JP6802728B2 - 浮遊幼生の育成用装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、貝類の中でも、それが付着した箇所に止まって成長していくイガイ類やカキ類などの貝類の浮遊幼生を適切かつ大量に付着させることが可能であると共に、成長した貝類の収穫作業など、海などの水中での作業性に優れる構成を備えた浮遊幼生の育成用装置に関する。
貝類を養殖するための装置として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「養殖施設」は、イワガキ等の貝類の養殖に最適で、引き揚げ作業も比較的容易に行い得、かつ低コスト化も図り得る養殖施設を提供することを課題とし、沿岸の外洋域に重力式魚礁部とその上側の浮体式養殖施設部とからなる養殖施設を沈設することで、設置海域の利用範囲を広げると共に、重力式魚礁部による蝟集効果と浮体式養殖施設部による本来の養殖効果のみならず回遊性魚類の蝟集効果とを合わせ、これらの相乗効果により効果的な増殖施設を提供する。また、浮体式養殖施設部を水深の中層域に設置することで、付着生物が低減でき、イワガキ等の養殖対象水産生物の餌料である植物プランクトンを安定して供給することができると共に、回収時の引き揚げ作業も比較的容易に行える。さらに、浮体式養殖施設部を中層域に設置したので、漁船や作業船等の走行に支障をきたすこともなく、海面を有効に利用することができるというものである。
特許文献1では、浮体式養殖施設部でイワガキ等の貝類を養殖するにあたり、付着生物を低減させるようにし、また、稚貝を成長させる採苗器は、海流に正対しないように、横向きに寝かせて養殖ロープに取り付けられている。
特許文献2の「垂下連」は、採苗工程において水層中で簡便に位置がえができる作業性の良い垂下連を提供することを目的とし、棒体と、棒体に挿通した扁平なコレクタと、を有する、牡蠣その他の貝の幼生を育成する際に用いる垂下連であって、重心と浮力の作用点をずらすことにより、水中または海水中において鉛直方向に自立するようにしている。
特許文献2の垂下連は、錘と浮きで構成されている。また、貝の幼生を育成するコレクタは、特許文献1と同様に、スペーサ間に横向きに寝かせて取り付けられている。
特開2004−222650号公報 特開2014−82982号公報
海や湖沼等の水底に設置して、貝類の中でも、それが付着した箇所に止まって成長していくイガイ類やカキ類などの貝類の浮遊幼生を育成させる装置を検討する際に、養殖技術に係る特許文献1の適用を考えると、特許文献1はそもそも、稚貝を採苗器で成長させる養殖技術であって、付着生物を少なくするものであること、そしてまた、流れに漂う浮遊幼生を育成対象とする場合に、これが付着して育成されるべき採苗器が、海流と正対しないように横向きに寝かせて養殖ロープに取り付けられていることから、浮遊幼生を適切に付着させることができない。
このため、特許文献1の技術によっては、浮遊幼生が付着して育成される好適な装置を得ることはできないという課題があった。
他方、特許文献2の適用を検討すると、特許文献2もそもそも、貝の幼生をコレクタで成長させる養殖技術であって、浮遊幼生を育成対象とするとき、これが付着して育成されるべきコレクタが、横向きに寝かせて配設されているため、流れのある海などにおいて漂っている浮遊幼生を適切に付着させることができない。
また、錘と浮きで構成された垂下連は、流れのある場所で使用した場合には、安定した姿勢を保つことが難しく、この面からも、浮遊幼生を確実に付着させることが難しい。さらに、収穫量の面で検討すると、複数の垂下連を用いる場合、海などの水中等での相互の衝突や干渉を防ぐ必要があり、そのために間隔を広げて設置範囲が広くなると、単位面積当たりの収穫量が低下してしまい、高い生産効率を確保することができない。
