JP2001205282A - スギナ粉体固形化物及びその製法 - Google Patents

スギナ粉体固形化物及びその製法

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JP2001205282A
JP2001205282A JP2000019650A JP2000019650A JP2001205282A JP 2001205282 A JP2001205282 A JP 2001205282A JP 2000019650 A JP2000019650 A JP 2000019650A JP 2000019650 A JP2000019650 A JP 2000019650A JP 2001205282 A JP2001205282 A JP 2001205282A
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horsetail
water
powder
cement
solidified
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JP2000019650A
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Munetaka Ishikawa
宗孝 石川
Eiichi Tashiro
榮一 田代
Yoshimichi Kinoshita
善道 木下
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Chugai Ro Co Ltd
Original Assignee
Chugai Ro Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物活性化機能を有するスギナの粉体を固
形化して、該固形化物が水中で長期に亘って安定に形状
維持し、スギナエキスが徐々に溶出するように構成する
ことを課題とする。 【解決手段】 スギナ粉体100重量部と、セメント1
00〜150重量部とを粉体のまま乾式混合し、これに
水35重量部を加えて練り合わせ、これをハンドプレス
で1.96×104kPaに加圧して、ペレット形状に
圧縮成形し、然る後、乾燥することにより、スギナ粉体
の固形化物Aを製造する。得られた固形化物Aは、攪拌
にも耐えて、水中で長期に亘って崩壊せず、僅かづつ徐
々にスギナエキスを溶出し、拡散する。活性汚泥法や嫌
気性消化処理等を用いる生物的廃水処理システムの微生
物活性助剤や、テトラポッドや護岸壁等の海洋、河川、
湖沼等の水際構築物に好ましく適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物的廃水処理等
に利用される微生物を活性化する機能を有するスギナの
粉体を、ペレット、タブレット等の成形物や、テトラポ
ッド、護岸壁等の構築物に固形化する技術の分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、生活排水や産業廃水の生物処理シ
ステムで広く採用される活性汚泥法に利用される好気性
細菌や、し尿中の有機物を分解する嫌気性消化処理に利
用される嫌気性細菌等の微生物を活性化して、これらの
生物的廃水処理システムの処理能力の向上や、生成汚泥
量の減少、あるいは悪臭の脱臭除去等を図る助剤の一つ
として、例えばキラヤサポニンや腐植土あるいはフミン
酸等の他に、スギナを使用することが提案されている。
【0003】例えば、特開平11−130572号公報
には、有機廃水処理システムにおける調整処理槽及び有
機物処理槽に、微生物増殖の必須因子であるミネラルの
供給体として、スギナの乾燥体を容器に詰めて浸漬する
と、スギナのもつ微生物代謝活性作用、微生物増殖促進
作用によって、微生物処理が連鎖的に促進されると開示
されている。
【0004】また、平成10年(1998年)1月6〜
7日に開催された「第5回生物利用新技術研究シンポジ
ウム/ダイオキシンに関する特別講演会」において、廃
