JP2001207969A - 深層水取水方法及び移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装置 - Google Patents

深層水取水方法及び移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装置

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JP2001207969A JP2000345226A JP2000345226A JP2001207969A JP 2001207969 A JP2001207969 A JP 2001207969A JP 2000345226 A JP2000345226 A JP 2000345226A JP 2000345226 A JP2000345226 A JP 2000345226A JP 2001207969 A JP2001207969 A JP 2001207969A
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water intake
deep
intake
hose
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Masahiro Tanaka
正博 田中
Hiroshi Otomo
廣 大友
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TORIO MARINE TEC KK
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MARINAX Inc
TORIO MARINE TEC KK
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、深層水を利用して「磯や
け」対策をするときに必要な深層水そのものを移動式に
よって取水する深層水取水方法及び移動式海洋深層水取
水・給水・散水の多目的作業装置を提供する。 【解決手段】 浮体110内に断熱手段を施した貯水槽
と、水深200m〜700mの深水を取り出す取水装置
10と、を備え、取水装置10で取水した深層水を貯水
槽で貯水し、運搬可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は深層水取水方法及び
移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工的湧
昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装置に係
り、200m〜700mの海洋深層水を効率よく取水す
るための深層水取水方法と、取水・給水・散水すること
が可能な移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人
工的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】日本の沿岸海域では森林の伐採、沿岸域
の都市化、工業地帯化による汚染、干拓や埋め立て地球
温暖化、エルニーニョなどが原因の一つとして、沿岸部
海域における岩礁海底の海藻群落が枯死、衰退した状
態、すなわち「磯やけ」現象が発症している。そのため
藻場を餌場としているイセエビやアワビの漁獲が著しく
減少し深刻な影響が出てきている。
【0003】このような磯やけについては、70年代よ
り学者や水産関係者などにより磯やけの実態調査、要因
の解明およびその対策に取り組んできているが、決定的
な技術は確立しておらず、試行錯誤を繰り返している。
その中で、着底基質の改善のためコンクリートブロック
や天然石の投入を行う技術がある。また、深層水を利用
することが有効であり、深層水による沿岸部海域におけ
る岩礁海底の蘇生が期待されている。例えば、日本国内
での海洋深層水取水施設は高知県室戸市(89年−90
0t/日)、富山県滑川市(96年−3,000t/
日)、沖縄県久米島(99年10月−13,000t/
日)の3箇所があり、いずれも陸上設置型深層水利用設
備で行っている。さらに、現在建設中または計画中の深
層水取水施設も陸上設置型(海底配管方式)が主流であ
る。
【0004】上述のように着底基質の設備にコンクリー
トブロックや天然石の投入などを行う技術では、毎年多
大な費用が生じており、何よりも人工的な対処方法であ
り、生態系に及ぼす影響が大きいという不都合がある。
【0005】また、深層水を利用する技術においても、
上記した海洋深層水取水設備は、所有者(国およびその
他公的機関)が決まっており、また利用場所も固定さ
れ、かつその利活用の範囲が限定されている。そして、
海底配管の布設に際し漁業補償や設置許可に多くの労力
と陸上常設施設では多大な初期投資が必要とされてい
る。また、内陸の研究所や生産工場にも比較的容易に深
層水を安定供給することが難しいという各種不都合があ
る。深層水は同じ海域、水深においても季節等により性
状が多々変化することが分かっており、常に安定したも
のを供給するには移動式が便利である。
【0006】従来技術のような陸上設置型の場合、海洋
深層水は取水地点より陸上立ち上がり地点までの間海底
配管を埋設する必要から国内の取水地域は限定されてい
る。また海洋深層水の利用研究が進むにつれ食品、化粧
品、医薬品など高付加価値商品も開発され需要が増大し
つつあるが十分に供給されておらず、また海洋深層水の
特性(低温特性、富栄養特性、清浄特性、及び成熟安定
特性)を保持して使用目的に応じた供給のシステムが確
立していない。さらに、人工的に湧昇を利用し連続成層
