JP2001200339A - バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001200339A
JP2001200339A JP2000339794A JP2000339794A JP2001200339A JP 2001200339 A JP2001200339 A JP 2001200339A JP 2000339794 A JP2000339794 A JP 2000339794A JP 2000339794 A JP2000339794 A JP 2000339794A JP 2001200339 A JP2001200339 A JP 2001200339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
hot
rolled steel
steel
fatigue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000339794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3781344B2 (ja
Inventor
Tatsuo Yokoi
龍雄 横井
Manabu Takahashi
学 高橋
Tsutomu Okamoto
力 岡本
Hiroyuki Okada
浩幸 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2000339794A priority Critical patent/JP3781344B2/ja
Publication of JP2001200339A publication Critical patent/JP2001200339A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3781344B2 publication Critical patent/JP3781344B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 疲労特性に優れたバーリング加工性熱延鋼板
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.01〜0.1%、Ti:0.0
5〜0.5%かつTi−48/12C−48/14N−
48/32S≧0%、Cu:0.2〜1.2%を含む鋼
板であり、鋼中の粒子で5nm以上のTiを含む析出物
の平均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が
101 nm超104 nm以下であることを特徴とするバ
ーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。および上
記成分の鋼を、Ar3 変態点以上の温度域で熱間仕上圧
延を終了し、350℃〜750℃の温度域まで冷却し
て、巻き取ることを特徴とする上記鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バーリング加工性
と疲労特性に優れた引張強度640MPa以上の熱延鋼
板およびその製造方法に関するものであり、特に、自動
車の足廻り部品やロードホイール等の穴拡げ加工性と耐
久性の両立が求められる素材として好適な穴拡げ性(バ
ーリング加工性)と疲労特性に優れた熱延鋼板およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費向上などのために軽
量化を目的として、Al合金等の軽金属や高強度鋼板の
自動車部材への適用が進められている。ただ、Al合金
等の軽金属は比強度が高いという利点があるものの鋼に
比較して著しく高価であるため、その適用は特殊な用途
に限られてきた。より広い範囲で自動車の軽量化を推進
するためには、安価な高強度鋼板の適用が強く求められ
ている。
【0003】一般に材料は高強度になるほど延性が低下
して加工性(成形性)が悪くなる。鉄鋼材料においても
例外ではなく、これまでに高強度と高延性の両立の試み
がなされてきた。一方、自動車のロードホイール等足廻
り部品に使用される材料には、これらの特性に加えて穴
拡げ性(バーリング加工性)および疲労耐久性が求めら
れている。しかし、高強度化に伴って穴拡げ性は低下す
る傾向を示すばかりでなく、高強度化は切り欠き感受性
の上昇をも招くため、応力集中部位での疲労耐久性が期
待したほどには向上しない。従って、複雑な形状をして
いる自動車の足廻り部品等への高強度鋼板の適用にあた
っては、その穴拡げ性だけでなく、疲労耐久性も重要な
検討課題となる。
【0004】穴拡げ性(伸びフランジ性またはバーリン
グ加工性)に優れた高強度熱延鋼板として、例えば特開
平6−200351号公報には、伸びフランジ性の優れ
た高強度熱延鋼板を、Ti,Nbを添加することにより
第二相を低減し、主相であるポリゴナルフェライト中に
TiC,NbCを析出強化させることによって得る発明
が開示されている。また特開平7−011382号公報
には、Ti,Nbを添加することにより第二相を低減
し、ミクロ組織をアシキュラーフェライトとしTiC,
NbCで析出強化することによって、伸びフランジ性の
優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示されている。
【0005】また特開平7−70696号公報には、T
i,NbをC当量以上添加しミクロ組織をフェライト単
相にすると共にCuを添加し、TiC,NbCと共にε
−Cuを析出させることにより、高強度化した伸びフラ
ンジ加工性の優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示さ