水処理の連続実験及び回分実験にスギナエキスを助剤と
して10ppm程度曝気槽に投入すると、生成汚泥量
(MLSS)の削減が確認されたとの報告もある(同講
演会論文集97〜100頁参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、スギナの
エキスが、自然界の食物連鎖の最底辺を構成する菌類微
生物を活性化する機能を具備している以上、スギナの用
途は、廃水処理技術にとどまらず、海洋、河川、湖沼等
の水質保全、維持向上等にも広く採用し得る。
【0006】この場合、広大な自然界にスギナ成分をあ
まねく散布することは必要がなく、人間が近づくことの
できる水辺の水中微生物の棲息範囲に、たとえ僅かでも
スギナエキスが絶えず存在していれば、それなりの効果
が期待できるものである。
【0007】しかし、スギナ、もしくはその粉体、又は
その抽出成分を、定期的に、所定量づつ、廃水処理槽中
に添加することや、水中微生物の棲息域を訪れて投入す
ることは、不便で、作業者の負担が重く、維持管理コス
トがかさむことになる。
【0008】そこで、本発明は、微生物活性機能を有す
るスギナを、便よく、軽負担で、効率的に、生物的廃水
処理や、環境保全用途に用いることができるようにする
ことを課題とする。以下、その他の課題も含め、本発明
を詳しく説明する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等は、スギナ粉体を、タブレット等の成形
物や、護岸壁等の構築物に固形化すれば、一回の投入、
設置、又は敷設で、長期間に亘ってスギナの有効成分を
水中に存在させることができることに着目し、スギナ粉
体の固形化に鋭意研究、検討を重ねた結果、以下に示す
種々の知見を得て、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は、微生物活性機能を有
するスギナの粉体がセメントをバインダに用いて所定形
状に固形化されていることを特徴とするスギナ粉体固形
化物に関するものである。
【0011】スギナ粉体を固形化する場合に、重要なこ
とは、スギナのエキス成分が僅かづつでも徐々に長期に
亘って水中に溶出し続けるように構成することである。
本発明者らの知見によれば、スギナ粉体のみを加圧して
圧縮成形したものは、水に触れると直ちに膨潤して崩壊
し、高濃度のスギナエキスが短時間のうちに流出してし
まった。
【0012】そこで、本発明者等は、バインダを用いて
スギナ粉体を固形化することを企図し、各種の有機系、
無機系、水溶性、非水溶性のバインダを使って実験を試
みた結果、無機系で非水溶性のセメントが最適であるこ
とを見出したのである。
【0013】しかも、本発明によれば、セメントの配合
比率を大きくするほど固形化物自体の強度が高まるか
ら、本発明に係る固形化物を護岸壁やテトラポッド等の
水際構築物に適用することも可能となる。
【0014】本発明においては、スギナ粉体固形化物の
強度、及び該固形化物からのスギナエキスの溶出速度の
観点から、好ましいセメントの配合比率は、スギナ粉体
100重量部に対して、50重量部を超える量である。
【0015】セメントの配合比率が50重量部以下であ
ると、固形化物が水流や攪拌により短時間で崩壊し、ス
ギナのエキス成分が流出し易くなる。これに対し、セメ
ント量が多くなるほど固形化物の強度が増し、該固形化
物内のスギナエキスが徐々に水中に溶け出し、拡散して
いくことになる。
【0016】しかし、バインダであるセメントの配合量
が多くなる分、スギナの配合量が減少し、結果的に水中
に溶出するスギナエキス成分の総量が少なくなる。した
がって、固形化物の強度と、溶出するスギナエキス量と
の最適な均衡を図るため、より最適な配合比率は、スギ
ナ粉体100重量部に対して、セメントが100〜15
0重量部である。
【0017】本発明に係るスギナ粉体固形化物は、先に
セメントを水で練った調合物を作製し、次にこれをスギ
ナ粉体と混合する湿式混合によっても製造することがで
きるし、また、先にセメントとスギナ粉体とを混ぜ合わ
せ、次にこれに水を加えて練り合わせる乾式混合によっ
