JP2001192770A - 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JP2001192770A JP2000005364A JP2000005364A JP2001192770A JP 2001192770 A JP2001192770 A JP 2001192770A JP 2000005364 A JP2000005364 A JP 2000005364A JP 2000005364 A JP2000005364 A JP 2000005364A JP 2001192770 A JP2001192770 A JP 2001192770A
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Toshiaki Urabe
俊明 占部
Keisuke Mino
圭介 味野
Shunsaku Noide
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い伸び及び伸びフランジ性などのプレス成
形性に優れ、かつ高強度な溶融亜鉛めっき鋼板を提供す
る。 【解決手段】 重量%でC:0.07〜0.18、Si:0.02〜1.
0、Mn:1.0〜2.0、P≦0.05、S≦0.003(0を含む)、
so1.Al:0.02〜0.06、N≦0.004(0を含む)、V:0.0
1〜0.15を含有し、残部が実質的にFeおよび不可避不純
物からなり、SiとVとの関係式がSi-3.786≦-exp(V+1.0
9)を満足することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の構造部材等
に使用するのに好適な、高い伸びと伸びフランジ性を備
えた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電気産業、自動車産業などの各種
産業界において、地球環境を保護する目的から、C
2、NO2などの排気ガスを低減するための対策が図ら
れている。特に、自動車業界では、自動車の車体を軽量
化することで燃費の向上が検討されており、軽量化の一
つの手法として、従来から自動車に使用される鋼板を高
強度化しつつ、鋼板の薄肉化が進められている。
【0003】一方、自動車の衝突安全規制が厳しくなる
最中、車体の耐衝突性能を向上させる目的から自動車の
構造部材に高強度鋼板の適用が検討されている。高強度
鋼板を適用する場合には、張り出し割れ、伸びフランジ
割れなどのプレス成形上の問題が発生するため、素材と
しては、伸び、伸びフランジ性などの特性が要望され
る。こうした要求に対し、例えば特開平4−29375
8号公報、特開平5−59517号公報には、めっき性
と加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造する技術が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−29375
8号公報に開示されている技術は、鋼板の表層部と内部
の成分を変化させたクラッド鋼板に関するものであり、
強度が60kgf/mm2レベルで70%の高い穴拡げ率が得られ
ているが、伸びが30%未満と低く、張り出し成形には不
利である。また、特開平5−59517号公報に開示さ
れた技術は、連続焼鈍時の加熱開始から冷却終了までの
時間が30秒以内という高速焼鈍技術を特徴としている
が、安定して鋼板を製造するには極めて困難な技術であ
る。
【0005】本発明は、上記の従来技術の課題を解決す
るものであり、自動車の構造部材用鋼板に求められる高
い伸び及び伸びフランジ性などのプレス成形性に優れ、
かつ高強度な溶融亜鉛めっき鋼板と当該溶融亜鉛めっき
鋼板を安定して製造する方法を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、重量%でC:0.07〜0.18、Si:0.02〜
1.0、Mn:1.0〜2.0、P≦0.05、S≦0.003(0を含
む)、so1.Al:0.02〜0.06、N≦0.004(0を含む)、
V:0.01〜0.15を含有し、残部が実質的にFeおよび不可
避不純物からなり、SiとVとの関係式がSi-3.786≦-exp
(V+1.09)を満足することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼
板(請求項1)である。
【0007】「残部が実質的にFeおよび不可避不純物か
らなる」というのは、鉄以外に不可避不純物、及び本発
明の効果を無くさない範囲で少量の他の成分元素を含む
