JP2001208842A - 衛星画像のタイポイント検出方法及びその装置並びに記録媒体 - Google Patents

衛星画像のタイポイント検出方法及びその装置並びに記録媒体

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JP2001208842A
JP2001208842A JP2000020700A JP2000020700A JP2001208842A JP 2001208842 A JP2001208842 A JP 2001208842A JP 2000020700 A JP2000020700 A JP 2000020700A JP 2000020700 A JP2000020700 A JP 2000020700A JP 2001208842 A JP2001208842 A JP 2001208842A
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英朗 長峰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衛星画像間の相互相関から本来の連続量で表
される位置座標における精密なタイポイントを検出し、
その演算時間短縮等も可能とする。 【解決手段】 マスタ画像Aとスレーブ画像Bとの1ピ
クセル単位の相互相関係数Rxyを計算し、それをDFT
処理したフーリエ級数によって連続量の相互相関係数R
(x,y)を近似する。そして、相互相関係数R(x,
y)を項別微分することによってx、yについての偏微
分を得、相互相関係数R(x,y)が極大値となる
(x,y)をそれらの偏微分を利用した反復演算から求
めてタイポイントの座標とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の衛星画像を
マッチングさせるためのタイポイントを検出する技術に
係り、特に、衛星画像間の相互相関から精密なタイポイ
ントを検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星には姿勢や軌道に誤差があるた
め、地上の同一地域を同一条件下で撮影することは一般
に困難となっている。このため、衛星によって撮影され
た画像を処理するリモートセンシングの分野において
は、複数の衛星画像中(又はそれらの一部のチップ画像
中)で同一地点を検出し、当該同一地点を基準に画像を
重ね合わせることにより、マッチングしたステレオペア
画像を作成することが行われており、そのステレオペア
画像に基づいてDEM(Digital Elevation Model(数
値標高モデル))やオルソ画像等が作成されている。
【0003】かかるステレオペア画像の作成における同
一地点の検出には、衛星画像間の相互相関係数を総当た
りで演算して極大値を求める手法がある。すなわち、図
4に示すように、マスタ画像Aに対するスレーブ画像B
の位置を縦方向と横方向についてそれぞれ平行移動させ
ながら画素値の相互相関係数をすべて演算する。そし
て、相互相関係数の値が極大になる位置(マスタ画像A
に対するスレーブ画像Bのずれの位置)を求め、当該位
置を画像マッチングのためのタイポイントとして検出す
る。この場合、スレーブ画像Bの移動量が最も細分化し
ても1ピクセル単位であることから、タイポイントの検
出精度はピクセル間の距離によって決定されることにな
る。但し、このような総当たり演算法は衛星画像のピク
セル数では相互相関の演算量が膨大になるため、2つの
衛星画像の同一地点を人手によって直に探索することの
方が一般的によく行われており、その場合のタイポイン
トの精度は誤差0.3ピクセル程度が限界といわれてい
る。
【0004】これに対し、衛星画像の処理内容によって
は、非常に高い精度のタイポイント検出が求められるこ
とがある。例えば、InSAR(Interference Synthet
ic Aperture Radar(干渉合成開口レーダ))等におけ
る高度な処理では、誤差0.1ピクセル以下の高い精度
でタイポイントを検出することが要求される。このた
め、従来においては、衛星画像のピクセルを更に細分化
したサブピクセル単位の相互相関係数を補間することに
より、タイポイント検出の精度要求に対応することとし
ていた。
【0005】その従来における相互相関係数の補間手法
を概念的に図5に示す。従来の補間手法では、まず、タ
イポイントと予想される位置付近においてスレーブ画像
を1ピクセル単位でずらしたときの相互相関係数を演算
し、同位置付近における相互相関係数フィールドRfを
生成する。次に、その相互相関係数フィールドRfの中
で相互相関係数が極大となる位置を中心に所定のピクセ
ル数の領域Rf′を切り出し、領域Rf′内のピクセル毎
の相互相関係数をDFT(Discrete Fourier Transform
ation)処理することにより、領域Rf′内の相互相関係
数をフーリエ級数で近似する。
