JP2001199315A - 中空糸分離膜を用いて乾燥窒素をタイヤへ充填する方法 - Google Patents

中空糸分離膜を用いて乾燥窒素をタイヤへ充填する方法

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JP2001199315A JP2000330343A JP2000330343A JP2001199315A JP 2001199315 A JP2001199315 A JP 2001199315A JP 2000330343 A JP2000330343 A JP 2000330343A JP 2000330343 A JP2000330343 A JP 2000330343A JP 2001199315 A JP2001199315 A JP 2001199315A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、特定の中空糸分離膜を用いた簡便で
小型で耐久性のある装置により、一般向けで簡単かつ経
済的に自動車用タイヤに乾燥窒素を充填する方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】空気を圧縮して中空糸分離膜の内側に供給
する方法において、中空糸分離膜が、非対称構造を有す
るガラス状高分子からなり、1.2MPa以上の耐圧性
をもち、内径が100μm以上で肉厚が150μm以下
であり、圧力損失が0.1MPa以下であることによっ
て、簡便で小型で耐久性のある装置により、水分含量が
0.01mol%以下、純度97mol%以上好ましく
は純度98mol%以上の乾燥窒素を、一般向けで簡単
かつ経済的に自動車用タイヤに充填することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸分離膜によ
って乾燥窒素を発生させ自動車用タイヤに充填する方法
に関し、特定の中空糸分離膜を用いた簡便で小型で耐久
性のある装置により、一般向けで簡単かつ経済的に自動
車用タイヤに乾燥窒素を充填する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の自動車用タイヤは、空気を充填し
た空気入りタイヤが用いられている。空気入りタイヤで
は、タイヤ圧はタイヤの走行性や強度保持などのタイヤ
性能を発揮しタイヤ寿命を確保するために重要であるの
で、車種、タイヤサイズ、荷重や走行速度などの使用条
件ごとに適正なタイヤ圧が規定されている。また、ユー
ザーは空気漏れに対応して適宜空気を補充しながら使用
している。
【0003】ところで、タイヤに空気を充填した場合に
は次の様な問題がある。即ち、空気中の酸素は窒素など
の不活性ガスに比べ洩れ速度が高く内圧保持性が劣る。
また、空気中の酸素はタイヤ構造内を透過するときタイ
ヤを構成している有機材料の酸化劣化を促進する。ま
た、空気中に含まれている水分はタイヤ構造内を透過し
てタイヤに用いられているレーヨン、ポリエステル、ナ
イロンなどの補強用コードを加水分解し強度劣化を引き
起こす。更に、特開平10−250311号公報及び特
開平10−258603号公報に開示されているところ
によれば、スチールラジアルタイヤでは、酸素と水分の
相互作用はスチールコードの耐腐食性やスチールコード
とゴムとの接着性を低下させる。
【0004】このため、より安全な走行性を確保しなが
ら燃費やタイヤ寿命の向上を目指して、自動車用タイヤ
に窒素とりわけ乾燥窒素を充填することが検討されてお
り、通常の自動車用タイヤに容易に適用できる、より一
般向けの簡単かつ経済的な乾燥窒素の充填方法が求めら
れている。
【0005】窒素を供給する手段としては、液体窒素又
は窒素ボンベを用いる方法があるが、液体窒素を用いる
方法は貯蔵や気化のための大型設備が必要であり、窒素
ボンベを用いる方法は高圧ボンベの搬入や搬出、保管が
必要になり安全性への配慮も要求されるので、一般向け
