JP2001192502A - 生分解性鉛筆型化粧品用合成軸およびその製造方法 - Google Patents

生分解性鉛筆型化粧品用合成軸およびその製造方法

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JP2001192502A JP2000004243A JP2000004243A JP2001192502A JP 2001192502 A JP2001192502 A JP 2001192502A JP 2000004243 A JP2000004243 A JP 2000004243A JP 2000004243 A JP2000004243 A JP 2000004243A JP 2001192502 A JP2001192502 A JP 2001192502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木軸に代わる合成軸として優れた剛性、切削
性、耐油脂浸透性等の物理的特性と、良好な使用感とを
有し、しかも廃棄後に分解し易く、低熱量で燃焼でき、
焼却時に有害物質を発生しない生分解性鉛筆型化粧品用
合成軸およびその製造方法を提供することである。 【解決手段】同一澱粉分子の反応性水酸基を短鎖アシル
基および長鎖アシル基で置換した澱粉エステルと、補強
用フィラーとからなる生分解性熱可塑性材料から成形さ
れる中空筒状の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸11。生
分解性熱可塑性材料は、生分解性熱可塑性樹脂を含んで
もよい。合成軸11の中空部に化粧料芯12を充填した
生分解性鉛筆型化粧品。キャップ14および尾栓13が
生分解性熱可塑性材料から成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、アイブロウ、アイライ
ナー、リップ、リップライナー、アイシャドウ、コンシ
ーラー等の各種化粧料芯を充填する鉛筆型化粧品用合成
軸およびその製造方法に関し、特に、生分解性鉛筆型化
粧品用合成軸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明の解決しようとする課題】化粧
品、文具等に用いる鉛筆型の軸には種々の特性が要求さ
れる。特に、剛性、切削性、耐油脂浸透性等の物理的特
性に加え、使用者が手に持ったときの持ち易さ、軽さ等
の使用感の良さのような微妙な感触が製品としての成功
に大いに影響する。
【0003】このため、鉛筆型の軸としては、適度な物
理的特性を有し、使用者に良好な感触を与える天然木
材、特に米国産インセンスシダー材を加工した木軸が広
く使用されている。
【0004】しかし、近年、森林伐採による環境破壊が
問題化し、天然木材が入手難、価格高となり、また、揮
発性がありまたその使用感が柔らかな油脂分の多いアイ
ブロウ、アイライナー、リップ、リップライナー、アイ
シャドウ、コンシーラー等の各種化粧料の需要が増大
し、木軸に化粧料が浸透してしまうという問題が生じる
ことから、木軸に代わる鉛筆型の軸として、合成樹脂製
の合成軸が使用されるようになってきた。
【0005】一般に、合成樹脂製の合成軸の切削性を良
くするためには、合成樹脂を発泡させればよいのである
が、ただ発泡させたのでは合成軸の強度が弱くなる。す
なわち、合成軸が大きく撓み、その中空部に充填した化
粧料芯を折ってしまうおそれがあることから、粉末状、
顆粒状、繊維状、またはその他の形状に適宜に粉砕加工
した有機質系または無機質系のフィラー(充填材)を混
合することが行われている。
【0006】しかし、フィラーを入れると、それだけ合
成樹脂の発泡度が低下し、切削性を低下させることとな
り、合成軸を削ったとき、削りクズが粉状になり、連続
リボン状の薄片となりにくく、削り心地がよくないだけ
でなく削りクズが化粧料芯に付着するという問題があ
る。
【0007】このため、一般的に、フィラーの配合割合
は25重量%以下に抑えられている。特に、無機質系の
フィラーを入れると、合成軸は、削るときに固い抵抗感
があって削りにくくなり、刃物を損耗させるおそれがあ
るため、専用のペンシルシャープナーが必要となるだけ
でなく、手に持ったとき、感触が冷たく重い感触を与え
るので、無機質系のフィラーの配合割合は多くても10
重量%程度に抑えられている。
【0008】このように、フィラーの配合割合は、剛
性、切削性および使用の際の感触等に関連して制限され