【0006】このようにして得られたフーリエ級数を用
い、要求されるタイポイント検出精度に応じたサイズの
サブピクセルの位置毎に、相互相関係数を再計算して補
間する。そして、それらの補間された相互相関係数の値
が極大になるサブピクセル位置を求め、これを画像マッ
チングのためのタイポイントとする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の補間によるタイポイントの検出は、サブピクセル間
の距離が検出精度を決定するものとなっている。従っ
て、種々の画像処理においてそれぞれ要求される精度毎
にサブピクセルのサイズを選定しなければならず、本来
の連続量で表される位置座標における精密なタイポイン
トを検出することはできなかった。
【0008】又、このタイポイント検出は、サブピクセ
ル単位でフーリエ級数の再計算をして相互相関係数の極
大値を求めるという処理を行うため、精度を高くするほ
ど演算量が膨大となり、タイポイント検出に多くの時間
を要するという問題もあった。例えば、InSARの処
理では、上述のように誤差0.1ピクセル以下の精度要
求があるが、上記補間によっては演算量が多すぎて実用
的には対応できておらず、人手によって画像マッチング
をしているのが実情であった。このため、タイポイント
の精度にばらつきがあり、専門家によっても安定した結
果は得られていなかった。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、衛星画像間の相互相関から本来の連続量で表さ
れる位置座標における精密なタイポイントの検出を可能
とすると共に、そのための演算時間を短縮してタイポイ
ントを高速で検出することができ、かつ、客観的で安定
した画像マッチングを実現することができる衛星画像の
タイポイント検出技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の衛星画像の対応関係を規定するパラメータを変数
として、前記複数の衛星画像間の離散的な相互相関係数
を求める第1の過程と、前記離散的な相互相関係数を微
分可能な連続量に変換する第2の過程と、前記連続量を
微分する第3の過程と、前記第3の過程から得られる微
分関数に基づき、前記連続量の極大値を与える前記変数
の値を求める第4の過程とを有し、前記第4の過程によ
り求められた前記値を前記複数の衛星画像間のタイポイ
ントの座標値とすることを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の衛
星画像のタイポイント検出方法において、前記第2の過
程は、前記離散的な相互相関係数をフーリエ級数に展開
し、当該フーリエ級数によって連続的に近似される相互
相関係数を前記連続量とする過程であり、前記第3の過
程は、当該フーリエ級数を前記変数について項別微分
し、前記変数の個数に応じた前記微分関数を得る過程で
あり、前記第4の過程は、前記微分関数のそれぞれに基
づく微分方程式を連立させて前記値を求める過程である
ことを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の衛星画像のタイポイント検出方法において、前記第
4の過程は、前記値を前記微分関数に基づく反復演算に
よって求めることを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかの項記載の衛星画像のタイポイント検出方法にお
いて、人工衛星による観測に関わる機器の確度を測定す
るためのデータとして、前記タイポイントの座標値を得
ることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかの項記載の衛星画像のタイポイント検出方法にお
いて、超長期線干渉法又は合成開口レーダ画像処理にお
ける高精度画像マッチングをするときのタイポイント座
標値として、前記タイポイントの座標値を得ることを特
徴としている。
【0015】請求項6記載の発明は、複数の衛星画像の
対応関係を規定するパラメータを変数として、前記複数
の衛星画像間の離散的な相互相関係数を求める相関演算
手段と、前記離散的な相互相関係数を微分可能な連続量
に変換する変換演算手段と、前記連続量を微分する微分
演算手段と、前記微分演算手段による微分演算から得ら
れる微分関数に基づき、前記連続量の極大値を与える前
記変数の値を求める変数値演算手段とを有し、前記変数
値演算手段により求められた前記値を前記複数の衛星画
像間のタイポイントの座標値とすることを特徴としてい
る。
【0016】請求項7記載の発明は、複数の衛星画像の
対応関係を規定するパラメータを変数として、前記複数
の衛星画像間の離散的な相互相関係数を求める第1の過
程と、前記離散的な相互相関係数を微分可能な連続量に
変換する第2の過程と、前記連続量を微分する第3の過
程と、前記第3の過程から得られる微分関数に基づき、
前記連続量の極大値を与える前記変数の値を、前記複数
