JP2001196238A - 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置 - Google Patents

平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置

Info

Publication number
JP2001196238A
JP2001196238A JP2000004177A JP2000004177A JP2001196238A JP 2001196238 A JP2001196238 A JP 2001196238A JP 2000004177 A JP2000004177 A JP 2000004177A JP 2000004177 A JP2000004177 A JP 2000004177A JP 2001196238 A JP2001196238 A JP 2001196238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
rectangular
wire
core
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000004177A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001196238A5 (ja
Inventor
Toshiyuki Kawai
利之 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittoh Zohki Co Ltd
Original Assignee
Nittoh Zohki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittoh Zohki Co Ltd filed Critical Nittoh Zohki Co Ltd
Priority to JP2000004177A priority Critical patent/JP2001196238A/ja
Publication of JP2001196238A publication Critical patent/JP2001196238A/ja
Publication of JP2001196238A5 publication Critical patent/JP2001196238A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一本の平角線が多数列複数層にわたって実際
上整列巻きされ得るようにした平角線多層巻角形コイル
を提供すること。 【解決手段】 平角線多層巻角形コイル10は、全体と
して角筒11を形成するように、平角線1を、この線1
の幅方向に多数列に且つ厚さ方向に複数層に、巻いてな
り、第一巻層L1や第二巻層L2の平角線が、角筒11
のうち各巻層L1やL2に固有の一側面AやDにおいて
その一側面AやDの一縁HやGと他縁EやHとで平角線
1の幅W以上の長さだけ筒11の軸線Kの方向にズレた
位置を通るように斜行ないし斜め渡りし、固有の一側面
AやD以外の側面B,C,DやA,B,Cでは筒11の
軸線Kの方向に実際上直角な方向(軸線Kに垂直な面
内)に延びている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平角線多層巻角形
コイル、該コイルの形成方法、及び該コイル形成用の治
具ないし巻機(巻線機)に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、平角線多層巻角形コイルとして
は、平角線の約半分の長さで一列多層にスパイラル状
(渦巻状)に巻いた一つのコイル部及び残りの約半分の
長さで一つのコイル部とは極性が順方向になるように一
列多層にスパイラル状に巻いたもう一つのコイルを備え
た二重コイルどうしを側面で接着して一体化し、かつそ
れらの二重コイルの隣り合う一端部どうしを極性が順方
向になるよう接続したものは知られている(例えば、特
開昭61−154015号公報及び特開昭61−214
748号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このコ
イルでは、中間の接続部で絶縁被覆がない状態になる。
また、多数列に巻くためには、多数の二重コイルをつな
ぐ必要がある。
【0004】なお、丸線の場合には、二等辺を有する三
角形又は台形などの形状のコイルにおいて、二等辺部分
の線束を直線状に配置することを目的として、各巻層の
折返し点を底辺もしくは頂辺に集約するようにすること
は知られている(実開昭58−7308号公報)。
【0005】しかしながら、この技術は、いずれの方向
にも同程度に曲げやすい丸線のコイルに関するものであ
って、幅方向には曲げにくい平角線の巻き方を示唆する
ものではない。
【0006】本発明は、前記諸点に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、一本の平角線が多数
列複数層にわたって実際上整列巻きされ得るようにした
平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法、及びコ
イルの巻機ないし治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の平角線多層巻角
形コイルは、前記した目的を達成すべく、全体として角
筒を形成するように、平角線を、該線の幅方向に多数列
に且つ厚さ方向に複数層に、巻いてなる平角巻線多層巻
角形コイルであって、各巻層の平角線が、角筒のうち該
巻層に固有の一側面において該一側面の一縁と他縁とで
平角線の幅以上の長さだけ筒の軸線方向にズレた位置を
通るように斜行し、前記固有の一側面以外の側面では筒
の軸線方向に実際上直角な方向に延びている。
【0008】本発明の平角線多層巻角形コイルでは、
「各巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に固有の一側面
において・・・斜行し、前記固有の一側面以外の側面で
は筒の軸線方向に実際上直角な方向に(すなわち軸線に
垂直な面内で)延びている」ので、平角線は角筒の角す
なわち巻層に固有の一側面の両側縁部で幅方向に折曲げ
られることになるから、その折曲ないし転向が確実に行
なわれて、整列巻が確実に行なわれ得るだけでなく、
「固有の一側面以外の側面では筒の軸線方向に実際上直
角な方向に延びている」ので、角筒の軸線に垂直な支持
面を設けることによって確実に位置決めされ得るから、
整列状態で強く巻かれ得る。
【0009】また、本発明の平角線多層巻角形コイルで
は、「各巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に固有の一
側面において該一側面の一縁と他縁とで平角線の幅以上
の長さだけ筒の軸線方向にズレた位置を通るように斜行
(即ち側面を斜め渡り)」している。
【0010】この場合、「各巻層の平角線が、角筒のう
ち該巻層に固有の一側面において該一側面の一縁と他縁
とで平角線の幅に一致する長さだけ筒の軸線方向にズレ
た位置を通るように斜行する(即ち斜め渡りする)」と
きには、各層の巻終り端部のところに支持用の治具面を
形成しておくことにより、固有の一側面以外の側面にお
いて「筒の軸線方向に実際上直角な方向に延びる」平角
線部分を該治具面に沿わせることが可能になり、且つ一
つの巻層の軸線方向の巻終り端部において角筒の角の部
分で第二巻層を形成する平角線部が巻き始められるの
で、第二巻層における巻線の第一回目の巻付のうち最後
の側面上への巻付に際して、該側面に入る際に縁で幅方
向に曲げ更に該側面の下流側の側縁で第二層の最初の一
巻の始まり部分の巻線の側縁に角筒の角で位置決めし得
るから、最後の側面の巻き終りに続く巻線の第二回目の
巻付が該巻層の第一回目の巻付縁部に沿って行われるよ
うに巻付力を加えることが可能になり、上記最後の側面
が固有の側面になるような斜め走行を行なわせ得る。こ
のような巻付を軸線方向の両端近傍で繰り返すことによ
り、平角線を軸線方向に沿っては実際上隙間のない状態
で整列巻きし得る。このようにして形成された平角線の
コイルでは、平角線の形状の故に隣接平角線の間の間隙
が少ない(占積率が高い)ので、丸線を用いたコイルと
比較して高性能のコイルにすることが可能であり、ま
た、場合によっては、コイルの性能を丸線のコイルと同
程度にするときは、コイルの体積を小さくすることも可
能になる。
【0011】なお、平角線は、典型的には、絶縁被覆さ
れた銅線からなり、絶縁被覆は、例えば自己融着性の樹
脂系材料からなる。但し、導線の素材は、銅の変わりに
他の金属又は合金でもよく、また、絶縁被覆材料は、自