ものが本発明の範囲に含まれることを示すものである。
また、本明細書(表を含む)及び図面において、鋼の成
分を示す%は、特に断らない限り重量%である。
【0008】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段に示した成分に加え、重量%で、さら
に、Cr:0.1〜0.8を含有することを特徴とする溶融亜鉛
めっき鋼板(請求項2)である。
【0009】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段である溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法であって、熱間圧延時に鋼板表面に形成さ
れるスケールを高圧水にて除去する際、215・(Si-1.5V)+
139≦P(kgf/cm2)≦450を満足する水圧Pの高圧水を用い
る工程を有してなることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法(請求項3)である。ただし、Si及びVは
それぞれの重量%である。
【0010】(本発明に至る経緯とSi、Vの限定理由)
本発明者らは、自動車構造部材用素材に求められる優れ
た延性と伸びフランジ成形性を兼備した高強度溶融亜鉛
めっき鋼板とその製造方法を得るために、綴密に研究を
重ねた。この結果、フェライト母相に硬質のマルテンサ
イトを含む変態組織強化鋼(Dua1 Phase鋼)では、両相の
硬さの違いが大きいため、伸びフランジ成形前の端面加
工時にフェライトとマルテンサイト界面にマイクロボイ
ドが発生し、伸びフランジ成形性の劣化が不可避的であ
ったのに対し、鋼中のVの含有量を適正化することによ
って、鋼板の組織は清浄化し、ミクロ偏析、バンド組織
が低減され、伸びフランジ成形性が向上することが分か
った。
【0011】また、溶融亜鉛めっき性に好ましくないSi
を組織の清浄化に寄与する鋼中V量との関係で適正に制
御することによって、Siを含有した鋼板においても良好
な溶融亜鉛めっき性が得られることが明らかとなった。
さらに、鋼板の伸びフランジ性と溶融亜鉛めっき性は熱
延板段階での鋼板の表面性状の影響を大きく受け、粗圧
延を開始してから仕上圧延を開始するまでの熱間圧延プ
ロセス中に形成されるスケールを除去するときに鋼板表
面に噴射される高圧水の圧力を制御することによって、
表面性状が良好となり、鋼板の伸びフランジ性と溶融亜
鉛めっき性が共に向上することを見出した。
【0012】以上の知見に基づき、鋭意検討した結果、
優れた延性と伸びフランジ成形性を兼備した高強度溶融
亜鉛めっき鋼板を安定して製造する技術を発明するに至
った。以下、その内容について詳細に説明する。
【0013】図1は、C:0.10〜0.15%、Mn:1.2〜1.8
%、P:0.008〜0.030%、S:0.0005〜0.0030%、sol.
Al:0.025〜0.055%、N:0.0020〜0.0035%、Cr:0.03
〜0.70%で抗張力TSが595〜635MPa、板厚1.5mmの鋼板に
ついて、SiとVの含有量を変化させた場合の、伸びElと
伸びフランジ性(穴広げ率λ)及び溶融亜鉛めっき性の
変化を示す図である。伸びElは、33%以上で良好
(○)、30〜32%で許容(△)、29%以下で不良(×)
とし、伸びフランジ性λは、65%以上で良好(○)、60
〜64%で許容(△)、59%以下で不良(×)とした。ま
た、溶融めっき性の評価は、めっき密着性評点1で良好
(○)、評点2で許容(△)、評点3で不良(×)とし
た。
【0014】図1を見ると分かるように、伸びEl、伸び
フランジ性λ、溶融めっき性が全て許容レベル以上であ
るためには、 Si-3.786≦-exp(V+1.09) …(1) の関係を満たす必要がある。本発明においては、第1に
SiとVの含有量の関係を(1)式を満たすように限定す
る。
【0015】また、図1に示される実験結果から、伸び
El、伸びフランジ性λ、溶融めっき性が全て許容レベル
以上であるため、及びその他の理由により、SiとVそれ
ぞれの単独の含有量を、以下のように限定する。
【0016】Si:0.02〜1.0% Siはフェライト安定化元素であり、含有量が増加するほ
ど、フェライト+マルテンサイト鋼中のフェライト体積
率が増大し、伸びおよび伸びフランジ成形性が向上す
る。しかし、Siの含有量が0.02%未満ではこの効果は小
さい。一方、含有量が1.O%を超えると(1)式が満たされ
ることは無くなり、溶融亜鉛めっき性の劣化を招くた
め、Si量を0.02〜1.0%の範囲とする。
