JP2001204335A - 釣り用撒き餌及びその製造方法 - Google Patents

釣り用撒き餌及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001204335A
JP2001204335A JP2000018116A JP2000018116A JP2001204335A JP 2001204335 A JP2001204335 A JP 2001204335A JP 2000018116 A JP2000018116 A JP 2000018116A JP 2000018116 A JP2000018116 A JP 2000018116A JP 2001204335 A JP2001204335 A JP 2001204335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
krill
water
bait
fishing
fish
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000018116A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Shigematsu
良明 重松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Suisan Kaisha Ltd filed Critical Nippon Suisan Kaisha Ltd
Priority to JP2000018116A priority Critical patent/JP2001204335A/ja
Publication of JP2001204335A publication Critical patent/JP2001204335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オキアミの有効成分を失う事のない製造方法
で、目的の魚の活動水域に確実に到達可能な撒き餌を得
る。そして、製造時に沈降速度を調整可能とし、使用者
が目的の沈降速度の撒き餌を適宜に選択使用する事を可
能とする。 【解決手段】 非加工状態のオキアミを加熱加工する加
熱工程と、この加熱工程で得た加熱オキアミ1を圧縮成
形して、非加工状態に比較し容積を25〜95%とする
とともに水分含有量を15〜70wt%、粒子径を1〜3
0mmとした成形物13を形成する加圧成形工程とから成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は釣り用撒き餌及びその製
造方法に係るものであって、原料の有効成分を損なう事
のない製造及び使用が可能で、水中への投下の際に、水
面に浮遊する事がなく、釣り目的の魚の活動水域まで確
実に沈降可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クロダイ、メジナ等の海水魚を釣
る際には、アミエビ、イサザアミ等のオキアミを撒き餌
として使用していた。このオキアミは、生の新鮮なもの
を使用する場合もあるが、保存性を向上するため、一般
的には非加熱状態のオキアミや、加熱したオキアミを冷
凍保存して販売していた。そして、この冷凍オキアミを
購入した釣り人が、使用時に必要な分量だけ解凍して使
用するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷凍オ
キアミの解凍は、釣りの前日に冷凍オキアミを冷凍庫か
ら取り出して自然解凍により行ったり、釣り当日に湯煎
等により強制的に行っていた。そのため、解凍に多くの
時間や手間が掛かり、手軽には使用しにくいものであっ
た。更に、解凍に多くの時間が掛かったり、大量の水分
が出る事により、オキアミの有効成分の消失や劣化が生
じ、集魚効果が低下するものとなっていた。
【0004】また、上記冷凍オキアミに於いて、加熱し
たオキアミを用いた場合、加熱時にオキアミの身が収縮
するので、身と殻との隙間に気泡が入り込む。また、非
加熱状態のオキアミを用いる場合でも、冷凍や解凍を行
う事により、身の水分が流出して、やはり殻と身の間に
気泡を生じる事がある。このように気泡を多く含むオキ
アミは、比重が軽いため、水中に投下した場合に、水面
や浅い水域に浮んでしまい、水中深く沈降しにくいもの
であった。
【0005】しかしながら、釣り目的のクロダイやメジ
ナは比較的深場で活動するものである。更に、これらの
魚は、天候や水流等、釣り場の状態に応じて、活動水域
を様々に変え、常に一定の水深で活動するとは限らな
い。従来の冷凍オキアミでは、これらの魚が活動する深
