JP2001208662A - 材料試験装置における制御方法及び材料試験装置 - Google Patents
材料試験装置における制御方法及び材料試験装置Info
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Abstract
サイクルを、定常サイクルに挿入することができる材料
試験装置における制御方法及び材料試験装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 荷重負荷装置(13)で材料試験片(1
4)に引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加えてい
る。そして、材料試験片に加わる荷重(S)を弾性係数
(Kd)で割って推定弾性歪量を求め、この推定弾性歪
量を材料試験片の歪量から引いて推定塑性歪量(Eops
)を求め、この推定塑性歪量が目標塑性歪量(Eopm
)となった際に、引張荷重から圧縮荷重の方へ、また
は、圧縮荷重から引張荷重の方への反転を行っており、
定常サイクル時では負荷の変化速度の大きさは略一定で
あり、この定常サイクルの間に挿入される挿入サイクル
では、保持開始ポイントから保持終了ポイントまで歪み
(ε)を一定に保持している。
Description
荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加える材料試験装置
における制御方法及び材料試験装置に関する。
おいては、引張側の最大歪量εMAX と、圧縮側の最大歪
量εMAX とが設定されている。なお、図13において、
引張側が+で、圧縮側が−で表示され、材料試験の初期
状態が原点0で表示されている。歪量は歪みεの大きさ
(すなわち、絶対値)である。引張側の最大歪量εMAX
と、圧縮側の最大歪量εMAX とは同じ値とする場合が多
い。そして、材料試験片の歪量が、引張側または圧縮側
の最大歪量εMAX に達すると、材料試験片に加わる荷重
を、引張荷重から圧縮荷重の方へ、または、圧縮荷重か
ら引張荷重の方へ変更している。
圧縮の繰り返し荷重を材料試験片に加えているが、この
定常サイクルに、図8に図示する様に挿入サイクルを適
宜挿入することが検討されている。この挿入サイクル
は、図9および図10に図示するように、部分的に歪み
または荷重(応力)一定の部分があり、応力緩和試験や
クリープ試験を行っている。この応力緩和試験やクリー
プ試験により、内部応力の計測ができる。そして、歪み
または荷重一定の部分の直前には、材料試験片に加わる
荷重を急変させている。この急変部分の設定は、材料試
験片に加える荷重Sの変化量ΔSで行われる。なお、荷
重Sを材料試験片の断面で割ると、応力σとなる。した
がって、下記の(1式)となる。なお、K1は比例定
数。 荷重S=K1×応力σ (1式)
び圧縮側の最大歪量εMAX が設定されている材料試験装
置では、図13に図示するように、定常サイクルでは、
引張側の最大歪量εMAXとなるピークである点R1と、圧
縮側の最大歪量εMAX となるピークである点R2との間を
ヒステリシスカーブを描きながら往復動している。一
方、挿入サイクルでは、引張側のピークである点R1通過
後、歪み一定の部分Hが挿入され、破線の様な曲線を描
きながら圧縮側へ移動する。そして、歪みεが圧縮側の
最大歪量εMAX に達したピークである点R3で反転し、細
い破線で図示するように、引張側のピーク点R4に向かっ
て移動する。このピーク点R4の後は定常サイクルに戻る
が、略点R3と点R4との間をヒステリシスカーブを描きな
がら往復動している。この点R3と点R4との間のヒステリ
シスカーブは、以前の定常サイクルの点R1と点R2との間
のヒステリシスカーブよりも、図13において下側に位
置している。この様に挿入サイクルの前後で、ヒステリ
シスカーブの位置が異なることになる。したがって、材
料試験で得られたデータを挿入サイクルの前後で比較す
る際には、ヒステリシスカーブの位置のズレを考慮する
必要があり、データの比較検討が難しくなる。さらに、
挿入サイクルは複数回挿入されることがあるが、挿入の
度に、ヒステリシスカーブは、図13において下側へ、
すなわち、圧縮側へ移動していくことになり、材料試験
片に加わる荷重が順次、圧縮荷重の方が引張荷重よりも
大きくなっていく。その結果、材料試験片に加わる荷重
条件が変化し、材料試験の時間経過に伴うデータの比較
検討が難しくなる。また、繰り返し負荷試験すなわち疲
労試験においては、図13に実線で図示するヒステリシ
スカーブの内側の面積や、特に、塑性歪量Epp,Epp2
の値の影響が大であり、定常サイクルでは、この塑性歪
量Epp,Epp2 の値を略一定に保つことが望まれてい
る。しかしながら、従来の引張側および圧縮側の最大歪
量εMAX が設定されている材料試験装置では、塑性歪量
一定の制御を行うことができないおそれがある。
ら圧縮側へ、または、圧縮側から引張側へ移動する際に
荷重Sが0となる点P2間の歪量(いわゆる塑性歪量)Ep
p2を一定に制御する材料試験方法があるが、挿入サイク
ルにおいては、図13に図示するように、荷重Sが0と
なる点R5は、点P2から大きく(図13において右側へ)
ズレており、それ以降の制御が異常となることがある。
すなわち、点R5を通った際に、歪量Epp2は大きすぎると
判断し、次のサイクルで材料試験片に加える最大歪量ε
MAX を小さくすることになるが、すると、歪量Epp2は小
さくなる。そのため、その次のサイクルでは、材料試験
片に加える最大歪量εMAX を大きくすることになり、歪
量Epp2は大きくなる。この様にして、歪量Epp2が減少増
大を繰り返すことになる。この様にして、制御系が不安
定となることがある。
定は、材料試験片に加える荷重の変化量ΔSで行われて
いるので、急変部分H2においては、荷重のフィードバ
ック制御が行われている。一方、定常サイクルにおいて
は、歪みのフィードバック制御が行われていることが多
く、フィードバック制御の切り換えが必要となる。この
フィードバック制御の切り換えの際に、ノイズやショッ
クが混入することがある。たとえば、フィードバック制
御の切り換え処理は、ノイズやショックが発生しないよ
うに、極力短時間で行われているが、切り換え処理の際
に行われる荷重センサおよび歪みセンサの検出値の入力
