JP2001192220A - 連続板硝子の安定製法 - Google Patents

連続板硝子の安定製法

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JP2001192220A
JP2001192220A JP2000001089A JP2000001089A JP2001192220A JP 2001192220 A JP2001192220 A JP 2001192220A JP 2000001089 A JP2000001089 A JP 2000001089A JP 2000001089 A JP2000001089 A JP 2000001089A JP 2001192220 A JP2001192220 A JP 2001192220A
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glass ribbon
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Gen Kojima
弦 小島
Kenji Oda
健嗣 織田
Toru Shimoyama
徹 下山
Hisashi Funakoshi
久 舟越
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Asahi Glass Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • C03B17/061Forming glass sheets by lateral drawing or extrusion
    • C03B17/062Forming glass sheets by lateral drawing or extrusion combined with flowing onto a solid or gaseous support from which the sheet is drawn
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/14Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands
    • C03B35/22Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands on a fluid support bed, e.g. on molten metal
    • C03B35/24Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands on a fluid support bed, e.g. on molten metal on a gas support bed
    • C03B35/246Transporting continuous glass ribbons

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均質性、均厚性、表面平滑性等の高品質な板硝
子を安定して得ることができる。 【解決手段】硝子リボンGLの蒸気膜の薄層18の反対
側面を熱伝導性の低い気体に接触させることにより、該
気体と蒸気膜の薄層18とで硝子リボンGLに対して断
熱的な環境を形成し、この状態で所定の式に基づいて算
出される量以上の水量を支持体12が保持可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続板硝子の安定製
法に係り、溶融硝子を連続的に安定して板状に成形する
ための連続板硝子の安定製法に関する。
【0002】
【従来の技術】板硝子の製法としては、引き上げ法、ダ
ウンドロー法、ロールアウト法、フュージョン法、スズ
フロート法等が知られているが、現在最も普及している
板硝子の成形方法はスズフロート法である。この方法
は、溶解窯の中で所定原料を溶解した溶融硝子を、還元
性雰囲気下に溶融した金属スズ浴上に導入し、機械的な
外力を用いて縦横方向に延展、移動せしめ、ガラス転移
点温度付近まで徐々に冷却して平滑な表面を有する平面
状の硝子板を成形するもので、それまでの引き上げ法等
に比べ、製品の平滑度が格段に向上するため、磨き工程
を不要とした。
【0003】しかし、スズフロート法は、スズ資源の枯
渇が懸念されること、金属スズを酸化させないために水
素ガスを用いて還元性の雰囲気に保つ必要があること、
スズと接触した面から硝子内部にスズが浸透し製品の品
質に悪影響を及ぼすこと、地震等の揺れに弱くまた地震
後の生産回復に時間がかかること、硝子の加熱保温に大
量のエネルギーを費やすこと等の問題がある。
【0004】また、ロールアウト法やスズフロート法に
よる板硝子の成形は、高温の溶融硝子が熱伝導性の高い
基材(金属ロール)や媒体(スズ)と接触するため、溶