場まで、確実に撒き餌を到達させる事はできなかった。
また、その活動水域の変化に応じて、任意に沈降の深さ
を変える事は、更に困難なものであった。
【0006】本発明は、上述の如き問題を解決するた
め、オキアミの有効成分を失う事のない製造方法で、オ
キアミから気泡を除去して比重を高めるとともに、水分
含有量を減少した撒き餌を製造可能とするものである。
その結果、水中に投入した際に、良質な撒き餌を、釣り
目的の魚の活動水域まで確実に沈降可能とし、優れた集
魚効果を得ようとするものである。また、撒き餌を冷凍
保存して使用する場合にも、冷凍及び解凍作業を、オキ
アミの有効成分を損なう事なく、且つ効率的に行う事を
可能とする。
【0007】また、水中に投下した場合に、沈降速度の
速い撒き餌や、沈降速度の遅い撒き餌、及び深場まで沈
降する撒き餌や、浅瀬に滞留する撒き餌を、製造時に於
て任意に調整して製造する事を可能とする。その結果、
天候や水流の状態等の釣り場の状況及び釣り目的の魚種
の性質により、釣り目的の魚が活動水域を変化させて
も、その変化に対応して、沈降速度や沈降水深の異なる
撒き餌を釣り人が任意に選択して使用可能とする。そし
て、釣り目的の魚の活動水域まで確実に撒き餌を到達さ
せて、効果的な集魚を行おうとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、非加工状態のオキアミを加熱し、こ
れを圧縮成形した成形物から成り、非加圧状態に比較し
容積を25〜95%とするとともに水分含有量を15〜
70wt%、粒子径を1〜30mmとして成るものである。
【0009】また、上記発明の製造方法は、非加工状態
のオキアミを加熱加工する加熱工程と、この加熱工程で
得た加熱オキアミを圧縮して、非加圧状態に比較し容積
を25〜95%とするとともに水分含有量を15〜70
wt%とする加圧工程と、この加圧工程を通過したオキア
ミを粒子径1〜30mmとする粒子成形工程とから成るも
のである。
【0010】また、成形物は、成形後に冷凍保存したも
のであっても良い。
【0011】
【作用】本発明は、上述の如く構成したもので、撒き餌
を製造する方法は、漁獲直後の非加工状態のオキアミを
加熱する加熱加工と、この加熱加工を経たオキアミを圧
縮して、非加圧状態のオキアミの容積に比較した容積を
25〜95%、水分含有量を15〜70wt%とする加圧
工程と、この加圧工程を通過したオキアミを、粒子径1
〜30mmとする一定粒子径の成形物に成形する粒子成形
工程とから成る。尚、このように形成した撒き餌は、そ
のまま使用や販売を行っても良いし、冷凍保存してお
き、販売時や使用時に解凍するものであっても良い。
【0012】そして、加熱工程では、オキアミを漁獲直
後の新鮮な状態で加熱する事により、蛋白質を固定し
て、良質の有効成分を身の内部に閉じこめるとともに、
有効成分の劣化を防止する事ができる。また、この蛋白
質の固化により、オキアミの身が潰れにくいものとな
る。また、加熱加工する事により、オキアミの身が多少
収縮するので、殻と身との間に隙間を生じ、この隙間
に、水分や気泡が入り込む。この気泡の存在により、従
来は撒き餌の比重が軽くなって水中に沈降しにくいもの
であった。また、水分が多いと、重くて扱いにくく、冷
凍や解凍に時間が掛かる等の不具合を生じていた。
【0013】この不具合を解消するため、本発明では、
加熱工程で得たオキアミを、加圧工程に於いて、非加圧
状態に比較し容積を25〜95%、水分含有量を15〜
70wt%となるよう圧縮している。この圧縮により、殻
と身の隙間に溜まった余分な水分や気泡がオキアミの外
部に排出されるものとなる。
【0014】また、この加圧工程で、もし非加熱状態の
オキアミを圧縮すると、ゲル状の身が潰れ、水分ととも
に有効成分が流出し、殻のみが残留してしまい、有効成
分に乏しい成形物となる虞れがある。しかし、本発明で
は、オキアミを予め加熱加工しているので、蛋白質成分
が固化して身が潰れにくくなっている。そのため、圧縮
してもオキアミは押し潰されず、原型を留めるととも
に、余分な水分や気泡のみが除去され、オキアミの有効
成分の流出を防止するものとなる。
【0015】このように気泡を除去されたオキアミは、
比重が重くなり、水中に沈降し易いものとなる。また、
この状態では、オキアミの比重は一定であるが、小さな
オキアミは水の抵抗が小さいので、迅速に沈降するが、
大きなオキアミは水の抵抗が大きく、沈降速度が遅くな
る。このように、沈降速度に個体差が生じるため、次工
程の粒子成形工程に於いて、オキアミを一定の粒子径の
粒子に揃えて成形する事により、各成形物の水中での沈
降速度を一定に揃える事ができる。
【0016】このように、本発明の撒き餌は、漁獲直後
