JP2001207888A - 自己着火内燃機関 - Google Patents

自己着火内燃機関

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JP2001207888A
JP2001207888A JP2000015731A JP2000015731A JP2001207888A JP 2001207888 A JP2001207888 A JP 2001207888A JP 2000015731 A JP2000015731 A JP 2000015731A JP 2000015731 A JP2000015731 A JP 2000015731A JP 2001207888 A JP2001207888 A JP 2001207888A
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ignition
internal combustion
fuel
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JP2000015731A
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English (en)
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Koji Hiratani
康治 平谷
Tomonori Urushibara
友則 漆原
Takeshi Taniyama
剛 谷山
Kazuya Hasegawa
和也 長谷川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B1/00Engines characterised by fuel-air mixture compression
    • F02B1/12Engines characterised by fuel-air mixture compression with compression ignition

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の信頼性の低下や製造及び保守コス
トの増大を招く複雑な連続可変動弁機構を必要とせず、
自己着火性を改善して広範囲な運転領域で安定した自己
着火燃焼を行う内燃機関を提供する。 【解決手段】 ECU20の回転数計算部21は、クラ
ンク角センサ信号に基づいて機関回転数を算出し噴射量
比計算部22へ出力する。噴射量比計算部22は回転数
に基づいて予め記憶した計算式又は予め記憶した噴射量
比マップにより、回転数に対応する1回目及び2回目に
おける噴射量比を求める。燃料噴射弁駆動部23は、マ
イナスオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射時期を
設定し、吸気行程中または圧縮行程中に2回目の燃料噴
射時期を設定し、噴射量比の応じた1回目、2回目の燃
料噴射を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、混合気を圧縮して
高温高圧にすることにより自己着火燃焼させる自己着火
内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自己着火内燃機関として、特開平
10−266878号記載の技術が知られている。この
技術によれば、機関低負荷から中負荷域に設定される自
己着火運転領域において、排気バルブの閉弁時期と吸気
バルブの開弁時期との間に燃焼室が密閉された期間を設
け、負荷の上昇とともに排気バルブの閉弁時期を遅角さ
せ、かつ吸気バルブの開弁時期を進角させ、前記密閉期
間を徐々に減少するよう設定される。また、低負荷およ
び高負荷領域においては吸気バルブの閉弁時期を早め、
中負荷領域においては閉弁時期を遅らせる。これにより
低負荷から中、高負荷領域まで安定した自己着火運転が
可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、負荷の上昇とともに、吸気および排
気バルブの開閉時期及び開期間が連続的に可変となる必
要があり、この様な可変バルブタイミング機構を備えた
機関構造は極めて複雑となり、機関信頼性の低下、製造
及び保守の為のコスト上昇は避けられないという問題点
があった。
【0004】また、広い機関回転領域において自己着火
燃焼を実現するためには、機関回転数に応じたバルブタ