れている。さらに特開平8−157957号公報には、
Ti,NbをC当量以上添加しミクロ組織をフェライト
単相にすると共に、Ni/Cuの値を規定してフェライ
トをポリゴナルからベイニティックに変化させて、伸び
フランジ性を向上させた伸びフランジ性の優れた高強度
熱延鋼板を得る発明が開示されている。
【0006】一方、疲労特性に優れた高強度高強度熱延
鋼板として、例えば特開平3−82708号公報に、疲
労特性の優れた強加工用高強度熱間圧延鋼板を、極低C
化によりセメンタイト等の第二相組織を極力低減し、P
およびCuの複合添加により高い強度と優れた疲労特性
を得る発明が開示されている。また特開平6−2876
85号公報には、Tiを添加することにより第二相を低
減しフェライト中の固溶Cを減らすと共に、TiC等の
析出強化により70kgf/mm2 (686.47MP
a)以上の強度を得ることに加えて、Cuを添加するこ
とで疲労特性を向上させた、伸びフランジ性及び疲労特
性の優れた高強度熱延鋼板を得る発明が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロード
ホイールのディスク等一部の部品用鋼板においては、バ
ーリング加工性等の加工性と共に疲労耐久性が大変に重
要であり、上記従来技術では満足する特性が得られな
い。また例え両特性が満足されたとしても、安価に安定
して製造できる製造方法を提供することが重要であり、
上記従来技術では不十分であると言わざるを得ない。す
なわち、上記特開平6−200351号公報に記載の発
明では、高い伸びフランジ性を得るために面積率で85
%以上のポリゴナルフェライトが必須であるが、85%
以上のポリゴナルフェライトを得るためには、熱間圧延
後にフェライト粒の成長を促進するため長時間の保持が
必要であり、操業コスト上好ましくない。
【0008】また、上記特開平7−011382号公報
に記載の発明では、転位密度が高いミクロ組織と微細な
TiC及び/又はNbCの析出によって80kgf/m
2(784.53MPa)で17%程度の延性しかな
く、成形性が不十分である。また、上記特開平7−07
0696号公報に記載の発明では、フェライト相にε−
Cuを析出させているため延性が低下して加工性が悪く
なる可能性がある。また、上記特開平8−157957
号公報に記載の発明では、転位密度が高いミクロ組織と
微細なTiC及び/又はNbCの析出によって80kg
f/mm2(784.53MPa)で20%程度の延性
しかなく、成形性が不十分である。
【0009】さらに、これらの発明は疲労特性について
は何ら言及していない。一方、疲労特性にも言及した発
明として、上記特開平3−82708号公報に記載の発
明では、結晶粒界に偏析し粒界脆化を引き起こすPが
0.04〜0.10%添加されることが必須であるた
め、疲労破壊の起点となる粒界破壊が起こった場合、疲
労特性が著しく劣化する可能性がある。さらに同公報に
は、Pによる粒界脆化等を抑制するBの添加については
何も記載されていない。さらに、上記特開平6−287
685号公報に記載の発明では、疲労特性向上のために
主にCuの析出強化を利用しているが、Cuの析出強化
は静的強度ほど疲労強度を向上させないので、疲労限度
比を低下させてしまうという問題点がある。
【0010】そこで本発明は、上記従来技術の課題を有
利に解決できる、バーリング加工性と疲労特性に優れた
引張強度640MPa以上の熱延鋼板およびその鋼板を
安価に安定して製造できる製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、現在通常
に採用されている連続熱間圧延設備により工業的規模で
生産されている熱延鋼板の製造プロセスを念頭におい
て、熱延鋼板のバーリング加工性と疲労特性の両立を達
成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、鋼中の粒子で5
nm以上のTiを含む析出物の平均サイズが101 〜1
3 nmで、最小析出間隔が101 nm超104 nm以
下であることがバーリング加工性向上に非常に有効であ
り、かつ延性も損なわないことを見出し、さらに、上記
のような析出物を得るために施す製造条件において、疲
労特性を向上させるのに有効なCuの含有範囲がCu:
0.2〜1.2%であることを新たに見出し、本発明を
なしたものである。
【0012】即ち、本発明の要旨は以下の通りである。 (1)質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 S ≦0.03%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti−48/12C−48/14N−48/32S≧0.05% を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的
不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm以上の
Tiを含む析出物の平均サイズが101 〜103nm
で、最小析出間隔が101 nm超104 nm以下である
ことを特徴とするバーリング加工性と疲労特性に優れた
熱延鋼板。 (2)質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti+48/93Nb−48/12C−48/14N−48/32S ≧0.05% を満たす範囲でTiとNbを含有し、残部がFe及び不
可避的不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm
以上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平
