JP2001208669A - 探針評価法および走査形プローブ顕微鏡 - Google Patents

探針評価法および走査形プローブ顕微鏡

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JP2001208669A JP2000014813A JP2000014813A JP2001208669A JP 2001208669 A JP2001208669 A JP 2001208669A JP 2000014813 A JP2000014813 A JP 2000014813A JP 2000014813 A JP2000014813 A JP 2000014813A JP 2001208669 A JP2001208669 A JP 2001208669A
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 探針形状を正確に測定できる探針評価法およ
び走査形プローブ顕微鏡を提供すること。 【解決手段】 まず、探針7の先端が、突部Sの角の横
あたりに位置決めされる。そして、スキャナ制御手段1
1は、探針7を、突部Sの中心軸oを中心として半径Δ
xで回転させるための制御信号を回転信号発生手段21
に送る。この結果、探針7は、前記中心軸oを中心とし
て半径Δxで回転する。探針7は、突部Sとの間にトン
ネル電流が流れるように突部Sに接近しているので、こ
の探針回転時には、常に探針7と突部S間にトンネル電
流が流れている。中央制御手段10は、トンネル電流検
出手段16からのトンネル電流信号を探針7の回転位置
に対応させて記憶し、表示制御手段13は、その記憶さ
れたデータに基づき、探針形状を表すトンネル電流変化
ループを表示手段17の画面上に表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、走査形トンネル
顕微鏡や原子間力顕微鏡などで使用される探針の評価
法、および走査形トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡など
の走査形プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、素材やデバイスなどの製品評価
を精度良く行える装置として、原子レベルまでの凹凸を
非接触で測定できる走査形プローブ顕微鏡(SPM:Scanni
ng Probe Microscope)が注目されるようになってきて
いる。
【0003】この走査形プローブ顕微鏡として、走査形
トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscop
e)や原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)
などがあり、走査形トンネル顕微鏡は、探針と試料間に
流れるトンネル電流に基づいて試料の凹凸像を得るもの
である。一方、原子間力顕微鏡は、カンチレバーの先端
に固定された探針と試料間に働く原子間力に基づいて、
試料の凹凸像を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 最近、このような走
査形プローブ顕微鏡において、探針の形状が得られた画
像に非常に大きな影響を及ぼしていることが問題となっ
ている。
【0005】すなわち、原子レベルの凹凸を測定する場
合には、その測定は探針の最先端原子に依存するため、
探針の形状は大きな問題とはならない。たとえば、1個
の最先端原子が他の原子より0.1nm飛び出していれ
ば、99%のトンネル電流がこの最先端原子に流れるの
で、原子レベルの高分解能の凹凸像を得ることができ
る。
【0006】しかしながら、1nmからサブミクロンの
凹凸を測定する場合には、探針先端の曲率半径や探針の
Cone angleが、得られた画像に非常に大きな影響を及ぼ
してしまう。図1は、このことを説明するために示した
図であり、3種類の典型的な凹凸(1nmからサブミク
ロンの凹凸)を、先端が比較的大きな探針でSTM測定
した場合を示した図である。
【0007】図1において、点線pは探針の軌跡を示し
ており、この軌跡は、探針と試料間に一定のトンネル電
