JP2001200691A - 推進工法及び改良された中押管 - Google Patents

推進工法及び改良された中押管

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JP2001200691A JP2000011188A JP2000011188A JP2001200691A JP 2001200691 A JP2001200691 A JP 2001200691A JP 2000011188 A JP2000011188 A JP 2000011188A JP 2000011188 A JP2000011188 A JP 2000011188A JP 2001200691 A JP2001200691 A JP 2001200691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 推進管列が曲進する区間でも、中押管におけ
るT形管とS形管との間の摺動部に座屈を起こさせない
で、推進管列を円滑に推進させる工法を提供する。 【解決手段】 中押管の前及び/又は後に、中押管の周
囲方向に沿って複数個の油圧ジャッキを付設し、各油圧
ジャッキの加圧ポートを油圧管で連通し、油圧ジャッキ
のストロークを伸長させた状態で、油圧管と油圧ジャッ
キ内に一定量の作動油を閉じ込め、各油圧ジャッキの間
で作動油を流通自在とし、油圧ジャッキの伸縮により中
押管と推進管との間の傾斜を進路に合わせて傾斜させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は推進工法に関する
ものであり、とくに推進管列の途中に中押管を介在させ
て推進管を曲進させるのに好都合な推進工法に関するも
のである。また、その推進工法での使用に適するように
改良した中押管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の推進工法では、推進管列の長さが
非常に大きくなっている。例えば、以前は推進管列の長
さが最大100m程度であったが、最近は300〜50
0mもの長さになっている。このように推進管列の長さ
が大きくなると、元押ジャッキだけで推進することが困
難となる。そのため、推進管列の途中に中押管を入れ
て、中押管に付設した中押ジャッキにより、推進管列の
一部を推進させることが行われている。また、最近の推
進工法では、推進線形が平面的又は縦断的に曲線区間を
含むことが多くなっている。
【0003】中押管はその中に中押ジャッキを含み、中
押ジャッキの伸縮によってその先に位置する推進管を推
進させるものである。その構造は、図1に示したように
S形管1とT形管2とで構成される。S形管1は鋼板製
の円筒状スキンプレート3の内部に複数個の中押ジャッ
キ4を包蔵しており、T形管2はその一端がスキンプレ
ート3内に挿入されてその端が中押ジャッキに接して移
動可能とされている。T形管2とスキンプレート3との
間にはゴム輪5が介在して、その間から地下水などが進
入できないようになっている。T形管は推進管に似てい
るが、T形管の一端がS形管のスキンプレート内に挿入
される関係で、外径が推進管よりもおおよそスキンプレ
ート3の厚み分だけ小さくされている。
【0004】こうして構成された中押管Aは、図1に示
したように、推進管6と7との間に挿入される。中押管
Aは推進管7を蹴って推進管6より先に位置する推進管
列を、矢印B方向に推進させる役目をする。
【0005】中押管Aを使って推進すると、長い推進管
列を部分的に推進することができるので、推進が容易と
なる。このため、最近の推進工法では、中押管がしばし
ば使用されている。中押管Aを使用する推進工法は、直
線に沿って真っ直ぐに延びている推進管列を推進するに
は、格別の問題も起こさずに円滑に遂行することができ
る。ところが、中押管が曲進区間を通過するときには問
題が起きる。まず、中押を休止させた状態で曲進区間を
通過させると、中押ジャッキを縮めても、推進力は曲率
の中心側の1本又は2本の中押ジャッキのみにより伝達
される。このため、中心側の1本又は2本の中押ジャッ
キは座屈し、またはこれらのジャッキの当たり面が破損
する。
【0006】また、中押管を作動させて曲進区間を通過