から、アクチュエータのサーボバルブへの制御信号の出
力までには、処理時間を要している。そのため、切り換
え処理の開始から終了までの期間に、材料試験片に加わ
る荷重や歪みが変動し、切り換え処理の前後で荷重や歪
みに差が生じ、この差がノイズやショックとなることが
ある。したがって、DDC(ダイレクトデジタルコント
ロール)制御等による超精密な試験を行っている場合に
は、極力フィードバック制御の切り換えを避けることが
望まれている。また、材料試験片にショックを与える
と、材料試験片にダメージが加わり、正確なデータの入
手が難しくなる。
めのもので、荷重または歪み一定の部分を有する挿入サ
イクルを、定常サイクルに挿入することができる材料試
験装置における制御方法及び材料試験装置を提供するこ
とを目的とする。また、フィードバック制御の切り換え
を極力少なくすることができる材料試験装置における制
御方法及び材料試験装置を提供することを二次的目的と
する。
おける制御方法は、荷重負荷装置(13)で材料試験片
(14)に引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加え
ている材料試験装置における制御方法において、材料試
験片に加わる荷重(S)を弾性係数(Kd)で割って推
定弾性歪量を求め、この推定弾性歪量を材料試験片の歪
量から引いて推定塑性歪量(Eops )を求め、この推定
塑性歪量が目標塑性歪量(Eopm )となった際に、引張
荷重から圧縮荷重の方へ、または、圧縮荷重から引張荷
重の方への反転を行っており、定常サイクル時では、前
記材料試験片に加わる負荷の変化速度の大きさは、引張
荷重と圧縮荷重とからなる1サイクル中は略一定であ
り、定常サイクルの間に挿入される挿入サイクルでは、
保持開始ポイントから保持終了ポイントまで、荷重また
は歪み(ε)を一定に保持している。
ポイントまで、材料試験片に加わる負荷を急変させて、
短時間で達している場合がある。
始ポイントまでに急変開始ポイントを設定し、ピークか
ら急変開始ポイントまでは、材料試験片に加わる負荷を
一定の変化速度で変化させ、急変開始ポイントから保持
開始ポイントまでは、材料試験片に加わる負荷を急変さ
せて、短時間で達しており、保持終了ポイント以後は、
材料試験片に加わる負荷を一定の変化速度で変化させて
いる場合がある。
は、ピークから保持開始ポイントまでの材料試験片に加
える荷重の変化量で設定し、この荷重の変化量を弾性係
数で割って、ピークから保持開始ポイントまでの歪みの
変化量を求め、この歪み変化量に基づいて保持開始ポイ
ントが決定されている場合がある。
返し信号を出力する目標負荷信号発生手段(1)と、こ
の目標負荷信号発生手段からの繰り返し信号に基づいて
材料試験片に引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加
える荷重負荷装置と、材料試験片に加わる荷重および歪
みを検出する荷重センサ(36)および歪みセンサ(1
6)と、荷重センサからの検出荷重を弾性係数で割って
推定弾性歪量を求め、この推定弾性歪量を歪みセンサか
らの検出歪量から引いて推定塑性歪量を求めている推定
塑性歪量計算手段(38)と、推定塑性歪量が目標塑性
歪量となった際に、増大から減少へ、または、減少から
増大への反転信号を前記目標負荷信号発生手段に出力す
る反転信号発生手段(42)と、保持開始ポイントを設
定する保持開始ポイント設定手段(53)と、保持終了
ポイントを設定する保持終了ポイント設定手段(56)
と、目標負荷信号発生手段へ保持開始信号を出力する保
持開始信号入力手段(51)とを備え、目標負荷信号発
生手段は、定常サイクル時に、引張荷重と圧縮荷重とか
らなる1サイクル中は大きさが略一定である変化速度で
変化する繰り返し信号を出力する手段と、保持開始信号
が入力されて、挿入サイクルになると、ピーク通過後の
保持開始ポイントから保持終了ポイントまでの出力を一
定に保持し、材料試験片に加わる荷重または歪みを一定
に維持している手段とを具備している。
挿入サイクルのピークから保持開始ポイントまでの出力
を急変させて、保持開始ポイントに短時間で達する手段
を具備している場合がある。
開始ポイント設定手段(57)が設けられ、前記目標負
荷信号発生手段は、前記挿入サイクルのピークから急変
開始ポイントまで一定の変化速度で出力を変化させる手
段と、急変開始ポイントから保持開始ポイントまでは、
出力を急変させて、保持開始ポイントに短時間で達する
手段と、保持終了ポイント以後は、一定の変化速度で出
力を変化させている手段とを具備している場合がある。
の荷重の変化量により、保持開始ポイントを設定する荷
重変化量設定手段(54)と、荷重変化量設定手段で設
定された荷重の変化量を弾性係数で割って歪み変化量を
求める歪み変化量生成手段(55)とを備え、目標負荷
信号発生手段は、定常サイクル時に、引張荷重と圧縮荷
重とからなる1サイクル中は大きさが略一定である変化
速度で変化する繰り返し信号を出力する手段と、保持開
始信号が入力されて、挿入サイクルになると、ピーク通
過後、ピーク時の歪みから歪み変化量生成手段の歪み変
化量を引いて、保持開始ポイントを求めて出力する手段
と、この保持開始ポイントから保持終了ポイントまで出
力を一定に保持し、材料試験片に加わる歪みを一定に維
持する手段と、保持終了ポイントに達した後に、増大減
少の繰り返し信号を出力して定常サイクルに戻る手段と
を具備している場合がある。
置における制御方法及び材料試験装置の実施の一形態を
説明する。図1は本発明の材料試験装置の実施の一形態
の構成を示すブロック図である。図2は保持条件設定部
のブロック図である。図3は図1の材料試験装置におけ
るメインのフローチャートである。図4は保持フローの
フローチャートである。図5は挿入サイクルの設定を行
うための割り込み処理のフローチャートである。図6は
定常サイクルおよび歪み一定の挿入サイクルのヒステリ
シスカーブで、(a)が全体図、(b)が引張側のピー
クの拡大図である。図7は定常サイクルおよび荷重一定
の挿入サイクルのヒステリシスカーブである。図8は材
料試験のタイムチャートである。図9は歪み一定の挿入
サイクルのタイムチャートで、(a)が歪みの図、
(b)が荷重の図である。図10は荷重一定の挿入サイ
クルのタイムチャートで、(a)が歪みの図、(b)が
