JP2001198838A - 精密加工用砥石 - Google Patents

精密加工用砥石

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JP2001198838A JP2000010892A JP2000010892A JP2001198838A JP 2001198838 A JP2001198838 A JP 2001198838A JP 2000010892 A JP2000010892 A JP 2000010892A JP 2000010892 A JP2000010892 A JP 2000010892A JP 2001198838 A JP2001198838 A JP 2001198838A
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Noboru Kinoshita
暢 木下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研摩スラリーを用いることなく環境への負
荷が小さい固定砥粒加工に用いることができ、従来の固
定砥粒加工に用いられる加工砥石に比べて、加工速度と
加工精度に優れ、しかも砥石損耗が少ない精密加工用砥
石を提供することを課題とする。 【解決手段】 砥粒と樹脂から形成された精密加工用
砥石であって、この精密加工用砥石の加工面部の縦断面
構造は、砥粒を高含有率で含有する砥粒層と、砥粒を前
記砥粒層よりも低含有率で含有する樹脂層とが、加工面
との交差方向に層をなすように交互に配置された多層構
造をなし、加工面上に、前記砥粒層と前記樹脂層とが縞
模様状に露出していることを特徴とするように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種結晶ウエハ
ー、半導体デバイスウエハー、各種ガラス部材、各種金
属部材、各種粉末冶金部材、および各種高分子部材等の
被加工物の表面を研摩スラリを用いることなく研削また
は研摩することにより精密加工することができる精密加
工用砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の各種結晶ウエハー、半導体デバイ
スウエハー、各種ガラス部材、各種金属部材、各種粉末
冶金部材、および各種高分子部材等の被加工物の表面に
対する精密な研削加工方法または研摩加工方法として
は、一定荷重の圧力が負荷された被加工物を、回転定盤
上に固定された研摩パッド上に設置し、被加工物も回転
させながら、各種砥粒を水等の溶媒中に分散あるいは懸
濁させた研摩スラリーを前記研摩パッドと前記被加工物
との間に供給しながら精密加工を行う方法(ラッピング
加工方法、鏡面加工方法)が一般的であった。しかし、
このような精密加工方法では、加工時に消費される研摩
スラリー量は膨大であり、その廃研摩スラリーの処理コ
ストも嵩み、しかも環境への負荷が大きいという問題点
があった。そのため、各種被加工物の精密加工におい
て、研摩スラリーを使用しない方法として、各種砥粒を
樹脂等で固定した砥石を用いて精密加工する、所謂固定
砥粒方式の精密加工方法が提案されている。そして、こ
の提案における精密加工用砥石は、熱可塑性あるいは熱
硬化性の樹脂(結合ボンド材)と砥粒とを混合し、砥石
状に加圧成型して作製されたものであるために、良好な
加工速度を得るためには、砥石中の砥粒率を上げ、結合
ボンド率を下げる必要があった。
【0003】〔問題点〕しかしながら、従来の固定砥粒
方式の精密加工方法に用いられる砥石は、砥粒率を上
げ、結合ボンド率を下げると、砥粒の脱粒が生じやすく
なり、加工速度は向上するものの、砥石の機械的強度が
低下し、加工中に砥石が破損し易く、また、加工中の砥
石の損耗が早く、砥石の平面形状が崩れやすいため、被
加工物の加工精度を上げられず、砥粒を結合ボンドと混
合したタイプの砥石では加工性能を向上させるのに限界
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点に鑑みて成されたものであり、その
解決のため具体的に設定した技術的な課題は、研摩スラ
リーを用いることなく環境への負荷が小さい固定砥粒加
工に用いることができ、従来の固定砥粒加工に用いられ
る加工砥石に比べて、加工速度と加工精度に優れ、しか
も砥石損耗が少ない精密加工用砥石を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を効果的に解決
できるよう具体的に構成された手段としての、本発明に