己融着性でなくてもよい。
【0012】平角線多層巻角形コイルにおいて、好まし
くは、各巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に固有の一
側面において該一側面の一縁と他縁とで平角線の幅に一
致する長さだけ筒の軸線方向にズレた位置を通るように
斜行し、隣接する上下の二層のうち上側の巻層における
前記固有の一側面が、下側の巻層における前記固有の一
側面よりも、コイルの巻き方向に関し一つだけ上流側の
側面である。
【0013】一方、「各巻層の平角線が、角筒のうち該
巻層に固有の一側面において該一側面の一縁と他縁とで
平角線の幅に一致する長さだけ筒の軸線方向にズレた位
置を通るように斜行する」ようにしておく一方で、各層
の巻終り端部から少し離れたところに治具の支持面を配
置させておいてもよく、そのときには、一つの巻層の軸
線方向の巻終り端部近傍において角筒の角の部分よりも
少し巻き進んだところで第二巻層を形成する平角線部が
巻き始められるから、第二巻層における巻線の第一回目
の巻付のうち最後の側面上への巻付の後、該側面の下流
側の縁部と第二層目への載上げが行なわれた側面の中間
部において突出した巻線部の側縁とを結ぶ線に沿って斜
行巻付(斜め渡りの巻付)が行われ得る。従って、この
場合には、平角線多層巻角形コイルにおいて、隣接する
上下の二層における前記固有の一側面が角筒の同一の側
面になる。
【0014】なお、平角線多層巻角形コイルにおいて、
隣接する上下の二層における前記固有の一側面が角筒の
同一の側面になるようにするには、第一層の固有の一側
面の上流側縁部において最後の一巻の平角線部分の側縁
と治具面との距離が巻線幅よりも大きくなればよいか
ら、「各巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に固有の一
側面において該一側面の一縁と他縁とで平角線の幅より
も大きい長さだけ筒の軸線方向にズレた位置を通るよう
に斜行(斜め渡り)」させておいてもよい。
【0015】本発明の平角線多層巻角形コイルにおい
て、角筒の横断面は、三角形、又は四角形、又はそれ以
上の多角形である。但し、角筒の横断面でみた辺のうち
少なくとも一つが曲線状であっても、筒の横断面でみた
辺のすべてが直線状であってもよい。前者の場合、例え
ば、モータ等のコイルとして用いられるに適し、後者の
場合、例えば、ボイスコイル等として用いられるに適す
る。なお、角筒の角は、面取りされていてもよい。
【0016】また、本発明の平角多層巻角形コイルの形
成方法は、前記目的を達成すべく、平角線の先端を角柱
状の巻芯に対して不動に保持する段階と、平角線をその
先端の被保持部から角柱状の巻芯の一側面に対して斜行
させて該一側面に巻く第一段階と、平角線を角柱の軸線
に対して直角な方向に沿って角柱状巻芯の残りの側面に
巻きつける第二段階と、角柱状巻芯に既に巻かれている
平角線のうち最新の列の平角線部分の側縁に沿って延び
るように、角柱状巻芯の基端部まで平角線を巻芯に多数
列整列させて巻きつける段階と、前記斜行部のところで
下層の平角線上に載上げるように、巻芯の基端部におい
て巻芯の軸線に垂直に延びたフランジ面に沿って平角線
を巻きつける段階とを含む。
【0017】このコイルの形成方法では、平角線を角柱
状巻芯の一側面で斜行させその他の側面では直行させる
ようにしているので、角柱状巻芯の(角柱の)角を利用
して平角線に幅方向の折曲力を加え得るから、平角線を
強く整列巻し得る。しかも、斜行巻線部において平角線
が上の層に載上げるから、巻芯に対してフランジ面を備
えた治具等で載上げ方向や位置を規制することにより、
上の層の巻線を強固に巻くことも可能になる。巻芯を構
成する角柱の角は曲面状又は平面状に面取りされていて
もよい。
【0018】本発明の平角線多層巻角形コイル形成用治
具装置は、前記した目的を達成すべく、平行で向き合っ
た一及び別のフランジ面の間に二つのフランジ面の中央
部において該二つのフランジ面に垂直に延びた角柱状の
巻芯を備え、巻芯の軸線のまわりで回転可能な治具本体
を有し、治具本体が、巻芯に巻きつけられるべき平角線
の先端部を固定的に保持する保持部を備えると共に、先
端部から延びる平角巻線を巻芯の一側面に沿って斜行さ
せるべく平角線の側縁を案内する傾斜面を二つのフラン
ジ面のうちいずれか一方のフランジ面に有する。
【0019】この治具装置では、先端部で固定された平
角線が巻芯に巻きつけられる際、フランジ面に形成され
た傾斜面で側縁が案内ないし規制されて巻芯の一側面に
沿って斜行せしめられるから、該一側面に平角線の斜行
巻線部を形成し得るだけでなく、フランジ面のうち傾斜
面とは異なる部分により平角線の側縁を規制させること
により、巻芯の他の側面に直行巻線部を形成し得る。従
って、後は一巻の巻線部の側縁を利用して次の巻線部を
形成していくことにより一側面だけが斜行巻線部(斜め
渡り部)になった第一巻層を形成し得る。なお、斜行の
角度ないし程度は、巻芯のサイズなどに応じて適宜異な
るものを用いることにより、第二巻層以降を所望に応じ
た形態に巻き重ね得る。
【0020】本発明の治具装置ないし巻機において、治
具本体は、典型的には、一のフランジ面の中央部から垂
直に突出した角柱状の巻芯であって先端に係合部を備え
たものを有し該巻芯の軸線のまわりで回転可能な第一巻
付治具と、第一巻付治具と一体的に回転されるように該
第一巻付治具の係合部に係合される被係合部を備えた第
二巻付治具とを有し、第二巻付治具の被係合部は、該被
係合部が第一巻付治具の係合部と係合された際第一巻付
治具の前記一のフランジ面に平行に向き合う別のフラン
ジ面に形成されており、第一及び第二巻付治具は、第一
巻付治具の係合部及び第二巻付治具の被係合部が相互に
係合される際、平角線の先端部を挟持して固定的に保持
する一組の挟持部を有し、第二巻付治具が、挟持された
端部から延びる平角巻線を巻芯の一側面に沿って斜行さ
せるべく平角線の側縁を案内する前記傾斜面を前記別の
フランジ面に有する。
【0021】平角線多層巻角形コイル形成用治具装置で
は、治具本体のところへ送給される平角線部分が巻芯に
巻かれるべき前記軸線方向の位置を規定すべく、該巻芯
の近傍において、角柱の軸線に平行な方向に移動可能な
平角線ガイドを有する。
【0022】この場合、巻芯に引っ張り込まれる平角線
の位置(巻芯の軸線方向に関する位置)を規制し得るか
ら、斜行巻線部(斜め渡り部)が形成されたコイルの側
面の両側縁において斜行巻線部の転向を強制的に行わせ
て斜行巻線部の両端において平角線を幅方向にも強制的
に曲げ得るので、平角線多層巻角形コイルを強く整列巻
することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明による好ましい実施
例を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
【実施例】次に、本発明の好ましい第一実施例を図1か
ら8に基づいて説明する。図1の(a)から(d)並び
に図2の(a)から(d)には、第一実施例の平角線多
層巻角形コイル10を形成する過程が斜視図及び側面
(端面)図で示され、図3には、各層の各側面の巻線の
状態が示されており、図4の(a)及び(b)には五列
の平角線二層巻角形コイルが示され、図5の(a)から
(c)、図6の(a)及び(b)、図7並びに図8に
は、巻機50によるコイル10の形成の仕方が示されて
いる。
【0025】平角線多層巻角形コイル10は、例えば、
図1の(a)から(d)に示した形成途中の状態からも
わかるとおり、角筒11の形態であり、この例では、角
筒11は横断面がほぼ正方形である四角筒からなる。な
お、角筒11の横断面形状は、三角形でも、長方形や菱
形や台形など四角形でも、五角形又はそれより辺の数の
多い多角形でもよく、各辺は、直線状でもその代わりに
曲線状でもよい。この例では、角筒11は、四つの側面
A,B,C,Dを有し、該側面のうち隣接する側面Aと
B、BとC、CとD、DとAの間には、夫々角筒の角部
に一致する四つの側縁E,F,G,Hが形成されてい
る。ここで、角ないし側縁Eは側面Aの下流側側縁で且
つ側面Bの上流側側縁であり、側縁Fは側面Bの下流側
側縁で且つ側面Cの上流側側縁であり、側縁Gは側面C
の下流側側縁で且つ側面Dの上流側側縁であり、側縁H
は側面Dの下流側側縁で且つ側面Aの上流側側縁であ
る。
【0026】図1から図3よりわかるように、コイル1
0の最内層すなわち第一巻層L1では、角筒11の側面
Aにおいて平角線1(幅W,厚さT)がJ1方向に斜行
し、残りの側面B,C,Dでは、平角線1が角筒11の
軸線Kに直角な方向に(即ち軸線Kに垂直な面内で)延
びており、側面Aが平角線1の斜行する(即ち側面を斜
めに渡る)固有の一側面になっている。ここで、軸線と