に使用できるものではない。また、これらの方法で窒素
を供給すると費用を無視できなくなる。この他に、PS
A法(Pressure Swing Adsorpt
ion法)でも窒素を供給できるが、装置が複雑で高価
である上、メンテナンスが煩雑である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な状況に鑑みてなされたものであり、特定の中空糸分離
膜を用いた簡便で小型で耐久性のある装置により、一般
向けで簡単かつ経済的に自動車用タイヤに乾燥窒素を充
填する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、空気を一
般的なコンプレッサー等により圧縮し特定の中空糸分離
膜からなる簡単な装置に供給することによって、自動車
用タイヤへの充填に必要な圧力や流量を持つ乾燥窒素を
容易にかつ経済的に得ることが出来ることを見出して、
本発明に至った。
【0008】即ち、本発明の方法は、空気を圧縮して、
酸素と水分を選択的に透過する中空糸分離膜の内側に供
給し、水分含有量0.01mol%以下、純度97mo
l%以上好ましくは純度98mol%以上の乾燥窒素を
高圧で発生させて自動車用タイヤに充填する方法におい
て、 (a)中空糸分離膜が圧力1.2MPa(ゲージ圧、以
下同じ)以上の乾燥窒素を生成し得る耐圧性を有する (b)中空糸分離膜の内径が100μm以上で、且つ、
肉厚が150μm以下である (c)中空糸分離膜での圧力損失が0.1MPa以下で
ある (d)中空糸分離膜が一体型の非対称構造を有するガラ
ス状高分子膜であることを特徴とする高圧の乾燥窒素を
自動車用タイヤに充填する方法であり、また、中空糸分
離膜が圧力1.4MPa以上の乾燥窒素を生成し得る耐
圧性を有することを特徴とする前記の方法であり、更
に、中空糸分離膜が一体型の非対称構造を有するポリイ
ミド膜であることを特徴とする前記の方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、空気を圧縮して特定の中空糸分離膜へ供給
し、得られる水分含量0.01mol%以下、純度97
mol%以上好ましくは純度98mol%以上の乾燥窒
素をそのままタイヤへ圧入する方法である。窒素の純度
は高いほど好ましいが、水分含量0.01mol%以
下、純度97mol%以上好ましくは純度98mol%
以上の乾燥窒素をタイヤへ充填すればタイヤの内圧保持
性やタイヤ寿命の向上において純粋な窒素を充填したと
きと同等の効果を得ることが出来る。充填窒素が水分含
量0.01mol%以上、あるいは、純度が98mol
%以下特に97mol%以下になると、タイヤの内圧保
持性やタイヤの寿命向上において十分な効果を得ること
が出来なくなる。
【0010】自動車のタイヤ圧は、車種、タイヤサイ
ズ、荷重や速度などの使用条件ごとに適正なタイヤ圧が
規定されており、バス、トラックでは0.9MPa程度
であり、大荷重の大型トラックなどでは1.2MPa程
度である。従って、乗用車から大型トラックまでの通常
の各種の自動車に、中空糸分離膜で得られた乾燥窒素を
そのまま圧入するためには、中空糸分離膜が少なくとも
1.2MPa以上の圧力の乾燥窒素を生成し得るもので
なくてはならず、圧入時間や圧入の容易さを考慮する
と、中空糸分離膜が1.4MPa以上の圧力の乾燥窒素
を生成し得るものがより好ましい。生成する乾燥窒素の
圧力が1.2MPaよりも低いと、乾燥窒素を充填出来
る自動車が限定されるので、現在各種の自動車のタイヤ
圧の補充が実施されている例えばガソリンスタンドや自
動車整備工場では甚だ不便なものになる。
【0011】空気を圧縮する方法は特に限定はないが、
一般的なコンプレッサーを用いることが出来る。
【0012】圧縮空気は中空糸分離膜の内部へ供給され
る。中空糸分離膜を用いて空気から酸素や水分を分離す
る場合、空気を中空糸分離膜の外側へ供給する方法と中
空糸分離膜の内側へ供給する方法がある。中空糸分離膜
