JP2001207277A - 表面処理方法及びその装置 - Google Patents

表面処理方法及びその装置

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JP2001207277A
JP2001207277A JP2000015188A JP2000015188A JP2001207277A JP 2001207277 A JP2001207277 A JP 2001207277A JP 2000015188 A JP2000015188 A JP 2000015188A JP 2000015188 A JP2000015188 A JP 2000015188A JP 2001207277 A JP2001207277 A JP 2001207277A
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gas
surface treatment
processing
mixed gas
etching
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JP2000015188A
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Takuo Nakano
卓雄 中野
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2工程で処理する表面処理プロセスを1工程
で処理可能にして、処理効率及び処理品質の改善を行な
う。 【解決手段】 被処理体5の表面8に対し、Arプラズ
マエッチングと、CF4プラズマ改質とを共通の真空チ
ャンバー1内で同時に行なうことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチングや改質
に好適な表面処理方法及びその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図9に示すように電極18を持つ
抵抗等の電子部品17を、プリント配線基板(PWB)
21に形成されている銅配線20にはんだ付けをするに
は、はんだの濡れ性を良くする為に、はんだの成分であ
るSn及びPbに、ハロゲンやVDC(塩化ビニリデ
ン)を含有するフラックス樹脂を添加したクリームはん
だ19を用いる。
【0003】そして、図10に示すように、抵抗等の電
子部品17の電極18ははんだ付け時にフィレット23
を介して、プリント配線基板(PWB)21の銅20に
はんだ付けされる。このとき、フラックス中の樹脂22
がはんだフィレット23の表面にしみ出し、表面を覆
う。
【0004】なお、フラックス樹脂22は、含有するハ
ロゲン等の活性が高いため、クリームはんだ19中の不
純物をはんだの表面において除去してはんだをきれいに
し、かつ表面を酸化から保護する役目をはたす。
【0005】しかし、図10及び図11の平面図に示す
ように、はんだ23の表面にあるフラックス樹脂22
が、隣接する銅配線20’に接触することがある。この
結果、フラックス樹脂22の中に残っている残留ハロゲ
ンが水分を吸着し、隣接する銅20−20’間をリンク
し、回路がショート(短絡)する原因となる。これを防
ぐには溶剤等で洗浄し、フラックス樹脂22を取り除く
必要がある。
【0006】そこで、ハロゲンやVDCを含有するフラ
ックス樹脂22を用いないはんだ材料を使用することが
ある。この場合、プリント基板(PWB)21上の銅2
0をCF4(フッ化炭素)等のガスで改質して、フッ化
物で銅20を保護すると、はんだ付け前はそれが上記し
たフラックス樹脂22と同じ役目を果たし、またはんだ
付け時の加熱温度でフッ化物が熱分解して蒸発、除去さ
れる。
【0007】これに関しては、現在出願及び公開(一部
具現化されているもの含む)されている、プラズマ装置
を用いた電子部品及び半導体等の電極の表面処理方法と
して、不活性ガスのプラズマによるエッチングで表面を
清浄化する方法と、エッチング後のフッ素系の反応ガス
のプラズマで改質する方法との2つの方法を用いるのが
一般的であり、処理後の表面組成の安定性の面から、エ
ッチングと改質との2種類の表面処理を必要とする場合
が多い。
【0008】このようにエッチングと改質との2種類の
表面処理をする場合は、不活性ガスの入った真空チャン
バー内でプラズマによるエッチング処理を行なう。最初
に、図7に示すプラズマ処理装置において、電子部品1
7や半導体部品、及びプリント配線基板(PWB)21
等の被処理体5の電極を物理的に表面処理(エッチング
処理)する。即ち、図7に示すように、被処理体5を収
納する真空チャンバー1内に、被処理体5を介して対向
したGround(接地)電極3とHOT(熱)電極4
とからなる2つの電極を有し、前記の各電極へ例えば1
3.56MHzの高周波電圧を印加する為の高周波電源