させる場合には、中押管が潰されて推進することができ
なくなる、という問題が起こる。これを詳しく言えば、
次のとおりである。図1と図2とは、従来の推進工法に
おける推進管列の水平断面図を示したものである。図1
に示したように推進管列が曲進するところでは、中押管
Aとこれに隣接する推進管6又は7との間に目地の開き
角度α又はβを生じる。この状態で中押管Aを作動さ
せ、推進管7を蹴って推進管6を推進させようとする
と、図2に示したように、目地の開き角度αとβとが押
し潰されるとともに、中押管AがS形管1とT形管2と
の間で座屈を起こしてしまう。
【0007】S形管とT形管との間で座屈を起こすと、
ゴム輪5が止水できなくなって、推進管内に地下水が進
入して推進できなくなる。また中押ジャッキ又は元押ジ
ャッキで推進管6を推進しようとしても、推進できなく
なる。このために、曲進区間では中押管は使用できない
とされた。従って、曲進しなければならない場所では、
推進工法を円滑に使用することができない、という問題
があった。
【0008】また、従来の曲線推進工法として、センプ
ラ工法と呼ばれている工法がある。この工法は、推進管
の目地の中央に適当な厚さのクッション材を挟むことに
よって、推進管の目地の片端面に推力の伝達が集中する
ことを避け、かつ目地部で曲がり易くするという効果が
ある。センプラ工法を中押管の前後に適用すると、中押
管の摺動部に曲げ力の加わることをかなり軽減すること
ができる。しかし、センプラ工法には次のような問題が
伴う。すなわち、まずクッション材を推進管の端面の中
央に挟むだけであるから、伝達推力が減少し、中押ジャ
ッキの大きな推力を有効に生かすことができない。ま
た、クッション材を管端面の中央に張る場合、伝達推力
を大きくするためには、広い面積に張らなければなら
ず、広い面積に張ればクッション材は曲率の中心側で大
きく圧縮され、反対側では小さく圧縮されるので、中押
管に曲げモーメントを与えることになる、という問題を
生じる。
【0009】また、従来の曲線推進工法として、曲線区
間の管列の目地に間隙調整ジャッキと呼ぶ小型のスクリ
ュージャッキを管端面の円周に沿って複数個付設し、推
進管端面の片当たりをなくし、曲進区間の推進管端面に
おける推力の伝達を改善する方法がある。この工法を中
押管の前後の目地に適用すれば、推進管が一定の曲率で
進行している曲進区間では中押管の摺動部に曲げ力が加
わらなくなる。しかし、中押管が曲率の異なる区間に入
るときには、目地の開き角度が短時間のうちに連続的に
変化するので、スクリュージャッキでは連続的な変化に
追随することができない。従って、中押を作動しなが
ら、直進区間から曲進区間に入ったり、曲進区間から直
進区間に入ることはできないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の問
題を解決しようとするものである。すなわち、この発明
は、推進管列が曲進する区間でも、中押管を用いて円滑
に推進工法を遂行できるようにするものである。また、
そのために改良された中押管を提供するものである。
【0011】
【課題解決のための手段】この発明者は、これまで用い
られてきた中押管の前及び/又は後に、中押管の周囲方
向に沿って複数個の油圧ジャッキを付設し、これら油圧
ジャッキの伸縮により中押管と推進管との間を自在継ぎ
手で接続したような状態にすると、中押管は曲率半径が
変化する曲進区間でも座屈しなくなることを見出した。
自在継ぎ手で接続した状態にするには、油圧ジャッキの
加圧ポートを1つの油圧管に接続し、油圧管から油圧を
供給して、油圧ジャッキの頭部の当たり面が中押管と推
進管との間の開き角を形成するのに必要にして充分なス
トロークだけ油圧ジャッキを伸長させておき、この状態
で油圧管を閉じてこれら油圧ジャッキの間で作動油が自
在に流通できるようにし、中押管と推進管との間の傾き
を自在状態にするのである。このようにすると、中押管
は小さな曲率半径で曲進する区間にあっても座屈しなく
なることを、この発明者は見出した。この発明は、この
ような知見に基づいて完成されたものである。
【0012】この発明は推進線形に曲進区間を含む中押
工法において、中押管の前及び/又は後に中押管の周囲
方向に沿って複数個の油圧ジャッキを付設し、各油圧ジ