するように形成する技術についても、効率性・経済性を
備えたシステムは、確立していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】在来工法の海底配管に
よる深層水の取水は、大量の海水を安定して確保出来る
利点はあるが、水深が深くなればなるほど配管が長くな
り、初期投資額、メインテナンスコスト(パイプ内部清
掃、外部損傷修理、水際の洗堀対策等)は相当な額とな
り、負担が極めて大きい。
【0008】本発明は、効率良く且つ経済的に深層水を
取水する方法を提供することにあり、この深層水を利用
して「磯やけ」対策をするときに、必要な深層水そのも
のを移動式によって取水する深層水取水方法を提供する
ことにある。また本発明の他の目的は、深層水や表層水
の取水、運搬、給水、散水、放水等を効率よく且つ経済
的に行うことが可能な移動式海洋深層水取水・給水・磯
やけ対策・人工的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の
多目的作業装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解釈するための手段】前記課題は、請求項1の
深層水の取水方法によれば、取水装置からサクションヘ
ッドと、該サクションヘッドと連結されたフレキシブル
ホースを水深200m〜700mの深さまで降ろし、前
記サクションヘッドから取水して前記取水装置の貯水槽
に深層水を貯水し、その後、前記ホース及び前記サクシ
ョンヘッドを回収することにより解決される。
【0010】また前記課題は請求項2の深層水の取水方
法によれば、サクションヘッド、ホースを海底に保管し
ておき、該保管したサクションヘッド、ホースをマーカ
ーブイを備えたワイヤーロープと連結し、取水装置のウ
ィンチで前記マーカーブイ及びワイヤーロープを巻き上
げ、前記ホース端を浮体上に上げ貯水槽側と接続し、取
水し、取水作業終了後、逆の手順でサクションヘッド、
ホースを海底に戻すことにより解決される。
【0011】さらに前記課題は、請求項3の深層水の取
水方法によれば、長さ約50m程度以下の範囲で鋼管、
接続用のスイベルの組合せによりユニット化した管体
と、サクションヘッドを取り付けた先端部の鋼管と、に
より、少なくとも約200m〜700mの水深まで浮体
上よりウィンチで前記管体を屈折させながら下降させ、
海底に降ろしたシンカーに支持させて安定させ、前記サ
クションヘッドから取水することにより解決される。
【0012】前記課題は、請求項4の移動式海洋深層水
取水・給水・散水、放水の多目的作業装置によれば、浮
体内に断熱手段を施した貯水槽と、水深200m〜70
0mの深水を取り出す取水装置と、を備え、前記取水装
置で取水した深層水を前記貯水槽で貯水し、運搬可能と
したこと、により解決される。
【0013】前記課題は、請求項9の移動式海洋深層水
取水・給水・磯やけ対策・人工的湧昇、連続成層形成等
用散水、放水の多目的作業装置によれば、表層水を取水
すると共に所定水深で放出する取水放出装置を備え、所
定域で前記取水放出装置で取水し、浮体を介して、表層
水を、所定水深で放出し、連続的に表層水を所定水深に
放出可能としたこと、により解決される。
【0014】前記取水装置をより具体的に述べると、取
水装置は、ホースと、巻取リールと、テンショナーと、
ホースガイドと、スティンガーと、揚水ポンプ又はエア
ーリフト装置と、を備えている。また、前記取水装置の
巻取リールは、巻込み作業を考慮して、巻おろし・巻取
リール型で構成する。また取水放出装置は浮体の近傍で
表層水を取水し、浮体を介して(例えば表層水を浮体
(バージ)にため、或いは表層水を単に浮体を通過させ
て)この表層水を所定水深で放出することを連続的に行
うように構成する。
【0015】さらに、前記移動式海洋深層水取水・給水
・散水の多目的作業装置には、水深2m〜20mで散水
する散水装置を備えると好適である。この散水装置に
は、散水ノズルの付いた昇降式パイプ散水装置が設けら
れ、取水装置で取水した深層水を前記貯水槽で貯水し、
深さ20mより浅い場所で、前記散水装置により散水す
るように構成する。深層水は、夏期の海浜海水温度より
も、低温であり、出来る限り海底に滞留するようにノズ
ルを海底近くまで下げると効果的である。
【0016】また、本発明の多目的作業装置を用いて、
所定域において表層水を取水して、浮体を介して、所定
水深で放出することにより、連続成層を形成することが
可能となる。なお、本発明においてサクションヘッドと
は、単なる取水口の場合と、大水深用水中ポンプを含む
場合の双方を意味している。
【0017】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本
発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種
々改変することができるものである。
【0018】図1乃至図21は本発明に係る実施態様を
示すものであり、図1乃至図3は浮体を示す説明図、図
4はガイドローラの平面図、図5は図4の側面図、図6
はガイドローラの平面図、図7は図6の縦平面図、図8
乃至図10はテンショナーの説明図、図11乃至図14
はフレキシブルホースと巻取リールによる取水を示す説
明図、図15はシンカーに浮力タンクを付け、空気を入
れたり水を入れたりして重量調整する方法を示す説明
図、図16乃至図18は鋼管による取水の説明図、図1
9は散水作業の説明図、図20はバブルカーテンの説明
図、図21はバブルカーテンの施設状態を示す説明図、
図22は大水深用水中ポンプの例を示す説明図、図23
は人工的湧昇層を連続成層形成する例を示す説明図であ
る。