【0017】V:0.O1〜0.15% Vは鋼板組織の清浄化に寄与し、伸びフランジ成形性の
向上に影響をおよぼす。Vの含有量が0.01%未満ではこ
の効果は小さく、図1からも分かるように、λの値が不
良レベルである。一方、Vが0.15%を超えると、鋼板の
焼入強化が過大となり、図1からも分かるように伸びE
l、伸びフランジ性λの劣化を引き起こすため、Vの含
有量を0.01〜0.15%の範囲とする。
【0018】(その他の成分の限定理由) C:0.07〜0.18% Cは鋼の強化に有効な元素である。Cの含有量が0.07%
未満では、強化能が小さい。一方、0.18%を超えて含有
される場合は、伸びフランジ性の劣化をもたらす。この
ため、C含有量は0.07〜0.18%の範囲とする。 Mn:1.0〜2.0% Mnは鋼の強化に有効な元素であるが、含有量が1.0%未
満では強化能が小さい。一方、Mnの含有量が2.0%を超
えると、伸びフランジ性が劣化する。このため、Mn含有
量は1.0〜2.0%の範囲とする。
【0019】P:≦0.05% Pは含有量が0.05%を超えると溶融亜鉛めっき処理時の
合金化むらを引き起こし、めっき密着性の劣化を招く。
このため、P含有量は0.05%以下に抑える。 S:≦0.003%(0を含む) Sは含有量が0.003%を超えると伸びフランジ性の劣化
を引き起こす。このため、S含有量は0.003%以下に抑
える。 sol.Al:0.02〜0.06% Alは鋼の脱酸のために添加される。また、鋼中NをAlN
として固定する。Alが0.02%未満の含有量では、この効
果が小さい。一方、Al含有量が0.06%を超えると、鋼板
の表面性状の劣化を引き起こす。このため、Al含有量は
0.02〜0.06%の範囲とする。
【0020】N:≦0.004%(0を含む) Nは含有量が0.004%を超えると伸びの劣化を引き起こ
す。このため、N含有量は0.004%以下に抑える。 Cr:0.1〜0.8% Crは鋼の焼入れ性を向上させ鋼板の強化に有効な元素で
ある。この効果を発揮するにはCrの含有量は0.1%以上
とするのが好ましい。一方、含有量が0.8%を超える
と、伸び、伸びフランジ性が劣化する。よって、請求項
2の発明においては、Cr含有量の範囲を規定することと
し、0.1〜0.8%とする。
【0021】(鋼板の製造方法)このような特性を有す
る溶融亜鉛めっき鋼板は以下の製造方法により製造する
ことができる。はじめに、前記第1の手段又は第2の手
段に記載の成分を有する鋼を溶製する。溶製方法は転炉
法、電気炉法のいずれでも何ら差し支えない。溶鋼より
スラブを製造し熱間圧延を施す。この場合、スラブを直
ちに圧延してもよいし、一旦冷却した後、加熱してもよ
い。熱間圧延においては、鋼板の表層組織の粗大化を抑
制し、板厚方向の組織の均一化を図るため、仕上圧延は
Ar3変態点以上で行なうのが好ましい。また、焼鈍後の
鋼板の延性を向上させるため、500℃以上の温度で巻き
取るのが望ましい。
【0022】また、熱間圧延中、鋼板表面に形成される
スケールは高圧水にて除去されるが、発明者らの発見し
た知見によれば、この高圧水の噴水圧は、鋼板のSi、V
の含有量に関連させて制御することが好ましい。
【0023】図2は、C:0.12〜0.15%、Si:0.1〜0.7
%、V:0.02〜0.13%、Si-3.786+exp(V+1.09):-0.6〜
-0.02、Mn:1.3〜1.6、P:0.007〜0.030、S:0.0010
〜0.0030%、sol.Al:0.030〜0.055%、N:0.0020〜0.
0030%、Cr:0.08〜0.70%でTS:600〜630Mpa、El:30
〜36%、板厚1.4mmの鋼板について、(Si-1.5V)の値、噴
水圧Pの圧力と、伸びフランジ性λ及び溶融亜鉛めっき
性(いずれも図1に示した指標と同じ)との関係を示し
たものである。
【0024】図2を見ると分かるように、噴水圧Pが21
5・(Si-1.5V)+139未満のときには、いずれもめっき性評
点が3(不良)でありめっき密着性が劣化している。これ
は、スケール除去能が低下するためであると考えられ
る。一方、噴水圧Pが450kgf/cm2を超えると伸びフラン
ジ性が劣化している。これは、鋼板表面性状が劣化する
ためであると考えられる。以上の結果により、噴水圧P
の範囲は 215・(Si-1.5V)+139≦P(kgf/cm2)≦450 を満足する範囲とすることが好ましい。
【0025】熱間圧延の後は、通常の冷延鋼板の製造方
法により冷延鋼板を製造し、連続溶融亜鉛めっき処理を
施す。冷間圧延率は40%以上であれば、フェライトの再
結晶の促進のために好ましい。また、鋼板の焼鈍は、典