融硝子との間の熱流束が大きく、溶融硝子は基材や媒体
の温度の影響を大きく受ける。従って、基材や媒体の温
度制御が非常に重要であり、また困難を伴うという問題
を有している。
【0005】更に、ロールアウト法では金属ロールとの
接触により硝子面が急激に冷却されるために、成形され
た板硝子面にロールとの接触跡、皺や凸凹状態が残るこ
とが避けがたく、製品の品質が悪くなる。一方、スズフ
ロート法では、冷却中における硝子表面や内部の温度分
布が発生しないようにスズ浴の温度を硝子の温度に近づ
けて徐々に冷却する緩慢冷却を行なわざるを得ず、成形
時間が長くかかるので、生産効率の点で問題がある。
【0006】また、引き上げ法、ダウンドロー法、フュ
ージョン法は、溶融硝子の両面が硝子よりも熱伝導性の
小さな媒体である空気に接触されるが、垂直方向の成形
のために重力に起因する溶融硝子への張力の制御が困難
で、何れの方法の場合にも最上部に最も大きな応力が働
き、板硝子の肉厚の制御が困難となり、それを軽減する
ための媒体の温度制御が煩雑になるという問題がある。
【0007】また、別の製法として、支持体表面の細孔
から空気等の気体を供給し、その上に溶融硝子を延展し
て硝子板の成形を行なう提案(特公昭50─36445
号公報)があるが、このように気体を直接連続的に供給
し、溶融又は流動性のある高温の硝子を安定に保持する
のは至難の技である。
【0008】このように、従来の板硝子の製法は、それ
らの各製法によって、使用する基材や媒体の問題、板硝
子の均質性、均厚性、表面平滑性等の品質的な問題、成
形時の温度制御、成形時間等の生産的な問題等を有して
おり、いずれの製法も満足できるものではなかった。
【0009】このような背景から、本出願人は、溶融硝
子を蒸気膜形成剤を気化した蒸気膜の薄層を用いて板状
に成形する板硝子の成形方法に関する基本技術を提案し
た(特開平9─295819号公報)。この板硝子の製
法によれば、省資源、省エネルギー化、板硝子の高品質
化、設備及び運転コストの低減、ジョブチェンジの容易
化、小規模生産から大規模生産までの多様な対応等の効
果を奏することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶融硝
子を蒸気膜の薄層を用いて板状に成形する板硝子の製法
は、従来の発想の枠を越えた斬新な成形方法であり、成
形の際の最適な条件を検討することにより、品質及びプ
ロセス上の改良を図る必要がある。特に、均質性、均厚
性、表面平滑性等における高い品質の板硝子を成形する
ためには、プロセスにおいて蒸気膜の薄層を安定して形
成することが極めて重要である。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、板硝子を形成する際に、蒸気膜の薄層を安定
して形成することができるので、均質性、均厚性、表面
平滑性等の品質面において高品質な板硝子を連続して得
ることのできる板硝子の成形方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、支持体上に供給された溶融状態の硝子リボ
ンを板硝子に連続的に成形する製法であって、液体を内
部に包含しうる材質または構造からなる前記支持体中
に、少なくとも常温付近では気体ではなく、該硝子のガ
ラス転移点以上で気体である蒸気膜形成剤を液体状態で
導入する工程と、該支持体とガラス転移点以上の温度に
ある硝子とを、前記蒸気膜形成剤を気化した蒸気膜の薄
層を介して互いに摺動させる工程と、を含む板硝子の製
法において、前記硝子リボンに接する直前の前記支持体
の前記硝子リボンと接する面の単位面積当たりに保持す
べき前記蒸気膜形成剤の保持量W(g/cm2 )を、次
式、W=0.5Q・t/540〔但し、Qは前記硝子リ
ボンの単位面積・単位時間当たりの放熱量(cal /cm2
・秒)、tは前記硝子リボンが前記支持体に面している
時間(秒)〕で表される保持量W以上としたことを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明の
好ましい実施の形態について詳説する。
【0014】図1は、本発明を実施するための板硝子の
成形装置の構成を模式的に示した側面図である。
【0015】板硝子の成形装置10は、主として、蒸気
膜形成剤を内部に包含可能に形成された支持体12、1
2…と、蒸気膜形成剤を支持体12に給液する給液装置
16と、支持体12と硝子リボンGLとを蒸気膜形成剤
を気化した蒸気膜の薄層18を介して相対的に摺動させ
るベルトコンベア20と、硝子リボンGLに張力を付与
する張力付与装置22とで構成される。また、成形装置
10の前段側には、硝子原料を溶解した硝子メルトGを
支持体12上に供給する硝子溶解炉14が配設され、硝
子メルトGは成形装置10に供給された後、支持体12
上で硝子リボンGLとして成形される。
【0016】硝子溶解炉14は、板硝子となる所定原料
