JP2001193485A - ガスタービン・エンジンの制御装置 - Google Patents

ガスタービン・エンジンの制御装置

Info

Publication number
JP2001193485A
JP2001193485A JP2000002022A JP2000002022A JP2001193485A JP 2001193485 A JP2001193485 A JP 2001193485A JP 2000002022 A JP2000002022 A JP 2000002022A JP 2000002022 A JP2000002022 A JP 2000002022A JP 2001193485 A JP2001193485 A JP 2001193485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
air
pressure
flow rate
mass flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000002022A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Inoue
勉 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000002022A priority Critical patent/JP2001193485A/ja
Priority to US09/754,367 priority patent/US6813875B2/en
Publication of JP2001193485A publication Critical patent/JP2001193485A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチベンチュリミキサを用いたガスタービ
ン・エンジンにおいて、製造バラツキあるいは経年変化
はもとより、ミキサ下流の圧力変化の影響を受けて流量
にバラツキが生じるときも、燃料供給を高精度に制御す
る。 【解決手段】 図示の構成においてPf0とPa0を等
しくすると、Pf2=Pa1なので、AfおよびAaを
流れる流体が同一で状態が等しいとき、AfとAaを通
過する流速が等しくなり、Aa/Af=ma/mfとな
る。ベルヌーイの式からPa1は流速によって決まるの
で、空気流量が変化してもma/mfは一定となる。即
ち、有効開孔面積比と質量流量比がほぼ等しくなるの
で、その比を目標空燃比に設定することでミキサ下流の
影響を受けることなく、目標の空燃比を得ることができ
て燃料供給制御精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はガスタービン・エ
ンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン・エンジンにおいて、特開
平1−163426号公報で提案されるように、複数個
のベンチュリミキサからなるマルチベンチュリミキサを
使用して吸入空気と気体燃料を混合してガスタービン・
エンジンに供給するものが知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】このように、ベンチュリミキサを複数個用
いる場合、製造バラツキあるいは経年変化によって流量
にバラツキが生じるのは避けられないが、たとえ製造に
際して寸法管理を厳密に行ったとしても、ミキサの出口
圧力などの影響によって流量にバラツキが生じ、燃料供
給を精度良く制御するのが困難となる。
【0004】従って、この発明の目的は上記した課題を
解決することにあり、マルチベンチュリミキサを用いた
ガスタービン・エンジンにおいて、ミキサの出口圧力な
どの影響を受けても燃料供給を精度良く制御することが
できる制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1項にあっては、空気取り入れ口から吸引
され、コンプレッサで加圧されつつ吸気路を通って流入
する空気と気体燃料源から燃料供給路を通過して流入す
る気体燃料を混合して燃焼器で燃焼させ、よって生じた
燃焼ガスでタービンを回転させて前記コンプレッサを駆
動すると共に、前記タービンの回転を出力軸を介して出
力するガスタービン・エンジンの制御装置において、前
記燃料供給路に配置され、通過する前記気体燃料を調量
する調量手段、入力端が前記吸気路に接続され、他端が
前記燃焼器に開口すると共に、その間に所定の断面積の
