JP2001192992A - 抄紙機の繊維配向性制御方法 - Google Patents

抄紙機の繊維配向性制御方法

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JP2001192992A
JP2001192992A JP37452099A JP37452099A JP2001192992A JP 2001192992 A JP2001192992 A JP 2001192992A JP 37452099 A JP37452099 A JP 37452099A JP 37452099 A JP37452099 A JP 37452099A JP 2001192992 A JP2001192992 A JP 2001192992A
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lip
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fiber orientation
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Norio Kamagami
則夫 鎌上
Takayuki Nakayama
隆幸 中山
Naoya Meguro
直哉 目黒
Hiroyuki Otsuka
裕之 大塚
Masahiro Yakabe
政宏 矢ケ部
Junichi Ito
順一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者の経験や勘に頼ることなく、スライス
のリップ開度を定量的に調整できるようにして目標配向
性分布を得る。 【解決手段】 ヘッドボックス1のスライス4の幅方向
複数個所に、リップ開度調整用の作動装置20を装備さ
せる。流出原料5の繊維配向性を計測する配向計23
と、配向計23の信号に基づきリップ開度調整用の作動
装置20へ制御指令を送る配向性演算装置22を備え
る。演算装置22には、スライス4の各種のリップ開度
パターンとそのときの配向性との関係から求めた配向マ
トリックスを基に目標配向性が得られるようにするため
の定量的なリップ変位量を配向性制御データとして入力
しておく。配向性制御データは、設定した抄紙条件毎に
且つ流れ方向複数の計測位置毎に求めておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抄紙機のすき網部で
繊維配向性を制御することができるようにする抄紙機の
繊維配向性制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】抄紙機のすき網部は、図8に概略を示す
如く、紙幅方向に延びるミキシングチャンバ2に、分散
分岐管3を介して原料流出用スライス4を連通させてな
るヘッドボックス1を有し、上記ミキシングチャンバ2
には、メインヘッダー6が多数に分岐された粗分岐管7
を介して接続され、該各粗分岐管7には、濃度調整弁1
0を備えたサブヘッダー8が供給管9にて接続されて、
上記メインヘッダー6からの濃度の高い原料とサブヘッ
ダー8からの濃度の低い原料を各粗分岐管7内で混合し
た後、ミキシングチャンバ2内に移し、該ミキシングチ
ャンバ2内で各粗分岐管7からの原料を均一化させてか
ら分散分岐管3を経てスライス4より原料5をすき網1
1上へ薄い膜状のジェットとして流出させるようにして
ある。12はヘッドボックス1のエアチャンバ、13は
ブレストロール、14はフォーミングボード、15は脱
水フォイルを示す。
【0003】紙を構成している繊維の方向は、湿度、温
度変化による寸法安定性、反り特性などに深く係わって
おり、その角度に±1°以内の精度が要求される場合も
ある。繊維配向角決定要因のなかでも、紙の製造工程初
期において、上記の如きヘッドボックス1のスライス4
から流出させる原料5の方向は特に重要である。しか
し、抄紙機によっては、スライス4のリップ開度が幅方
向で一様となるように設定してあっても上記スライス4
からすき網11上に流出される原料5に斜流が発生して
配向角が変わるものもあり、繊維配向性が悪いと、紙の
強度や地合に重大な影響を与えることになる。
【0004】そのため、従来では、図9(イ)(ロ)に
一例を示す如く、トップスライス部4aとボトムスライ
ス部4bにより構成されるスライス4の上記トップスラ
イス部4aの先端に、幅方向に多数分割されたスライス
リップ16を設けて、各スライスリップ16に対応させ
て支持フレーム17に備えた、たとえば、モータ18と
スクリューロッド19からなる作動装置20を、各々ス
ライスリップ16に連結し、各スライスリップ16を個
別に作動装置20で昇降させることにより、リップ開度
を幅方向の任意の個所で調整できるようにしてあり、ス
ライス4の先端に形成される原料流出口21への上記ス
ライスリップ16の突出量を各作動装置20のモータ1
8の駆動で幅方向で変化させ原料流出口21の開口量
