JP2001194722A - 環境撮影装置 - Google Patents

環境撮影装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄塔上に回転式カメラとその近くに避雷針を
設けた高所監視カメラ装置においては、カメラで撮影さ
れた画像に避雷針像が写って監視の邪魔をすることがあ
り、この問題を解決した環境撮影装置の提供。 【解決手段】 鉄塔等の支柱50上に回転支持体10を
連続回転可能に設置し、回転支持体10上にカメラ20
とこのカメラ20の視野外に避雷手段30を固定して、
カメラ20と避雷手段30を一体的に連続回転させる。
避雷手段30にカメラ20の前後左右と上方を囲うかご
状避雷器を適用してカメラ20の落雷に対する保護機能
を良好なものにし、避雷手段30と支柱50の間に集電
装置40を配備して、連続回転する避雷手段30の避雷
のためのアース接続を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外やビルの屋上
等に設置されて360°周囲の環境を撮影する撮影装置
で、詳しくは、監視カメラや観測カメラ等の遠近撮影用
カメラを360°以上に連続回転させて360°周囲の
環境を連続して撮影する環境撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】競輪場等の競技トラックの中央に設置さ
れた鉄塔の上端でカメラを360°以上に連続回転させ
て、競技トラックを走行する競技者を連続的に撮像する
監視カメラ装置は、カメラで撮像された画像を遠隔地で
監察することで、競技者の着順を決めたり競技トラック
での競技者の不正行為を監視等する。このような屋外に
設置される監視カメラ装置等の環境撮影装置において
は、落雷からカメラを保護するために避雷針をカメラの
近くに設置するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鉄塔の上端に回転式カ
メラと避雷針を設置した環境撮影装置においては、鉄塔
の上端が小スペースである関係から回転式カメラの側方
近傍の定位置に棒状の避雷針を略鉛直に配置するように
しているが、この場合、カメラが避雷針の在る方向に回
転するとカメラの視野(画角)に避雷針が入って、カメ
ラで撮影された画像に避雷針像が最接近像として写る。
そのため、競技トラックの競技者をカメラで連続して撮
影して、カメラ画像から着順や不正行為等を監察する場
合に、画像に写った避雷針像が邪魔になって正確な着順
等を監察することができなくなる不具合が発生すること
がある。
【0004】そこで、上記不具合が発生しないように鉄
塔上における避雷針の取付位置を変更することが行われ
ているが、この避雷針取付位置の変更だけでは、競技ト
ラックの360°ある全周のいずれの箇所で起こるか分
からない不正行為に対しては十分に対処できない。ま
た、避雷針を短くしたり、カメラから遠く離すようにし
て、カメラの撮影画像に写る避雷針像を小さくすれば、
上記不具合の発生が少なくできるが、これでは避雷針の
落雷からカメラを保護する機能が低下する。
【0005】本発明は、上記監視カメラ装置における避
雷針問題に鑑みてなされたもので、回転式カメラで撮影
された画像から避雷針像を無くし、かつ、落雷からカメ
ラを保護する機能の確保を容易にし、特に高所監視カメ
ラ装置に好適な環境撮影装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、遠近撮影用カメラとこのカメラを落雷から保
護する避雷手段とを回転支持体に装設すると共に前記避
雷手段をカメラの視野外位置に配置し、前記避雷手段が
カメラ視野外にある状態で回転支持体によりカメラを回
転させるようにしたことを特徴とする(請求項1の発
明)。
【0007】ここでの避雷手段は、通常の棒状避雷針や
プレート状避雷器、箱状避雷器等である。この避雷手段
と回転式カメラを同じ回転支持体に固持させて、カメラ
の回転時に避雷手段もカメラと一体に回転させようにす
る。したがって、回転支持体に固持されたカメラの視野
(画角、写角)から避雷手段を外すようにして避雷手段
を回転支持体に固持させておくと、カメラがいずれの角
度を回転してもその視野に避雷手段が入らず、カメラの
撮影画像に避雷手段の像が写らない。このような避雷手
段はカメラの近傍に配置することが可能であり、避雷手
段が小型であってもカメラは避雷手段で確実に落雷から
保護される。
【0008】本発明の請求項2の発明は、上記避雷手段
が、回転支持体に固持されたカメラを囲うかご状避雷器