スロート部を備えるベンチュリ管、および入力端が前記
調量手段の下流で前記燃料供給路に接続され、出力端が
前記ベンチュリ管のスロート部に穿設され、気体燃料を
前記スロート部を通過する空気に噴出して混合気を形成
する、所定の開孔面積を備えた絞りからなる燃料噴出手
段を備えると共に、前記スロート部の断面積と前記絞り
の開孔面積の比が所定の値となるように構成した。
【0006】スロート部の断面積と絞りの開孔面積の比
が所定の値となるように構成したので、空気流量が変化
しても空気質量流量と燃料質量流量の比を一定にするこ
とができ、よって、ベンチュリ管の出口圧力などの影響
を受けても燃料供給を精度良く制御することができる。
【0007】請求項2項にあっては、前記所定の値が目
標空燃比である如く構成した。
【0008】スロート部の断面積と絞りの開孔面積の比
が目標空燃比である如く構成したので、空気流量が変化
しても空気質量流量と燃料質量流量の比を常に目標空燃
比ににすることができ、よって、ベンチュリ管の出口圧
力などの影響を受けても燃料供給を精度良く制御するこ
とができる。
【0009】請求項3項にあっては、前記空気と気体燃
料の密度比に応じて前記所定の値を補正する如く構成し
た。
【0010】空気と気体燃料の密度比に応じて前記所定
の値を補正する如く構成したので、空気流量が変化して
も、燃料供給を一層精度良く制御することができる。
【0011】請求項4項にあっては、さらに、前記絞り
を通過する気体燃料の質量流量を算出する気体燃料質量
流量算出手段、前記気体燃料の温度を検出する気体燃料
温度検出手段、前記気体燃料の圧力を検出する気体燃料
圧力検出手段、前記ベンチュリ管に流入する空気の入口
温度を検出する入口空気温度検出手段、前記ベンチュリ
管に流入する空気の入口圧力を検出する入口空気圧力検
出手段、および前記算出された気体燃料の質量流量と、
前記検出された気体燃料の温度および圧力と、前記検出
された入口空気温度および圧力と、前記スロート部の所
定の断面積と前記絞りの所定の開孔面積とから前記スロ
ート部を通過する空気の質量流量を算出する空気質量流
量算出手段を備える如く構成した。
【0012】算出された気体燃料の質量流量と、検出さ
れた気体燃料の温度および圧力と、検出された入口空気
温度および圧力と、スロート部の所定の断面積と絞りの
所定の開孔面積とからスロート部を通過する空気の質量
流量を算出する如く構成したので、ベンチュリ管と絞り
などがマルチ化してなるマルチベンチュリミキサを用い
るときも、前記した作用効果に加え、個々のミキサのス
ロート部の圧力を検出する必要なく、燃料供給を制御す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即し、この発明
の一つの実施の形態に係るガスタービン・エンジンの制
御装置を説明する。
【0014】図1はその装置を概略的に示す概略図であ
る。
【0015】図1において、符号10はガスタービン・
エンジンを全体的に示す。ガスタービン・エンジン10
は、コンプレッサ12と、タービン14と、燃焼器16
を備える。コンプレッサ12は、タービン14の出力軸
(タービンシャフト)18を介してタービン14に連結
され、タービン14の回転で駆動させられる。
【0016】また、タービン14の出力軸には発電機2
0が接続される。発電機20はタービン14の回転で駆
動され、100kW程度の電力を発電する。発電機20
には電気機器(図示せず)が負荷として接続される。
【0017】燃焼器16には空気取り入れ口(図示せ
ず)に接続される吸気路24が接続されると共に、気体
燃料源(図示せず)に接続される燃料供給路26が接続
される。尚、気体燃料としては、天然ガスなどのガス燃
料を使用する。
【0018】より詳しくは、燃料供給路26は中途で分
岐し、分岐路26aの途中には第1の燃料制御弁(調量
手段)28が設けられると共に、他方の分岐路26bの
途中には第2の燃料制御弁(調量手段)30が設けられ
る。
【0019】第1燃料制御弁28(あるいは第2の燃料
制御弁30)は、図2に模式的に示す如く、燃料供給路
26に接続されるハウジング28a(30a)と、その
中に進退自在に収容されるニードルバルブ本体28b
(30b)と、ニードルバルブ本体28b(30b)を
軸に進退させるリニアソレノイド、パルスモータなどの
アクチュエータ28c(30c)からなる。尚、図2に
示す構成は第2の燃料制御弁30においても同様であ
る。
【0020】第1の燃料制御弁28の下流において、燃
料供給路26の分岐路26aは、マルチ化されたベンチ
ュリミキサ32の共通チャンバ34に接続される。即