均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が10
1 nm超104 nm以下であることを特徴とするバーリ
ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。 (3)質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 Si:0.01〜2%、 Mn:0.05〜2%、 P ≦0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti−48/12C−48/14N−48/32S≧0.05% を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的
不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm以上の
Tiを含む析出物の平均サイズが101 〜103nm
で、最小析出間隔が101 nm超104 nm以下である
ことを特徴とするバーリング加工性と疲労特性に優れた
熱延鋼板。 (4)質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 Si:0.01〜2%、 Mn:0.05〜2%、 P ≦0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti+48/93Nb−48/12C−48/14N−48/32S ≧0.05% を満たす範囲でTiとNbを含有し、残部がFe及び不
可避的不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm
以上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平
均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が10
1 nm超104 nm以下であることを特徴とするバーリ
ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。
【0013】(5)Ti−48/12C−48/14N
−48/32S≧0% を満たすことを特徴とする前記(1)又は(3)記載の
バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。 (6)Ti+48/93Nb−48/12C−48/1
4N−48/32S≧0% を満たすことを特徴とする前記(2)又は(4)記載の
バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。 (7)前記鋼が、さらに質量%にて、B:0.0002
〜0.002%を含有することを特徴とする前記(1)
〜(6)のいずれか1項に記載のバーリング加工性と疲
労特性に優れた熱延鋼板。 (8)前記鋼が、さらに質量%にて、Ni:0.1〜1
%を含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のい
ずれか1項に記載のバーリング加工性と疲労特性に優れ
た熱延鋼板。 (9)前記鋼が、さらに質量%にて、Ca:0.005
〜0.02%、REM:0.005〜0.2%の一種ま
たは二種を含有することを特徴とする前記(1)〜
(8)のいずれか1項に記載のバーリング加工性と疲労
特性に優れた熱延鋼板。 (10)前記鋼が、さらに質量%にて、Mo:0.05
〜1%、V:0.02〜0.2%、Cr:0.01〜1
%、Zr:0.02〜0.2%の一種または二種以上を
含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1
項に記載のバーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼
板。
【0014】(11)前記(1)〜(10)のいずれか
1項に記載の成分を有する鋼片の熱間圧延に際し、Ar
3 変態点以上で熱間仕上圧延を終了した後、350℃か
ら750℃の温度域まで冷却して巻き取り、鋼中の粒子
で5nm以上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析
出物の平均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間
隔が101 nm超104 nm以下である鋼板を得ること
を特徴とするバーリング加工性と疲労特性に優れた熱延
鋼板の製造方法。 (12)前記熱間圧延に際し、粗圧延終了後、高圧デス
ケーリングを行い、Ar3 変態点以上で熱間仕上圧延を
終了することを特徴とする前記(11)記載のバーリン
グ加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に至った基礎研究
結果について説明する。まず、疲労特性に及ぼすCu含
有量の影響についての調査を行った。そのための供試材
は次のようにして準備した。すなわち、0.05%C−
1.0%Si−1.4%Mn−0.01%P−0.00
1%S−0.03%Alをベースに、Cu含有量を変化
させて成分調整し、溶製した鋳片を熱間圧延して常温で
巻き取り、550℃で1時間等温保持した後、炉冷する
熱処理を施した。これらの鋼板について機械試験および
疲労試験を行った結果を図1と図2に示す。この結果よ
り、Cu含有量と疲労限度比には強い相関があり、Cu
含有量が0.2以上1.2%以下で疲労限度比が著しく
向上することを新規に知見した。
【0016】このメカニズムは必ずしも明らかではない
が、固溶しているCuは繰返し荷重下での交差すべりを