の外側へ供給する方法は、耐圧性が高くなる長所がある
がショートパスなどのために分離効率が低く、効率よく
高純度窒素を生成するのに適さない。一方、中空糸分離
膜の内側へ供給する方法は、分離膜の性能を効率良く発
揮させることが出来るので水分含量0.01mol%以
下、純度97mol%以上好ましくは純度98mol%
以上の高純度の窒素を効率良く生成させるのに好適であ
る。
【0013】しかしながら、中空糸分離膜の内側へ空気
を供給した場合には、供給圧によって膜が破損したり性
能劣化し易いという耐圧性において短所がある。このた
め、中空糸分離膜内部へ空気を供給して高純度の窒素を
高圧で得るには、中空糸分離膜の耐圧性を高くする必要
ある。
【0014】中空糸分離膜の耐圧性を高める方法の一つ
は、中空糸の内径を小さくして肉厚を厚くすることであ
る。しかし、内径を小さくすると中空糸膜での圧力損失
が極めて大きくなり、得られる乾燥窒素の圧力は供給圧
に比べて大きく減圧されるので、要求される圧力の乾燥
窒素を得るために供給圧力を更に高くしなければならな
くなり、結果として極めて非効率で非実用的な方法にな
る。
【0015】本発明で使用する装置に適用する中空糸分
離膜の内径は100μm以上で400μm以下である。
内径が100μm以上であれば圧力損失を0.1MPa
以下にすることが容易になる。これによって、供給圧力
と得られる乾燥窒素の圧力がほぼ同じになり、極めて効
率良く乾燥窒素を得ることが出来るし、過剰な圧力を加
えなくて済むので膜の寿命を延ばすうえでも有用にな
る。中空糸分離膜における圧力損失が0.1MPa以下
であることは、本特許の特徴のひとつを構成するもので
ある。
【0016】内径が400μmを超えると、必要とされ
る耐圧性を持たせるために肉厚を厚くする必要が生じ
る。肉厚を厚くすると、膜を透過する酸素や水分の透過
速度が低下するので効率的な分離とはならない。更に、
モジュールにしたときに容器内に充填出来る中空糸分離
膜の本数が少なくなるのでモジュール容積当りでの有効
膜面積が少なくなり乾燥窒素の生成量が減少する。
【0017】本発明で使用する装置に適用する中空糸分
離膜の肉厚は50μm以上で150μm以下である。中
空糸分離膜の製造工程において、肉厚を50μmより小
さくしようとすると膜厚を均一にすることが難しく、変
形(断面が偏平化など)を生じ易くなり膜のガス透過速
度の安定性が欠けてくる。また同時に、膜の耐圧性が不
足するので高圧の乾燥窒素を長期的に安定して得ること
が難しくなる。肉厚が150μmを超えると、前記のと
おり、透過速度が低くなり効率的な分離が出来なくな
る。また、膜の製造工程においても安定した製膜が困難
でポイドや変形(断面が偏平化など)を生じて膜の性能
や寿命を低下させることになる。
【0018】本発明で使用する装置に適用する中空糸分
離膜は、常温においてガラス状態の高分子材料からなる
一体型の非対称構造を有する分離膜である。ゴム状高分
子膜では機械的強度もガス分離性能(分離度)も低いた
め不適当である。ガラス状高分子は機械的強度が高いの
で耐圧性が高い膜になるし、ガス分離性能(分離度)に
おいても優れている。膜の構造は、分離効率が高い薄い
分離層(スキン層)と膜の耐圧機能を果たす多孔質層
(支持層)からなる非対称膜が好適であり、特に分離層
と支持層が一体構造である一体型の非対称膜が好適であ
る。非対称構造であっても分離層と多孔質層を別々の材
料で構成した複合膜は、安定して均一な性能の膜を製造
することが難しいし、両層の膨張係数などの物理的性質
が異なることから両層間の接着性が不充分になり易く十
分な耐圧性を得ることが難しいので好適ではない。ま
た、本発明における中空糸分離膜は、常温において酸素
透過速度P’O2>5.0×10-5Ncc/cm2・se
c・cmHgであり、P’O2/P’N2>4.5、P’
H2O/P’N2>50のガス分離性能を有する中空糸分離
膜であることが好ましい。この様なガス分離性能を有す
れば小型装置で水分含量0.01mol%以下、純度9