ており、このため、十分な物理的特性を有し、使用者に
良好な感触を与える鉛筆型の軸が未だに提供されていな
いのが現状である。
【0009】一方、このような鉛筆型の合成軸では、合
成樹脂として、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ABS
樹脂等の熱可塑性樹脂が使用されており、焼却時に有害
物質を発生するという問題があり、このような合成樹脂
の使用が制限される傾向にある。特に、塩化ビニル樹脂
製のものは、ダイオキシンの発生原因となるので、この
ような合成樹脂の使用は環境上好ましくない。
【0010】したがって、本発明の目的は、木軸に代わ
る合成軸として優れた剛性、切削性、耐油脂浸透性等の
物理的特性と、良好な使用感とを有し、しかも廃棄後に
分解し易く、低熱量で燃焼でき、焼却時に有害物質を発
生しない生分解性鉛筆型化粧品用合成軸およびその製造
方法を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、上記生分解性鉛筆型
化粧品用合成軸から構成される生分解性鉛筆型化粧品を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本出願の発明者は、鋭意
研究をかさねた結果、鉛筆型の合成軸に要求される剛
性、切削性、耐油脂浸透性等の物理的特性と、良好な使
用感とを有し、表面の汚れを防止するための塗装仕上げ
が容易にでき、しかも焼却時に有害物質を発生せず、廃
棄後に分解し易い鉛筆型化粧品の合成軸が、同一澱粉分
子の反応性水酸基(または、この反応性水酸基の水素)
を炭素数2〜4のアシル基および炭素数6〜18のアシ
ル基で置換した澱粉エステルと、補強用フィラーとを組
み合わせて配合すること、また、これに生分解性熱可塑
性樹脂をさらに組み合わせて配合すること、により達成
されることをみいだした。(以下、炭素数2〜4のアシ
ル基を短鎖アシル基、炭素数6〜18のアシル基を長鎖
アシル基という)
【0013】すなわち、上記目的を解決する本発明は、
同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を短鎖アシル基およ
び長鎖アシル基で置換した澱粉エステルと、補強用フィ
ラーとからなる生分解性熱可塑性材料を基材として成形
される中空筒状の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸であ
る。
【0014】澱粉エステルは、可塑剤を使用せずに熱可
塑化するものであり、澱粉エステルの示差熱分析による
ガラス転移点(JIS、K7121)が140℃以下を
示すことが好ましい。
【0015】このため、短鎖アシル基と長鎖アシル基の
それぞれの置換度は、短鎖アシル基の置換度が0.9〜
2.7、長鎖アシル基の置換度が0.06〜2.0、合
計アシル基の置換度が1.5〜2.95に調整される。
ここで、置換度とは、澱粉誘導体における反応性水酸基
(3個:2、3、6(または4)位)のグルコース残基
1個当たりの置換水酸基の平均値をいい、置換度=3の
とき反応性水酸基の封鎖率(置換割合)が100%とな
る。
【0016】補強用フィラーとして、粉末状、顆粒状、
繊維状、またはその他の形状に適宜に粉砕加工した、木
粉等の有機質系、またはタルク等の無機質系の材料から
選択される一種または二種以上の材料が使用される。
【0017】生分解性熱可塑性材料における澱粉エステ
ルの配合割合は50重量%〜95重量%の範囲にあり、
補強用フィラーの配合割合は5重量%〜50重量%の範
囲にある。
【0018】本発明では、上記の生分解性熱可塑性材料
は、澱粉エステル以外の生分解性熱可塑性樹脂をさらに
含んでもよく、この生分解性熱可塑性樹脂として、酢酸
セルロース等のセルロース系、またはポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸、ポリエステル等の重合物系の生分解性熱
可塑性樹脂が使用される。この生分解性熱可塑性樹脂と
上記澱粉エステルとの混和物は、可塑剤を使用せずに熱
可塑化する成形加工可能の材料である。ここで、混和と
は、二種以上の物質が均質に相互分散している状態をい
い、二種以上の物質が相互に相溶性を有する場合に混合
されて得られる状態だけでなく、相互に非相溶性であっ
ても均質分散状態も含む。上記の生分解性熱可塑性材料
における澱粉エステル以外の生分解性熱可塑性樹脂の配
合割合は40重量%以下である。
【0019】上記本発明の生分解性鉛筆型化粧品用合成