抑制し、繰返し荷重による表面のすべりステップの形態
を粗で深い状態から密で浅い状態に変化させ、そこでの
応力集中が緩和されるために疲労き裂の発生抵抗を向上
させると推測される。ただし、0.2%未満ではこの効
果が失われる。一方、1.2%超Cuを含有すると、上
記の熱処理条件ではCuが析出状態になっていると考え
られる。析出状態のCuは静的強度を著しく上昇させる
ものの疲労限はそれほど上昇させないことから、繰り返
し荷重負荷下でCuの析出物が再固溶してしまい、疲労
特性の向上効果が発現しないと推測される。
【0017】次に、Ti* (Ti* =Ti−48/12
C−48/14N−48/32S)の穴拡げ性に及ぼす
効果についての調査を行った。そのための供試材は次の
ようにして準備した。すなわち、0.05%C−1.0
%Si−1.4%Mn−0.01%P−0.001%S
−0.03%Al−0.001%N−0.8%Cuをベ
ースに、Ti添加量を変化させて成分調整し、溶製した
鋳片を熱間圧延して常温で巻き取った鋼板を、550℃
で1時間等温保持した後、炉冷する熱処理を施し、様々
なTi* の鋼板を得た。これらの鋼板について穴拡げ試
験結果を図3に示す。この結果より、Ti* ≧0%以上
で穴拡げ率が向上し、更に0.05%で穴拡げ率が著し
く向上することを新規に知見した。
【0018】さらに、上記の成分の鋼板を様々な製造条
件で圧延、熱処理してTiを含む析出物サイズと析出間
隔を変化させ、その析出物の平均サイズおよび析出物の
最小間隔と穴拡げ率との関係を調べたところ、その析出
物の平均サイズおよび析出物の最小間隔と穴拡げ率とに
は強い相関があり、鋼中の粒子で5nm以上のTiを含
む析出物の平均サイズが101 〜103 nmで、かつ析
出物の最小間隔が10 1 nm超104 nm以下で穴拡げ
率が著しく向上することを新規に知見した。穴拡げ試験
結果とTiを含む析出物の平均サイズおよび析出物の最
小間隔の関係を図4に示す。ここでTiを含む析出物と
は、炭化物、窒化物、硫化物等Tiを含有する粒子であ
り、酸化物等を含んでもよい。
【0019】このメカニズムは必ずしも明らかではない
が、析出物が大きすぎると析出物と母相の界面にボイド
が生じやすく穴拡げの際にクラックの起点となり、小さ
すぎると穴拡げ率と相関がある局部延性が低下するた
め、最適なサイズと析出物間隔において穴拡げ率が向上
すると推測される。ただし、鋼中のTiを含む析出物の
平均サイズが102 nm超では、打ち抜きやせん断まま
の破断面において析出物が破断面表面に現れた場合に疲
労破壊の起点となる可能性があるので、鋼中のTiを含
む析出物の平均サイズは101 〜102 nmの範囲が好
ましい。
【0020】なお、引張試験による機械的性質について
は、JIS Z 2201記載の5号試験片にて、JI
S Z 2241記載の試験方法で測定した。また鋼板
の疲労特性は、図5に示すような板厚3.0mm、長さ
98mm、幅38mm、最小断面部の幅が20mm、切
り欠きの曲率半径が30mmである疲労試験片を用い、
完全両振りの平面曲げ疲労試験によって得られた2×1
6 回での疲労強度σWを、鋼板の引張り強さσBで除
した値(疲労限度比σW/σB)で評価した。
【0021】また、鋼中のTiを含む析出物は、供試鋼
の1/4厚のところから透過型電子顕微鏡サンプルを採
取し、エネルギー分散型X線分光(Energy Dispersive
X-ray Spectroscope:EDS)や、電子エネルギー損失
分光(Electron Energy LossSpectroscope :EEL
S)の組成分析機能を加えた、200kVの加速電圧の
電界放射型電子銃(Field Emission Gun :FEG)を搭
載した透過型電子顕微鏡によって観察した。観察される
粒子の組成は、上記EDSおよびEELSによりTiを
含む析出物であることを確認した。
【0022】本発明で規定する析出物のサイズとは、矩
形であれば最長片、延伸状であれば最大長さと定義す
る。また、本発明で規定する平均析出物サイズとは、析
出物のサイズを倍率5000〜500000倍で測定し
たもののうち、5nm以上のものについてのその一視野
でのサイズの単純平均である。さらに、本発明で規定す
る析出物の最小間隔(最小析出間隔)とは、対象である
5nm以上の析出物の中心間距離をそれぞれ測定したう
ちの最小距離である。ここで析出物の中心とは析出物の
観察断面における面積の重心と定義する。
【0023】次に、本発明における鋼板のミクロ組織お
よびCuの存在状態について説明する。鋼板のミクロ組
織は、優れたバーリング加工性(伸びフランジ性)を確
保するためにフェライト単相が望ましい。ただし、必要
に応じ一部ベイナイトを含むことを許容するものであ
る。なお、良好な伸びフランジ性を確保するためには、
ベイナイトの体積分率は10%以下が好ましい。ここ
で、フェライトおよびベイナイトの体積率とは、鋼板の
圧延方向断面厚みの1/4厚における光学顕微鏡で20
0〜500倍で観察されたミクロ組織中における、それ
らの組織の面積分率で定義される。
【0024】また、鋼中のCuの存在状態は固溶状態が
望ましい。これにより、加工性の劣化につながる静的強
度の上昇を抑えつつ、疲労特性を向上させることができ
る。一方、Cuが析出状態であると、Cuの析出強化に
より鋼板の静的強度が著しく上昇するため、加工性が著
しく劣化することになる。また、このようなCuの析出
強化では、疲労限は静的強度の上昇ほどには向上しない
ので疲労限度比が低下してしまう。そのため、Cuの存
在状態は固溶とする必要がある。
【0025】次に、本発明の化学成分の限定理由につい
て説明する。Cは、0.1%超含有していると加工性及
び溶接性が劣化するので、0.1%以下とする。また