荷重の図である。図11はピークと保持開始ポイントと
の間に急変開始ポイントを設定した場合における歪み一
定の挿入サイクルのタイムチャートで、(a)が歪みの
図、(b)が荷重の図である。図12は引張側から圧縮
側に移動する際に荷重Sが0となる点P2のタイムチャー
トである。図13は従来の材料試験におけるヒステリシ
スカーブの説明図である。なお、材料試験装置は、コン
トローラおよびホストコンピュータにより制御される
が、図1および図2ではコントローラとホストコンピュ
ータとを区別せずに、複数のブロックとして図示してい
る。また、図13には、実施の形態の点R14が比較のた
めに図示されている。
盤などで予め設定された勾配で増減を繰り返す制御目標
信号Eiを出力する。すなわち、この制御目標信号Ei
は、予め設定されている目標信号増加量ΔEを一定時間
毎に加算または減算することにより生成されている。こ
の制御目標信号Eiの勾配すなわち目標信号増加量ΔE
は、設定し直すことなどにより、材料試験中に変更する
ことも可能である。そして、この目標負荷信号発生部1
の制御目標信号Eiは、歪みフィードバック制御用加算
部3および荷重フィードバック制御用加算部23に出力
されている。加算部3の出力Er1は、調整部4で微分
処理、積分処理、増幅やD/A変換などを行って、サー
ボバルブ入力信号i1とし、切り換えスイッチ6を介し
て、破線で囲まれて図示されているプラント部(材料試
験装置)11の油圧アクチュエータ(ACT)13のサ
ーボバルブ(S/V)12に入力されている。このサー
ボバルブ12により荷重負荷装置としてのアクチュエー
タ13が稼働し、プラント部11にセッティングされた
材料試験片14に負荷として引張荷重や圧縮荷重が加え
られている。この材料試験片14に加えられた歪みε
(すなわち、アクチュエータ13のピストンの変位量)
は、歪みセンサ16で検出されている。この歪みセンサ
16は、アームを有する歪みゲージ式伸び計、静電容量
式伸び計やレーザー式変位量測定器などで構成され、こ
の歪みセンサ16の出力信号は、歪みセンサ用アンプ1
7で増幅およびA/D変換されて、加算部3に入力され
ている。
1からの目標負荷信号Eiと歪みセンサ16からの歪信
号Ekとの差信号Er1を、前述のように調整部4に出
力している。この様にして、材料試験片14に加わる負
荷としての歪みεが、目標負荷信号発生部1の目標負荷
信号Eiに追随する様に、フィードバック制御されてい
る。なお、制御目標信号Eiが+の場合は引張側とな
り、一方、−の場合は圧縮側となっている。そして、制
御目標信号Eiが+側のピークである最大値MAXになる
と、引張側の最大歪量εMAX が材料試験片14に加わ
り、一方、制御目標信号Eiが−側のピークである最小
値MIN になると、圧縮側の最大歪量εMAX が材料試験片
14に加わる。
号Eiは、荷重フィードバック制御用加算部23に出力
される。この加算部23の出力Er2は、荷重用調整部
24を介して比例・微分・積分(PID)、および、D
/A変換されてサーボバルブ入力信号i2として、切り
換えスイッチ6に入力されている。切り換えスイッチ6
は、サーボバルブ12への接続を歪みフィードバック制
御用加算部3側または荷重フィードバック制御用加算部
23側に切り換えることにより、稼働されるフィードバ
ック制御ループを変更している。なお、図1において
は、切り換えスイッチ6は歪みフィードバック制御ルー
プに切り換えられている。そして、この切り換えスイッ
チ6が荷重フィードバック制御ループに切り換えられて
いる際には、荷重用調整部24の出力i2が、プラント
部11の油圧アクチュエータ13のサーボバルブ12に
入力されている。そして、材料試験片14に加えられた
負荷としての荷重Sは、ロードセル(L/C)などの荷
重センサ36で検出されている。この荷重センサ36の
出力信号Esは、荷重センサ用アンプ37で増幅および
A/D変換されて、荷重フィードバック制御用加算部2
3に入力され、フィードバックされている。この様にし
て、ダイレクトデジタルコントロール(DDC)システ
ムのサーボループが構成され、材料試験片14に加わる
歪みεまたは荷重Sが目標負荷信号発生部1の目標負荷
信号Eiに追従するように制御されている。
は、歪みセンサ用アンプ17を介して目標負荷信号発生
部1および推定塑性歪量計算部38に入力され、同様
に、荷重センサ36が検出した荷重Sは、荷重センサ用
アンプ37を介して目標負荷信号発生部1および推定塑
性歪量計算部38に入力されている。
に、歪みセンサ16からの歪みεおよび荷重センサ36
からの荷重Sが入力されており、前もって検出されてい
る弾性係数Kdとから材料試験片14に生じている推定
塑性歪量Eops を下記の式で演算している。なお、引張
側も圧縮側も同じ式で算出できる。 推定塑性歪量Eops =歪みεの絶対値(大きさ)−荷重Sの絶対値(大きさ) ÷弾性係数Kd (2式) 〔なお、荷重Sの絶対値÷弾性係数Kdは推定弾性歪量
である。また、弾性係数Kdは、同じ材質の他の材料試
験片14で前もって決定することも可能であるが、材料
試験の初期において、略弾性範囲内の負荷を材料試験片
14に加え、歪みセンサ16および荷重センサ36が検
出した前回の歪みεn および荷重Sn と、新しい歪みε
n+1 および荷重Sn+1 から、下記の式で求めることがで
きる。 歪みεn+1 −前回の歪みεn =歪み差 dεn (3式) 荷重Sn+1 −前回の荷重Sn =荷重差dSn (4式) 荷重差dSn ÷歪み差 dεn =弾性係数Kd (5式)〕 そして、推定塑性歪量計算部38は、この推定塑性歪量
Eops を加算部39に出力している。また、目標塑性歪
量設定部41には、予め目標塑性歪量Eopm が設定され
ており、この目標塑性歪量Eopm が目標塑性歪量設定部
41から加算部39に出力されている。加算部39は目
標塑性歪量Eopm と推定塑性歪量Eopsとの差信号を反
転信号発生部42に出力している。反転信号発生部42
は、推定塑性歪量Eops が目標塑性歪量Eopm に達する
と、反転信号を目標負荷信号発生部1に出力している。
目標負荷信号発生部1は前述のように、予め設定されて
いる勾配で増加または減少しているが、反転信号発生部
42から反転信号が入力されると、増加している場合に