7mol%好ましくは純度98mol%以上の乾燥窒素
を効率良く生成することが可能になる。ガス分離性能が
前記の条件を満たさない場合には、小型装置で水分含量
0.01mol%以下、純度97mol%好ましくは純
度98mol%以上の乾燥窒素を効率良く生成すること
が困難になる。仮に、水分含量0.01mol%以下、
純度97mol%好ましくは純度98mol%以上の乾
燥窒素を生成させようとすると、得られる流量は非常に
小さくなるので、タイヤへ充填するための充分な流量の
乾燥窒素を得るためには装置を大型化する必要が生じ
る。必要とする乾燥窒素の流量は、バス、トラック、大
型トラックを考慮した場合には、5Nm/h以上が好ま
しく、更に、7Nm/h以上が特に好ましい。
【0019】本発明におけるガラス状高分子としては、
ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリスルフォ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド、及び、これらを変
性してなる高分子であり、特に好ましくは、機械的強度
及び分離性能において特に優れるポリイミドである。
【0020】本発明で使用する装置に適用する一体型の
非対称構造を有する中空糸分離膜は、Loebらが提案
した、例えば米国特許3,133,132号公報にある
ように、ガラス状高分子を溶液状態にし、紡糸口金から
押し出した中空糸状体を空気あるいは窒素浴空間の後で
凝固浴に浸漬する、いわゆる乾湿式法を用いて好適に製
造することが出来る。
【0021】本発明における中空糸分離膜は、通常の分
離膜モジュールに形成されて用いられる。特に限定され
るものではないが、本発明で使用する装置に適用する分
離膜モジュールを概念図(図1)によって説明する。即
ち、中空糸分離膜5は中空糸束に束ねられ両端部を開口
状態でエポキシ樹脂製の管板4で保持され、圧縮空気導
入口1、透過ガス排出口3、未透過ガス排出口2を持つ
アルミニウム製の筒状容器6に収容されている。管板4
と容器6の間は接着されているかO−リングなどにより
加えられた圧力に対し充分な接着性や密閉性を与えられ
る。圧縮空気導入口1から導入された圧縮空気は、中空
糸束の一方の開口部から中空糸分離膜5内部へ入り、中
空糸分離膜内5を流れる間に水分や酸素が中空糸分離膜
5を透過し、未透過分は乾燥窒素になって中空糸束の他
方の開口部から出て未透過ガス排出口2から排出する。
中空糸分離膜5を透過した水分や酸素は中空糸の外側の
空間に出てその空間に配置されている透過ガス排出口3
から排出する。
【0022】特に限定されるものではないが、本発明で
使用する中空糸分離膜モジュールを用いてタイヤへ乾燥
窒素を充填する装置について概念図(図2)よって説明
する。中空糸分離膜モジュール11はコンプレッサー7
と接続されるが、コンプレッサー7と中空糸分離膜モジ
ュール11の間にはエアーフィルター8やミストセパレ
ーター9が配置され、空気に浮遊している塵埃やコンプ
レッサーで発生するミストが除去される。また、中空糸
分離膜モジュール11の前には減圧弁10が配置されて
所望の圧力に制御される。中空糸分離膜モジュール11
で生成した高圧の乾燥空気は、通常のタイヤ充填に用い
られる開閉機構を備えたタイヤ充填用ノズル15へ高圧
チューブ14で接続されて直接タイヤへ充填することが
出来る。ガソリンスタンドや自動車整備工場などで用い
る場合には、コンプレッサーやタイヤ充填用ノズルなど
は既存の設備を用いることが出来る。
【0023】
【実施例】次に、本発明で使用する装置に適用する中空
糸分離膜の製造方法と、その中空糸分離膜を用いて自動
車用タイヤへ充填する乾燥窒素を高圧で発生させる方法
について具体的に説明する。尚、本発明は以下の具体例
に限定されるものではない。
【0024】(ポリイミド溶液の調製)3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(S−BP
