JP2001197777A - ブラシレス機械制御 - Google Patents

ブラシレス機械制御

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JP2001197777A
JP2001197777A JP2000382709A JP2000382709A JP2001197777A JP 2001197777 A JP2001197777 A JP 2001197777A JP 2000382709 A JP2000382709 A JP 2000382709A JP 2000382709 A JP2000382709 A JP 2000382709A JP 2001197777 A JP2001197777 A JP 2001197777A
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magnetic flux
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phase
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JP2000382709A
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English (en)
Inventor
Joseph Gerald Marcinkiewicz
ジェラルド マーシンキーウィックズ,ジョセフ
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Nidec SR Drives Ltd
Original Assignee
Switched Reluctance Drives Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/08Reluctance motors

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 閉ループの実時間決定および磁束の制御を用
いて、今まで電流の閉ループ制御を用いて可能であった
機械の性能よりもより良い性能を達成する。 【解決手段】 ブラシレス電気機械は、相巻線の両端の
磁束誘発電圧の信号を使用する。磁束は、電流制御より
も機械トルクに密接に関連付けられ、したがって、より
正確な制御が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切換式リラクタン
ス機械、永久磁石機械およびそれらの複合体などの、電
子切換式ブラシレス機械の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な切換式リラクタンス機械は、た
とえば、回転子磁極を規定する回転子と、固定子磁極を
規定する固定子と、固定子磁極に対して1以上の位相を
規定するように構成された1組の巻線とを含む。リラク
タンス機械において、1以上の相巻線の通電によって、
関連した固定子磁極に磁束が生成され、回転子が最小リ
ラクタンス位置に付勢される。回転子位置に従って巻線
の順次的な通電のタイミングを調整することによって回
転子を運動させる。切換式リラクタンス機械は、周知で
ある。詳細は、参照によって本明細書に組み込まれ、1
993年6月21〜24日ドイツ国ニュルンベルクにお
けるPCIM'93会議および展示会においてStephensonおよ
びBlakeによって発表された論文“The Characteristic
s, Designand Applications of Switched Reluctance M
otors and Drives”に与えられている。当該技術分野に
おいて周知のように、そのような機械は、単に相巻線へ
の励磁のタイミングを変えることによって、電動機また
は発電機として動作可能である。
【0003】上述の論文に説明されているように、切換
式リラクタンス機械におけるトルク生成方法は、従来の
機械、たとえば誘導機械または同期機械におけるトルク
生成方法とは全く異なり、該従来の技術の機械は起磁力
(mmf)の回転数によって動作し、磁界と導体中を流
れる電流との相互作用によってトルクが生成される。そ
のような機械は、「電磁」機械として知られ、たとえ
ば、電流が固定子コイルに流れ、回転子上の永久磁石に
よって磁界が生成される、いわゆるブラシレス直流機械
を含む。これに対して、切換式リラクタンス機械は、純
粋に「磁気」機械であり、磁気回路のリラクタンスが変
化すると、トルクが磁界だけによってのみ生成される。
制御は、トルク生成方法に関連するので、この2つのタ
イプの機械の制御する方法は全く異なる。一般に、従来
の正弦波が供給される機械に使用される制御方法は、切
換式リラクタンス機械には全く適さない。
【0004】図1は、典型的な切換式リラクタンス機械
を断面で示す。本例において、固定子10は6つの固定
子磁極12を有し、回転子14は4つの回転子磁極16
を有する。各固定子磁極は、コイル18を担持する。直
径方向に対向する磁極のコイルは、直列に接続されて3
つの相巻線を与える。明瞭化のために、1つの相巻線だ
けを示す。切換式リラクタンス機械の制御は、様々な方
法で達成することができる。機械は、開ループ式すなわ
ち一般にステッピングモータに使用される方法で制御す
ることができる。この方式では、機械内の相巻線に順次
パルスが送出され、回転子が固定子磁極各組と一列に整
列し、すなわち励磁された前記位相のリラクタンスが最
小となる位置と順次並ぶと想定される。もちろんシステ
ムは開ループであるので、回転子が移動したかどうかを
知る手段はなない。この不確定性を排除するために、回
転子位置を表す信号を与えるある種の回転子位置検出方
式が従来から使用されている。その場合、励磁は位置の
関数として適用される。このような機械は、しばしば
「回転子位置切換式機械」と呼ばれる。
【0005】相巻線の電流は比較的容易に測定すること
ができるので、閉ループ電流制御は、巻線の励磁電流を
監視し制御することによって一般的に達成される。しか
しながら、機械の所望の出力は、通常トルク、位置また
は速度であり、電流は、これらの全てにきわめて非線形
な関係を有している。その結果、電流制御技術は、トル
クリップル、位置誤差または速度誤差などの出力の不正
確さを一般的に有する。
【0006】図2に、典型的な切換式リラクタンス駆動
装置を示す。本例において、機械36は、図1に示され
る機械に対応する。3つの相巻線A,B,Cは、電力電
子スイッチ48のセットによって直流電源Vに切換えら
れる。スイッチが動作する瞬間は、コントローラ38に
よって決定される。該コントローラはマイクロコントロ
ーラまたはデジタル信号プロセッサのハードウェアまた
はソフトウェアで実施されてもよい。始動信号は、デー
タバス46を介してスイッチに送出される。閉ループ電
流フィードバックは、1以上の電流センサ44によって
相電流を検出し、相電流と比例した信号をフィードバッ
クすることによって、与えられる。制御アルゴリズム
は、比例(P)、比例プラス積分(P+I)、時間最適
化、フィードバック線形化、比例/積分/微分(PI