(リップ開度)を変えることにより、スライス4からす
き網11上に流出される原料5の流れ方向を制御できる
ようにしてある。16aは各スライスリップ16の下端
縁を一連に連結するようにした可撓性を有するリップ片
を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、原料5の流
れ方向は、作動装置20でスライス4のリップ開度を幅
方向で変化させることにより変えることはできるが、こ
れまでは、リップ開度の調整量の決定に明確な指針はな
く、作業者の経験と勘を頼りに配向計測とリップ調整を
繰り返すことで対応していたので、目標とする繊維配向
性分布が得られるまでに多大な労力と時間を要してい
た。又、最終的に製造される紙の厚みはすき網11上に
流出される原料5の濃度によって決定されるが、流出原
料の濃度が変わると繊維配向性分布も変化することにな
るので、作業者の経験と勘による調整では品質向上に限
界を来している。
【0006】そこで、本発明は、スライスのリップ開度
の調整量を作業者の経験や勘に頼ることなく定量的に調
整できるようにして、目標とする繊維配向性分布を容易
に得ることができるようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、すき網上に原料を流出させるスライスの
リップを幅方向に複数分割して幅方向の各部でリップ開
度を調整できるようにし、繊維配向角が小さくなるよう
に幅方向の異なる個所でリップ開度を順に少しずつ変化
させたときの流出原料の流速及び流向を基に繊維配向性
分布を計測して配向マトリックスを作成し、且つ該配向
マトリックスを基に目標とする繊維配向性分布が得られ
るようなリップ変位量を定量的に算出してなる配向性制
御データを、製品坪量、抄速、J/W比、リップ開度と
流れ方向複数の計測位置毎に求めて蓄積しておき、抄紙
機の運転時に、坪量、抄速、J/W比、リップ開度での
繊維配向性分布を、設定された計測位置で計測し、該計
測結果を基に上記配向性制御データの中から選定したリ
ップ変位量の値を用いてスライスの幅方向各部のリップ
開度を調整することにより繊維配向性を制御するように
する抄紙機の繊維配向性制御方法とする。
【0008】スライスの幅方向各部のリップ開度とその
ときの繊維配向性との関係から求めた配向マトリックス
を基に、目標繊維配向性分布が得られるようにするため
に算出された製品坪量、抄速、J/W比、リップ開度と
各計測位置毎の定量的な制御データが蓄積されているた
め、設定されているいずれの計測位置でも流出原料の繊
維配向性が計測され、その信号に対応するリップ変位量
でリップ開度が調整されて最適化されるため、繊維配向
プロファイルが改善されることになる。
【0009】又、製品坪量、抄速、J/W比、リップ開
度により、スライスより噴射される原料の噴射角度及び
すき網上へ原料が着地する原料入射角度が変るので、そ
れに応じた最適計測位置を事前に求めておき、その計測
位置で繊維配向性分布を計測するようにすると、より正
確に繊維配向性を制御できることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0011】図1は本発明の抄紙機の繊維配向性制御方
法の実施に用いる装置の一形態を示すもので、図8に示
したと同様な構成としてある抄紙機すき網部において、
図9(イ)(ロ)に示す如きリップ調整用の作動装置2
0をスライス4のトップスライス部4a先端に装備させ
た構成とし、又、運転時に、すき網11上へ流出された
原料5の繊維配向性分布を原料5の流速及び流向から計
測する配向計23と、該配向計23からの信号を基に配
向性制御データの中から選定したリップ変位量の値を用
いて各リップ開度調整用の作動装置20のモータ18へ
制御指令を送るための配向性演算装置22とを備えた構
成とする。
【0012】上記配向計23の設置位置は、一例とし
て、ヘッドボックス1のスライスリップ16から原料5
を流出させた直後の位置でボトムリップ部4b上の位置
(A位置)と、ボトムリップ部4bの下流で原料5がす
き網11に着地するまでのフリージェット部(B位置)
と、原料5がすき網11上に着地してから初期脱水を促
すフォーミングボード14に達するまでの位置(C位
置)と、フォーミングボード14上の位置(D位置)
と、フォーミングボード14の下流の脱水フォイル15
上を含めた前後(J(ジェット速度)/W(すき網設定
速度)=1になるまで)位置(E位置)の5個所として
ある。
【0013】又、上記配向計23は配向性2次元センサ
としてあり、図2乃至図4に詳細を示すように、原料5
の表面上に測定領域として2つのレーザ光干渉縞Saと
Sbとを交わるように形成させるための2台の投光器2
4a,24bと、原料5の表面による反射光(又は散乱
光)を測定して原料5の速さとその方向とに比例する周
波数成分を持つ強度変調信号(レーザドップラ光)を検
出するための2台の受光器25a,25bとを、十字柱
状に形成したホルダーフレーム26の対角線上の4側面