DAと略記することもある)1.64kg、2,2’−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン二無水物(6FDAと略記することもある)
2.2kg、ピロメリット酸二無水物(PMDAと略記
することもある)0.41kgと、3,7−ジアミノ−
2,8−ジメチルジフェニレンスルホン(TSNと略記
することもある)1.73kg、2,2’,5,5’−
テトラクロロベンジジン(TCBと略記することもあ
る)2.03kgとをパラクロロフェノール32リット
ルと共に、攪拌機と窒素ガス導入管が付いた反応容器に
いれて、窒素ガスを流通させながら攪拌下に180℃で
16時間重合させ、ポリイミド濃度が17重量%のポリ
イミド溶液を調整した。このポリイミド溶液は100℃
の溶液粘度(回転粘度)が1135ポイズで、ポリイミ
ド溶液中のポリマーの30℃の対数粘度(測定濃度:
0.5g/100ml溶媒、溶媒:パラクロロフェノー
ル4容量部とオルソクロロフェノール1容量部との混合
溶媒)が1.1であった。
【0025】(非対称性中空糸膜の製造)前記調整した
ポリイミド溶液を400メッシュの金網で濾過し、これ
をドープ液とし、中空糸紡糸用ノズルを備えた紡糸装置
を使用して、中空糸紡糸用ノズルからドープ液を中空糸
状に(同時に中空部へ窒素ガスを)所定の吐出速度で吐
出させ、吐出した中空糸状体を窒素雰囲気中に通した
後、一次凝固液(0℃、65重量%のエタノール溶液)
に浸漬し、さらに一対の案内ロールを備えた二次凝固装
置内の二次凝固液(0℃)中で案内ロール間を往復させ
て、中空糸状体を凝固させ、引取りロールで引取りなが
ら(引取り速度15m/分)、紡糸して中空糸膜を得
た。次いでボビンに巻取り、エタノールで洗浄した後、
イソオクタンでエタノールを置換し、中空糸膜を100
℃に加熱してイソオクタンを蒸発させて乾燥し、330
℃で30分間熱処理して非対称性中空糸膜を製造した。
中空糸紡糸用ノズルの寸法や形状、ドープ液の吐出量、
中空部への窒素ガスの吐出量などを調整することによっ
て、11種類の中空糸を製造した。製造した膜の寸法と
膜の形状は表1のとおりである。 表1
【0026】また、これらの中空糸膜の25℃における
ガス透過速度ならびに内耐圧性、破断強度、破断伸度
は、表2のとおりである。この結果から、膜Fは内耐圧
性が不足していること及びP’の変動が大きいことか
ら、また、膜KはP’の変動が大きいため共に工業的に
実用化することは困難であることが判る。 表2 *1)ガス透過速度の測定法 中空糸膜とステンレスパイプとエポキシ系接着剤を使用
して作成した透過性能評価用中空糸エレメントをステン
レス容器に装着して評価用モジュールとする。酸素と窒
素の透過性能は、酸素と窒素の混合ガスを用いて温度5
0℃、圧力10kg/cm2でガス透過試験をおこな
い、ガスクロマトグラフィー分析の測定値から算出し
た。水蒸気の透過性能は、水分を約1500ppm同伴
した窒素ガスを用い、温度50℃、膜を挟んだ差圧5k
g/cm2で中空糸膜に供給し、膜の透過側にアルゴン
ガスを流しながら水蒸気透過試験をおこない、透過ガス
のガスクロマトグラフィー分析の測定値、露点計による
供給ガス、未透過ガス、透過ガスの露点の測定値、さら
に透過ガスの流量から算出した。尚、いずれの場合も長
さの影響がないように評価に用いた中空糸の長さを調整
した。 *2)内耐圧性の測定法 透過性能評価用と同様の評価用モジュールを用いて測定
した。評価用モジュールの中空糸膜の内側に窒素ガスを
測定の圧力(例えば2MPa)で供給し、10分間窒素
ガスの透過速度を測定して変化がなく安定していれば、
その圧力(例えば2MPa)の内耐圧性があると判断し
た。 *3)中空糸の破断強度及び破断伸度の測定法 引張試験機を用い、有効ゲージ長2cm、引張速度10
mm/分で測定した。
【0027】(モジュールの製造)モジュールの製造
は、前記の中空糸分離膜の所定本数を束ねた中空糸束