D)関数、または当技術分野でよく理解されているよう
なその他の制御アルゴリズムのうちの1つをしばしば含
む。また、位置または速度の外部制御ループが位置検出
器40からの回転子位置信号をフィードバックすること
によって与えられることもまた共通している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】動作において、ライン
42上の電流要求iDは、コントローラに与えられ、コ
ントローラは採用された特定の制御方式に従って、相巻
線の電流を規制して機械の所望の出力を生成する。当業
者は存在する現行のコントローラの多くの変形に精通し
ており、そのような変形にはそれぞれ独自の利点がある
が、すべての変形には、制御変数と上述の機械出力との
間の非線形性の問題に苦慮している。
【0008】切換式リラクタンス機械におけるより基本
的な制御変数は、相巻線が励磁されるときに機械内の磁
気回路に生じる磁束であると本願発明者は認識してい
る。磁束は、励磁された固定子磁極に対して、回転子を
最小リラクタンス位置に付勢するように、すなわち回転
子を回転させるように、回転子に作用する力の直接的の
原因となる。本発明は、閉ループの実時間決定および磁
束の制御を用いて、今まで電流の閉ループ制御を用いて
可能であった機械の性能よりもより良い性能を達成す
る。
【0009】実際に、電流制御は、機械のばらつきに対
して特に影響を受けやすいことが分かった。これと対照
的に、磁束制御は、相巻線の両端の磁束誘発電圧だけに
実質的に依存することが分かった。したがって、機械の
そのようなばらつきに対してもっと寛容でなければなら
ないことが分かった。電流制御が影響を受けやすい製造
のばらつきによって生じる実際の不確定要素の多くは簡
単に回避される。
【0010】P.G. BarrassとB.C. Mecrowによる論文“T
orque Control of SwitchedReluctance Drives”、ICEM
96会報、電気機械国際会議、1996年9月10〜12日、ビ
ゴ、スペイン国、第1巻、第254ページ〜第259ページに
は、供給電圧、相電流および回転子位置の座標に対する
磁束ランプの一定値を記憶する参照テーブルを使用して
磁束結合の基準波形を参照することによるトルク制御を
提供することが提案されている。磁束値および座標は、
特定の電動機に固有である。ある瞬間において、磁束値
およびトルクの予め記憶された値が、相電流の測定値お
よび記憶された機械データから選択される。監視された
変数と、所与の電動機の出力を生成するために使用され
る参照テーブルの磁束波形の値との間には一定の関係が
ある。
【0011】本発明の目的は、閉ループの実時間決定お
よび磁束の制御を用いて、今まで電流の閉ループ制御を
用いて可能であった機械の性能よりもより良い性能を達
成することができるブラシレス電気機械、ブラシレス電
気機械駆動装置システムおよびその制御方法を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】比較的容易に決定され、
磁束に直接関係する機械動作特性が、相巻線の両端の電
圧であることを本願発明者は認識した。
【0013】本発明に従えば、ブラシレス電気機械であ
って、回転子と、固定子と、機械内の磁気回路に磁束を
形成するように配置された少なくとも1つの相巻線と、
前記磁気回路と関連し配置され、前記少なくとも1つの
相巻線の両端の磁束誘発電圧を示す信号を生成するよう
に動作可能な手段とを含むことを特徴とするブラシレス
電気機械が提供される。
【0014】本発明に従えば、電動機または発電機とし
て運転可能である機械は、相巻線の両端の電圧から磁束
を示すフィードバック信号を導出する。1つの形態にお
いて、電圧は、直接測定するように配置されるトランス
デューサによって決定される。サーチコイルは、相巻線
または各位相に関して用いられ、該コイルは相巻線の両
端の電圧に従う電圧出力を生成する。
【0015】また、本発明に従えば、ブラシレス電気機
械であって、回転子と、固定子と、機械内の磁気回路に
磁束を形成するように配置された少なくとも1つの相巻
線を有するブラシレス電気機械と、前記相巻線の両端の
磁束誘発電圧を決定し、磁束誘発電圧を表すフィードバ
ック信号を生成する手段と、機械の要求出力を表す入力
信号を有し、前記コントローラが、前記入力信号と前記
フィードバック信号とに応答して、少なくとも1つの相
巻線の磁束を制御するためにスイッチ手段を作動させる
制御信号を生成する磁束コントローラを含むことを特徴
とするブラシレス電気駆動装置システムを提供する。
【0016】さらに他の形態において、磁束誘発電圧を
推定する状態オブザーバ構成によって、相巻線の両端の
電圧を推定することができる。
【0017】実際の磁束信号を導出するために、説明さ
れるであろうように、巻線の両端の電圧を積分しなけれ
ばならない。この欠点は、積分器のリセット間の時間
が、回転子の速度が低下するほど長くなり、その結果当
然ながら、特に停止状態において、許容不可能な不正確
さが生じることである。したがって、たとえば状態オブ
ザーバ構成に従って、機械の電流モデルを使用して、相
巻線の電流から磁束を推定することもできる。電流モデ
ルから磁束を導出する際に積分項はなく、したがって低
速時に影響を受けないが、固定子に対する回転子の角度
位置を参照するので高速時に精度が低くなる。
【0018】電流モデルは、相抵抗の影響を受けにく
く、したがって、電流モデルは、必要な磁束結合を生成
するためにほとんど電圧を必要としない「低速」時に優
勢になるように有効に構成することができる。システム
が適応的である場合、オブザーバは、電流モデルに依存
するが、低速時に相抵抗を容易に推定することができ
る。高速時、電流モデルは、速度が増大するにつれて拡
大する角度測定誤差によって正確でなくなる。必要な磁
束結合を生成する位相サイクル時間が短くなるほど高い
印加相電圧が必要になる。電圧モデルは、角度測定誤差
の影響を受けにくく、高速時に相抵抗の影響をあまり受
けない。また、電圧モデル(ある位相に印加される電圧
とその相抵抗の両端の電圧降下との差の時間に関する積
分)は、位相間の相互インダクタンスのような複雑な影
響を単純な形でモデル化する。全位相磁束結合は、位相
起磁力が信頼できるどうかに関係なく導出される。
【0019】本発明は、より正確であることが認められ
た機械の直接磁束制御を可能にし、以前に使用された電
流ベース制御よりもオンライン適応に適している。これ
は、磁束の実時間決定を使用する。
【0020】好ましくは、磁束コントローラは、励磁手
段を作動させる制御信号のタイミングをとる手段をさら
に含む。
【0021】本発明は、また、回転子と、固定子と、少
なくとも1つの相巻線とを有するブラシレス電気機械を
制御する方法であって、前記相巻線の両端の磁束誘発電
圧を示す一部を含むフィードバック信号を生成し、機械
の要求出力を表す入力信号を生成し、前記入力信号と前
記フィードバック信号とに応答して少なくとも1つの相
巻線の通電を制御することを特徴とする方法にまで及
ぶ。
【0022】さらに詳しくは、 本発明は、ブラシレス
電気機械であって、回転子と、固定子と、機械内の磁気
回路に磁束を形成するように配置された少なくとも1つ