の新鮮なオキアミを使用して、その有効成分を損なう事
のない製造方法で製造しているから、魚を引き寄せる良
質な有効成分を充分に含んだ製品を得る事ができる。ま
た、圧縮により容積を小さくするとともに水分含有量を
少なくしているので、かさばらず、重量の軽い撒き餌を
得る事ができる。そのため、撒き餌の収納効率が向上す
るとともに、運搬や扱いも容易なものとなる。また、オ
キアミを一定の粒子径の成形物に成形する事により、撒
き餌の沈降速度を一定に保っているので、目的の水域ま
で確実に到達させる事が可能となる。
【0017】上述の如く形成した撒き餌を、釣りの際に
水中に投下する。この撒き餌は、加圧成形により殻と身
の間の気泡を除去しているので、非加圧のオキアミに比
べて比重が重く、水面に浮んでしまう事がない。そし
て、一定の粒子径に成形しているので、撒き餌は一定の
沈降速度で確実に水中に沈降し、その比重に応じた水深
まで確実に到達する。このように、魚を引き寄せる有効
成分を多く含む撒き餌を、釣り目的の魚の活動水域まで
確実に到達させる事により、優れた集魚効果を得る事が
できる。
【0018】また、撒き餌を冷凍し、これを解凍して使
用する場合は、製造時に成形物から余分な水分を除去し
て、水分含有量を15〜70wt%としているので、冷凍
及び解凍を短い時間と少ないエネルギーで行う事ができ
る。また、圧縮により撒き餌の容積が小さくなるので、
収納効率が向上し、冷凍庫への保管や冷凍車による運搬
等を効率的に行う事ができる。また、解凍時の水分の流
出が少ないので、有効成分の消失を抑える事ができ、集
魚効果を損なう事がないものとなる。
【0019】また、加圧工程に於いて、圧縮時の加圧力
を調整する事により、空気の除去量を調整し、成形物の
比重を変える事ができる。また、粒子成形工程に於い
て、成形物の粒子径を調整する事により、成形物が受け
る水の抵抗力を変える事ができる。このように、成形物
の比重と粒子径を調整する事により、水中での撒き餌の
到達可能な水深と沈降速度を任意に調整する事ができ
る。
【0020】そして、小さな加圧力で圧縮すれば、水面
に浮遊しない程度に空気が除去されるが、空気の残留率
が多くなり、撒き餌の比重は軽くなる。そのため、浅瀬
で活動する魚に用いるのに好ましいものとなる。更に、
この比重の軽い成形物の粒子径を径小に成形すれば、水
の抵抗が小さいため、沈降速度が速くなり、目的の水域
まで迅速に到達する。また、粒子径を径大に成形すれ
ば、成形物は大きな水の抵抗を受けるので、沈降速度が
遅くなり、目的の水深までゆっくりと沈降する。これら
の沈降速度を持つ撒き餌を、目的とする魚種、水深、水
の流れ等の諸条件に応じて使用する事により、優れた集
魚効果を得る事ができる。
【0021】また、大きな加圧力で圧縮すれば、成形物
は、空気が大量に除去されるので、比重が重くなり、沈
降速度が速くなる。そして、この比重の重い成形物の粒
子径を径小に成形する事により、沈降速度が更に速くす
る事ができ、深場まで迅速に到達する製品となる。ま
た、沈降速度が速いと、沈降の途中で浅瀬に潜む釣り目
的以外の魚に、餌を横取りされる事がなく、釣り目的の
魚に確実に給餌できる。
【0022】このように、比重及び粒子径を任意に調整
する事により、沈降速度の速い製品を得たり、沈降速度
の遅い製品を得たりする事ができる。そして、釣り人は
目的に応じて、自分の好む製品を任意に選択して使用す
る事が可能となるものである。
【0023】但し、オキアミを圧縮する場合は、前述の
如く、非加圧状態に比較し容積を25〜95%、水分含
有量を15〜70wt%の範囲で行うのが好ましい。も
し、非加圧状態に比較し容積が25%よりも小さくなっ
たり、水分含有量が15wt%より少なくなるような大き
な加圧力で圧縮すると、成形物中の気泡の除去量は多
く、比重が重くなる。しかしながら、オキアミの身まで
押し潰されて、内部の有効成分が流出するため、魚への
アピール度が低下する。逆に、容積が95%よりも大き
く、水分含有量が70wt%よりも多くなるような小さな
加圧力で圧縮すると、成形物から空気や水分が良好に除
去されず、水中への良好な沈降が行われなくなる。ま
た、収納及び運搬効率が低下したり、冷凍や解凍に手間
や時間が掛かる。
【0024】また、成形物の粒子径も、1〜30mmとす
るのが好ましい。成形物の粒子径が1mmよりも小さい
と、比重が重くても、表面張力により水面に浮んでしま
い、魚の活動水域まで沈降しにくいものとなる。また、
粒子径が30mmよりも大きいと、水の抵抗が大きすぎて
沈降速度が遅くなり、目的の水域に到達する前に、釣り
目的でない魚に食われる虞れがある。
【0025】
【実施例】本発明の釣り用撒き餌の一実施例を詳細に説