であることを特徴とする。このかご状避雷器は、カメラ
を収容するかごを複数枚の導電網で形成したものでよ
く、カメラを囲うことによって避雷手段全体が小型サイ
ズであってもカメラへの落雷を確実に防止する。
【0009】本発明の請求項3の発明は、上記回転支持
体が設置された支柱と回転支持体との間に、支柱側に設
けられてアースした固定集電子と、回転支持体側に設け
られて回転時に前記固定集電子に電気的接触状態で摺動
することにより避雷手段を前記固定集電子を介してアー
スする回転集電子とを配設した集電装置を具備したこと
を特徴とする。ここでの集電装置は、回転する避雷手段
と固定された支柱との間の常時の電気的接続を安定した
ものにして、回転する避雷手段を確実にアースする。こ
の場合、支柱が鉄塔であれば集電装置が鉄塔にアースさ
れる。
【0010】さらに、本発明の請求項4の発明は、上記
集電装置のおける固定集電子が回転支持体の回転中心を
中心とする円環状の集電レールで、回転支持体に固定さ
れた保護カバーを前記集電レール上に被せたことを特徴
とする。この保護カバーにより、集電レールに落下する
異物、例えば鳩等の鳥の糞や雨、雪、煤塵等から保護す
ることができ、これにより、集電装置の集電レールと回
転集電子の電気的接触状態が常に安定したものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
7を参照して説明する。
【0012】図1乃至図4に示される環境撮影装置は、
鉄塔等の支柱50の上端の高所に設置される回転式監視
カメラ装置に適用したもので、支柱50の上端に設置さ
れた水平な回転支持体10上に遠近撮影用カメラ20と
避雷手段30を固持させると共に、回転支持体10と支
柱50の間に避雷手段30を常時アースするための集電
装置40を配備した構造を有する。支柱50は図示しな
い地面にアースされた状態で立設された鉄塔等であり、
支柱50の上面にモータ装置60が設置され、モータ装
置60上に回転支持体10が鉛直な中心軸を中心に36
0°以上に連続回転可能に設置される。モータ装置60
と回転支持体10の間に、支柱50を介して避雷手段3
0をアースする集電装置40が配備される。
【0013】回転支持体10は、例えばカメラ20を連
続回転可能に支持する回転式のカメラ支持用雲台であ
る。カメラ20は遠隔操作される監視カメラであり、周
りの環境を撮影するカメラ本体21と、カメラ本体21
に被せられてカメラ本体21を支持して保護する分割型
のカメラカバー22を備える。カメラカバー22が回転
支持体10上に立設された脚片23に上下に揺動可能に
支持される。以上の支柱50上のモータ装置60、雲台
式回転支持体10、カバー付きカメラ20の各々は、既
設の回転式高所監視カメラ装置のモータ装置、雲台、カ
メラの適用が可能であり、このように既設設備を利用す
ることで設備投資が安くて済む。
【0014】避雷手段30は回転支持体10上にカメラ
20から少し離れた位置で、かつ、カメラ20の視野外
の定位置に固持される。このような避雷手段30は、1
本或いは複数本の棒状避雷針や、1枚或いは複数枚の導
電板のプレート式避雷器、複数枚の導電板を箱状に組み
立てた箱状避雷器、複数枚の導電網を箱状に組み立てた
かご状避雷器等が適用可能である。特に、支柱50の上
端のような高所に設置される環境撮影装置にあっては、
強風に対してより安全な構造の避雷手段30が必要であ
ることから棒状避雷針、かご状避雷器が適切であり、図
1乃至図5に避雷手段30としてかご状避雷器を示す。
以下、必要に応じて避雷手段30をかご状避雷器30と
称する。
【0015】かご状避雷器30の具体例を図1乃至図4
に、分解図を図5に示し説明すると、これは図5に示す
ように複数枚の矩形の導電網31を、矩形箱状の補強用
導電フレーム枠32に組み付けて構成される。複数の各
導電網31は軽量なアルミニウム製品であり、補強用導
電フレーム枠32は軽量な導電網31を補強する例えば
ステンレス製品である。導電フレーム枠32は、カメラ
20の全体を囲う矩形箱形枠で、両側面の開口の中央に
縦桟33が連結される。この導電フレーム枠32に対応
して導電網31は、導電フレーム枠32の両側面開口に
設置される前後2枚で計4枚の側面網31a、31a、
…と、導電フレーム枠32の上面開口に設置される前後
2枚の上面網31b、31bと、導電フレーム枠32の
前面開口に設置される1枚の前面網31cと、導電フレ
ーム枠32の後面開口に設置される後面網31dで構成
される。導電網31の各々は導電フレーム枠32の外面
に例えば蝶ネジ34を使って手動で脱着可能に取り付け
られる。導電フレーム枠32の下面は開口したままで、