の相巻線と、少なくとも1つの相巻線の両端の磁束誘発
電圧を示す信号を生成するように動作可能な手段とを含
むことを特徴とするブラシレス電気機械である。
【0023】また本発明において、前記磁束誘発電圧を
示す信号を生成する手段は、前記相巻線と動作可能に結
合されたことを特徴とする。
【0024】さらに本発明において、前記手段はサーチ
コイルを含み、該サーチコイルは磁気回路に関連して配
置され、磁束誘発電圧を示す信号を生成することを特徴
とする。
【0025】さらに本発明は、ブラシレス電気駆動装置
システムであって、ブラシレス電気機械であって、回転
子と、固定子と、機械内の磁気回路に磁束を形成するよ
うに配置された少なくとも1つの相巻線とを有するブラ
シレス電気機械と、前記相巻線の両端の磁束誘発電圧を
決定し、磁束誘発電圧を表すフィードバック信号を生成
する手段と、機械の要求出力を表す入力信号を有する磁
束コントローラであって、前記入力信号と前記フィード
バック信号とに応答して、少なくとも1つの相巻線にお
ける磁束を制御するためにスイッチ手段を作動させる制
御信号を生成する磁束コントローラとを含むことを特徴
とするブラシレス電気駆動装置システムである。
【0026】さらに本発明において、前記磁束誘発電圧
を決定する手段は、前記相巻線と動作可能に結合された
トランスデューサ手段を含むことを特徴とする。
【0027】さらに本発明において、前記トランスデュ
ーサ手段は、サーチコイルを含むことを特徴とする。
【0028】さらに本発明において、前記磁束誘発電圧
を決定する手段は、前記フィードバック信号から前記相
巻線の磁束に比例する磁束信号を導出する手段を含む磁
束推定器の一部であることを特徴とする。
【0029】さらに本発明において、前記磁束誘発電圧
を決定する手段は、前記フィードバック信号を生成する
機械の電圧モデルを含むことを特徴とする。
【0030】さらに本発明において、前記電圧モデル
が、前記相巻線の温度モデルを含むことを特徴とする。
【0031】さらに本発明において、前記磁束信号を導
出するための手段は、フィードバック信号を積分して前
記磁束信号を生成するように構成された積分器を含むこ
とを特徴とする。
【0032】さらに本発明において、前記推定器は、機
械の前記位相のサイクルにおいて相電流が実質的にゼロ
になる点で積分器をリセットする手段を含むことを特徴
とする。
【0033】さらに本発明において、前記磁束信号を導
出するための手段は、前記フィードバック信号をろ波し
て前記磁束信号を生成するように構成されたローパスフ
ィルタを含むことを特徴とする。
【0034】さらに本発明において、前記推定器は、相
電流と回転子位置を表す信号とを受信するように構成さ
れ、前記相巻線の磁束推定値を生成するように動作可能
である機械の電流モデルを含むことを特徴とする。
【0035】さらに本発明において、前記電流モデル
は、相電流と回転子位置との入力に基づく前記相巻線の
磁束の代数的推定値を含むことを特徴とする。
【0036】さらに本発明において、前記推定器は、前
記磁束推定値と前記フィードバック信号とから電流モデ
ル誤差信号を生成する比較手段を含むことを特徴とす
る。
【0037】さらに本発明において、前記電流モデル
は、回転子位置と推定位相磁束との入力に基づく前記相
巻線の電流の代数的推定値を含む反転電流モデルである
ことを特徴とする。
【0038】さらに本発明において、前記推定器は、前
記相巻線における電流推定値と監視電流とから反転電流
モデル誤差信号を生成する比較手段を含むことを特徴と
する。
【0039】さらに本発明において、前記推定器は、電
圧モデルの出力と電流モデルの微分出力とを加算して前
記フィードバック信号を生成する手段をさらに含むこと
を特徴とする。
【0040】さらに本発明において、前記推定器は、制
御則関数を前記電流モデル出力に適用するように構成さ
れた電流モデルコントローラを含むことを特徴とする。
【0041】さらに本発明において、前記電流モデルコ
ントローラは、機械速度に応答して、機械速度が所定の
機械速度よりも高くなった場合に、該速度が増加するに
つれて、前記電流モデル出力信号を次第に減衰させるこ
とを特徴とする。
【0042】さらに本発明において、比較的低い機械速
度においては電流モデルの出力が電圧モデルの出力より
も優勢になり、比較的高い機械速度においては電圧モデ
ルの出力が電流モデルの出力よりも優勢になるようにす
る手段を含むことを特徴とする。
【0043】さらに本発明において、前記入力信号は、
磁束要求量を表し、前記磁束コントローラは、所定の磁
束を要求磁束と比較して制御信号を生成する比較器をさ
らに含むことを特徴とする。
【0044】さらに本発明は、回転子と、固定子と少な
くとも1つの相巻線とを有するブラシレス電気機械を制
御する方法であって、前記相巻線の両端の磁束誘発電圧
を示す部分を含む前記フィードバック信号を生成し、機
械の要求出力を示す入力信号を生成し、前記入力信号と
前記フィードバック信号とに応答して、少なくとも1つ
の相巻線の通電を制御することを特徴とする方法であ
る。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、様々な方法で実施する
ことができ、そのいくつかを、添付の図面を参照して一
例として説明する。
【0046】図3を参照すると、本発明による切換式リ
ラクタンス駆動システムの第1の実施形態は、積層固定
子10と、積層回転子14とを有する切換式リラクタン
ス機械36を含み、該回転子に関連して、回転子位置ト
ランスデューサ(RPT)40が配置される。磁束コン
トローラ50は、固定子10と関連した相巻線A,B,
Cの通電を制御する電力電子スイッチ48を作動させる
始動信号を生成する。明瞭化のために、1つの相巻線の
接続だけを概略的に示したが、各位相は、スイッチの作
動によって個別に励磁可能である。他の実施形態におい
て、巻線の励磁は、既知のタイプの増幅器によって与え
られる。また、各相巻線が電流トランスデューサ44と
関連付けられていることは理解されよう。明瞭化のため
に1つだけを示す。磁束コントローラ50への入力4
2′は、所望の出力を生成するための機械の所望の磁束
ψDを表す信号である。機械を電動機として運転する際
には、所望の出力は、トルク、速度または位置である。
機械を発電機として運転する際には、所望の出力は、電
力である。磁束要求信号は、(たとえば)機械のトルク
または速度範囲を表す調整された電圧入力の形を単にと
ってもよい。
【0047】図3の磁束コントローラは、その動作にお
いて図2のコントローラとまったく異なる。機械の出力
を制御する、電流要求の代わりに、出力が磁束要求によ
って直接制御される。すなわち出力を修正するためにフ
ィードバックされる主要パラメータは電流ではなく、磁
束が今や主たる被制御パラメータである。これは、切換
式リラクタンス機械の既知のすべての実行可能なコント
ローラとはまったく異なる。
【0048】図3の磁束コントローラ50において、誤
差信号を生成するために、磁束フィードバック信号ψ
が、要求磁束42′と比較される。上述に説明したよう
に、磁束コントローラは比例、比例プラス積分、比例/
積分/微分、時間最適化、フィードバック線形化作用な