明する。その製造方法は、まず加熱工程にて、漁獲後6
0分以内のオキアミ100kgを用意する。このオキアミ
は、アミエビ、イザサアミ等で、体長45〜55mmのも
のを使用している。次に、この100kgのオキアミを、
80〜90度の熱湯を入れた釜に収納し、熱湯で3分間
加熱する。このように、漁獲直後の新鮮なオキアミを加
熱するので、良質の有効成分を多く含有したオキアミを
得る事ができる。
【0026】そして、次工程の加圧工程と粒子成形工程
とを、圧搾機にて連続的に行う。この圧搾機(2)は、図
1、図2に示す如く、オキアミ(1)を収納して圧縮する
ためのホッパー状の圧縮部(3)と、この圧縮部(3)の下
端に導入路(4)を介して接続し、圧縮が完了したオキア
ミ(1)を一定の粒子径に成形する成形部(5)とから構成
している。また、導入路(4)には、開閉扉(6)を開閉自
在に配置し、圧縮部(3)と成形部(5)との連通及び遮断
を可能としている。
【0027】そして、加圧工程では、上述の如く構成し
た圧搾機(2)に於いて、まず開閉扉(6)を閉じて導入路
(4)を閉鎖し、圧縮部(3)と成形部(5)とを遮断する。
そして、圧縮部(3)に、前記加熱工程にて釜から引き上
げたオキアミ(1)を収納する。このオキアミ(1)は、熱
湯で加熱する事により、身が多少収縮して殻と身との間
に隙間を生じるので、この隙間に水分や気泡が入り込
む。この気泡や水分の存在により、従来の撒き餌は、水
中への沈降が良好に行われなかったり、冷凍や解凍に時
間や手間が掛かる等の問題があった。しかし、本発明で
はこの加圧工程にて、オキアミ(1)の容積を小さくする
と同時に、この余分な水分や気泡を除去する事ができ
る。
【0028】その方法は、圧縮部(3)にオキアミ(1)を
収納したら、図1に示す如く、圧縮部(3)の内部に中蓋
(7)を摺動自在に装着し、この中蓋(7)を介してオキア
ミ(1)を50kg/cm3の加圧力で押圧する。この押圧によ
り、圧縮部(3)内のオキアミ(1)は、殻と身との隙間に
存在する余分な水分や気泡が除去されるとともに、非加
圧状態に比較して容積が40%となるまで圧縮される。
また、オキアミ(1)から流出した水分と空気は、圧縮部
(3)の下方に設けた流出管(8)から、外部に排出され
る。また、水分の除去により、オキアミ(1)の水分含有
量は、非加圧状態に比較して40wt%と減少する。
【0029】また、この加圧工程に於いて、加熱を行わ
ないでオキアミ(1)を加圧すると、ゼリー状の身が押し
潰されるので、水分とともに有効成分が流出してしま
い、撒き餌の品質が低下してしまう。しかし、本発明で
は、加熱工程にて予め加熱加工する事により、蛋白質成
分を固定しているので、加熱後のオキアミ(1)の身が潰
れにくくなるとともに、蛋白質以外の有効成分も固化し
た蛋白質の中に保持される。そのため、圧縮部(3)にて
オキアミ(1)を圧縮しても、身が潰れずに原型を留める
ものとなり、殻と身の間の余分な水分や気泡のみが除去
されて、有効成分の喪失を防ぐ事ができる。
【0030】このように、オキアミ(1)の加圧工程が終
了したら、次の粒子成形工程にて成形処理を行う。ま
ず、図2に示す如く、開閉扉(6)を外方向にスライドし
て導入路(4)を開放し、圧縮部(3)内の、圧縮されたオ
キアミ(1)を成形部(5)側に導入する。この成形部(5)
では、内部に装着したスクリューコンベアー(10)を回
動する事により、オキアミ(1)を排出口(11)方向に強
制的に移送し、この排出口(11)から外部に強制的に排
出する。この排出口(11)には、網目の開口直径が5〜
20mmの金網(12)を配置しているので、オキアミ(1)
はこの金網(12)によって寸断され、粒子径10〜20
mmの成形物(13)に成形されて、排出口(11)から外部
に押し出される。
【0031】上述の如く形成した成形物(13)は、その
まま撒き餌として販売や使用を行っても良いが、本実施
例では、保存性を良くするため、粒子成形工程の終了後
に、成形物(13)の冷凍処理を行っている。この成形物
(13)は、圧縮により水分含有量を少なくしているの
で、短い時間と少ないエネルギーで、効率的に冷凍処理
を行う事ができる。また、容積を小さくしているので、
冷凍保存する際の収納効率や運搬効率に優れた製品とな
る。
【0032】上述の如く形成した撒き餌を使用する際
は、まず冷凍保存してある製品を解凍する。この場合
も、前述の如く、撒き餌の水分含有量を少なくしている
ので、解凍時間が短くて済み、手軽な使用が可能とな
る。また、容積を小さくして水分を少なくしているの
で、解凍の際の水分の流出量が少なく、オキアミの有効
成分の消失を抑える事ができるとともに、水を捨てる手