ても製造することができる。
【0018】しかし、本発明者等の知見によれば、湿式
混合では、粉体のスギナと、すでに水との水和反応が始
まって粘稠となったセメントとをまんべんなく均一に混
ぜ合わせることが困難となり、製造された固形化物の品
質が部分によって不揃いとなり易い。これに対し、乾式
混合では、スギナとセメントとを両方とも粉体のままで
混合するから、固形化物の品質を容易に均一化すること
ができて好ましい。
【0019】本発明で用いることのできるセメントは、
普通ポルトランドセメントをはじめ、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、シリカセメント、スラグセメン
ト、アルミナセメント等の一般に周知の水硬性セメント
を用いることができる。
【0020】本発明に係るスギナ粉体固形化物の製造方
法においては、スギナ粉体と、セメントと、水とを上記
のようにして混ぜ合わせたものを、加圧して所定形状に
成形する。
【0021】その場合の成形方法としては、ハンドプレ
スによる金型圧縮成形方式や、押出成形方式、圧延成形
方式をはじめ、回転ドラムや回転皿あるいは振動による
転動方式、もしくは打錠方式等が採用可能であるが、例
えば、押出成形方式ではスギナ固形化物の表面が美麗に
仕上がり、転動方式では固形化物の粒径が均一に揃い、
打錠方式では固形化物の形状が揃い且つ表面が美麗に仕
上がる等の特徴がある。そして、さらに、そののち、形
を整え、取扱いを容易にする目的で、機械工作的に、打
抜き、切削、切断、研磨、破砕等してもよい。
【0022】固形化物の形状については、ペレット形
状、タブレット形状、球形状、円筒形状、碁石形状、卵
形状、サイコロ形状の種々の形状とすることができ、ま
た、固形化物の大きさについては、採用する成形方法に
適した範囲内で数ミリ〜数十ミリ立方としてよい。さら
に、成形圧力としては、0.98×104kPa以上、
好ましくは、1.96×104kPa〜4.90×104
kPa程度である。
【0023】本発明においては、基本的に、製造した固
形化物の用途、水中への投入頻度、設置期間、期待する
スギナエキス成分の溶出量や溶出速度、期待する効果発
現期間等の種々の使用条件を考慮して、バインダとして
のセメントの配合量や、固形化物を緻密体とするか多孔
質体とするか等の決定、あるいは、原料の物性、含水
率、空隙率、粒度分布等の選択、又は、固形化物の形
状、大きさ、成形圧力等の決定を行うべきである。
【0024】また、水の配合量は成形性に影響を及ぼ
し、例えば、水の配合量が多いと、混合物が流動性の大
きいスラリー状となり、加圧圧縮成形時に金型の隙間か
ら水が浸み出して成形が困難となる。したがって、水の
配合量は、セメントの水硬反応が達成するのに最低限必
要な量にすることが好ましい。また、乾燥時間も短くて
済む。
【0025】そして、所定形状に成形したものを、自然
乾燥、又は温風や熱風により強制乾燥させることによ
り、本発明に係るスギナ粉体固形化物を得る。
【0026】本発明においては、スギナ粉体固形化物の
バインダとしてセメントを採用したが、セメントの他
に、例えば、非水溶性のキチン質や、セルロース誘導体
等もバインダーとして使用可能である。
【0027】あるいは、生分解性プラスチックや、光分
解性プラスチック等の経時的に物性が変化する樹脂に練
り込んで、成形、固形化してもよい。
【0028】本発明に係るスギナ粉体固形化物は、例え
ば、活性汚泥処理システムにおける調整槽、曝気槽、あ
るいはリアクター槽(返送汚泥を上流側の槽に返送する
前に処理するための槽)や、又は嫌気性処理システムに
おける消化槽等に投入して、微生物活性助剤として使用
できる。あるいは、テトラポッドや護岸壁等のコンクリ
ート製構築物に硬化、養生させて、水辺の水質保全、環
境維持向上目的に使用できる。
【0029】特に、廃水処理システムへの使用時には、
該固形化物を投入する際、スギナ粉が飛散することがな
く、作業環境の改善が図られる。そして、槽内への投入
後、あるいは構築物の施工後においては、スギナエキス