このため、特許文献2の技術によっても、浮遊幼生を付着させて育成する好適な装置を得ることができないという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、例えば、貝類の中でも、それが付着した箇所に止まって成長していくイガイ類やカキ類などの貝類の浮遊幼生を適切かつ大量に付着させることが可能であると共に、成長した貝類の収穫作業など、海などの水中での作業性に優れる構成を備えた浮遊幼生の育成用装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる浮遊幼生の育成用装置は、海や湖沼等の水底に着床されるベースと、該ベースから立ち上げてかつ互いに間隔を隔てて設けられる複数本のポストと、これらポストの下部に、上記ベースから上方に間隔を隔てて設けられる支持部と、上記ポストの頂部に設けられる固定用連結部と、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入され、上記支持部上に支持される底部プレートと、上記固定用連結部に着脱自在に取り付けられ、上記ポストの頂部に固定される頂部プレートと、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入され、上記底部プレートと上記頂部プレートとの間にこれらから間隔を隔てて設けられる少なくとも1枚の仕切りプレートと、上記頂部プレート、上記底部プレート及び上記仕切りプレートの平面外形寸法よりも小さな外径寸法の中空筒状に形成され、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入されて、少なくとも該底部プレートと該仕切りプレートとの間及び該仕切りプレートと該頂部プレートとの間に個々に設けられ、浮遊幼生が付着して育成される複数の可搬式育成基盤材とを備えたことを特徴とする。
前記仕切りプレートが2枚以上設けられ、少なくとも1つの前記可搬式育成基盤材が該仕切りプレート同士の間に設けられることを特徴とする。
前記育成基盤材の表面は凹凸表面であることを特徴とする。
本発明にかかる浮遊幼生の育成用装置にあっては、付着した箇所に止まって成長していく貝類の浮遊幼生を適切かつ大量に付着させることができると共に、成長した貝類の収穫作業など、水中での作業を容易かつ円滑に、効率的に行うことができる。
本発明にかかる浮遊幼生の育成用装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。 図1に示した浮遊幼生の育成用装置の要部拡大側断面図である。 図1に示した浮遊幼生の育成用装置の変形例を示す要部拡大側面図である。
以下に、本発明にかかる浮遊幼生の育成用装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる浮遊幼生の育成用装置を示す斜視図、図2は、図1に示した浮遊幼生の育成用装置の要部拡大側断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る浮遊幼生の育成用装置1は主に、海や湖沼等の水底に沈められて着床されるベース2と、ベース2に配設される複数本のポスト3と、これらポスト3それぞれに、上下高さ方向に沿って多段に設けられる複数枚のプレート4,5,6と、各ポスト3に、プレート4,5,6の間に個々に配置して設けられ、付着した浮遊幼生を育成するための複数個の育成基盤材7とから構成される。
浮遊幼生とは、貝類の中でも、それが付着した箇所に止まって成長していくイガイ類やカキ類などの貝類の浮遊幼生をいう。
ベース2は、浮遊幼生の育成用装置1全体を水底に安定的に設置するために、それ自体の重さで水底に固定され得る重量のある土台として、コンクリート製で形成される。本実施形態に係る浮遊幼生の育成用装置1は、沿岸部やその周辺で、潮の流れや海流などの水流がほぼ水平となる深さであって、かつダイバーによる潜水作業を考慮して、例えば水深5〜30mに設置される。
ベース2は、複数本のポスト3を設置するために、平面的に広がりのある大きさで形成される。ベース2は、図示例では、平面外形輪郭が正方形の直方体状に形成されている。ベース2の大きさは、例えば一辺が3m程度、高さが0.8m程度で形成される。ベース2の平面外形輪郭は、多角形や円形、楕円形など、どのような形状であってもよく、また、高さも適宜に設定してよい。
ベース2の上面2aには、その一部がベース2に埋め込まれて、浮遊幼生の育成用装置1全体を水底に設置したり、あるいは水底から引き揚げるための揚重用ワイヤ等が掛け止めされるフック8が適宜箇所に配設される。