に取り付けて、原料5の進行方向となるすき網11の進
行方向Xが2つの干渉縞SaとSbの法線の成す角度の
間となるように配置してある。
【0014】上記投光器24a,24bは、図2に示す
如く、底面を開放したケーシング27内に、レーザ光L
の如き干渉性を有する光を照射するコヒーレント光源2
8と、該コヒーレント光源28から照射されたレーザ光
Lを平行光化させるためのコリメートレンズ29と、該
コリメートレンズ29により平行光化されたレーザ光L
の一部をそのまま通過させると共に一部を水平方向へ反
射させる光分岐素子30と、該光分岐素子30により分
岐されたレーザ光Lをそれぞれ下方へ向けて反射させる
反射鏡31と、反射鏡31にて反射されたレーザ光Lを
変向させるプリズム32とを有する構成とし、一方、上
記受光器25a,25bは、図3に示す如く、底面を開
放したケーシング33内に、原料5の表面からの反射光
(又は散乱光)L′を上方へ変向させるプリズム34
と、該プリズム34を通過した反射光L′を集束させる
集光レンズ35と、迷光を除去する光波長選択素子47
及びピンホール48と、該集光レンズ35にて集束され
た反射光L′を検出する光検出素子36とを有する構成
としてある。なお、上記プリズム32,34は2つの干
渉縞SaとSbを互に近接、離反させられるように変位
可能としてある。
【0015】図4は上記配向計23の内部回路構成を示
すもので、レーザ光Lを照射させるコヒーレント光源2
8にレーザ駆動器37を接続すると共に、光検出素子3
6により測定している反射光L′を周波数信号として検
出するために、該光検出素子36に波形整形器38と高
速周波数検出演算器39を順次接続してなり、高速周波
数検出演算器39の出力側信号線を上記配向性演算装置
22へ接続するようにする。
【0016】更に、上記配向計23は移動機構により幅
方向へ移動させるようにしてあり、移動機構は、図5に
一例を示す如く、幅方向に亘って配置した枠体46を固
定フレーム49により支持固定させ、該枠体46の各隅
にタイミングプーリ40を取り付けると共に枠体46の
底辺寄りの位置にテンションプーリ41を設けて、各プ
ーリ40,41間にタイミングベルト42を掛け回し、
該タイミングベルト42に取り付け治具43を介して上
記配向計23を取り付けて、上記各タイミングプーリ4
0の中の1つを駆動モータ44により回動させることに
よって配向計23を幅方向へ移動させるようにしてあ
り、更に、別の1つのタイミングプーリ40には回転軸
と結合したエンコーダ45を設けて、該エンコーダ45
によって配向計23の移動量を検出できるようにしてあ
る。
【0017】なお、上記配向計23は、幅方向へ移動さ
せることに代えて、複数個の配向計23を、幅方向に任
意の距離で設置し、各配向計23の出力信号と任意の距
離とで演算処理して幅方向の配向性分布を求めるように
してもよい。
【0018】本発明では、図6のフローに基づき、予
め、抄紙条件として、製品坪量、抄速、J/W比、リッ
プ開度を考慮し且つ図1のA〜Eで示す複数の計測位置
毎に算出してなる配向性制御データを配向性演算装置2
2に設定入力しておくようにするものであり、この配向
性制御データは、繊維配向角とリップ変位との間に線形
性を仮定して、その関係を実験的に定量化したものであ
る。すなわち、図1に示すすき網部において、すき網1
1上での原料濃度が、たとえば、0.3%から0.1%
刻みで2.0%までの多段階を試験するものとして、先
ず、メインヘッダー6からの高濃度原料とサブヘッダー
8からの低濃度原料をヘッドボックス1のミキシングチ
ャンバ2内で均一化させてから分散分岐管3を経て(以
上、図8参照)スライス4より濃度を0.3%に設定し
た原料5をすき網11上へ流出させるようにし、又、こ
のとき、A〜Eまでの計測位置のいずれかを設定してお
くようにして、目標の配向角とするようスライス4のリ
ップ開度を、幅方向の作動装置20により順に少しずつ
変化させたときの原料5の繊維配向性分布をその都度計
測して配向マトリックスを作成し、且つ該配向マトリッ
クスを基に、目標とする繊維配向性分布が得られるよう
に配向計測値からリップ変位量を定量的に算出し、算出
された配向性制御データを配向性演算装置22に蓄積さ
せるようにし、しかる後、原料5の濃度条件をそのまま
として、計測位置を移し、同様に配向性制御データを算
出して蓄積させ、更に、同一濃度によるすべての計測位
置での配向性制御データを算出して蓄積させると、次
に、流出原料5の濃度を0.4%に変えて上記と同様に
して配向性制御データを算出して蓄積させ、同様にし
て、すべての抄紙条件下での配向性制御データを算出し
て蓄積させるようにするものである。
【0019】具体的なアルゴリズムとしては、たとえ
ば、幅方向に10個に分割したスライスリップ16を、
端から順に上下に微少量動かして、動かす前後の全スラ
イスリップ16の全幅で配向角の二乗和を計算して大小
を比較し、小さくなったら更に同方向に微少量動かすよ