は反転して減少し、一方、減少している場合には反転し
て増加している。
推定塑性歪量Eops が目標塑性歪量Eopm になると、引
張荷重から圧縮荷重の方へ、または圧縮荷重から引張荷
重の方へ変更されて、アクチュエータ13で材料試験片
14に、引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加えて
いる。なお、ヒステリシスカーブの図の右側(引張側)
の点pにおける歪量Eopは目標塑性歪量Eopm と等しく
なっている。また、引張側の歪量Eopと圧縮側の点−p
における歪量Epoとは等しくなっている。そして、図6
に図示する様に、引張側の歪量Eopと圧縮側の歪量Epo
とを合計した値が、全目標塑性歪量Eppとなっている。
すなわち、全目標塑性歪量Eppの半分の値が、目標塑性
歪量Eopm として設定されている。
方法では、図8に図示するように、定常サイクルの途中
に挿入サイクルが複数たとえば約10回挿入されてい
る。たとえば、定常サイクルを100サイクル以上行っ
た後に、挿入サイクルを挿入し、再度、定常サイクルを
100サイクル以上行った後に、挿入サイクルを挿入し
を繰り返している。この挿入サイクルの設定は、保持条
件設定部2から目標負荷信号発生部1に入力される信号
により行われている。図示しない操作盤などにより設定
される保持条件設定部2は記憶機能を有しており、保持
開始信号入力部51、保持対象設定部52、保持開始ポ
イント設定部53、保持終了ポイント設定部56、急変
開始ポイント設定部57などが設けられている。保持開
始ポイント設定部53は、荷重変化量設定部54および
歪み変化量演算部55を具備している。
されて保持開始フラグが設定され、挿入サイクル終了後
はリセットされる。そして、保持開始フラグが設定され
ていると、目標負荷信号発生部1は挿入サイクルを開始
する。保持対象設定部52は、操作盤などで、挿入サイ
クル時に保持する対象として、荷重または歪みを選択的
に設定される。
クル時における保持を開始するポイントが設定される。
この保持開始ポイントは、ピークから歪みε0に向かっ
て移動する戻り部に設定されている。また、保持開始ポ
イントは、ピークからの経過時間や歪みεの値で設定す
ることもできるが、ピークからの荷重変化量ΔSで設定
することも可能である。その場合には、荷重変化量設定
部54に荷重変化量ΔSが設定され、この荷重変化量Δ
Sが歪み変化量演算部55に入力される。歪み変化量演
算部55は、荷重変化量ΔSを弾性係数Kd2で割るこ
とにより、歪み変化量Δεを決定し、記憶設定される。
この弾性係数Kd2は、推定塑性歪量計算部38で用い
た弾性係数Kdと同じ値を用いることが可能であるが、
定常サイクルにおいて、ピークからの戻りの弾性係数を
前記(3式)〜(5式)を用いて算出し、弾性係数Kd
2を決定することができる。なお、サイクルにおける戻
り部分とは、ピークから歪みε0に向かって移動してい
る部分を言う。
ポイントからの経過時間Thや、荷重または歪みの値な
どで保持の終了ポイントが設定される。急変開始ポイン
ト設定部57は、ピークからの経過時間Thや、荷重ま
たは歪みの値などで、ピークと保持開始ポイントとの間
のポイントが設定されている。また、歪みセンサ16や
荷重センサ36などで検出された種々のデータは、図示
しない記憶装置に記憶されたり、外部に出力されたり、
また、表示装置に表示されたりする。
料試験を行う際には、まず始めに、材料試験装置のプラ
ント部11に材料試験片14をセッティングし、目標負
荷信号発生部1から制御目標信号Eiを出力し、アクチ
ュエータ13を作動させて、弾性変形の範囲内の負荷
(たとえば、図6において、点Aと点Bとの間を往復す
る荷重)を材料試験片14に加える。そして、歪みセン
サ16の検出した歪みεおよび荷重センサ36の検出し
た荷重Sから、前記(3式)〜(5式)に基づいて、材
料試験片14の弾性係数Kdを求め、この弾性係数Kd
を予め、推定塑性歪量計算部38に設定しておく。な
お、この弾性係数Kdは前もって他の材料試験により求
めることも可能である。
引張・圧縮荷重の繰り返し試験を行う。図3のステップ
1において、切り換えスイッチ6は歪みフィードバック
制御側に切り換えられ、また、目標負荷信号発生部1か
ら一定勾配で増大または減少する制御目標信号Eiが出
力される。この制御目標信号Eiの出力に追随して、材
料試験片14に歪みεが発生する。この歪みεは歪みセ
ンサ16が検出し、歪量信号Ekが出力され、加算部3
にフィードバックされており、歪量信号Ekが制御目標
信号Eiとなるように制御されている。そして、ステッ
プ2において、荷重センサ36からの荷重信号Esおよ
び歪みセンサ16からの歪量信号Ekが推定塑性歪量計
算部38に出力され、推定塑性歪量計算部38で推定塑
性歪量Eops が前述の(2式)に基づいて算出されてい
る。なお、この演算は、引張側および圧縮側の両方にお
いて行われている。ステップ3において、推定塑性歪量
計算部38から推定塑性歪量Eops が加算部39に出力
され、加算部39で推定塑性歪量Eops と目標塑性歪量
設定部41に予め設定されている目標塑性歪量Eopm と
比較されている。そして、推定塑性歪量Eops が目標塑
性歪量Eopm に達しないと、ステップ1に戻り、つい
で、ステップ1からステップ3を繰り返す。一方、推定
塑性歪量Eops が目標塑性歪量Eopm に達すると、ステ
ップ4に行き、反転信号発生部42は反転信号を目標負
荷信号発生部1に出力し、ステップ5に行く。ステップ
5において、図8に図示する様に、目標負荷信号発生部
1からの制御目標信号Eiが、増大していた場合には減
少し、減少していた場合には増大している。すなわち、
目標信号増加量ΔEを加算していた場合には、減算し、
目標信号増加量ΔEを減算していた場合には、加算して
いる。そして、ステップ6に行く。
51に保持開始フラグが設定されているか否かを判定
し、設定されている場合には、ステップ7に行き、詳細
は後述する保持フローを実行し、ステップ1に戻ってい
る。一方、ステップ6において、保持開始フラグが設定
されていない場合には、ステップ1に戻っている。この
様にして、保持開始フラグが設定されていないと、引張
・圧縮を繰り返す定常サイクルを行い、図6で実線で図
示するように、引張側のピークR10と圧縮側のピークR