は、角筒11の横断面の重心を通る線をいう。一方、コ
イル10の第二層L2では、角筒11の側面Dにおいて
平角線1がJ2方向に斜行し、残りの側面A,B,Cで
は、平角線1が角筒11の軸線Kに直角な方向に延びて
おり、側面Dが平角線1の斜行する(側面を斜めに渡
る)固有の一側面になっている。斜行方向J2は、線材
すなわち平角線1の巻き方向(巻かれている向き)を含
めてみると、斜行方向J1と比較して、軸線Kに対する
傾斜角の絶対値が同一で巻き方向が反対である。同様
に、第三層L3では側面Cが平角線1がJ1方向に斜行
した固有一側面に、第四層L4では側面Bが平角線1が
J2方向に斜行した固有一側面になっている。コイル1
0は、二層またはそれより多層であればよく、第三層L
3以上の層はなくてもよい。すなわち、この例の場合、
コイル10の平角線1が斜行する固有の一側面ないし固
有側面は、第一層L1から外の層L2,L3,・・・向
かってD→C→B→A→D・・・の順に変化している。
【0027】より詳しくは、例えば、第一層L1の巻終
り状態を示した図1の(a)及び図3からわかるよう
に、側面Aの平角線部は五本の斜行巻線部A11,A
12,A 13,A14,A15からなり、また側面Bの
平角線部は五本の直行巻線部B ,B12,B13
14,B15、側面Cの平角線部は五本の直行巻線部
11,C12,C13,C14,C15、側面Dの平
角線部は五本の直行巻線部D11,D12,D13,D
14,D15からなる。ここで、平角線1は、A
11,C11,D11,A12,B12,・・・,C
15,D15の順につながった一本の線材からなる。巻
線部A1i(i=1〜5)について右左両側の側縁をA
1ia,A1ibとすると、側面Aにおいて、隣接する
巻線部A1j,A1k(但しj=1〜4で、k=j+
1)の隣接側縁A1jb,A1kaは、対面領域の実際
上全体で密接している。側面Bの隣接巻線部B1j,B
1kの隣接側縁B1jb,B1ka、側面Cの隣接巻線
部C1j,C1kの隣接側縁C b,C1ka、側面
Dの隣接巻線部D1j,D1kの隣接側縁D1jb,D
aについても同様である。
【0028】斜行巻線部A12,A13,A14,A
15は、夫々の上流端に相当する角筒11の縁部Hと下
流端に相当する角筒11の縁部Eとで、角筒11の軸線
Kの延在方向に、平角線1の幅Wに一致する距離Wだけ
ずれるようにJ1方向に斜行(即ち斜め渡り)してい
る。
【0029】なお、斜行巻線部A11の先端部すなわち
平角線1の先端部16は、例えば、斜行巻線部A11
斜行巻線部A12のL1程度の長さになるところ17で
コイル10の内部18に向かって折れ曲がっている。こ
の折曲先端部16は、後述のように、コイル10を角柱
状の巻芯に巻き始める際、係合・保持されて固定され
る。先端部16の保持・固定の仕方に応じて先端部16
の延在方向等は異なっていてもよく、最終的なコイル製
品としては、所望に応じて切断されても、所望の向きに
変形・転向された後所望に応じて切断されてもよい。
【0030】また、第一巻層L1の斜行巻線部A
1iは、第一巻線部A11の折曲部17を除いて、上流
側の端部(角筒11の角)Hでは、図1から3において
幅方向左向きに折り曲げられ、下流側の端部(角筒11
の角)Eでは、図1から3において幅方向右向きに折り
曲げられている。
【0031】コイル16の第二巻層L2は、図3及び2
からわかるように、斜行部が側面Dになっている点を除
いて、第一巻層L1の場合と実際上同様である。但し、
平角線1の巻回方向に沿って増加するように巻線部A
2iの「i」を採ると、軸線K方向の巻回の向きが第一
巻層L1の場合の向きK1(右巻き)から反対の向きK
2(左巻き)に変わるので、例えば、側面Aにおいて隣
接する巻線部A2j,A 2k(但しj=1〜4で、k=
j+1)の隣接側縁A2ja,A2kbが対面領域の実
際上全体で密接している。側面Bの隣接巻線部B2j
2kの隣接側縁B2ja,B2kb、側面Cの隣接巻
線部C2j,C2kの隣接側縁C2ja,C2kb、側
面Dの隣接巻線部D2j,D2kの隣接側縁D2ja,
2kbについても同様である。
【0032】なお、図1の(c)からわかるように、第
二巻層L2の平角線1は、第一の直行巻線部A21の左
縁部A21bが後述のように治具51の本体55のフラ
ンジ面54に規制されるので、第一の直行巻線部A21
の右縁部A21aが図1の(a)の想像線12に沿うよ
うに、第一巻層L1の斜行巻線部A15上に載上げる。
ここで、想像線12は、側縁ないし端部Eにおける第一
巻層L1の巻線部A の縁部A15aの位置と側縁な
いし端部Hにおける第一巻層L1の巻線部A の縁部
15bの位置とを結ぶ仮想線で、軸線Kに直角に延び
る線である。直行巻線部B15のある側面Bでは、第二
巻層L2の直行巻線部B21は、第一巻層L1の直行巻
線部B15に丁度重なり、側面Cでも、第二巻層L2の
直行巻線部C21は、第一巻層L1の直行巻線部C15
に丁度重なる。
【0033】一方、側面Dでは、図2の(c)からわか
るとおり、側縁Gから側面Dに入った巻線部D21は、
その縁部D21bが側縁Hのところから既に第二巻層L
2に入っている側面Aの第一巻線部A21の突出した縁
部A21a(図1の(c)参照)に密接するように、側
縁Gで幅方向に折り曲げられてJ2方向に斜行する。第
二巻層L2の直行巻線部A22〜A25,B22〜B
25,C22〜C25は、第二巻層L2の各側面A,
B,Cでの第一直行巻線部A21,B21,C21に夫
々平行で、巻線部の隣接側縁は相互に密接している。ま
た、第二巻層L2の斜行巻線部D22〜D24は、第二
巻層L2の側面Dでの第一斜行巻線部D21に平行で、
巻線部の隣接側縁は相互に密接している。第二巻層L2
では、斜行巻線部の数(この例では4)は、直行巻線部
の数(この例では5)よりも一つ少なく、側面Cの最後
の巻線部C25に続く側面Dの巻線部は、第二巻層L2
の最初の巻線部A21が第一巻層L1の斜行巻線部A
15に載上げたのと同様に、巻層L2の斜行巻線部D
24上に載上げて、第三巻層L3の最初の直行巻線部D
31を形成する。上層に更に巻線部が形成されている場
合、その巻回ないし延在のし方は上述の場合と同様であ
る。
【0034】なお、左巻きコイルの形態の第二巻層L2
の斜行巻線部D2iは、図2の(c)や図3の(b)で
みて、上流側の端部(角筒11の側縁)Gでは、幅方向
右向きに折り曲げられ、下流側の端部(角筒11の側
縁)Hでは、幅方向左向きに折り曲げられている。
【0035】例えば、このようにして、図4の(a)に
斜視図を、(b)に右側面図を示したような五列の平角
線二層巻角形コイル10が形成される。なお、この五列
の平角線二層巻角形コイル10の四側面A,B,C,D
は、図3のうち二層巻の状態L2についてのA,B,
C,D側面について示した状態にある。この説明では、
簡単のために、軸線方向Kの列数を極めて小さくとった
例について示したけれども、例えば、数10列またはそ
れ以上の多数列の二層巻角形コイル10でもどうようで
ある。CD−ROM等のピックアップを径方向に直線的
に駆動するためのボイスコイルの場合、小さいもので
は、例えば、正方形(横断面)の一辺が5〜10mm程
度、長さが5〜10mm程度で、平角線1の幅Wが20
0μm程度のときは、25〜50列程度の二層巻(より
多層巻でもよい)コイルになる。平角線の幅はより小さ
くてもより大きくてもよく、幅に応じて一層当たりのタ
ーン数(列数)も変わり得る。なお、例えば、コイル1
0が図示のように、5列2層である場合、コイルの長さ
は、1mm程度となり、極めて小さいコイルにし得る。
【0036】コイル10が三層以上の巻層を有するよう
にする場合には、図3(c)や(d)の第三巻層L3や
第四巻層L4などを、各側面がA,B,C,Dの状態に
なるように、順々に同様に形成していけばよい。更に、
第五巻層以上の巻層を形成する場合には、第二巻層L2
から第四巻層L4の場合と斜行巻線部では巻線部の数が
一つ少なくなるので、第一巻層のA11に相当する巻線
部がなくて、第一巻層の第二巻線部A12に重なるとこ
ろにおいて第五巻層の第一巻線部A51が斜行する点を
除いて、後は同様である。第六巻層以降は第二巻層以降
と同様である。
【0037】次に、以上のようなコイル10を巻く巻線
機ないし巻機50及び該巻機50を用いたコイル10の
巻き方ないし形成方法について、図5から8に基づい
て、説明する。
【0038】巻機50の本体50aは、図5の(a)に
示したように、軸線PのまわりでR1方向に回転可能に
フレーム(図示せず)に支持されこの図で左側にある第
一治具としての左側回転軸51と、この回転軸51に対
して軸線P方向に向き合って配置され軸線Pのまわりで
R1方向に回転可能な第二治具としての右側回転軸52
とを有する。説明の簡明化のために、図から7では、軸