ち、ベンチュリミキサ32は複数個、例えば24個(図
示の便宜のため2個のみ示す)のベンチュリミキサから
なる、マルチベンチュリミキサとして構成される。
【0021】より具体的には、ベンチュリミキサ32は
それぞれ、図2に模式的に示す如く、ベンチュリ管32
aと絞り32bからなる。ベンチュリ管32aは、その
入力端320が前記吸気路24(図2で図示省略)に接
続されると共に、その他端321が燃焼器16に開口さ
れる管からなり、狭隘に形成された所定の断面積のスロ
ート部322を備える。
【0022】絞り32bは、その入力端が前記した共通
チャンバ34に接続されると共に、その出力端がベンチ
ュリ管のスロート部322に穿設された、所定の開孔面
積を備えた開口からなり、気体燃料をスロート部322
を通過する空気に噴出して混合気を形成する。
【0023】図1の説明に戻ると、第2の燃料制御弁3
0の下流において、燃料供給路26の分岐路26bは燃
焼器16の隔壁を貫通してその内部に延び、気体燃料を
燃焼器16の内部に噴出する。尚、符号36は、点火プ
ラグを示す。
【0024】このように、この実施の形態に係るガスタ
ービン・エンジン10にあっては、分岐路26aを介し
て送られる気体燃料は、ベンチュリミキサ32を介して
空気と予め混合されて燃焼器16の内部に供給されて予
混合燃焼を生じると共に、分岐路26bを介して送られ
る気体燃料は空気と別に燃焼器16内に供給され、拡散
燃焼を生じる。
【0025】ガスタービン・エンジン10にあっては、
このように、空気取り入れ口から吸引され、コンプレッ
サ12で加圧されつつ吸気路24を通って流入する空気
と気体燃料源から燃料供給路の分岐路26aを通過して
流入する気体燃料は混合され(あるいは燃料供給路の分
岐路26bを通って別々に)、燃焼器16に供給されて
燃焼させられる。よって生じた燃焼ガスでタービン14
が回転させられ、その出力軸18を介してコンプレッサ
12および発電機20が駆動される。
【0026】また、図1の下部に示す如く、タービン1
4の回転に使用された燃焼ガスは依然900℃程度の高
温を保つことから、熱交換器38に送られ、コンプレッ
サ12で吸引された新気(大気。例えば15℃)はそこ
で例えば600℃程度まで昇温された後、ベンチュリミ
キサ32に供給される。
【0027】このように、図示のガスタービン・エンジ
ン10は、再生式のガスタービン・エンジンである。
尚、昇温させられた空気の一部は、希釈空気として燃焼
ガスと混合させられ、燃焼ガスを希釈する。
【0028】燃料供給路26の分岐点下流には第1の温
度センサ40と第1の圧力センサ42が設けられ、第1
および第2の燃料制御弁28,30の上流位置(入口)
における気体燃料の温度(燃料制御弁入口温度)Tf0
と圧力(燃料制御弁入口圧力)Pf0に比例した出力を
生じる。
【0029】また、一方の分岐路26aにおいてベンチ
ュリミキサ32、より正確には絞り32bの上流側には
第2の温度センサ46と第2の圧力センサ48が設けら
れ、絞り32bの上流位置(入口)における気体燃料の
温度(絞り入口温度)Tf2と圧力(絞り入口圧力)P
f2に比例した出力を生じる。
【0030】また、吸気路24において、ベンチュリミ
キサ32、より正確にはベンチュリ管32aの上流側に
は第3の温度センサ50と第3の圧力センサ52が設け
られ、ベンチュリ管32aの上流位置(入口)における
空気の温度(ベンチュリ入口空気温度)Ta0と圧力
(ベンチュリ入口圧力)Pa0に比例した出力を生じ
る。
【0031】さらに、燃焼器16において希釈空気の導
入位置より上流側には酸素濃度センサ56が設けられ、
燃焼した後(で希釈する前)のガス中に残存する残存酸
素濃度に比例した出力を生じる。酸素濃度センサ56
は、O2 センサではなく、一般に広域酸素濃度センサと
呼ばれる構造のセンサであり、残存酸素濃度に比例する
検出信号を出力する。
【0032】上記したセンサ群の出力は、ECU(電子
制御ユニット)60に送られる。ECU60はマイクロ
コンピュータからなり、図示しないCPU,ROM,R
AMなどを備える。
【0033】次いで、この実施の形態に係るガスタービ
ン・エンジンの制御装置の動作、即ち、燃料質量流量と
空気質量流量の検出(算出)について説明する。この動
作は具体的には、ECU60が行う。
【0034】前記したように、従来、ベンチュリを用い
て流量を検出するときは、一般に、ベンチュリ入口圧
力、ベンチュリスロート部(最小断面積部)圧力、およ
びベンチュリスロート部断面積を必要としている。
【0035】その結果、ベンチュリミキサを複数個用い