イミング制御が必要となり、上記技術を適用しようとす
ると、機関負荷に応じた制御に加えて機関回転数に応じ
た制御が必要となり、機関構造がさらに複雑化するか、
もしくは制御が複雑化し、コストのさらなる上昇は避け
られないという問題点が生じる。
【0005】さらに、過渡的な運転状態の時、バルブの
開閉時期で運転状態を制御しようとすると、機械的な応
答性が悪く、機関応答性の悪化が避けられないという問
題点があった。
【0006】以上の問題点に鑑み本発明の課題は、内燃
機関の信頼性の低下や製造及び保守コストの増大を招く
複雑な連続可変動弁機構を必要とせず、自己着火性を改
善して広範囲な運転領域で安定した自己着火燃焼を実現
できる自己着火内燃機関を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、排気行程後半に排気バルブ
を閉じ、かつ吸気バルブも閉じているマイナスオーバー
ラップ期間を備え、筒内に直接燃料を供給し、火花点火
のいらない圧縮自己着火燃焼を可能とする自己着火内燃
機関において、前記マイナスオーバーラップ期間中に1
回目の燃料噴射時期が設定され、吸気行程中または圧縮
行程中に2回目の燃料噴射時期が設定され、同一燃焼サ
イクル中に1回目及び2回目の燃料噴射を行うと共に、
機関回転数に応じて1回目及び2回目における噴射量の
比を変化させることを要旨とする。
【0008】上記課題を解決するため、請求項2記載の
発明は、排気行程後半に排気バルブを閉じ、かつ吸気バ
ルブも閉じているマイナスオーバーラップ期間を備え、
筒内に直接燃料を供給し、火花点火のいらない圧縮自己
着火燃焼を可能とする自己着火内燃機関において、前記
マイナスオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射時期
が設定され、吸気行程中または圧縮行程中に2回目の燃
料噴射時期が設定され、同一燃焼サイクル中に1回目及
び2回目の燃料噴射を行うと共に、1回目における噴射
量の全噴射量に対する比を機関回転数が高くなるにつれ
て増大させることを要旨とする。
【0009】上記課題を解決するため、請求項3記載の
発明は、請求項1または請求項2記載の自己着火内燃機
関において、アイドル回転時を含む機関低回転時には、
1回目の噴射量が全噴射量の10%以下であることを要
旨とする。
【0010】上記課題を解決するため、請求項4記載の
発明は、請求項1または請求項2記載の自己着火内燃機
関において、機関低回転時から中速回転領域において
は、1回目の噴射量が全噴射量の15%ないし45%で
あることを要旨とする。
【0011】上記課題を解決するため、請求項5記載の
発明は、請求項1または請求項2記載の自己着火内燃機
関において、機関中速回転時から高速回転領域において
は、1回目の噴射量が全噴射量の40%以上であること
を要旨とする。
【0012】上記課題を解決するため、請求項6記載の
発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の
自己着火内燃機関において、燃料噴射時期を制御する噴
射時期制御手段とノッキング強度を検出するノッキング
強度検出手段とを備え、検出されたノッキング強度があ
る設定許容値を超えた場合に、1回目の燃料噴射時期を
遅角させることを要旨とする。
【0013】上記課題を解決するため、請求項7記載の
発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の
自己着火内燃機関において、燃料噴射時期を制御する噴
射時期制御手段と燃焼安定度を検出する安定度検出手段
とを備え、検出された燃焼安定度がある設定許容値を超
えた場合に、1回目の燃料噴射時期を進角させることを
要旨とする。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、排気行程後半
に排気バルブを閉じ、かつ吸気バルブも閉じているマイ
ナスオーバーラップ期間を備え、筒内に直接燃料を供給
し、火花点火のいらない圧縮自己着火燃焼を可能とする
自己着火内燃機関において、前記マイナスオーバーラッ
プ期間中に1回目の燃料噴射時期が設定され、吸気行程
中または圧縮行程中に2回目の燃料噴射時期が設定さ
れ、同一燃焼サイクル中に1回目及び2回目の燃料噴射
を行うと共に、機関回転数に応じて1回目及び2回目に
おける噴射量の比を変化させるようにしたので、機関回
転数に応じた自己着火性改善のための制御を従来の連続
バルブタイミング変更機構の様な複雑な機構を設けるこ
となく実現することができるようになり、機関の信頼性