線Pに一致する方向がZ軸に、これに垂直な面がX−Y
平面になり、巻機50のフレーム(図示せず)に固定さ
れたX−Y−Z直交座標系を採る。X軸は紙面(図5の
(a)の表面」)に垂直で手前に向かう向きに採り、Y
軸は、紙面(図5の(a)の表面」)内で上向きに採
る。
【0039】左側回転軸51は、一対のタイミングプー
リ及びその間のタイミングベルト等又は歯車機構からな
る回転伝達機構(図示せず)を介してステップモータM
1の出力軸に連結されている。53は、ステップモータ
M1に駆動パルスを所定のシーケンスで与える駆動制御
部である。右側回転軸52は、左側回転軸51に対して
Z1,Z2方向(即ち+Z,−Z方向)に近接離間可能
にスリーブ(図示せず)に支持され、該スリーブと一体
的にR1方向に回転可能にフレーム(図示せず)に支持
されている。なお、右側回転軸52も、左側回転軸51
とは別個に回転伝達機構(図示せず)を介して同一又は
別の同期駆動されるステップモータの出力軸に連結され
ていてもよい。
【0040】左側回転軸51は、軸線Pに垂直なフラン
ジ面54を備えた軸本体部55と、フランジ面54に対
して垂直に該フランジ面54から突出した四角柱状の巻
芯部56と、該巻芯部56のZ2方向の先端部に形成さ
れた先端係合部57とを有する。先端係合部57は、突
起部58と巻芯56の先端面56dとからなる。所望な
らば、巻芯部56の角56E,56F,56G,56H
が、曲面状又は平面状に面取りされていてもよい。
【0041】軸本体部55は、例えば、横断面が一辺S
o(例えば数mm〜数cm、但しより大きくても小さく
てもよい)の正方形の四角柱状で、四側面55A,55
B,55C,55Dを有する。なお、軸本体部55のう
ちフランジ面54から離れた部分は、例えば円柱状など
他の形状でもよい。従って、フランジ面54も一辺がS
oの正方形である。フランジ面54の形状及びサイズ
は、典型的には、形成されるべきコイルの横断面の形状
と同様で且つコイルの外径(外側のサイズ)よりも少し
大きい。但し、平角線1の巻芯部56への斜行巻部(斜
め渡り部)の形成の際、平角線1が引っかかる虞れがな
いように、最小限の大きさであることが好ましい。巻芯
部56は、軸本体部55と一体に形成されていても、軸
本体部55とは別体で形成され該軸本体部55に対して
取外しないし取替え可能に固定されてもよい。巻芯部5
6は、コイル10の長さ(但し巻始め部A11のうちフ
ランジ面63の凹部67内に嵌るべき部分のZ方向長さ
を除く)に対応する長さZLを備え横断面が一辺Siの
正方形の四角柱状である。巻芯部56の先端係合部57
の軸線方向突起部58は、横断面が一辺Seの正方形状
で軸線方向Pに長さZeだけ突出している。
【0042】突起部58及び巻芯部56には、突起部5
8の先端59から巻芯部56の先端領域56a内に達す
る係合溝60が形成されている。係合溝60は、平角線
1の先端1cが嵌挿されるように深さW1が平角線1の
幅Wとほぼ同じ(但しW1≧W)で幅T1が平角線の厚
さWとほぼ同じ(但しT1≧T)である平角線先端部保
持用の溝部61を、巻芯部56のX方向の両端面56
A,56C(図5の(a)及び図7参照)並びに突起部
58のX方向の両端面58a,58b(但し図5の
(a)において紙面の奥に位置する端面58bは図示せ
ず)間に有する。係合溝60は、更に、平角線1の先端
部1cないし16が突起部58の先端59から保持用溝
部61に挿設・嵌合されるように該先端部1cを案内す
る傾斜案内面62a,62bを備えた案内溝部62を有
する。
【0043】一方、右側回転軸52は、フランジ面54
に向き合う位置に、フランジ面54と実際上同一形状の
外形を有するフランジ面63を備え、該フランジ面63
には、左側回転軸51に向かってZ1方向に移動された
際左側回転軸51の巻芯部56の先端係合部57の突起
部58が嵌着されるように突起部58の外形と相補的な
形状、即ち横断面が一辺Seの正方形で深さがZeの四
角柱状の被係合凹部ないし被係合穴部64と、図5の
(b)において被係合穴部64からX方向端面52aま
でX方向に延びた幅がT2(但しT2≧W)で深さWt
の巻線ガイド溝部65と、溝部65のうち、軸線Pを基
準としてみて、X方向にSi/2離れた部位68から回
転軸52の外側面52aまでの領域ないし範囲におい
て、溝部65のY方向上縁部65aからフランジ面63
に向かって延びた傾斜底面66を備えた巻始め位置規制
凹部67とを有する。巻始め位置規制凹部67は、Y方
向位置がSi/2〜Si/2+Δのところで、フランジ
面63につながる。ここで、0≦Δ≦Tである。凹部6
7の側面68は、図5の(a)に示したような三角形状
になる。なお、先端係合部57と係合されるべき被係合
部は、被係合穴64と、フランジ面63のうち溝65を
含む部分とからなる。
【0044】巻線機50は、図5に示した巻機本体50
aに加えて、更に、図6の(a)及び(b)並びに図7
に示したように、軸線Pに平行な軸線Pgに沿って延在
した支持軸80に支持され、軸線Pgに沿ってZ1,Z
2方向に移動可能な平角線ガイドないし線材ガイド70
を有する。線材ガイド70は、図7に示したように、軸
80の外周螺旋溝(図示せず)に係合したボールネジ
(図示せず)を内周部に備えた内側軸受部71と、該内
側軸受部71に対して軸線Pgのまわりで回転自在な外
側軸受部72と、外側軸受部72に固定されたガイド本
体部73とを有する。ガイド本体73は、外周面の軸線
方向Pgの両端側に中央部に向かって傾斜した案内面7
4,75を備えると共に、軸線方向Pgの中央部に幅が
W程度で深さがT程度の案内溝76を備える。従って、
線材ガイド70のガイド本体73は、軸80のR1,R
2方向回転に応じて、Z1,Z2方向に移動自在である
と共に、軸線Pgのまわりで回転自在である。
【0045】軸線Pgは、図7からわかるように、軸線
P,Pgに垂直な面(X−Y面に平行な面)内でみてガ
イド70と軸51,52及びコイル10とがぶつかった
りしない(干渉しない)範囲で、巻芯56に巻きつけら
れる平角線1に曲げ力を及ぼし得るように、軸線Pに近
接して位置する。なお、ガイド70には、ほぼ−Y方向
に導入された平角線1が、ほぼ45度程度の円弧にわた
ってガイド70の本体部73の案内溝76に沿って案内
されV方向に転向されて巻芯56に達するように配置さ
れる。
【0046】より詳しくは、巻芯56のR1方向の回転
により線材即ち平角線1がV方向に引かれると、平角線
1がガイド70の本体部73の案内溝76に沿って走行
するので、ガイド70の本体部73は、外側軸受部72
と共にR1方向に回転しつつ、平角線1を−Y方向に送
り出す。一方、ガイド70の軸線Pg方向の位置は、支
持軸80をR1,R2方向に回転させることにより調整
される。すなわち、支持軸80をR1,R2方向に回転
させると、支持軸80とボールネジ部で螺合ないし係合
した内側軸受部71が支持軸80に対してZ1,Z2方
向に移動する。
【0047】支持軸80は、例えば、ステップモータM
2を介して、その回転駆動制御部81に結合されてい
る。ステップモータM2の回転駆動制御部81は、ステ
ップモータM1の回転駆動制御部53に結合されていて
該制御部53から同期駆動信号を受取ってモータM2を
同期回転させる。回転軸51,52の回転に同期してガ
イド70の軸線Pg方向の位置が決定される。回転駆動
制御部81は、コイル10の巻数(形成されるべきコイ
ルの巻層の数、コイルの一層当たりの列数、コイルの横
断面形状及びサイズ、コイルの横断面の各辺の長さ、平
角線の幅や厚さ、軸線Pg,Pの相対的な位置関係(図
7で見た向きでの位置関係など)及び距離などを考慮し
て、モータM1による巻芯56の回転角に応じた回転を
支軸80に与えてガイド73のZ方向位置を制御する。
その位置制御のパターンの概略は、図8に実線Uすなわ
ち実線U1,U2で示したとおりである。なお、ガイド
70のZ方向位置は、巻芯56に引き込まれる平角線1
のZ方向位置を規定して平角線1の直行、斜行、折曲を
規定しようとするものであるから、ガイド70と巻芯5
6との間での平角線1の撓みを最小限にすべく、ガイド
70巻芯56に近接させることが好ましい。
【0048】なお、回転軸51のR1方向の回転位置検
出手段及びガイド70の軸線Pg方向の位置検出手段を
設けておいて、例えば、回転軸51の所定の回転位置へ
の到達を検出する毎に、ガイド70が採るべき軸線Pg
方向の目標位置を求めると共にガイド70の軸線Pg方
向の現在位置を検出して、ズレをなくすべく支持軸80
を追加的に加速・減速回転させ得るようにしておいても
よい。
【0049】ガイド71は軸線Pgのまわりで回転可能
である代わりに、回転することなく平角線1を摺動案内
するように構成されていてもよい。
【0050】次に、以上の如く構成された巻線機50を
用いて平角線多層巻角形コイル1を形成する手順につい