(RF)2を具備したプラズマ処理装置を用い、被処理
体5を真空チャンバー1内にセットして、真空チャンバ
ー1内を真空ポンプによって20Pa〜100Paの真
空度に真空排気する。
【0009】次に、真空チャンバー1内に処理ガスであ
る不活性ガスをガスボンベから導入する。この不活性ガ
スに、Ar単独か、あるいはArにH2を加えた混合ガ
スを使う。
【0010】次に、真空チャンバー1内の設定真空圧を
保つために、処理ガスの導入流量をコントロールする。
【0011】次に、真空チャンバー1内のGround
電極3とHOT電極4とに、高周波電源(RF)2を起
動させて高周波電圧(13.56MHz)を印加して、
真空チャンバー1内にアルゴンのプラズマ10及び電子
9を発生させる。
【0012】このイオン化された処理ガスにより、被処
理体5の電極のエッチング処理を真空チャンバー1内で
行なう。即ち、不活性ガスのArの陽イオン6が被処理
体5に衝突して被処理体5の表面8をドライエッチング
する。
【0013】処理終了後、真空チャンバー1内に窒素ガ
スを供給し、パージして大気圧に戻すとともに、被処理
体5を真空チャンバー1より取り出す。次に、図8に示
すように、別の真空チャンバー1’に被処理体5を収納
し、この真空チャンバー1’内で被処理体5を介して対
向したGround電極3とHOT電極4とからなる2
つの電極間に例えば13.56MHzの高周波電圧を高
周波電源によって印加して、被処理体5の電極表面を化
学的に改質処理する。このためには、被処理体5を真空
チャンバー1’内にセットして、真空チャンバー1’内
を20Paから100Paの真空度に真空排気する。
【0014】次に、真空チャンバー1’内に、処理ガス
である反応性ガスをガスボンベから導入する。この反応
性ガスに、CF4、あるいはCF4とO2との混合ガスを
用いる。
【0015】次に、真空チャンバー1’内の設定真空圧
を保つために、処理ガスの導入流量をコントロールす
る。
【0016】次に、真空チャンバー1’内のGroun
d電極3とHOT電極4に、高周波電源(RF)2を起動
させて高周波電圧(13.56MHz)を印加して、真
空チャンバー1’内に反応性ガスのプラズマ10及び電
子9を発生させる。
【0017】このイオン化された処理ガスにより真空チ
ャンバー1’内で被処理体5の改質を行なう。即ち、C
4、又はCF4とO2との混合ガスを反応性ガスとして
用い、CF4陽イオンあるいはO陽イオン7によって被
処理体5の上記のエッチングされた表面8を改質する。
【0018】処理終了後、真空チャンバー1内に窒素ガ
スを供給し、パージして大気圧に戻すとともに、被処理
体5を真空チャンバー1より取り出す。
【0019】上記のように、不活性ガスを用いる真空チ
ャンバー1でエッチング処理し、これとは別に、反応性
ガスを用いる真空チャンバー1’内でプラズマによる改
質処理を行なう。他にも、エッチング処理に用いる真空
チャンバー1を反応性ガスによる改質処理にも用いるこ
とができるが、この場合は、不活性ガスをエッチング処
理後に排出し、窒素ガスによるパージを行なった後に、
反応性ガスを同じ真空チャンバー1内に供給して、プラ
ズマ改質処理を行なう。これ等のいずれの方法も、一般
的に行なわれている方法である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
処理方法では、複数の処理工程と処理装置が必要であ
り、被処理体5が真空チャンバーから他の真空チャンバ
ーへ移動する際に大気に曝される為に、表面が酸化して
被処理体5の品質が劣化し、また処理コストも増え、処
理効率も悪い。さらに、処理のための設備費もかかり、
処理ガスの使用量もかなりのものとなる。
【0021】本発明は、上記のような従来の実情に鑑み
てなされたものであり、その目的は、エッチングと改質
の処理を簡略化し、処理効率及び処理品質の改善を行え
る表面処理方法及びその装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、被処理
体の表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なう
表面処理方法に係り、また、被処理体の表面に対するエ
ッチングと、改質とを共通の処理室内で同時に行なうよ
うに構成した表面処理装置に係るものである。
【0023】本発明の方法及び装置によれば、上記エッ
チングと改質とを同時に行い、エッチングによる表面清
浄化と改質による表面保護とを同時に実現しているの
で、従来法のようにエッチングと改質を別々の2工程で
処理していた表面処理のプロセスを1工程で処理可能に
し、これによって、処理効率を大幅に改善でき、被処理
体をチャンバー間で移動する必要が無いために被処理体
が大気と接する危険が無く、処理途中の被処理体の表面
の酸化や変質を防止し、処理品質を向上させることがで
き、更に、処理用設備費を軽減し、処理ガスの使用量も