ャッキの加圧ポートを油圧管で連通し、油圧管からの油
圧で油圧ジャッキのストロークの少なくとも一部を伸長
させた状態で、油圧管と油圧ジャッキ内に一定量の作動
油を閉じ込め、各油圧ジャッキの間では作動油を自由に
流通可能とし、これら油圧ジャッキの伸縮により中押管
と推進管との間の傾斜を進路に合わせて傾斜させ、これ
によって中押管におけるS形管とT形管との間の摺動部
が曲がるのを防ぎつつ推進することを特徴とする推進工
法を提供するものである。
【0013】ここで油圧ジャッキとは、図1において生
じた目地の開きに相当する傾斜角度を吸収し、中押管に
曲げモーメントを与えないようにする油圧ジャッキであ
る。言い換えると、中押管とこれに隣接する推進管とを
所定の曲がった進路に沿うように向けた状態で、中押管
とこれに隣接する推進管との間で断面に均等に推力を伝
達するためのジャッキである。だから、この油圧ジャッ
キは、管端面の周囲方向に沿って配置された複数個の油
圧ジャッキからなり、各油圧ジャッキの加圧ポートが互
いに連通されることにより、目地の開きに応じて個々の
油圧ジャッキが同じ推力を伝達しながら、傾斜的に異な
るストロークを採ることができる。従って、中押管が直
進区間から曲進区間に移行する際には、各油圧ジャッキ
が一様な推力を働かせながら、平行から傾斜角に円滑に
移行する。また、曲進区間内で曲率半径が異なる場合
も、各油圧ジャッキは、一様な推力を働かせながら傾斜
角度を円滑に変化させる。さらに、曲進区間から直進区
間に移行する際にも、各油圧ジャッキは、一様な推力を
働かせながらストロークを変えて傾斜状態から平行に円
滑に移行する。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明に係る推進工法を、その
実施の一例について図面に基づき説明すると次のとおり
である。図3は、この発明に係る水平方向の曲進区間で
推進工法を実施しているときの推進管列の水平断面図で
ある。図4は、この発明に係る中押管の一部切欠断面図
である。図5は、この発明に係る他の中押管の一部切欠
断面図である。図6は、この発明で用いることのできる
油圧ジャッキの配列状態を示した推進管の縦断面図であ
る。
【0015】この発明に係る推進工法は、図3に示した
ようにして実施される。図3において、Aは中押管であ
って、推進管6と7との間に介在している。中押管A
は、前述のようにS形管1とT形管2とで構成されてい
る。図3では油圧ジャッキが中押管Aの前と後との両方
に付設されている。すなわち、中押管Aと推進管6との
間に油圧ジャッキ8、8′が付設され、中押管Aと推進
管7との間に油圧ジャッキ9、9′が付設されている。
【0016】図3では、推進管6と中押管Aとが曲がっ
た進路にあり、従って推進管6と中押管Aとは管軸の向
く方向を異にしていて、その間に傾斜角αに相当する開
きを生じている。そこで、その間に油圧ジャッキ8、
8′を付設し、それら油圧ジャッキ8、8′の加圧ポー
トを1つの油圧管に接続し、油圧管から一定量の油圧を
供給して、油圧ジャッキ8、8′を適当なストロークだ
け伸長させ、その状態で油圧管を閉じておく。すると、
油圧ジャッキの作動油は、曲がった進路に入ると、進路
の曲がりの内側に位置する油圧ジャッキ8から、外側に
位置する油圧ジャッキ8′へ流入し、内側の油圧ジャッ
キ8のストロークが縮み、外側の油圧ジャッキ8′のス
トロークが伸びて、これら油圧ジャッキの頭の先端を連
ねる面は傾斜することとなる。こうして、各油圧ジャッ
キは均等な推力を加えつつ傾斜して、全体としては恰も
自在継ぎ手のような働きをする。このため、中押管にお
けるS形管とT形管との間の摺動部には曲げ力が加わら
ないことになる。従って、中押管Aを座屈させないで推
進することができる。これがこの発明方法である。
【0017】この方法によれば、中押管Aと推進管6と
が初め直線区間にあって、両管の間の目地が平行な状態
から、曲進区間に入って目地に次第に大きな傾斜角度を
生じて、目地角度がαに達するまでの過程では、油圧ジ
ャッキが目地角度の連続的変化に追随することができる
ので、中押ジャッキを作動したままで曲進区間に入るこ
とができる。
【0018】中押管Aとこの後方に位置する推進管7と