【0019】移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策
・人工的湧昇、連続成層形成等用散水の多目的作業装置
100は、浮体110内に断熱手段120を施した貯水
槽130と、水深200m〜700mの深層水を取り出
す取水装置10と、を主要構成要素としている。
【0020】浮体110は、図1乃至図3で示すよう
に、断熱の為に二重構造をしており、断熱手段120と
して断熱空気部となっている。本例では側面部111
と、底部112と、前後面部113に形成しているが、
所望によっては底面部だけに形成するように、構成する
ことが可能である。本例の前後面部113は、エンジン
ルーム、ジェネレータールーム、ポンプルーム等が形成
されている。本例の浮体110の容量は、磯やけ対策の
ときは2500m3程度であり、他の目的、たとえば医
薬関係、化学関係、食品関係のときには、経済的な小型
のサイズに変更することが可能である。そして、本例で
は浮体110を各貯水槽130を6つに区画している
が、上述のように、各種浮体の大きさにあわせて適宜区
画することが可能である。
【0021】上記浮体110上には、取水装置10が設
置されている。取水装置10は、図11に示すように、
ホースとしてのフレキシブルホース11と、フレキシブ
ルホース11を水中で保持するシンカー12と、フレキ
シブルホース11を巻き取る巻取リール13と、フレキ
シブルホース11をガイドするホースガイド14と、フ
レキシブルホース11を保持するテンショナー15と、
水中でフレキシブルホース11を支持するホース支持装
置16とを備えている。なお、ホースとしてはフレキシ
ブルホース11を使用することが好ましいが、スイベル
ジョイント等を適宜連結し、他のホースを用いる構成と
しても良い。
【0022】取水装置10のオペレーションは次のよう
に行われる。先ず、浮体110(例えばバージ)を移動
させ、浮体110の位置決めをする。次に、フレキシブ
ルホース11をガイドするためのガイド構造17を設置
し、フレキシブルホース11をセットする。ガイド構造
17には、フレキシブルホース11をガイドしながら移
送するホースガイド14と、フレキシブルホース11を
保持するテンショナー15が設けられている。
【0023】次に、サクションヘッド11aと、ホース
支持装置16にフレキシブルホース11を連結させる。
なお、サクションヘッド11aを、予めシンカー12に
固定しておいても良い。また、ホース支持装置16のフ
レキシブルホース11と連結されていない側は、シンカ
ー12を懸吊するためのワイヤー12bに取り付けられ
ている。
【0024】そして、シンカー12を海中に降下させ
る。シンカー12の降下に伴い、巻取リール13からフ
レキシブルホース11が繰り出される。シンカー12
は、ホース支持装置6の位置を調整しながら着底され
る。そして、シンカー12の固定部12aにサクション
ヘッド11aが固定され、深層水が吸引・汲み上げされ
る。
【0025】深層水の吸引・汲み上げが終了すると、シ
ンカー12を上昇させ、シンカー12の上昇と共にフレ
キシブルホース11が巻き上げられる。フレキシブルホ
ース11が巻き上げられ、フレキシブルホース11が海
面付近まで上昇したら、シンカー12、ホース支持装置
16、ガイド構造17からフレキシブルホース11を外
す。最後に、フレキシブルホース11、シンカー12、
ホース支持装置16、ガイド構造17を浮体(バージ)
110上へ回収し、浮体(バージ)110を移動する。
【0026】以下、取水装置10を構成するそれぞれの
部材について、より詳細に説明する。取水作業時には、
フレキシブルホース11は巻取リール13から繰り出さ
れ、水深200m〜700mの深さまで降ろされる。本
例では、フレキシブルホース11として、長さ200m
〜700m、内径250mm〜300mmクラスのもの
を用いている。フレキシブルホース11は、通常は切り
離されることなく、一連で巻取リール13に巻き取られ
た状態で格納されている。
【0027】フレキシブルホース11の先端部は、サク
ションヘッド11aと連結されており、このサクション
ヘッド11aから深層水を取水する。本例では、取水時
におけるサクションヘッド11aの漂流を防止するた
め、サクションヘッド11aは、シンカー12に設けら
れた固定部12aに固定されている。
【0028】なお、上記シンカー12の上げ下ろしは、
浮体(バージ)110上のシンカー昇降装置12cによ
り行う。取水作業開始時には、シンカー昇降装置12c
で海中へシンカー12を降下させる。取水作業終了時に
は、シンカー12はシンカー昇降装置12cで引き上げ
られ、浮体(バージ)110に設けられたシンカー収納
部114に収納される。
【0029】フレキシブルホース11は、浮体(バー
ジ)110上の巻取リール13により巻き取られてお
り、この巻取リール13から海中へ繰り出されるもので
ある。巻取リール13は、ウインチ型の同期巻取リール
を用いており、左右一対の面の間に、巻き取り部を備え
て構成されている。
【0030】巻取リール13は、フレキシブルホース1
1や、ポンプ等の水中重量、潮流抵抗を考慮した引張
力、制動力、巻取速度を有するように構成されている。
なお、本実施例では、縦型の巻取リール13が用いられ
ているが、横型のいわゆるターンテーブル方式のものを
使用することもできる。
【0031】上記巻取リール13から繰り出されたフレ
キシブルホース11は、ホースガイド14にガイドされ
て浮体(バージ)110上から海へ向けて送出される。
ホースガイド14は、巻取リール13から繰り出された
フレキシブルホース11が海中に送出されるまで、ガイ
ド構造17の所定箇所に設けられている。
【0032】ホースガイド14は、図4及び図5に示す