0.01%未満であると強度が低下するので、0.01
%以上とする。
【0026】Sは、多すぎると熱間圧延時の割れを引き
起こすので極力低減させるべきであるが、0.03%以
下ならば許容できる範囲である。
【0027】Nは、Cよりも高温にてTiおよびNbと
析出物を形成し、Cを固定するのに有効なTiおよびN
bを減少させる。従って極力低減させるべきであるが、
0.005%以下ならば許容できる範囲である。
【0028】Tiは、本発明における最も重要な元素の
一つである。すなわち、Tiは析出強化により鋼板の強
度上昇に寄与する。ただし、0.05%未満ではこの効
果が不十分であり、0.5%超含有してもその効果が飽
和するだけでなく合金コストの上昇を招く。従ってTi
の含有量は0.05%以上、0.5%以下とする。さら
に、バーリング加工性を劣化させるセメンタイト等の炭
化物の原因となるCを析出固定し、バーリング加工性の
向上に寄与するためには、Ti−48/12C−48/
14N−48/32S≧0%、好ましくは≧0.05%
の条件を満たすことが必要である。
【0029】Cuは、本発明の最も重要な元素の一つで
あり、固溶状態で疲労特性を改善する効果がある。ただ
し、0.2%未満ではその効果は少なく、1.2%を超
えて含有すると、巻取り中に析出して析出強化により鋼
板の静的強度が著しく上昇するため、加工性が著しく劣
化することになる。また、このようなCuの析出強化で
は、疲労限は静的強度の上昇ほどには向上しないので疲
労限度比が低下してしまう。そこで、Cuの含有量は
0.2〜1.2%の範囲と限定する。
【0030】Nbは、Ti同様に析出強化により鋼板の
強度上昇に寄与する。ただし、0.01%未満ではこの
効果が不十分であり、0.5%超含有してもその効果が
飽和するだけでなく合金コストの上昇を招く。従ってN
bの含有量は0.01%以上、0.5%以下とする。さ
らに、バーリング加工性を劣化させるセメンタイト等の
炭化物の原因となるCを析出固定し、バーリング加工性
の向上に寄与するためには、Ti+48/93Nb−4
8/12C−48/14N−48/32S≧0%、好ま
しくは≧0.05%の条件を満たすことが必要である。
【0031】Siは、固溶強化元素として強度上昇に有
効である。所望の強度を得るためには0.01%以上含
有する必要がある。しかし、2%超含有すると加工性が
劣化する。そこでSiの含有量は0.01〜2%とす
る。
【0032】Mnは、固溶強化元素として強度上昇に有
効である。所望の強度を得るためには0.05%以上必
要である。また、2%超添加するとスラブ割れを生ずる
ため、2%以下とする。
【0033】Pは、0.1%超含有すると加工性や溶接
性に悪影響を及ぼすので、0.1%以下とする。
【0034】Alは、溶鋼脱酸のために0.005%以
上添加する必要があるが、コストの上昇を招くため、そ
の上限を1.0%とする。一方あまり多量に添加する
と、非金属介在物を増大させ伸びを劣化させるので、好
ましくは0.5%以下とする。
【0035】Bは、Pによる粒界脆化を抑制すると共
に、Cuと複合添加されることによって疲労限を上昇さ
せる効果があるので、必要に応じ添加する。ただし、
0.0002%未満ではその効果を得るために不十分で
あり、0.002%超添加するとスラブ割れが起こる。
よって、Bの添加は0.0002〜0.002%とす
る。
【0036】Niは、Cu含有による熱間脆性防止のた
めに必要に応じ添加する。ただし、0.1%未満ではそ
の効果が少なく、1%を超えて添加してもその効果が飽
和するので、0.1〜1%とする。
【0037】CaおよびREMは、破壊の起点となった
り、加工性を劣化させる非金属介在物の形態を変化させ
て無害化する元素である。ただし、0.005%未満添
加してもその効果がなく、Caならば0.02%超、R
EMならば0.2%超添加してもその効果が飽和するの
で、Ca:0.005〜0.02%、REM:0.00
5〜0.2%添加することが好ましい。
【0038】さらに、強度を付与するために、必要に応
じてMo,V,Cr,Zrの析出強化もしくは固溶強化
元素の一種または二種以上を添加しても良い。ただし、
それぞれ0.05%、0.02%、0.01%、0.0
2%未満ではその効果を得ることができない。また、そ
れぞれ1.0%、0.2%、1.0%、0.2%を超え
添加してもその効果は飽和する。
【0039】次に、本発明の製造方法の限定理由につい
て、以下に詳細に述べる。本発明では、目的の成分含有
量になるように成分調整した溶鋼を鋳込むことによって
得たスラブを、高温鋳片のまま熱間圧延機に直送しても
よいし、室温まで冷却後に加熱炉にて再加熱した後に熱
間圧延してもよい。再加熱温度については特に制限はな
いが、1400℃以上であると、スケールオフ量が多量
になり歩留まりが低下するので、再加熱温度は1400
℃未満が望ましい。また、1100℃未満での加熱はT
i,Nbのいずれか又は双方を含む析出物がスラブ中で
再溶解せず粗大化し析出強化能を失うばかりでなく、バ
ーリング加工性にとって好ましいサイズと分布のTi,
Nbのいずれか又は双方を含む析出物が析出しなくなる
ので、再加熱温度は1100℃以上が望ましい。
【0040】熱間圧延工程は、粗圧延を終了後、仕上げ
圧延を行うが、最終パス温度(FT)がAr3 変態点以
上の温度域で終了する必要がある。これは、熱間圧延中
に圧延温度がAr3 変態点を切るとひずみが残留して延
性が低下するためである。仕上げ温度の上限は、本発明
の効果を得るためには特に定める必要はないが、操業上
スケール疵が発生する可能性があるため、1000℃以
下とすることが好ましい。ここで、粗圧延終了後に高圧
デスケーリングを行う場合は、鋼板表面での高圧水の衝
突圧P(MPa)×流量L(リットル/cm2 )≧0.