軸は、上記の生分解性熱可塑性材料を押出してペレット
を造粒し、このペレットに発泡剤を添加し、これを中空
筒状に成形して製造される。
【0020】上記生分解性鉛筆型化粧品用合成軸の中空
部に化粧料芯を充填することで生分解性鉛筆型化粧品と
することができる。
【0021】本発明の生分解性鉛筆型化粧品の先端側に
着脱可能に装着される有底筒状のキャップ、この後端側
を閉栓する尾栓を上記生分解性熱可塑性材料から成形す
ることで、全体が生分解性のものとすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、生分解性
鉛筆型化粧品である。本発明の生分解性鉛筆型化粧品
は、図1(a)および(b)に示すように、先端から後
端にわたって真っ直ぐに貫通した断面円形または楕円形
の中空部を有する中空筒状の生分解性鉛筆型化粧品用合
成軸(以下、合成軸という)11、およびこの合成軸1
1の中空部に充填したアイブロウ、アイライナー、リッ
プ、リップライナー、アイシャドウ、コンシーラー等の
各種化粧料芯12、から構成される。合成軸11の先端
側には有底筒状のキャップ14が着脱可能に装着され
る。また、合成軸11の後端には尾栓13が固定され、
中空部の後端側が閉栓される。
【0023】生分解性鉛筆型化粧品は、従来の鉛筆型化
粧品と同様、合成軸11の先端側を化粧料芯12ととも
にペンシルシャープナー、ナイフ等の既知の手段で切削
して使用する。使用後は、埃等の付着による化粧料芯1
2の汚れを防止するため、この先端部分をキャップ14
で被覆し(図1(b))、保管する。
【0024】図1に示す本発明の生分解性鉛筆型化粧品
は、澱粉エステルと、補強用フィラーとからなる生分解
性熱可塑性材料を押出してペレットを造粒し、このペレ
ットに発泡剤を添加し、これを中空筒状に押出成形して
合成軸11を成形した後、この合成軸11の中空部に化
粧料芯12を充填することによって製造される。
【0025】澱粉エステルは、コーンスターチ、ハイア
ミロースターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉等の自
然分解性を示す植物性高分子材料を原料とするものであ
り、同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を短鎖アシル基
および長鎖アシル基で置換したものである。
【0026】短鎖アシル基および長鎖アシル基のそれぞ
れの置換度は、短鎖アシル基の置換度が0.9〜2.
7、長鎖アシル基の置換度が0.06〜2.0、合計ア
シル基の置換度が1.5〜2.95に調整され、このよ
うに短鎖アシル基および長鎖アシル基のそれぞれの置換
度を調整することにより、澱粉エステルの示差熱分析に
よるガラス転移点(JIS、K7121)を140℃以
下にできる。また、可塑剤を使用せずに、澱粉エステル
を熱可塑化できる。
【0027】このような澱粉エステルとして、例えば、
特許第2939586号(権利者:本出願の共同出願人
である日本コーンスターチ株式会社)公報に記載の澱粉
エステルが使用できる。
【0028】澱粉エステルとして、好適に、本出願の共
同出願人である日本コーンスターチ社より入手可能のコ
ーンポール(商品名)が使用される。このコーンポール
(商品名)は、コーンスターチを原料としたものであ
り、その生分解度(%)は、CEN−TC261/SC
5/WG2テスト法(ISO−14855)によると、
160日程度(約5カ月)で100%である。すなわ
ち、約5カ月で完全に自然分解するものである。
【0029】補強用フィラーとして、粉末状、顆粒状、
繊維状、またはその他の形状に適宜に粉砕加工した有機
質系または無機質系の材料から選択される一種または二
種以上の材料が使用される。有機質系の材料として、コ
ーンスターチ等の澱粉、澱粉誘導体、セルロース、セル
ロース誘導体、木粉、パルプ等が使用できる。また、無
機質系の材料として、シリカ、マイカ、タルク、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、マグネシウム塩類等が使用でき
る。ここで、補強用フィラーとしては、150μm以下
に粉砕したものが、より滑らかに切削できるので望まし
い。
【0030】生分解性熱可塑性材料における澱粉エステ
ルおよび補強用フィラーの配合割合は、それぞれ、澱粉
エステルが50重量%〜95重量%、補強用フィラーが
5重量%〜50重量%の範囲にある。
【0031】また、上記の生分解性熱可塑性材料は、上