ように、支持枠14aと、この支持枠14aに配置され
る複数個のローラー14bとから構成されている。ロー
ラー14bは等間隔で配設され、ローラー14b上をフ
レキシブルホース11が摺動することにより、フレキシ
ブルホース11が所定方向に移動されるように構成され
ている。
【0033】なお、ホースガイド14としては、上記構
成の他、図6及び図7に示す構成のものを用いても良
い。図6及び図7に示すホースガイド14は、支持枠1
4a上に、ローラー14bが互い違いになるように、且
つ、ローラー14bが内側に向けて傾斜するように配設
されている。フレキシブルホース11は、図7に示すよ
うに、径の大小にかかわらず、傾斜したローラー14b
間に保持されながらガイドされる。
【0034】上記ホースガイド14でフレキシブルホー
ス11をガイドすることにより、フレキシブルホース1
1に生じる折れや、摩擦による傷を防止することが可能
となる。なお、ホースガイド14は、フレキシブルホー
ス11を深海から浮体(バージ)110側に回収する際
にも用いられる。
【0035】フレキシブルホース11は、上記ホースガ
イド14にガイドされるとともに、浮体(バージ)11
0から深海へ向けて延出する際にテンショナー15より
保持される。本例のテンショナー15は、油圧シリンダ
ーにより、フレキシブルホース11に無理な力が掛から
ないように、起倒角度を自由に変えることができること
を大きな特徴とする。
【0036】すなわち、浮体(バージ)110が回航
中、又はフレキシブルホース11の最高部にエアーが溜
まって水の吸引がうまく出来ないときの空気抜きのと
き、油圧シリンダーを収縮して浮体(バージ)110上
に略水平になるように倒すように構成されている。
【0037】テンショナー15は、図8乃至図10に示
すように、浮体(バージ)110に固定される固定部1
5aと、フレキシブルホース11を保持する保持部15
bとから構成されている。本例のテンショナー15は、
フレキシブルホース11を2面または4面で支持するよ
うに構成されている。
【0038】フレキシブルホース11を2面または4面
で支持する理由は次のとおりである。すなわち、本例の
取水装置10は、浮体(バージ)110上に設置されて
いるが、浮体(バージ)110が在来のパイプ、ホース
布設船と根本的に違うのは、毎日1回の巻き下げ、巻き
上げを行うことであり、年間稼働率を70%とすると約
500回/年の繰り返し作業をすることである。
【0039】フレキシブルホース11を多面で保持する
ことにより、フレキシブルホース11にかかる負担を軽
減させる。また同時に、巻取リール13、テンショナー
15についても繰り返し作業に耐える工夫が必要である
が、この点については、巻取リール13とテンショナー
15をシステムとして同期させることにより、荷重を最
小限とすることが可能となる。
【0040】フレキシブルホース11は、水中におい
て、ホース支持装置16により支持されている。ホース
支持装置16は、潮流によりフレキシブルホース11が
漂流し、過度な折れや曲がりが発生するのを防止するた
めに設けられている。ホース支持装置16は、シンカー
12を浮体(バージ)110から懸吊するワイヤー12
bに取り付けられている。ホース支持装置16には、フ
レキシブルホース11を水中で支持するホース支持部1
6aが設けられている。
【0041】上記ホース支持装置16により、フレキシ
ブルホース11は、浮体(バージ)110上と、サクシ
ョンヘッド11aが固定されるシンカー12との間の中
間地点で支持されることになり、過度な曲がりや折れが
防止され、適切なホース曲率が維持される。
【0042】深層水を汲み上げるための揚水ポンプは、
エアーリフト用エアーコンプレッサー又は電動ポンプを
浮体(バージ)110上に据付け、巻取リール13中心
のスイベルを介しフレキシブルホース11及びその先端
のサクションヘッド11aより海水を吸い込み、浮体
(バージ)110の貯水槽130に貯蔵する。給水・散
水のときは、このポンプにより貯水槽130の海水を吸
出するようバルブを切り換える。
【0043】図12はフレキシブルホースと巻取リール
による取水の他の実施例を示すものである。本例におい
て前記実施例と同様部材等には同一符号を付してその説
明を省略する。前記実施例では、シンカー12を海底に
着底させた例を示した。本例は、深層水が海底付近にな
い場合であり、シンカー12は宙吊り状態とされる。フ
レキシブルホース11のサクションヘッド11aは、こ
の宙吊りのシンカー12の固定部12aに固定され、所
定の深さにおいて取水を行う。
【0044】本例における浮体(バージ)110の位置
保持は、アンカー、ワイヤーによって一点係留とする
か、複数のスラスターを使用する。
【0045】図13はフレキシブルホース11と巻取リ
ール13による取水のさらに他の実施例を示すものであ
る。本実施例に係る取水装置10では、サクションヘッ
ド11aの端部には、ガイドワイヤー11bが取り付け
られており、ガイドワイヤー11bはシンカー12に取
り付けられた着脱装置、滑車等を経て、浮体(バージ)
110のガイドワイヤーウィンチ11cに取り付けられ
ている。
【0046】したがって、フレキシブルホース11は、
浮体(バージ)110上の巻取リール13から繰り出さ
れると共に、サクションヘッド11aがガイドワイヤー
11bにより牽引され、シンカー12の固定部12aへ
と導かれる。
【0047】上記サクションヘッド11aは、ばね機構
や電気信号等によりサクションヘッド11aを着脱する
着脱装置(図示せず)によりシンカー12の固定部12
aにおいて着脱可能とされている。このように構成され
ているので、取水作業が長期に渡るときにはシンカー1
2を作業終了ごとに回収せず、沈めたままにすることが