てマルチ化したマルチベンチュリミキサを用いる場合、
従来の手法によるときは個々のベンチュリミキサのスロ
ート部圧力を検出する必要があり、センサ個数が増加す
るなど、構成が複雑となる不都合があった。従って、こ
の実施の形態においては、個々のベンチュリミキサのス
ロート部圧力を検出する必要なく、燃料供給を制御でき
るようにした。
【0036】その意図から、燃料圧力および温度(また
は密度)などに基づいてスロート部圧力Pa1を算出
し、それから燃焼空気流量(空気質量流量)を求めるよ
うにした。即ち、マルチベンチュリミキサにおいても個
々のベンチュリミキサのスロート部圧力を検出する必要
なく、空気質量流量を算出できるようにした。
【0037】以下、それについて説明する。
【0038】図3は、その算出原理を示す、ベンチュリ
ミキサ32の模式図である。
【0039】燃料制御弁28およびベンチュリミキサ3
2を図3のように示すとき、燃料質量流量mfと空気質
量流量maは、同図に示すように表すことができる。
【0040】図中の式から、絞り32bの上流側の温度
Tf2および圧力Pf2ならびに燃料質量流量が与えら
れると、スロート部圧力Pa1が一義的に決まる。
【0041】燃料質量流量mfが0の場合、絞り32b
の上流側の圧力Pf2=スロート部圧力Pa1となる。
【0042】図4は、絞り32bの上流側の圧力Pf2
と空気質量流量maおよび燃料質量流量mfの相関関係
を示すデータである。即ち、この実施の形態において
は、スロート部322に入る燃料を圧力と置き換えて流
量を検出するようにした。
【0043】図5は、図3に示す構成をこの実施の形態
に係る燃料制御弁28およびベンチュリミキサ32に置
き換えて示す模式図である。
【0044】尚、この実施の形態においては燃料制御弁
28として、チョークド・フロー・ニードル・バルブを
用いる。このチョークド・フロー・ニードル・バルブ
は、ある臨界圧で音速流を使用するときに差圧の検出が
不要となる性質を応用し、入口圧力から流量を計測でき
るようにしたバルブである。
【0045】かかるチョークド・フロー・ニードル・バ
ルブ(燃料制御弁28)にあっては、バルブ(燃料制御
弁28)を通過する燃料質量流量mfvと絞り32bを
通過する燃料質量流量mfoは等しいので、それぞれ同
図に示すように表すことができる。
【0046】このバルブにあってはM(マッハ数)=1
となる。よって、図9に示す式のようにPa1/Pf2
で表される関数の値が求まる。この関数の値より、スロ
ート部圧力Pa1を求めることができる。
【0047】従って、第1の燃料制御弁28の有効開孔
面積AVLV を用いることにより、スロート部圧力Pa1
を求めることができ、それから図示の式を用いて空気質
量流量maを容易に算出することができる。尚、第1の
燃料制御弁28の有効開孔面積AVLV は、アクチュエー
タ28cの位置を適宜な特性で変換して算出する。
【0048】図6にチョークド・フロー・ニードル・バ
ルブ(燃料制御弁28)を用いた場合のベンチュリスロ
ート部圧力Pa1の計測誤差を示す。図示の如く、誤差
±1%程度である。従って、燃料組成(物性)が異なる
場合、比熱比を一定と扱ってもPa1の計測誤差は十分
に小さく、許容範囲とみなすことができる。
【0049】上記に加えてこの実施の形態で特徴的なこ
とは、ベンチュリ管32aのスロート部322の有効開
孔面積(断面積)Aaと絞り32bの有効開孔面積Af
の比を所定の値、より具体的には目標とする空燃比(こ
の実施の形態ではA/F=45:1)と同じ値としたこ
とである。
【0050】即ち、図示の如き、マルチベンチュリミキ
サ32を用いた場合、製造バラツキ、経年変化などによ
って流量にバラツキが生じるのは不可避であるが、たと
え製造に際して寸法管理を厳密に行ったとしても、ミキ
サの出口圧力などの影響によて流量にバラツキが生じ、
空燃比を精度良く制御することが困難となる。
【0051】従って、この実施の形態においてはベンチ
ュリ管32aのスロート部322の有効開孔面積Aaと
絞り32bの有効開孔面積Afの比を上記の如く設定す
ることで、空燃比の局所的な濃淡の影響を受けることな
く、高精度の空燃比制御を可能とした。
【0052】これについて説明すると、図3に示す構成
において、Pf0とPa0を等しくすると、絞り32b
の出口圧力はPa1となるので、AfおよびAaを流れ
る流体が同一で状態が等しいとき、AfとAaを通過す
る流速が等しくなり、Aa/Af=ma/mfとなる。
【0053】ベルヌーイの定理より、Pa1=Pa0−