どの制御則のうちのいずれか1つに従うことができる。
また、機械36は、従来のRPT40を有し、その出力
θは、磁束コントローラ50にタイミング情報を従来の
方式で与える。他の実施形態は、当該技術分野で知られ
ているような機械の他のパラメータから位置を推定す
る、いわゆるセンサレス位置検出システムを使用する。
また、磁束コントローラ50は、電流トランスデューサ
44から電流信号iを受信してもよいが、これは、従来
の電流コントローラの方式では使用されない。すなわち
電流が予め定める安全レベル内に留まるように確実にす
るための電流の全体的な監視および/またはフィードフ
ォワードIn*Rn補正を与えるために使用される。磁束
コントローラ50は、相巻線の通電を制御するスイッチ
ング素子48の始動信号を生成する。
【0049】図4には、磁束信号ψを導出する他の方法
が示され、図4において、各相巻線18の1以上の固定
子磁極は、サーチコイル62として作用する追加の巻線
を担持する。サーチコイル62は、図5に概略的に示さ
れるように、相巻線と関係なく巻くことができ、あるい
は2本巻きで巻くことができる。いずれの場合において
サーチコイルは、相巻線が励磁されたとき誘導され、積
分器64によって時間に関して積分したときにサーチコ
イル62と関連する磁束に直接正比例する信号を与える
電圧を有する。積分された信号は、磁束フィードバック
信号ψとして磁束コントローラ50にフィードバックさ
れる。
【0050】図4は、相巻線のサーチコイル62を示す
が、各磁極に1つのコイルを有するシステムを使用する
ことができ、あるいはそれに代えて、磁気回路のどこか
他の部分のまわりに、たとえば2つの固定子磁極の間の
部分の固定子コアのヨークのまわりにコイルを配置し
て、そこで機械の磁気回路の磁束を検知することができ
ることが認識されるであろう。
【0051】図3および図4に示される実施形態は、単
なる例示であり、磁束フィードバック信号ψを生成する
その他の方法を使用することができることを理解される
であろう。主な要件は、磁束コントローラによって使用
される信号ψが、励磁されている相巻線と関連する磁路
の磁束と比例することである。
【0052】以上の説明から、任意の数の磁極および位
相を有する任意の切換式リラクタンス機械に、実時間磁
束ベースの閉ループ制御を有利に適用できることは当業
者には明らかであろう。したがって、以上の実施形態の
説明は、一例としてなされ、限定のためのものではな
い。
【0053】図5を参照すると、本発明の他の形態にお
いて、切換式リラクタンス駆動装置は、固定子112
と、回転子114とを有する切換式リラクタンス機械1
10を含み、該回転子に関連して、回転子位置トランス
デューサ(RPT)116が配置される。RPT116
は、スイッチング回路120を作動させる始動信号を生
成して固定子と関連した巻線122の通電を制御する磁
束コントローラ118に位置信号θを与える。また、磁
束コントローラ118は、機械から電流信号iと電源電
圧信号vとが与える。
【0054】磁束コントローラは、所定の電圧量および
/または電流量ならびに回転子位置を条件に、機械内の
磁束を推定または「モデル化」できなければならない。
これは、 様々な方法で達成することでき、そのうちの
2つを詳細に説明する。第1に、位相に印加される電圧
と電圧が印加される時間とに関する知識から、磁束をモ
デル化することができる。これは、今後、「電圧モデ
ル」と呼ぶ。これは、電流パラメータと巻線パラメータ
を含む副次的な項を導入することによって精度を高める
ことができるが、本質的に、印加電圧によって駆動され
る。第2に、巻線の電流と回転子位置とに関する知識か
ら磁束を推定することができる。これは、今後、「電流
モデル」と呼ぶ。 これらのモデルは両方とも、様々な
分析的または数値的形態をとることができるが、好まし
い実施形態を次に説明する。
【0055】本発明のこの実施形態によれば、磁束コン
トローラ118は、状態オブザーバを使用して磁束結合
をモデル化し、オブザーバは、磁束の電流モデルおよび
電圧モデルの両方を含む。電流モデルは、高速時に回転
子位置センサの誤差が増大するために、高速時は精度が
低くなることが分かっている。電圧モデルは、時間に関
する電圧の巡回積分を含み、したがって、ゼロおよび低
速時に誤差の影響を受けやすく、積分項のリセットが次
第に頻繁に行われなくなり、ドリフトを引き起こす。し
たがって、実施形態の磁束推定システムの電流モデル部
分の周波数応答は、ゼロおよび低速度時に優勢になり、
一方電圧モデル部分が高速時に優勢になるように調整さ
れる。
【0056】巻線内の磁束ψは、巻線に印加される起電
力Eの時間に関する積分に比例する。
【0057】
【数1】
【0058】したがって、切換式リラクタンス機械内の
磁束を実時間で正確に制御するために、磁束ψを生成す
る電圧Eの値を導出することが有益であることが分かっ
た。これを行うため、図4に関して上述したように、各
相巻線に対してサーチコイルまたは二本巻線を配置する
ことができる。
【0059】他のアプローチは、V、i、および巻線抵
抗Rの温度モデルすなわち電気的データに基づくことが
できる電圧Eの推定値を展開することである。これは、
サーチコイルまたは二本巻線ほど邪魔にならない。V
が、相巻線に印加される電圧であるので、iは相電流で
あり、Rは相抵抗であり、
【0060】
【数2】
【0061】である。巻線抵抗Rがドリフトすると磁束
値がドリフトするが、これは、磁束を推定する有効な方
法であり、いずれにしても、温度モデルを設定してRの
変化を追跡することができる。しかしながら、多くの用
途では、たとえば1組の標準の動作条件または1つの信
号動作点に、関連する1つのR値を選択することは可能
である。また、この電圧モデルは、位相間の相互インダ
クタンスのような複雑な影響を簡単な方法で観察する。
全位相磁束結合は、位相起電力が信頼できるかどうかに
関係なく導出される。
【0062】積分器を含むどの測定システムとも同じよ
うに、積分器内の長期ドリフトを防ぎ、あるいはドリフ
トが問題になる可能性のあるときにその出力に依存する
のを避けるように注意しなければならない。この特定の
場合では、積分器が、ドリフトが生じる可能性のある積
分器のリセット間の期間がかなり長く、速度ゼロではま
ったくリセットされないため、ゼロまたはゼロに近い機
械速度では最も大きな問題である。
【0063】したがって、低速度において電圧モデルに
よって生成される推定値に依存するのではなく、より確
実な電流モデルが使用されるように調整することが好ま
しい。
【0064】
【数3】
【0065】電圧モデルと電流モデルの組み合わせを使
用して、磁束推定量の式を次のように表すことができ
る。
【0066】
【数4】
【0067】このとき、Kobsは、導出が難しい時間
領域非線形関数であるが、高速度ではKobsの値は0
になり、一方Φ^の項は、低速度ではほとんど寄与しな
い。Kobsが回転子角度領域に基づくので、Kobs
は、低速度で大きくなり、オブザーバを支配する。した
がって、本発明のこの実施形態は、電流モデルと電圧モ
デルとの間で推定器を分離することによって時間領域と
角度領域との条件を分離し、それぞれが異なる機械速度
範囲で優勢になるようにする。