成分が固形化物から徐々に処理水中、又は海洋、河川、
湖沼水中に溶出、拡散していき、長期間に亘って、微生
物活性効果が持続する。
【0030】その結果、スギナ、もしくはスギナ粉体、
あるいは抽出エキス成分を、例えば毎日定期的に、所定
量づつ処理槽に投入したり、又は、水辺を訪れて微生物
棲息域に添加したりする必要がなくなり、作業者の負担
の軽減、環境維持管理コストの削減が図られる。そし
て、スギナの有効エキス成分の効力により、水中の好気
性菌類や嫌気性菌類等の微生物が活性化され、生物的廃
水処理システムの能力向上や、環境水質の保全が図られ
る。
【0031】なお、スギナは、トクサ科の夏緑性シダの
一種の栄養茎(ツクシはその胞子茎)で、無水珪酸のほ
か、エキセトニン(サポニンの一種)、エキセチン(ア
ルカロイドの一種)、フラボノイド、ビタミンC、脂
肪、フィトステリンを含む。また、その葉や根に、一般
野菜、特にホウレンソウや春菊等と比べても、非常に多
量のミネラル(リン、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、マンガン、鉄、亜鉛等)を含有する。
【0032】本発明で用いることのできるスギナ粉体の
成分分析結果の一例を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】以下、実施例を通して、本発明をさらに詳
しく説明するが、本発明は、これに限られるものではな
い。
【0035】
【実施例】以下の実施例及び比較例においては、スギナ
粉体として、乾燥させたスギナをすりつぶして微粉化し
たものを用い、図1に示すようなペレット形状のスギナ
粉体固形化物Aを作成した。
【0036】[実験例1]表2に示すように、バインダ
として、無機系で非水溶性の普通ポルトランドセメント
(実施例1〜4)、有機系で水溶性のポリビニルアルコ
ール(PVA)(比較例1〜4)、及び有機系で非水溶
性のにかわ(グルー)(比較例5〜8)の3種を用い、
湿式混合により、種々に配合比率及び成形圧力を変え
て、スギナ粉体固形化物Aをそれぞれ必要個数作成し
た。
【0037】すなわち、まず、バインダと水とを混合し
たのち、これをスギナ粉体に混ぜ合わせ、金型に充填し
て、ハンドプレスにて圧縮成形した。成形物を金型から
取り外し、常温で乾燥させた。また、バインダを用いず
に、スギナ粉体のみを種々に成形圧力を変えて固形化物
Aに圧縮成形した(比較例9〜11)。
【0038】なお、バインダと水との配合比率(重量
部)は、セメントの場合は、1:2、PVA及びにかわ
の場合は、1:9とした。さらに、スギナ粉体と、バイ
ンダ−水混合物との配合比率は、いずれの場合も、10
0:25、100:50の2種類とした。そして、成形
圧力(kPa)は、実施例1〜4及び比較例1〜8で
は、1.96×104、4.90×104の2種類、比較
例9〜11では、さらに14.7×104を加えた3種
類とした。
【0039】得られた各固形化物Aは、成形圧力が高い
ほどより圧縮されたが、ほぼ直径が25mm、厚さが8
mm程度であった。
【0040】
【表2】
【0041】成形性の評価 以上のようにして作成した各固形化物Aの仕上り状態を
目視観察し、優、良、可、不可の4段階に総合評価し
た。結果を同じく表2に示す。変形やクラックがなく、
且つ、バインダだけの部分やスギナだけの部分のない固
形化物A内での品質が均一で一定しているものを「優」
とし、これから不具合の程度に応じて「良」、「可」、
「不可」とした。また、成形自体が困難であったものも
「不可」とした。
【0042】明らかなように、成形性は、セメント−水
混合物をスギナ粉末100重量部に対して25重量部配
合したとき、及び、バインダを用いず、スギナ粉末のみ
を固形化したときに、最も良い結果が得られた。セメン
ト量がこれより少なくなると、湿式混合がうまくいか
ず、セメント部分とスギナ粉体部分とがそれぞれ比較的
大きい塊となって不均一に混ざり合うようになった。ま
た、一般に、成形性に劣るものは、金型から取り外す離
型の際に、特に成形体の周面にクラックが入り、見栄え