を、圧縮空気導入口、未透過ガス排出口および透過ガス
排出口を有するアルミニウム製の円筒容器内に挿入し、
中空糸束の両端部をエポキシ樹脂で固定して管板とな
し、不要部分を切削して中空糸の端部を開口させること
によっておこなった。尚、本実施例では、円筒容器の長
さは1mとし、相互の比較のためにモジュール内の分離
膜の有効膜面積が一定(20m2)になるように充填す
る中空糸の本数を調節した。また、円筒容器は中空糸の
容器容積に対する充填率が約40%になる内径のものを
選択した。本実施例で製造されたモジュールについて、
その中空糸束の本数と円筒容器の内径は表3のとおりで
ある。表3
【0028】(モジュールによる乾燥窒素の生成)性能評
価のためのモジュールによる乾燥窒素の生成は概略次の
ようにおこなった。即ち、コンプレッサーで圧縮した空
気は、生成する乾燥窒素の圧力が所定圧になるよう減圧
弁で圧力調整する。この圧力調整された空気は25℃に
温度調節されている水を充填した円筒竪型容器に導入し
てバブリングされ、その空気の温度は約25℃、相対湿
度は約95%になる。この後、ミストセパレータでミス
トが除去され、中空糸分離膜モジュールへ導入される。
モジュールの未透過ガス排出口には流量調節用のバルブ
がついており、未透過ガス(生成する乾燥窒素)の純度
が98mol%になるように調節する。また、未透過ガ
ス排出口とこの流量調節バルブの間には、圧力計が設置
されており、基本的にはこの圧力が所定の圧力(1.3
MPaおよび1.5MPa)になるように、前記の減圧
弁を調整する。膜を透過したガスは透過ガス排出口から
大気中へ排出される。測定した項目は、モジュールへ供
給される原料空気の圧力、流量、未透過ガス(乾燥窒
素)の圧力、流量、酸素濃度、露点(水分含有量)、、
及び、透過ガスの流量であり、更に、供給空気と未透過
ガスの圧力損失を正確に測定するために、これらの配管
の間に差圧計を設けて圧力損失を測定した。
【0029】(実施例1)膜C(内径100μm、外径
200μm、肉厚50μm)を用いたモジュールによっ
て乾燥窒素を発生させた結果は表4のとおりである。 表4
【0030】(実施例2)膜D(内径150μm、外径
350μm、肉厚100μm)を用いたモジュールによ
って乾燥窒素を発生させた結果は表5のとおりである。 表5
【0031】(実施例3)膜G(内径300μm、外径
400μm、肉厚50μm)を用いたモジュールによっ
て乾燥窒素を発生させた結果は表6のとおりである。 表6
【0032】(実施例4)膜H(内径300μm、外径
600μm、肉厚150μm)を用いたモジュールによ
って乾燥窒素を発生させた結果は表7のとおりである。 表7
【0033】(実施例5)膜I(内径400μm、外径
500μm、肉厚50μm)を用いたモジュールによっ
て乾燥窒素を発生させた結果は表8のとおりである。 表8
【0034】(比較例1)膜A(内径50μm、外径1
10μm、肉厚30μm)を用いたモジュールによって
乾燥窒素を発生させた結果は表9のとおりである。圧力
損失が大きく、タイヤ充填のための乾燥窒素を効率良く
生成する実用的な方法には適さないものである。圧力損
失を小さくしようとすると、得られる乾燥窒素の圧力が
低くなる。 表9
【0035】(比較例2)膜B(内径50μm、外径1
50μm、肉厚50μm)を用いたモジュールによって
乾燥窒素を発生させた結果は表10のとおりである。圧
力損失が大きく、タイヤ充填のための乾燥窒素を効率良
く生成する実用的な方法には適さないものである。 表10
【0036】(比較例3)膜E(内径150μm、外径
550μm、肉厚200μm)を用いたモジュールによ
って乾燥窒素を発生させた結果は表11のとおりであ
る。得られる乾燥窒素の流量が小さいので、充分な流量
を得るためには装置の大型化が必要になる。小型装置で
タイヤ充填のための乾燥窒素を生成する実用的な方法に
は適さないものである。 表11
【0037】(比較例4)膜F(内径300μm、外径