流が流れるように探針高さを制御したときのものであ
る。また、図1の各凹凸のSTM像が、図1の各(b)
に示されている。
【0008】この図1からも明らかなように、1nmか
らサブミクロンの凹凸を測定するときに、探針先端が大
きな場合には、被測定物の凹凸を正確に測定することは
できない。
【0009】これに対し、たとえば図1(1)に示した
凹凸を測定する時に、図2に示すような、先端の曲率半
径が小さくてCone angleθが小さい探針を用いれば、図
2(b)に示すような試料凹凸をほぼ忠実に表した像を
得ることができる。
【0010】このように、探針先端の形状が表面測定に
は大きな影響を及ぼしており、探針先端の形状が良くな
ければ表面粗さ測定に大きな誤差を生じさせるので、そ
の場合には直ちに探針を交換するなどの対応をとらなけ
ればならない。
【0011】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
ので、その目的は、探針形状を正確に測定できる探針評
価法および走査形プローブ顕微鏡を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成する本
発明の探針評価法は、突部を有する標準試料を用意し、
その標準試料と探針間にバイアス電圧を印加した状態
で、前記探針を前記突部のまわりに回転させ、その時に
探針と突部間に流れるトンネル電流に基づいて探針形状
を求めて、探針を評価するようにしたことを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下、図面を用いて本発明の実
施の形態について説明する。
【0014】図3は、本発明の走査形プローブ顕微鏡の
一例として示した、走査形トンネル顕微鏡の概略図であ
る。
【0015】まず、図3の装置構成を説明する。
【0016】図3において、1は試料室チャンバであ
り、そのチャンバ内の固定端2には、圧電体で作られた
スキャナ3が固定されている。このスキャナ3は、x方
向に移動可能なxスキャナ4と、y方向に移動可能なy
スキャナ5と、z方向に移動可能なzスキャナ6で構成
されており、スキャナ3の先端中央には探針7が取り付
けられている。
【0017】前記探針7と対向する側には、x,yおよ
びz方向に移動可能な試料ステージ8が配置されてい
る。そして、この試料ステージ8上に、円柱状の突部S
を有する標準試料9がセットされており、突部Sの中心
軸oはz軸に平行である。
【0018】10は中央制御手段であり、中央制御手段
10は、スキャナ制御手段11、探針評価手段12、表
示制御手段13および臨界形状情報記憶手段14を備え
ている。また、この中央制御手段10は、スキャナ信号
発生手段15、探針7と試料9間に流れるトンネル電流
を検出するトンネル電流検出手段16、および表示手段
17に接続されている。
【0019】前記スキャナ信号発生手段15は、xスキ
ャナ信号発生手段18、yスキャナ信号発生手段19、
zスキャナ信号発生手段20、および回転信号発生手段
21を備えている。この回転信号発生手段21は、AC
成分発生回路22と位相器23を備えている。そして、
スキャナ信号発生手段15は、xスキャナ電源24を介
して前記xスキャナ4に、またyスキャナ電源25を介
して前記yスキャナ5に、さらにzスキャナ電源26を
介して前記zスキャナ5に接続されている。
【0020】27はバイアス電源であり、バイアス電源
27は、探針7と試料9間にバイアス電圧を印加するた
めのものである。
【0021】以上、図3の装置構成について説明した
が、以下、このような装置の動作説明を行う。
【0022】探針7の先端形状を評価するにあたり、ま
ず図4に示すように、探針7の先端Tが、前記突部Sの
角の横あたりに位置決めされる。図4の場合には、探針
7の先端Tは、突部Sの上面中心S0(x0,y0,z0
からx方向にΔx、−z方向にΔzのところ(x0+Δ
x,y0,z0−Δz)に位置決めされている。このと
き、探針7は、探針と突部間に数Vのバイアス電圧が印
加されると、突部との間にトンネル電流が流れる程度に
接近している。また、図4の状態において、探針7の中
心軸tは、突部Sの中心軸oに平行である。
【0023】ここで、図3の装置における、このような
