn(X’、Y’)=128 E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’)−128 ’0≦Dd(X’、Y’)≦64の場合: Dn(X’、Y’)=0 E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’) 更に、ここでは、図26の誤差分散フィルタに示される
ように、誤差拡散を行うための重み係数aを‘0’、重
み係数bを‘1’、重み係数cを‘0’とする。
【0199】まず、(10)式に基づいて、座標X=7
の画像濃度データ‘63’に対してエッジ誤差分散によ
って生じたエッジ補正誤差分eを加算することにより画
像濃度データDdを得る。ここでは、座標X=7でのエ
ッジ補正誤差分eは0(零)であるので、画像濃度デー
タDdとして63(=63+0)が得られる。
【0200】次に、エッジ誤差拡散器158では画像濃
度データDdが’の条件を満足することから、画像濃
度データDnとして‘0’が、補正誤差Eとして‘6
3’が各々得られる。この画像濃度データDnが座標X
=7における濃度データとなる。また、補正誤差Eは誤
差分散フィルタに応じて、次のスキャンラインにそのま
ま繰り越される。
【0201】引き続き、次のスキャンラインにおける座
標X=7における画像濃度データ‘63’に着目する
と、画像濃度データ‘63’には、直前のスキャンライ
ンによって繰り越されたエッジ誤差eが(10)式に基
づいて加算されて画像濃度データDdとして126(=
63+63)が得られる。
【0202】次に、エッジ誤差拡散器158では画像濃
度データDdが’の条件を満足することから、画像濃
度データDnとして‘128’が、補正誤差Eとして
‘−2’が各々得られる。
【0203】以上の処理を全ての画素について実施する
ことにより、エッジ誤差拡散処理がなされることにな
る。
【0204】次に、以上のように生成された画像濃度デ
ータDn及び波形制御タグデータTを用いて画像を形成
する際のカラー画像形成装置100の作用を説明する。
【0205】画像濃度データDnは比較器180L、1
80R、180M、180Sの各々の一方の入力端に入
力される。
【0206】一方、比較器180L、180R、180
M、180Sの各々の他方の入力端には各々参照波生成
器170L、170R、170M、170Sの各々によ
って生成された参照波ASが入力されており、各比較器
では画像濃度データDnをアナログデータに変換した後
に参照波ASと比較し、参照波ASが上記アナログデー
タより大きな期間をオン状態としてLDを点灯するLD
点灯信号(PWM信号)を生成して選択器190に出力
する。
【0207】すなわち、図11に示すように、参照波A
Sとして中心が頂点とされた三角波である中置き(M)
用の参照波AS1が入力された比較器180Mでは、参
照波AS1が上記アナログデータより大きな期間は1画
素中の中心部であるので、主走査方向中心に画素の中心
が一致するように画像を形成できるLD点灯信号が出力
される。
【0208】また、参照波ASとして左端が頂点とされ
た三角波である左寄せ(L)用の参照波AS2が入力さ
れた比較器180Lでは、参照波AS2が上記アナログ
データより大きな期間は1画素中の左端部であるので、
主走査方向左端に画素が位置するように画像を形成でき
るLD点灯信号が出力され、参照波ASとして右端が頂
点とされた三角波である右寄せ(R)用の参照波AS3
が入力された比較器180Rでは、参照波AS3が上記
アナログデータより大きな期間は1画素中の右端部であ
るので、主走査方向右端に画素が位置するように画像を
形成できるLD点灯信号が出力される。
【0209】更に、参照波ASとして中心が0で左端及
び右端の双方が頂点とされた波形形状である外置き(S
P)用の参照波AS4が入力された比較器180Sで
は、参照波AS4が上記アナログデータより大きな期間
は1画素中の左端部及び右端部であるので、主走査方向
左端及び右端に画素が位置するように画像を形成できる
LD点灯信号が出力される。
【0210】各比較器からLD点灯信号が入力され、か
つ波形制御信号生成器160から波形制御タグデータT
が入力された選択器190では、各LD点灯信号から波
形制御タグデータTが示す位置に対応したLD点灯信号
を選択して光ビーム走査装置120に出力し、光ビーム
走査装置120では走査線位置ずれ補正処理部116か
ら入力されたLD点灯信号によって、内蔵されたレーザ
ダイオード(LD)から出射される光ビームを変調す
る。
【0211】そして、K色に対応するLD18K(図2
も参照)から出射された光ビームはコリメートレンズ2
2により平行光とされ、シリンダレンズ24、26を順
に透過して折り返しミラー28でポリゴンミラー30の
方向へ折り返される。
【0212】ポリゴンミラー30は正多角柱状とされて
おり、図示しないモータにより図2矢印A方向へ略等角
速度で回転されることによって、ポリゴンミラー30の
反射面に入射された光ビームはポリゴンミラー30の回
転角度に応じた所定方向に偏向され、fθレンズ32及