間も省く。また、軽くてコンパクトであるので、持ち運
びも便利となり、釣り人が扱い易いものとなる。
【0033】そして、解凍が終了した撒き餌を水中に投
下する。この撒き餌は、製造時に空気を充分に除去して
比重を高めているため、水面に浮遊する事はなく、水中
に確実に沈降する。そして、各成形物(13)の比重を高
めるとともに粒子径を10〜20mmとしているので、撒
き餌は、深場まで沈降可能となるとともに、沈降速度が
速いものとなる。
【0034】また、沈降速度が速いので、沈降途中で釣
り目的外の魚に撒き餌を横取りされにくくなり、目的の
魚の活動水域まで確実に到達する。そして、撒き餌の臭
気成分や味覚成分等で魚を呼び寄せるが、本実施例の撒
き餌は、漁獲直後のオキアミを使用し、有効成分を失う
事のない製造方法で形成しているので、良質の有効成分
が多く含まれ、魚へのアピール効果が高い。このよう
に、良質の撒き餌を魚の活動水域に確実に到達させる事
が可能であるので、優れた集魚効果を得る事ができる。
【0035】また、上記実施例では、成形物(13)は、
粒子径10〜20mm、非加圧状態に比較した容積を40
%、水分含有量を40wt%として形成している。しか
し、他の異なる実施例として、圧搾機(2)で圧縮する際
の加圧力を調整して、異なる比重の成形物(13)を形成
する事ができる。また、オキアミ(1)を粒子状に成形す
る際の金網(12)のメッシュサイズを調整する事によ
り、成形物(13)の粒子径を任意に変える事ができる。
このように比重や粒子径を調整して形成する事により、
成形物(13)を水中に投下した場合の沈降速度及び沈降
可能な深さを任意に設定する事が可能となる。
【0036】そして、例えば、オキアミ(1)を大きな加
圧力で圧縮すれば、気泡や水分が多く除去されて、容積
が小さくなるので、成形物(13)の比重が重くなる。こ
のような撒き餌は、水深の深い水域まで到達するので、
深場での優れた集魚効果を示すものとなる。また、小さ
な加圧力で圧縮すれば、空気の含有量が多くなるので、
成形物(13)の比重が軽くなる。従って、撒き餌は、水
中に沈むが、水深の浅い水域で漂うものとなり、浅瀬に
生息する魚への集魚効果に優れたものとなる。
【0037】但し、オキアミ(1)を加圧する際は、非加
圧状態に比較した容積を25〜95%、水分含有量を1
5〜70wt%とするのが好ましい。非加工状態に比較し
容積が25%よりも小さく、水分含有量が15wt%より
も少なくなるような大きな加圧力で圧縮すると、水分や
気泡を多く排出できるが、オキアミ(1)の身が押し潰さ
れて、原型を留めなくなるとともに、有効成分が失われ
るので、魚へのアピール度が低下する。逆に、容積が9
5%よりも大きく、水分含有量が70wt%より多くなる
ような小さな加圧力で圧縮すると、成形物(13)内に多
くの水分や気泡が残留し、水中への良好な沈降が行われ
なくなったり、冷凍や解凍に手間や時間が掛かる製品と
なる。
【0038】また、圧搾機(2)の金網(12)のメッシュ
サイズを変えて、成形物(13)の粒子径を調整する事に
よって、撒き餌の沈降速度を調整する事ができる。そし
て、例えば、第1実施例と同一の比重の加熱オキアミ
(1)を、第1実施例よりも大きなメッシュサイズの金網
(12)を介して外部に排出し、径大な成形物(13)を形
成する。この径大な成形物(13)は、水の抵抗が大きく
なるので、第1実施例のものよりも沈降速度が遅くな
る。このように形成した撒き餌を水中に投下すると、ゆ
っくりとした速度で深場まで沈降する。また、第1実施
例よりも小さなメッシュサイズの金網(12)を用いて、
径小な成形物(13)を得る事により、水の抵抗を小さく
して、第1実施例よりも沈降速度の速い撒き餌を得る事
ができる。
【0039】但し、成形物(13)は、粒子径を1〜30
mmとするのが好ましい。成形物(13)の粒子径が1mmよ
りも小さいと、全体重量が軽すぎて水面に浮遊してしま
い、目的の水域まで沈降しないものとなる。また、成形
物(13)の粒子径が30mmよりも大きいと、水の抵抗が
大きすぎて沈降速度が遅くなり、目的の水域に到達する
のに時間が掛かりすぎたり、到達前に釣り目的でない他
の魚に餌を横取りされてしまう事がある。
【0040】このように、成形物(13)の比重及び粒子
径を調整する事により、撒き餌の沈降速度及び沈降可能
な水深を任意に調整する事ができる。そして、沈降速度
の速い製品を得たり、沈降速度の遅い製品を得る事がで
きる。また、深場まで沈降する製品を得たり、浅瀬で浮
遊する製品を得る事ができる。そのため、釣り人は自分
の好む製品を任意に選択して使用する事が可能となるも
のである。また、製造時に予め沈降速度を調整して撒き