を向上させ、製造及び保守コストを低減させ、応答性が
良く、広い運転範囲での安定した自己着火燃焼が可能と
なるという効果がある。
【0015】請求項2の発明によれば、排気行程後半に
排気バルブを閉じ、かつ吸気バルブも閉じているマイナ
スオーバーラップ期間を備え、筒内に直接燃料を供給
し、火花点火のいらない圧縮自己着火燃焼を可能とする
自己着火内燃機関において、前記マイナスオーバーラッ
プ期間中に1回目の燃料噴射時期が設定され、吸気行程
中または圧縮行程中に2回目の燃料噴射時期が設定さ
れ、同一燃焼サイクル中に1回目及び2回目の燃料噴射
を行うと共に、1回目における噴射量の全噴射量に対す
る比を機関回転数が高くなるにつれて増大させるように
したので、機関回転数の増大に伴って燃料改質の化学反
応に許容される時間が短縮されてもマイナスオーバーラ
ップ期間の燃料改質の対象となる燃料比率を増大させる
ことができるようになり、機関回転数に係わらず常に安
定した自己着火燃焼を起こさせる活性物質の量を確保す
ることができるという効果がある。
【0016】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加えて、アイドル回転時および
約600rpmの低回転時には、1回目の噴射量が全噴
射量の10%以下であることとしたので、自己着火運転
の比較的容易な低回転において、自己着火燃焼を促進す
るためのマイナスオーバーラップ期間中に噴射される燃
料の量を極めて少量とすることにより、マイナスオーバ
ーラップ期間中の温度上昇による冷却損失を最小にし、
燃焼安定性及び燃費の良好な自己着火運転を可能とする
という効果がある。
【0017】請求項4の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加えて、約1200rpmの中
回転時には、1回目の噴射量が15%ないし45%であ
ることとしたので、自己着火運転が低回転ほど容易でな
い中回転において、自己着火燃焼を促進するためのマイ
ナスオーバーラップ期間中に噴射される自己着火運転可
能な必要燃料量で、かつ、マイナスオーバーラップ期間
中の温度上昇による冷却損失を最小にする、最適な噴射
量に制御でき、燃焼安定性及び燃費の良好な自己着火運
転を可能とするという効果がある。
【0018】請求項5の発明によれば、請求項1または
請求項2の発明の効果に加えて、約2400rpmの高
回転時には、1回目の噴射量が40%以上であることと
したので、自己着火運転が困難な高回転において、安定
した自己着火運転を可能とするという効果がある。
【0019】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
請求項5の発明の効果に加えて、燃料噴射時期を制御す
る噴射時期制御手段とノッキング強度を検出するノッキ
ング強度検出手段とを備え、検出されたノッキング強度
がある設定許容値を超えた場合に、1回目の燃料噴射時
期を遅角させるようにしたので、各回転数毎の最適噴射
量および噴射割合を変化させる必要がないため、燃費お
よび燃焼安定性の跳ね返りなく、ノッキングを緩和する
という効果がある。
【0020】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
請求項6の発明の効果に加えて、燃料噴射時期を制御す
る噴射時期制御手段と燃焼安定度を検出する安定度検出
手段とを備え、検出された燃焼安定度がある設定許容値
を超えた場合に、1回目の燃料噴射時期を進角させるよ
うにしたので、各回転数毎の最適噴射量および噴射割合
を燃焼安定度によって変化させる必要がないため、燃費
を悪化させることなく燃焼安定性を向上させるという効
果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る自己
着火内燃機関の第1実施形態の構成を示すシステム構成
図である。本実施形態の自己着火内燃機関は、シリンダ
1と、シリンダヘッド2と、ピストン3と、吸気ポート
4と、排気ポート5と、吸気バルブ6と、排気バルブ7
と、吸気バルブ6を駆動する吸気用カム8と、排気バル
ブ7を駆動する排気用カム9と、筒内に直接燃料を噴射
する燃料噴射弁10と、クランク軸回転パルス信号を検
出するクランク角センサ11と、燃料噴射弁10からの
燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御するエンジンコント
ロールユニット(以下、ECUと略す)20とを備えて
いる。