び34を順に透過した後にシリンダミラー36により折
り返しミラー38の方向へ反射される。その後、光ビー
ムは折り返しミラー38によって感光体130Kの方向
へ折り返され、ウインドーガラス40を介して感光体1
30K上を主走査する。
【0213】この主走査の際には、光センサ50を光ビ
ームが走査したときを走査開始基準時間とし、1画素幅
に相当する周期とされたビデオクロックに同期して光ビ
ーム走査装置120Kに送信されるLD点灯信号によっ
て上記LD18Kは点灯/消灯が選択される。
【0214】また、主走査方向と直交する方向に感光体
130Kを一定の速度で回転させることにより副走査が
成されて、上記主走査及び副走査によって2次元の走査
露光が成される。
【0215】その後、感光体130Kの露光された部分
に図示しない現像器によってK色のトナーが付着され、
該付着されたK色のトナーによるトナー像がベルト進行
方向へ進行する転写ベルト140に転写装置によって転
写される。
【0216】同様にして、光ビーム走査装置120C、
120M、120Yによって感光体130C、130
M、130Y上が各々走査露光されることにより、シア
ン、マゼンタ、イエローの各色のトナー像が転写ベルト
140に転写され、該トナー像が図示しない用紙上に一
括転写されることによってカラー画像が形成される。
【0217】図27には、画像位置補正を行わない場合
と、画像位置補正を行うと共に波形制御タグデータによ
る参照波形制御を行わない場合と、画像位置補正を行う
と共に波形制御タグデータによる参照波形制御を行う場
合と、の各場合の要部波形例が示されている。
【0218】同図に示すように、画像位置補正を行わな
い場合は、LD点灯信号による画像位置は、主走査が進
むにつれて重心位置ずれが顕著となっている。
【0219】これに対して、画像位置補正を行うと共に
波形制御タグデータによる参照波形制御を行わない場合
には、画像位置は目標とする画像位置に近づくものの、
この場合は中寄せ用の参照波を固定的に適用しているた
めに露光期間が分割された状態となっている部分があ
る。
【0220】一方、画像位置補正を行うと共に波形制御
タグデータによる参照波形制御を行う場合には、中寄せ
用に加えて右寄せ用及び左寄せ用の参照波も使用してい
るので、画像位置を目標とする画像位置に略一致させる
ことができることがわかる。
【0221】図28はカラー画像形成装置100による
印字状態例を示すものであり、(A)は非線形領域を有
しない参照波を用いた場合の印字状態例を、(B)は非
線形領域を有する参照波を用い、かつ本実施の形態によ
る画像位置補正を行わない場合の印字状態例を、(C)
は非線形領域を有する参照波を用い、かつ本実施の形態
による画像位置補正を行う場合の印字状態例を、各々示
している。また、図28(A)〜図28(C)の各々の
最下に示されているものは、対応する印字状態を目視し
た場合の視覚的に感じる線幅を模式的に示したものであ
る。
【0222】図28(A)に示すように、非線形領域を
有しない参照波を用いた場合には画像濃度データに応じ
た理想的な印字状態が実現できるが、図28(B)に示
すように、非線形領域を有する参照波を用い、かつ本実
施の形態による画像位置補正を行わない場合には、参照
波の非線形部分の影響による誤差分によって線幅が狭く
なってしまう。
【0223】一方、図28(C)に示すように、非線形
領域を有する参照波を用い、かつ本実施の形態による画
像位置補正を行う場合には、エッジ誤差拡散処理によっ
て参照波の非線形部分の影響を隣接画素に分散している
ので、視覚的な線幅は図28(A)に示した理想的な線
幅に近いものとすることができる。
【0224】以上詳細に説明したように、本第3実施形
態に係るカラー画像形成装置では、画像データの大きさ
が参照波の非線形領域に位置する場合に画像データの大
きさを参照波の非線形領域以外の領域に位置するように
調整しているので、参照波の非線形領域に起因する画像
の位置及び線幅の誤差を抑制することができると共に、
参照波のリニアリティ特性の要求値を緩和することがで
きるので、参照波生成のためのコストを低減することが
できる。
【0225】また、本第3実施形態に係るカラー画像形
成装置では、画像濃度データの大きさが閾値Vh以上
で、かつ閾値Vhに近いときは画像濃度データの大きさ
を閾値Vhとし、画像濃度データの大きさが閾値Vh以
上で、かつ当該参照波の最大レベルに近いときは画像濃
度データの大きさを上記最大レベルとし、画像濃度デー
タの大きさが閾値Vl以下で、かつ閾値Vlに近いとき
は画像濃度データの大きさを閾値Vlとし、画像濃度デ
ータの大きさが閾値Vl以下で、かつ当該参照波の最小
レベルに近いときは画像濃度データの大きさを上記最小
レベルとすることにより画像濃度データの大きさを調整
しているので、画像濃度データの調整に伴って発生する
当該画像濃度データの誤差を最小限に抑えることができ
る。
【0226】また、本第3実施形態に係るカラー画像形
成装置では、光ビームによる感光体上の主走査方向に対
する画像形成位置が所定の画像形成位置となるように補