餌を形成しているので、釣り人は目的に合わせて既成品
を任意に選択する事ができる。そして、釣り人自身が現
地で調合する手間や技術を必要とせず、手軽に使用する
事ができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成したものであ
るから、オキアミを加熱し、圧縮成形する事により、有
効成分を失う事のない製造方法で、水分含有量が少な
く、成形物内の気泡を、自然の状態よりも多く除去した
撒き餌を得る事ができる。そして、気泡を良好に除去し
て比重を重くし、水中に沈み易くするとともに、粒子径
を調整し、任意の沈降速度を得る事ができる。そのた
め、撒き餌を水中に投入した際に、釣り目的の魚の活動
水域まで、確実に沈降させる事が可能となる。そして、
良質の有効成分を多く含む撒き餌を、釣り目的の魚の活
動水域まで確実に到達させる事ができるので、優れた集
魚効果にて最良の釣果を得る事ができる。
【0042】また、圧縮により容積を小さくするととも
に、水分含有量を少くしているので、収納効率や運搬効
率が向上し、扱い易い製品となる。更に、撒き餌を冷凍
保存したり、使用時に解凍する際も、冷凍及び解凍作業
を短い時間と少ないエネルギーで効率的に行う事が可能
となるとともに、解凍によるオキアミの有効成分の消失
を抑える事ができる。
【0043】また、加圧力を調整して成形物の比重を適
宜に調整したり、成形物の粒子径を変えて水から受ける
抵抗を調整する事により、撒き餌の沈降可能な水深及び
沈降速度を任意に変える事ができる。そのため、水中に
投下した場合に、沈降速度の速い撒き餌や、沈降速度の
遅い餌、深場まで沈降する撒き餌や、あまり深く沈降し
ない撒き餌を、製造時に於て任意に調整して製造する事
が可能となる。そして、これらの製品を釣り人が任意に
選択使用する事ができる。そして、釣り人は、釣り目的
の魚が、天候や水流の状態等、釣り場の状況に応じて活
動水域を変化しても、その変化に対応して、沈降水深や
沈降速度の異なる撒き餌を使用し、目的の活動水域まで
確実に撒き餌を到達させて魚を呼び寄せる事が可能で、
最良の釣果を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧搾機の圧縮部にて、加熱オキアミを圧縮して
いる状態の断面図。
【図2】圧搾機の成形部にて、加熱オキアミを一定粒子
径の成形物に成形している状態の断面図。
【符号の説明】
1 オキアミ 13 成形物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非加工状態のオキアミを加熱し、これを
    圧縮成形した成形物から成り、非加圧状態に比較し容積
    を25〜95%とするとともに水分含有量を15〜70
    wt%、粒子径を1〜30mmとした事を特徴とする釣り用
    撒き餌。
  2. 【請求項2】 非加工状態のオキアミを加熱加工する加
    熱工程と、この加熱工程で得たオキアミを圧縮して、非
    加圧状態に比較し容積を25〜95%とするとともに水
    分含有量を15〜70wt%とする加圧工程と、この加圧
    工程を通過したオキアミを粒子径1〜30mmとする粒子
    成形工程とから成る事を特徴とする釣り用撒き餌の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 成形物は、成形後に冷凍保存したもので
    ある事を特徴とする請求項1の釣り用撒き餌。
  4. 【請求項4】 成形物は、成形後に冷凍保存したもので
    ある事を特徴とする請求項2の釣り用撒き餌の製造方
    法。
JP2000018116A 2000-01-27 2000-01-27 釣り用撒き餌及びその製造方法 Pending JP2001204335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018116A JP2001204335A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 釣り用撒き餌及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018116A JP2001204335A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 釣り用撒き餌及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001204335A true JP2001204335A (ja) 2001-07-31

Family