て、説明する。平角線1は、例えば、横断面の幅Wが2
00μm程度、厚さTが50μm程度で、自己融着性の
絶縁材料で絶縁被覆された銅線からなるとする。但し、
横断面のサイズW,T及び線材の材質は異なっていても
よいことは明らかであろう。また、平角線1は、ボビン
などから繰り出されるものでも、絶縁被覆付丸形導線を
圧延処理して絶縁被覆付平形導線(平角線)に加工する
(例えば、特願平10−238240号)と共に、その
平角線をそのまま巻機に導入するようにしてもよい。
【0051】まず、図5の(a)に示したように回転軸
5L42が分離された初期状態において、自己融着性の
絶縁被覆付の平角線1をガイド70に沿って引き出して
該平角線1の先端1cを−X方向に向けておいて該先端
1cを巻芯56の突起部ないし突出部58の溝60の奥
の溝部61に挿入する。この場合、平角線1の長手方向
に見て、例えば、溝61の長手方向(図5の(a)では
X方向)の実際上全長に延びる十分な長さだけ、平角線
1の先端1cを挿入する。なお、先端1cの一方の表面
では、好ましくは、絶縁被覆が剥離されたコンタクト部
2が予め形成されている。以上においては、溝60がX
方向に延びるとして説明したけれども、回転軸51,5
2は、軸線Pのまわりで回転可能であるから、溝60が
人手により又は機械により作業をし易い向きに回転軸5
1,52を回転させておいて、溝60の奥の溝部61に
平角線1の先端1cを挿設すればよい。
【0052】次に、回転軸52の溝65が平角線1の先
端部1cと同一の方向(例えばX方向)に延在するよう
に回転軸52の回転位置を合せておき、該回転軸52を
回転軸51に対してZ1方向に近接させて、回転軸52
の被係合部としての角穴64を回転軸51の先端係合部
57の角柱状の突起部58に嵌合させる。このとき、平
角線1の先端1cにつながる部分1eが回転軸52の溝
65内に嵌り込むと共に、巻芯56の先端面56dが回
転軸52のフランジ面63の内周縁部63aに密接す
る。その結果、平角線1の先端部1cが、一方の挟持部
ないしクランプ部としての溝部61の側面及び底面、並
びにもう一方の挟持部ないしクランプ部としての溝部6
5の基端部65bの側面及び底面等により、クランプす
なわち保持・固定される。このように保持・固定された
部分及び穴64内の部分が、コイル1の先端部16(図
4など)になる。
【0053】次に、回転軸51,52をR1方向の初期
位置に設定すると共にガイド70をZ1,Z2方向の初
期位置に設定する。初期位置では、回転軸51は、図7
において実線US1で示した位置を採り、平角線1は、
同図において、破線UW1で示したような状態を採る。
一方、初期位置では、ガイド70は、例えば、溝65の
底65cと平角線1の側縁1aとがほぼ面一になるか側
縁1aが底65cよりも僅かにZ1方向にずれた位置を
採るように、位置決めされる。従って、ガイド70は、
テンションローラ(図示せず)で所定の張力に保持され
−Y方向に導入される平角線1を、図7に示したような
実際上同一平面内で外周面に沿ってほぼ45度程度転向
させてV方向に引出し可能な状態になる。なお、夫々の
初期位置を検出器で検出し得るようにすると共に、駆動
制御部53,81を介してモータM1,M2を微小回転
させて初期位置に設定するようにしておいてもよい。
【0054】次に、駆動制御機構53への駆動を開始す
る。これにより、モータM1が回転駆動されて、回転軸
51,52及び巻芯56がR1方向に回転し始める。回
転軸51,52及び巻芯56は、回転の開始時における
加速及び停止時における減速を除いて、典型的には、実
際上一定速度(例えば、100〜200回転/分程度、
但し、より早くても遅くてもよく、例えば、形成される
べき角形コイルの横断面のサイズや用いられるべき平角
線の横断面のサイズや材質等に応じて変えてもよい)で
回転される。また、駆動制御機構53による同期制御の
下で、駆動制御機構81により支持軸80が回転されて
ボールネジを介してガイド70がZ1方向に位置的に同
期を取りつつ移動される。その結果、平角線1の先端に
近い部分1eは、先端固定部1cに対してZ方向に僅か
に傾斜して斜めに延び、側縁1aは、回転軸52のフラ
ンジ面63に形成された傾斜面66にほぼ沿って延び
る。回転軸51,52が、更にR1方向に回転される
と、平角線1の内表面1dが巻芯56の側面56Aに密
接し、更にR1方向に回転して図7において想像線US
2で示した位置に達すると、先端固定部1cでの折曲
(コイル10の折曲部16の形成)が完了して、平角線
1が巻芯5の角56Eで折曲げられ始める。これによっ
て、図5の(c)に示したように、平角線1の側縁部1
cが回転軸52のフランジ面63の凹部67の傾斜面6
6に密接せしめられて、平角線1の最初の一巻のうち側
面Aの斜行巻線部A11が巻芯56上に形成される。
【0055】一方、平角線1が巻芯部56の角56Eで
折り曲げられるようになると、ガイドB1のZ1方向移
動が停止される。回転軸51,52のR1方向の回転に
より、平角線1の側縁1aが回転軸52のフランジ面6
3に接する状態で平角線1の内面1dが巻芯部56の側
面56Bに接するようになると、側面Aの斜行巻線部A
11の下流端(角E)での折曲が完了し斜行巻線部A
11の形成が完了する。このとき、図5の(c)に示し
たように、平角線1は、巻芯56の角56Fで厚さ方向
の内面1d側に折り曲げられて巻芯56に密接せしめら
れるだけでなく、フランジ面63の方へ幅方向にも折り
曲げられることになる。この折曲は、平角線1の張力の
下で、傾斜面66とフランジ面63との角66a及び巻
芯56の角56Eを利用して行なわれるから、折曲力を
効果的に加え得る。なお、巻芯部56が一定速度で回転
されていても、回転角が90度増す毎に平角線1が新た
な角に係合するようになると、巻芯部56のまわりでの
巻付半径が、直前のSi/2からSi/21/2に急増
する。その結果、巻芯部56上に既に巻かれている平角
線の巻線部に締付け力が働く。従って、巻芯部56を一
定速度で回転させることは、角に巻きつけるようになる
毎に、巻線に締付け力を及ぼすべく巻付速度を変えるよ
うに回転制御ないし巻付制御していることになる。平角
線1の内面1dが巻芯部56の側面56Bに接すると、
次に、回転軸51,52のR1方向の回転により、巻芯
部56の角56Fにおける平角線1の折曲が始まり、平
角線1の側縁1aが回転軸52のフランジ面63に接す
る状態で平角線1の内面1dが巻芯部56の側面56C
に接するようになると、側面Bの直行巻線部B11の下
流端(角F)での折曲が完了し直行巻線部B11の形成
が完了する。同様にして、平角線1の側縁1aが平角線
1の回転軸52のフランジ面63に接する状態で平角線
1が巻芯部56の角56Gで折り曲げられて角形コイル
の側面Cの直行巻線部C11が形成され、更に、巻芯部
56上の平角線1の側縁1aが回転軸52のフランジ面
63に接する状態で平角線1が巻芯部56の角56Hで
折り曲げられて角形コイルの側面Dの直行巻線部D11
が形成される。
【0056】平角線1が巻芯部56の角56Hで折り曲
げられるようになると、回転軸51,52のR1方向の
回転に伴って、支持軸80が再度回転してガイド70を
Z1方向に送るようになる。その結果、角56Hでは平
角線1の厚さ方向に加えて幅方向の折曲が行なわれるこ
とになる。平角線1がJ1方向に斜行延在した後巻芯5
6の側面Aに接するときにまでには側面A上に配置され
るべき平角線部分の側縁1aは斜行巻線部A11の側縁
1bすなわちA11bに接するようになり、平角線1の
内面1dが巻芯56の側面Aに接し且つ側縁1aが斜行
巻線部A11の側縁A11bに密接して延在する状態に
なって、角56Hでの折曲が完了する。この折曲は、平
角線1の張力下で、巻芯56の角56H及び斜行巻線部
11の側縁A11bを利用して行なわれるから、角5
6Hでの折曲が効果的に行われ得る。
【0057】平角線1の内面1dが巻芯56の側面56
Eに密接すると、ガイド70のZ方向の送りが再度停止
され、回転軸51,52のR1方向回転に伴って、平角
線1の内面1dと巻芯56の側面56Bとが近接され、
平角線1の側縁1aが直行巻線部B11の側縁B11
に沿うように巻付が進行する。平角線1の内面1dが巻
芯56の側面56Bに密接する時点では平角線1の側縁
1aは直行巻線部B の側縁B11bの実際上前面に
密接して沿うようになり、第二斜行巻線部A の形成
が完了する。この第二斜行巻線部A12の終端の折曲、
特に幅方向の折曲は、フランジ面63から離れたところ
で行われ得るから、巻芯部56の角56Eだけでなく、
既存の巻線部A11,B11の側縁A11b,B11
を利用して行ない得るので、巻線部A12をZ2方向に
強く押付けることが可能になり、一層効果的な折曲が可
能になるだけでなく、場合によっては、既存の巻線部A