記澱粉エステル以外の生分解性熱可塑性樹脂を含んでも
よく、この生分解性熱可塑性樹脂として、酢酸セルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルセ
ルロース等のセルロース系の生分解性熱可塑性樹脂が使
用できる。また、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ
乳酸(PLA)、ポリアジペート、ポリヒドロキシブチ
レートバレエート(PHBV)等の生分解性ポリエステ
ルまたはポリアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド等のポリアルキレンオキシド、およびポ
リビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体等の
ビニル重合体等の重合物系の生分解性熱可塑性樹脂が使
用できる。この生分解性熱可塑性樹脂と上記澱粉エステ
ルとの混和物は、可塑剤を使用せずに熱可塑化する成形
加工可能な材料である。
【0032】この澱粉エステル以外の生分解性熱可塑性
樹脂の上記生分解性熱可塑性材料に対する配合割合は、
40重量%以下である。
【0033】図1に示す生分解性鉛筆型化粧品のキャッ
プ14および尾栓13も、上記合成軸11と同様に、上
記生分解性熱可塑性材料から押出または射出成形するこ
とにより製造されてもよい。
【0034】
【実施例】本発明に従って、生分解性鉛筆型化粧品用合
成軸(実施例1〜3)を製造した。合成軸の形状は断面
円形の筒形であり、その中空部も断面円形である。軸サ
イズは下記の表1に示すとおりである。
【0035】
【表1】
【0036】<実施例1> 実施例1の合成軸は、ま
ず、短鎖アシル基(炭素数2、置換度=1.1)と長鎖
アシル基(炭素数8、置換度=0.8)で置換された澱
粉エステル(70重量%)と、生分解性熱可塑性樹脂
(6重量%)とを混和し、この混和物に補強用フィラー
(23.5重量%)を約140°〜190°の温度下で
分散混合して生分解性熱可塑性材料を製造し、この生分
解性熱可塑性材料を押出し、熱カットしてペレットを造
粒し、次に、このペレットにアゾジカルボンアミドを主
成分とする発泡剤(0.5重量%)を添加し、撹拌機で
十分に撹拌混合した後、これを40mm単軸押出機でパ
イプダイスを用いて成形温度約140°〜170°で中
空筒状に押出成形して製造した。実施例1の合成軸の製
造に使用した材料を下記の表2に示す。
【表2】
【0037】<実施例2> 実施例2の合成軸は、上記
実施例1の合成軸と同様に、まず、澱粉エステル(70
重量%)と、生分解性熱可塑性樹脂としてポリカプロラ
クトン(PCL)(6重量%)とを混和し、この混和物
に補強用フィラー(23.5重量%)を約140°〜1
90°の温度下で分散混合して生分解性熱可塑性材料を
製造し、この生分解性熱可塑性材料を押出し、熱カット
してペレットを造粒し、次に、このペレットにアゾジカ
ルボンアミドを主成分とする発泡剤(0.5重量%)を
添加し、撹拌機で十分に撹拌混合した後、これを40m
m単軸押出機でパイプダイスを用いて成形温度約140
°〜170°で中空筒状に押出成形して製造した。実施
例2の合成軸の製造に使用した材料を下記の表3に示
す。
【表3】
【0038】<実施例3> 実施例3の合成軸は、ま
ず、澱粉エステル(70重量%)に補強用フィラー(2
9.5重量%)を約140°〜190°の温度下で分散
混合して生分解性熱可塑性材料を製造し、この生分解性
熱可塑性材料を押出し、熱カットしてペレットを造粒
し、次に、このペレットにアゾジカルボンアミドを主成
分とする発泡剤(0.5重量%)を添加し、撹拌機で十
分に撹拌混合した後、これを40mm単軸押出機でパイ
プダイスを用いて成形温度約140°〜170°で中空
筒状に押出成形して製造した。実施例3の合成軸の製造
に使用した材料を下記の表4に示す。
【表4】
【0039】[比較試験1] 上記実施例1〜3の合成
軸と同サイズ(上記の表1を参照)の合成軸(比較例1
および3)および木軸(比較例2)を製造し、上記実施
例1〜3の合成軸とその物理的特性について比較試験を
行った。
【0040】<比較例1> 比較例1の合成軸は、下記
の表5に示す材料を使用し、上記実施例1、2と同様の
方法で製造した。
【表5】
【0041】<比較例2> 比較例2の木軸は、天然木
材(米国産インセンスシダー材)を使用して製造した。
【0042】<比較例3> 比較例3の合成軸は、熱可