11との間をヒステリシスカーブを描きながら往復動し、
材料試験片14に引張側の塑性歪量Eopおよび圧縮側の
塑性歪量Epoを与えている。そして、引張側の塑性歪量
Eopと、圧縮側の塑性歪量Epoは略等しく、引張側の塑
性歪量Eopおよび圧縮側の塑性歪量Epoは、全目標塑性
歪量Eppの略二分の一となっている。
と、図4に図示するフローにより、挿入サイクルが行わ
れる。ステップ11において、急変開始ポイント設定部
57により急変開始ポイントが設定されているか否かを
判定する。この急変開始ポイントはたとえば、ピークか
らの経過時間で設定されている。そして、この急変開始
ポイントが設定されていない場合には、ステップ14に
行き、一方、設定されている場合には、ステップ12に
行く。ついで、ステップ12において、急変開始ポイン
トになったか否かを判定する。急変開始ポイントになっ
ている場合には、ステップ14に行き、一方、なってい
ない場合には、ステップ13に行く。ステップ13にお
いて、制御目標信号Eiを、図3のステップ5で決定さ
れた方向に、ステップ1の勾配で増大または減少させ、
ステップ12に戻る。
信号Eiを保持開始ポイントに対応する値に変更する。
たとえば、保持開始ポイントが、ピークからの荷重変化
量ΔSで設定されている場合には、荷重変化量ΔSから
歪み変化量Δεを求め、ついで、ピーク時の制御目標信
号Eiの大きさから、歪み変化量Δεに対応する値を引
いた値を出力する。この様にして、材料試験片14に加
わる歪みεを保持開始ポイントに急変させている。そし
て、ステップ15に行く。ステップ15において、保持
対象設定部52で設定されている保持対象が荷重か歪み
かを判定する。歪みの場合には、ステップ16に行き、
一方、荷重の場合には、ステップ18に行く。ステップ
16において、制御目標信号Eiの出力値を変更しない
で維持し、保持終了ポイントになったか否かを判定す
る。たとえば、保持終了ポイントが、保持開始ポイント
からの経過時間Thで設定されている場合には、経過時
間Thが経過したか否かを判定している。ついで、ステ
ップ17に行く。
には、ステップ18に行き、切り換えスイッチ6を荷重
フィードバック制御側に切り換える。また、制御目標信
号Eiの値を、荷重センサ用アンプ37からの荷重信号
Esの値にし、その値を維持する。そして、ステップ1
9に行く。ステップ19において、保持終了ポイントに
なったか否かを判定する。たとえば、保持終了ポイント
が、保持開始ポイントからの経過時間Thで設定されて
いる場合には、経過時間Thが経過したか否かを判定し
ている。ついで、ステップ20に行く。ステップ20に
おいて、切り換えスイッチ6を歪みフィードバック制御
側に切り換える。また、制御目標信号Eiの値を、歪み
センサ16からの歪み信号Ekの値にし、ステップ17
に行く。そして、ステップ17において、制御目標信号
Eiが0点を通過したか否かを判定し、通過している場
合には、ステップ22に行き、一方、通過していない場
合には、ステップ21に行く。ステップ21において、
制御目標信号Eiを、ステップ5で決定された方向に、
ステップ1の勾配で増大または減少させ、ステップ17
に戻る。また、ステップ22において、保持開始フラグ
をリセットし、ステップ23に行き、図3のステップ1
に行く。
常サイクルに戻っている。この挿入サイクルにおける荷
重(応力)または歪みの保持は、図においては、引張側
で行われているが、圧縮側で行うことも可能である。ま
た、定常サイクルに挿入される挿入サイクルの回数は適
宜選択可能であるとともに、荷重の保持の挿入サイクル
と、歪みの保持の挿入サイクルとを交互に挿入すること
も可能である。さらに、歪みの保持の挿入サイクルを複
数挿入する際には、保持開始ポイントを決定する荷重変
化量ΔSは順次増大することも可能である。この様にす
ると、一本の材料試験片14で、多くの情報を得ること
ができる。なお、荷重変化量ΔSは順次減少させること
も可能であるが、最初に大きな荷重変化量ΔSを材料試
験片14に加えると、材料試験片14にダメージが生じ
るので、荷重変化量ΔSは順次増大することが好まし
い。
定するための割り込み処理のフローを図5で説明する。
ステップ31において、操作盤などにより保持対象設定
部52に保持対象(すなわち荷重または歪み)が設定さ
れたか否かを判定する。設定されている場合にはステッ
プ32に、設定されていない場合にはステップ33に行
く。ステップ32において、設定された保持対象を記憶
し、ステップ33に行く。
ポイント設定部53に保持開始ポイントが設定されたか
否かを判定する。設定されている場合にはステップ34
に、設定されていない場合にはステップ37に行く。ス
テップ34において、保持開始ポイントが歪みで設定さ
れているか、または、荷重変化量ΔSで設定されている
かを判定する。そして、歪みの場合には、ステップ36
に行き、一方、荷重変化量ΔSの場合には、ステップ3
5に行く。ステップ35において、荷重変化量ΔSを歪
み変化量Δεに変換し、ステップ36に行く。ステップ
36において、設定された保持開始ポイントを記憶し、
ステップ37に行く。
設定部56に保持終了ポイントが設定されたか否かを判
定する。設定されている場合にはステップ38に、設定
されていない場合にはステップ39に行く。ステップ3
8において、設定された保持終了ポイントを記憶し、ス
テップ39に行く。ステップ39において、急変開始ポ
イント設定部57に急変開始ポイントが設定されたか否
かを判定する。設定されている場合にはステップ40
に、設定されていない場合にはステップ41に行く。ス
テップ40において、設定された急変開始ポイントを記
憶し、ステップ41に行く。そして、ステップ41にお
いて、保持開始信号入力部51に保持開始信号が入力さ
れたか否かを判定する。入力された場合にはステップ4
2に、入力されていない場合にはステップ43に行く。
ステップ42において、保持開始フラグを設定し、ステ
ップ43に行く。ステップ43において、図3のメイン
フローに戻る。
ートを説明する。初期状態においては、材料試験片に加
わる荷重Sおよび歪みεは0であり、そして、材料試験
装置で材料試験片14に略弾性範囲内で引張荷重と圧縮
荷重とを交互に繰り返し加える。歪みは図8に図示する
ように点Aと点Bとの間を往復動するとともに、荷重−