複数本のポスト3は、潮の流れなどの水流と正対するように、ベース2の上面2aからほぼ垂直に立ち上げて設けられる。ポスト3は、柱体状であれば、どのような平断面形状であってもよい。図示例では、ポスト3は、平断面円形状に形成されている。平断面円形状であれば、後述するように中空筒状に形成されてポスト3に挿入される育成基盤材7は、向きを合わせるように位置合わせすることなく、単純にかつスムーズにポスト3に装着される。
ポスト3はベース2に対し、種々の方法で設けることができる。本実施形態では、各ポスト3は図2に示すように、コンクリート製の中実円柱体で形成され、当該ポストの下端部分がベース2に埋設されている。ポスト3をコンクリート製とする場合、ベース2と一体に形成するようにしてもよい。
他の方法としては、ポスト3は、腐食防止用のFRPがその表面に一体成型された中空鋼管の内部にコンクリートを充填して構成され、このポスト3の下端部分をベース2に埋設するようにしてもよい。あるいは、ポスト3は、その頂部及び底部が開放された、もしくは頂部が封鎖された中空鋼管とされて、その下端部分をベース2に埋設するようにしてもよい。
複数のポスト3は、互いに間隔を隔てて設けられる。ポスト3同士の間隔は、これらポスト3の間を、潮の流れなどの水流が円滑に流通するように設定される。
好ましくは、例えばベース2上でダイバーが振り向く程度で、隣接するポスト3それぞれに接近し得るような間隔に設定される。図示例では、ポスト3は、ベース2の上面2a中央にダイバーの作業用空間Sが得られるように、矩形状の環状配列で8本設けられている。ポスト3の配列の態様は、どのように設定してもよい。
ベース2から露出している各ポスト3の下部には、ベース2の上面2aから上方に間隔を隔てて、支持部9が設けられる。本実施形態では、支持部9は、ポスト3の周りに互いに適宜間隔を隔てて設けられ、当該ポスト3に一端が接合されかつ他端がポスト3の径方向外方へ突出された複数の鋼製あるいはFRP製の突片9aで構成される。
複数の突片9aで構成された支持部9上には、複数枚のプレート4,5,6のうち、最下部に位置されるプレート(底部プレート)4が載せられ、これにより、底部プレート4が支持部9を介してポスト3に支持される。支持部9は、底部プレート4をその上に載せることができれば、他の構成であってもよい。
各ポスト3の頂部には、複数枚のプレート4,5,6のうち、最上部に位置されるプレート(頂部プレート)5をポスト3に固定し、これにより、他のプレート4,6及び育成基盤材7をポスト3に対し、上下高さ方向に位置固定するための固定用連結部10が設けられる。
固定用連結部10は本実施形態にあっては、ポスト3の頂部に埋設され、防錆処理された固定用ボルト11が着脱自在に締結されるインサート金物10aによって構成される。固定用連結部10は、頂部プレート5をポスト3に固定することができれば、他の構成であってもよい。
各ポスト3それぞれには、その高さ方向に沿って、複数枚のプレート4,5,6と、プレート4,5,6の枚数よりも1つ少ない複数個の育成基盤材7とが交互に設けられ、これにより、各ポスト3では、上下高さ方向に積層される複数の育成基盤材7の個々が、上下方向両側からプレート4,5,6に挟まれた形態で、当該プレート4,5,6によって仕切られて個別に配設される。
プレート4,5,6としては、いずれも鋼製またはFRP製であって、ポスト3の上下高さ方向で、一番下に設けられる上記底部プレート4と、一番上に設けられる上記頂部プレート5と、これら頂部プレート5と底部プレート4との間にこれらから間隔を隔てて設けられる少なくとも1枚の仕切りプレート6とが備えられる。
仕切りプレート6が1枚の場合には、ポスト3には、仕切りプレート6の上方及び下方それぞれに、頂部プレート5と底部プレート4とで挟んで、2個の育成基盤材7が設けられる。本実施形態では、仕切りプレート6は2枚設けられていて、仕切りプレート6同士の間に挟んで、さらに3個目の育成基盤材7が設けられている。
頂部プレート5以外の底部プレート4及び仕切りプレート6には、これらをポスト3に挿通するための挿通穴4a,6aが形成され(図2参照)、当該挿通穴4a,6aを介して、これらプレート4,6は、ポスト3にその頂部から挿抜自在に挿入されて設けられる。
底部プレート4は、支持部9上に支持される。頂部プレート5には、挿通穴4a,6aよりも小さな孔径で、固定用ボルト11の通し孔5aが形成される(図1参照)。従って、頂部プレート5は、ポスト3の頂部上に載置されかつ固定される。図示例にあっては、これらプレート4,5,6は、平面外形輪郭が矩形状であるが、他のどのような形状であってもよい。
育成基盤材7は、付着した浮遊幼生を育成するために備えられる。育成基盤材7は、ポスト3にその頂部から挿抜自在に挿入される中空筒状に形成される。ポスト3に挿入して設けられることにより、育成基盤材7は、潮の流れなどの水流に対し正対して設けられる。
本実施形態にあっては、育成基盤材7は、内周面及び外周面が共に円筒面の中空円筒体状に形成されているが、ポスト3への挿抜が可能であれば、内周面は円筒面でなくてもよく、外周面についても、ポスト3の上下高さ方向に沿う紡錘形状や鼓形状、螺旋形状など、どのような形態であってもよい。
また、育成基盤材7は、各ポスト3に対して複数個で設けられ、これにより、育成基盤材7個々は、ポスト3の高さに対し短尺な寸法であると共に、持ち運びに便利な軽量な素材、例えばFRPで形成されて、可搬式に形成される。
ポスト3に挿入され上下のプレート4,5,6に挟まれて設けられる育成基盤材7は、その外径寸法がプレート4,6の挿通穴4a,6aの穴径よりも大きく(頂部プレート5の通し孔5aよりも、もちろん大きく)設定されて、当該育成基盤材7の上下端面が、プレート4,5,6の面に対し接離可能に当接され、これにより、育成基盤材7は、底部プレート4と下側の仕切りプレート6との間、上下に位置する仕切りプレート6同士の間、並びに、上側の仕切りプレート6と頂部プレート5との間に個々に設けられる。
すなわち、育成基盤材7は、図示例によれば、一番下の育成基盤材7が底部プレート4を介して支持部9上に設置され、当該一番下の育成基盤材7直上の下側の仕切りプレート6上に、真ん中の育成基盤材7が設置され、当該真ん中の育成基盤材7直上の上側の仕切りプレート6上に、一番上の育成基盤材7が設置され、この一番上の育成基盤材7が頂部プレート5の下に当該頂部プレート5で押さえ込んで設置されて、これにより、頂部プレート5を除き、他のプレート4,6及びすべての育成基盤材7が一括してポスト3に支持される。
育成基盤材7の上下端面と各プレート4,5,6の面とが当接する箇所で、付着した浮遊幼生が生育することにより、これら育成基盤材7とプレート4,5,6とが固着しないように、育成基盤材7とプレート4,5,6との当該当接箇所での浮遊幼生の生育を阻止するための隅角を形成するために、育成基盤材7の外径寸法は、プレート4,5,6の平面外形寸法よりも小さく設定され、これにより、プレート4,5,6と育成基盤材7との当接箇所に段差が形成される。
また、育成基盤材7の上下端面が当接される各プレート4,5,6の面には、潮の流れなどの水流によって育成基盤材7が動いてしまう場合に、育成基盤材7とプレート4,5,6の相互間に水平方向への位置ずれが発生して摩耗などの劣化が生じてしまうことを抑制するために、ズレ止めシート12が敷設される。ズレ止めシート12は、挿通穴4a,6a周りに育成基盤材7の外方へ迫り出すように、広範囲に設けられる。
次に、本実施形態に係る浮遊幼生の育成用装置1の作用について説明する。浮遊幼生の育成用装置1は、地上または船上で組み立てられる。組み立てに際しては、連結固定部10及び支持部9が設けられた複数本のポスト3を一体的に備えたベース2と、ズレ止めシート12が設けられた複数枚のプレート4〜6と、複数個の育成基盤材7と、固定用ボルト11が用意される。また、ベース2には、フック8が設けられている。
各ポスト3に対し、その頂部から挿入して、支持部9の上に底部プレート4を、その上に、ズレ止めシート12を介して、一番下の育成基盤材7を設け、その後、仕切りプレート6と育成基盤材7とを、ズレ止めシート12を挟んで交互に設け、次いで、ポスト3の頂部に、一番上の育成基盤材7を、ズレ止めシート12を介して押さえ込むようにして、頂部プレート5を載せ、最後に、固定用ボルト11を連結固定部10のインサート金物10aに締結する。これにより、浮遊幼生の育成用装置1が完成する。
完成した浮遊幼生の育成用装置1は、ベース2のフック8に掛け止めした揚重用ワイヤを介して、船上から水底に向けて降ろされる。ベース2が水底に着床したら、ダイバーが揚重用ワイヤをフック8から外すことで、設置作業が完了する。