探針の位置決め動作を説明する。
【0024】まず、突部Sを含む試料9のフィールドエ
ミッション電流像(凹凸像)を得るために、探針7が基
準位置に固定され、探針7と試料9間に数kVのバイア
ス電圧が印加された状態で、試料ステージ8がxy方向
に二次元的に走査される。このとき、探針7と試料間に
は、その距離に対応したフィールドエミッション電流が
流れ、その電流はトンネル電流検出手段16により検出
される。
【0025】そして、中央制御手段10は、トンネル電
流検出手段16からのエミッション電流信号を各ステー
ジ位置に対応させて記憶し、その記憶したデータに基づ
いてエミッション電流像を表示手段17の画面上に表示
させる。図5は、そのエミッション電流像を示したもの
である。
【0026】なお、このようなエミッション電流像の取
得については特願平11−88519に詳しく記載され
ており、図3の装置は、この技術を採用している。
【0027】このようにして、図5に示すようなエミッ
ション電流像が得られると、オペレータは、その像上に
おいて、突部Sの上面中心S0を指示する。すると、中
央制御手段10は、その指示された位置S0に対応する
ステージ位置を求め、求めたステージ位置に基づき、突
部Sの上面中心S0が探針7の直下に位置するように試
料ステージ8のxy位置を制御する。
【0028】図6(a)は、この試料ステージ制御後
の、探針7と突部Sの状態を示した図であり、このとき
の突部Sの上面中心S0の座標が、上述した(x0
0,z0)である。
【0029】このようにして、突部Sの上面中心S0
探針7の直下に位置すると、バイアス電源27が制御さ
れて、探針7と試料間に数Vのバイアス電圧が印加され
る。そして、中央制御手段10のスキャナ制御手段11
は、トンネル電流検出手段16からのトンネル電流信号
を受け、そのトンネル電流が所定値に保たれるように、
スキャナ信号発生手段15のzスキャナ信号発生手段2
0を制御する。図6(a)の状態においては、探針7と
突部Sは、それらの間にトンネル電流が流れない程度に
離れているので、スキャナ制御手段11は、探針7を突
部側に移動させるための制御信号をzスキャナ信号発生
手段20に送る。
【0030】その制御信号を受けたzスキャナ信号発生
手段20は、探針7を突部側に移動させるためのzスキ
ャナ信号をzスキャナ電源26に送る。この結果、zス
キャナ6が探針側に伸びて、探針7が突部に近づき、最
終的に探針7は、原子レベルの凹凸に処理された突部S
上面との間に所定のトンネル電流が流れるz位置で停止
する。
【0031】図6(b)は、そのときの探針7と突部S
の状態を示した図であり、探針7の先端は、限りなく突
部S上面に接近している。
【0032】次に、スキャナ制御手段11は、探針7を
x方向にΔx移動させるための制御信号をxスキャナ信
号発生手段18に送る。その制御信号を受けたxスキャ
ナ信号発生手段18は、探針7をx方向にΔx移動させ
るためのxスキャナ信号をxスキャナ電源24に送る。
この結果、xキャナ4がx方向に移動して、探針7はx
方向にΔx移動する。
【0033】図6(c)は、そのときの探針7と突部S
の状態を示した図である。
【0034】さらに、スキャナ制御手段11は、探針7
を−z方向に所定量移動させるための制御信号をzスキ
ャナ信号発生手段20に送る。その制御信号を受けたz
スキャナ信号発生手段20は、探針7を−z方向に所定
量移動させるためのzスキャナ信号をzスキャナ電源2
6に送る。この結果、zキャナ6が−z方向に伸びて、
探針7は図4に示した位置で停止する。
【0035】このようにして、探針7の先端Tが、座標
(x0+Δx,y0,z0−Δz)に位置決めされると、
スキャナ制御手段11は、探針7を、前記中心軸oを中
心として半径Δxで回転させるための制御信号を回転信
号発生手段21に送る。すると、回転信号発生手段21
のAC成分発生回路22は、θが0°〜360°に連続
的に変化する信号Δxcosθをxスキャナ電源24と
位相器23に送る。そして、位相器23は、信号Δxc
osθの位相を90°ずらして信号Δxcos(θ+9
0°)をyスキャナ電源25に送る。この結果、探針7
は、それ自身は自転せずに、前記中心軸oを中心として