歪み曲線は、図6に図示するように、点Aと点Bとの間
を往復動する。この弾性試験で弾性係数Kdを求める。
ついで、推定塑性歪量Eops が目標塑性歪量Eopm とな
るように、降伏点を越す引張荷重と圧縮荷重とを交互に
繰り返し加えて、定常サイクルを行っている。荷重−歪
み曲線は、図6の実線で図示するように、点R10と点R
11との間を往復動している。そして、引張側から圧縮側
へ、または、圧縮側から引張側へ移動する際に荷重Sが
0となる点P2間の歪量(以下、「荷重0における全塑性
歪量」と呼ぶ)Epp2 は略一定となっている。
るように、挿入サイクルが挿入されている。この挿入サ
イクルには、種々のタイプがあるが、たとえば、図6、
図9および図11に図示する歪みε一定の場合や、図7
および図10に図示する荷重S一定の場合がある。
は、引張側の歪みεが最大となるピーク点R10になった
際に、材料試験片14に加わる荷重Sを荷重変化量ΔS
だけ急速に減少させている。図6において、点R12にな
る。そして、その後、経過時間Thが経過するまで、材
料試験片14の歪みεを一定に保っている。すると、図
6および図9に図示するように、材料試験片14に加わ
る荷重Sは緩和され、減少している。図6において、点
R13になる。そして、経過時間Thの経過後、定常サイ
クルと同じ勾配で歪みεが変化している。圧縮側のピー
ク点は点R14となり、次の引張側のピーク点は点R15、
また、次の圧縮側のピーク点は点R16となり、さらに、
次の引張側のピーク点は点R17となって順次定常サイク
ルに収束していく。したがって、荷重0における歪みp2
は、図12に図示するように、挿入サイクルの後順次、
定常サイクルの値に収束し、それに伴って、荷重0にお
ける塑性歪量Epp2も収束している。
では、引張側の歪みεが最大となるピーク点R10になっ
た際に、材料試験片14に加わる荷重Sを荷重変化量Δ
Sだけ急速に減少させている。図7において、点R12に
なる。そして、その後、経過時間Thが経過するまで、
材料試験片14の荷重Sを一定に保っている。すると、
図7および図10に図示するように、材料試験片14に
加わる歪みεは増大されクリープ現象が生じている。図
7において、点R23になる。そして、経過時間Thの経
過後、定常サイクルと同じ勾配で歪みεが変化してい
る。圧縮側のピーク点は点R24となる。その後、図6お
よび図9の挿入サイクルと同様に、順次定常サイクルに
収束していく。
側の歪みεが最大となるピーク点R10と保持開始ポイン
トR32との間に急変開始ポイントR31が設定されてお
り、点10と点R31との間は、歪みεは定常サイクルと同
じ勾配で変化している。そして、急変開始ポイントR31
になると、材料試験片14に加わる荷重Sを荷重変化量
ΔS2だけ急速に減少させている。図11において、点
R32になる。そして、材料試験片14の歪みεを一定に
保っている。すると、図11(b)に図示するように、
材料試験片14に加わる荷重Sは緩和され、減少してい
る。ついで、点R32から経過時間Thの経過後、図11
の点R33となり、定常サイクルと同じ勾配で歪みεが変
化している。圧縮側のピーク点は点R34となる。その
後、図6および図9の挿入サイクルと同様に、順次定常
サイクルに収束していく。なお、歪みεおよび荷重Sな
どのデータのサンプリングは、材料試験の全工程におい
て常時、一定時間間隔で行うことも可能であるが、少な
くとも、挿入サイクルの前後、および挿入サイクルの最
中、特に、挿入サイクルにおける歪みεまたは荷重Sを
一定に保持している部分は、設定されている時間間隔
(定常サイクルの周期よりも短い時間間隔、たとえば、
定常サイクルの周期の約100分の1)でサンプリング
を行う。
目標信号Eiが最大値MAX および最小値MIN となるピー
ク時点での推定塑性歪量Eops が目標塑性歪量Eopm と
なるように制御されている。したがって、挿入サイクル
において、図13に図示する荷重Sが0となる点R5が、
点pから大きくズレていても、次のサイクルの制御に影
響を直接的に与えることはない。そして、推定塑性歪量
Eops が目標塑性歪量Eopm となるラインに達する点R
14になると、ピークを形成し、引張側に向かって反転し
ている。その際には、弾性係数Kdで決定される勾配で
移動しており、定常サイクルの点R11に近辺を通ってい
る。したがって、挿入サイクル後の次のサイクルが挿入
サイクル前の定常サイクルから大きくズレることは少な
い。また、挿入サイクル後の定常サイクルは、図6に図
示するように、挿入サイクル前の定常サイクルに向かっ
て順次収斂している。そのため、挿入サイクルを間隔を
開けて挿入することにより、挿入サイクルを複数回挿入
しても、挿入サイクル前の定常サイクルの状態は略同じ
状態を維持することができる。また、定常サイクルにお
いては、全目標塑性歪量Eppとともに、荷重0における
全塑性歪量Epp2 を略一定に保つことができる。
S一定の部分における荷重Sや歪みεのデータの変化を
観察することにより、材料試験片14の内部応力を考察
することができる。
の急変部を荷重変化量で設定しても、この荷重変化量を
弾性係数Kdで割って歪み変化量に変換して設定されて
おり、フィードバック制御を歪みから荷重へ、また、荷
重から歪みに切り換える必要がなくなる。そのため、フ
ィードバック切り換え時におけるノイズやショックの発
生を極力防止することができる。特に、歪みの変化速度
の大きさが略一定に制御されている定常サイクルに挿入
サイクルが挿入されており、この挿入サイクルで歪みε
一定の保持が行われている場合には、歪みのフィードバ
ック制御のみを行えばよく、フィードバック制御の切り
換えが不要となる。ところで、荷重変化量を弾性係数K
dで割って歪み変化量を求めると、想定していた保持開
始ポイントと、実際の保持開始ポイントとが微妙にズレ
ることがある。しかしながら、材料試験で得られたデー
タは、プロットなどをしてグラフなどで整理されてお
り、略所定間隔毎にデータが得られれば良いので、荷重
Sや歪みεなどのデータが正確に検出されていれば、想
定していた保持開始ポイントと実際の保持開始ポイント
との微妙なズレは、問題となることはない。
側の目標塑性歪量Eopm とを異ならしめることにより、
引張側の塑性歪量Eopと圧縮側の塑性歪量Epoとを異な
