JP2001208712A - ガス検知装置 - Google Patents

ガス検知装置

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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度補償が充分になされ、短時間でガス検知動
作が開始できるガス検知装置を提供する。 【構成】ガス検知素子1と温度補償素子2とを2つの技
辺とするブリッジ回路の出力と、このブリッジ回路に接
続される測温素子3と抵抗13との直列接続休の接続点
の出力とを演算してガス検知信号出力とするガス検知装
置において、測温素子の熱容量をブリッジ枝辺の素子の
熱容量のいずれよりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、都市ガス、LPガス
あるいは灯油等を燃料とする給湯器等に備えられる不完
全燃焼検知用ガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガス、LPガスあるいは灯油等を燃
料とする給湯器等が不完全燃焼する場合には、一酸化炭
素ガスなどの有毒ガスが発生し、ガス中毒事故の原因と
なり兼ねない。そのような事故の防止のためには、給湯
器の煙道中に一酸化炭素ガスセンサを取り付け一酸化炭
素ガス検知を迅速に行うことは有効である。
【0003】給湯器の煙道中で一酸化炭素ガス検知をお
こなう場合には、一酸化炭素ガス濃度約3000ppm
に対してガス検知できればよく、検知感度濃度50pp
mと高感度で高価な一酸化炭素ガスセンサは使用できな
いが、家庭用の可燃性ガスセンサである接触燃焼式ガス
センサが使用可能である。家庭用の接触燃焼式ガスセン
サが対象としている温度範囲は−20〜40℃である
が、給湯器に適用される場合の温度範囲は70〜230
℃と高く、広域である。この温度範囲は接触燃焼式ガス
センサに組み込まれている一対のガス検知素子と温度補
償素子の温度補償範囲を越えていて、温度補償は不十分
となる。この温度範囲に対してもガス検知を可能とする
ために、別の測温素子を付加しその出力とブリッジ回路
の出力とを演算して温度補正を行っている。ガス検知素
子と温度補償素子を構成する抵抗体が白金である場合に
は、それらと同じ温度係数の測温素子として、一般温度
測定用である小型の白金薄膜抵抗体が用いられている。
ガス検知素子、温度補償素子および測温素子は、素子間
に温度差が生じないように、給湯器の煙道中に互いに近
接して設置される。
【0004】この様な従来の高温用ガス検知回路図を図
4に示す。ガス検知素子1と温度補償素子2はバランス
用抵抗11、12と共にブリッジ回路の4本の枝辺を成
している。ブリッジ回路には電源Eが接続されている。
測温素子3とバランス抵抗13の直列接続体の両端はブ
リッジ回路の電源Eに接続されている。ブリッジ回路の
ガス検知信号出力は第1の差動増幅器24に接続されて
いる。測温素子3の抵抗13との接続点に生ずる温度信
号と第1の差動増幅器24の出力とは第2の差動増幅器
25に入力される。第2の差動増幅器25の出力がガス
検知信号である。差動増幅器24、25はバッファアン
プであってもよい。
【0005】第1の差動増幅器24の出力すなわち第1
の温度補償がなされたガス検知信号は高温或では温度補
償が不足なので、さらに第2の差動増幅器25に入力さ
れ同時に入力される測温素子からの温度信号と比較演算
される。こうして、第2の温度補償が行われたガス検知
信号が高温用ガス検知回路の出力端子に出力される。一
般に、ガス検知素子が検知対象ガスに接触していないと
きのブリッジ回路またはガス検知回路の出力を0点出力
と言う。通常、25℃で0点出力が0となるように抵抗
11、12、13を調整しておく。実際には、ガス検知
素子と温度補償素子の熱放射率が異なるため、高温にな
るに従って0点出力の0からのずれは大きくなってく
る。
【0006】ガス検知動作は、誤報を避けるため、0点
出力が飽和値の90%に達してから開始する。従って、
0点出力が迅速に飽和値に達することおよび0点出力が
使用温度或で常に小さいことが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の温度補正法で
は、測温素子として使用した白金薄膜抵抗体の熱容量が
ガス検知素子に比較して大きいために、測温素子の熱応
答速度が小さく温度補償が充分に行われてガス検知動作
が開始されるまでに時間を要するという問題があった。
【0008】この発明の目的は、前記課題を解決し、熱
応答速度の大きいガス検知装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明は、一対のガス検知素子と温度補償素
子とをその固有の温度補償範囲を越えた高温域で使用す