【0068】
【数5】 を、文章中、Φ^で表す。
【0069】図6には、閉ループコントローラにおいて
両方のモデルを使用するこの基本的な技法が示され、電
流モデル130は、相電流iと回転子位置θの入力を有
する。図6に、推定器全体を示す。電流モデル130の
出力は、推定値磁束ψiであり、これは、加算結合器3
2に送られ、磁束推定値ψ^と組み合わされて、利得行
列134に提供される差分値εψlを生成する。この実
施形態において、利得行列134は、比例プラス積分
(P+I)オブザーバ利得行列(誤差収束法)である。
オブザーバ利得行列(誤差収束法)は、当業者に明らか
なような、PD、PID、履歴、予測コントローラなど
の他の形態をとることができる。
【0070】
【数6】 を、文章中、ψ^で表す。
【0071】ブロック138は、相電圧V、相電流i、
および推定した巻線抵抗Rの入力を受信し、起電力Eの
推定値を計算する。(厳密に言うと、このブロックは、
電圧モデルの一部分にすぎないことに注意されたい)。
E=d/dt(ψ)であるので、このEの値は、加算結
合器35において利得行列134から出力されたd/d
t(ψI)の値と加算され、d/dt(ψ^)を生成す
ることができる。次に、この信号は、積分器136に供
給され、磁束推定値ψ^を生成する。次に、磁束推定値
ψ^は、磁束要求信号ψrefと共に比較器140に与え
られ、制御則121に適用される磁束誤差信号ψeが生
成され、図5のスイッチング回路120が制御される。
【0072】図6において、磁束を生成する起電力Eの
電圧モデル138が、相電圧、相電流および相抵抗の推
定値から導出される。推定によって相抵抗R^を決定す
る温度モデルまたは相抵抗Rの電気測定値あるいはこの
2つの組合わせを使用することができる。便利な形の電
気測定値は、熱電対などの温度トランスデューサによる
ものである。そのようなトランスデューサは、通常、普
通ならば測定値の誤差を生じるノイズを減衰させるフィ
ルタを必要とする。
【0073】
【数7】 を、文章中、R^で表す。
【0074】当業者は、図6が、単相の機械のコントロ
ーラを表すことを理解されよう。機械が多相の場合は、
各位相が、本質的に図6に示したようなコントローラを
有するが、実際には、経済性のために回路をある程度共
用する。
【0075】閉ループ電流モデルベースの推定器は、電
圧モデルの代わりに電流モデルを使用することによっ
て、低速度とゼロ速度でのドリフトを固定し、磁束推定
値のひずみをなくす。P+I利得行列134は、行列1
34からの電流モデルに基づく磁束推定値が、電圧モデ
ル138が優勢な高速度で影響されず、一方推定器制御
則関数によって電流モデルが低速度で優勢になるよう
に、十分に低い利得と応答特性とを有する。したがっ
て、制御方式の1つの局面は、磁束推定器が機械の速度
によって電流モデル制御方法と電圧モデル制御方法を使
い分けることである。
【0076】したがって、閉ループ磁束コントローラ
は、低速度で電流モデルが優勢になるように高い「電流
モデル利得」を有し、また電圧モデルの方が適した高速
度において低いかまたはゼロの電流モデル利得を有する
(電流モデル利得がゼロの場合、積分器は、既知の「ゼ
ロ磁束」間隔でリセットされなければならない)。電流
モデル(図6の130)は、参照テーブルでもアルゴリ
ズムの形の関数的記述でもよい。関数的記述の利点は、
適応機構による適応に適していることである。関数的記
述は、適応によって変化する係数が線形であってもよ
い。システムは、適応機構がない場合でも、電流モデル
と電圧モデルの両方を使用して磁束結合を推定する。シ
ステムが適応性の場合、低速度で相抵抗が修正され、一
方高速度で「電流モデル」と潜在的相抵抗が修正され
る。その結果、本質的に、磁束オブザーバとの適応機構
との相互作用がなくなる。
【0077】要するに、電圧モデルは、以下のような理
由で、電動機速度がゼロに近づくほど不正確になる。 ・リセット間の間隔が長い場合に、開ループ積分プロセ
スにドリフトとランダムウォークとが生じる(ノイズを
含む信号を積分する結果として、時間とともに不正確さ
が増大する)。 ・低速時、印加電圧は、主に、温度と共に変化する相抵
抗の両側で低下する。角度変化インダクタンスの影響
は、低速時にきわめて小さくなり、その結果信号対雑音
比が悪化する。 ・高速時にローパスフィルタを使用して積分器を近似さ
せると、電動機速度が低くなるほどローパスろ波と真の
積分との誤差が大きくなる。ゼロ平均交流信号には、ロ
ーパスフィルタだけを使用することができる。信号が直
流成分を有する場合は、リセット機能があるか、または
obsの利得が十分に高くなければならない。
【0078】高速時、電圧モデルは、正確であり、同時
にきわめて単純である。電圧モデルは、以下のような理
由で、速度が高いほど正確になる。 ・リセット間の時間が短くなり、その結果ドリフトとラ
ンダムウォークとが少なくなる。 ・高速時、電圧は、主に相抵抗の変化による推定誤差を
小さくする角度変化インダクタンスの両側で低下する。 ・近似積分(たとえば、ローパスフィルタ)を使用する
場合は、高速時に交流信号の真の積分とローパスろ波と
の間の差を無視することができる。
【0079】電圧モデルは、磁束がリセット積分または
ローパスろ波によって導出されるV−i*R(磁束生成
起電力E)の計算である。複雑な相互の影響のすべて
は、どの位相の起磁力が磁束を生成しているかに関係な
くこの計算に含まれる。複雑な参照テーブル、すなわち
すべての電動機の相電流および回転子位置を含む複素関
数の計算は、計算に手間がかかり、電動機速度が高くな
るほど高い計算能力を必要とする。これは、高速時に電
流モデルが使用されない他の理由である。したがって、
高速時に、電圧モデルを使用して磁束推定を単独で実行
することができる。電圧モデルは、シャフト位置を使用
して磁束結合を瞬時に推定することができない。電動機
の増加とともに次第に不正確になるシャフト位置の測定
値/推定値(計算遅延、信号ろ波遅延、分解能損失な
ど)は、電圧モデルには重要でない。
【0080】切換式リラクタンス機械のあまり正確でな
い制御が許容可能な状況あるいは十分な高速時に磁束制
御だけが必要とされる状況では、磁束の制御に電圧モデ
ルだけを使用し、電流モデルを適用しなくてもよい。し
かしながら、これは、ゼロおよび低い速度で不正確にな
る。
【0081】図7は、図6で述べられた磁束制御システ
ムのより詳細な三相の例である。図6および図7におい
て、等価な部分には同じ参照数字を使用した。各位相
が、電流、電圧および磁束の様々な値に対して別々の入
力と出力とを有することに注意されたい。
【0082】図7によって説明される実施形態の三相S
Rの例は、電圧モデルと、回転子位置θの関数として各
位相ごとに磁束を予測するSR機械の位相磁束の電流モ
デル130を有する閉ループ磁束オブザーバを含む。そ
れぞれのモデルは、加算結合部135’,135”,1
35’’’においてオブザーバに加算される。
【0083】以上のように、電流モデルは、参照テーブ
ルから、実時間処理される電流モデルの形の電流の関数
的記述にまで、多くの形態をとることができる。以下
は、使用できる電流モデルの例である。
【0084】電流モデル#1は、たとえば次のような電