型的には、フェライト+オーステナイトの二相域、又は
オーステナイト単相域で均熱処理を行った後約460℃ま
で冷却することにより行うが、通常行われている方法で
かまわない。その後、溶融亜鉛メッキ処理を行ない、こ
の後、500℃〜580℃の温度にて合金化処理を施す。この
ようにして得られた鋼板に電気亜鉛メッキ処理、化成処
理などの表面処理を施しても特性上の何ら問題は生じな
い。
【0026】
【実施例1】(実施例1)表1に示す成分の鋼(No.1〜1
1:本発明鋼、No.12〜26:比較鋼)を実験室にて溶製、
鋳造し、板厚60mmのスラブを作製した。このスラブを板
厚30mmまで分塊圧延した後、大気中に1200℃で1時間保
持し、粗圧延及び仕上圧延に供した。粗圧延を開始して
から仕上圧延を開始するまでの間、鋼板表面に形成され
るスケールを除去する際に鋼板表面に噴射される水の圧
力Pを400kgf/cm2に制御した。仕上圧延は仕上温度860
℃で行ない、大気中にて600℃の温度で巻取った場合に
相当する熱処理を施し、板厚3mmの熱延板を作製した。
本熱延板を酸洗した後、板厚1.4mmまで冷間圧延を行な
った。
【0027】次に、この冷延板を810℃で90秒間均熱保
持した後、平均冷却速度5℃/sにて冷却し、溶融亜鉛め
っき浴中に浸漬した。この後直ちに550℃まで20℃/sの
平均速度で昇温した後、室温まで徐冷した。こうして得
られた焼鈍板に伸長率0.5%にて調質圧延を施し、各種
調査用のサンプルを作製した。
【0028】本サンプルを用いて、機械特性およびめっ
き性を評価した。素材機械特性はJIS(日本工業規格)Z22
41に準拠した引張試験にて調査し、伸びフランジ成形性
はJFS(日本鉄鋼連盟規格)T1001に準拠した穴拡げ試験に
て評価した。伸び(El)と伸びフランジ性(穴拡げ率:λ)
の評価の基準として、Elは33〜40%を良好(○)、30〜32
%を許容(△)、20〜29%を不良(×)とし、λは65〜85%
を良好(○)、60〜64%を許容(△)、40〜59%を不良(×)
と評価した。
【0029】また、めっき性に関しては、幅50mm×長さ
100mmのサンプルの表面にテープを貼り付け、90°曲げ
試験を行なった後、テープを剥離し、鋼板の表面状態を
目視にて評価した。めっき密着性は、鋼板が露出しない
場合を1(良好、○)、テープまたは指でこすると鋼板が
露出する場合を2(許容、△)、鋼板が露出する場合を3
(不良、×)として評価した。
【0030】機械特性およびめっき性の評価結果を表2
に示す。本発明鋼No.1〜11はいずれも成分が本発明範囲
内にあり、TSが595〜645MPa、Elは32〜38%であり、ま
たλは66〜85%であることから、伸びならびに伸びフラ
ンジ性に優れている。また、めっき性は評価1〜2であ
り、好ましいレベルである。
【0031】一方、比較鋼No.12〜26は、成分値が本発
明範囲外となるものがあり、伸び、伸びフランジ性、め
っき性が両立しない。比較鋼No.12〜14、22、23、25、2
6はめっき密着性は評価1〜2と好ましいレベルである
が、λは48〜58%であるため伸びフランジ性が不良であ
る。
【0032】鋼No.16は、Elは32%と許容範囲である
が、λは57%であるため、伸びフランジ性が不良であ
り、めっき性も評価3であって不良である。鋼No.15、1
7〜19、21はElが30〜37%、λが60〜82%であるので、
伸び、伸びフランジ性は許容レベル以上にあるが、めっ
き性は評価3であるため不良である。また、鋼No.20、2
4はElが26〜29%、λが50〜56%であり、めっき性も評
価3であることから、伸び、伸びフランジ性およびめっ
き性のいずれも不良である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(実施例2)表1のNo.7、No.11の成分値を
有する鋼を実験室にて溶解し、板厚50mmのスラブとした
後、30mm厚まで分塊圧延を行なった。次に、本圧延材を
大気中にて1300℃で1時間の保熱処理に供した後、熱間
圧延を行なった。熱間圧延は粗圧延を施した後、仕上圧
延を仕上温度880℃で行ない、大気中で600℃に1時間保
持した後、室温まで徐冷し(巻取相当の熱処理)、板厚3m
mの熱延板を作製した。なお、この熱間圧延プロセス
中、粗圧延を開始してから仕上圧延を開始するまでの
間、鋼板表面に形成されるスケールを除去する際に鋼板
表面に噴射される高圧水の圧力P(kgf/cm2)を100〜650k
gf/cm2まで変化させた。
【0036】続いて、この熱延板を酸洗した後、板厚1.