が直線状又はこれに近い状態で連なっているときは、上
述のように油圧ジャッキ8、8′の作動だけで充分であ
る。ところが、中押管Aとこの後方に位置する推進管7
とが曲がった通路上にあるときは、中押管Aの後にも油
圧ジャッキを付設する必要が生じる。すなわち、図3に
示したように、中押管Aを構成しているT形管の後端に
油圧ジャッキ9、9′を付設して、推進管7との間に介
在させる必要が生じる。
【0019】この場合、油圧ジャッキ9、9′は、先に
述べた油圧ジャッキ8、8′と同様に付設し配管して、
自在継ぎ手状態にする。これによって、中押管Aと後続
の推進管7との間の目地も、中押管Aに曲げの力を与え
ることなく、目地角ゼロからβまで連続的に変化するこ
とができる。このため、中押管Aを座屈させないで中押
を行うことができる。
【0020】油圧ジャッキの揚力の合計は、中押ジャッ
キ4の揚力の合計以上あればよい。また、油圧ジャッキ
のストロークは、おおよそ傾斜角度α又はβの最大値の
2倍程度に傾斜できるものであれば充分である。2倍と
したのは、推進管の外周に大きなテールボイドが存在す
ると、中押管の前後2管分の傾斜角度が油圧ジャッキに
集中する場合があるからである。
【0021】図3に示したように、油圧ジャッキ8を中
押管Aの先端に突出した状態にして付設すると、その上
を覆う継ぎ輪10としては、その軸方向の長さが油圧ジ
ャッキ8の長さ分だけ長いものであるとともに、中押管
AのS形管1の先端の段落ち部13も長くすることが必
要となる。また、中押管Aの後端に油圧ジャッキ9を付
設するためには、T形管2の後端の継ぎ輪10の長さを
油圧ジャッキ9の長さ分だけ長くするとともに、後続の
推進管7の先端の段落ち部13の長さをも長くしなけれ
ばならない。このことは、中押管のみならず中押管の前
後の推進管までも規格外のものを使用しなければならな
いという結果を招き、煩瑣でしかも規格外のためコスト
高となる。これを避けて、使用に便利にしたのが、図4
及び図5に示したこの発明に係る改良中押管である。こ
の改良中押管を用いれば、改良中押管以外は規格の推進
管を用いることができる。
【0022】一般に、中押管を使用する場合には、図1
に示したように、推進管6側に継ぎ輪10が付設され、
中押管A側にリング11が付設され、継ぎ輪10とリン
グ11との間にゴム輪5が介在して、その間から地下水
が進入しないようにされている。そこで、図4に示した
この発明に係る改良中押管は、油圧ジャッキ8をリング
11内に収容し、油圧ジャッキの頭だけをリング11か
ら突出させることとしたのである。このため、改良中押
管は、油圧ジャッキ8と中押管Aとが一体となってい
て、運搬と使用に便利となり、また規格化された継ぎ輪
10が使用できることとなって、経済的にも有利に使用
できることとなる。従って、この改良中押管は、容易に
この発明方法を実施できるという利益を与える。
【0023】リング11は、ヒューム管規格では断面が
コの字状又はロの字状の輪であって、推力に耐える強度
を持つために、通常、中にコンクリートが充填されてい
る。しかし、この改良中押管では、油圧ジャッキ8を収
容するために、リング11内にはコンクリートを充填し
ない。この発明に係る推進工法では、推進管6と中押管
Aの推進力の伝達は油圧ジャッキ8で伝達するので、強
度的にも問題を生じない。
【0024 】また、一般に、中押管Aと推進管7との間
には、図1に示したように、中押管AのT形管の後端に
継ぎ輪10が付設され、推進管7側には段落ち13が付
設され、継ぎ輪10と段落ち13との間にゴム輪5が介
在して、その間から地下水が進入しないようにされてい
る。そこで、この発明は、図5に示したように、中押管
AのうちのT形管2の後端を一部切欠し、その切欠部内
に油圧ジャッキ9を入れ、油圧ジャッキ9の頭だけをT
形管2の後端から突出させることとして、改良された中
押管を提供している。この改良中押管は、油圧ジャッキ
9と中押管Aとが一体になっているために運搬と使用に
便利であり、また規格化された継ぎ輪10と推進管7と
が使用できることとなるので、経済的にも有利に使用で
きる。従って、この改良中押管は、この発明方法を容易
に実施できる、という利益を与える。
【0025】普通のジャッキは頭面が底面と平行になっ