流積の関係の形で表すことができる。
【0085】
【数8】
【0086】ここで、θは、電気的または機械的角度で
あり、nは、位相数である。位相がnの場合、0≦θen
≦2πである。機械的角度は、電気的分数調波がモデル
に含まれる場合にモデルに使用される。任意の角度にお
いて、磁束は、電流の関数である。しかしながら、その
ような関係の係数は、角度に依存する。そのような関係
については、上述の電流積の関係を利用して説明するこ
とができる。数学的に、そのような関係によって、その
極限において、任意の連続関数を近似させる機能によっ
て使用される三角関数および多項式関数の性質による任
意の正確さが得られる。電気的分数調波は、一般に、S
R機械における製造ばらつきによって生じる。電流モデ
ル#1の形によって、位相磁束結合の各調波は、特定の
相電流の関数として任意の「滑らか」な非線形に変化す
ることができる。電流モデル#1では、相互の影響は考
慮されない。
【0087】電流モデル#2は、双曲線正接形式を使用
する。電流からの磁束の生成は、電動機の鉄の物理媒体
を介して生じる。この材料は、双曲線正接関数で近似す
ることができる電流および磁束の関係を示す。また、そ
のような拡張は、範囲外の値に対して良好に挙動する。
すなわちそれは制限された挙動を示す。したがって、オ
ブザーバモデルにおいて、対象変数の範囲外の値は、変
則または異常な挙動を生成しない。双曲線正接関数は、
以下のような形をとることができる。
【0088】
【数9】
【0089】あるいは、上記2つのモデルを混合した形
をとることができる。上記2つのモデルの形は、相互の
影響を考慮していない。
【0090】好都合なことに、複雑にする因子、位相間
の相互インダクタスの影響は、測定したデータまたは別
の関数形式を含む参照テーブルを使用することによって
対処することができる。
【0091】図6または図7のKobsオブザーバ利得行
列134に戻ると、これは、低速またはゼロ速度で動作
中、時間(t)が無限大になるときにεψがゼロになる
ことを保証する任意の関数でよい(εψnは、位相磁束
結合ψIn^の電流モデル推定値と位相磁束結合ψn^の
完全推定値との間の推定誤差である)。高速動作中、積
分器がリセットされる場合に、Kobsをゼロに設定して
もよい。ローパスフィルタオプションは、磁束誘発電圧
用ゼロ平均交流信号を使用してもよい。
【0092】
【数10】 を、文章中、ψIn^およびψn^で表す。
【0093】図7に示された三相機械の例は、次によう
な対角行列に基づく。
【0094】
【数11】
【0095】ここで、K1、K2およびK3は、回転子の
角速度(ω)に依存する利得または一定利得である。一
定利得は、低い性能を有する簡略化された実施だけに使
用される。このバージョンの磁束オブザーバ電流モデル
では、Kobsの計算を簡単にするために、Kobsは対角で
よい。
【0096】図6および図7の磁束オブザーバモデルで
は、相互の影響が考慮されていることに注意されたい。
電流モデル130は、各位相磁束結合を、すべての相電
流および角度の関数として推定する。さらに、全位相
(コイル)電圧は、磁束オブザーバの電圧モデル部分に
よって使用される。電圧モデル磁束オブザーバにおける
その位相の積分器は、位相サイクルにおいて磁束がゼロ
(またはできるだけゼロに近い)の既知の期間にリセッ
トされる。高速時、機械への供給がゼロ平均交流特性を
有するか、単極信号がゼロ平均交流表現に変換されると
き、各積分器が、ローパスフィルタとして(たとえば、
電動機位相切換期間の基本周波数よりも約10倍長い時
定数で)作用するように適合されることがある。電流モ
デル#1は、和の形で次のように表される。
【0097】
【数12】
【0098】ここで、harm_maxは、考慮される位相磁
束結合プロファイルの最も高い調波であり、poly_max
は、考慮される最も高い多項べきである。これは、上述
に示した電流モデル#1の式であるが、加算表記であ
る。
【0099】回転子および固定子の材料中の積層粒子配
向などの作用による著しい残留磁気特性を示さない対称
的な機械では、ψ_I_x_totは、奇数の多項べきだけ
を有さなければならない。換言すると、自己誘導磁束結
合は、生成した電流と同じ符号を有さなければならな
い。
【0100】全位相磁束結合を決定するときは、相電流
およびその自己インダクタンスによって生成される位相
磁束結合の他に、位相間の相互インダクタンスまたは結
合の影響を考慮しなければならない。切換式リラクタン
ス機械の鋼は、磁束に関して非線形媒体である。したが
って、位相間の相互磁束結合の一般的な形のモデルが必
要である。三相機械の例をとると、上述の式の一般形
を、次のように書き直すことができる。
【0101】
【数13】
【0102】磁石も著しい残留磁気の影響もない場合
(一般に、切換式リラクタンス機械の場合)は、次のよ
うに表すことができる。
【0103】
【数14】
【0104】したがって、任意の位相における全磁束結
合を、次にように表すことができる。
【0105】
【数15】
【0106】式(4)〜式(7)は、起磁力の極性に依
存する磁路の変化によって影響を受けるであろう相互誘
導磁束結合と、自己誘導磁束結合との両方を含むので、
自己誘導磁束結合に関して単独で行うことができるよう
に多項指数に関して一般化することができない。
【0107】上述の式(4)および式(5)は、所与の
位相における自己誘導磁束結合と相互誘導磁束結合との
両方を含む。自己誘導磁束結合が、相互磁束から分離さ
れる場合は、式(4)および式(5)は、次のような異
なる制約で書き直すことができる。
【0108】
【数16】
【0109】全相互誘導磁束結合を、次のように書き表
すことができる。
【0110】
【数17】
【0111】式(9)〜式(12)は、I_xだけでな
く位相xで生成されたすべての磁束結合、換言するとす
べての相互インダクタンスを含む。式(9)〜式(1
2)が、起磁力の極性に依存する磁路の変化によって影
響を受けるであろう相互誘導磁束結合について述べてい
るので、自己誘導磁束結合に関して単独で行うことがで
きるように多項指数に関して一般化することができな
い。所与の位相における全磁束結合を次のように書き表
すことができる。
【0112】
【数18】
【0113】式(4)〜式(7)の形の式を使用して、
磁束結合の電流依存性を、次のように一般化することが
できる。
【0114】
【数19】
【0115】磁石も著しい残留磁気の影響もない場合
(一般に、切換式リラクタンス機械の場合)は、次のよ
うに表すことができる。
【0116】
【数20】
【0117】式(14)および式(15)に見られる電
流関数の形の1つの例は、次のような双曲線正接であ
る。
【0118】
【数21】
【0119】双曲線正接は、選択可能な多くの関数のう
ちのほんの1つである。他のものは、スプライン記述、
指数関数などを含む。説明した式の重要な特性は、式
が、それぞれの多調和積項(poly-harmonic product te
rm)の係数が線形であることである(式(14)と(1
5)の多調和項は、適切な係数ψ_x_l_x_l_y_l_
z_sin_k_m_hに一次従属である)。係数が線形の式