4mmまで冷間圧延を行ない、830℃で2分間均熱保持した
後、平均冷却速度10℃/sにて冷却し、460℃の溶融亜鉛
めっき浴中に浸漬した。この後、500℃まで30℃/sの平
均速度で昇温し、合金化処理を施した。こうして得られ
た焼鈍板に伸長率0.5%にて調質圧延を施し、機械特性
およびめっき性を調査するサンプルを作製した。
【0037】表3に機械特性およびめっき性を調査した
結果を示す。なお、機械特性およびめっき性の評価につ
いては、上記実施例1と同様の方法で行なった。鋼No.7
では、高圧水の圧力が本発明範囲内である250〜450kgf/
cm2の場合、Elが33〜34%、λが66〜75%であり、伸び
および伸びフランジ性が良好である。また、めっき性は
好ましいレベルを有している。しかし、高圧水の圧力が
本発明範囲外にある場合には、伸びフランジ性とめっき
性は両立せず、水圧が100kgf/cm2、150kgf/cm2では、め
っき性が劣化しており、また水圧が550kgf/cm2、650kgf
/cm2では、伸びフランジ性の劣化が顕著である。
【0038】一方、鋼No.11では、高圧水の圧力が150〜
450kgf/cm2のとき本発明範囲であり、この場合には、El
が32〜34%、λが68〜73%であることから、伸びおよび
伸びフランジ性が良好である。また、めっき性も好まし
いレベルである。しかし、高圧水の圧力が本発明範囲外
にある場合には、伸びフランジ性とめっき性は両立され
ない。特に、高圧水の圧力がSiとVで規定される215・(S
i-1.5V)+139よりも低い100kgf/cm2の場合には、めっき
性の劣化が顕著であり、また、水圧が本発明の上限であ
る450kgf/cm2よりも高い550kgf/cm2、650kgf/cm2の場合
にはλが低い。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋼の化学成分を特定し、さらにこれに加えて製造条件を
特定することにより、自動車の構造部材用の素材等に求
められる伸び、伸びフランジ性に優れ、かつ溶融めっき
性が良い溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。本発
明に係る溶融亜鉛めっき鋼板は、主として自動車の構造
用部材に用いられるが、伸び、伸びフランジ性の良好性
が共に要求される構造部材用、プレスして用いられる構
造部材用として用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】El、λ及びめっき性に及ぼすSi、Vの影響を示
す図である。
【図2】λ、めっき性に及ぼす熱間圧延時の噴水圧とS
i、Vの影響を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 味野 圭介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 野出 俊策 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K032 AA01 AA04 AA05 AA11 AA16 AA21 AA27 AA29 AA31 AA36 BA01 CA02 CA03 CB02 CC04 CE02 CG01 CG02 CH04 CJ02 CK02 CM01 4K037 EA01 EA05 EA06 EA11 EA15 EA18 EA23 EA25 EA27 EA32 EB05 EB08 EB09 EB11 FA02 FA03 FB10 FC03 FC04 FC07 FE01 FE02 FG01 FH01 FJ05 FM02 FM04 GA05 GA07 GA08 HA04 HA05 JA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.07〜0.18、Si:0.02〜1.
    0、Mn:1.0〜2.0、P≦0.05、S≦0.003(0を含む)、
    so1.Al:0.02〜0.06、N≦0.004(0を含む)、V:0.0
    1〜0.15を含有し、残部が実質的にFeおよび不可避不純
    物からなり、SiとVとの関係式がSi-3.786≦-exp(V+1.0
    9)を満足することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に示した成分に加え、重量%
    で、さらに、Cr:0.1〜0.8を含有することを特徴とする
    溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の溶融亜鉛
    めっき鋼板の製造方法であって、熱間圧延時に鋼板表面
    に形成されるスケールを高圧水にて除去する際、215・(S
    i-1.5V)+139≦P(kgf/cm2)≦450を満足する水圧Pの高圧
    水を用いる工程を有してなることを特徴とする溶融亜鉛
    めっき鋼板の製造方法。ただし、Si及びVはそれぞれの
    重量%である。
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