0025の条件を満たすことが好ましい。
【0041】鋼板表面での高圧水の衝突圧Pは以下のよ
うに記述される(「鉄と鋼」1991,vol.77,
No.9,p1450参照)。 P(MPa)=5.64×PO ×V/H2 ただし、 PO (MPa):液圧力 V(リットル/min):ノズル流液量 H(cm):鋼板表面とノズル間の距離
【0042】流量Lは以下のように記述される。 L(リットル/cm2 )=V/(W×v) ただし、 V(リットル/min):ノズル流液量 W(cm):ノズル当たり噴射液が鋼板表面に当たって
いる幅 v(cm/min):通板速度
【0043】衝突圧P×流量Lの上限は、本発明の効果
を得るためには特に定める必要はないが、ノズル流液量
を増加させるとノズルの摩耗が激しくなる等の不都合が
生じるため、0.02以下とすることが好ましい。さら
に、仕上げ圧延後の鋼板の最大高さRyが15μm(1
5μmRy,l2.5mm,ln12.5mm)以下で
あることが好ましい。これは、例えば「金属材料疲労設
計便覧」、日本材料学会編、84頁に記載されている通
り、熱延または酸洗ままの鋼板の疲労強度は鋼板表面の
最大高さRyと相関があることから明らかである。ま
た、その後の仕上げ圧延は、デスケーリング後に再びス
ケールが生成してしまうのを防ぐために5秒以内に行う
のが望ましい。
【0044】仕上圧延を終了した後は、指定の巻取温度
(CT)まで冷却するが、その冷却速度は本発明の効果
を得るためには特に定める必要はない。ただし、冷却速
度があまりに遅いとTi,Nbのいずれか又は双方を含
む析出物のサイズが粗大化し、析出強化による強度上昇
に寄与しなくなる恐れがあるので、冷却速度の下限は2
0℃/s以上が望ましい。また、冷却速度の上限は実際
の工場設備能力等を考慮すると100℃以下である。
【0045】次に、巻取温度が350℃未満では、十分
なTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物が生じな
くなり、鋼中に固溶Cが残留して加工性を低下させる恐
れがあり、750℃超ではTiおよび/またはNbを含
む析出物のサイズが粗大化し析出強化による強度上昇に
寄与しなくなるばかりでなく、析出物が大きすぎると析
出物と母相の界面にボイドが生じやすくなり、穴拡性が
低下する恐れがある。従って巻取温度は350℃〜75
0℃とする。
【0046】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに説明す
る。表1に示す化学成分を有するA〜Oの鋼は、転炉に
て溶製して、連続鋳造後、表2に示す加熱温度(SR
T)で再加熱し、粗圧延後に同じく表2に示す仕上げ圧
延温度(FT)で1.2〜5.4mmの板厚に圧延した
後、表2に示す巻取温度(CT)でそれぞれ巻き取っ
た。なお一部については粗圧延後に衝突圧2.7MP
a、流量0.001リットル/cm2 の条件で高圧デス
ケーリングを行った。ただし、表中の化学組成について
の表示は質量%である。
【0047】このようにして得られた熱延板の引張試験
は、供試材を、まずJIS Z 2201記載の5号試
験片に加工し、JIS Z 2241記載の試験方法に
従って行った。表2にその試験結果を示す。鋼板圧延方
向断面厚みの1/4厚を光学顕微鏡で200〜500倍
で観察した組織の体積率を合わせて表2に示す。さら
に、図5に示すような長さ98mm、幅38mm、最小
断面部の幅が20mm、切り欠きの曲率半径が30mm
である平面曲げ疲労試験片にて、完全両振りの平面曲げ
疲労試験を行った。鋼板の疲労特性は、2×106 回で
の疲労強度σWを鋼板の引張り強さσBで除した値(疲
労限度比σW/σB)で評価した。一方、バーリング加
工性(伸びフランジ性)については、日本鉄鋼連盟規格
JFS T 1001−1996記載の穴拡げ試験方法
に従って評価した。
【0048】また、鋼中のTiおよび/またはNbを含
む析出物は、供試鋼の1/4厚のところから透過型電子
顕微鏡サンプルを採取し、エネルギー分散型X線分光
(Energy Dispersive X-ray Spectroscope:EDS)
や、電子エネルギー損失分光(Electron Energy Loss S
pectroscope :EELS)の組成分析機能を加えた、2
00kVの加速電圧の電界放射型電子銃(Field Emissi
on Gun :FEG)を搭載した透過型電子顕微鏡によって
観察した。
【0049】観察される粒子の組成は、上記EDSおよ
びEELSによりTiを含む析出物であることを確認し
た。また、Ti,Nbのいずれか又は双方を含む析出物
のサイズとは、矩形であれば最長片、延伸状であれば最
大長さと定義する。また、平均析出物サイズとは、均質
に分散していると観察される析出物サイズをそれぞれ倍
率5000〜500000倍で測定したもののうち,5
nm以上のものについてのその一視野でのサイズの単純
平均である。さらに、析出物の最小間隔とは、対象であ
る5nm以上の析出物の中心間距離をそれぞれ測定した
うちの最小距離である。ここで析出物の中心とは、析出
物の観察断面における面積の重心と定義する。
【0050】本発明に沿うものは、鋼A−1,C,D,
E,F,H,J,K,L,M,N,Oの12鋼であり、
所定の量のCu,Tiを含有し、鋼中の粒子で5nm以
上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平均
サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が101
nm超104 nm以下であることを特徴とするバーリン
グ加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板が得られている。
【0051】上記以外の鋼は、以下の理由によって本発
明の範囲外である。すなわち、鋼A−2は、仕上圧延終
了温度(FT)が本発明の範囲外であるので、ひずみが
残留して延性が低下するだけでなく十分な穴拡げ率
(λ)が得られていない。鋼A−3は、熱間圧延後の巻
取温度(CT)が本発明の範囲より低いので、十分なT
i,Nbのいずれか又は双方を含む析出物が生じなくな
り、鋼中に固溶Cが残留して十分な延性および穴拡げ率
(λ)が得られていない。鋼A−4は、熱間圧延後の巻
取温度(CT)が本発明の範囲より高いので、Ti,N
bのいずれか又は双方を含む析出物のサイズが粗大化
し、析出強化による強度上昇に寄与しなくなり、所望の
強度が得られず、穴拡性も低い。
【0052】鋼Bは、Tiの含有量が本発明の範囲外で
あるので、鋼中に固溶Cが残留して十分な延性および穴
拡げ率(λ)が得られていない。鋼Gは、Cuの含有量
が本発明の範囲より多いので、巻取り中に析出して析出
強化により鋼板の静的強度が著しく上昇するため、加工
性が著しく劣化することになる。また、このようなCu
の析出強化では、疲労限は静的強度の上昇ほどには向上
しないので疲労限度比が低下してしまう。従って疲労特
性を改善する効果が少なく、十分な疲労限度比が得られ
ていない。鋼Iは、Cuの含有量が本発明の範囲より少
ないので、疲労特性を改善する効果が少なく、十分な疲
労限度比が得られていない。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、バーリ
ング加工性と疲労特性に優れた引張強度640MPa以
上の熱延鋼板およびその鋼板を安定して製造できる製造
方法を提供するものであり、これらの熱延鋼板を用いる
ことにより、バーリング加工性(伸びフランジ性)を十
分に確保しつつ疲労特性の大幅な改善が期待できるた
め、本発明は、工業的価値が高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に至る予備実験の結果を、Cu含有量と
静的強度と疲労限の関係で示す図である。
【図2】本発明に至る予備実験の結果を、Cu含有量と
疲労限度比の関係で示す図である。
【図3】本発明に至る予備実験の結果を、Ti* と穴拡
げ率の関係で示す図である。
【図4】本発明に至る予備実験の結果を、穴拡げ率の範