を側面66に更に強く密接させる役割を果たし得
る。
【0058】その後は、同様にして、巻線部B12,C
12,D12,・・・,D14,A 15が順次形成され
る。
【0059】図1の(a)に示したような第一層目の巻
線のうち側面B,C,Dの最終巻線部Bn,Cn,Dn
(図1の(a)の例ではn=5であるけれども、実際に
は、より多くてもよく、nは、例えば、数列〜数10
列、場合よっては数100程度又はより多くてもよい)
は、平角線1の側縁部1eが、回転軸51の本体部55
のフランジ面54に実際上密接して沿うように巻かれ
る。
【0060】巻線部A15の形成過程では、平角線1の
内面1dが巻芯56の側面56Aに近づくと平角線1
は、側縁1aが斜行巻線部A14の側縁A14bに沿っ
て側面56A上に位置決めされ、平角線1が巻芯56の
側面56Aに密接するときには、平角線1は、一方の側
面1aで斜行巻線部A14の側縁A14bの下流端に角
56Eで接し他方の側面1bで回転軸51の本体部55
のフランジ面54に接するようになり、角Eでの折曲後
は、直行巻線部B14の側縁B14bとフランジ面54
との間に割り込むことになる。従って、上述のような既
存巻線部の隣接側縁の密接化ないし既存巻線部の整列化
が、一層促進されることになる。他の直行巻線部C15
及びD15の形成は、同様にして、巻線部の密接化・整
列化を更に促すことになる。
【0061】側面Aに戻った平角線1は、回転軸51,
52のR1方向回転に伴って、巻芯56の角56Eで折
り曲げられつつ、第一層の巻線L1上に載上げ始める。
すなわち、(四角柱の場合)4n回目の角に達すると、
回転軸51,52のR1方向の回転の際、ガイド70の
Z方向位置は一定に保たれる。その結果、平角線1は、
回転軸51の本体部55のフランジ面54と側面Dの第
(n−1)巻線部の側縁との間に残った平角線1の幅W
と実際上同じ大きさの角の隙間Hgに丁度折曲部の始端
側が嵌りこむ状態で折り曲げられ、側面Aに入ると直ち
に、第一層L1上に載上げる。
【0062】第二層L2に入ると、回転軸51,52の
R1方向回転に伴って、角E,F,Gにおいて、折り曲
げられて、第二層L2の第一巻線部A21,B21,C
21が形成される。この間、ガイド70のZ方向位置
は、一定に保たれ、平角線1の側縁1bが回転軸51の
本体部55のフランジ面54に沿うような状態で巻線部
21,B21,C21が形成される。
【0063】次に、角Gにおける平角線1の折曲が開始
されると、ガイド70は、回転軸51,52のR1方向
回転に伴ってZ2方向に変位されて、平角線1の内面1
dが第一層L1の角Hに接触して折り曲げられる際に
は、平角線1の側縁1bが側面Aの第二層L2の第一直
行巻線部A21の折曲始端の側縁に沿って幅方向にも折
曲げられて、側面Dの第二層L2の第一巻線部D21
形成される。
【0064】その後は、回転軸51,52のR1方向回
転に伴って、側面A,B,C,Dに、同様な巻線部A
22,B22,C22,D22,A23,・・・が順次
形成される。第二層L2の最後の巻線部A2n
2n,C2nは、該層L2の一つ前の巻線部A
2(n−1),B2(n−1),C2(n−1)の側縁
と回転軸52のフランジ面63との間に丁度嵌り込む状
態で巻きつけられ、側面Dに入るところで終了する。
【0065】以上のようにして、n列二層巻の四角筒状
の平角線角形コイル10が形成される。なお、三層以上
の多層巻にしたい場合には、同様にして、巻き進めるよ
うにしておけばよい。
【0066】コイル10の巻回が完了したら、モータM
1,M2を停止させ、巻機50のフレームに取りつけた
カッタ(図示せず)で端部15(図4参照)を切断す
る。この端部15には、典型的には、予め絶縁被覆が除
かれたコンタクト部が形成されていても、切断後コンタ
クト部を形成してもよい。回転軸52をZ2方向に戻し
て、回転軸52の被係合穴64と回転軸51の先端係合
部57との嵌合ないし係合を解除し、回転軸52を回転
軸51から十分に離間させ、コイル10をZ2方向に回
転軸51から引き抜き、所望に応じて、例えば、図4の
(b)において、想像線16で示したように、端部16
を拡げて、平角線角形コイル10を完成させる。なお、
端部16の向きは、所望に応じて選べばよい。
【0067】巻機50による以上のようなコイルの形成
過程におけるガイド70のZ方向位置、より詳しくはガ
イド70のところにおける平角線1の側縁1aのZ方向
の位置Zは、回転軸51,52の回転に伴って、図8に
実線Uで示したように変動する。ここでは、見易さのた
めに、Z=0は、フランジ面63上である。回転軸5
1,52が一定速度で回転する場合には、横軸は、時間
の経過に対応する。ここでは、見やすさのために、回転
角を、平角線1の内面1dが当接する角部E,F,G,
Hで代替して示してある。また、角部E,F,G,Hの
間に示したA,B,C,Dは、平角線1の内面1dが新
たに巻回されようとしている側面A,B,C,Dを表
す。
【0068】図8の実線Uのうち実線U1からも明らか
なように、ガイド70は、第一巻層では側面Aに対面し
ている間だけZ方向に移動され、側面B,C,Dに対面
している間はZ方向には移動されない。一方、点Uxで
第一巻層上に載上げて第二巻層に入ると、ガイド70
は、側面Dに対面している間だけ−Z方向に移動され、
他の側面A,B,Cに対面している間はZ方向には移動
されない。
【0069】これに対して、所望ならば、ガイド70
を、図8において、想像線Uaで示したように位置制御
してもよい。この場合、斜行巻線部の形成の際、ガイド
70を巻線が形成されるべき位置よりも少しだけ大きく
+又は−Z方向に移動させる。これにより、新たに形成
される斜行巻線部の側縁1aが既にコイルに巻かれてい
る斜行巻線部の側縁1bやフランジ部63に引っかかる
虞れを最小限にし得る。しかも、線Uaの位置制御で
は、斜行巻線部の終端となるべき角部Bなどに一致する
ところ又はそれよりも後で且つ次の角部に達するよりも
前に、典型的には十分前に、直行巻線部を形成するため
の所定のZ方向位置まで戻すようにしている(単に、モ
ータM2の回転を所定角度だけ反転させればよい)。こ
れによって、隣接巻線部の対面側縁部がすきまなく確実
に密接せしめられて整列巻が確実に行われ得る。なお、
このような制御を、符号Ubで示したように、直行巻線
部の形成にも用いてもよい。更に、所望ならば、全ての
巻線部についてこのような制御を行なってもよい。
【0070】なお、平角線多層巻角形コイルとしては、
図1から4に示したようなコイル10の代わりに、図9
の(a)から(f)に示したようなコイル110でもよ
い。図9では、図1から8に示したコイル10及び巻機
の一方の治具50と同様な部材、部位ないし要素には、
符号1を前につけて示してあり、特に断らない限り、ま
た明示又は明記した点から必然的に異なる点を除いて、
図1から8までの説明が当てはまる。この平角線多層巻
角形コイル110は、図9の(e)からわかるように、
一つの層(この例では第一層)L1の斜行巻線部を含む
側面Aが、その上の層(この例では第二層)L2の斜行
巻線部を含む側面Aと同一である。即ち、斜行巻線部が
同一側面で重なっている点を除いて、実際上、コイル1
0と同様に形成されている。
【0071】このようなコイル110を形成するために
は、回転軸151の巻芯部156の長さを、図1及び2
や図5及び6などに示した回転軸51の巻芯部56の長
さよりも平角線1の幅Wの半分程度長く形成しておい
て、側面B,C,Dにおける第一層L1の最後の巻線部
1n,C1n,D1nの側縁B1nb,C1nb,D
1nb(C1nb,D1nbは図示せず)と回転軸15
1の本体部155のフランジ面154との間に、長さW
/2程度の間隙90が残るようにし、側面Dの最後の巻
線部Dnから側面Aに平角線1が戻った際、平角線1が
側面AのL1程度を巻芯部156上に直接巻かれた後、
図9の(a)において両側縁を想像線91,91で示し
たように、中間点92において、第一層L1の巻線部A
1n上に載上げるようにしておけばよい。
【0072】これによって、側面Aの巻線部93は、そ
の前半部(図9の(c)や(e)の下半部)93aが第
一層L1よりも僅かに且つ徐々に突出した特別な半斜行
巻線部A1(n+1)となり、後半部(図9の(c)や
(e)の上半部)93bが第一層よりも更に突出し第二
層よりも僅かに凹んだ第二層L2の特別な半斜行巻線部
21になる。
【0073】なお、このコイル110では、側面B,
C,Dは全て直行巻線部からなり、側面Aは、第一層L
1を除き、斜行巻線部Ai2,Ai3,・・・,Ain
と、その軸線方向の一方又は両側に、半斜行巻線部A
i1又はAi(n+1)を備える。なお、第二層L2の
第一の直行巻線部B21,C21,D21は側縁でフラ
ンジ面154に接し、斜行巻線部A22は実際上角部H