らしめることも可能である。また、歪みεまたは荷重S
一定の部分は、引張側で行われているが、圧縮側で行わ
せることも可能である。すなわち、保持開始信号を圧縮
側のピーク点R11から引張側のピーク点R10までの間に
入れると、この実施の形態の様に引張側で行われ、一
方、保持開始信号を引張側のピーク点R10から圧縮側の
ピーク点R11までの間に入れると、圧縮側で行われる。
が破断するまで通常行われるが、破断前に材料試験を終
了することも可能である。さらに、この実施の形態で
は、歪制御を行っているが、荷重制御を行うことも可能
である。なお、塑性変形時の制御を的確に行うために
は、荷重制御よりも歪制御を行うほうが好ましい。
に、荷重センサからの検出荷重を弾性係数で割って推定
弾性歪量を求め、この推定弾性歪量を歪みセンサからの
検出歪量から引いて推定塑性歪量を求めているならば、
その具体的計算方法は適宜変更可能である。
歪みで材料試験の制御を行っているが、荷重を応力で取
り扱っても、荷重は材料試験片の断面積×応力であるの
で、所定の係数で補正すれば、実質的に略同じである。
また、歪みを材料試験片の単位長さ当たりの値にして
も、所定の係数で補正すれば、実質的に同じである。ま
た、この明細書では、荷重S÷歪みεを弾性係数Kdと
定義しているが、この弾性係数Kdの単位立方体当たり
の値を弾性率(ヤング率)とすると、弾性係数Kdは、
材料試験片14の断面積÷材料試験片14の初期の長さ
×弾性率となる。
重を弾性係数で割って推定弾性歪量を求め、この推定弾
性歪量を材料試験片の歪量から引いて推定塑性歪量を求
め、この推定塑性歪量が目標塑性歪量となった際に、引
張荷重から圧縮荷重の方へ、または、圧縮荷重から引張
荷重の方への反転を行っているので、挿入サイクルはピ
ーク後、弾性係数で決定される勾配で移動しており、定
常サイクルのピークの近辺を通っている。したがって、
挿入サイクル後の次のサイクルが挿入サイクル前の定常
サイクルから大きくズレることは少ない。また、挿入サ
イクル後の定常サイクルは、図6に図示するように、挿
入サイクル前の定常サイクルに向かって順次収斂するこ
とができる。さらに、定常サイクルにおいては、推定塑
性歪量とともに、実際の塑性歪量を略一定に保つことが
できる。そして、挿入サイクルにおける歪みまたは荷重
一定の部分で、荷重や歪みのデータの変化を観察するこ
とにより、材料試験片の内部応力を考察することができ
る。
の荷重の変化量により、保持開始ポイントを設定する荷
重変化量設定手段と、荷重変化量設定手段で設定された
荷重の変化量を弾性係数で割って歪み変化量を求める歪
み変化量生成手段とを備えている場合には、ピークから
保持開始ポイントまでの急変部を荷重変化量で設定して
も、この荷重変化量を弾性係数で割って歪み変化量に変
換して設定されており、フィードバック制御を歪みから
荷重へ、また、荷重から歪みに切り換える必要がなくな
る。そのため、フィードバック切り換え時におけるノイ
ズやショックの発生を極力防止することができる。
構成を示すブロック図である。
ローチャートである。
み処理のフローチャートである。
クルのヒステリシスカーブで、(a)が全体図、(b)
が引張側のピークの拡大図である。
クルのヒステリシスカーブである。
トで、(a)が歪みの図、(b)が荷重の図である。
ャートで、(a)が歪みの図、(b)が荷重の図であ
る。
急変開始ポイントを設定した場合における歪み一定の挿
入サイクルのタイムチャートで、(a)が歪みの図、
(b)が荷重の図である。
重Sが0となる点P2のタイムチャートである。
スカーブの説明図である。
手段) 54 荷重変化量設定部(荷重変化量設定手段) 55 歪み変化量演算部(歪み変化量生成手段) 56 保持終了ポイント設定部(保持終了ポイント設定
手段) 57 急変開始ポイント設定部(急変開始ポイント設定
手段)
Claims (8)
- 【請求項1】 荷重負荷装置で材料試験片に引張荷重と
圧縮荷重とを交互に繰り返し加えている材料試験装置に
おける制御方法において、 材料試験片に加わる荷重を弾性係数で割って推定弾性歪
量を求め、 この推定弾性歪量を材料試験片の歪量から引いて推定塑
性歪量を求め、 この推定塑性歪量が目標塑性歪量となった際に、引張荷
重から圧縮荷重の方へ、または、圧縮荷重から引張荷重
の方への反転を行っており、 定常サイクル時では、前記材料試験片に加わる負荷の変
化速度の大きさは、引張荷重と圧縮荷重とからなる1サ
イクル中は略一定であり、 定常サイクルの間に挿入される挿入サイクルでは、保持
開始ポイントから保持終了ポイントまで、荷重または歪
みを一定に保持していることを特徴としている材料試験
装置における制御方法。 - 【請求項2】 前記挿入サイクルのピークから保持開始
ポイントまで、材料試験片に加わる負荷を急変させて、
短時間で達していることを特徴としている請求項1記載
の材料試験装置における制御方法。 - 【請求項3】 前記挿入サイクルのピークから保持開始
ポイントまでに急変開始ポイントを設定し、 ピークから急変開始ポイントまでは、材料試験片に加わ
る負荷を一定の変化速度で変化させ、 急変開始ポイントから保持開始ポイントまでは、材料試
験片に加わる負荷を急変させて、短時間で達しており、 保持終了ポイント以後は、材料試験片に加わる負荷を一
定の変化速度で変化させていることを特徴としている請
求項1記載の材料試験装置における制御方法。 - 【請求項4】 荷重負荷装置で材料試験片に引張荷重と
圧縮荷重とを交互に繰り返し加えている材料試験装置に
おける制御方法において、 材料試験片に加わる荷重を弾性係数で割って推定弾性歪
量を求め、 この推定弾性歪量を材料試験片の歪量から引いて推定塑
性歪量を求め、 この推定塑性歪量が目標塑性歪量となった際に、引張荷
重から圧縮荷重の方へ、または、圧縮荷重から引張荷重
の方への反転を行っており、 定常サイクル時では、前記材料試験片に加わる歪みの変
化速度の大きさは、引張荷重と圧縮荷重とからなる1サ
イクル中は略一定であり、 定常サイクルの間に挿入される挿入サイクルでは、ピー
クから保持開始ポイントまで、材料試験片に加わる歪み
を急変させて短時間で達し、保持開始ポイントから保持
終了ポイントまで、歪みを一定に保持し、その後、材料
試験片に加わる歪みの変化速度の大きさを略一定にして
おり、 前記挿入サイクルの保持開始ポイントは、ピークから保