囲をTiを含む析出物の平均サイズの範囲とTiを含む
析出物の最小析出間隔の関係で示す図である。
【図5】疲労試験片の形状を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/16 C22C 38/16 38/58 38/58 (72)発明者 岡本 力 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 岡田 浩幸 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 S ≦0.03%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2% を含み、さらに Ti−48/12C−48/14N−48/32S≧
    0.05% を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的
    不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm以上の
    Tiを含む析出物の平均サイズが101 〜103 nm
    で、最小析出間隔が101nm超104 nm以下である
    ことを特徴とするバーリング加工性と疲労特性に優れた
    熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2% を含み、さらに Ti+48/93Nb−48/12C−48/14N−
    48/32S≧0.05% を満たす範囲でTiとNbを含有し、残部がFe及び不
    可避的不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm
    以上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平
    均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が10
    1 nm超104 nm以下であることを特徴とするバーリ
    ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。
  3. 【請求項3】 質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 Si:0.01〜2%、 Mn:0.05〜2%、 P ≦0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti−48/12C−48/14N−48/32S≧
    0.05% を満たす範囲でTiを含有し、残部がFe及び不可避的
    不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm以上の
    Tiを含む析出物の平均サイズが101 〜103 nm
    で、最小析出間隔が101nm超104 nm以下である
    ことを特徴とするバーリング加工性と疲労特性に優れた
    熱延鋼板。
  4. 【請求項4】 質量%にて、 C :0.01〜0.1%、 Si:0.01〜2%、 Mn:0.05〜2%、 P ≦0.1%、 S ≦0.03%、 Al:0.005〜1.0%、 N ≦0.005%、 Ti:0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.5%、 Cu:0.2〜1.2%を含み、さらに Ti+48/93Nb−48/12C−48/14N−
    48/32S≧0.05% を満たす範囲でTiとNbを含有し、残部がFe及び不
    可避的不純物からなる鋼であって、鋼中の粒子で5nm
    以上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平
    均サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が10
    1 nm超104 nm以下であることを特徴とするバーリ
    ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。
  5. 【請求項5】 Ti−48/12C−48/14N−4
    8/32S≧0% を満たすことを特徴とする請求項1又は3記載のバーリ
    ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。
  6. 【請求項6】 Ti+48/93Nb−48/12C−
    48/14N−48/32S≧0% を満たすことを特徴とする請求項2又は4記載のバーリ
    ング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板。
  7. 【請求項7】 前記鋼が、さらに質量%にて、 B :0.0002〜0.002% を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載のバーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼
    板。
  8. 【請求項8】 前記鋼が、さらに質量%にて、 Ni:0.1〜1% を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項に記載のバーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼
    板。
  9. 【請求項9】 前記鋼が、さらに質量%にて、 Ca:0.005〜0.02%、 REM:0.005〜0.2% の一種または二種を含有することを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか1項に記載のバーリング加工性と疲労特
    性に優れた熱延鋼板。
  10. 【請求項10】 前記鋼が、さらに質量%にて、 Mo:0.05〜1%、 V :0.02〜0.2%、 Cr:0.01〜1%、 Zr:0.02〜0.2% の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求
    項1〜9のいずれか1項に記載のバーリング加工性と疲
    労特性に優れた熱延鋼板。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の成分を有する鋼片の熱間圧延に際し、Ar3 変態点以
    上で熱間仕上圧延を終了した後、350℃から750℃
    の温度域まで冷却して巻き取り、鋼中の粒子で5nm以
    上のTi,Nbのいずれか又は双方を含む析出物の平均
    サイズが101 〜103 nmで、最小析出間隔が101
    nm超104 nm以下である鋼板を得ることを特徴とす
    るバーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記熱間圧延に際し、粗圧延終了後、
    高圧デスケーリングを行ない、Ar3 変態点以上で熱間
    仕上圧延を終了することを特徴とする請求項11記載の
    バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方
    法。
JP2000339794A 1999-11-12 2000-11-08 バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3781344B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339794A JP3781344B2 (ja) 1999-11-12 2000-11-08 バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32229299 1999-11-12
JP11-322292 1999-11-12