正するための補正情報を導出し、該補正情報に基づいて
画像濃度データを補正しているので、所定の画像形成位
置に画像を形成することができ、機械的な補正や高周波
信号を要することなく、高速、低コストで、かつ安定し
て主走査方向の画像形成位置を高精度に補正することが
できる。
【0227】また、本第3実施形態に係るカラー画像形
成装置では、Kレジ検出パターンを基準として補正情報
の導出を行っているので、補正情報を導出する際に基準
となる画像を形成するための手段を別個に設ける必要が
なく、効率的に画像形成位置の補正を行うことができ
る。
【0228】更に、本第3実施形態に係るカラー画像形
成装置では、画像濃度データを調整する際に発生した画
像濃度データの誤差を当該画素に隣接する画素に分散し
ているので、形成された画像を目視した場合の視覚的な
線幅を理想的な線幅に近いものとすることができる。
【0229】〔第4実施形態〕上記第3実施形態では、
各光ビーム走査装置に使用されているfθレンズの特性
については考慮せず、処理対象とする画像濃度データが
多値データである場合について説明したが、本第4実施
形態ではfθレンズの特性を考慮すると共に、処理対象
とする画像濃度データが2値データである場合について
説明する。なお、本第4実施形態に係るカラー画像形成
装置の構成は、上記第3実施形態に係るカラー画像形成
装置100と同様であるので、ここでの説明は省略す
る。
【0230】本第4実施形態に係るカラー画像形成装置
100では、予め出荷調整時等にfθレンズの特性検出
用のレジ検出パターンを転写ベルト140上に形成した
後に図略の用紙に転写し、該用紙上の各レジ検出パター
ン間の主走査方向距離を図略の測定治具によって測定す
ることにより、fθレンズの特性を取得する。
【0231】すなわち、本第4実施形態におけるレジ検
出パターンは、図29(A)に示すように、一端が接続
されると共に他端方向に向けて副走査方向間隔が主走査
方向に沿って徐々に開くように2本の直線が配置された
形状(主走査方向を水平方向とした場合の略‘く’の字
状)に形成されるものであり、K及びCのレジ検出パタ
ーンが交互に1ライン分形成された後、K及びMのレジ
検出パターンが交互に1ライン分形成され、その後にK
及びYのレジ検出パターンが交互に1ライン分形成され
る。
【0232】上記測定治具は、このような形状のレジ検
出パターンを検出するために、各々レジ検出パターンを
構成する2本の直線に対応するように設けられた2組の
フォトセンサA及びフォトセンサBを備えている(図2
9(B)参照)。なお、本実施の形態に係るフォトセン
サA及びフォトセンサBは、レジ検出パターンの主走査
方向線幅の中心位置を当該レジ検出パターンの位置とし
て検出するために、各々2つのフォトセンサにより構成
されている。すなわち、本実施の形態に係る測定治具で
は、何らかの誤差要因等に起因してレジ検出パターンの
主走査方向線幅が各パターン間で異なった場合であって
も、高精度にレジ検出パターンの間隔を検出することが
できる。但し、この形態には限定されず、フォトセンサ
A及びフォトセンサBは各々1つのフォトセンサで構成
してもよいことは言うまでもない。
【0233】このように構成された測定治具を、フォト
センサA及びフォトセンサBがレジ検出パターンを構成
する2本の直線に各々対応するように主走査方向に沿っ
て所定速度で移動させる。これによって、各フォトセン
サによってレジ検出パターンが順次検出されるが、この
とき、Kレジ検出パターンと該パターンに主走査方向下
流側に隣接する測定対象色のレジ検出パターンとの各フ
ォトセンサによる検出時間差が測定対象色の主走査方向
の各位置における走査速度に対応する情報(以下、「位
置変動プロファイルデータ」という)として取得される
(図29(C)参照)。
【0234】そして、このようにして取得された位置変
動プロファイルデータと、上記第3実施形態において取
得された全倍率変化分ΔMGn及び倍率バランス変化分
ΔBLnの少なくとも一方とを加味して、主走査方向の
走査位置の誤差を補正するためのテーブル(以下、「位
置補正テーブル」を作成し、図略のメモリに記憶してお
く。例えば、理想走査位置を上記図略のメモリのインデ
ックス・アドレスとして、当該位置に対する誤差を上記
アドレスに記憶しておく。位置変動プロファイルデータ
が本発明の第3の情報に、位置補正テーブルが本発明の
補正情報に、各々相当する。
【0235】このとき、上記図略のメモリの使用容量を
削減するために、位置変動プロファイルを図30に示す
ように関数近似し、その近似式係数のみをメモリに記憶
しておき、補正時に理想走査位置に応じて随時補正量を
算出する形態とすることもできる。
【0236】すなわち、全倍率変動に関しては、図30
(A)に示すように、主走査方向座標Xに対して走査速
度は一定の値で推移するので、この場合は次の(16)
式の関数により露光位置を表すことができる。
【0237】 F(X)=αX (16) ここで、αは近似式係数であり、この値を記憶すること
になる。
【0238】また、一例として図30(B)に示すよう