可能となる。このとき、マーカーブイでシンカー12の
位置を表示しておくと良い。
【0048】図14は、図13の実施例と同様に、サク
ションヘッド11aにガイドワイヤー11bを取り付
け、ウィンチ11cでガイドワイヤー11bを巻き取る
ことにより、サクションヘッド11aをシンカー12に
着脱可能とした構成であるが、この構成において、さら
にシンカー12を宙吊り状態としたものである。このよ
うに、シンカー12を宙吊り状態とすることにより、フ
レキシブルホース11を所定の深さで保持することが可
能となる。なお、浮体(バージ)110の位置保持は、
アンカー、ワイヤーによって一点係留とするか、複数の
スラスターを使用して行われる。
【0049】なお、上記各実施例において、フレキシブ
ルホース11とサクションヘッド11aとの間や、ワイ
ヤー12bとシンカー12との間に、スイベルジョイン
ト18を設けることにより、潮流によりフレキシブルホ
ース11やワイヤー12bなどがもまれた場合でも、各
部材の連結部へ係る曲げ力等を和らげることができ好適
である。
【0050】図15は、シンカーに浮力タンクを付け、
空気を入れたり、水を入れたりして重量を調整する方法
について示したものである。本例では、シンカー吊り下
げ用ワイヤーロープとフレキシブルホースが水中で絡む
ことを避けるため、フレキシブルホース11の先端に、
シンカーとして、潮流によって200〜700mのフレ
キシブルホース11が流されない程度の比重の重い鋼鉄
製カウンターウエイト19aおよびカウンターウエイト
付き空気タンク19bを設ける。海中に降ろすときには
空気タンク19bに水を張り、逆に引き上げる場合に
は、浮体(バージ)110より圧縮空気を送り、空気タ
ンク19b内の水を排出し、浮力を発生させ、巻上げ負
荷を小さくする。なお、図中、符号19cはコンプレッ
サー、19dは空気供給用ホースのリール、19eは空
気供給用ホースである。
【0051】次に、比較的浅い水深(200〜300
m)に適するスイベルジョイント鋼管方式による取水装
置の実施例について説明する。図16乃至図18は鋼管
による取水の説明図であり、図16は平面図、図17は
鋼管を海中へ下ろすときの説明図、図18は海中におけ
る鋼管の配置説明図である。これらの図で示すように、
本例の取水装置20は、直鋼管21と、スイベルジョイ
ント22と、取水配管支持ガイド装置23と、取水配管
昇降装置24と、取水ポンプ25と、を備えている。
【0052】本例におけるスイベルジョイント鋼管によ
る取水装置20の操作手順は、次のように行われる。先
ず、浮体(バージ)110を移動させ、浮体(バージ)
110の位置決めを行う。そして、直鋼管21からなる
配管を浮体(バージ)110から所定水深までほぼ垂直
に降ろし、浮体(バージ)110上の取水ポンプ25に
より取水する。
【0053】このとき、下端をフリーとし潮流力等によ
る漂流力を2次元スイベルにて逃がすことにより、配管
が曲げにより破壊されることを防ぐことが可能となる。
配管には自重による引っ張り力がかかるが、配管を所定
の位置でワイヤー24bおよびウィンチ24aにより吊
ることにより引っ張り力に対抗する。
【0054】なお、本例における配管は次のように行
う。取水配管は、直鋼管21をスイベルジョイント22
により定間隔で連結し構成されており、連結部で折り曲
げることにより全長200m以上となる配管を折りたた
むことにより浮体(バージ)110上に格納する。
【0055】上記のように、直鋼管21は、2軸の自由
度を有するスイベルジョイント22により連結している
ので、スイベルジョイント部で回転することにより潮流
力を逃がし、配管に曲げモーメントがかからないように
することができる。なお、下端のサクションヘッド21
aは吊り下げられたフリーな状態となっている。
【0056】図17は取水配管昇降装置24を示す説明
図である。水深200から300mにおける取水配管の
設置は、図17に示すように、折りたたまれた直鋼管2
1をサクションヘッド21a側から1本づつ降ろし入水
させ、概略垂直な状態で配管を水中へ降ろす。
【0057】また、図16に示す取水配管支持ガイド装
置23を浮体(バージ)110上に設け、配管を降ろす
際、配管を案内すると共に、最上部配管を支持する。ス
イベルジョイント22に自重がかからないように、スイ
ベルジョイント22付近に吊りワイヤー接続部を設け、
この部分をワイヤー24bにより船上の吊り下げ装置
(ウィンチ24a)により吊る。これにより、配管自重
は吊り下げウィンチ24aにより支えられる。なお、ウ
ィンチ24aはオートテンション式とする。
【0058】取水配管が浮体(バージ)110上に格納
されている際は、配管は取水配管支持ガイド装置23に
よりしっかり支持されている。取水配管支持ガイド装置
23は端部に、回転する折り返し部23aを有し、この
折り返し部23aで配管を保持することにより、配管の
落下が防止される。折り返し部23aは配管を降下上昇
する際は回転し、配管が引っかからないように構成され
ている。
【0059】また、取水配管支持ガイド装置23のガイ
ド部23bは取水配管を降下上昇する際は、配管から外
れるよう、または配管を支持するように伸縮し、配管の
下部から移動する。取水配管支持装置23のガイド部2
3bは配管両端部に1箇所づつ計2箇所設けられてい
る。
【0060】図18は取水配管昇降装置24を示す説明
図である。配管の上げ下ろし時にはウィンチ24aを使
用し、配管最下部(サクション側端部)のスイベルジョ
イント22付近にワイヤー24bを接続し、ワイヤー2
4bを繰り出すことにより徐々に配管を降ろして行く。
降ろしている配管が垂直になった状態で次の配管の降下
作業に移る。