持開始ポイントまでの材料試験片に加える荷重の変化量
で設定し、この荷重の変化量を弾性係数で割って、ピー
クから保持開始ポイントまでの歪みの変化量を求め、こ
の歪み変化量に基づいて保持開始ポイントが決定されて
いることを特徴としている材料試験装置における制御方
法。 - 【請求項5】 増大減少の繰り返し信号を出力する目標
負荷信号発生手段と、 この目標負荷信号発生手段からの繰り返し信号に基づい
て材料試験片に引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し
加える荷重負荷装置と、 材料試験片に加わる荷重および歪みを検出する荷重セン
サおよび歪みセンサと、 荷重センサからの検出荷重を弾性係数で割って推定弾性
歪量を求め、この推定弾性歪量を歪みセンサからの検出
歪量から引いて推定塑性歪量を求めている推定塑性歪量
計算手段と、 推定塑性歪量が目標塑性歪量となった際に、増大から減
少へ、または、減少から増大への反転信号を前記目標負
荷信号発生手段に出力する反転信号発生手段と、 保持開始ポイントを設定する保持開始ポイント設定手段
と、 保持終了ポイントを設定する保持終了ポイント設定手段
と、 目標負荷信号発生手段へ保持開始信号を出力する保持開
始信号入力手段とを備え、 目標負荷信号発生手段は、定常サイクル時に、引張荷重
と圧縮荷重とからなる1サイクル中は大きさが略一定で
ある変化速度で変化する繰り返し信号を出力する手段
と、保持開始信号が入力されて、挿入サイクルになる
と、ピーク通過後の保持開始ポイントから保持終了ポイ
ントまでの出力を一定に保持し、材料試験片に加わる荷
重または歪みを一定に維持している手段とを具備してい
ることを特徴とする材料試験装置。 - 【請求項6】 前記目標負荷信号発生手段は、前記挿入
サイクルのピークから保持開始ポイントまでの出力を急
変させて、保持開始ポイントに短時間で達する手段を具
備していることを特徴としている請求項5記載の材料試
験装置。 - 【請求項7】 急変開始ポイントを設定する急変開始ポ
イント設定手段が設けられ、 前記目標負荷信号発生手段は、前記挿入サイクルのピー
クから急変開始ポイントまで一定の変化速度で出力を変
化させる手段と、急変開始ポイントから保持開始ポイン
トまでは、出力を急変させて、保持開始ポイントに短時
間で達する手段と、保持終了ポイント以後は、一定の変
化速度で出力を変化させている手段とを具備しているこ
とを特徴としている請求項5記載の材料試験装置。 - 【請求項8】 増大減少の繰り返し信号を出力する目標
負荷信号発生手段と、 材料試験片に加わる荷重および歪みを検出する荷重セン
サおよび歪みセンサと、 前記目標負荷信号発生手段からの繰り返し信号に、歪み
センサの検出信号が追随するようにフィードバック制御
して、引張荷重と圧縮荷重とを交互に繰り返し加える荷
重負荷装置と、 荷重センサからの検出荷重を弾性係数で割って推定弾性
歪量を求め、この推定弾性歪量を歪みセンサからの検出
歪量から引いて推定塑性歪量を求めている推定塑性歪量
計算手段と、 推定塑性歪量が目標塑性歪量となった際に、増大から減
少へ、または、減少から増大への反転信号を前記目標負
荷信号発生手段に出力する反転信号発生手段と、 ピークから保持開始ポイントまでの荷重の変化量によ
り、保持開始ポイントを設定する荷重変化量設定手段
と、 荷重変化量設定手段で設定された荷重の変化量を弾性係
数で割って歪み変化量を求める歪み変化量生成手段と、 保持終了ポイントを設定する保持終了ポイント設定手段
と、 目標負荷信号発生手段へ保持開始信号を出力する保持開
始信号入力手段とを備え、 目標負荷信号発生手段は、定常サイクル時に、引張荷重
と圧縮荷重とからなる1サイクル中は大きさが略一定で
ある変化速度で変化する繰り返し信号を出力する手段
と、保持開始信号が入力されて、挿入サイクルになる
と、ピーク通過後、ピーク時の歪みから歪み変化量生成
手段の歪み変化量を引いて、保持開始ポイントを求めて
出力する手段と、この保持開始ポイントから保持終了ポ
イントまで出力を一定に保持し、材料試験片に加わる歪
みを一定に維持する手段と、保持終了ポイントに達した
後に、増大減少の繰り返し信号を出力して定常サイクル
に戻る手段とを具備していることを特徴とする材料試験
装置。
Priority Applications (1)
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JP2000016666A JP3749418B2 (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 材料試験装置における制御方法及び材料試験装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008275548A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Shinko Electric Co Ltd | 応力測定装置及びアクチュエータ |
JP2015017927A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | Jfeスチール株式会社 | 引張圧縮試験方法および装置 |
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CN102636401B (zh) * | 2012-04-28 | 2014-06-25 | 长沙理工大学 | 透水性沥青混合料水稳定性的测试装置及评价方法 |
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2000
- 2000-01-26 JP JP2000016666A patent/JP3749418B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
JP2008275548A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Shinko Electric Co Ltd | 応力測定装置及びアクチュエータ |
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