が低下した。
【0043】水没試験 以上のようにして作成した各固形化物Aをそれぞれ水没
試験に供した。すなわち、固形化物Aをビーカに張った
水中に投入して、水中での崩壊の程度、速さ、及び水中
へのスギナエキス成分の溶出の程度(量)、速さ等を観
察した。結果を同じく表2に示す。
【0044】バインダ無使用の比較例9〜11、すなわ
ちスギナ粉体のみを加圧成形したものは、成形性には優
れるものの、水没の瞬間に膨潤し、ペレットは崩壊、多
量のエキス成分が直ちに溶出した。これにより、スギナ
粉体の水中での固形化を維持するためにはバインダが必
要であることがわかる。
【0045】また、比較例1〜4及び比較例5〜8、す
なわちバインダとしてPVA又はにかわを使用したもの
では、バインダの配合量が多いほど崩壊までの時間が若
干長くなりはしたが、いずれの場合も、短時間でペレッ
ト周面の層方向にクラックが生じ、該クラックより気泡
が発生してクラック面より層剥離したのち、完全崩壊し
て、エキス成分の溶出が短時間のうちに終了した。
【0046】これに対し、バインダとしてセメントを用
いた実施例1〜4では、水没後、外観に変化が見られ
ず、形状が良好に維持されて、崩壊が起こらず、スギナ
のエキス成分の溶出が長期に亘って続いた。これによ
り、バインダとしてセメントが良好に使用可能であるこ
とがわかり、また、成形圧力は1.96×104kPa
程度あればよいことがわかった。
【0047】[実験例2]表3に示すように、バインダ
をセメントに絞って、乾式混合により、種々に配合比率
及び成形圧力を変えて、スギナ粉体固形化物A(約5
g)をそれぞれ必要個数作成した。
【0048】すなわち、まず、スギナ粉体とセメントと
を混合したのち、これに水を加えて練り合わせ、金型に
充填して、ハンドプレスにて圧縮成形した。成形物を金
型から取り外し、常温で乾燥させた。
【0049】なお、スギナ粉体とセメントとの配合比率
は、100:150、100:100の2種類(実施例
5〜8)、及び、100:50、100:40、10
0:30、100:20、100:10の5種類(比較
例12〜16)とした。また、水の配合量は、いずれの
場合も、スギナ粉体100重量部に対し、35重量部と
した。そして、成形圧力(kPa)は、実施例5〜8で
は、1.96×104、4.90×104の2種類、比較
例12〜16では、4.90×104の1種類とした。
【0050】
【表3】
【0051】成形性の評価 以上のようにして作成した各固形化物Aの仕上り状態を
目視観察した。結果を同じく表3に示す。金型から取り
外した成形直後は、いずれの固形化物Aも、変形やクラ
ックがなく、且つ、セメントとスギナ粉体とがよく混合
したむらのない均一な品質であった。
【0052】しかし、時間経過に伴って、乾燥後は、セ
メント配合量が50重量部以下の比較例12〜16にお
いて、乾燥によりペレット周面にクラックが発生した。
これに対し、セメント配合量が50重量部を超える実施
例5〜8では、乾燥後もクラックが生じず、成形状態は
良好に保たれていた。
【0053】水没試験 以上のようにして作成した各固形化物Aをそれぞれ水没
試験に供した。すなわち、固形化物Aをビーカに張った
水中に投入して、1分間水没させた後、1分間攪拌し
て、固形化物Aの残存状態を観察した。結果を、成形性
評価と併せた総合評価と共に、表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】明らかなように、セメント配合量が多いほ
ど、1分間の攪拌にも耐えて崩壊の程度が少なくて済
み、特に、実施例5〜8では、スギナのエキス成分の溶
出量もごく僅かであり、成形直後と乾燥後との成形性も
考慮して、充分実用に提供し得るものであることがわか
る。また、この場合も、成形圧力は1.96×104
Pa程度あればよいことがわかった。
【0056】実地試験 スギナ粉体とセメントとの配合比率が100重量部:1
50重量部、及び100重量部:100重量部である実
施例5〜8の固形化物Aを用いて、人工廃水浄化システ
ムにおける微生物活性助剤としての機能試験を行った。