に、倍率バランス変動に起因して主走査方向座標Xに対
して走査速度が徐々に増加する場合は、同図に示すよう
に理想の露光位置が直線的に推移するのに対して実際の
露光位置は曲線的に推移するため、次の(17)式の2
次関数により露光位置を近似的に表すことができる。
【0239】 F(X)=αX2+βX (17) ここで、α及びβは近似式係数であり、この値を記憶す
ることになる。
【0240】更に、一例として図30(C)に示すよう
に、fθレンズの特性変動に起因して主走査方向座標X
に対して走査速度が徐々に減少した後に徐々に増加する
場合は、同図に示すように理想の露光位置が直線的に推
移するのに対して実際の露光位置は曲線的に推移するた
め、次の(18)式の3次関数により露光位置を近似的
に表すことができる。
【0241】 F(X)=αX3+βX2+γX (18) ここで、α、β、γは近似式係数であり、この値を記憶
することになる。
【0242】一方、本第4実施形態において処理対象と
する画像濃度データは2値データであるので、画像メモ
リ部112に記憶する前段階で多値データに変換する処
理を行う。この変換方法としては、一例として、1ビッ
トデータである2値データを8ビット左シフトすること
により行う方法等を適用することができる。
【0243】このように、本第4実施形態に係るカラー
画像形成装置100では、2値データを多値データに変
換した後に、該多値データに対して上記第3実施形態で
示した画像位置補正処理をfθレンズの特性をも加味し
た位置補正テーブルに基づいて行うことによって、画像
形成位置の補正を行う。
【0244】以上詳細に説明したように、本第4実施形
態に係るカラー画像形成装置では、上記第3実施形態と
同様の効果を奏することができると共に、画像位置補正
処理をfθレンズの特性をも加味した位置補正テーブル
に基づいて行っているので、より高精度に画像位置を補
正することができる。
【0245】なお、本第4実施形態では、レジ検出パタ
ーンを検出する際に測定治具を主走査方向に移動する場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば、測定治具を固定設置しておき、レジ
検出パターンを印刷した用紙を主走査方向に沿って等速
移動する形態とすることもできる。この場合も、本実施
の形態と同様の効果を奏することができる。
【0246】〔第5実施形態〕本第5実施形態では、参
照波として一例として図32に示すようなステップ状の
デジタル参照波を適用する場合の一形態について説明す
る。なお、本第5実施形態における走査線位置ずれ補正
処理部116’以外の構成については上記第3実施形態
と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0247】まず、図31を参照して、本第5実施形態
に係る走査線位置ずれ補正処理部116’の構成につい
て説明する。なお、図31の図21と同様の処理を行う
部分については図21と同一の符号を付して、その説明
を省略する。また、図31には、本第5実施形態の要部
のみが示されており、図21における波形制御信号生成
器160や選択器190等は図示を省略している。
【0248】図31に示すように、本第5実施形態に係
る走査線位置ずれ補正処理部116’は、上記第3実施
形態に係る走査線位置ずれ補正処理部116に比較し
て、参照波生成器170がステップ状のデジタル参照波
を生成するデジタル参照波生成器175とされている
点、及びエッジ誤差拡散器158がデジタル参照波に対
応したエッジ誤差拡散処理を行うエッジ誤差拡散器15
8’とされている点のみが相違している。
【0249】すなわち、本第5実施形態に係るエッジ誤
差拡散器158’では、以下に示すようにエッジ誤差拡
散処理を行う。
【0250】デジタル参照波の最大レベルが画像濃度デ
ータの‘255’に対応し、デジタル参照波のステップ
分割数をnとすると閾値の変化ステップは255/nと
なる。初期閾値を1/2×255/nとすると、各ステ
ップにおける位置選択閾値Vs(i)は次のようにな
る。
【0251】 Vs(i)=(255/n)×[(1/2)+i] i=0、1、2、・・・、n−1 エッジ誤差拡散器158’では、上記閾値と画像濃度デ
ータD(X’、Y’)とを比較し、画像濃度データD
(X’、Y’)がデジタル参照波のどのステップ領域の
値を選択するかを判定すると共に、選択した値との誤差
を算出する。
【0252】すなわち、まず、補正後の画像濃度データ
D(X’、Y’)を(19)式によって画像濃度データ
Dd(X’、Y’)に変形する。
【0253】 Dd(X’、Y’)=D(X’、Y’)+e(X’、Y’) (19) ここで、e(X’、Y’)の初期値は0(零)である。
【0254】次に、以下に示す条件判断処理によって、
画像濃度データDd(X’、Y’)を画像濃度データD
n(X’、Y’)に変換する。 ・Vs(i)≦Dd(X’、Y’)<Vs(i+1)の
とき、 Dn(X’、Y’)=(255/n)×i E(X’、Y’)=Dd(X’、Y’)−Dn(X’、Y’) ここで、E(X’、Y’)は、隣接画素に分散すべき画