【0022】ECU20は、クランク角センサ11の信
号に基づいて機関回転数を計算する回転数計算部21
と、機関回転数に応じて1回目の燃料噴射量と2回目の
燃料噴射量との比、または1回目と2回目を合わせた全
燃料噴射量に対する1回目の燃料噴射量の比を計算する
噴射量比計算部22と、一燃焼サイクル中に1回目及び
2回目の燃料噴射を燃料噴射弁10から行うように駆動
パルスを発生する燃料噴射弁駆動部23とを備えてい
る。
【0023】図1のECU20において、回転数計算部
21は、クランク角センサ信号に基づいて機関回転数を
算出し、噴射量比計算部22へ出力する。噴射量比計算
部22は、回転数計算部21が計算した回転数に基づい
て予め記憶した計算式により、あるいは予め記憶した噴
射量比マップを検索して、回転数に対応する1回目及び
2回目における噴射量比を求める。
【0024】燃料噴射弁駆動部23は、前記マイナスオ
ーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射時期を設定し、
吸気行程中または圧縮行程中に2回目の燃料噴射時期を
設定している。また燃料噴射弁駆動部23は、図示しな
い吸気量センサ及びアクセル開度センサからそれぞれ信
号を入力し、一燃焼サイクル当たりの1回目及び2回目
における全燃料噴射量を算出し、この全燃料噴射量を噴
射量比計算部22から与えられた噴射量比に従って、1
回目の噴射量と2回目の噴射量とに分割する。そして各
噴射量に応じた燃料噴射弁駆動パルスを燃料噴射弁10
へ出力する。こうして、機関回転数に応じて1回目及び
2回目の燃料噴射量の比率を変化させることができる。
【0025】ECU20は、配線論理により構成されて
もよいが、マイクロプロセッサとその制御プログラムと
して構成する方が、制御の柔軟性や従来機種からの転換
が容易である。
【0026】また本実施形態の自己着火内燃機関は、ガ
ソリン圧縮自己着火運転を可能とするため、圧縮比12
以上の比較的高圧縮比に設定されている。
【0027】図2は、吸気バルブ6および排気バルブ7
のバルブタイミングを示す。排気バルブは排気上死点よ
りも早い時期に閉じるよう設定され、吸気バルブは排気
上死点よりも遅い時期に開くように設定されている。こ
れにより、排気上死点の前後に吸気バルブ6および排気
バルブ7が共に閉じている時期(マイナスオーバーラッ
プ期間と呼ばれる)が存在する。この時、排気バルブ7
が上死点より早い時期に閉じるため、筒内に排気されな
かった燃焼後のガスが密閉され、圧縮される。
【0028】もともと高温であった燃焼後のガスは、こ
の圧縮によりさらに高温になる。このような雰囲気の筒
内に燃料噴射弁10から1回目の燃料噴射として燃料を
直接噴射すると、筒内の燃焼後のガスと一緒に高温にさ
らされ、燃料の改質が進む。
【0029】この時燃料は、分子の鎖が切れラジカルを
形成したり、燃焼後のガスに残っているわずかな酸素と
結合しアルデヒド程度まで反応が進む。このような燃料
の改質により、着火性の悪いガソリン燃料を含む混合気
の着火性を向上させ、安定した圧縮自己着火運転を実現
させられる。
【0030】図3ないし図5は、それぞれ低回転、中回
転、高回転における総燃料噴射量に対する1回目の燃料
噴射割合を変化させた場合の燃焼安定性と燃費を示すグ
ラフである。尚、これらの図では、燃焼安定性は、下方
が安定度良となっている。
【0031】図3は、1回目の燃料噴射時期をマイナス
オーバーラップ期間中とし、2回目の燃料噴射時期を吸
気行程または圧縮行程中とした場合、600rpm程度
の低回転数における、全噴射量に対する1回目(以下、
1回目の燃料噴射)の噴射量の割合と、燃焼安定性およ
び燃費の関係を示す。このような低回転の場合、自己着
火運転が比較的容易に実現できるため、自己着火燃焼を
促進するためのマイナスオーバーラップ期間中に噴射さ
れる1回目の燃料噴射量がゼロまたは10%以下の場合
に、燃焼安定性および燃費が最適値となる。
【0032】マイナスオーバーラップ期間中に噴射され
る1回目の噴射量がこれ以上多い場合、マイナスオーバ
ーラップ期間中に燃料の改質が進みすぎ、さらには熱発
生を伴い、圧縮行程後半に始まるべき本燃焼がリーン燃
焼となってしまい、燃焼安定性の悪化および燃費の悪化
をまねく。
【0033】図4は、1回目の燃料噴射時期をマイナス
オーバーラップ期間中とし、2回目の燃料噴射時期を吸
気行程または圧縮行程中とした場合、1200rpm程
度の中回転における、全噴射量に対する1回目の燃料噴
射量の割合と、安定性および燃費の関係を示す。このよ