おける請求項1に係る精密加工用砥石は、砥粒と樹脂か
ら形成された精密加工用砥石であって、この精密加工用
砥石の加工面部の縦断面構造は、砥粒を高含有率で含有
する砥粒層と、砥粒を前記砥粒層よりも低含有率で含有
する樹脂層とが、加工面との交差方向に層をなすように
交互に配置された多層構造をなし、加工面上に、前記砥
粒層と前記樹脂層とが縞模様状に露出していることを特
徴とするものである。また、請求項2に係る精密加工用
砥石は、加工面上における前記砥粒層の厚みが 1〜200
μmであることを特徴とする。また、請求項3に係る精
密加工用砥石は、前記砥粒層の砥粒率は 70 重量%以上
であることを特徴とする。更にまた、請求項4に係る精
密加工用砥石は、加工面上における前記樹脂層の厚みが
10 〜 200μmであることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
につき詳細に説明する。なお、この実施の形態は、発明
の主旨をより良く理解させるため具体的に説明するもの
であり、特に指定のない限り、発明内容を限定するもの
でない。
【0007】この実施の形態に係る精密加工用砥石の加
工面部5は、その縦断面構造が、図1に示されるよう
に、砥粒1を高含有率で含有する多数個の砥粒層2,
2,……,2と、砥粒1を前記砥粒層2,2,……,2
よりも低含有率で含有するか又は砥粒1を含有していな
い多数個の樹脂層3,3,……,3とを、加工面との交
差方向に各層の層間を向けて交互に配置することにより
積層化した多層構造を有し、被加工物との接触面、即
ち、加工面4上には、前記砥粒層2,2,……,2の端
面と前記樹脂層3,3,……,3の端面とが交互に縞模
様状に露出するように構成されている。
【0008】そして、砥粒層2,2,……,2における
砥粒1は、結合ボンドで固定されていても、固定されて
いなくてもよい。砥粒1を、結合ボンド材で樹脂層3,
3,……,3間に固定する場合には、従来の結合ボンド
材、例えば、ポリビニルアルコール系、セルロース系、
アクリル系、ナイロン系、ポリビニルブチラール系、酢
酸ビニル系、フッ素系等の熱可塑性結合ボンド材や、フ
ェノール系、エポキシ系、シリコーン系、ポリウレタン
系メラミン系、アルキド系等の熱硬化性結合ボンド材を
例示することができる。そして、これら結合ボンド材
は、配合する量が多すぎると加工速度の低下を招くので
好ましくなく、結合ボンド率としては 30 重量%以下、
即ち砥粒率は 70重量%以上とするのが好ましい。
【0009】前記砥粒層2,2,……,2の厚みは、 1
〜200 μmが好ましい。前記砥粒層2,2,……,2の
厚みが 1μmを下回ると加工速度が低下して実用性に欠
け、一方 200μmを越えると前記砥粒層2,2,……,
2からの脱粒速度が大きくなるため砥石の損耗が速くな
り好ましくない。
【0010】前記樹脂層3,3,……,3の厚みは、 1
0 〜 200μmが好ましい。前記樹脂層3,3,……,3
の厚みが 10 μmを下回ると、砥石としての機械的強度
が低下して取り扱い時に破損したり、加工中の砥石形状
保持性も低下して被加工物の精密な形状制御(例えば、
平坦度、平面度等)が困難となる。一方、前記樹脂層
3,3,……,3の厚みが 200μmを上回ると、加工速
度が低下して実用性に欠ける。また、前記樹脂層3,
3,……,3は、前記精密加工用砥石が下記に詳述する
製造方法により好適に作製されるため、樹脂製シートで
形成されていることが好ましい。
【0011】以下、この実施の形態に係る精密加工用砥
石を、ラッピング加工に用いるラッピング加工用砥石と
鏡面研摩加工に用いる鏡面加工用砥石に分けて説明す
る。
【0012】「ラッピング加工用砥石」ラッピングに用
いられる砥石には、比較的高い加工速度が要求されるた
め、砥粒1としては被加工物よりも硬質な砥粒、例えば
ダイヤモンド砥粒、ジルコニア砥粒、炭化珪素砥粒、ア
ルミナ砥粒が好適に用いられる。これらの硬質砥粒の粒
径は 0.1〜 10 μmが好ましい。硬質砥粒の粒径が 0.1
μmを下回るとラッピング速度が遅く実用的でないので
好ましくなく、一方、10μmを上回るとラッピング後の
表面粗さが著しく悪くなり、ラッピング後の研摩加工が
できにくくなるという不具合が生じるので好ましくな
い。
【0013】前記樹脂製シートの材質は何ら制限される
ものではなく、例えば、セロハン、ポリエチレン、エチ
レン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコー
ル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリメチルメ
タアクリレート、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアクリロニトリル、フッ素
系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を例示することができ
る。また、前記の樹脂製シート内に砥粒1を、砥粒層2
の砥粒率よりも低砥粒率となるよう予め含有させた樹脂
製シートを用いることも可能である。
【0014】「鏡面研摩用砥石」鏡面研摩用砥石に用い
る砥粒1としては、機械的な作用によって鏡面研摩を行
う場合には、例えばダイヤモンド砥粒、ジルコニア砥
粒、炭化珪素砥粒、アルミナ砥粒等、被加工物よりも硬
質な砥粒が用いられ、また、メカノケミカル的な作用に
よって鏡面研摩を行う場合には、例えば酸化珪素砥粒、
酸化セリウム砥粒、酸化クロム砥粒、酸化マンガン砥
粒、酸化鉄砥粒、炭酸バリウム砥粒、炭酸カルシウム砥
粒、塩基性炭酸マグネシウム砥粒等、被加工物よりも軟
質の砥粒を用いる。
【0015】前記の硬質な砥粒の粒径は 10 μm以下が
好ましく、 0.1μm以下がより好ましい。砥粒の粒径が
10 μmを越えると、目的とする表面粗さ、即ち鏡面が
得られないばかりでなく、被加工物表面にスクラッチ傷
が入りやすくなる。また、前記の軟質な砥粒の粒径は特
に制限されず、通常、 10 μm程度以下のものがより良
好な表面粗さ、即ち鏡面が得られるので好ましい。
【0016】前記樹脂製シートは、研摩時に樹脂製シー
トにより被加工物表面にスクラッチ傷が入らないよう、
被加工物の硬さを考慮して適宜選定する。例えば、前記
樹脂製シートのうち、引っ張り強さが 20 kgf/mm
2 を超えるような2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム等は不適である。また、水、油等の加工液に溶
解性を有する樹脂製シートが好適に使用され、例えば、
加工液が水の場合には、ポリビニルアルコール系の樹脂
製シートが好適に使用される。
【0017】この実施の形態に係る精密加工用砥石は、
例えば、次のようにして製造することができる。即ち、
前記樹脂製シート上に、予め前記砥粒1と結合ボンド材
とを水や有機溶媒に分散あるいは懸濁したスラリーを、
ドクターブレード、バーコート、ロールコート装置等を
用いて適宜の厚み、即ち、砥石完成後における前記樹脂
層の厚みで好ましくは 10 〜 200μmとなるよう塗布
し、ロール状に巻き取った後、加熱処理等を加えて前記
樹脂製シートと前記砥粒1とを一体、固化し、そして、
必要に応じて、輪切り裁断する。前記加熱処理の具体的
条件は、用いる結合ボンド材と樹脂製シートにより相違
するので、適宜、予め予備実験的に定めるのがよい。
【0018】次いで、前記の精密加工用砥石を用いた精
密加工方法について説明する。被加工物は特に制限され
るものでなく、例えばシリコン、ガリウム砒素、水晶等
の単結晶ウエハー、半導体デバイスにおける素子分離
膜、絶縁膜あるいは金属配線部、LCDガラス等の各種
ガラス製品、ICカードや高密度実装用の半導体デバイ
ス、磁気ヘッドやハードデイスク等の金属製品、スパッ
タリングターゲット材等の粉末冶金部材等を例示するこ
とができる。
【0019】精密加工の方法としては、回転定盤や回転
棒等の回転体上に前記の精密加工用砥石を取り付けて、
被加工物を砥石に一定圧力で加圧しながら加工する。平
坦回転定盤に前記の精密加工用砥石を取り付けて被加工
物の平坦化加工を行う場合には、回転定盤と前記加工用
砥石との間に研摩クロスのような弾性体を介在させる
と、被加工物の面うねりを吸収できるので好適である。
また、前記の砥石と被加工物との間に、必要に応じて加
工液を供給させながら加工してもい。前記加工液として
は、例えば、水、HCl、HNO3 、FeCl 3 等の無
機酸性成分や酢酸、ギ酸等の有機酸性成分、過酸化水素
水等の酸化性成分を含む水、KOH、NaOH、NH3
等の無機アルカリ成分や有機アミン等の有機アルカリ成
分を含む水等が使用される。
【0020】〔作用効果〕本発明の精密加工用砥石によ
れば、優れた加工速度と加工精度とを発揮し得る理由は
必ずしも明確でないが、以下のように考えられる。即
ち、前記の精密加工用砥石では、図1に示す構造を有し
ているために、前記砥粒1は前記砥粒層2,2,……,
2内に結合ボンド材を用いることなく、又は少量の結合
ボンド材でもって固定されているため、精密加工用砥石
としての機械的性質は、前記樹脂層3,3,……,3の
材質やその厚みが適宜調整されたことにより、加工速度