JP2000339794A JP3781344B2 (ja) 1999-11-12 2000-11-08 バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001200339A true JP2001200339A (ja) 2001-07-24
JP3781344B2 JP3781344B2 (ja) 2006-05-31

Family

ID=26570759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000339794A Expired - Fee Related JP3781344B2 (ja) 1999-11-12 2000-11-08 バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3781344B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007122910A1 (ja) 2006-03-24 2007-11-01 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho 複合成形性に優れた高強度熱延鋼板
JP2009084643A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kobe Steel Ltd 疲労特性及び伸びフランジ性バランスに優れた熱延鋼板
JP2009084637A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kobe Steel Ltd 疲労特性及び伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板
CN108526219A (zh) * 2018-04-03 2018-09-14 浙江瑞凯不锈钢有限公司 一种不锈钢钢带的生产工艺其设备
CN112872029A (zh) * 2020-12-29 2021-06-01 山东盛阳金属科技股份有限公司 一种基于纯镍板加热后的轧制方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020216686A1 (en) 2019-04-20 2020-10-29 Tata Steel Ijmuiden B.V. Method for producing a high strength silicon containing steel strip with excellent surface quality and said steel strip produced thereby

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007122910A1 (ja) 2006-03-24 2007-11-01 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho 複合成形性に優れた高強度熱延鋼板
US8529829B2 (en) 2006-03-24 2013-09-10 Kobe Steel, Ltd. High-strength hot-rolled steel sheet with excellent combined formability
JP2009084643A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kobe Steel Ltd 疲労特性及び伸びフランジ性バランスに優れた熱延鋼板
JP2009084637A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kobe Steel Ltd 疲労特性及び伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板
CN108526219A (zh) * 2018-04-03 2018-09-14 浙江瑞凯不锈钢有限公司 一种不锈钢钢带的生产工艺其设备
CN112872029A (zh) * 2020-12-29 2021-06-01 山东盛阳金属科技股份有限公司 一种基于纯镍板加热后的轧制方法
CN112872029B (zh) * 2020-12-29 2022-05-17 山东盛阳金属科技股份有限公司 一种基于纯镍板加热后的轧制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3781344B2 (ja) 2006-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4161935B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
KR101424859B1 (ko) 고강도 강판 및 그 제조 방법
CN113166866B (zh) 热轧钢板
KR20120126126A (ko) 가공성이 우수한 고장력 열연 강판 및 그 제조 방법
JPH05179396A (ja) 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP2012122093A (ja) 成形性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP3231204B2 (ja) 疲労特性にすぐれる複合組織鋼板及びその製造方法
JP4205853B2 (ja) バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JP2001303186A (ja) バーリング加工性に優れる複合組織鋼板およびその製造方法
JP3769143B2 (ja) 疲労特性に優れた加工用熱延鋼板およびその製造方法
CN115087756A (zh) 热轧钢板
JP2008266792A (ja) 熱延鋼板
JP3781344B2 (ja) バーリング加工性と疲労特性に優れた熱延鋼板の製造方法
JP7239071B1 (ja) 高強度熱延鋼板及び高強度熱延鋼板の製造方法
JP4923982B2 (ja) 加工後の伸びフランジ特性および伸び特性に優れた高強度熱延鋼板
JP3790357B2 (ja) 疲労特性に優れた加工用熱延鋼板およびその製造方法
JP3831146B2 (ja) 疲労特性に優れた加工用熱延鋼板の製造方法
JP3296591B2 (ja) 低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP3769146B2 (ja) 疲労特性に優れた高バーリング性熱延鋼板およびその製造方法
JP3771747B2 (ja) 疲労特性に優れた加工用熱延鋼板およびその製造方法
JP4205892B2 (ja) プレス成形性と打抜き加工性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法
JPH11199975A (ja) 疲労特性に優れた加工用熱延鋼板およびその製造方法
JP3508657B2 (ja) 延性および伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法
JP3520105B2 (ja) 加工性、耐食性及び低温靭性に優れた高強度熱延薄鋼板及びその製造方法
JP2021147646A (ja) 高強度鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060303

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3781344

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090317

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130317

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140317

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees