JP2001199998A - カルシトニン3,26位誘導体 - Google Patents

カルシトニン3,26位誘導体

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JP2001199998A
JP2001199998A JP2000006855A JP2000006855A JP2001199998A JP 2001199998 A JP2001199998 A JP 2001199998A JP 2000006855 A JP2000006855 A JP 2000006855A JP 2000006855 A JP2000006855 A JP 2000006855A JP 2001199998 A JP2001199998 A JP 2001199998A
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calcitonin
acetyl
nitrogen atom
glucosamine
side chain
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Mizuka Yamazaki
瑞加 山崎
Kazuyoshi Toma
一孔 戸澗
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Asahi Kasei Corp
Noguchi Institute
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Asahi Kasei Corp
Noguchi Institute
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 3位をN−アセチル−D−グルコサミン
が側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン
残基に、かつ、26位をN−アセチル−D−グルコサミ
ンが側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギ
ン残基に置換したカルシトニンまたはエルカトニン誘導
体を提供する。 【効果】 本発明のカルシトニンまたはエルカトニン誘
導体は、血中カルシウム濃度低下作用を有し、医薬の分
野に応用されることが期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なカルシトニ
ン誘導体に関するものである。詳しくは、3位をN−ア
セチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子に
結合しているアスパラギン残基に、かつ、26位をN−
アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子
に結合しているアスパラギン残基に置換したカルシトニ
ンまたはエルカトニン誘導体に関するもので、さらに詳
しくは、3位をN−アセチル−D−グルコサミンが側鎖
アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン残基
に、かつ、26位をN−アセチル−D−グルコサミンが
側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン残
基に置換したウナギ由来カルシトニン誘導体に関するも
のである。本発明は、医薬の分野に応用される。
【0002】
【従来の技術】カルシトニンは、32残基のアミノ酸か
ら成るペプチドホルモンで、哺乳動物のカルシウム調節
ホルモンとして機能し、骨吸収を抑制することから、ヒ
ト、ブタ、サケ、ウナギのカルシトニンもしくはその誘
導体が骨粗鬆症等の治療薬として使用されている。カル
シトニン類は、そのアミノ酸配列から、主にヒトやブタ
に由来するタイプと、サケやウナギに由来するタイプに
大別することが出来、骨吸収抑制能に対応する血中カル
シウム濃度低下作用等の活性では、サケ等に由来するタ
イプのカルシトニン類の活性が高いことが知られてい
る。
【0003】蛋白質の一般的な修飾法として、糖鎖を結
合する手法が考えられる。糖蛋白質や糖脂質のような複
合糖質の糖鎖は、細胞の基質認識、細胞間の認識等に関
わっており、また生体内物質の吸収分解や安定性等に寄
与している。従って、元々糖鎖を持たないカルシトニン
についても、糖鎖を付加することにより、血中での安定
性、吸収代謝の改善や生理活性の向上が期待される。
【0004】カルシトニン類については既に、糖鎖を付
加することにより、安定化や吸収代謝の改善あるいは投
与経路の変更等の効果が期待できるとして、稲津ら[特
開平10−147596(1998)]はウナギ由来カ
ルシトニンの1位から10位までの部分ペプチドの3位
アスパラギン残基の側鎖アミド基の窒素原子にN−アセ
チルグルコサミンがグリコシル化している誘導体、稲津
ら[特開平10−147598号(1998)]はウナ
ギ由来カルシトニンの3位アスパラギン残基の側鎖アミ
ド基の窒素原子にN−アセチル−D−グルコサミンがグ
リコシル化している誘導体、また、羽田ら[特開平10
−147599号(1998)]はウナギ由来カルシト
ニンの3位アスパラギン残基の側鎖アミド基の窒素原子
に複合型糖鎖、高マンノース型糖鎖あるいは混成型糖鎖
が結合している誘導体について報告している。
【0005】しかしながら、依然として、糖鎖の構造、
結合位置、結合数がペプチドの活性に与える影響に関し
ては、不明な部分が多く、カルシトニンについても、ど
のような糖鎖をどのような部位にどれだけ付加すれば、
医薬としてより高い血中安定性、薬理作用を持つように
なるかについては明らかではない。従って、糖鎖による
修飾を用いて、カルシトニン類の活性向上が実現出来れ
ば、カルシトニン誘導体医薬品の開発の重要な手段と成
り得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血中
カルシウム濃度低下作用を有する新規なカルシトニン誘
導体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3位をN
−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原
子に結合しているアスパラギン残基に、かつ、26位を
N−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素
原子に結合しているアスパラギン残基に置換したウナギ
由来カルシトニン誘導体の合成を行い、その血中カルシ
ウム濃度低下作用を測定したところ、ウナギ由来カルシ
トニンより高い活性があることが判明し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、3位をN−アセチル
−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子に結合し
ているアスパラギン残基に、かつ、26位をN−アセチ
ル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子に結合
しているアスパラギン残基に置換したカルシトニンまた
はエルカトニン誘導体、詳しくは、配列表配列番号1で
表される、3位をN−アセチル−D−グルコサミンが側
鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン残基
に、かつ、26位をN−アセチル−D−グルコサミンが
側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン残
基に置換したウナギ由来カルシトニン誘導体に関する。
【0009】以下、ウナギ由来カルシトニンの場合を例
として合成法を記載するが、その他のカルシトニンまた
はエルカトニンにおいても、同様に合成される。3位を
N−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素
原子に結合しているアスパラギン残基に、かつ、26位
をN−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒
素原子に結合しているアスパラギン残基に置換したウナ
ギ由来カルシトニン誘導体の合成はいかなる方法によっ
てもよいが、例えば、3位のアスパラギン残基の側鎖ア
ミド基の窒素原子にN−アセチル−D−グルコサミンを
結合したウナギ由来カルシトニンの合成に用いられた稲
津らの方法[特開平10−147598(1998)]
に準じた方法を用いることも出来るし、豊島ら[ Teshi
ma, T. et al., 25-28, in "Peptide Chemistry 1996",
Kitada, C. (ed.),Protein Research Foundation, Osa
ka (1997) ]の開発した方法に従い、側鎖アミド基の窒
素原子にN−アセチル−D−グルコサミンを結合したア
スパラギンを適当に保護して、固相法Bocストラテジ
ーを用いて合成することも可能である。その精製、分析
に関しては、通常のペプチドの精製、分析に用いられる
手法を利用することが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、以下の実施例では、ウナギ由来カルシトニンをC
T、配列表配列番号2の誘導体をN26−CT、配列表
配列番号1の誘導体をGN3,26−CTと、略記す
る。
【0011】
【参考例1】N26−CTの合成 N26−CTは、通常の固相法により合成を行った。H
PLC[ODS(YMC Pak ODS−AM、φ
4.6×150mm)、展開溶媒0.1%トリフルオロ
酢酸/20%〜70%(25分)アセトニトリル水溶
液、流速1.0ml/分、温度25℃]で220nmの
吸収により分析すると、生成物のN26−CTは、保持
時間15.4分のピークとして検出された。MALDI
−TOFMS分析で、m/z=3414.2([M+
H]+ )に主ピークが認められ、N26−CT(分子式
14624246442、平均分子量3413.9)で
あることが確認できた。 アミノ酸分析値;Asp 2.05(2),Thr
3.77(4),Ser2.70(3),Glu 3.
15(3),Gly 3.00(3),Ala1.03
(1),Val 2.01(2),Leu 5.20
(5),Tyr0.85(1),His 1.02
(1),Lys 2.03(2),NH35.71
(5),Arg 1.00(1),Pro 2.03
(2),Cys1.78(2).
【0012】
【実施例1】GN3,26−CTの合成 GN3,26−CTは、豊島ら[Teshima, T. et al.,
25-28, in "Peptide Chemistry 1996", Kitada, C. (e
d.), Protein Research Foundation, Osaka (1997) ]
の方法に従い、固相法Bocストラテジーによって合成
した。 HPLC[ODS(YMC Pak ODS−AM、φ
4.6×150mm)、展開溶媒0.1%トリフルオロ
酢酸/20%〜70%(25分)アセトニトリル水溶
液、流速1.0ml/分、温度50℃]で220nmの
吸収により分析すると、生成物のGN3,26−CT
は、保持時間13.4分のピークとして検出された。M
ALDI−TOFMS分析で、m/z=3820.4
([M+H]+ )に主ピークが認められ、GN3,26
−CT(分子式C16226856462、平均分子量3
620.3)であることが確認できた。 アミノ酸分析値;Asp 1.97(2),Thr
3.72(4),Ser2.64(3),Glu 3.