(1/2)ρa1Va2 となる(Va:空気流速)。P
a1は空気流速Vaによって決まるので、空気流量が変
化しても、ma/mfは一定となる。
【0054】実際の使用条件下では燃料と空気の物性
(密度)が近いので、Pf2とPa0を等しくすると、
有効開孔面積Aa/Afと質量流量比ma/mfがほぼ
等しくなる。このことは、ミキサ下流の事象の影響など
で空気質量流量が変化しても、Pf2とPa0が一定で
あれば、質量流量比ma/mfが一定となることを意味
する。
【0055】この実施の形態においては、上記した知見
に基づき、マルチベンチュリミキサ32において、全て
のベンチュリミキサ32の有効開孔面積比Aa/Afを
目標空燃比45:1(あるいはその付近)に設定するこ
とで、各ミキサでの空燃比のバラツキを抑えるようにし
た。
【0056】図7は、目標空燃比45:1において、有
効開孔面積比を25:1,35:1,45:1,55:
1,65:1に設定したとき、出口圧力分布と有効開孔
面積比が空燃比精度に与える影響を実験したデータであ
る。図から、有効開孔面積比が目標空燃比に近いほど、
出口圧力の影響を受け難いことが理解できよう。
【0057】さらに、気体燃料と空気に密度が等しい場
合、Aa/Af=ma/mfとすることで、ミキサ間の
空燃比のバラツキを最小にすることができるが、気体燃
料と空気の密度が異なる場合、その密度比に応じてAa
/Afを修正するのが望ましい。
【0058】従って、密度比をρa0/ρf0と求めて
開孔面積比修正係数とし(ρa0:空気密度、ρf0:
気体燃料密度)、以下のように求めた開孔面積比修正係
数で開孔面積比を修正するのが望ましい。Aa/Af=
開孔面積比修正係数×目標ma/mf
【0059】図8に、気体燃料にメタン(CH4 )を用
いたときの開孔面積比修正係数を示す。この開孔面積比
修正係数は、燃料の成分により異なる。
【0060】尚、開孔面積比を変化させると、燃料の供
給圧が変化し、結果的に密度比も変化する。よって、計
算により開孔面積比を求める場合、設定した開孔面積比
と、それによって決まる密度比と開孔面積比修正係数か
ら求められる開孔面積比の値が等しくなるまで収束計算
を行う必要がある。
【0061】この実施の形態に係るガスタービン・エン
ジンの空燃比制御装置は上記の如く構成したので、マル
チベンチュリミキサ32を用いたガスタービン・エンジ
ン10において、個々のベンチュリミキサのスロート部
圧力Pa1を検出する必要なく、燃料供給を制御するこ
とができる。
【0062】さらに、ベンチュリ管32aのスロート部
322の有効開孔面積(断面積)Aaと絞り32bの有
効開孔面積Afの比を所定の値、より具体的には目標空
燃比(この実施の形態ではA/F=45:1)と同じ値
とすることで、ミキサの出口圧力などの影響によって流
量にバラツキが生じても、空燃比の局所的な濃淡の影響
を受けることなく、燃料供給を精度良く制御することが
できる。
【0063】即ち、この実施の形態においては、空気取
り入れ口から吸引され、コンプレッサ12で加圧されつ
つ吸気路24を通って流入する空気と気体燃料源から燃
料供給路26aを通過して流入する気体燃料を混合して
燃焼器16で燃焼させ、よって生じた燃焼ガスでタービ
ン14を回転させて前記コンプレッサ12を駆動すると
共に、前記タービン14の回転を出力軸18を介して出
力するガスタービン・エンジン10の空燃比制御装置に
おいて、前記燃料供給路26aに配置され、通過する前
記気体燃料を調量する調量手段(第1の燃料制御弁2
8)、入力端320が前記吸気路24に接続され、他端
321が前記燃焼器16に開口すると共に、その間に所
定の断面積(有効開孔面積Aa)のスロート部322を
備えるベンチュリ管32、および入力端が前記調量手段
の下流で前記燃料供給路26aに接続され、出力端が前
記ベンチュリ管32のスロート部322に穿設され、気
体燃料を前記スロート部を通過する空気に噴出して混合
気を形成する、所定の開孔面積(有効開孔面積)Afを
備えた絞り32bからなる燃料噴出手段32bを備える
と共に、前記スロート部の断面積と前記絞りの開孔面積
の比が所定の値となるように構成した。
【0064】スロート部の断面積と絞りの開孔面積の比
が所定の値となるように構成したので、空気流量が変化
しても空気質量流量と燃料質量流量の比を一定にするこ
とができ、よって、ベンチュリ管の出口圧力などの影響
を受けても燃料供給を精度良く制御することができる。
【0065】また、前記所定の値が目標空燃比(45:
1)である如く構成した。
【0066】スロート部の断面積と絞りの開孔面積の比