うにし、一方、大きくなったら元の位置に戻すようにす
る。これを隣接スライスリップとの変位差が制限に達す
るまで繰り返し、更に全スライスリップ16について行
い、すべての位置で配向角が設定値に達するまでこれを
繰り返すようにする。
【0020】上記配向マトリックスの成分決定方法とし
ては、スライスリップ16の数と同数の互いに独立な開
度パターン及びこれに対応する繊維配向角分布から、下
記式(1) の如き連立方程式を作成し、これを解いて係数
を決定するようにした。式(1) において、aの行列は係
数としての配向マトリックス、ΔSの列はリップ変位
量、Bの列は定数としての基準配向角、θの列は計測配
向角を示す。なお、リップ変位量は基準配向角のときの
リップ開度を基準とした場合の変位量である。
【0021】 上記式(1) を基に具体的に説明すると、先ず、ケース1
の場合のリップ変位量{ΔS1 1 ,ΔS2 1 …Δ
n 1 }、及びそのときの配向角{θ1 1 ,θ2 1 …θ
n 1 }に対し となる。
【0022】したがって、式(2) の連立方程式を解くと
{a1,1 ,a1,2 …a1,n }が求められる。
【0023】同様に、 となるので、式(3) の連立方程式を解くと{a2,1 ,a
2,2 …a2,n }が求められる。
【0024】以上の手順を繰り返すことにより、n×n
のマトリックス成分がすべて求められる。
【0025】なお、実機運転中は、最新のリップ変位量
と配向角のデータで、最古の同データを置き換えて連立
方程式を解き、マトリックス成分を更新して行くように
する。
【0026】抄紙機の運転時に、流出原料5の配向性を
制御する場合は、図7に示すメインフローに基づいて行
うようにする。すなわち、先ず、運転中の原料5の坪
量、抄速、J/W比、リップ開度と配向計23による配
向性分布計測位置A〜Eのうちから選定した位置を配向
性演算装置22に入力した状態において、スライス4か
ら流出させた原料5の繊維配向性分布が配向計23によ
って計測されると、その信号が配向性演算装置22に入
れられる。配向性演算装置22では実験によって決定し
た配向角とリップ変位との関係を利用して配向角計測値
からリップ調整量が求められて制御指令として出力さ
れ、所要のリップ開度調整用の作動装置20が作動させ
られてスライスリップ16が変位させられることになっ
て、リップ開度が調整され、原料の流れ方向が制御され
る。これにより、スライス4のリップ開度が定量的に調
整され、配向角を改善させるような原料5の流れ方向が
作り出される結果、製造された紙の配向プロファイルを
良好なものとすることができる。
【0027】上記において、配向性演算装置22に蓄積
させる配向性制御データは、坪量、抄速、J/W比、リ
ップ開度の各抄紙条件の原料5を対象としたものである
ため、原料5の各抄紙条件が変っても容易に対処するこ
とができて、製品品質の向上化に寄与することができ、
又、配向性分布計測位置は原料5の進行方向に沿って複
数個所設定してあるため、どの位置で計測しても配向性
制御を実施することができて便利である。
【0028】次に、本発明の繊維配向性制御方法の他の
実施の形態として、スライス4からすき網11上へ原料
5を流出(噴射)させる際の原料噴射角度及び原料5を
すき網11上へ着地させる際の原料入射角度であるスラ
イス4のボトムリップ角度をファクタとして加味して配
向性制御データを算出させ、原料噴射角度ファクタとボ
トムリップ角度ファクタを加味した配向性制御データを
用いてリップ開度を調整させるようにする。
【0029】製品坪量、抄速、J/W比、リップ開度に
より原料噴射角度及びボトムリップ角度が変化すると、
脱水率が変化して、繊維配向性分布も微妙に変化するた
め、これらに応じた最適計測位置として、たとえば、図
1における計測位置C、D、Eでの配向性制御データ
を、原料噴射角度ファクタ及びボトムリップ角度ファク
タを加味したものとしておくと、より正確に繊維配向性
を制御することができる。
【0030】なお、上記実施の形態では、幅方向に分割
されたスライスリップ16の個数が10個として、10
個所の配向マトリックスを作成するようにした場合を示
したが、配向プロファイルに比較的影響の少ない両端部
を除いた中央部分のみを取り出して制御を行うようにし
てもよいこと、更に、リップ開度調整用作動装置20の
設置数は任意に選定し得ること、その他本発明の要旨を
逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿
論である。
【0031】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の抄紙機の繊維
配向性制御方法によれば、すき網上に原料を流出させる
スライスのリップを幅方向に複数分割して幅方向の各部
でリップ開度を調整できるようにし、繊維配向角が小さ
くなるように幅方向の異なる個所でリップ開度を順に少
しずつ変化させたときの流出原料の流速及び流向を基に