12(3),Gly 2.94(3),Ala1.05
(1),Val 1.98(2),Leu 5.39
(5),Tyr1.33(1),His 1.00
(1),Lys 1.98(2),NH36.40
(5),Arg 1.00(1),Pro 1.99
(2),Cys1.80(2).
【0013】
【実施例2】血中カルシウム濃度低下活性測定 [特開平7−228600号(1995)]の試験例に
記載の方法に従って、以下のように被験物質として参考
例1および実施例1で製造した物質およびCTの、活性
を測定した。体重90〜110gの健康な S.D.系
雄性ラットを用いた。ラットを4群に分け各群10匹と
し、次に示すようにエルカトニン標準品(旭化成工業
(株)社製)及び被験物質を静脈内に0.2ml投与し
た。 第1群 標準品高用量(3.6pmol/ml) 第2群 標準品低用量(1.8pmol/ml) 第3群 被験物質高用量(3.6pmol/ml) 第4群 被験物質低用量(1.8pmol/ml) 投与1時間後に、各試験動物より、採血し、血清を分離
した。原子吸光度法により血清カルシウム濃度を測定し
た。各群の血清カルシウム濃度を用いて、平行線検定法
により標準品に対する被験物質の相対力価を求めた。そ
の力価を、CTの力価で割って活性比を求め、下記表
(表1)にまとめた。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明は、血中カルシウム濃度低下作用
を有する新規なカルシトニン誘導体を提供する。本発明
は、医薬の分野に応用されることが期待される。
【0016】
【配列表】
<110> Asahi Chemical Industry Co.,Ltd.; The Noguchi Institute <120> カルシトニン3,26位誘導体 <130> X11-1241 <160> 2 <210> 1 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> 26位アスパラギン酸残基をアスパラギン残基に置換したウナギ(Anguill a japonica)由来カルシトニン誘導体。 <220> <221> DISULFID <222> 1, 7 <220> <221> CARBOHYD <222> 3 <223> N−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子に結合してい る。 <220> <221> CARBOHYD <222> 26 <223> N−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原子に結合してい る。 <220> <221> AMIDATION <222> 32 <400> 1 Cys Ser Asn Leu Ser Thr Cys Val Leu Gly Lys Leu Ser Gln Glu Leu 1 5 10 15 His Lys Leu Gln Thr Tyr Pro Arg Thr Asn Val Gly Ala Gly Thr Pro 20 25 30 <210> 2 <211> 32 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> 26位アスパラギン酸残基をアスパラギン残基に置換したウナギ(Anguill a japonica)由来カルシトニン誘導体。 <220> <221> DISULFID <222> 1, 7 <220> <221> AMIDATION <222> 32 <400> 1 Cys Ser Asn Leu Ser Thr Cys Val Leu Gly Lys Leu Ser Gln Glu Leu 1 5 10 15 His Lys Leu Gln Thr Tyr Pro Arg Thr Asn Val Gly Ala Gly Thr Pro 20 25 30
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C084 AA07 BA01 BA08 BA19 BA34 CA59 DB31 NA03 NA05 ZA962 ZA972 ZC212 4H045 AA10 BA18 CA52 DA36 EA27 FA33 HA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3位をN−アセチル−D−グルコサミン
    が側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギン
    残基に、かつ、26位をN−アセチル−D−グルコサミ
    ンが側鎖アミド基の窒素原子に結合しているアスパラギ
    ン残基に置換したカルシトニンまたはエルカトニン誘導
    体。
  2. 【請求項2】 配列表配列番号1で表される、3位をN
    −アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素原
    子に結合しているアスパラギン残基に、かつ、26位を
    N−アセチル−D−グルコサミンが側鎖アミド基の窒素
    原子に結合しているアスパラギン残基に置換したウナギ
    由来カルシトニン誘導体。
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