360μm、肉厚30μm)は前記表2に示したよう
に、内耐圧性が不足していること、及び、P’の変動が
大きいことから、タイヤ充填のための乾燥窒素を生成す
る実用的な方法には適さないものである。
【0038】(比較例5)膜J(内径400μm、外径
800μm、肉厚200μm)を用いたモジュールによ
って乾燥窒素を発生させた結果は表12のとおりであ
る。得られる乾燥窒素の流量が小さいので、充分な流量
を得るためには装置の大型化が必要になる。小型装置で
タイヤ充填のための乾燥窒素を生成する実用的な方法に
は適さないものである。 表12
【0039】(比較例5)膜K(内径500μm、外径
900μm、肉厚200μm)は前記表2に示したよう
に、P’の変動が大きいことから、タイヤ充填のための
乾燥窒素を生成する実用的な方法には適さないものであ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、特定の
中空糸分離膜からなる分離膜モジュールを用いた装置に
よって、自動車用タイヤへ乾燥窒素を充填する方法を提
供するものである。本方法に従えば、簡便で小型で耐久
性がある装置によって、空気から圧力損失が極めて少な
く、即ち大変経済的に高圧の乾燥窒素を生成することが
出来る。また、同一装置で生成した乾燥窒素によって、
乗用車から大型トラックまでの通常の自動車用タイヤ
に、そのまま圧入することが出来るので、ガソリンスタ
ンドや自動車整備工場などの一般的な使用において極め
て便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する装置に適用する中空糸分離膜
モジュールの概念図である。
【図2】本発明で使用する中空糸分離膜モジュールを用
いてタイヤへ乾燥窒素を充填する装置についての概念図
である。
【符号の説明】
1 圧縮空気導入口 2 未透過ガス排出口 3 透過ガス排出口 4 エポキシ樹脂管板 5 中空糸分離膜 6 アルミニウム製容器 7 コンプレッサー 8 エアフィルター 9 ミストフィルター 10 減圧弁 11 中空糸分離膜モジュール 12 圧力計 13 流量調節弁 14 高圧チューブ 15 タイヤ充填用ノズル
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/64 B01D 71/64

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を圧縮して、酸素と水分を選択的に透
    過する中空糸分離膜の内側に供給し、水分含有量0.0
    1mol%以下、純度97mol%以上の乾燥窒素を高
    圧で発生させて自動車用タイヤに充填する方法におい
    て、 (a)中空糸分離膜が圧力1.2MPa(ゲージ圧、以
    下同じ)以上の乾燥窒素を生成し得る耐圧性を有する (b)中空糸分離膜の内径が100μm以上で、且つ、
    肉厚が150μm以下である (c)中空糸分離膜での圧力損失が0.1MPa以下で
    ある (d)中空糸分離膜が一体型の非対称構造を有するガラ
    ス状高分子膜であることを特徴とする高圧の乾燥窒素を
    自動車用タイヤに充填する方法。
  2. 【請求項2】発生させる乾燥窒素が純度98mol%以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】中空糸分離膜が圧力1.4MPa以上の乾
    燥窒素を生成し得る耐圧性を有することを特徴とする請
    求項1〜2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】中空糸分離膜が一体型の非対称構造を有す
    るポリイミド膜であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の方法。
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