浮遊幼生の育成用装置1では、潮の流れなど水流によって流され浮遊する浮遊幼生が育成基盤材7に付着することで成長していく。この際、ほぼ垂直に設けたポスト3に設けられた育成基盤材7は、潮の流れなど水流に正対するので、浮遊幼生が付着しやすい。また、ポスト3が互いに間隔を隔てて設けられているため、潮通しなど、ベース2上を水流が円滑に流通し、浮遊幼生の良好な付着と付着した浮遊幼生への十分な栄養供給が確保される。
また、ベース2に対し、育成基盤材7を設けるポスト3を複数本設けるようにしたので、単位面積あたりで、多くの収穫量が確保される。育成基盤材7の外径寸法がプレート4〜6の平面外形寸法よりも小さく設定されていて、育成基盤材7とプレート4〜6とが当接する境界位置で浮遊幼生が生育することが阻害されるため、プレート4〜6に対する育成基盤材7の分離、すなわち取り外しに支障が生じることがない。
水底に設置された浮遊幼生の育成用装置1では、水流を受けても、ズレ止めシート12により、育成基盤材7とプレート4〜6との位置ずれが発生して摩耗による劣化が防止される。
浮遊幼生が成長した貝類は、例えばダイバーが潜水して作業を行うことで収穫される。ダイバーは、水底に設置されている浮遊幼生の育成用装置1に対し、固定用ボルト11をインサート金物10aから外す。固定用ボルト11をインサート金物10aから外すだけで、底部プレート4上のすべての育成基盤材7とプレート5,6の固定が解除されて、収穫作業の他、必要なすべての作業が可能となる。
頂部プレート5を取り外した後、ポスト3から、積層されている育成基盤材7を、仕切りプレート6と交互に抜き出して、回収する。育成基盤材7は、短尺で軽量な可搬式なので、取り扱いが容易である。その後、新しい育成基盤材7を、組み立て時と同様にして、底部プレート4上から、仕切りプレート6と交互に挿入していき、最後に、固定用ボルト11を介して、頂部プレート5をポスト3の頂部に取付固定する。
ダイバーによる育成基盤材7の回収作業及び交換作業に際し、本実施形態では、振り向く程度で隣接するポスト3に接近し得るような間隔でポスト3を配設しているので、そしてまた、ダイバーの作業用空間Sが得られるようにポスト3を環状に配列しているので、きわめて容易かつ円滑に、そしてまた効率よく各種作業を行うことができる。
その後、ダイバーは、回収した育成基盤材7を船上に搬送し、これにより、本育成用装置1で成長した貝類が収穫される。収穫にあたっては、本育成用装置1のメンテナンス時や撤去時と同様にして、フック8に揚重用ワイヤを掛け止めして、本育成用装置1全体を船上へ引き揚げるようにしてもよい。
以上説明した本実施形態に係る浮遊幼生の育成用装置1にあっては、海や湖沼等の水底に着床されるベース2と、ベース2から立ち上げてかつ互いに間隔を隔てて設けられる複数本のポスト3と、これらポスト3の下部に、ベース2から上方に間隔を隔てて設けられる支持部9と、ポスト3の頂部に設けられる固定用連結部10と、ポスト3にその頂部から挿抜自在に挿入され、支持部9上に支持される底部プレート4と、固定用連結部10に着脱自在に取り付けられ、ポスト3の頂部に固定される頂部プレート5と、ポスト3にその頂部から挿抜自在に挿入され、底部プレート4と頂部プレート5との間にこれらから間隔を隔てて設けられる上下2枚の仕切りプレート6と、頂部プレート5、底部プレート4及び仕切りプレート6の平面外形寸法よりも小さな外径寸法の中空筒状に形成され、ポスト3にその頂部から挿抜自在に挿入されて、底部プレート4と仕切りプレート6との間、仕切りプレート6同士の間、及び仕切りプレート6と頂部プレート5との間に個々に設けられ、浮遊幼生が付着して育成される複数の可搬式育成基盤材7とを備えたので、浮遊幼生を適切かつ大量に付着させることができると共に、成長した貝類の収穫作業など、水中での作業を容易かつ円滑に、効率的に行うことができる。
具体的には、水底に着床されるベース2を備えているので、水中でのポスト3の姿勢を安定化することができ、これにより、育成基盤材7に浮遊幼生を適切かつ大量に付着させることができる。ポスト3がベース2から立ち上げて設けられているので、これに設ける育成基盤材7は、潮の流れなど水流に正対することとなり、容易かつ大量に浮遊幼生を付着させることが可能である。