うな中回転においては、低回転の場合ほど容易に自己着
火燃焼が実現しないため、自己着火燃焼を促進するため
のマイナスオーバーラップ期間中に噴射される燃料の量
がある程度必要となる。
【0034】本実施形態では、中回転における1回目の
燃料噴射量の割合を15から45%程度に設定すること
により、燃焼安定性および燃費が最適値となる。これよ
り少ない場合、自己着火燃焼が安定せず燃焼も悪化す
る。これより多い場合、安定性はそれほど悪化しないも
のの、マイナスオーバーラップ期間中の熱発生により冷
却損失が失われ、燃費が悪化する。
【0035】図5は、1回目の燃料噴射時期をマイナス
オーバーラップ期間中とし、2回目燃料噴射時期を吸気
行程または圧縮行程中とした場合、2400rpm程度
の高回転数における、全噴射量に対する1回目の燃料噴
射量の割合と、燃焼安定性および燃費の関係を示す。こ
のような高回転数においては、燃料噴射から燃焼までの
時間が短くなるため、自己着火燃焼の実現が困難であ
り、自己着火燃焼を促進するためのマイナスオーバーラ
ップ期間中に噴射される燃料の量が大量に必要となる。
1回目の燃料噴射量を40%以上に設定することによ
り、燃焼安定性および燃費が最適値となる。これ以下の
噴射割合の場合、安定した自己着火運転が実現しない。
【0036】第1実施形態によれば、回転数に応じて自
己着火燃焼の制御を燃料噴射量の制御のみで行うため、
従来技術の連続可変バルブタイミング機構のような複雑
な機構を備えるための製造及び保守コストの上昇がな
い。また、燃料噴射制御回路または燃料噴射制御プログ
ラムの変更により本発明を適用することができるので、
従来の内燃機関への適合も比較的容易である。
【0037】図6は、本発明に係る自己着火内燃期間の
第2の実施形態の構成を示すシステム構成図である。本
実施形態においては、第1実施形態に対してノッキング
強度を検出するノッキング強度検出センサ12と、燃焼
安定度を検出する安定度検出センサ13を加え、さらに
ECU20にノッキング強度判定部24、燃焼安定度判
定部25、噴射時期制御部26を加えた構成となってい
る。
【0038】ノッキング強度検出センサ12としては、
シリンダ1またはシリンダヘッド2の振動による加速度
を検出するGセンサや、筒内圧力を測定する筒内圧力セ
ンサなどが利用可能である。
【0039】安定度検出センサ13としては、シリンダ
1またはシリンダヘッド2の振動による加速度を検出す
るGセンサや、筒内圧力を測定する筒内圧力センサなど
が利用可能である。またクランク角センサ11が検出す
るクランク角センサ信号のパルス間隔の変動を検出する
ことにより、燃焼安定度を検出することもできる。
【0040】ノッキング強度判定部24は、ノッキング
強度検出センサの信号に基づいて、ノッキング強度が或
る限界強度を超えているか否かを判定するものである。
燃焼安定度判定部25は、安定度検出センサ13が検出
した燃焼安定度が或る安定度上限を超えているか否かを
判定するものである。
【0041】噴射時期制御部26は、ノッキング強度判
定部24または燃焼安定度判定部25の判定結果に応じ
て、1回目の燃料噴射時期を変化させるものである。
【0042】本実施形態においては、自己着火運転を行
う場合、ノッキング強度検出センサ12によりノッキン
グ強度を検出し、検出されたノッキング強度がある設定
限界を超えているか否かをノッキング強度判定部24で
判定し、超えた場合、噴射時期制御部26が1回目の燃
料噴射であるマイナスオーバーラップ期間中の噴射時期
を遅角させる。
【0043】マイナスオーバーラップ期間中の燃料改質
の期間は、同時にノッキングの準備時間も長くしてしま
う。燃料噴射時期の遅角により、ノッキングの準備期間
を短くすることにより、ノッキングを緩和させる。この
場合、各回転数において最適な、1回目および2回目の
燃料噴射量の割合を変化させる必要がないため、燃費お
よび安定性への跳ね返りがない。
【0044】また本実施形態においては、安定度検出セ
ンサ13が燃焼安定度を検出し、検出された安定度があ
る安定度上限を超えているか否かを燃焼安定度判定部2
5で判定し、超えていた場合、噴射時期制御部26が1
回目の燃料噴射であるマイナスオーバーラップ期間中の
燃料噴射時期を進角させる。燃料噴射時期の進角によ
り、自己着火運転を促進させるための燃料改質時間が長
くなり、自己着火燃焼が安定する。この場合、各回転数
において最適な、1回目および2回目の燃料噴射量の割
合を変化させる必要がないため、燃費および安定性への
跳ね返りがない。