削減できる。
【0024】また、複数の処理装置が不要となり、被処
理体が真空チャンバーから他の真空チャンバーへ移動す
る際に大気に曝される為に必要となる処理のコストや被
処理体の品質劣化がなくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による処理方
法や装置においては、被処理体の表面に対するエッチン
グと、改質とを同時に行なうに際し、前記エッチング用
の不活性ガスと前記改質用の反応性ガスとの混合ガスの
プラズマによって、前記表面処理を行なうのが望まし
い。
【0026】又、混合ガスにおける不活性ガスの割合を
反応性ガスより多くし、前記不活性ガスと前記反応性ガ
スとの比を体積比で(70:30)〜(95:5)とす
るのが好ましい。
【0027】又、混合ガスとして、アルゴンとフッ素含
有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスを使用し、
前記フッ素含有ガスとしてCF4を使用し、前記混合ガ
スとしてアルゴンとCF4とO2との混合ガスを使用する
のが好ましい。
【0028】又、被処理体が電極であり、この電極のエ
ッチング及び改質を行なった後に、これを前記被処理体
の処理面のはんだ付け処理に供するのが望ましい。
【0029】又、真空チャンバーとしての処理室内に不
活性ガスと反応性ガスとを互いに独立して或いはそれ等
を混合して供給する為のコントローラーを設置し、被処
理体を介して互いに対向した第1及び第2電極が配置さ
れ、これ等の電極間に高周波電圧を印加する為の高周波
電源を有し、かつ前記処理室内にプラズマを発生させる
ようにするのが望ましい。
【0030】又、処理室において、第1及び第2電極間
のプラズマ発生部を単段式又は多段式に設け、多段式の
場合には、各プラズマ発生部を実質的に同一構造とする
ことができ、またそのように構成するのが好ましい。
【0031】次に、本発明の好ましい実施の形態を図面
の参照下に具体的に説明する。
【0032】本実施の形態では、プラズマ処理装置を用
いて、はんだ付けが施される電子部品や半導体部品、及
びプリント配線基板等の被処理体の電極の物理的表面処
理であるドライエッチング、及び化学的表面処理である
フッ化等の改質を、同一チャンバー内で同時に行なうも
のである。
【0033】プラズマ処理装置の全体の構造は図2の概
観図で示すように、制御パネル31、反応器32、ガス
ボンベ24、真空ポンプ34、高周波電源2等からな
る。そして、図1に示すように、被処理体5を収納する
真空チャンバー21内に、被処理体5を介して対向した
Ground電極13及びHOT電極14からなる2つ
の電極を有し、これらの各電極へ高周波電圧(40kH
z〜2GHz、例えば13.56MHz)を印加する為
の高周波電源(RF)2を装備している。
【0034】図1に示すように、被処理体5を真空チャ
ンバー21内にセットして、真空チャンバー21内を、
図2に示す真空ポンプ34によって20Pa〜100P
aの真空度に真空排気する。この真空度は、高ければ高
い方がよい。又、処理用ガスを真空チャンバー21に導
入後も、20Pa〜100Paの真空度を保つようにす
る。
【0035】次に、真空チャンバー21内に、処理ガス
として不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスをガスボン
ベ24より導入する。そして不活性ガスはArを、反応
性ガスはCF4、あるいはCF4とO2との混合ガスを用
いる。
【0036】ここで、ArとCF4あるいはO2との比率
は、不活性ガスの比率を反応性ガスより高くし、体積比
で(70:30)〜(95:5)とするのがよい。しか
しこの比率は、被処理体5となる金属の組成によって変
えるのがよい。
【0037】真空チャンバー21内の設定真空圧を20
Pa〜100Paに保つために、処理ガスの導入流量を
コントローラー15によってコントロールする。
【0038】なお、このコントロール方法としては、図
5に示すように、ArとCF4あるいはO2とを別々に入
れたガスボンベ24a、24bから出たガスを、共通の
コントローラー15によって制御されたそれぞれのバル
ブ16a、及び16bを通して、真空チャンバー21に
送り込み、真空チャンバー21内で混合させる方法があ
る。
【0039】又、図6に示すように、ArとCF4ある
いはO2を共通のガスボンベ24に入れて、あらかじめ
混合ガスを生成し、それをコントローラー15によって
制御されたバルブ16cを通して、真空チャンバー21
に送り込む方法もある。
【0040】次に、真空チャンバー21内のGroun
d電極13とHOT電極14に、高周波電源(RF)2
を起動させて、高周波電圧(40kHz〜2GHz、5
0〜1000W)を印加して、真空チャンバー21内に
プラズマ10(即ち、Ar陽イオン6、CF4又はO陽
イオン7及び電子9)を発生させる。なお、この時は高