ている。従って普通のジャッキを油圧ジャッキとして使
用すると、不都合を生じる場合がある。それは、油圧ジ
ャッキの頭面を連ねる平面が大きく傾斜すると、ジャッ
キが当接面を斜めに窪ませることになるからである。こ
れを避けるために、油圧ジャッキとしては、可傾ヘッド
を持ったジャッキ、すなわち頭面が傾くことのできるジ
ャッキを使用することが好ましい。
【0026】油圧ジャッキは、中押管の周囲方向に沿っ
て複数個配置される。配置の一例を図3に示したA−A
断面について説明すると、図6のようになる。図3にお
ける油圧ジャッキ9と9′とは、図6ではT形管2の中
心を通る水平線上に中心を持つ位置にある。油圧ジャッ
キ9、9′のほかに、T形管の周囲に沿って同様な油圧
ジャッキ90、91、90′及び91′が油圧ジャッキ
9、9′の上及び下に配置される。このように、油圧ジ
ャッキは、中押管の1つの端に管の周囲方向に沿って複
数個配置されるが、直進又は平面曲進を含む推進線形の
場合は、管の右半部と左半部とでは、同数の油圧ジャッ
キが対称の位置に配置されるのが普通である。図6では
ジャッキの数を6個としたが、ジャッキの数が6個に限
定されるものでないことは言うまでもない。
【0027】この発明で用いる油圧ジャッキは、これを
スクリュージャッキで置き換えることは困難である。中
押管が直進区間から曲進区間へ入る場合、あるいは曲進
区間から直進区間へ出る場合は、目地の開き角度が連続
的に変化するので、個々のジャッキのストロークも連続
的に変化する。そのため、このストロークの変化を手動
で調節することは不可能であり、自動制御でスクリュー
ジャッキの揚力とストロークを制御することも、非常に
複雑な機構となり高価になる。これに対して、油圧ジャ
ッキを用いれば複数個の油圧ジャッキの加圧ポートを油
圧パイプで互いに連結し、油圧ポンプで最初に必要なス
トロークまで伸長しておけば、あとは作動油の漏れが無
い限り、油圧ポンプも必要なくこの発明に必要な機能を
果たすことができる。
【0028】この発明で用いる油圧ジャッキの油圧配管
の一例を図6によって説明すると、油圧ジャッキ9、
9′、90、90′、91、91′の加圧ポートが油圧
パイプ20、20′で連結され、そのパイプの中から分
岐して油圧の供給弁V1 を付ける。予めこの供給弁に
(図示していない)油圧ポンプを接続して、すべての油
圧ジャッキの半分程度のストロークを伸長しておく。油
圧ポンプは全ての油圧ジャッキが所定のストロークを出
し終えればあとは必要ないので、供給弁V1 を締めきっ
て撤去してもよい。これで準備は完了する。
【0029】準備の完了した状態で推進すると、直進区
間では目地の開きがないので、全ての油圧ジャッキは同
じストロークと同じ揚力で推力を伝達する。曲進区間に
入り始めると曲率の中心側の目地は狭くなり反対側は広
くなるので、曲率の中心側の油圧ジャッキの作動油は反
対側の油圧ジャッキに移動して、ストローク差が生じる
が、揚力は全ての油圧ジャッキで同じである。同じ曲率
の曲進区間を通過中は同じストローク差を持ったまま推
進する。曲進区間から出て直進区間に入るときは先に述
べたと逆になる。こうして自在継ぎ手のように全く操作
の必要なく推進を行うことができる。
【0030】図6の締め切り弁V2 は、左右の油圧ジャ
ッキの油圧の流れを停止するための締め切り部弁であ
る。直進区間や曲進区間に係わりなく、例えば、推進管
の左右の地盤の固さの差が極端に大きい所では、途中の
推進管が地盤の軟弱な方向へ横流れする傾向が生じるこ
とがある。この発明では、このような地盤状態の区間
で、油圧ジャッキの付設された中押管が通過すると、中
押管の前後の目地が自在継ぎ手状態にあるため、中押管
の横流れを生じることが稀に起こる。締め切り弁V
2 は、このような場合に一時的に左右の油圧の流れを止
めて、目地の動きを拘束するための締め切り弁である。
但し、この発明では、締め切り弁V2 は中押管が曲進区
間に出入りする場合は勿論、通常は開放しておかなけれ
ばならない。
【0031】
【発明の効果】従来の中押工法は曲進区間で中押を作動
させると、たちまち中押管の摺動部が座屈して湧水する
のみならず、摺動できなかった。そのため、推進計画の
段階から曲進区間では中押管を作動させないように計画
