JP2001193871A - 消防用ホース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を損なうことなく保護層による外面保
護効果を十分に確保することを可能にした消防用ホース
を提供する。 【解決手段】 管状の織物からなるジャケット１の内面
にゴム又は合成樹脂からなる被覆層２を設けると共に、
ジャケット１の外面に被覆部と非被覆部との組み合わせ
で模様を形成する合成樹脂製の保護層３ａを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ジャケットの外面
に保護層を設けた消防用ホースに関し、更に詳しくは、
保護層による外面保護効果を十分に確保しながら、該保
護層の形成に伴う柔軟性の低下を回避するようにした消
防用ホースに関する。

【０００２】

【従来の技術】消防用ホースは、管状の織物からなるジ
ャケットの内面にゴム又は合成樹脂からなる被覆層を設
け、この被覆層によって液密性を確保するようにしてい
る。また、ジャケットの外面には合成樹脂製の保護層を
設け、この保護層によってジャケット外面の耐摩耗性を
高めている。上記保護層はジャケットを溶融状態の合成
樹脂浴に浸漬することでジャケットの全面に形成されて
いる。

【０００３】しかしながら、上述のようにジャケットの
全面に保護層を設けると、ホースの曲げ剛性が増大し、
柔軟性が悪化するという問題があった。特に、消防用ホ
ースは過酷な条件で路上を引き擦り回されることが多い
ため、耐久性の観点から保護層を設けることが必要条件
であるが、このような保護層はホースを曲げ難くし、そ
の結果として、消防用ホースの取り扱いや収納作業が困
難になっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性を損なうことなく保護層による外面保護効果を十分に
確保することを可能にした消防用ホースを提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の消防用ホースは、管状の織物からなるジャケ
ットの内面にゴム又は合成樹脂からなる被覆層を設ける
と共に、前記ジャケットの外面に被覆部と非被覆部との
組み合わせで模様を形成する合成樹脂製の保護層を設け
たことを特徴とするものである。

【０００６】このようにジャケット外面に被覆部と非被
覆部との組み合わせで模様を形成する合成樹脂製の保護
層を設けたことにより、保護層による外面保護効果を十
分に発揮することができ、しかも消防用ホースの柔軟性
を低下させることはない。

【０００７】上記保護層の被覆部は少なくともホース長
手方向に間欠的に配置することが好ましい。このように
被覆部をホース長手方向に間欠的に配置した模様は、消
防用ホースの柔軟性と耐摩耗性とを両立するために有効
である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して具体的に説明する。

【０００９】図１は本発明の第１実施形態からなる消防
用ホースを示すものである。図１において、ホース本体
１０は管状の織物からなるジャケット１と、ジャケット
１の内面に設けたゴム又は合成樹脂からなる被覆層２と
を備えている。また、ジャケット１の外面には模様を持
った合成樹脂製の保護層３ａが設けられている。この保
護層３ａは多数のドット状の被覆部をジャケット全面に
所定の間隔をおいて配置し、それ以外の領域を非被覆部
とした模様を形成している。

【００１０】図２は本発明の第２実施形態からなる消防
用ホースを示すものである。図２において、ジャケット
１の外面には模様を持った合成樹脂製の保護層３ｂが設
けられている。この保護層３ｂはホース周方向に延びる
複数本の環状の被覆部をホース長手方向に所定の間隔を
おいて配置し、それ以外の領域を非被覆部とした模様を
形成している。

【００１１】図３は本発明の第３実施形態からなる消防
用ホースを示すものである。図３において、ジャケット
１の外面には模様を持った合成樹脂製の保護層３ｃが設
けられている。この保護層３ｃはホース周方向に往復す
る波状の被覆部をホース長手方向に沿って配置し、それ
以外の領域を非被覆部とした模様を形成している。な
お、波状の保護層３ｃはホース本体１０の表面（図示の
半周面）と裏面（不図示の半周面）にそれぞれ設けられ
ている。

【００１２】上述した各実施形態からなる消防用ホース
は、ジャケット１の外面にそれぞれ合成樹脂製の保護層
３ａ〜３ｃを備えているので、これら保護層３ａ〜３ｃ
によりジャケット１を十分に保護することができ、しか
も保護層３ａ〜３ｃがジャケット全面を被覆するのでは
なく任意の模様を形成しているので柔軟性も良好であ
る。従って、本発明は消火作業における消防用ホースの
取り扱いを容易にし、また消防用ホースを巻き取った
り、折り畳んで収納する際の作業性を大幅に向上するこ
とができる。

【００１３】本発明において、保護層３ａ〜３ｃの構成
材料としては、耐摩耗性に優れた塩化ビニル、ウレタ
ン、ポリエステル、ゴムなどを用いることが好ましい。
或いは、保護層３ａ〜３ｃの硬さはＪＩＳ−Ａ硬度で６
０〜９５の範囲であることが好ましい。これら保護層３
ａ〜３ｃの厚さは０．５〜２．０ｍｍにすると良い。こ
の厚さが０．５ｍｍ未満であると外面保護効果が不十分
になり、逆に２．０ｍｍを超えるとホース重量を増大さ
せてしまう。また、耐摩耗性と柔軟性とを両立させるた
めに、保護層３ａ〜３ｃのホース全長での総面積はジャ
ケット表面積の２０〜８０％に設定することが好まし
い。

【００１４】上述した保護層３ａ〜３ｃは、ジャケット
１を偏平に押し潰した状態で、スクリーン印刷やローラ
を用いた転写などの手法により、ジャケット１の外面に
対して簡単に形成することができる。

【００１５】また、ジャケット１を構成する織物にはポ
リエステル等の合成繊維を使用することができる。この
織物にはフィラメント糸及び紡績糸のいずれを使用して
も良いが、特にフィラメント糸を使用した場合、繊維に
対する合成樹脂等の馴染みが良好になるので好ましい。
一方、被覆層２の材料としては、天然ゴム（ＮＲ）やス
チレンブタジエンゴム（ＳＢＲ）等のゴム、塩化ビニル
やポリウレタンやポリエステル等の合成樹脂、又はこれ
らの混合物や誘導体等を使用することが可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、管
状の織物からなるジャケットの内面にゴム又は合成樹脂
からなる被覆層を設けると共に、前記ジャケットの外面
に被覆部と非被覆部との組み合わせで模様を形成する合
成樹脂製の保護層を設けたから、消防用ホースの柔軟性
を損なうことなく保護層による外面保護効果を十分に確
保することができ、それにより消防用ホースの取り扱い
や収納作業を容易に行うことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態からなる消防用ホースを
示す斜視図である。

【図２】本発明の第２実施形態からなる消防用ホースを
示す斜視図である。

【図３】本発明の第３実施形態からなる消防用ホースを
示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ジャケット ２ 被覆層 ３ａ，３ｂ，３ｃ 保護層 １０ ホース本体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管状の織物からなるジャケットの内面に
   ゴム又は合成樹脂からなる被覆層を設けると共に、前記
   ジャケットの外面に被覆部と非被覆部との組み合わせで
   模様を形成する合成樹脂製の保護層を設けた消防用ホー
   ス。
2. 【請求項２】 前記保護層の被覆部を少なくともホース
   長手方向に間欠的に配置した請求項１に記載の消防用ホ
   ース。