のところの側縁でフランジ面154に接する。
【0074】以上の例では、半斜行巻線部以外の斜行巻
線部が、該当する側面において、上流端の角と下流端の
角とで軸線方向に平角線の幅に等しい長さだけずれてい
る例について説明したけれども、傾斜角度をより大きく
してもよい。その場合、巻芯部の長さが図1のような巻
芯部56でも、所望ならば、図9に示したのと同様に、
斜行巻線部が同一側面上で重なるような平角多層巻線に
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の平角線多層巻
角形コイルの形成過程の一部を示したもので、(a)は
第一巻層の形成が完了する状態の斜視説明図、(b)は
(a)の右側面説明図、(c)は第二巻層の形成が始ま
った状態の斜視説明図、(d)は(c)の右側面説明
図。
【図2】本発明による好ましい一実施例の平角線多層巻
角形コイルの形成過程の残りの一部を示したもので、
(a)は第二巻層の形成が中間まで進行した状態の斜視
説明図、(b)は(a)の右側面説明図、(c)は
(a)とほぼ同程度の状態を(a)とは異なる方向から
見た斜視説明図、(d)は(c)の右側面説明図。
【図3】図1及び図2に示した巻き方で五列四層の四角
筒状のコイルを形成する場合におけるコイルの各巻層の
各側面での巻線部の状態を示したもので、(a)は第一
巻層の四側面の状態を示した説明図、(b)は第二巻層
の四側面の状態を示した説明図、(c)は第三巻層の四
側面の状態を示した説明図、(d)は第四巻層の四側面
の状態を示した説明図。
【図4】図1から3に示した巻き方で形成した五列の平
角線二層巻角形コイルを示したもので、(a)は斜視説
明図、(b)は(a)の右側面説明図。
【図5】本発明による好ましい一実施例のコイルの巻機
のうち治具部分(巻機本体)を中心に示したもので、
(a)は平角線の装着前の巻機の状態を示した正面説明
図、(b)は(a)の巻機のVB−VB線に沿って見た
説明図、(c)は(a)の巻機本体において平角線を巻
き始めた状態の正面説明図。
【図6】図5の巻機(本体)に用いられるガイド部分を
含めて示した巻機を示したもので、(a)は第一巻層の
形成途中の状態を示した正面説明図、(b)は第二巻層
の形成途中の状態を示した正面説明図。
【図7】図5及び6の巻機についての、図6の(a)の
VII−VII線断面説明図。
【図8】図6の巻機の線材ガイドの位置制御の仕方を模
式的に示したグラフ。
【図9】本発明による別の好ましい一実施例のコイル及
びその形成の仕方を示したもので、(a)は第一巻層の
形成が完了する段階の斜視説明図、(b)は(a)の右
側面説明図、(c)は第二巻層の形成を開始した段階の
斜視説明図、(d)は(c)の右側面説明図、(e)は
第二巻層の形成が完了した段階の斜視説明図、(f)は
(e)の右側面説明図。
【符号の説明】
1 平角線 1a,1b 平角線の側縁(側面) 1c 平角線の保持・固定される先端部 1d 平角線の内面 10,110 平角線多層巻角形コイル 11 角筒 16 コイルの固定先端部 50 巻線機(巻機) 50a 巻機本体 51,52,151 回転軸(治具) 52A,52B,52C,52D 回転軸52の各側面 53,81 ステップモータの駆動制御部 54,63,154 フランジ面 55,155 回転軸51,151の本体部 55A,55B,55C,55D 回転軸本体部55の
各側面 56 巻芯(部) 56A,56B,56C,56D 巻芯56の各側面 56d 巻芯の先端面 57 先端係合部 58 突起部(突出部) 60 係合溝 61 奥の係合溝部 64 係合穴 65 巻線ガイド溝部 65b 溝部65の基端部 65c 溝部65の底 66 傾斜面(凹部67の底面) 67 巻始め位置規制凹部 70 線材(平角線)ガイド 71 内周面にボールネジを備えた内側軸受部 72 外側軸受部 73 ガイド本体 74,75 傾斜案内面 76 係合溝 80 外周にボールネジが係合する螺旋溝を備えた支持
軸 90 隙間 92 平角線の載上げ部 A,B,C,D 角形コイルの側面 A11,・・・,A15,B11,・・・,B15,C
11,・・・,C15,D11,・・・,D15 角形
コイルの各側面(A,B,C,D)における第一巻層の
巻線部 A21,・・・,A25,B21,・・・,B25,C
21,・・・,C25,D21,・・・,D24 角形
コイルの各側面(A,B,C,D)における第一巻層の
巻線部 Aija,Aijb,Bija,Bijb,Cija,
ijb,Dija,D ijb 各側面(A,B,C,
D)における第i巻層のj番目の巻線部の各側縁(a,
b) E,F,G,H 角形コイルの角(各側面部の巻線部の
端縁) J1,J2 斜行巻線部の斜行方向 K コイルの軸線 L1 第一巻層 L2 第二巻層 M1,M2 ステップモータ P,Pg 回転軸線 R1,R2 回転方向 Si 巻芯部の一辺の長さ So フランジ面54,63の一辺の長さ T 平角線の厚さ U,U1,U2,Ua,Ub ガイド70の位置制御の
仕方を示した線 V ガイド70から巻芯への平角線の送給方向 W 平角線の幅 X,Y,Z 三次元直交座標(座標軸の方向) Z1,Z2 線材ガイドの移動方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として角筒を形成するように、平角
    線を、該線の幅方向に多数列に且つ厚さ方向に複数層
    に、巻いてなる平角巻線多層巻角形コイルであって、各
    巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に固有の一側面にお
    いて該一側面の一縁と他縁とで平角線の幅以上の長さだ
    け筒の軸線方向にズレた位置を通るように斜行し、前記
    固有の一側面以外の側面では筒の軸線方向に実際上直角
    な方向に延びている平角線多層巻角形コイル。
  2. 【請求項2】 各巻層の平角線が、角筒のうち該巻層に
    固有の一側面において該一側面の一縁と他縁とで平角線
    の幅に一致する長さだけ筒の軸線方向にズレた位置を通
    るように斜行し、隣接する上下の二層のうち上側の巻層
    における前記固有の一側面が、下側の巻層における前記
    固有の一側面よりも、コイルの巻き方向に関し一つだけ
    上流側の側面である請求項1に記載の平角線多層巻角形
    コイル。
  3. 【請求項3】 隣接する上下の二層における前記固有の
    一側面が角筒の同一の側面である請求項1又は2に記載
    の平角線多層巻角形コイル。
  4. 【請求項4】 角筒の横断面が、三角形、又は四角形で
    ある請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の平
    角線多層巻角形コイル。
  5. 【請求項5】 角筒の横断面でみた辺のうち少なくとも
    一つが曲線状である請求項1から4までのいずれか一つ
    の項に記載の平角線多層巻角形コイル。
  6. 【請求項6】 角筒の横断面でみた辺のすべてが直線状
    である請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の
    平角線多層巻角形コイル。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか一つの項
    に記載の平角線多層巻角形コイルからなるボイスコイ
    ル。
  8. 【請求項8】 平角線の先端を角柱状の巻芯に対して不
    動に保持する段階と、 平角線をその先端の被保持部から角柱状の巻芯の一側面
    に対して斜行させて該一側面に巻く第一段階と、 平角線を角柱の軸線に対して直角な方向に沿って角柱状
    巻芯の残りの側面に巻きつける第二段階と、 角柱状巻芯に既に巻かれている平角線のうち最新の列の
    平角線部分の側縁に沿って延びるように、角柱状巻芯の
    基端部まで平角線を角柱状巻芯に多数列整列させて巻き
    つける段階と、 前記斜行部のところで下層の平角線上に載上げるよう
    に、巻芯の基端部において巻芯の軸線に垂直に延びたフ
    ランジ面に沿って平角線を巻きつける段階とを含む平角
    線多層巻角形コイルの形成方法。
  9. 【請求項9】 平行で向き合った一及び別のフランジ面
    の間に二つのフランジ面の中央部において該二つのフラ
    ンジ面に垂直に延びた角柱状の巻芯を備え、巻芯の軸線
    のまわりで回転可能な治具本体を有する平角線多層巻角
    形コイル形成用治具装置であって、 治具本体が、巻芯に巻きつけられるべき平角線の先端部
    を固定的に保持する保持部を備えると共に、先端部から
    延びる平角巻線を巻芯の一側面に沿って斜行させるべく