半径Δxで回転する。このため、探針が突部Sのまわり
に一周すると、探針の側面が一周にわたって突部Sと対
向する。なお、このときの回転信号は、回転信号発生手
段21から中央制御手段10に参照信号として送られて
いる。
【0036】上述したように、探針7は、突部Sとの間
にトンネル電流が流れるように突部Sに接近しているの
で、この探針回転時には、常に探針7と突部S間にトン
ネル電流が流れている。そして、このトンネル電流は、
探針7と突部Sとの距離に応じて変化し、探針と突部の
距離が短いほど多くのトンネル電流が流れる。すなわ
ち、探針先端形状が前記図1に示したように大きい時に
は、探針先端形状が前記図2に示したように小さい時に
比べて、より多くのトンネル電流が流れる。
【0037】この探針7と突部S間に流れるトンネル電
流はトンネル電流検出手段16で検出され、中央制御手
段10は、トンネル電流検出手段16からのトンネル電
流信号を探針7の回転位置に対応させて記憶する。
【0038】そして、表示制御手段13は、その記憶さ
れたデータに基づき、図7のiに示すようなトンネル電
流変化ループを表示手段17の画面上に表示させる。こ
のループiは、探針と突部間に流れるトンネル電流を探
針の回転位置に対応させて表示させたものであり、トン
ネル電流の大きさを基準画素qからの距離に対応させて
表示させたものである。
【0039】また、表示制御手段13は、臨界形状情報
記憶手段14に記憶された、探針交換が必要である探針
の臨界形状データに基づき、図7のiiに示すような円
形ループを表示手段17の画面上に表示させる。
【0040】このような表示が行われると、オペレータ
は、トンネル電流変化ループiが円形ループiiの中に
収まっているかどうかを判断する。そして、オペレータ
は、このケースのようにループiがループiiの中に収
まっていない場合には、すなわち、探針先端形状が大き
くて探針交換が必要である場合には、直ちに探針7を新
しいものに交換する。
【0041】なお、図7のループiは円形ではないが、
これは、探針の断面形状が円形でないことを表してお
り、オペレータはこのループiから、探針の側面形状を
評価することができる。
【0042】また、図3の装置において探針評価手段1
2を動作させれば、探針評価手段12は、探針交換が必
要であるかどうかの判断を自動的に行う。
【0043】その場合、探針評価手段12は、前記中央
制御手段10に記憶された、探針7の回転位置に対応し
て記憶されたトンネル電流信号に基づき、上述したトン
ネル電流変化ループiを作成する。また、探針評価手段
12は、前記臨界形状情報記憶手段14に記憶された臨
界形状データに基づき、上述した円形ループiiを作成
する。
【0044】そして、探針評価手段12は、トンネル電
流変化ループiが円形ループiiの中に収まっているか
どうかを判断し、このケースのようにループiがループ
iiの中に収まっていない場合には、探針交換が必要で
あると判断して、その事を表示手段17の画面上に警告
表示するように表示制御手段13を制御する。すると、
表示制御手段13は、前記図7に示した円形ループii
を明るく点灯させる。なお、この場合、前記図7に示し
たループiを明るく点灯させるように表示制御手段13
を構成しても良い。
【0045】また、ループiがループiiの中に収まっ
ていても、ループiの形状、すなわち探針の側面形状が
不良の場合には、警告表示を出すように探針評価手段1
2を構成するようにしても良い。
【0046】また、上述した警告を、スピーカーから音
声で出すように探針評価手段12を構成するようにして
も良い。
【0047】以上、図3の走査形トンネル顕微鏡につい
て説明したが、このような装置を用いれば、探針形状を
正確に測定することができる。
【0048】なお、本発明はこの例に限定されるもので
はない。
【0049】たとえば、上記例では、突部Sの形状は円
筒状であったが、円錐状などでも良い。
【0050】また、前記図4に示した状態から、探針7
を突部Sの長手方向、すなわち−z方向に所定量移動さ
せた後に上述した探針形状測定を行い、さらに探針を−
z方向に所定量移動させて同様に探針形状測定を行い、
このような動作を探針が所定のz位置に達するまで行う