を溶解するとともに溶解温度を制御して成形に好適な粘
度範囲と温度範囲の硝子メルトGを調製する。硝子メル
トGの粘度は温度に支配されるので、粘度は温度の管理
をすることにより同時に管理される。板硝子を成形する
場合、溶解は硝子組成によるが、通常、1000〜16
00°C程度の温度範囲で硝子の泡欠点、組成のバラツ
キ、その他の欠点が解消されるよう充分な時間をかけて
行なわれる。
【0017】硝子溶解炉14により温度及び粘度の調整
された硝子メルトGは、硝子溶解炉14の出口孔14A
からリボン状の流れとなって支持体12上に供給され
る。硝子溶解炉14からの硝子メルトGの供給は、その
粘度や温度において過度の分布が生じない状態で供給可
能であれば、如何なる方式で供給されてもよい。即ち、
オレフィス、リップ、スリットから支持体12上に直接
供給してもよく、また、過度の冷却を防止できるのであ
ればロール等(図示せず)による予備成形を行なっても
よい。
【0018】支持体12は、単位ユニットを連続させた
ものや所定長の単位ユニットを組み合わせたものでもよ
く、更にはベルト状に加工したもの、単位ロールを連続
的に配列させたもの等を使用することができるが、本実
施の形態では、複数の支持体12、12…がベルトコン
ベア20の無端状ベルト20Aの表面に一定の間隔をあ
けて配列固定して構成された例で説明する。このように
支持体12同士を間隔を開けて配列することにより、支
持体12同士の間には硝子リボンGLの移動方向とは平
行でない溝12Bが形成される。この溝は12Bは、支
持体12と蒸気膜の薄層18との界面から余分な蒸気を
効率的に逃がすために有効である。
【0019】支持体12を移動させる無端状ベルト20
Aは、駆動ロール20C及び従動ロール20Dから成る
一対のロールの間に張設され、正逆回転可能な駆動ロー
ル20Cの回転によって駆動される。これにより、無端
状ベルト20Aは、正方向(図1の実線矢印26)又は
逆方向(図1の破線矢印28)の周回移動を行なうこと
ができる。更に、無端状ベルト20Aの移動速度は、支
持体12上の硝子リボンGLの移動速度と異なるように
設定される。これにより、支持体12と硝子リボンGL
とは蒸気膜の薄層18を介して相対的に摺動運動する。
また、ベルトコンベア20には、無端状ベルト20Aの
上側移動経路をガイドするガイド板21が設けられ、無
端状ベルト20Aの上面の移動はこのガイド板にガイド
されて安定して移動する。
【0020】また、支持体12は、液体を内部に包含し
うる材質又は液体を内部に包含しうる構造であることが
必要であり、例えば多孔質体や繊維質体のものが使用さ
れる。多孔質体の場合には、連通孔であることが好まし
い。また、多孔質体の表面は、好ましくは5mm以下、
より好ましくは1mm以下、更に好ましくは100μm
以下の孔径の微細な孔を有している。また、蒸気膜形成
剤と親和性の高い材質であることが好ましい。
【0021】支持体12の基本となる材料としては、多
孔質親水性カーボンが特に好適であるが、その他の例え
ば、セルロース、紙、木、竹等の天然物由来の高分子材
料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等の合成高分子
系材料、炭素系材料等が好適に使用できる。また、鉄、
ステンレス鋼、白金等の金属材料、酸化アルミニウム、
酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の金属酸
化物、金属炭化物、金属窒化物を主成分とするセラミッ
クス材料等も使用できる。なお、支持体12の成形面
は、微細な孔や繊維状の凸凹以外は非常に平滑であって
もよく、逆に一定の凸凹があってもよい。
【0022】支持体12には、給液装置16から蒸気膜
形成剤が供給され、この蒸気膜形成剤を硝子リボンGL
の高熱で瞬間的に気化させることにより、配列された複
数の支持体12、12…と硝子リボンGLの間に蒸気膜
の薄層18を形成する。蒸気膜形成剤としては、常温に
おいて液体で、且つガラス転移点以上では気体である有
機物、無機物の各種の物質を使用することができる。ま
た、支持体12への供給の操作性の点から、融点が40
°C以下で、大気圧下における沸点が50〜500°
C、更に好ましくは300°C以下のものがよい。更
に、蒸気膜形成剤が気化した蒸気が硝子に悪影響を与え
ない程に化学的に反応せず、毒性が低く、使用される温
度で不燃性であることが好ましく、代表的なものとして
水を使用することができる。このように、蒸気膜形成剤
としては、硝子リボンGLの高熱によって瞬間的に気化
し、安定な蒸気膜を形成することのできる液体を適切に
選択することが必要である。高熱で瞬間的に気化するこ
とにより形成された蒸気膜の薄層18の熱伝導性は、液
体や固体の熱伝導性に比べて著しく小さいため、硝子リ
ボンGLに対して断熱的な環境を形成することができ
る。