像濃度データである補正誤差を示すものである。
【0255】次に、上記条件判断処理によって得られた
補正誤差E(X’、Y’)を次の(20)式〜(22)
式に代入することによって隣接画素に分散する。
【0256】 e(X’+1、Y’ )=a×E(X’、Y’) (20) e(X’ 、Y’+1)=b×E(X’、Y’) (21) e(X’+1、Y’+1)=c×E(X’、Y’) (22) ここで、a、b、cは誤差拡散を行うための重み係数で
あり、a+b+c=1の関係を満たすことが条件とな
る。また、重み係数a、b、cは、各隣接画素の画像濃
度データD(X+1、Y)、D(X、Y+1)、D(X
+1、Y+1)の値が0(零)でない画素に対して優先
的に値を割り当てる。例えば、D(X+1、Y)=0
で、D(X、Y+1)≠0かつD(X+1、Y+1)≠
0である場合は、a=0、b=h、c=1−h(ここ
で、0≦h≦1)、というように重み係数を設定する。
【0257】以上の処理を全ての画素について実施す
る。また、これ以降、上記第3実施形態と同様に、変更
した画像濃度データDn(X’、Y’)に基づいて露光
位置制御を行うことによって、エッジ誤差を補正するこ
とができる。
【0258】参照波としてデジタル参照波を適用し、か
つエッジ誤差拡散処理を行わない場合は、非線形領域が
存在しないような理想的なアナログ参照波を使用した場
合のエッジ再現位置に対して、一例として図32に示さ
れるようなエッジ再現位置誤差が発生することになる。
【0259】一方、図33には非線形領域が存在しない
理想的なアナログ参照波を使用して露光位置を制御した
場合の露光位置と、デジタル参照波を使用して露光位置
を制御した場合の露光位置と、の各々の一例が示されて
いる。同図に示されるように、本第5実施形態における
エッジ誤差拡散処理によってエッジ誤差が分散されるの
で、参照波としてデジタル参照波を適用した場合であっ
ても、露光範囲を理想的な露光範囲に近づけることがで
きる。
【0260】なお、上記第3〜第5実施形態では、感光
体上の走査速度を一定にするために用いる光学部材とし
てfθレンズを適用した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば、fθミラ
ーを適用する形態とすることもできる。
【0261】また、上記第3〜第5実施形態では、本発
明を1ビーム毎に独立した光ビーム走査装置を有する画
像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば、1つの筐体
に設置される光学部材の一部又は全部を共通に使用した
1ボックス型の光ビーム走査装置を有する画像形成装置
に適用する形態とすることもできる。この場合も、上記
第3〜第5実施形態と同様の効果を奏することができ
る。
【0262】また、上記第3〜第5実施形態では、光源
としてレーザダイオードを使用した装置に本発明を適用
した場合について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えば、光源としてLED(発光ダイ
オード)アレイプリントヘッドを使用した装置に適用す
る形態とすることもできる。
【0263】
【発明の効果】以上詳細に説明したように請求項1乃至
請求項7に記載の発明によれば、実際の画像形成位置
を、画素毎に実際の画像形成位置と所定の画像形成位置
との主走査方向のずれ量に関する第1の値及び実際の主
走査ライン長と所定の主走査ライン長との割合に関する
第2の値に基づく距離だけ主走査方向にずらすことによ
り画像形成位置を補正しているので、所定の画像形成位
置に所定の主走査ライン長で画像を形成することがで
き、機械的な補正や高周波信号を要することなく、高
速、低コストで、かつ安定して主走査方向の画像形成位
置を高精度に補正することができる、という効果を有す
る。
【0264】また、請求項8乃至請求項14に記載の発
明によれば、画像データの大きさが参照波の非線形領域
に位置する場合に画像データの大きさを参照波の非線形
領域以外の領域に位置するように調整しているので、参
照波の非線形領域に起因する画像の位置及び線幅の誤差
を抑制することができると共に、参照波のリニアリティ
特性の要求値を緩和することができるので、参照波生成
のためのコストを低減することができる、という効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は第1、第2実施形態に係るカラー画
像形成装置の概略構成図である。(B)は(A)の転写
ベルトを上方から見た平面図である。
【図2】 実施の形態に係る光ビーム走査装置の概略構
成図である。
【図3】 第1、第2実施形態に係るカラー画像形成装
置における画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】 fθレンズの特性の誤差の説明に供するグラ
フである。
【図5】 第1、第2実施形態に係るカラー画像形成装
置における画像位置ずれ補正装置の構成を示すブロック
図である。
【図6】 第1、第2実施形態に係るカラー画像形成装