【0045】図7は、第2実施形態の動作を説明するフ
ローチャートである。まず、クランク角センサ信号、ア
クセル開度センサ信号、吸気量センサ信号を入力し(ス
テップ10、以下ステップをSと略す)、入力した各種
センサ信号に基づいて、回転数、負荷を計算する(S1
2)。次いで、回転数及び負荷から気筒毎の一燃焼サイ
クルにおける全燃料噴射量を計算する(S14)。ここ
までは、通常の燃料噴射制御と同様である。
【0046】次いで、回転数から1回目の燃料噴射量と
2回目の燃料噴射量との比を計算する(S16)。これ
には、例えば、予め記憶した計算式、または予め記憶し
たマップを検索することにより求める。次いで、全噴射
量と噴射量比とから1回目の噴射量と、2回目の噴射量
とを計算する(S18)。
【0047】次いで、ノッキング強度センサによりノッ
キング強度を検出し(S20)、この検出されたノッキ
ング強度が所定の限界強度を超えているか否かを判定す
る(S22)。超えていなければ何もせず、超えていれ
ば1回目の燃料噴射時期を遅角して設定する(S2
4)。
【0048】次いで、安定度センサにより燃焼安定度を
検出し(S26)、この検出された燃焼安定度が安定度
下限より小さいか否かを判定する(S28)。安定度下
限以上であれば何もせず、安定度下限未満であれば、1
回目の燃料噴射時期を進角して設定する(S30)。
【0049】こうして設定された燃料噴射時期で1回目
の燃料噴射をマイナスオーバーラップ期間中に行い(S
32)、次いで2回目の燃料噴射を吸気行程又は圧縮行
程に行う(S34)。
【0050】第2実施形態によれば、ノッキング強度セ
ンサと燃焼安定度センサにより常に燃焼の状態を監視
し、限界を超えれば直ちに燃料噴射時期を進角または遅
角して燃焼状態を正常に復帰させているため、過渡的な
運転状態にも応答良く対応可能であり、あらゆる運転条
件において安定して燃費の良い自己着火燃焼が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の構成を示すシステム構成図であ
る。
【図2】吸気バルブおよび排気バルブの開閉時期を示す
バルブタイミング図である。
【図3】低回転における第1および2回目割合による燃
焼安定性と燃費の特性を示すグラフである。
【図4】中回転における第1および2回目割合による燃
焼安定性と燃費の特性を示すグラフである。
【図5】高回転における第1および2回目割合による燃
焼安定性と燃費の特性を示すグラフである。
【図6】第2実施形態の構成を示すシステム構成図であ
る。
【図7】第2実施形態の動作を説明するフローチャート
である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 シリンダヘッド 3 ピストン 4 吸気ポート 5 排気ポート 6 吸気バルブ 7 排気バルブ 8 吸気用カム 9 排気用カム 10 燃料噴射弁 11 クランク角センサ 13 ノッキング強度検出センサ 14 安定度検出センサ 20 エンジンコントロールユニット(ECU) 21 回転数計算部 22 噴射量比計算部 23 燃料噴射弁駆動部 24 ノッキング強度判定部 25 燃焼安定度判定部 26 噴射時期制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/38 F02D 41/38 B (72)発明者 谷山 剛 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 長谷川 和也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA02 AA06 AB05 AC04 AD03 AF01 AG05 3G092 AA00 AA06 AA08 AB02 BB02 BB06 BB13 DA00 DE03Y EA01 EA02 EA04 EC01 EC09 FA03 FA13 FA15 FA16 FA24 GA04 GA05 GA06 HA01Z HA06Z HC00Z HC05Z HE04Z 3G301 HA00 HA01 HA04 JA02 JA03 JA22 KA07 KA08 KA09 LB04 MA03 MA12 MA19 MA23 MA26 NC02 ND01 ND03 ND12 ND15 NE12 PA01Z PC00Z PC08Z PE04Z PF03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気行程後半に排気バルブを閉じ、かつ