電圧の方が処理には良い。
【0041】このようにしてイオン化された処理ガスに
より、真空チャンバー21内でエッチング及び改質を同
時に行なう。まず、不活性ガスのAr陽イオン6が、被
処理体5に衝突して、被処理体5の表面8をドライエッ
チングすると共に、CF4あるいはCF4とO2との混合
ガスを用いた反応性ガスのF陽イオンあるいはO陽イオ
ン7が、被処理体5の上記のエッチングされた表面8を
改質(フッ化)する。
【0042】処理終了後、真空チャンバー21内に窒素
ガスを導入してパージした後、大気圧に戻すとともに、
被処理体5を真空チャンバー21より取り出す。
【0043】こうして、被処理体5、例えばプリント基
板上の銅パターンの表面をArプラズマで清浄化しつ
つ、CF4(フッ化炭素)等のガスで改質して、フッ化
物で銅パターンを保護すると、これが上述したフラック
ス樹脂22と同じ役目を果たし、銅の表面保護作用を行
なう。
【0044】この場合、はんだ付け時に、はんだクリー
ムは230〜250℃になるが、上記のフッ化物は例え
ば130℃で蒸発するため、はんだ付け時に蒸発して除
去される。従って、従来のフラックス樹脂22のように
残留することがなく、プリント配線基板を溶剤等により
洗浄する必要がなく、電子部品のはんだ付けをフラック
スレスで行なうことができる。
【0045】なお、上記のエッチングや改質に用いた不
活性ガスや反応性ガスは、同等の効果があるならば、他
のガスを用いてもよい。
【0046】又、真空チャンバー内の電極は上記とは逆
であっても、処理は可能である。
【0047】又、この処理方法は、プラズマ処理装置が
単段式でも多段式でもよく、多段式の場合は各段が同じ
プラズマ発生部の構造を持っていれば、可能である。
【0048】又、プラズマ処理は、電極に対しては、処
理時間が長い方がよく、処理温度は高い方がよい。又、
部品のダメージの点では、処理時間は短い方がよいし、
処理温度は低い方がよい。
【0049】以上のような本発明に基づく処理方法及び
その装置によって、従来エッチングと改質を別々の2工
程で処理していたプラズマ表面処理のプロセスを1工程
で処理可能にして、処理効率及び処理品質を改善するこ
とができる。そのため、プラズマ処理の効率が大幅に改
善でき、又、被処理体をチャンバー間で移動する必要が
無い為、被処理体が大気と接することが無く、処理途中
の被処理体表面の酸化や変質を防止できる。さらに、処
理用の設備費を軽減できるし、処理ガスの使用量も削減
できる。
【0050】上記したように、プラズマ装置を用いた被
処理体の表面処理の結果、プラズマによる表面処理はフ
ラックスレスはんだ接合に有効であり、その効果レベル
は、電極の組成により異なり、そして電極の表面のフッ
素改質レベルと関係が有ることが判明した。
【0051】このような認識に基づいて、図2に示すよ
うな制御パネル31、反応器32、ガスボンベ24、真
空ポンプ34、高周波電源(RF)2から成る装置を使
用し、処理条件に必要な3種類のガスを使用できるよう
に改造を行い、エッチングと改質を行なった。
【0052】又、効果の測定は、メニスコグラフによる
はんだ濡れ性測定で行なった。なお実験は、はんだ濡れ
性に影響を与えると思われる、部品電極の組成(はんだ
付け温度依存性含む)への依存性と、さらに処理条件へ
の依存性として(RF)高周波電源の出力、処理ガスの
混合比率、処理時間、処理温度を調べた。
【0053】又、評価装置は、高周波電源周波数を1
3.56MHzに、高周波電源出力をMaxで1000
Wに、処理ガスを4系統(パージ用窒素ガス除く)使え
るようにし、反応器内寸法を460mm×460mm×
610mm(W×H×D)にした。
【0054】なお上記のように、プラズマによる部品電
極の表面処理が、はんだ濡れ性改善に有効であること
は、過去の実験においても確認が取れた。それで、更な
る良好な濡れ性(フラックス使用時と同等)を得る為、
プラズマ処理装置における最適な条件出しを試みた。
【0055】以下に、はんだ濡れ性に影響を及ぼすと推
測できる条件や要因をさぐった濡れ性の測定結果及び考
察を述べる。濡れ性の測定には株式会社タムラ製作所製
デジタルソルダーグラフを使用した。又、実験の中で使
用するフッ化炭素(CF4)は、規制対象外のフロンガ
スであった。
【0056】本例においては、最初に、部品電極の組成
への依存性について調べた。
【0057】電極の組成がそれぞれSnが100%、S
nが90%でPbが10%、Snが60%でPbが40
%の3種類の混合比における、3216サイズの0Ωチ
ップ抵抗(電極)の濡れ性を、下記の2種類のプラズマ
処理条件下での導体部の処理後に測定した。その時、濡
れ性の測定条件として、はんだの仕様を、共晶はんだ
で、はんだ浴の温度を230℃とし、測定数量nは10
個とした。
【0058】処理条件1として、Ar(アルゴン)によ
るエッチングを2分間行ない、同時に02に20%のC