【0061】降下され垂直状態になった配管を吊ってい
るウィンチ24aのワイヤー24bはオートテンション
設定ができ、一定の張力になる様、ウィンチ24aはワ
イヤー24bの繰り出し、繰り込みを自動で行う。
【0062】次の配管の降下も同様に、配管最下部のス
イベルジョイント22付近に吊りワイヤー24bが取り
付けられており、このワイヤー24bの巻き取りを行う
ウィンチ24aにより同様の動作が行われる。
【0063】配管の回収は、水面側の配管から順次、ウ
ィンチ24aによりワイヤー24bを巻き取り、降下の
逆の動作により行われる。この時配管を吊っているウィ
ンチ24aはオートテンションであり、配管が回収のた
め上昇する際、ワイヤー24bはたるむことなく一定の
張力を保持する。
【0064】上記実施例によれば、配管がスイベルジョ
イント22において折れ曲げることが可能であり、浮体
(バージ)110上に格納可能であるとともに、海中設
置、回収時に連結作業が不要であり、また、既存のウィ
ンチを利用して設置が出来るので設備投資額は最小とな
る。さらに、比重が大きいので潮流、波浪により流され
難いし、強度上ホースよりも優れている。しかし、潮流
等により曲げ力を受けると破壊される可能性があるが、
ワイヤー24bが取り付けられているためこれに対抗す
ることが可能である。
【0065】深層水の吸引汲み上げが終了すると、最上
部取水配管を取水配管支持ガイド装置23のガイド部2
3bより離脱させる。そして、取水配管を上側から1本
づつ取水配管昇降装置24により引き上げる。この配管
を浮体(バージ)110上に収納する。次に、取水配管
支持ガイド装置23を上昇させる。そして、浮体(バー
ジ)110を、目的とする場所(磯やけ散布の場所や深
層水供給地)へ移動する。
【0066】次に、図19に基づいて散水関係について
説明する。本実施例の浮体(バージ)110を磯やけ対
策船として使用する場合、水深2〜20m海域の海底近
くに出来るだけ均一に海洋深層水を散水するため舷側よ
りノズルの付いた昇降式パイプ4本(浮体(バージ)1
10の四隅)を取り付ける。そして、図21で示すよう
に、本例では、スパッド31を打ち込み、またアンカー
32により浮体(バージ)の移動を阻止している。な
お、本例では、対角位置に二つのスラスター33を配置
することによって、浮体(バージ)の位置を制御できる
ように構成している。そして、散水する水深に応じて噴
射圧を調整、出来るだけ広範囲、均一に散水するパター
ンを選ぶ。
【0067】このようにすることにより、海底に沿って
深層水が層となるように散水することが可能となる。こ
れにより、海底の海藻や貝類倒の生物に活力を与えるこ
とが可能となる。これら散水ノズル34は360度回転
方式とする。散水海域の面積により散水サイクル、メニ
ューを確立、効果が確認出来るまで継続する。
【0068】なお、図19〜図21に示すように、バブ
ルカーテン35を用いると好適である。即ち、本例で
は、所定の磯やけ範囲或いは養殖場(真珠養殖や高級貝
類の高付加価値品)の所定範囲に、バブルカーテン35
を配設するものである。本例のバブルカーテン35は、
小孔の形成された管体或いはホース35aを海底に敷設
するものであり、図21で示すように、管体或いはホー
ス35aの端部側には圧縮空気を供給するコンプレッサ
ー35bが設けられている。そして、バブルカーテン3
5は、区域内から貴重な深層水の流出を最少にする。ま
た、水深に沿って供給する圧縮空気の圧力を調整し、カ
ーテン形状を最適に調整することが可能となる。
【0069】また、上記実施例では散水について説明し
たが、次に、給水関係についても説明する。給水につい
ては、浮体(バージ)が移動した最寄りの港にて貯水槽
130から、タンクローリーに給水し、各用途先に配送
するものである。以上のようにすると、深層水を水産試
験場、製薬会社、食品会社、醸造元、化粧品会社、タラ
ソテラピー施設、浴場、アトピー性皮膚炎治療用として
各医療機関・研究所への配送システムを確立することが
可能となる。また、浮体(バージ)110の貯水槽13
0において、海底深層水の洋上備蓄が可能となる。
【0070】図23は人工的湧昇層を連続成層形成する
例を示す説明図であり、図12と同様装置・部材等で取
水と放出(放水)の相違のみである場合には、同一符号
を付して、その機能を取水と放出の相違を読み替えるこ
とによりその説明を省略する。なお、人工的湧昇、連続
成層形成するときには、取水口を浮体の近傍に形成す
る。この図23の例は、多目的作業装置を湧昇層形成用
に利用した例を示すものである。すなわち、取水ポンプ
25と接続された表層水の取水口21aを浮体(バー
ジ)110の近傍に配設する。この取水口21aから表
層水を取水し、浮体(バージ)110にため、運搬し
て、この取水した表層水を所定の海域で、所定の水深で
にサクションヘッド11aから水中に放出し、表層水の
密度と深層水の密度差を利用した湧昇層を形成させるよ
うにしている。なお、本例では、取水した表層水を浮体
に一旦ためているが、領域によっては、取水した表層水
を浮体にためずに、所定の水深でにサクションヘッド1
1aから水中に放出するように構成することも可能であ
る。
【0071】そして、表層の密度が小さい海水を深層に
押し込んだ場合、押し込まれた表層水は深層の密度の大
きい海水と混ざり合って、表層水より密度大と、深層よ
り密度小の混合水塊となる。この水塊は連続成層のある
場合、その密度に応じた密度の位置(水深)のところま
で上昇する。このように深層水そのものではないが表層
水と混ざった深層海水が上昇することになる。このよう
に密度成層の存在を利用することによって栄養塩に富む
深層水を連続成層のある水深まで上昇させることができ
る。
【0072】なお、本例の場合、取水ポンプ25で取水