の衛星画像間のタイポイントの座標値として求める第4
の過程とを、コンピュータに実現させるためのプログラ
ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形
態によるタイポイント検出方法の手順を示すフローチャ
ートである。尚、以下の手順による方法は、所定の演算
手段や記憶手段、表示手段、通信手段等を具備した大容
量高速のコンピュータないしワークステーションシステ
ム等の計算機によって実行される。
【0018】本実施形態は、同一地点の画像を含む2つ
の衛星画像を対象とし、それらのタイポイントを連続量
として表される座標値で精密に検出するものである。こ
こで、対象とする2つの衛星画像は、一方をマスタ画像
A、他方をスレーブ画像Bとし、まず初めに、スレーブ
画像Bの位置をピクセル単位でずらしつつ、両画像間の
相互相関係数を求める処理に供される(ステップS
1)。
【0019】すなわち、マスタ画像Aの位置とスレーブ
画像Bの位置を共に同次座標系で表現し、その座標系に
おいてスレーブ画像Bの位置を1ピクセル単位でずらし
ながら画素値(衛星画像データにおける振幅等)の相互
相関係数を演算する。例えば、マスタ画像Aの各ピクセ
ルの位置を(xA,yA)、スレーブ画像Bの各ピクセル
の位置を(xB,yB)とすると、同次座標系における両
者の位置関係は、
【数1】 と表すことができる。
【0020】数1において、行列中の各要素は、それぞ
れマスタ画像Aに対するスレーブ画像Bの位置を決定す
るパラメータであり、a、b、c及びdの要素が画像位
置の回転と剪断、l及びmの要素が画像位置の平行移
動、p及びqの要素が画像の射影状態、sの要素が画像
の縮尺を表すものとなっている。又、Hはスレーブ画像
Bの実際の位置を与えるパラメータであり、実際のスレ
ーブ画像Bの各ピクセルの位置が(xB/H,yB/H)
と表現されるものとなっている。
【0021】今、スレーブ画像Bがマスタ画像Aに対
し、回転及び剪断を生じておらず、同縮尺でかつ射影に
よる影響がないものとすると(又はこれらが幾何学的に
補正されているとすると)、数1は、
【数2】 となる。
【0022】数2中、l、mの値をそれぞれ1ピクセル
相当の移動量分ずつ変化させると、x方向(横方向)、
y方向(縦方向)へスレーブ画像Bを1ピクセル単位で
平行移動させたときに、マスタ画像A中の各位置と対応
する(重なる)スレーブ画像B中の位置が求まる。これ
に基づき、図2に示すように、スレーブ画像Bをマスタ
画像Aとの重なりが生じる破線領域内で移動させた場合
において、1ピクセル毎のスレーブ画像Bの移動位置す
べてにつき、それぞれ両画像中の対応するピクセルを特
定し、相互相関係数を演算する。
【0023】これにより、1ピクセル単位のスレーブ画
像位置(厳密にはスレーブ画像Bのマスタ画像Aに対す
る位置ずれの量。以下、これを(x,y)で表す。)に
対する相互相関係数Rxyが求まる。これらの相互相関係
数Rxyは、図3中の(a)に示すように、離散的な相互
相関係数R-L-M、…、R00、…、RLMからなる相互相関
係数フィールドを形成する。尚、L、Mは、それぞれx
方向、y方向のマスタ画像Aとスレーブ画像Bのピクセ
ル数の和に相当する整数である。
【0024】次に、x及びyについて連続量で定義され
る両画像間の相互相関係数R(x,y)をフーリエ級数
によって近似する(ステップS2、図3中の(b))。
すなわち、上記離散的な相互相関係数Rxyに対してDF
T(Discrete Fourier Transformation)処理を行い、
xとyを変数とする級数項で構成されるフーリエ級数を
得、これを相互相関係数R(x,y)とする。これによ
り、マスタ画像Aとスレーブ画像Bとの間の離散的な相
互相関係数を(微分可能な)級数に展開し、連続的な相
互相関係数に変換する。
【0025】ところで、マスタ画像Aとスレーブ画像B
のタイポイントは、相互相関係数R(x,y)が極大と
なる位置で与えられる。その極大値においては、
【数3】 が成立する。
【0026】ここで、dx≠0であり、かつ、dy≠0
であるので、
【数4】 となる。
【0027】今、相互相関係数R(x,y)は、フーリ
エ級数で与えられているので、xとyについてそれぞれ
項別に微分することが可能であり、その微分の結果も連
続量で与えられる。そこで、相互相関係数R(x,y)
をx、yについてそれぞれ項別微分し、数4におけるf
(x,y)とg(x,y)を求める(ステップS3)。
【0028】これにより、数4の2つの式が特定される
ので、それらを連立させて極大値を与える位置(x,
y)を求めることができることになる。本実施形態にお
いては、f(x,y)とg(x,y)が連続量を表す式
で得られるので、xとyに適当な初期値を与え、相互相
関係数R(x,y)の極大値を与える位置(x,y)を
反復演算法により求める(ステップS4)。
【0029】この反復演算法としては、ニュートン−ラ