4(フッ化炭素)を混ぜた混合ガスによる改質を2分
間行なった。又、処理条件2として、Ar(アルゴン)
によるエッチングを2分間行ない、02に60%のCF4
(フッ化炭素)を混ぜた混合ガスによる改質を2分間行
なった。
【0059】今回の実験で、環境調和型実装のうち、ハ
ロゲン及びVOC(揮発性無機化合物)の撤廃を狙っ
た、プラズマ装置を用いたフラックスレスはんだ接合に
関する種々の技術的な知見が得られ、今後の、実装プロ
セスへの展開に大いに役立つものとなった。以下に実験
の結果を示す。
【0060】実験の結果、図3及び図4を見ると、処理
条件1及び2共に、Snが60%でPbが40%の電極
(3216サイズの0Ωチップ抵抗)が平均値、最少
値、最大値共に最も濡れ性が良く、Snが100%の電
極が最も悪かった。そして、Snが60%でPbが40
%の電極〜Snが90%でPbが10%の電極〜Snが
100%の電極の順で次第に濡れ性が悪くなった。
【0061】これは、はんだに含まれるSnとPbとの
比率において、Snの比率が多すぎると、濡れ性が悪く
なることを示している。
【0062】又、これは、上記の処理条件とは無関係
に、おそらくSnの酸化物や化合物の分解度がPbの酸
化物や化合物の分解度より劣る為であり、SnとPbの
比率で、濡れ性が決定されるものと思われる。
【0063】又、図3及び図4の処理条件に注目する
と、改質用のCF4(フッ化炭素)含有率が高い方であ
る処理条件2(図4)が濡れ性が比較的悪く、含有率が
低い方である処理条件1(図3)が濡れ性が比較的良か
った。
【0064】上記の結果から、CF4は、被処理体の表
面をフッ化する為に必要ではあるが、不活性ガスと反応
性ガスとの混合ガスにおける不活性ガスArの割合が反
応性ガスであるCF4より多い方が、良いと考えられ
る。また、はんだ濡れ性は電極の組成に依存することが
理解できる。
【0065】また、評価装置による処理条件の依存性と
して、(RF)高周波電源出力は5W〜1000Wで、
高電圧ほどよく、処理ガスの混合比率は70:30〜9
5:5が良いと考えられる。
【0066】又、処理時間は、電極に対しては長い方が
良いが、部品に対してはダメージを考えると短い方が良
かった。さらに処理温度は、電極に対しては高い方が良
いが(40分たつと100℃で飽和状態になる)、又部
品に対しては低い方が良いと考えられる。
【0067】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、被処理体の
表面に対するエッチングと、改質とを同時に行なうの
で、従来別々の2工程で処理していた表面処理のプロセ
スを1工程で処理可能にし、これによって、プラズマ処
理の効率を大幅に改善でき、被処理体を真空チャンバー
間で移動する必要が無くて被処理体が大気と接する危険
が無く、処理途中の被処理体表面の酸化や変質を防止で
き、さらに、設備費も軽減し、処理ガスの使用量も削減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置
の処理時の概略断面図である。
【図2】同、プラズマ処理装置のシステム全体の正面図
である。
【図3】本発明の実施例における処理条件1の時のはん
だ濡れ性を比較して示す特性図である。
【図4】同、処理条件2の時のはんだ濡れ性を比較して
示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるガス供給系の概略
図である。
【図6】本発明の他の実施の形態におけるガス供給系の
概略図である。
【図7】従来例におけるプラズマエッチング処理装置の
処理時の概略断面図である。
【図8】同、改質処理を行なう時の概略断面図である。
【図9】同、はんだ付け前のプリント基板と抵抗部品と
の関係を示す断面図である。
【図10】同、はんだ付け後のプリント基板と抵抗部品
との関係を示す断面図である。
【図11】図10の一部分の平面図である。
【符号の説明】
1、21…真空チャンバー、2…高周波電源(RF)、
3、13…Ground電極、4、14…HOT電極、
5…被処理体、6…Ar陽イオン、7…O陽イオンある
いはCF4陽イオン、8…被処理体表面、9…電子、1
0…プラズマ、15…コントローラー、16a、16
b、16c…バルブ、17…抵抗部品、18…電極、1
9…クリームはんだ、20…銅パターン、21…プリン
ト配線基板(PWB)、22…フラックス樹脂、23…
フィレット、24、24a、24b…ガスボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 BC06 BD14 CA47 CA62 DA01 DA02 EA05 EB42 EC21 FB02 4K057 DA20 DB04 DD01 DD10 DE08 DE14 DE20 DG08 DG12 DG13 DG15 DM03 DM18 DM37 DN02 5F004 AA16 BA04 BB13 BC03 BD07 CA02 CA03 CA04 CA09 DA00 DA01 DA23 DA26 DB08 EB02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体の表面に対するエッチングと、