この開口からカメラ20を入れることで、かご状避雷器
30がカメラ20を囲んだ状態で回転支持体10上に固
持される。
【0016】図5に示すように、導電網31の側面網3
1aと上面網31bを前後2枚に分けたのは、次の理由
による。すなわち、支柱50の上端のような高所でかご
状避雷器30を組み立てたり、分解する作業において、
仮に導電網31の側面網を1枚で構成しておくと重量が
増して作業が難しくなるが、これを2枚に分けておくと
2枚各々が軽量となって作業がし易くなる。また、カメ
ラ20の点検作業時にカメラカバー22を手動で外す作
業においては、導電網31の上面網31bを2枚に分け
て2枚各々を軽量化することで、作業がし易くなる。ま
た、このような高所での手動による各種作業は、導電フ
レーム枠32の例えば側面の縦桟33を、図5の円弧矢
印で示すように前後に手動で倒れるようにして、縦桟3
3を倒して作業するようにすれば、作業がし易くなる。
【0017】また、かご状避雷器30の導電網31と導
電フレーム枠32は、蝶ネジ34や導電塗料等で電気的
機械的に連結一体化され、回転支持体10上に固持され
ると集電装置40を介してアースされる。このようにか
ご状避雷器30を常時アースした状態にしてカメラ20
を囲うことで、カメラ20を落雷から確実に保護する。
この場合、かご状避雷器30がカメラ20の上方域、両
側方域、前後域のそれぞれを囲うので、カメラ20をそ
のほぼ全方向からの落雷から保護して、信頼性の高い避
雷針効果が期待できる。なお、かご状避雷器30はカメ
ラ20の下方域を囲うことがないが、この下方域には回
転支持体10が在り、さらに、支柱50の上端部には図
1乃至図4の鎖線で示す位置に作業台装置70が設置さ
れるのが通常であり、この作業台装置70はカメラ20
の下方域を囲ってカメラ20の下方からの落雷に対して
避雷針機能を発揮するので、かご状避雷器30でカメラ
20の下方域を囲わなくてもよい。なお、作業台装置7
0とは、鉄塔等の支柱50の上端部外周に固設された鉄
板製品の円形作業踏台、この作業踏台の外周に立設され
た鉄棒製の円形枠状手摺り等であり、鉄塔である支柱5
0にアースされる。
【0018】回転支持体10とカメラ20と一体に連続
回転するかご状避雷器30を常時アースして避雷効果を
安定したものにする集電装置40の具体例が、図6乃至
図7に示される。この集電装置40は、支柱側(固定
側)に固定されて支柱50を介してアースされた固定集
電子41と、回転支持体側(回転側)に固定されて、固
定集電子41と常時電気的接触した状態で回転支持体1
0と一体的に回転する回転集電子42を備える。固定集
電子41は、例えば回転支持体10の回転中心線を中心
とする円環状の集電レールで、以下、必要に応じて固定
集電子41を集電レール41と称する。
【0019】この集電レール41は、図7に示すように
絶縁性レール支持枠43に水平に固定される。レール支
持枠43は、モータ装置60又は支柱50の固定部分に
固定される。回転集電子42は、図7(B)に示すよう
に集電レール41の上面に内蔵バネ材44を介して摺動
可能に弾圧接触する集電ブラシ等で、回転支持体10と
一体に回転して円環状の集電レール41上を常時摺動し
て移動する。回転集電子42は単数或いは複数が設置さ
れ、図2乃至図4においては集電レール41の180°
間隔の2箇所に一対を設置している。この一対の回転集
電子42の各々は避雷設備30にリード線等で電気的接
続される。
【0020】また、集電装置40には、固定された集電
レール41の上面を覆う絶縁性の保護カバー45と、回
転集電子42を囲う絶縁性の透明カバー46が必要に応
じて配備される。保護カバー45は、回転支持体10側
に固定されて回転集電子42と一体に回転する円環キャ
ップ状の絶縁板で、180°間隔の2箇所に図示しない
切り欠きが形成され、この切り欠きに回転集電子42が
配置されて集電レール41に弾圧接触する。この保護カ
バー45は、集電レール41の上面に鳥の糞等の異物が
落下するのを防止するカバーである。つまり、集電レー
ル41の上面に鳥の糞が落下すると、この糞が集電レー
ル41と回転集電子42の電気的接触状態を悪化させて
避雷器30の避雷針機能を低下させることがあるが、集
電レール41に保護カバー45を被せて保護カバー45
に鳥の糞を落下させて集電レール41への落下付着を防
止するようにしておくと、避雷器30の避雷針機能が低
下する心配が無くなる。また、透明カバー46は、回転
集電子42の全体を覆うことで回転集電子42への異物
の落下と付着を防止して集電レール41との電気的接触
状態を常に安定したものとし、かつ、透明カバー46を