プソン(Newton-Rapson)法による非線形方程式の解法
を利用することができる。この場合、x、yの初期値x
0、y0を与えると共に、上記数4のf(x,y)、g
(x,y)をそれぞれx、yについて更に項別微分し、
【数5】 の偏微分関数fx、fy、gx及びgyを求める。尚、初期
値x0、y0としては、例えばマスタ画像Aやスレーブ画
像Bの中心位置に当たる座標値等を与えることとすれば
よい。
【0030】そして、これらの初期値x0及びy0、偏微
分関数fx、fy、gx及びgy並びにf及びgを用い、以
下の反復演算を行う。すなわち、
【数6】 を解き、dx、dyを求める。
【0031】ここで、iは反復演算の回数に対応する整
数(0,1,2,…)であり、i+1番目のxi+1、y
i+1を求められたdx、dyから
【数7】 として求める。その後、このxi+1、yi+1を用いて再び
数6を解くこととし、同様の演算を所定の終了条件が満
たされるまで繰り返す。
【0032】終了条件としては、dx、dyの最小値を
予め定めておき、dx、dyが最小値以下になったとき
の(x,y)を相互相関係数R(x,y)の極大値を与
える位置とする。但し、この終了条件としてのdx、d
yの最小値は、極大値位置の精度を左右するものとなる
ので、例えば0.05(0.05ピクセル相当の距離)
等の小さな値としておく。
【0033】このようにして相互相関係数R(x,y)
の極大値を与える位置(x,y)を求め、これをタイポ
イントの座標として得る(ステップS5)。これによ
り、連続量の座標値で表されるタイポイントが得られる
ことになる。
【0034】以上のように、本実施形態によるタイポイ
ント検出方法においては、2つの衛星画像間の相互相関
係数をフーリエ級数によって近似し、これを項別微分し
て形式的に相互相関係数の偏微分を求めているので、多
数の補間点における相互相関係数を再計算する場合より
も演算量が大幅に削減されており、かつ、その偏微分か
ら連続量としての正確なタイポイントの位置座標が求ま
る。このようにすることにより、本タイポイント検出方
法は、相互相関係数の極大値を与えるタイポイントの位
置を数値計算法で効率よく計算することができると共
に、タイポイントの座標精度を計算機の桁落ち誤差と演
算速度が許す限りの精密なものとすることができる。従
って、これにより得られるタイポイントを用いることに
より、誤差1ピクセル未満の精確な画像マッチングも容
易に行うことができることになる。
【0035】尚、上記実施形態は、数1の行列中、l及
びmのパラメータを変化させた場合の相互相関係数から
タイポイントを求めるものであったが、マスタ画像とス
レーブ画像との間に回転や剪断、射影状態による相違又
は縮尺の相違がある場合には、上記同様にa、b、c及
びd、p及びq又はsのパラメータを変化させて相互相
関係数を計算し、フーリエ級数による近似を行う。そし
て、変化させたパラメータの数に応じた多次元連立微分
方程式を上記同様に反復演算法等で解き、相互相関係数
の極大値を与える位置(各パラメータの値)をタイポイ
ントとする。これにより、対象とする衛星画像間に回転
や剪断等がある場合にあっても、連続量としての精密な
タイポイントを同様に得ることができ、精確な画像マッ
チングを行うことができる。
【0036】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明によるタイポイントの検出は上述した形態
に限られるものではない。例えば、上述したようにフー
リエ級数を多用する形態にあっては、予め従来の総当た
り演算法や人手による手法、或いは、他の手法によって
おおよその画像マッチング(1〜2ピクセル程度)を行
っておき、上記行列中のパラメータ(l及びm等)を画
像に重なりが生じるすべての範囲で変化させるのではな
く、タイポイントと予想される位置付近のみで変化させ
て相互相関係数を演算することとしてもよい。このよう
にすれば、演算量が更に減少し、タイポイント検出の一
層の高速化を図ることができる。
【0037】又、対象とするマスタ画像とスレーブ画像
についても、それぞれ人工衛星によって1つの画像とし
て撮影されたものの全体を用いてもよいが、そのうちの
特徴部分等を含む一部分のチップ画像を用いることと
し、演算量を削減することとしてもよい。
【0038】更に、本発明によるタイポイント検出を適
用することができる用途としては、次のものを挙げるこ
とができる。 測量機器の確度測定 タイポイントを連続量として扱えることから、複数回の
観測によってタイポイントを複数検出することとすれ
ば、それらを測量機器の確度を測定するためのデータと
して利用することができる。すなわち、複数回の観測結
果によるタイポイントの座標値の分散を調べることによ
り、人工衛星による観測に関わる種々の測量機器の確度
を測定することができる。
【0039】VLBIによる精密測量 現在のVLBI(Very-Long-Baseline Interferometry