ようにすれば、探針の長手方向の側面形状を知ることが
できる。その場合、各z位置において得られたトンネル
電流変化ループを、図8(a)に示すように同心円状に
表示させたり、または、図8(b)に示すように、楕円
状に変形させた上で縦方向にある間隔をおいて順に並べ
て表示させるようにしても良い。
【0051】また、図3の装置において、探針を突部S
のまわりに回転させたとき、各回転位置において、探針
と突部Sの半径方向の距離が一定距離となるように、す
なわちトンネル電流が一定となるように、探針のxおよ
びy位置をフィードバック制御し、そのx位置制御量と
y位置制御量に基づいて、探針形状を求めるようにして
も良い。
【0052】また、上記例では、探針を突部のまわりに
回転させるようにしたが、探針の位置を固定させた状態
で、突部側を探針のまわりに回転させ、そのときに探針
と突部間に流れるトンネル電流に基づいて探針形状を求
めるようにしても良い。その際、その突部を有する試料
を3軸方向に移動可能な圧電体スキャナで回転させるよ
うにすれば良い。
【0053】また、上記例では、トンネル顕微鏡の探針
を評価する場合について説明したが、原子間力顕微鏡の
探針も同様にして評価することができる。その場合も、
探針側を突部のまわりで回転させても、また、突部側を
探針のまわりで回転させても良い。
【0054】また、探針7を回転時にトンネル電流の変
化を一定にするための信号をx、y軸のθ成分に比例し
た形でフィードバックすることで探針7の位置を直接モ
ニターすることも可能であり、直接探針の形状を測定す
ることも可能である。
【0055】さて、次に、探針形状を評価する別の方法
について説明する。
【0056】まず、図9に示すような正方形(または長
方形)の穴を有する標準試料を用意する。そして、探針
と試料間にバイアス電圧を印加し、探針と試料間に流れ
るトンネル電流を一定に保ちながら、探針をその穴上を
xおよびy方向に走査させる。このときの探針のz位置
の制御結果から、探針のx走査とy走査について前記図
1または図2に示すような凹凸像が得られるので、オペ
レータは、その像から、探針の4つの側面の形状評価を
行うことができる。なお、探針の位置を固定しておい
て、試料側をx,yおよびz方向に制御するようにして
も良い。
【0057】また、図10に示すように、C60を用い
て探針の形状を評価するようにしても良い。C60は、
カーボン原子が60個集まってできた球状のものであ
り、そのサイズは1nm程度で安定しており、このC6
0を平らな試料の上に固定すれば、現在測定が求められ
ている1nm程度の表面粗さの標準試料とすることがで
きる。
【0058】そして、探針と試料間にバイアス電圧を印
加し、探針と試料間に流れるトンネル電流を一定に保ち
ながら、探針を前記C60上をxおよびy方向に走査さ
せる。このときの探針のz位置の制御結果から、探針の
x走査とy走査について図10(b)に示すような凹凸
像が得られるので、オペレータは、その像のC60部分
の画像サイズlから、探針の先端形状を評価する。
【0059】このとき、探針先端が前記図2に示したよ
うに非常に尖っていれば、探針はC60にかなり接近し
て走査されるので、前記画像サイズlは小さく、逆に、
探針先端形状が前記図1に示したように大きいときに
は、その画像サイズlは大きくなる。なお、探針の位置
を固定しておいて、試料側をx,yおよびz方向に制御
するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 探針を用いて試料の凹凸をSTM測定してい
る状態を示した図である。
【図2】 探針を用いて試料の凹凸をSTM測定してい
る状態を示した図である。
【図3】 本発明の走査形プローブ顕微鏡の一例として
示した、走査形トンネル顕微鏡の概略図である。
【図4】 探針7の先端を突部Sの角の横あたりに位置
決めしたときの状態を示した図である。
【図5】 試料のフィールドエミッション電流像を示し
た図である。
【図6】 探針7を図4の状態に位置決めするまでの過
程を説明するために示した図である。
【図7】 図3の装置における表示に関する動作を説明
するために示した図である。
【図8】 図3の装置における表示に関する動作を説明
するために示した図である。