および砥石の機械的性質の両特性に優れた精密加工用砥
石となる。
【0021】また、脱粒した前記砥粒1は精密加工中の
転動時に前記樹脂層(樹脂製シート端部)で抵抗を受け
るため、前記樹脂層(樹脂製シート端部)に前記砥粒1
が一時的に保持されることにより、研摩パッドと研摩ス
ラリーとを用いた研摩加工時と同様な作用が前記砥粒1
と被加工物に働くことにより、従来の砥石よりも効果的
に被加工物へ加工圧力を伝搬させることができるので効
率的な加工が進行する。更に、この精密加工用砥石で
は、砥粒を含んだ加工スラリーを用いることなく精密加
工を行うことができるため、量産性にも優れ、加工精度
も高く、また環境負荷も小さい精密加工用砥石となる。
【0022】
【実施例】以下、実施例と比較例とを掲げて一層具体的
に説明する。 「実施例1」 (砥石の作成)平均粒径 0.5μmの酸化セリウム砥粒:
1kgと、ブチルアルコール: 2kgとを混合し、ホモ
ジナイザーで解砕し、ペーストを調整した。次いで、前
記ペーストを熱水溶性ポリビニルアルコールフィルム
(日本合成化学工業社製、ハイセロンH、フィルム幅:
20 mm、フィルム厚み: 30 μm)にバーコーターに
て塗り厚み 50 μmで成膜しながら、巻き径 50 mmと
なるようにロール状に巻き取った後、 160℃にて 5時間
加熱硬化させた。そして、前記ロールから厚み 10 mm
のデイスク状に輪切り切断加工してデイスク状の実施例
1の精密加工用砥石を作成した。この精密加工用砥石の
砥粒層における結合ボンド率は0重量%、即ち、砥粒層
の砥粒率は 100重量%、精密加工用砥石全体の砥粒率は
65 重量%であった。
【0023】(被加工物の加工)ラッピング装置(日本
エンギス社製、EJW― 400IFM)の定盤に前記デイ
スク状の精密加工用砥石を張り付けた後、ダイヤモンド
修正リングで前記定盤上の精密加工用砥石面の平坦性を
1μm以下に調整した。次いで、# 2000 研削砥石で研
削した 3インチ水晶ウエハーを、加工荷重200g/cm
2 、定盤回転数 60 rpm、水供給量(水温 23 ℃) 2
0 cc/分、加工時間 2時間の加工条件下で加工を行っ
た。なお、供給した水は、限外濾過装置にて固形物を濃
縮分離後に循環再使用した。
【0024】(評価)加工後の水晶ウエハーの研摩加工
速度、表面粗さ、平面度、および砥石の損耗速度を評価
して表1に示した。なお、研摩加工速度は重量法により
算出し、表面粗さは接触指針型表面粗さ計、平面度は静
電容量式平面度計、砥石損耗速度はマイクロメータを用
いて測定した。
【0025】「実施例2」 (砥石の作成)平均粒径 0.5μmの炭酸カルシウム砥
粒: 950kgと、フェノール樹脂: 50gと、ブチルア
コール 2kgとを混合し、ホモジナイザーで解砕し、ペ
ーストを調整した。次いで、前記ペーストを熱水溶性ポ
リビニルアルコールフィルム(日本合成化学工業社製、
ハイセロンH、フィルム幅: 20 mm、フィルム厚み:
30 μm)にバーコーターにて塗り厚み 50 μmで成膜
しながら、巻き径 50 mmとなるようにロール状に巻き
取った後、 160℃にて 5時間加熱硬化させた。次いで、
前記ロールから厚み 10 mmのデイスク状に切断加工し
てデイスク状の実施例2の精密加工用砥石を作成した。
この精密加工用砥石の砥粒層における結合ボンド率は 5
重量%、即ち、砥粒層の砥粒率は 95 重量%、精密加工
用砥石全体の砥粒率は 60 重量%であった。
【0026】(被加工物の加工)前記の加工用砥石と、
被加工物として# 2000 研削砥石で研削した 3インチシ
リコンウエハを用いた他は、実施例1に準じて被加工物
の加工を実施した。 (評価)実施例1に準じて加工後の被加工物を評価し、
その結果を表1に示した。
【0027】「比較例1」 (砥粒スラリーの調整)平均粒径 0.5μmの酸化セリウ
ム砥粒: 500gと、水: 10 kgとを混合し、分散安定
化のためにアンモニア水にてpH=9 に調整して研摩ス
ラリーを調整した。 (被加工物の加工)ラッピング装置(日本エンギス社
製、EJW― 400IFM)の定盤に、研摩クロス(ロデ
ールニッタ社製 Suba800 )を張り付けた。次いで、実
施例1に準じて被加工物の加工を実施した。 (評価)実施例1に準じて加工後の被加工物を評価し、
その結果を表1に示した。
【0028】「比較例2」 (砥石の作成)平均粒径 0.5μmの炭酸カルシウム砥
粒: 950gと、フェノール樹脂: 50 gと、ブチルアル
コール 1kgとを混合し、ホモジナイザーで解砕し、ペ
ーストを調整した。次いで、前記ペーストを 70 ℃で乾