(超長期線干渉法))による観測は、地球の座標系基準
を決定したり、ブラックホールの構造を求めたりするこ
とに利用されており、射影については10-5degの測定
精度を持っている。本タイポイント検出は、このVLB
Iにおける高精度画像マッチングにも適用することがで
き、連続量としてタイポイントを求めるので、かかる精
密測量の誤差をより少なくし、かつ、確度を求めること
にも利用することができる。
【0040】InSAR画像マッチング 合成開口レーダ画像の位相部分を比較するInSARで
は、1/10ピクセル未満のタイポイント精度が必要な
ため、従来の人手による画像マッチング方式では専門家
によっても安定した結果が得られていなかった。本タイ
ポイント検出は、このInSARにおける高精度画像マ
ッチングにも適用することができ、客観的な基準でタイ
ポイントを求めることが可能であり、かつ、1/10ピ
クセル未満のタイポイント精度を確保することも容易で
ある。そして、このような高精度の幾何補正技術によれ
ば、衛星から地球表面の状態をcm単位で測定すること
ができるので、InSAR画像による標高データ、地盤
沈下、火山の噴火や地震に伴う微少な地形変動等を求め
ることが可能となり、噴火や地震の予知、地盤沈下や砂
防ダムの状態観測などにも応用することができる。
【0041】そして、上述したタイポイント検出方法又
はこれと上記用途等における種々の処理は、その手順を
規定したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録
媒体に記録し、その記録媒体に記録されたプログラムを
コンピュータシステムに読み込ませて実行することとし
てもよい。尚、ここにいうコンピュータシステムとは、
OSや周辺機器等のハードウェアを必要に応じて含み、
WWWシステムを利用しているものにあってはホームペ
ージ提供環境(あるいは表示環境)も含む。又、コンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピーディス
ク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒
体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク
などのいずれの記憶装置でもよく、更には、インターネ
ット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介して
プログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の
間動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは
伝送波)や、その場合のサーバやクライアントとなるコ
ンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定
時間プログラムを保持しているもの等であってもよい。
又、上記プログラムは、上述したタイポイント検出方法
等の一部を規定したものであってもよく、上述したタイ
ポイントの検出等をコンピュータシステムに既に記録さ
れているプログラムとの組み合わせで実現するいわゆる
差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の衛星画像間の離散的な相互相関係数を求め、これを
微分可能な連続量に変換してから微分し、得られる微分
関数に基づいて前記連続量の極大値を与える相互相関係
数の変数値を求めることとしたので、衛星画像間のタイ
ポイントとして連続量で定義された相互相関係数中の極
大値の座標値が得られる。従って、衛星画像のタイポイ
ントを本来の連続量で表される座標値として得ることが
でき、誤差1ピクセル未満の精密なタイポイントの検出
が可能となるという効果が得られる。
【0043】更に、かかる本発明によれば、微分関数に
基づいて極大値の座標を特定するものであることから、
多数の補間点における相互相関係数を再計算する従来の
手法よりも演算量が少なくて済む。これにより、演算時
間が短縮されて高速なタイポイント検出が可能となるの
で、従来困難であった1ピクセル未満の精密な画像マッ
チングを行うことも容易になるという効果が得られる。
【0044】ここで、請求項2記載の発明によれば、前
記連続量としてフーリエ級数で近似される相互相関係数
を用いることにより、項別微分が可能であるというフー
リエ級数の性質を利用して微分関数が得られるので、そ
れらに基づく連立微分方程式からタイポイントの座標値
を連続量として精確に求めることができる。又、本発明
における極大値座標を求める処理は、請求項3記載のよ
うに反復演算によって行うことができる。
【0045】そして、本発明は、タイポイントを連続量
として精密に検出できることから、請求項4記載のよう
に、人工衛星による観測に関わる機器の確度測定にも利
用することができる。又、本発明によるタイポイント検