ポスト3が互いに間隔を隔てて設けられているので、潮通しなど、水流が当該ポスト3周りに円滑に流通し、浮遊幼生の良好な付着と付着した浮遊幼生への十分な栄養供給を確保することができる。ベース2に対し、育成基盤材7を設けるポスト3を複数本設けるようにしたので、単位面積あたりで、多くの収穫量を確保することができる。
支持部9によって、底部プレート4をベース2上方に間隔を隔てて設けるようにしたので、ポスト3に設けられるすべての育成基盤材7に対し、良好な潮流れで、水流を流通させることができる。固定用ボルト11をインサート金物10aから外すだけで、底部プレート4上のすべての育成基盤材7とプレート5,6の固定を解除することができ、収穫時に簡単かつ効率よく作業を進めることができると共に、組み立て作業性にも優れる。
育成基盤材7の外径寸法をプレート4〜6の平面外形寸法よりも小さく設定したので、育成基盤材7とプレート4〜6とが当接する境界位置での浮遊幼生の生育を阻害することができ、プレート4〜6に対する育成基盤材7の分離、すなわち取り外しに支障が生じることがなく、円滑に収穫作業を進めることができる。育成基盤材7は、短尺で軽量な素材により可搬式に形成されているので、取り扱いが容易で、収穫作業性を向上することができる。
ズレ止めシート12を備えたので、水流を受けて育成基盤材7が動いても、育成基盤材7とプレート4〜6との位置ずれが発生して摩耗による劣化を防止することができる。ポスト3の間隔について、振り向く程度で隣接するポスト3に接近し得るように設定しているので、そしてまた、ダイバーの作業用空間Sが得られるようにポスト3を環状に配列しているので、きわめて容易かつ円滑に、そしてまた効率よく各種作業を行うことができる。
図3には、上記実施形態の変形例が示されている。図3は、図1に示した浮遊幼生の育成用装置の変形例を示す要部拡大側面図である。図示するように、この変形例では、水流に接する育成基盤材7の表面である外周面が凹凸表面13で形成されている。
凹凸表面13で形成すれば、浮遊幼生が付着可能な育成基盤材7の表面積を広く稼ぐことができ、上記実施形態に場合に比して、収穫量を増大することができる。凹凸表面13は例えば、不織布を育成基盤材7の外周面に設けるなど、各種方法によって形成することができる。
1 浮遊幼生の育成用装置
2 ベース
3 ポスト
4 底部プレート
5 頂部プレート
6 仕切りプレート
7 育成基盤材
9 支持部
10 固定用連結部
13 凹凸表面

Claims (3)

  1. 海や湖沼等の水底に着床されるベースと、該ベースから立ち上げてかつ互いに間隔を隔てて設けられる複数本のポストと、これらポストの下部に、上記ベースから上方に間隔を隔てて設けられる支持部と、上記ポストの頂部に設けられる固定用連結部と、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入され、上記支持部上に支持される底部プレートと、上記固定用連結部に着脱自在に取り付けられ、上記ポストの頂部に固定される頂部プレートと、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入され、上記底部プレートと上記頂部プレートとの間にこれらから間隔を隔てて設けられる少なくとも1枚の仕切りプレートと、上記頂部プレート、上記底部プレート及び上記仕切りプレートの平面外形寸法よりも小さな外径寸法の中空筒状に形成され、上記ポストにその頂部から挿抜自在に挿入されて、少なくとも該底部プレートと該仕切りプレートとの間及び該仕切りプレートと該頂部プレートとの間に個々に設けられ、浮遊幼生が付着して育成される複数の可搬式育成基盤材とを備えたことを特徴とする浮遊幼生の育成用装置。
  2. 前記仕切りプレートが2枚以上設けられ、少なくとも1つの前記可搬式育成基盤材が該仕切りプレート同士の間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の浮遊幼生の育成用装置。
  3. 前記育成基盤材の表面は凹凸表面であることを特徴とする請求項1または2に記載の浮遊幼生の育成用装置。
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