が目標空燃比である如く構成したので、空気流量が変化
しても空気質量流量と燃料質量流量の比を常に目標空燃
比ににすることができ、よって、ベンチュリ管の出口圧
力などの影響を受けても燃料供給を精度良く制御するこ
とができる。
【0067】また、前記空気と気体燃料の密度比(ρa
0とρf0)に応じて前記所定の値を補正する如く構成
した。
【0068】さらに、前記絞り32bを通過する気体燃
料の質量流量mfを算出する気体燃料質量流量算出手段
(ECU60)、前記気体燃料の温度Tf0を検出する
気体燃料温度検出手段(第1の温度センサ40)、前記
気体燃料の圧力Pf0を検出する気体燃料圧力検出手段
(第1の圧力センサ42)、前記ベンチュリ管32bに
流入する空気の入口温度Ta0を検出する入口空気温度
検出手段(第3の温度センサ50)、前記ベンチュリ管
32bに流入する空気の入口圧力Pa0を検出する入口
空気圧力検出手段(第3の圧力センサ52)、および前
記算出された気体燃料の質量流量mfと、前記検出され
た気体燃料の温度Tf0および圧力Pf0と、前記検出
された入口空気温度Ta0および圧力Pa0と、前記ス
ロート部322の所定の断面積(有効開孔面積)Aaと
前記絞り32bの所定の開孔面積(有効開孔面積)Af
とから前記スロート部を通過する空気の質量流量maを
算出する空気質量流量算出手段(ECU60)を備える
如く構成した。
【0069】前記した作用効果に加え、算出された気体
燃料の質量流量と、検出された気体燃料の温度および圧
力と、検出された入口空気温度および圧力と、スロート
部の所定の断面積と絞りの所定の開孔面積とからスロー
ト部を通過する空気の質量流量を算出する如く構成した
ので、ベンチュリ管と絞りなどがマルチ化してなるマル
チベンチュリミキサを用いるときも、個々のミキサのス
ロート部の圧力を検出する必要なく、燃料供給を制御す
ることができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1項にあっては、スロート部の断
面積と絞りの開孔面積の比が所定の値となるように構成
したので、空気流量が変化しても空気質量流量と燃料質
量流量を一定にすることができ、よって、ベンチュリ管
の出口圧力などの影響を受けても燃料供給を精度良く制
御することができる。
【0071】請求項2項にあっては、スロート部の断面
積と絞りの開孔面積の比が目標空燃比である如く構成し
たので、空気流量が変化しても空気質量流量と燃料質量
流量の比を常に目標空燃比ににすることができ、よっ
て、ベンチュリ管の出口圧力などの影響を受けても燃料
供給を精度良く制御することができる。
【0072】請求項3項にあっては、空気と気体燃料の
密度比に応じて前記所定の値を補正する如く構成したの
で、空気流量が変化しても、燃料供給を一層精度良く制
御することができる。
【0073】請求項4項にあっては、算出された気体燃
料の質量流量と、検出された気体燃料の温度および圧力
と、検出された入口空気温度および圧力と、スロート部
の所定の断面積と絞りの所定の開孔面積とからスロート
部を通過する空気の質量流量を算出する如く構成したの
で、ベンチュリ管と絞りなどがマルチ化してなるマルチ
ベンチュリミキサを用いるときも、前記した作用効果に
加え、個々のミキサのスロート部の圧力を検出する必要
なく、燃料供給を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係るガスタービ
ン・エンジンの制御装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1装置の中の燃料制御弁、ベンチュリミキサ
などの構成を模式的に示す説明図である。
【図3】図2に示す構成における空気質量流量の算出原
理を示す説明図である。
【図4】得られた空気質量流量をスロート部圧力(燃料
圧力)および燃料質量流量に対して示す実験データであ
る。
【図5】図3に示す構成を図1に示す燃料制御弁および
ベンチュリミキサに置き換えて示す説明図である。
【図6】燃料制御弁を用いた場合のスロート部圧力の計
測誤差を示す実験データである。
【図7】ベンチュリミキサ出口圧力と開孔面積比が空燃
比に与える影響を示す実験データである。
【図8】気体燃料としてメタンを用いた場合の開孔面積
比修正係数の特性を示す説明グラフである。
【符号の説明】
10 ガスタービン・エンジン 12 コンプレッサ 14 タービン 16 燃焼器 18 出力軸 20 発電機 24 吸気路 28 第1の燃料制御弁 30 第2の燃料制御弁 32 ベンチュリミキサ 32a ベンチュリ管 32b 絞り 322 スロート部 40 第1の温度センサ 42 第1の圧力センサ 56 酸素濃度センサ 60 ECU