透視することで回転集電子41の摩耗状態や集電レール
41上面の汚れ状態の目視監察が容易にできるようにな
る。
【0021】図1に示すように支柱50の上端の高所で
回転支持体10とカメラ20、かご状避雷器30を一体
的に連続回転させると、カメラ20と避雷器30の相対
位置が変わらずに連続回転するカメラ20の視野に避雷
器30のいずれの箇所も入らない。したがって、カメラ
20が連続して撮影する画像に避雷針像(避雷器像)が
写らず、この画像から撮影された環境の正確な監察、観
測等が実行できるようになる。また、高所のカメラ20
が常に一定した形態で避雷器30に囲まれ、回転する避
雷器30が集電装置40を介して常に安定した状態でア
ースされているので、カメラ20が落雷から常に安定し
た状態で保護される。
【0022】なお、本発明は屋外の高所に設置される環
境撮影装置に限らず、落雷の可能性のある低所に設置さ
れる環境撮影装置等にも有効に適用される。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、回転支持体の
連続回転でカメラと避雷手段が相対位置変わらずに一体
となって連続回転するので、連続回転するカメラのいず
れの回転角度においてもカメラの視野に避雷手段が入ら
ず、したがって、カメラで撮影された画像に避雷手段の
像が写らずにカメラの撮影画像の監察が避雷手段像に邪
魔されることなく正確に行えるようになって、環境撮影
装置の信頼性改善が図れる。
【0024】請求項2の発明によれば、カメラを囲うか
ご状避雷器がカメラの前後左右や上方からの落雷に対し
てカメラを保護するため、カメラの落雷に対する保護機
能に優れた、高信頼度の環境撮影装置が提供できる。
【0025】請求項3の発明によれば、回転する避雷手
段のアース状態が集電装置を介することで安定したもの
となり、避雷手段のカメラを落雷から保護する機能が常
に安定して確保される。
【0026】請求項4の発明によれば、集電装置の固定
集電子である集電レールの上面が保護カバーで覆われて
いるので、集電レール上に鳥の糞等が落下して付着する
心配が無くなり、そのため、集電レールと回転集電子の
電気的接触が常に安定したものとなって、集電装置の信
頼性が良くなり、集電装置の保守が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す環境撮影装置の側面
【図2】図1の環境撮影装置の平面図
【図3】図1の環境撮影装置の正面図
【図4】図1の環境撮影装置の背面図
【図5】図1の環境撮影装置における避雷手段の分解斜
視図
【図6】図1の環境撮影装置における集電装置の部分平
面図
【図7】(A)は図6のT1−T1線に沿う拡大断面図、
(B)は図6のT2−T2線に沿う拡大断面図
【符号の説明】
10 回転支持体 20 カメラ 30 避雷手段(かご状避雷器) 40 集電装置 41 固定集電子(集電レール) 42 回転集電子 45 保護カバー 50 支柱
フロントページの続き (72)発明者 赤壁 茂 大阪府大阪市西淀川区竹島4丁目11番88号 安治川鉄工建設株式会社内 Fターム(参考) 2H105 AA06 EE05 EE35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠近撮影用カメラとこのカメラを落雷か
    ら保護する避雷手段とを回転支持体に装設すると共に前
    記避雷手段をカメラの視野外位置に配置し、前記避雷手
    段がカメラ視野外にある状態で回転支持体によりカメラ
    を回転させるようにしたことを特徴とする環境撮影装
    置。
  2. 【請求項2】 上記避雷手段が、回転支持体に装設され
    たカメラを囲うかご状避雷器であることを特徴とする請
    求項1記載の環境撮影装置。
  3. 【請求項3】 上記回転支持体が設置された支柱と回転
    支持体との間に、支柱側に設けられてアースした固定集
    電子と、回転支持体側に設けられて回転時に前記固定集
    電子に電気的接触状態で摺動することにより避雷手段を
    前記固定集電子を介してアースする回転集電子とを配設
    した集電装置を具備したことを特徴とする請求項1又は
    2記載の環境撮影装置。
  4. 【請求項4】 上記固定集電子が回転支持体の回転中心
    を中心とする円環状の集電レールで、回転支持体に固定
    された保護カバーを前記集電レール上に被せたことを特
    徴とする請求項3記載の環境撮影装置。
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