繊維配向性分布を計測して配向マトリックスを作成し、
且つ該配向マトリックスを基に目標とする繊維配向性分
布が得られるようなリップ変位量を定量的に算出してな
る配向性制御データを、設定した製品坪量、抄速、J/
W比、リップ開度と流れ方向複数の計測位置毎に求めて
蓄積しておき、抄紙機の運転時に、そのときの坪量、抄
速、J/W比、リップ開度での繊維配向性分布を、設定
されたいずれかの計測位置で計測し、該計測結果を基に
上記配向性制御データの中から選定したリップ変位量の
値を用いてスライスの幅方向各部のリップ開度を調整す
ることにより繊維配向性を制御するようにするので、流
出原料の繊維配向性分布が計測されると、その信号に対
応する配向性制御データに基づきリップ開度を調整して
最適化することができ、この際、リップ変位量は、配向
マトリックスを基に配向角を改善するために定量化され
たものであるので、作業者の経験や勘に頼ることなくリ
ップ開度を定量的に調整することができ、したがって、
目標とする配向プロファイルを容易に得ることができて
製品品質を向上させることができ、又、上記配向性制御
データは製品坪量、抄速、J/W比、リップ開度に求め
られていると共に複数の計測位置で求められていること
から、紙の厚みが変わっても容易に対処することができ
ると共に、計測位置にとらわれることがなくて便利であ
り、更に、スライスより噴出される原料の噴射角度及び
すき網上へ原料が着地する原料入射角度に応じた最適計
測位置を事前に求めておき、その計測位置で計測するこ
とでより信頼性の高い繊維配向性分布が得られる、とい
う優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抄紙機の繊維配向性制御方法の実施に
用いる装置の一例を示す概要図である。
【図2】配向計の主として投光器の部分を示す一部切断
斜視図である。
【図3】配向計の受光器の部分を示す概略図である。
【図4】配向計の内部回路構成図である。
【図5】配向計の移動機構の一例を示す概略図である。
【図6】配向性制御データの算出方法を示すフローであ
る。
【図7】本発明の繊維配向性制御方法を示すメインフロ
ーである。
【図8】抄紙機すき網部の概要図である。
【図9】ヘッドボックスのスライスの部分を拡大して示
すもので、(イ)は切断側面図、(ロ)は正面図であ
る。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス 4 スライス 4a トップスライス部 5 原料 11 すき網 16 スライスリップ 20 作動装置 23 配向計 24 配向性演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目黒 直哉 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 大塚 裕之 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社機械・プラント開 発センター内 (72)発明者 矢ケ部 政宏 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 伊藤 順一 東京都江東区東陽3丁目23番22号 石川島 産業機械株式会社内 Fターム(参考) 4L055 BD02 BD20 DA12 DA40 FA23 FA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すき網上に原料を流出させるスライスの
    リップを幅方向に複数分割して幅方向の各部でリップ開
    度を調整できるようにし、繊維配向角が小さくなるよう
    に幅方向の異なる個所でリップ開度を順に少しずつ変化
    させたときの流出原料の流速及び流向を基に繊維配向性
    分布を計測して配向マトリックスを作成し、且つ該配向
    マトリックスを基に目標とする繊維配向性分布が得られ
    るようなリップ変位量を定量的に算出してなる配向性制
    御データを、設定した製品坪量、抄速、J/W比、リッ
    プ開度と流れ方向複数の計測位置毎に求めて蓄積してお
    き、抄紙機の運転時に、そのときの坪量、抄速、J/W
    比、リップ開度での繊維配向性分布を、設定された計測
    位置で計測し、該計測結果を基に上記配向性制御データ
    の中から選定したリップ変位量の値を用いてスライスの
    幅方向各部のリップ開度を調整することにより繊維配向
    性を制御することを特徴とする抄紙機の繊維配向性制御
    方法。
  2. 【請求項2】 スライスより噴射される原料の噴射角度
    及びすき網上へ原料が着地する原料入射角度に応じた最
    適計測位置を事前に求めておき、その計測位置で繊維配
    向性分布を計測するようにした請求項1記載の抄紙機の
    繊維配向性制御方法。
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