【図9】 探針形状を評価する他の方法について説明す
るために示した図である。
【図10】 探針形状を評価する他の方法について説明
するために示した図である。
【符号の説明】 1…試料室チャンバ、2…固定端、3…スキャナ、4…
xスキャナ、5…yスキャナ、6…zスキャナ、7…探
針、8…試料ステージ、9…標準試料、10…中央制御
手段、11…スキャナ制御手段、12…探針評価手段、
13…表示制御手段、14…臨界形状情報記憶手段、1
5…スキャナ信号発生手段、16…トンネル電流検出手
段、17…表示手段、18…xスキャナ信号発生手段、
19…yスキャナ信号発生手段、20…zスキャナ信号
発生手段、21…回転信号発生手段、22…AC成分発
生回路、23…位相器、24…xスキャナ電源、25…
yスキャナ電源、26…zスキャナ電源、27…バイア
ス電源

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突部を有する標準試料を用意し、その標
    準試料と探針間にバイアス電圧を印加した状態で、前記
    探針を前記突部のまわりに回転させ、その時に探針と突
    部間に流れるトンネル電流に基づいて探針形状を求め
    て、探針を評価するようにしたことを特徴とする探針評
    価法。
  2. 【請求項2】 前記突部の形状は、円筒状であることを
    特徴とする請求項1記載の探針評価法。
  3. 【請求項3】 前記突部の長手方向に探針を移動させな
    がら、探針を突部のまわりに回転させることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の探針評価法。
  4. 【請求項4】 突部を有する標準試料を用意し、その標
    準試料と探針間にバイアス電圧を印加した状態で、前記
    突部を前記探針のまわりに回転させ、その時に探針と突
    部間に流れるトンネル電流に基づいて探針形状を求め
    て、探針を評価するようにしたことを特徴とする探針評
    価法。
  5. 【請求項5】 前記突部の形状は、円筒状であることを
    特徴とする請求項4記載の探針評価法。
  6. 【請求項6】 前記突部の長手方向に突部を移動させな
    がら、突部を探針のまわりに回転させることを特徴とす
    る請求項4または請求項5に記載の探針評価法。
  7. 【請求項7】 探針を備えた走査形プローブ顕微鏡にお
    いて、突部を有する標準試料と前記探針間にバイアス電
    圧を印加する手段と、前記探針を前記突部のまわりに回
    転させる探針移動手段と、その回転時に探針と突部間に
    流れるトンネル電流に基づいて探針形状を求める手段を
    備えたことを特徴とする走査形プローブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記突部の長手方向に探針を移動させな
    がら、探針を突部のまわりに回転させることを特徴とす
    る請求項7記載の走査形プローブ顕微鏡。
  9. 【請求項9】 探針を備えた走査形プローブ顕微鏡にお
    いて、突部を有する標準試料と前記探針間にバイアス電
    圧を印加する手段と、前記突部を前記探針のまわりに回
    転させる試料移動手段と、その回転時に探針と突部間に
    流れるトンネル電流に基づいて探針形状を求める手段を
    備えたことを特徴とする走査形プローブ顕微鏡。
  10. 【請求項10】 前記突部の長手方向に突部を移動させ
    ながら、突部を探針のまわりに回転させる事を特徴とす
    る請求項9記載の走査形プローブ顕微鏡。
  11. 【請求項11】 さらに、探針を評価する手段を備え、
    この評価手段は、探針交換が必要である探針の臨界形状
    情報を記憶しており、その臨界形状と前記求められた探
    針形状を比較し、探針交換が必要であると判断した場合
    には、その事を表示画面上に警告表示するか、または音
    声的に警告することを特徴とする請求項7から請求項1
    0の何れかに記載の走査形プローブ顕微鏡。
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