【0023】蒸気膜形成剤を支持体12に供給する給液
装置16は、主として、ベルトコンベア20の下方に設
けられた浴槽30で構成され、無端状ベルト20Aが周
回移動して一対のロール20C、20D間の下側にきた
ときに、無端状ベルト20Aに支持された支持体12が
浴槽30内の液体中を潜るように形成される。これによ
り、給液装置16から支持体12に蒸気膜形成剤が供給
される。尚、給液装置16としては、浴槽式のものに限
定されるものではなく、例えば、支持体12に蒸気膜形
成剤を噴霧する方式のものでもよく、或いは浴槽内の蒸
気膜形成剤を湿潤ロール(図示せず)に一旦含ませてか
ら湿潤ロールを支持体12に接触させて給液する方式の
ものでもよい。
【0024】張力付与装置22は、一対のピンチローラ
で構成され、ベルトコンベア20の終端部側(駆動ロー
ル20C側)で硝子リボンGLを引っ張る方向に挟持回
転することにより、硝子リボンGLを延伸させるための
張力を付与する。ピンチローラは、ピンチローラ22A
とピンチローラ22Bとで構成され、ピンチローラ22
A、22Bの回転数を可変できるようになっている。こ
れにより、硝子リボンGLに付与する張力を可変するこ
とにより、成形される板硝子の板厚、品質の調整を制御
すると共に、蒸気膜の薄層18に接触している硝子リボ
ンGLの接触時間等を可変して冷却時間等の制御を行な
う。
【0025】上記の如く構成された板硝子の成形装置1
0を使用して、本発明の連続板硝子の安定製法について
説明する。蒸気膜形成材として水の例で説明する。
【0026】硝子溶解炉14から硝子メルトGがリボン
状となって支持体12上に供給されると、支持体12に
保持された水は、硝子リボンGLの高熱により瞬間的に
気化する。これにより、硝子リボンGLと支持体12の
界面で水蒸気が連続的に発生し、硝子リボンGLと支持
体12との間には蒸気膜の薄層18が形成される。一
方、硝子リボンGLの上側には大気が存在する。これに
より、硝子リボンGLは蒸気膜の薄層18と空気とに挟
まれて断熱的環境が形成される。ここで、断熱的環境と
は、硝子リボンGLが硝子より顕著に熱伝導性の低い媒
体(蒸気膜の薄層、気体)に覆われ、また硝子リボンG
Lの冷却が妨げられる程には当該媒体を通して加熱を受
けない環境を言い、板硝子の成形過程における硝子リボ
ンGLの厚み方向及び硝子リボンGL面に平行な方向の
温度分布を小さくできるという利点がある。そして、硝
子溶解炉14から蒸気膜の薄層18上に連続的に供給さ
れた硝子リボンGLは、蒸気膜の薄層18上に保持され
て流延すると共に、張力付与装置22による引っ張り張
力により、蒸気膜の薄層18上を硝子溶解炉14の下流
側から徐冷装置(図示せず)に向かって移動しながら板
状の硝子に成形される。
【0027】かかる硝子リボンGLの成形において重要
なことは、蒸気膜の薄層18を常に安定的に形成するこ
とである。即ち、支持体12に含有される水は、硝子リ
ボンGLが支持体12に接触する直前に硝子リボンGL
からの高熱を受けて自発的な気化を開始し、蒸気膜の薄
層18上を硝子リボンGLが移動する間中も硝子リボン
GLの高熱により引き続き気化する。従って、水を含有
する支持体12は、硝子リボンGLに面している間に水
が支持体12から気化するので、それを賄えるだけの水
保持量であることが必要となる。支持体12の水保持量
は、支持体12に面している硝子リボンGLの温度、量
並びに硝子リボンGLと支持体12との相対的な移動速
度によって左右されるが、一般的には硝子リボンGLか
ら支持体12への放熱を受けて水が気化するので、その
熱量に対応した量以上の水を保持していることが必要で
あり、その量は、また、硝子リボンGLと支持体12と
が互いに相面している時間、硝子リボンGLの温度、硝
子リボンGLの量、移動速度等によって左右される。こ
れらを勘案すると、硝子リボンGLの熱で液体が気化す
る直前において、支持体12の硝子リボンGLと接する
面の単位面積当たりに保持すべき水の保持量W(g/c
2 )は、次式(1)で表される保持量W以上であるこ
とが望ましい。
【0028】
【数1】 W=0.5Q・t/540…(1) 但し、Q:硝子リボンの単位面積・単位時間当たりの放
熱量(cal /cm2・秒) t:硝子リボンが支持体に面している時間(秒) 支持体12の保持量Wの数値例としては、硝子メルトG
を240kg/hrで厚み3mmに15秒間で成形し、
その間の硝子リボンGLの温度が1100°Cから70
0°Cまで冷却した場合、蒸気膜形成剤を水とすると、
Q=6(cal /cm2 ・秒)、t=15(秒)で、W=
0.5・6・15/540=0.08(g/cm2 )と
なる。また、別の数値例として、硝子メルトGを180
kg/hrで厚み1mmに10秒間で成形し、その間の
硝子リボンGLの温度が1100°Cから700°Cま
で冷却した場合、蒸気膜形成剤を水とすると、Q=3
(cal/cm2 ・秒)、t=10(秒)で、W=0.5・