    吸気バルブも閉じているマイナスオーバーラップ期間を
    備え、筒内に直接燃料を供給し、火花点火のいらない圧
    縮自己着火燃焼を可能とする自己着火内燃機関におい
    て、 前記マイナスオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射
    時期が設定され、 吸気行程中または圧縮行程中に2回目の燃料噴射時期が
    設定され、 同一燃焼サイクル中に1回目及び2回目の燃料噴射を行
    うと共に、機関回転数に応じて1回目及び2回目におけ
    る噴射量の比を変化させることを特徴とする自己着火内
    燃機関。
  2. 【請求項2】 排気行程後半に排気バルブを閉じ、かつ
    吸気バルブも閉じているマイナスオーバーラップ期間を
    備え、筒内に直接燃料を供給し、火花点火のいらない圧
    縮自己着火燃焼を可能とする自己着火内燃機関におい
    て、 前記マイナスオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射
    時期が設定され、 吸気行程中または圧縮行程中に2回目の燃料噴射時期が
    設定され、 同一燃焼サイクル中に1回目及び2回目の燃料噴射を行
    うと共に、1回目における噴射量の全噴射量に対する比
    を機関回転数が高くなるにつれて増大させることを特徴
    とする自己着火内燃機関。
  3. 【請求項3】 アイドル回転時を含む機関低回転時に
    は、1回目の噴射量が全噴射量の10%以下であること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の自己着火内
    燃機関。
  4. 【請求項4】 機関低回転時から中速回転領域において
    は、1回目の噴射量が全噴射量の15%ないし45%で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自
    己着火内燃機関。
  5. 【請求項5】 機関中速回転時から高速回転領域におい
    ては、1回目の噴射量が全噴射量の40%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の自己着火
    内燃機関。
  6. 【請求項6】 燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手
    段とノッキング強度を検出するノッキング強度検出手段
    とを備え、検出されたノッキング強度がある設定許容値
    を超えた場合に、1回目の燃料噴射時期を遅角させるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の自己着火内燃機関。
  7. 【請求項7】 燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手
    段と燃焼安定度を検出する安定度検出手段とを備え、検
    出された燃焼安定度がある設定許容値を超えた場合に、
    1回目の燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請
    求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の自己着火内
    燃機関。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004190587A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Toyota Motor Corp ピストン頂部に複数の凹部を有するエンジン
JP2007255211A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Toyota Motor Corp 圧縮着火内燃機関の制御装置
JP2008180221A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Andreas Stihl Ag & Co Kg 内燃エンジンの作動方法
JP2009115025A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Hitachi Ltd 圧縮自己着火式内燃機関の制御装置および制御方法

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