塑性合成樹脂(ABS樹脂)(79.5重量%)と補強
用フィラー(20重量%)(木粉(15重量%)とタル
ク(5重量%)との混合フィラー)との混合物を押出し
てペレットを造粒し、このペレットに発泡剤(アゾジカ
ルボン酸)(0.5重量%)を添加し、撹拌機で十分に
混合した後、これを上記実施例1、2と同様に40mm
単軸押出機でパイプダイスを用いて中空筒状に押出成形
して製造した。
【0043】<比較試験結果> 実施例1〜3および比
較例1〜3の物理的特性を下記の表6に示す。
【0044】なお、折れ強度および撓みは、軸を60m
m間隔の2点で水平に支持し、これら2点間の中心に2
0cm/分で上方から順次荷重をかけ、軸が折れたとき
の荷重を折れ強度とし、軸が折れる直前の撓み量を計測
した。切削トルクは、ペンシルシャープナーに軸を差し
込み、軸を回転させて切削を行うのに必要なトルク(K
g)の測定値である。切削性は、ペンシルシャープナー
に軸を差し込み、手で軸を回転させたときの感触につい
て、滑らかに切削できれば「良好」、引っかかりが感じ
られたときは「やや硬い」とした。軸表面については、
切削後の軸表面が滑らかであれば「平滑」、滑らかでな
いときは「不良」、表面が毛羽立っているときは「毛羽
立ち」とした。
【0045】
【表6】
【0046】上記の表6に示すように、剛性および切削
性について、実施例1〜3の合成軸は、比較例1の合成
軸よりも著しく優れており、比較例2の木軸および比較
例3の合成軸と同程度の剛性があった。また、実施例1
〜3の合成軸は、切削クズが粉状とならず、連続リボン
状の薄片に切削でき、削り心地が良好であり、比較例1
〜3よりも良好な使用感があった。
【0047】切削後の軸表面の状態について、実施例1
〜3の合成軸は、比較例2の木軸よりも平滑であり、ま
た、塗装性については、下地塗装処理が不要であり、比
較例1〜3の半分の塗装回数で塗装できた。
【0048】また、実施例1〜3の合成軸は、軸表面に
製品名等を刻印するためのホットスタンプについても良
好に行えた。
【0049】さらに、実施例1および3の合成軸は、上
記の表2および4に示すように、無機質系のフィラーを
20重量%以上も使用しているにもかかわらず、手に持
ったとき、冷たく重い感触をまったく与えなかった。
【0050】[比較試験2] また、実施例1と比較例
2(木軸)との耐油脂浸透性について調べた。その結果
を下記の表7に示す。
【0051】耐油脂浸透性については、人工汗、塩水等
の各種油脂溶液に軸を完全に浸漬させ、25℃と50℃
の恒温漕に一週間放置し、軸の重量を測定して行われ、
軸の重量の増加率(%)を下記の表7に示した。
【0052】下記の表7に示すように、実施例1の生分
解性化粧品用合成軸は、比較例2の木軸よりも耐油脂浸
透性に著しく優れている。
【0053】
【表7】
【0054】[比較試験3]実施例1〜3の合成軸のそ
れぞれの燃焼熱量を計測したところ約4500Kcal
/Kgであった。これは、木材の燃焼熱量とほぼ同程度
であり、ポリオレフィンの燃焼熱量(約10000Kc
al/Kg)の半分以下である。また、実施例1〜3の
合成軸の燃焼時に、有害物質の発生は認められなかっ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸
が以上のように構成されるので、以下のような効果を奏
する。
【0056】本発明の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸
は、優れた剛性、切削性、耐油脂浸透性等の物理的特性
を有するとともに良好な使用感を有するので、木軸に代
わる鉛筆型の軸として使用できる。
【0057】また、本発明の生分解性鉛筆型化粧品用合
成軸では、その成形に使用する生分解性熱可塑性材料
が、ポリエチレン、塩化ビニル等のような熱可塑性材料
を全く含まないので、廃棄後に分解され易く、また、回
収焼却の際の燃焼熱量を低くでき、その際に有害物質を
発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生分解性鉛筆型化粧品の断面
図であり、図1(a)は、キャップを外した状態を示
し、図1(b)は、キャップで合成軸の先端部分を被覆
した状態を示す。
【図2】図2は、実施例1の生分解性熱可塑性材料のI
SO−14855による生分解度を示す。
【符号の説明】