3・10/540=0.03(g/cm2 )となる。
【0029】従って、支持体12が保持可能な水の保持
量Wが、(1)式から算出される水量よりも少ない場合
には、硝子リボンGLが支持体12に面している間に支
持体12中の水が全部気化してしまい支持体12が乾燥
する恐れがある。支持体12が乾燥すると、蒸気膜の薄
層18が形成されないので、硝子リボンGLが支持体1
2と直接接触する恐れがある。この結果、硝子リボンG
Lの冷却が加速したりして硝子リボンGLの冷却速度の
適正な温度制御が困難になるばかりでなく、硝子リボン
GL表面に支持体12との接触による傷が発生し易くな
る。これにより、安定した板硝子の成形が行い難くなる
ので、均質性、均厚性、表面平滑性等の品質面において
高品質な板硝子を得ることができない。
【0030】このことから、蒸気膜の薄層18を常に安
定的に形成するに十分な水を保持可能な支持体12の特
質や厚み等の条件を設定することが必要であるが、本発
明では、支持板12に保持すべき保持量Wを上記式
(1)により容易且つ正確に把握できるので、支持体1
2の材質や構造、厚み等の条件を適切に設定することが
できる。
【0031】尚、蒸気膜形成剤としては種々の液体を使
用可能であるが、利便性の点から水が好適に用い得る。
更に、水を使用することでプロセス環境の良化や成形コ
ストの低減に寄与することができる。
【0032】また、蒸気膜の薄層18を常に安定的に形
成することができれば、支持体12に蒸気膜形成剤を導
入するタイミングは特に限定するものではないが、好ま
しくは支持体12が硝子リボンGLに面していない時が
よい。この方が、蒸気膜形成剤を支持体12に十分に導
入させるための時間を確保することができると共に、給
液装置16も簡単な構造にし易い利点がある。
【0033】また、本発明は、蒸気膜の薄層の厚み、冷
却速度、支持体12と硝子リボンGLとの相対的な摺動
等の成形要因が、有機的に関連しあって高品質な板硝子
を製法するものであり、これらの成形要因の制御をコン
ピュータ制御によることが望ましい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
板硝子の成形に際して、蒸気膜の薄層を安定的に形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための板硝子の成形装置を模
式的に説明する側面図
【符号の説明】
10…板硝子の成形装置、12…支持体、14…硝子溶
解炉、16…給液装置、18…蒸気膜の薄層、20…ベ
ルトコンベア、22…張力付与装置
フロントページの続き (72)発明者 下山 徹 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 舟越 久 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1番地 旭硝子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に供給された溶融状態の硝子リボ
    ンを板硝子に連続的に成形する製法であって、液体を内
    部に包含しうる材質または構造からなる前記支持体中
    に、少なくとも常温付近では気体ではなく、該硝子のガ
    ラス転移点以上で気体である蒸気膜形成剤を液体状態で
    導入する工程と、該支持体とガラス転移点以上の温度に
    ある硝子とを、前記蒸気膜形成剤を気化した蒸気膜の薄
    層を介して互いに摺動させる工程と、を含む板硝子の製
    法において、 前記硝子リボンに接する直前の前記支持体の前記硝子リ
    ボンと接する面の単位面積当たりに保持すべき前記蒸気
    膜形成剤の保持量W(g/cm2 )を、次式、 W=0.5Q・t/540〔但し、Qは前記硝子リボン
    の単位面積・単位時間当たりの放熱量(cal /cm2
    秒)、tは前記硝子リボンが前記支持体に面している時
    間(秒)〕で表される保持量W以上としたことを特徴と
    する連続板硝子の安定製法。
  2. 【請求項2】前記蒸気膜形成剤が水であることを特徴と
    する請求項1の連続板硝子の安定製法。
  3. 【請求項3】前記蒸気膜形成剤は、前記支持体が前記硝
    子リボンに面していない時に前記支持体に導入されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2の連続板硝子の安定製
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160065170A (ko) * 2013-10-09 2016-06-08 코닝 인코포레이티드 얇은 유리 제품을 형성하기 위한 장치 및 방법

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