ID=18545010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000018116A Pending JP2001204335A (ja) 2000-01-27 2000-01-27 釣り用撒き餌及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001204335A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271860A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Shinji Makino 釣り餌及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271860A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Shinji Makino 釣り餌及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8733289B2 (en) Method for preparing edible aquatic animals for storage
TWI461149B (zh) 豐年蝦卵囊及處理豐年蝦卵囊之方法
DE2741380C3 (de) Verfahren zur Gewinnung von Fleisch aus dem antarktischen Krill
CN105766840A (zh) 基玉米淀粉制备可降解仿真仿生鱼饵
CN101558887B (zh) 一种海肠粉的加工工艺
JP2001204335A (ja) 釣り用撒き餌及びその製造方法
Lahnsteiner et al. An efficient method for cryopreservation of testicular sperm from the Northern pike, Esox lucius L.
KR101857719B1 (ko) 농·수·축산·임산물 및 그 밖의 부산물 농축액을 포함하는 통발어업용 집어제 및 이의 제조 방법
CA2162358C (en) Method for preparing foodstuffs based on re-formed and salt cured herring roe, and salt-cured foodstuffs so prepared
FR2934118A1 (fr) Procede de decorticage de mollusques marins
GB2454682A (en) Bait
WO2019135055A1 (fr) Procédé d'élevage ostréicole
EP2154977B1 (fr) Procédé de traitement de langoustines ou de crevettes, en vue de leur conservation
CN102792935A (zh) 一种福寿鱼诱鱼饵的配制方法
US20060042146A1 (en) Brother's bait bag
JPH0947233A (ja) 乾燥固形物形態を有する海水徐崩壊性集魚用撒き餌
FR2502007A1 (fr) Produit revitalisant, cicatrisant et rajeunissant pour usage externe ou interne, a base d'extraits de mollusques, et son procede de fabrication
JP2004305102A (ja) オキアミ凍結ブロック
JPH08173057A (ja) 釣り餌及びその製造方法
CN101558832A (zh) 一种钓捕黑鱼的专用饵
JP2005130757A (ja) 釣り餌の製造方法
CN102246892A (zh) 一种大水面捕鱼饵的配制方法
Bhakta et al. Effects of non-steroid hormones HCG and DES on growth and maturation of Indian river prawn, Macrobrachium malcolmsonii (H. Milne Edwards)
FR2594007A1 (fr) Procede de preparation et de conservation de poisson frais, et produit ainsi obtenu.
Polovina Biological time-series for the central North Pacific