11・・・合成軸 12・・・化粧料芯 13・・・尾栓 14・・・キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細江 伊佐男 岐阜県中津川市桃山町3番20号 株式会社 トキワ内 (72)発明者 島 清男 岐阜県中津川市桃山町3番20号 株式会社 トキワ内 (72)発明者 三枝 正志 岐阜県中津川市桃山町3番20号 株式会社 トキワ内 (72)発明者 田中 秀行 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目20番19号 日本コーンスターチ株式会社内 (72)発明者 宮地 信男 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目20番19号 日本コーンスターチ株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA73 AB18 AB21 AB26 AE01 AE17 AH19 BA01 BB06 BC05 4J002 AB01X AB01Y AB02X AB04W AB04X AB04Y AH00X AH00Y BB06X BE02X CF00X CF19X CH02X CL00X DE136 DE236 DJ016 DJ056 GB00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を短鎖
    アシル基および長鎖アシル基で置換した澱粉エステル
    と、補強用フィラーとからなる生分解性熱可塑性材料を
    基材として成形される、中空筒状の生分解性鉛筆型化粧
    品用合成軸。
  2. 【請求項2】前記生分解性熱可塑性材料が、前記澱粉エ
    ステル以外の生分解性熱可塑性樹脂を含む、請求項1の
    生分解性鉛筆型化粧品用合成軸。
  3. 【請求項3】前記補強用フィラーとして、澱粉、澱粉誘
    導体、セルロース、セルロース誘導体、木粉、パルプ、
    シリカ、マイカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウ
    ム、マグネシウム塩類、から選択される一種または二種
    以上の材料が使用される、請求項1の生分解性鉛筆型化
    粧品用合成軸。
  4. 【請求項4】前記澱粉エステル以外の生分解性熱可塑性
    樹脂として、セルロース系または重合物系の生分解性熱
    可塑性樹脂が使用される、請求項2の生分解性鉛筆型化
    粧品用合成軸。
  5. 【請求項5】前記生分解性熱可塑性材料における前記澱
    粉エステルの配合割合が50重量%〜95重量%、前記
    補強用フィラーの配合割合が5重量%〜50重量%の範
    囲にある、請求項1の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸。
  6. 【請求項6】前記生分解性熱可塑性材料における前記澱
    粉エステル以外の生分解性熱可塑性樹脂の配合割合が4
    0重量%以下の範囲にある、請求項2の生分解性鉛筆型
    化粧品用合成軸。
  7. 【請求項7】同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を短鎖
    アシル基および長鎖アシル基で置換した澱粉エステル
    と、補強用フィラーとからなる生分解性熱可塑性材料を
    押出してペレットを造粒し、このペレットに発泡剤を添
    加し、これを中空筒状に成形する、生分解性鉛筆型化粧
    品用合成軸の製造方法。
  8. 【請求項8】前記生分解性熱可塑性材料が、前記澱粉エ
    ステル以外の生分解性熱可塑性樹脂を含む、請求項7の
    製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1または2の生分解性鉛筆型化粧品
    用合成軸と、この生分解性鉛筆型化粧品用合成軸の中空
    部に充填した化粧料芯とから成る生分解性鉛筆型化粧
    品。
  10. 【請求項10】前記生分解性鉛筆型化粧品用合成軸の先
    端側に着脱可能に装着される有底筒状のキャップと、前
    記生分解性鉛筆型化粧品用合成軸の後端側の中空部を閉
    栓する尾栓とからさらに成り、これらキャップおよび尾
    栓が、請求項1または2の生分解性熱可塑性材料から成
    形される、請求項9の生分解性鉛筆型化粧品。
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