    改質とを同時に行なう、表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング用の不活性ガスと前記改
    質用の反応性ガスとの混合ガスのプラズマによって、前
    記表面処理を行なう、請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記混合ガスにおける前記不活性ガスの
    割合を前記反応性ガスより多くする、請求項2に記載の
    表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記不活性ガスと前記反応性ガスとの比
    を体積比で(70:30)〜(95:5)とする、請求
    項3に記載の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記混合ガスとして、アルゴンとフッ素
    含有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスを使用す
    る、請求項2に記載の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ素含有ガスとしてCF4を使用
    する、請求項5に記載の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記混合ガスとしてアルゴンとCF4
    2との混合ガスを使用する、請求項5に記載の表面処
    理方法。
  8. 【請求項8】 前記被処理体が電極であり、この電極の
    エッチング及び改質を行なう、請求項1に記載の表面処
    理方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチング及び改質後に前記被処理
    体の処理面をはんだ付け処理に供する、請求項1に記載
    の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 被処理体の表面に対するエッチング
    と、改質とを共通の処理室内で同時に行なうように構成
    した表面処理装置。
  11. 【請求項11】 前記エッチング用の不活性ガスと前記
    改質用の反応性ガスとの混合ガスのプラズマによって前
    記表面処理が行なわれる、請求項10に記載の表面処理
    装置。
  12. 【請求項12】 前記混合ガスにおける前記不活性ガス
    の割合を前記反応性ガスより多くして供給するガス供給
    手段を有する、請求項11に記載の表面処理装置。
  13. 【請求項13】 前記不活性ガスと前記反応性ガスとの
    比が体積比で(70:30)〜(95:5)とされる、
    請求項12に記載の表面処理装置。
  14. 【請求項14】 前記混合ガスとして、アルゴンとフッ
    素含有ガス及び/又は酸素含有ガスとの混合ガスが使用
    される、請求項11に記載の表面処理装置。
  15. 【請求項15】 前記フッ素含有ガスとしてCF4が使
    用される、請求項14に記載の表面処理装置。
  16. 【請求項16】 前記混合ガスとしてアルゴンとCF4
    とO2との混合ガスが使用される、請求項14に記載の
    表面処理装置。
  17. 【請求項17】 前記被処理体が電極であり、この電極
    のエッチング及び改質が行なわれる、請求項10に記載
    の表面処理装置。
  18. 【請求項18】 前記エッチング及び改質後に前記被処
    理体の処理面をはんだ付け処理に供するように構成し
    た、請求項10に記載の表面処理装置。
  19. 【請求項19】 真空チャンバーとしての前記処理室内
    に前記不活性ガスと前記反応性ガスとを互いに独立して
    或いはそれ等を混合して供給する為のコントローラーを
    設置した、請求項10に記載の表面処理装置。
  20. 【請求項20】 前記被処理体を介して互いに対向した
    第1及び第2電極が配置され、これ等の電極間に高周波
    電圧を印加する為の高周波電源を有し、かつ前記処理室
    内にプラズマを発生させるように構成した、請求項10
    に記載の表面処理装置。
  21. 【請求項21】 前記処理室において、前記第1及び第
    2電極間のプラズマ発生部を単段式又は多段式に設け、
    多段式の場合には各プラズマ発生部を実質的に同一構造
    とする、請求項20に記載の表面処理装置。
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