置における画像データ変換器の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】 サイドレジ差SX及び画像倍率MXの説明に
供する概略図である。
【図8】 レジストマークのずれの状態を示す概略図で
ある。
【図9】 画像変換テーブルTB1の内容を示す概略図
である。
【図10】 画像変換テーブルTB2の内容を示す概略
図である。
【図11】 参照波及びアナログ変換された画像濃度デ
ータと、LD点灯信号との関係を示す波形図である。
【図12】 第1、第2実施形態に係る画像処理部で実
施されるデータ処理の流れを示すフローチャートであ
る。
【図13】 第1、第2実施形態に係る画像処理部で実
施されるデータ処理の具体的な数値データによる説明に
供する概略図である。
【図14】 ブロック及びサブブロックの説明に供する
概略図である。
【図15】 画像位置データE1(XB)の導出手順の
説明に供する概略図である。
【図16】 第1、第2実施形態に係る画像処理部で実
施されるデータ処理の具体的な数値データによる説明に
供する概略図である。
【図17】 変換テーブルTB5の内容を示す概略図で
ある。
【図18】 第1、第2実施形態に係る画像処理部で実
施されるデータ処理の具体的な数値データによる説明に
供する概略図である。
【図19】 第2実施形態に係る画像処理部で実施され
るデータ処理の具体的な数値データによる説明に供する
概略図である。
【図20】 (A)は第3〜第5実施形態に係るカラー
画像形成装置の概略構成図である。(B)は(A)の転
写ベルトを上方から見た平面図(一部拡大図)である。
【図21】 第3、第4実施形態に係るカラー画像形成
装置における走査線位置ずれ補正処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【図22】 第3実施形態に係る走査線位置ずれ補正処
理部で実施される位置補正処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図23】 全倍率変化分及び倍率バランス変化分の導
出手順の説明に供する概略図である。
【図24】 参照波の非線形領域及び線形領域の説明に
供する波形図である。
【図25】 画素位置補間処理の具体的な数値データに
よる説明に供する概略図である。
【図26】 エッジ誤差拡散処理の具体的な数値データ
による説明に供する概略図である。
【図27】 画像位置補正を行わない場合と、画像位置
補正を行うと共に波形制御タグデータによる参照波形制
御を行わない場合と、画像位置補正を行うと共に波形制
御タグデータによる参照波形制御を行う場合と、の各場
合の要部波形例を示す波形図である。
【図28】 カラー画像形成装置による印字状態例を示
すものであり、(A)は非線形領域を有しない参照波を
用いた場合の印字状態例を、(B)は非線形領域を有す
る参照波を用い、かつ第3実施形態による画像位置補正
を行わない場合の印字状態例を、(C)は非線形領域を
有する参照波を用い、かつ第3実施形態による画像位置
補正を行う場合の印字状態例を、各々示す概略図であ
る。
【図29】 第4実施形態におけるレジ検出パターンの
説明に供する図であり、(A)は用紙上に形成されたレ
ジ検出パターンの状態を示す平面図であり、(B)はレ
ジ検出パターンと測定治具に設けられたフォトセンサと
の位置関係を示す平面図であり、(C)は位置変動プロ
ファイルの一例を示すグラフである。
【図30】 位置変動プロファイルを関数近似する場合
の説明に供するグラフである。
【図31】 第5実施形態に係る走査線位置ずれ補正処
理部の構成を示すブロック図である。
【図32】 デジタル参照波の説明に供する概略図であ
る。
【図33】 第5実施形態の効果の説明に供する概略図
である。
【図34】 従来技術の問題点の説明に供する概略図で
ある。
【図35】 非線形領域を有する参照波を用いて画像形
成位置を設定する場合の問題点の説明に供する概略図で
ある。
【符号の説明】
10 カラー画像形成装置(画像形成装置) 12 画像処理部 14Y、14M、14C、14K 光ビーム走査装置 16Y、16M、16C、16K レーザダイオード
ドライバ 18 レーザダイオード 20Y、20M、20C、20K 感光体 42 転写ベルト 44A、44B レジスト検知装置 50 光センサ 60 多値画像データ発生器(画像データ変換手段) 61 レジスト誤差データ取得部(導出手段) 62 レジスト補正データ発生器(導出手段) 64 fθ誤差補正データ記憶部(記憶手段) 70 画像位置ずれ補正装置(補正手段) 72 座標変換器 74 画像データ変換器(制御手段) 76M、76L、76R、76S 参照波生成器(参
照波生成手段) 78M、78L、78R、78S 比較器 80 選択器(切換手段) 90 エッジ位置計算器 92 新規画像データ計算器 100 カラー画像形成装置(画像形成装置) 110 画像処理部 112 画像メモリ部 114 メイン画像処理部 116、116’ 走査線位置ずれ補正処理部 118 レジパターン生成・位置ずれ量検出部 120K、120C、120M、120Y 光ビーム