した表層水を、所定水深で放出するものであるので、前
記した深層水を取水するために行う各種装置及び部材
を、取水ではなく逆に放出として用いるものであり、こ
の点を除いて前述した取水と逆の操作・ルートにより行
うものである。なお、必要であれば、水中ポンプを逆転
させて放出用にする場合と、別途放出用のポンプを利用
するする場合、浮体上に設けたポンプを利用する場合等
各種の手段を用いることが可能であることはもちろんで
ある。さらに付加するに、図23の例は図12の例と同
様の態様を用いて説明したが、これに限らず、本明細書
で用いた他の図の例をその性質が許される範囲で適用さ
れるものであることは言うまでもない。
【0073】なお、ここで、浮体(バージ)110の保
冷装置について説明する。海洋深層水の多方面での有益
性のひとつとして安定した低温性がある。海域、水深に
よって海水温度はまちまちであるが、およそ4℃より8
℃位の温度が得られる。日本近海の夏場の海水温度は約
28℃〜30℃、外気温度は約33℃となり、8〜10
時間の取水作業、約1時間の輸送作業、約数時間の散
水、給水作業中に取水海水温度の上昇を最小限にする対
策として、甲板上にアスファルト又は木甲板を敷き、側
面、底面は2重構造即ち空気層による断熱効果を利用す
る。
【0074】これにより真夏の時期でも3〜5℃以内の
上昇に抑えることが出来る。なお、鉄板による2重構造
の他に、発泡スチロールやエアーバックを各貯水槽13
0に敷き、約1.5Kg/cm2の空気圧で充気し防熱
材として利用する構成としても良い。エアーバックを利
用した保冷装置の利点は、保冷を必要としない場合は、
エアーバックに充気しないで、そのまま船底においてお
けることである。また、エアーバックに充気しないとき
には、タンク容量を増加させるなどの効果も期待でき
る。
【0075】また、前記実施例において適用できる浮体
(バージ)110の移動方法について説明する。浮体
(バージ)110は、所定の基地(所定の給水地や磯や
け場所)より200m〜700m水深のある現場に1時
間以内に行けることを条件とし、自航式プッシャーボー
ト(押船)で押すか、タグボート(曵船)で曳く非自航
方式および自身の推進機を持つ自航式がある。移動方法
については、年間作業日数、現場海域の状況、取水サイ
クル、経済性を十分考慮の上決めればよい。
【0076】また、取水水深が深くなり、潮流、風浪に
より浮体(バージ)110、ホース位置が安定しない場
合、また「磯やけ対策船」とする場合は、波、うねりを
受けながらの作業になるので360℃旋回式スラスター
が適当である。荒天時は通常のアンカー又はスパッドの
使用も可能とする。特定海域での特定作業に限定するこ
とにより「船舶」扱いとならないように装備品、航行海
域、用途を限定する。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、移動可能な海洋深層水
取水装置を使って取水から海底散布を一定期間実施し
て、海洋深層水が有する化学的、物理的および物性学上
の特質による藻場修復効果が認められることから磯やけ
している藻場を従来の費用より安く回復させることがで
きる。
【0078】海底深層水を散水することにより藻場など
の回復を図るとともに海老やアワビなど高級魚介類の育
苗促進が期待され、将来自然海域での幼生飼育から養殖
生産技術にも応用される可能性が生まれる。
【0079】またカキ養殖や真珠の養殖など付加価値の
高い洋上養殖などの生産向上が期待できる。さらに全国
任意の港で供給可能となり、陸上設備にも商品価値が高
まれば利用可能となる。
【0080】以上のように、水深200m〜700mの
海洋深層水を、在来工法の海底配管による取水ではな
く、より経済的、より機動的に取水し、貯蔵し自航まや
は曳航により海岸又は岩壁まで輸送し、用途に応じて陸
上施設への給水又は海岸への散水を行うことが可能であ
る。
【0081】なお、取水作業や散水作業を行うときに
は、作業現場で最も効率的な作業サイクルを設定しそれ
に設備コスト及びオペレーションコストが最小になる計
画をする。又浮体(バージ)及び取水装置,散水装置の
稼働率を上げるため、多目的船として海洋表層水の取
水、防災(消火、油回収)作業も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】浮体(バージ)の平面を示す概略説明図であ
る。
【図2】浮体(バージ)の横側面を示す概略説明図であ
る。
【図3】浮体(バージ)の縦平面を示す概略説明図であ
る。
【図4】ガイドローラの平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】ガイドローラの平面図である。
【図7】図6の縦平面図である。
【図8】テンショナーの説明図である。
【図9】テンショナーの説明図である。
【図10】テンショナーの説明図である。
【図11】フレキシブルホースと巻取リールによる取水
を示す説明図である。
【図12】他の例を示すフレキシブルホースと巻取リー
ルによる取水を示す説明図である。
【図13】さらに他の例を示すフレキシブルホースと巻
取リールによる取水を示す説明図である。
【図14】さらにまた他の例を示すフレキシブルホース
と巻取リールによる取水を示す説明図である。
【図15】シンカーに浮力タンクを付け、空気を入れた
り水を入れたりして重量調整する方法を示す説明図であ
る。
【図16】鋼管による取水の説明図である。
【図17】鋼管による取水の説明図である。
【図18】鋼管による取水の説明図である。
【図19】散水作業の説明図である。
【図20】バブルカーテンの説明図である。
【図21】バブルカーテンの施設状態を示す説明図であ
る。