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取り入れ口から吸引され、コンプレ
    ッサで加圧されつつ吸気路を通って流入する空気と気体
    燃料源から燃料供給路を通過して流入する気体燃料を混
    合して燃焼器で燃焼させ、よって生じた燃焼ガスでター
    ビンを回転させて前記コンプレッサを駆動すると共に、
    前記タービンの回転を出力軸を介して出力するガスター
    ビン・エンジンの制御装置において、 a.前記燃料供給路に配置され、通過する前記気体燃料
    を調量する調量手段、 b.入力端が前記吸気路に接続され、他端が前記燃焼器
    に開口すると共に、その間に所定の断面積のスロート部
    を備えるベンチュリ管、および c.入力端が前記調量手段の下流で前記燃料供給路に接
    続され、出力端が前記ベンチュリ管のスロート部に穿設
    され、気体燃料を前記スロート部を通過する空気に噴出
    して混合気を形成する、所定の開孔面積を備えた絞りか
    らなる燃料噴出手段、を備えると共に、前記スロート部
    の断面積と前記絞りの開孔面積の比が所定の値となるよ
    うに構成したことを特徴とするガスタービン・エンジン
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の値が目標空燃比であることを
    特徴とする請求項1項記載のガスタービン・エンジンの
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記空気と気体燃料の密度比に応じて前
    記所定の値を補正することを特徴とする請求項1項記載
    のガスタービン・エンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 さらに、 d.前記絞りを通過する気体燃料の質量流量を算出する
    気体燃料質量流量算出手段、 e.前記気体燃料の温度を検出する気体燃料温度検出手
    段、 f.前記気体燃料の圧力を検出する気体燃料圧力検出手
    段、 g.前記ベンチュリ管に流入する空気の入口温度を検出
    する入口空気温度検出手段、 h.前記ベンチュリ管に流入する空気の入口圧力を検出
    する入口空気圧力検出手段、および i.前記算出された気体燃料の質量流量と、前記検出さ
    れた気体燃料の温度および圧力と、前記検出された入口
    空気温度および圧力と、前記スロート部の所定の断面積
    と前記絞りの所定の開孔面積とから前記スロート部を通
    過する空気の質量流量を算出する空気質量流量算出手
    段、を備えることを特徴とする請求項1項から3項のい
    ずれかに記載のガスタービン・エンジンの制御装置。
JP2000002022A 2000-01-07 2000-01-07 ガスタービン・エンジンの制御装置 Withdrawn JP2001193485A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002022A JP2001193485A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 ガスタービン・エンジンの制御装置
US09/754,367 US6813875B2 (en) 2000-01-07 2001-01-05 Control system for gas-turbine engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000002022A JP2001193485A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 ガスタービン・エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001193485A true JP2001193485A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18531180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000002022A Withdrawn JP2001193485A (ja) 2000-01-07 2000-01-07 ガスタービン・エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001193485A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255815A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Niigata Power Systems Co Ltd 燃料噴射弁