走査装置 130K、130C、130M、130Y 感光体 140 転写ベルト 142 光学センサ 150 画像位置補正部 152 座標変換器(画像データ補正手段) 154 位置補正関数発生器(補正情報導出手段) 156 画素位置補間器(画像データ補正手段) 158、158’ エッジ誤差拡散器(調整手段) 160 波形制御信号生成器 170L、170R、170M、170S 参照波生
成器(参照波生成手段) 175 デジタル参照波生成器(参照波生成手段) 180L、180R、180M、180S 比較器 190 選択器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/043 B41J 3/00 D 5C074 15/04 G03G 15/04 120 H04N 1/04 H04N 1/04 D 1/113 104A 1/23 103 Fターム(参考) 2C362 BA52 BA68 BA70 BB14 BB37 BB42 BB43 CA22 CA39 CB16 CB17 CB20 2H030 AA01 AB02 BB02 BB16 2H045 AA01 BA22 BA34 CA72 CA88 CA98 DA02 DA04 2H076 AB02 AB67 5C072 AA03 BA04 HA02 HA13 HB08 HB11 HB15 UA05 UA13 XA01 5C074 AA10 AA11 AA12 BB03 BB26 CC26 DD07 DD15 DD16 DD24 EE04 EE11 FF15 GG03 GG04 GG14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに基づいて感光体を光ビーム
    で走査することにより画像を形成する画像形成装置であ
    って、 前記光ビームによる前記感光体上の実際の画像形成位置
    と所定の画像形成位置との主走査方向のずれ量に関する
    第1の値と、前記光ビームによる前記感光体上の実際の
    主走査ライン長と所定の主走査ライン長との割合に関す
    る第2の値とを導出する導出手段と、 前記実際の画像形成位置を、画素毎に前記第1の値及び
    前記第2の値に基づく距離だけ主走査方向にずらすこと
    により画像形成位置を補正する補正手段と、 を備えた画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記感光体を光ビームで走査する際の前
    記感光体上における走査速度を一定にするためのfθレ
    ンズ又はfθミラーの少なくとも一方の特性の所定の特
    性に対する誤差に関する第3の値を記憶する記憶手段を
    更に備えると共に、 前記補正手段は、前記実際の画像形成位置を、画素毎に
    前記第1の値、前記第2の値及び前記第3の値に基づく
    距離だけ主走査方向にずらすことにより画像形成位置を
    補正することを特徴とする請求項1記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記感光体上における主走査方向の画像
    形成位置を1画素分より短い間隔で切り換えることがで
    きる切換手段と、 前記補正手段によって補正された画素毎の画像形成位置
    において、1画素未満に対応する画像形成位置について
    は当該画像形成位置に対応する位置で画像形成位置が切
    り換えられるように前記切換手段を制御する制御手段
    と、 を更に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 各々前記画像データと画素毎に比較する
    ことにより1画素分より短い間隔で主走査方向の画像形
    成位置を設定することができる複数の参照波を生成する
    参照波生成手段を更に備え、 前記切換手段は、前記参照波生成手段によって生成され
    た複数の参照波から何れか1つを選択的に用いることに
    よって主走査方向の画像形成位置を1画素分より短い間
    隔で切り換えることを特徴とする請求項3記載の画像形
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の参照波は、1画素内における
    主走査方向に対する画像形成位置を、主走査開始側の位
    置、中央の位置、主走査終了側の位置、及び中央の位置
    を除く主走査開始側及び主走査終了側の位置、のうちの
    複数の位置を設定するものであることを特徴とする請求
    項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段による画像形成位置の補正
    に先立って、前記画像データにより形成される画像の品
    質を向上するように前記画像データを変換する画像デー
    タ変換手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 複数の光ビームによって画像を形成する