【図22】大水深用水中ポンプの例を示す説明図であ
る。
【図23】人工的湧昇層を連続成層形成する例を示す説
明図である。
【符号の説明】 10 取水装置 11 フレキシブルホース 11a サクションヘッド 11b ガイドワイヤー 11c ガイドワイヤーウィンチ 12 シンカー 12a 固定部 13 巻取リール 14 ホースガイド 15 テンショナー 16 ホース支持装置 17 ガイド構造 18 スイベルジョイント 19a 鋼鉄製カウンターウエイト 19b カウンターウエイト付き空気タンク 19c コンプレッサー 19d リール 19e 空気供給用ホース 20 取水装置 21 直鋼管 21a サクションヘッド 22 スイベルジョイント 23 取水配管支持装置 24 取水配管昇降装置 24a ウィンチ 24b ワイヤー 25 取水ポンプ 26 ワイヤー 27 ウィンチ 31 スパッド 32 アンカー 33 スラスター 34 散水ノズル 35 バブルカーテン 35a 管体或いはホース 35b コンプレッサー 110 浮体(バージ) 111 側面部 112 底部 113 前後面部 120 断熱手段 130 貯水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F03G 7/05 511 F03G 7/05 511

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取水装置からサクションヘッドと、該サ
    クションヘッドと連結されたフレキシブルホースを水深
    200m〜700mの深さまで降ろし、前記サクション
    ヘッドから取水して前記取水装置の貯水槽に深層水を貯
    水し、その後、前記ホース及び前記サクションヘッドを
    回収することを特徴とする深層水の取水方法。
  2. 【請求項2】 サクションヘッド、ホースを海底に保管
    しておき、該保管したサクションヘッド、ホースをマー
    カーブイを備えたワイヤーロープと連結し、取水装置の
    ウィンチで前記マーカーブイ及びワイヤーロープを巻き
    上げ、前記ホース端を浮体上に上げ貯水槽側と接続し、
    取水し、取水作業終了後、逆の手順でサクションヘッ
    ド、ホースを海底に戻すことを特徴とする深層水の取水
    方法。
  3. 【請求項3】 長さ約50m程度以下の範囲で鋼管、接
    続用のスイベルの組合せによりユニット化した管体と、
    サクションヘッドを取り付けた先端部の鋼管と、によ
    り、少なくとも約200m〜700mの水深まで浮体上
    よりウィンチで前記管体を屈折させながら下降させ、海
    底に着底乃至は宙吊りしたシンカーに支持させて安定さ
    せ、前記サクションヘッドから取水することを特徴とす
    る深層水の取水方法。
  4. 【請求項4】 浮体内に断熱手段を施した貯水槽と、水
    深200m〜700mの深水を取り出す取水装置と、を
    備え、前記取水装置で取水した深層水を前記貯水槽で貯
    水し、運搬可能としたことを特徴とする移動式海洋深層
    水取水・給水・磯やけ対策・人工的湧昇、連続成層形成
    等用散水、放水の多目的作業装置。
  5. 【請求項5】 前記取水装置は、ホースと、巻取リール
    と、テンショナーと、ホースガイドと、スティンガー
    と、揚水ポンプと、を備えたことを特徴とする請求項4
    記載の移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工
    的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装
    置。
  6. 【請求項6】 前記取水装置の巻取リールは、巻おろし
    ・巻取りリール型であることを特徴とする請求項5記載
    の移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工的湧
    昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装置。
  7. 【請求項7】 前記移動式海洋深層水取水・給水・散水
    の多目的作業装置には、水深2m〜20mで散水する散
    水装置を備えていることを特徴とする請求項5又は6記
    載の移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工的
    湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装置。
  8. 【請求項8】 前記散水装置には、散水ノズルの付いた
    昇降式パイプ散水装置が設けられ、取水装置で取水した
    深層水を前記貯水槽で貯水し、深さ20mより浅い場所
    で、前記散水装置により散水することを特徴とする請求
    項7記載の移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・
    人工的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業
    装置。
  9. 【請求項9】 表層水を取水すると共に所定水深で放出
    する取水放出装置を備え、所定域で前記取水放出装置で
    取水した表層水を、浮体を介して、所定水深で放出し、
    連続的に表層水を所定水深に放出可能としたことを特徴
    とする移動式海洋深層水取水・給水・磯やけ対策・人工
    的湧昇、連続成層形成等用散水、放水の多目的作業装
    置。
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