    平角線の側縁を案内する傾斜面を二つのフランジ面のう
    ちいずれか一方のフランジ面に有する平角線多層巻角形
    コイル形成用治具装置。
  10. 【請求項10】 治具本体が、一のフランジ面の中央部
    から垂直に突出した角柱状の巻芯であって先端に係合部
    を備えたものを有し該巻芯の軸線のまわりで回転可能な
    第一巻付治具と、第一巻付治具と一体的に回転されるよ
    うに該第一巻付治具の係合部に係合される被係合部を備
    えた第二巻付治具とを有し、 第二巻付治具の被係合部は、該被係合部が第一巻付治具
    の係合部と係合された際第一巻付治具の前記一のフラン
    ジ面に平行に向き合う別のフランジ面に形成されてお
    り、 第一及び第二巻付治具は、第一巻付治具の係合部及び第
    二巻付治具の被係合部が相互に係合される際、平角線の
    先端部を挟持して固定的に保持する一組の挟持部を有
    し、 第二巻付治具が、挟持された端部から延びる平角巻線を
    巻芯の一側面に沿って斜行させるべく平角線の側縁を案
    内する前記傾斜面を前記別のフランジ面に有する請求項
    9に記載の平角線多層巻角形コイル形成用治具装置。
  11. 【請求項11】 治具本体のところへ送給される平角線
    部分が巻芯に巻かれるべき前記軸線方向の位置を規定す
    べく、該巻芯の近傍において、巻芯の軸線に平行な方向
    に移動可能な平角線ガイドを有する請求項9又は10に
    記載の平角線多層巻角形コイル形成用治具装置。
JP2000004177A 2000-01-13 2000-01-13 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置 Pending JP2001196238A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000004177A JP2001196238A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000004177A JP2001196238A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001196238A true JP2001196238A (ja) 2001-07-19
JP2001196238A5 JP2001196238A5 (ja) 2007-02-15

Family

ID=18532994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000004177A Pending JP2001196238A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001196238A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008159840A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Nittoh Denki:Kk 多層整列巻コイル
JP2008198955A (ja) * 2007-02-16 2008-08-28 Toyota Motor Corp 巻線方法及び巻線装置
JP2009246177A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Daihen Corp 巻線装置及び巻線方法
JP2014067896A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Daihen Corp 巻線機用ガイドローラ
JP2016082134A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 株式会社村田製作所 コイル部品
CN107195454A (zh) * 2014-07-01 2017-09-22 友源机械有限公司 一种线圈绕线方法
JP2021114581A (ja) * 2020-01-21 2021-08-05 東芝産業機器システム株式会社 変圧器用コイル

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11312620A (ja) * 1998-02-24 1999-11-09 Toyota Motor Corp 巻線装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11312620A (ja) * 1998-02-24 1999-11-09 Toyota Motor Corp 巻線装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008159840A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Nittoh Denki:Kk 多層整列巻コイル
US7626478B2 (en) 2006-12-25 2009-12-01 Nittoh Denki Company, Limited. Multilayer aligned-winding coil
JP2008198955A (ja) * 2007-02-16 2008-08-28 Toyota Motor Corp 巻線方法及び巻線装置
JP2009246177A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Daihen Corp 巻線装置及び巻線方法
JP2014067896A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Daihen Corp 巻線機用ガイドローラ
CN107195454A (zh) * 2014-07-01 2017-09-22 友源机械有限公司 一种线圈绕线方法
JP2016082134A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 株式会社村田製作所 コイル部品
JP2021114581A (ja) * 2020-01-21 2021-08-05 東芝産業機器システム株式会社 変圧器用コイル
JP7402062B2 (ja) 2020-01-21 2023-12-20 東芝産業機器システム株式会社 変圧器用コイル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0889491B1 (en) Winding machine having freely positionable nozzle and winding method therefor
CN101378212A (zh) 绕线装置
WO2016104105A1 (ja) コイル成形装置及び回転電機のコイル
JP2012135077A (ja) 巻線機及び巻線方法
JP2011130554A (ja) コイルの製造装置
WO2020003766A1 (ja) 巻線装置及びそれを用いた巻線方法
JP2001196238A (ja) 平角線多層巻角形コイル、該コイルの形成方法及び装置
JPWO2016104103A1 (ja) コイル成形装置及びコイル成形方法
KR102134910B1 (ko) 판링용 코일 권선기의 와인딩 장치
JP2008091688A (ja) コイル巻線方法および装置
JP5508147B2 (ja) 巻線機及び巻線方法
JP6593877B2 (ja) コイルの製造装置及びその製造方法
JP2003153506A (ja) 電機子製造方法、巻線巻回装置、電機子及び回転電機
JP3432370B2 (ja) 分割コアの巻線方法
WO1992006813A1 (en) Wire feed device
JPH10303051A (ja) 巻線機および巻線方法
JP7418186B2 (ja) 巻線機及び巻線方法
JPH06251972A (ja) コイルの巻線方法および巻線装置
JP2002184639A (ja) 平角線の巻線方法および巻線装置
JP2005020827A (ja) 電機子の巻線装置及び巻線方法
WO2017006727A1 (ja) フライヤ式の巻線機及び巻線方法
JP3486393B2 (ja) 巻線機
JP2002153025A (ja) 巻線方法と巻線機
JPH11312620A (ja) 巻線装置
JP2824029B2 (ja) コイル捲線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061206

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100518