るために、測温素子を付加して温度補正を行うガス検知
装置において、測温素子の熱容量がガス検知素子の熱容
量または温度補償素子の熱容量のいずれよりも小さいも
のとする。
【0010】また、前記のガス検知装置において、測温
素子がガス検知素子を構成する抵抗体と同じ抵抗体であ
るものとする。
【0011】
【作用】ガス検知装置において、測温素子の熱容量をガ
ス検知素子あるいは温度補償素子のそれよりも小さくし
たので、高温の燃焼ガス中で測温素子の温度はガス検知
素子あるいは温度補償素子よりも早く燃焼ガス温度に達
することができる。
【0012】
【実施例】実施例1 0点出力の応答速度の改善の実施例を説明する。測温素
子の熱応答速度を大きくするためには測温素子の質量を
少なくし、測温素子の周囲の熱抵抗を小さくする必要が
ある。周囲の熱抵抗の最小化は測温素子の主要構成物で
ある測温抵抗体の周囲に何も存在しないことにより達成
される。測温抵抗体の質量を少なくするためには測温抵
抗体を細く、短くすれば良いが、高温ガスに対する耐久
性、ブリッジ回路における適正な抵抗値などの制約があ
る。これらを考慮し、この発明の熱容量の小さい測温素
子としてガス検知素子に用いられた実績のある白金コイ
ルを用いた。
【0013】給湯器の煙道中でガス検知素子、温度補償
素子と測温素子間に温度差が生じないよう近接して設置
するために、これら3素子を1個のベース、金網内に収
め、測温素子内蔵接触燃焼式ガスセンサとした。比較の
測温素子内蔵接触燃焼式ガスセンサとして、測温素子と
して従来の白金測温抵抗体を同様に組み立てた。これら
は測温素子内蔵接触燃焼式ガスセンサであるが、ここで
は略してガスセンサと言うことにする。
【0014】各ガスセンサを図1に示す高温用ガス検知
回路に組み込み、25℃で0点出力が0となるようそれ
ぞれの抵抗値を調節し、ガスセンサを250℃に保持し
ている恒温槽に入れ、0点出力の時間変化を測定した。
その結果を0点出力の応答速度線図として図2に示す。
横軸は時間(分目盛り)、縦軸は0点出力で飽和値を1
とする相対目盛りである。カーブaはこの発明の測温素
子を用いた場合の0点出力、カーブbは従来の白金測温
抵抗体測温素子を用いた場合の0点出力である。90%
到達時間はそれぞれ1分、4.5分であり、0点出力の
応答速度は改善されたことが判る。 実施例2 この発明の高温用ガス検知回路をこの発明の白金コイル
を用いたガスセンサおよび比較のため従来の白金薄膜抵
抗体を用いたガスセンサで組み立て、応答速度を測定し
た。0点出力の測定方法と調整法はそれぞれ実施例1に
同じである。
【0015】その結果をこの発明の高温用ガス検知回路
での0点出力の応答速度線図として図3に示す。図の各
軸等は図2に同じである。カーブeはこの実施例の場
合、カーブfは従来の場合である。これらは図2と全く
同じであるが、0点出力自体が2mVと低いので、実用
上の応答時間はより短くなっていることが判る。
【0016】
【発明の効果】ガス検知回路において、測温素子の熱容
量をガス検知素子あるいは温度補償素子のそれよりも小
さくしたので、高温の燃焼ガス中で測温素子の温度はガ
ス検知素子あるいは温度補償素子よりも早く熱平衡に達
することができ、0点出力の応答速度が大きくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温用ガス検知回路図
【図2】従来の高温用ガス検知回路での測温素子の応答
速度線図
【図3】本発明の高温用ガス検知回路での測温素子の応
答速度線図
【図4】従来の高温用ガス検知回路図
【符号の説明】
1 ガス検知素子 2 温度補償素子 3 測温素子 11 抵抗 12 抵抗 13 抵抗 24 第1の差動増幅器 25 第2の差動増幅器 31 出力端子 E 電源 a 本発明の測温素子の0点出力 b 従来の測温素子の0点出力 e 本発明の温度センサの0点出力 f 従来の温度センサの0点出力

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のガス検知素子と温度補償素子とをそ
    の固有の温度補償範囲を越えた高温域で使用するため
    に、測温素子を付加して温度補正を行うガス検知装置に
    おいて、測温素子の熱容量がガス検知素子の熱容量また
    は温度補償素子の熱容量のいずれよりも小さいことを特
    徴とするガス検知装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガス検知装置において、
    測温素子がガス検知素子を構成する測温抵抗体と同じ測
    温抵抗体であることを特徴とするガス検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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