することを余儀なくされるので、余分な中押を必要とし
た。また、曲進区間の推進抵抗が推進管の曲進耐荷力よ
りも大きいと、曲進区間の中で中押が作動できないこと
となり、従って推進不能となった。ところが、この発明
の中押管を用いれば、曲進区間でも中押管を何等損傷す
ることなく中押を作動させることができるので、どんな
長い曲進区間を含む推進線形でも長距離推進が容易にで
きる。この発明はこのような利点のある工法である。
【0032】上記のような推進工法は、地盤が軟弱であ
って、地盤反力の小さい場合でも、締め切り弁V2 を変
曲区間以外で、一時的に締め切ることにより、推進路線
からの横流れなしに、円滑にこれを行うことができる。
また、地盤反力の大きいところでは、一般に推進管列が
フラつくことがないので、油圧ジャッキはストロークの
半分程突出させた状態で、始めから終わりまで締め切り
弁V2 を開いたまま推進を行うことができる。こうし
て、中押管を何等損傷することなく、また中押管を使用
して、曲がった進路のところでも推進延長を長くして容
易に推進することができる。この発明方法はこのような
利点のある工法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の中押管を使用して推進した推進管列の一
部切欠水平断面図である。
【図2】従来の中押管を使用して推進して、中押管が座
屈した推進管列の一部切欠水平断面図である。
【図3】この発明に係る改良中押管を使用し、この発明
方法によって推進した推進管列の一部切欠水平断面図で
ある。
【図4】この発明に係る改良中押管の一部切欠縦断面図
である。
【図5】この発明に係る他の改良中押管の一部切欠縦断
面図である。
【図6】図3におけるA−A断面拡大図である。
【符号の説明】 A 中押管 1 S形管 2 T形管 3 スキンプレート 4 中押ジャッキ 5 ゴム輪 6、7 推進管 8、8′、9、9′ 油圧ジャッキ 90、91、90′、91′ 油圧ジャッキ 10 継ぎ輪 11 リング 13 段落ち 20、20′ 油圧パイプ V1 、V2 締め切り弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲進区間を含む中押推進工法において、
    中押管の前及び/又は後に中押管の周囲方向に沿って複
    数個の油圧ジャッキを付設し、各油圧ジャッキの加圧ポ
    ートを油圧管で連通し、油圧管からの油圧で油圧ジャッ
    キのストロークの少なくとも一部を伸長させた状態で、
    油圧管と油圧ジャッキ内に一定量の作動油を閉じ込め、
    各油圧ジャッキの間では作動油を自由に流通可能とし、
    これら油圧ジャッキの伸縮により中押管と推進管との間
    の傾斜を進路に合わせて傾斜させ、これによって中押管
    におけるS形管とT形管との間の摺動部が曲がるのを防
    ぎつつ推進することを特徴とする、推進工法。
  2. 【請求項2】 油圧管の途中に締め切り弁を設け、締め
    切り弁を閉じて中押管と推進管との間の傾斜を一時的に
    固定することを特徴とする、請求項1に記載の推進工
    法。
  3. 【請求項3】 鋼板製の筒からなるスキンプレートの内
    側に複数個の中押ジャッキが付設されたS形管と、上記
    スキンプレート内に一端が挿入されて中押ジャッキに接
    触して移動可能となっているT形管とからなる中押管に
    おいて、S形管の先端及び/又はT形管の後端に、中押
    管の周囲方向に沿って複数個の油圧ジャッキを配置して
    なる改良中押管。
  4. 【請求項4】 S形管の先端に配置される複数個の油圧
    ジャッキが、スキンプレートの先端に付設されたリング
    内に付設され、油圧ジャッキの頭がリングから突出して
    いることを特徴とする、請求項3に記載の改良中押管。
  5. 【請求項5】 T形管の後端に配置される複数個の油圧
    ジャッキが、T形管の後端の一部を切欠してなる切欠部
    内に収納され、油圧ジャッキの頭がT形管から突出して
    いることを特徴とする、請求項3又は4に記載の改良中
    押管。
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