燥しブチルアルコールを蒸発させた後、径Φ 50 mmの
ステンレス型に入れて 100kg/cm2 の圧力で加圧成
型した後、160℃で 5時間加熱硬化させてデイスク状の
比較例2の加工用砥石を作成した。この比較例2の加工
用砥石の結合ボンド率は 5重量%、砥粒率は 65 重量%
であった。 (被加工物の加工)前記の加工用砥石を用いた他は、実
施例2に準じて被加工物の加工を実施した。 (評価)実施例1に準じて加工後の被加工物を評価し、
その結果を表1に示した。
【0029】「比較例3」 (砥石の作成)平均粒径 0.5μmの炭酸カルシウム砥粒
900gと、フェノール樹脂 100gと、ブチルアルコール
1kgとを混合し、ホモジナイザーで解砕し、ペースト
を調整した。次いで、前記ペーストを 70 ℃で乾燥しブ
チルアルコールを蒸発させた後、径Φ 50 mmのステン
レス型に入れて 150kg/cm2 の圧力で加圧成型した
後、160℃で 5時間加熱硬化させてデイスク状の比較例
3の加工用砥石を作成した。この比較例3の加工用砥石
の結合ボンド率は 10 重量%、砥粒率は 60 重量%であ
った。 (被加工物の加工)前記の比較例3の加工用砥石を用い
た他は、実施例2に準じて被加工物の加工を実施した。 (評価)実施例1に準じて加工後の被加工物を評価し、
その結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
る精密加工用砥石では、砥粒と樹脂から形成された精密
加工用砥石であって、この精密加工用砥石の加工面部の
縦断面構造は、砥粒を高含有率で含有する砥粒層と、砥
粒を前記砥粒層よりも低含有率で含有する樹脂層とが、
加工面との交差方向に層をなすように交互に配置された
多層構造をなし、加工面上に、前記砥粒層と前記樹脂層
とが縞模様状に露出していることにより、従来の加工砥
石に比べて、加工速度と加工精度に優れ、しかも砥石損
耗が少ないものとなり、更に、砥粒を分散あるいは懸濁
させた研摩スラリーを用いる必要がなく、環境への負荷
も小さい固定砥粒方式の精密加工に用いることができ
る。また、請求項2に係る精密加工用砥石では、加工面
上における前記砥粒層の厚みが 1〜200 μmであること
から、加工速度を高めるとともに、高い加工速度であっ
ても砥粒層からの脱粒速度を低く抑えることができる。
また、請求項3に係る精密加工用砥石では、前記砥粒層
の砥粒率は 70 重量%以上であることから、加工速度を
高めることができる。また、請求項4に係る精密加工用
砥石では、加工面上における前記樹脂層の厚みが 10 〜
200μmであることから、砥石の機械強度を高めるとと
もに加工速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精密加工用砥石の加工面近傍を拡大し
て示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 砥粒 2 砥粒層 3 樹脂層 4 加工面 5 加工面部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒と樹脂から形成された精密加工用砥石
    であって、この精密加工用砥石の加工面部の縦断面構造
    は、砥粒を高含有率で含有する砥粒層と、砥粒を前記砥
    粒層よりも低含有率で含有する樹脂層とが、加工面との
    交差方向に層をなすように交互に配置された多層構造を
    なし、加工面上に、前記砥粒層と前記樹脂層とが縞模様
    状に露出していることを特徴とする精密加工用砥石。
  2. 【請求項2】加工面上における前記砥粒層の厚みが 1〜
    200 μmであることを特徴とする請求項1記載の精密加
    工用砥石。
  3. 【請求項3】前記砥粒層の砥粒率は 70 重量%以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の精密加工用砥石。
  4. 【請求項4】加工面上における前記樹脂層の厚みが 10
    〜 200μmであることを特徴とする請求項1記載の精密
    加工用砥石。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104044086A (zh) * 2013-03-12 2014-09-17 株式会社迪思科 磨轮
CN114473894A (zh) * 2022-03-03 2022-05-13 江苏铁锚玻璃股份有限公司 玻璃数控磨边磨轮

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