【0057】すなわち、図2に示すように、それぞれ散
気球13を備えた有効容量4リットルの反応槽12を恒
温水槽11内に4槽並べたFill−and−Draw
形式の処理装置10を構築し、1日に1サイクルのFi
ll−and−Draw連続運転を行った。1サイクル
の内容は、曝気を停止し、30分後に上澄み2.0リッ
トルを引き抜き、その後、グルコース、ペプトンを主成
分とした人工下水1.0リットルと水道水1.0リット
ルとを投入し、曝気停止45分後に曝気を再開するもの
である。水温はヒータ14を使って25℃に保ち、曝気
量は1.0リットル/分とし、上澄み液を処理水とし
た。
【0058】平成11年(1999年)11月1日に、
本発明に係る実施例5〜8のスギナ粉体固形化物Aをそ
れぞれ一個づつ散気球13の近傍の反応槽12の底部に
投下し、各反応槽12における生成汚泥量(MLSS)
を定期的に測定していき、実験開始後80日が経過した
平成12年(2000年)1月20日に実験を終了し
た。また、同時に、本発明に係るスギナ粉体固形化物A
を投入しないブランク実験を併行して行った。
【0059】その結果、本発明に係る各固形化物Aは、
いずれも表面の一部の形状が崩れてはいたものの、実験
終了後においてもまだ全体として原形を維持していた。
且つ、スギナのエキス成分の溶出による微生物活性効果
が発現され、生成汚泥量(MLSS)の経日変化が、本
発明に係る固形化物Aを使用しないブランク実験に比べ
て常に低く下回っていた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ミネラル成分を多く含み、微生物活性機能を有するスギ
ナの粉体を強固に固形化することができる。その結果、
スギナのエキス成分が水中に長期間に亘って僅かづつ溶
出し、拡散していくから、スギナエキス成分を、定期的
に、所定量づつ、廃水処理槽中や、水中微生物の棲息域
に投入しなくて済み、作業者の負担が軽くなり、作業コ
ストを抑制することが可能となる。そして、廃水処理能
力を高水準に保ち、且つ、生成汚泥量を低減することが
できると共に、また一方で、海洋、河川、湖沼等の水質
保全、環境維持を図ることも可能となる。
【0061】本発明は、好気性細菌を利用する活性汚泥
法や、嫌気性細菌を利用するし尿下水の嫌気性消化処理
等の生物的廃水処理システム、又は、テトラポッドや護
岸壁等の水際構築物等に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るペレット形状のスギナ
粉体固形化物の斜視図である。
【図2】 本発明の実施例で用いた人工下水の連続処理
装置の説明図である。
【符号の説明】
A スギナ粉体固形化物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 榮一 大阪府交野市私市1−1−6 田代興業株 式会社内 (72)発明者 木下 善道 大阪府大阪市西区京町堀2−4−7 中外 炉工業株式会社内 Fターム(参考) 4D027 BA03 BA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物活性機能を有するスギナの粉体が
    セメントをバインダに用いて所定形状に固形化されてい
    ることを特徴とするスギナ粉体固形化物。
  2. 【請求項2】 スギナ粉体100重量部に対し、50重
    量部を超える量のセメントが配合されていることを特徴
    とする請求項1に記載のスギナ粉体固形化物。
  3. 【請求項3】 微生物活性機能を有するスギナの粉体
    と、セメントとを乾式混合したのち、水を添加して練り
    合わせ、これを加圧して所定形状に成形し、乾燥するこ
    とを特徴とするスギナ粉体固形化物の製造方法。
JP2000019650A 2000-01-28 2000-01-28 スギナ粉体固形化物及びその製法 Pending JP2001205282A (ja)

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