は、最小自乗パラメータの推定を可能にする。最小自乗
ベースのパラメータ推定は、組み込まれた応用例におい
てシステムモデルを適合させるための十分に実証済みの
方法である。
【0120】係数が線形のシステムの関数的記述の作成
によって、十分に理解され信頼できる線形システムの理
論、すなわちパラメータ推定法の適用が可能となる。
【0121】線形磁気の場合は、式(14)〜式(1
7)は、次にように簡略化することができる。
【0122】
【数22】
【0123】磁石も著しい残留磁気の影響もない場合
(一般に、切換式リラクタンス機械の場合)は、次のよ
うに表すことができる。
【0124】
【数23】
【0125】あるいは、簡略化した形で、式(21)〜
式(24)は、次のようになる。
【0126】
【数24】
【0127】全磁束結合は、次のように書き表すことが
できる。
【0128】
【数25】
【0129】三相SR機械の線形および非線形の両方の
例において、すべての3つの相電流と角度と位相磁束結
合との間の関係を示すモデル形態が確認された。式
(4)〜式(27)で示された式は、相互の影響を含む
三相SR機械を示す電流モデル形態を表す。式(1)〜
式(3)において上述の式は、図6の電流モデル130
として使用することができ、式(4)〜式(27)は、
図7の電流モデル130として使用することができる。
式(1)〜式(27)によって示されたモデル形態は、
モデル係数が線形であり、実際に検証済みである。モデ
ル係数が線形であるので、式(1)〜式(27)に示さ
れたモデル形態を、再帰的最小自乗ベースの適応機構を
介して調整することができる。
【0130】図8は、他の磁束オブザーバを示す。この
実施形態において、行列K0234は、微分磁束推定出
力を生成する相電流i1,i2,i3、機械的回転子角度
θおよび回転子角速度ωの関数である。それぞれ3つの
位相毎の行列K0の微分磁束推定出力を、上述と同じよ
うに、磁束誘発電圧と加算して、各位相ごとに時間dψ
^/dtに関する磁束の変化率の値を導出する。したが
って、積分器136からのこの積分は、各位相ごとの磁
束オブザーバ値ψ^になる。
【0131】本実施形態において、反転電流モデル23
0は、各相電流(i1^,i2^,i 3^)を、各位相磁
束推定値(ψ1^,ψ2^,ψ3^)、および回転子角度
θの関数として示す。各相電流の値は、比較器232に
おいて反転電流モデル230の負の出力(i1^,i
2^,i3^)と加算され、誤差信号εinが生成され
る。反転電流モデル230の出力は、3つのオブザーバ
磁束(ψ1^,ψ2^,ψ3^)の値と回転子角度(θ)
とから導出される。
【0132】
【数26】 を、文章中、i1^、i2^、i3^およびψ1^、ψ
2^、ψ3^で表す。
【0133】本実施形態は、図6および図7と関連して
上述n磁束結合電流モデルの逆を使用する。測定した相
電流が、図8に示したような推定相電流と比較されるの
で、反転電流モデルが必要である(位相磁束または磁束
結合および回転子角度の関数としての相電流推定値)。
この形態において、オブザーバは、従来のルーエンバー
ガーの形態である(“An Introduction to Observers”
Luenberger、D.G.、IEEE Translations on Automatic C
ontrol、Vol.AC-16、No.6、1971年12月、第596ページ〜
第602ページを参照)。この磁束オブザーバは、次の方
程式を解く。
【0134】
【数27】
【0135】オブザーバ利得行列の微分(図示せず)か
ら、次のように示すことができる。
【0136】
【数28】
【0137】行列の形で、相互インダクタンスを無視し
て次のように表すことができる。
【0138】
【数29】
【0139】より一般的には、相互インダクタンスを含
む線形磁気の場合には、次にように表される。
【0140】
【数30】
【0141】同様に、2つの他の一般的な非線形の場合
は、次のように定義することができる。
【0142】
【数31】
【0143】これらの式には、相互インダクタンスが含
まれる。式の形が、磁束モデル全体がどのように定義さ
れるかに依存することを理解されたい。関数K(ω)
は、一般に図9と類似の周波数応答を有し、その結果、
関数K(ω)は、ゼロおよび低速時に優勢であるが、電
圧モデルは、高速時に優勢である。一般に、電流推定器
の応答は、基本速度、すなわち機械の最大トルク出力の
最高速度の約10%〜20%で漸減し始める。
【0144】本発明は、様々なタイプの電子切換式ブラ
シレス機械、特に切換式リラクタンス機械の磁束制御技
術を提供する。これによって、機械の磁気回路に、機械
出力を制御するために磁束の基準値を比較することがで
きる磁束の実時間信号推定値が生成される。好ましい実
施形態は、機械速度に従って機械磁束の電流モデルおよ
び電圧モデルを使用することによって高速時および低速
時で異なる問題点を考慮する。
【0145】当業者には、本発明から逸脱することなく
具体的に開示した実施形態に対して様々な修正および変
更を行なうことができることは明らかであろう。本発明
は、併記の特許請求の範囲の趣旨および意図によっての
み制限されるべきである。
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、ブラシレス電気機械で
あって、回転子と、固定子と、機械内の磁気回路に磁束
を形成するように配置された少なくとも1つの相巻線
と、少なくとも1つの相巻線の両端の磁束誘発電圧を示
す信号を生成するように動作可能な手段とを含むので、
閉ループの実時間決定および磁束の制御を用いて、今ま
で電流の閉ループ制御を用いて可能であった機械の性能
よりもより良い性能を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周知の切換式リラクタンス機械の概略図であ
る。
【図2】切換式リラクタンス機械の周知の閉ループ電流
コントローラの概略図である。
【図3】本発明の実施形態を組み込む切換式リラクタン
ス機械の制御システムの概略ブロック図である。
【図4】本発明によるリラクタンス機械の他の実施形態
の半径方向の断面図である。
【図5】本発明による制御システムのさらに他の実施形
態の概略ブロック図である。
【図6】本発明の1つの特定の形態による図5のシステ
ムの一部の概略ブロック図である。
【図7】三相機械の図6のより詳細な概略ブロック図で
ある。
【図8】図6の他の形態のより詳細な概略ブロック図で
ある。
【図9】電動機速度と電流推定器の制御則の利得とのグ
ラフである。
【符号の説明】
10,112 固定子 12,114 固定子磁極 14 回転子 16 回転子磁極 18 コイル 32,35,135’,135”,135’’’ 加算
結合器 36,110 切換式リラクタンス機械 40 回転子位置トランスデューサ 44 電流トランスデューサ 46 データバス 48 スイッチング素子 50,118 磁束コントローラ 62 コイル 64,136 積分器 120 切換回路 121 磁束制御則 122 巻線 130 電流モデル 134 利得行列 136 積分器 138 電圧モデル 140 比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596039176 East Park House,Otl ey Road,Harrogate,N orth Yorkshire HG3 1PR,England (72)発明者 マーシンキーウィックズ,ジョセフ ジェ ラルド アメリカ合衆国 ミズーリ州 セント チ ャールズ ロウハンプトン レーン 136