    場合、前記所定の画像形成位置及び前記所定の主走査ラ
    イン長を、前記複数の光ビームの何れか1つによって形
    成された画像の画像形成位置及び主走査ライン長とする
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記
    載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 線形領域及び非線形領域の少なくとも一
    方が既知であり、かつ画像データと画素毎に比較される
    参照波を生成する参照波生成手段と、 前記画像データの大きさが前記参照波の非線形領域に位
    置する場合に前記画像データの大きさを前記参照波の非
    線形領域以外の領域に位置するように調整する調整手段
    と、 前記調整手段によって調整された画像データと前記参照
    波とを画素毎に比較することにより当該画像データに対
    応するパルス幅のパルス幅変調信号を生成するPWM信
    号生成手段と、 前記PWM信号生成手段によって生成されたパルス幅変
    調信号に基づいて感光体を光ビームで走査することによ
    り画像を形成するPWM画像形成手段と、 を備えた画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記調整手段は、 前記参照波の非線形領域が当該参照波の第1のレベル以
    上の領域と該第1のレベルより小さな第2のレベル以下
    の領域の少なくとも一方の領域に存在する場合に、 前記画像データの大きさが前記第1のレベル以上で、か
    つ前記第1のレベルに近いときは前記画像データの大き
    さを前記第1のレベルとし、前記画像データの大きさが
    前記第1のレベル以上で、かつ前記参照波の最大レベル
    に近いときは前記画像データの大きさを前記最大レベル
    とし、 前記画像データの大きさが前記第2のレベル以下で、か
    つ前記第2のレベルに近いときは前記画像データの大き
    さを前記第2のレベルとし、前記画像データの大きさが
    前記第2のレベル以下で、かつ前記参照波の最小レベル
    に近いときは前記画像データの大きさを前記最小レベル
    とすることにより前記画像データの大きさを調整するこ
    とを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記光ビームによる前記感光体上の主
    走査方向に対する画像形成位置が所定の画像形成位置と
    なるように補正するための補正情報を導出する補正情報
    導出手段と、 前記補正情報導出手段によって導出された補正情報に基
    づいて前記調整手段によって調整される画像データを補
    正する画像データ補正手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9記
    載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 走査光学系を更に備えると共に、 前記補正情報は、前記光ビームによる前記感光体上の実
    際の主走査ライン長と所定の主走査ライン長との割合に
    関する第1の情報、前記光ビームによる前記感光体上の
    実際の主走査ラインと所定の主走査ラインとの部分的な
    長さの割合に関する第2の情報、及び前記走査光学系の
    特性の所定の特性に対する誤差に関する第3の情報の少
    なくとも1つの情報であることを特徴とする請求項10
    記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 複数の光ビームによって画像を形成す
    る場合、前記補正情報導出手段による補正情報の導出を
    前記複数の光ビームの何れか1つによって形成された画
    像を基準として行うことを特徴とする請求項10又は請
    求項11記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記調整手段は、画像データを調整す
    る際に発生した画像データの誤差を当該画素に隣接する
    画素に分散することを特徴とする請求項8乃至請求項1
    2の何れか1項記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記参照波生成手段によって生成され
    る参照波がステップ形状のデジタル参照波であり、 前記調整手段が、画像データを調整する際に発生した画
    像データの量子化誤差を当該画素に隣接する画素に分散
    することを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか
    1項記載の画像形成装置。
JP2000128379A 1999-11-19 2000-04-27 画像形成装置 Pending JP2001208990A (ja)

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