CN114166641A (zh) * 2021-12-06 2022-03-11 北京航空航天大学 文氏管反压性能测试装置以及测试方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255815A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Niigata Power Systems Co Ltd 燃料噴射弁
CN114166641A (zh) * 2021-12-06 2022-03-11 北京航空航天大学 文氏管反压性能测试装置以及测试方法
CN114166641B (zh) * 2021-12-06 2023-11-03 北京航空航天大学 文氏管反压性能测试装置以及测试方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6813875B2 (en) Control system for gas-turbine engine
JP2004522129A (ja) 空気比の設定方法および装置
US20090113896A1 (en) Control apparatus and method for gas-turbine engine
US20060218929A1 (en) Gas turbine engine control system
JP4031986B2 (ja) 状態調節された燃焼ガスを内燃機関に供給するための方法、該方法を実施するための装置、内燃機関の排ガス中の有害物質量を測定するための方法、および該方法を実施するための装置
CN112805504B (zh) 调节气体混合物的混合比的装置
US20130312421A1 (en) Fuel control system for a gas turbine engine
JPS6353615A (ja) 気体流量制御装置
US11215132B1 (en) Controlling an internal combustion engine system
JP5668611B2 (ja) 内燃機関用制御装置、および内燃機関用制御方法
JPH0771325A (ja) 内燃機関の燃料管理システム
US20100205976A1 (en) Integrated fuel gas characterization system
JP2019158758A (ja) ガスセンサの応答時間評価装置及び方法
JP2003065080A (ja) ガスタービン・エンジンの制御装置
WO2018220969A1 (ja) 熱式流量計
JP2001193485A (ja) ガスタービン・エンジンの制御装置
JP2001193487A (ja) ガスタービン・エンジンの制御装置
US9677765B2 (en) Pneumatic composite having mass balancing
JP2636112B2 (ja) 流体を供給し且つ供給された流体の量を測定する方法及び装置
JP2001193486A (ja) ガスタービン・エンジンの制御装置
US20230120620A1 (en) Method For Evaluating A Sensor-Detectable Transient Pressure Difference On A Gas Boiler And Associated Gas Boiler
US20210348759A1 (en) Method for determining the flow rate of combustible fluid injected into a combustion chamber without an additional orifice plate
JPH0648093B2 (ja) ガスタ−ビン燃焼器バイパス弁制御方法
JPS5810612A (ja) 定温度差発熱形抵抗体を用いた吸入空気流量計
CN115199428A (zh) 用于内燃机的进气段的诊断方法、诊断电路、机动车

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080131