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレス電気機械であって、 回転子と、 固定子と、 機械内の磁気回路に磁束を形成するように配置された少
    なくとも1つの相巻線と、 少なくとも1つの相巻線の両端の磁束誘発電圧を示す信
    号を生成するように動作可能な手段とを含むことを特徴
    とするブラシレス電気機械。
  2. 【請求項2】 前記磁束誘発電圧を示す信号を生成する
    手段は、前記相巻線と動作可能に結合されたことを特徴
    とする請求項1記載の機械。
  3. 【請求項3】 前記手段はサーチコイルを含み、該サー
    チコイルは磁気回路に関連して配置され、磁束誘発電圧
    を示す信号を生成することを特徴とする請求項2記載の
    機械。
  4. 【請求項4】 ブラシレス電気駆動装置システムであっ
    て、 ブラシレス電気機械であって、回転子と、固定子と、機
    械内の磁気回路に磁束を形成するように配置された少な
    くとも1つの相巻線とを有するブラシレス電気機械と、 前記相巻線の両端の磁束誘発電圧を決定し、磁束誘発電
    圧を表すフィードバック信号を生成する手段と、 機械の要求出力を表す入力信号を有する磁束コントロー
    ラであって、前記入力信号と前記フィードバック信号と
    に応答して、少なくとも1つの相巻線における磁束を制
    御するためにスイッチ手段を作動させる制御信号を生成
    する磁束コントローラとを含むことを特徴とするブラシ
    レス電気駆動装置システム。
  5. 【請求項5】 前記磁束誘発電圧を決定する手段は、前
    記相巻線と動作可能に結合されたトランスデューサ手段
    を含むことを特徴とする請求項4記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記トランスデューサ手段は、サーチコ
    イルを含むことを特徴とする請求項5記載のシステム。
  7. 【請求項7】 前記磁束誘発電圧を決定する手段は、前
    記フィードバック信号から前記相巻線の磁束に比例する
    磁束信号を導出する手段を含む磁束推定器の一部である
    ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
  8. 【請求項8】 前記磁束誘発電圧を決定する手段は、前
    記フィードバック信号を生成する機械の電圧モデルを含
    むことを特徴とする請求項7記載のシステム。
  9. 【請求項9】 前記電圧モデルが、前記相巻線の温度モ
    デルを含むことを特徴とする請求項8記載のシステム。
  10. 【請求項10】 前記磁束信号を導出するための手段
    は、フィードバック信号を積分して前記磁束信号を生成
    するように構成された積分器を含むことを特徴とする請
    求項7または8記載のシステム。
  11. 【請求項11】 前記推定器は、機械の前記位相のサイ
    クルにおいて相電流が実質的にゼロになる点で積分器を
    リセットする手段を含むことを特徴とする請求項9記載
    のシステム。
  12. 【請求項12】 前記磁束信号を導出するための手段
    は、前記フィードバック信号をろ波して前記磁束信号を
    生成するように構成されたローパスフィルタを含むこと
    を特徴とする請求項7記載のシステム。
  13. 【請求項13】 前記推定器は、相電流と回転子位置を
    表す信号とを受信するように構成され、前記相巻線の磁
    束推定値を生成するように動作可能である機械の電流モ
    デルを含むことを特徴とする請求項7〜11のうちのい
    ずれかに記載のシステム。
  14. 【請求項14】 前記電流モデルは、相電流と回転子位
    置との入力に基づく、前記相巻線の磁束の代数的推定値
    を含むことを特徴とする請求項13記載のシステム。
  15. 【請求項15】 前記推定器は、前記磁束推定値と前記
    フィードバック信号とから電流モデル誤差信号を生成す
    る比較手段を含むことを特徴とする請求項13または1
    4記載のシステム。
  16. 【請求項16】 前記電流モデルは、回転子位置と推定
    位相磁束との入力に基づく、前記相巻線の電流の代数的
    推定値を含む反転電流モデルであることを特徴とする請
    求項13記載のシステム。
  17. 【請求項17】 前記推定器は、前記相巻線における電
    流推定値と監視電流とから反転電流モデル誤差信号を生
    成する比較手段を含むことを特徴とする請求項16記載
    のシステム。
  18. 【請求項18】 前記推定器は、電圧モデルの出力と電
    流モデルの微分出力とを加算して前記フィードバック信
    号を生成する手段をさらに含むことを特徴とする請求項
    13,14,15,16または17のうちのいずれかに
    記載のシステム。
  19. 【請求項19】 前記推定器は、制御則関数を前記電流
    モデル出力に適用するように構成された電流モデルコン
    トローラを含むことを特徴とする請求項13,14,1
    5,16,17または18のうちのいずれかに記載のシ
    ステム。
  20. 【請求項20】 前記電流モデルコントローラは、機械
    速度に応答して、機械速度が所定の機械速度よりも高く
    なった場合に、該速度が増加するにつれて、前記電流モ
    デル出力信号を次第に減衰させることを特徴とする請求
    項19記載のシステム。
  21. 【請求項21】 比較的低い機械速度においては電流モ
    デルの出力が電圧モデルの出力よりも優勢になり、比較
    的高い機械速度においては電圧モデルの出力が電流モデ
    ルの出力よりも優勢になるようにする手段を含むことを
    特徴とする請求項13〜19のうちのいずれかに記載の
    システム。
  22. 【請求項22】 前記入力信号は、磁束要求量を表し、
    前記磁束コントローラは、所定の磁束を要求磁束と比較
    して制御信号を生成する比較器をさらに含むことを特徴
    とする請求項4〜21のうちのいずれかに記載のシステ
    ム。
  23. 【請求項23】 回転子と、固定子と少なくとも1つの
    相巻線とを有するブラシレス電気機械を制御する方法で
    あって、 前記相巻線の両端の磁束誘発電圧を示す部分を含む前記
    フィードバック信号を生成し、 機械の要求出力を示す入力信号を生成し、 前記入力信号と前記フィードバック信号とに応答して、
    少なくとも1つの相巻線の通電を制御することを特徴と
    する方法。
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