出を計算機で実行する場合、タイポイントの座標精度
は、計算機の桁落ち誤差と演算速度が許す限り精密なも
のにすることができる。従って、客観的で安定した画像
マッチングを実現するタイポイントを検出することが可
能であり、請求項5記載のように、超長期線干渉法や合
成開口レーダ画像処理等における高精度画像マッチング
をするときのタイポイント検出にも利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるタイポイント検出
方法の手順を示すフローチャートである。
【図2】 相互相関係数Rxyの計算においてスレーブ画
像Bの位置を移動させる様子を示す図である。
【図3】 離散的な相互相関係数RxyをDFT処理して
連続量の相互相関係数R(x,y)とすることを示す図
である。
【図4】 マスタ画像Aに対するスレーブ画像Bの移動
を示す図である。
【図5】 従来における相互相関係数の補間手法を概念
的に示す図である。
【符号の説明】
A マスタ画像 B スレーブ画像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の衛星画像の対応関係を規定するパ
    ラメータを変数として、前記複数の衛星画像間の離散的
    な相互相関係数を求める第1の過程と、 前記離散的な相互相関係数を微分可能な連続量に変換す
    る第2の過程と、 前記連続量を微分する第3の過程と、 前記第3の過程から得られる微分関数に基づき、前記連
    続量の極大値を与える前記変数の値を求める第4の過程
    とを有し、 前記第4の過程により求められた前記値を前記複数の衛
    星画像間のタイポイントの座標値とすることを特徴とす
    る衛星画像のタイポイント検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の過程は、前記離散的な相互相
    関係数をフーリエ級数に展開し、当該フーリエ級数によ
    って連続的に近似される相互相関係数を前記連続量とす
    る過程であり、 前記第3の過程は、当該フーリエ級数を前記変数につい
    て項別微分し、前記変数の個数に応じた前記微分関数を
    得る過程であり、 前記第4の過程は、前記微分関数のそれぞれに基づく微
    分方程式を連立させて前記値を求める過程であることを
    特徴とする請求項1記載の衛星画像のタイポイント検出
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第4の過程は、前記値を前記微分関
    数に基づく反復演算によって求めることを特徴とする請
    求項1又は2記載の衛星画像のタイポイント検出方法。
  4. 【請求項4】 人工衛星による観測に関わる機器の確度
    を測定するためのデータとして、前記タイポイントの座
    標値を得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの
    項記載の衛星画像のタイポイント検出方法。
  5. 【請求項5】 超長期線干渉法又は合成開口レーダ画像
    処理における高精度画像マッチングをするときのタイポ
    イント座標値として、前記タイポイントの座標値を得る
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項記載の衛
    星画像のタイポイント検出方法。
  6. 【請求項6】 複数の衛星画像の対応関係を規定するパ
    ラメータを変数として、前記複数の衛星画像間の離散的
    な相互相関係数を求める相関演算手段と、 前記離散的な相互相関係数を微分可能な連続量に変換す
    る変換演算手段と、 前記連続量を微分する微分演算手段と、 前記微分演算手段による微分演算から得られる微分関数
    に基づき、前記連続量の極大値を与える前記変数の値を
    求める変数値演算手段とを有し、 前記変数値演算手段により求められた前記値を前記複数
    の衛星画像間のタイポイントの座標値とすることを特徴
    とする衛星画像のタイポイント検出装置。
  7. 【請求項7】 複数の衛星画像の対応関係を規定するパ
    ラメータを変数として、前記複数の衛星画像間の離散的
    な相互相関係数を求める第1の過程と、 前記離散的な相互相関係数を微分可能な連続量に変換す
    る第2の過程と、 前記連続量を微分する第3の過程と、 前記第3の過程から得られる微分関数に基づき、前記連
    続量の極大値を与える前記変数の値を、前記複数の衛星
    画像間のタイポイントの座標値として求める第4の過程
    とを、 コンピュータに実現させるためのプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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