JP2001192036A - 容器、および文字・図形の形成方法 - Google Patents

容器、および文字・図形の形成方法

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JP2001192036A
JP2001192036A JP2000186716A JP2000186716A JP2001192036A JP 2001192036 A JP2001192036 A JP 2001192036A JP 2000186716 A JP2000186716 A JP 2000186716A JP 2000186716 A JP2000186716 A JP 2000186716A JP 2001192036 A JP2001192036 A JP 2001192036A
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container
scale
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laser beam
weight
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JP2000186716A
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Hiroyasu Kato
啓育 加藤
Toru Okino
徹 沖野
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤または界面活性剤が含まれた液体を
入れる容器であって、消失するおそれがなく、液体が注
がれた状態でも視認性が良好な目盛り等の文字・図形が
形成された容器およびその文字・図形の形成方法を得
る。 【解決手段】 0.05重量%〜3重量%の範囲内の充
填剤を含むオレフィン系樹脂からなる容器1の外面また
は内面に、CO2ガスレーザー光またはYAGレーザー
光を照射して目盛り3等の文字・図形を形成する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器、および文字
・図形の形成方法に関するものであり、特に有機溶剤や
界面活性剤を入れる容器であって、その外面または内面
に消去されない文字・図形が形成された容器、および前
記容器への文字・図形の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、医薬品のシ
ロップ剤等を収容する保存容器や、これらの液体を計量
する計量容器等の容器は、取り扱いの容易さ、軽量化お
よび液体の視認のし易さ等の観点から、透明樹脂製のも
のが多く用いられるようになっている。前記の保存容器
には、内容物である液体の残量を知るための目安となる
目盛りが設けられる場合があり、また計量容器には、液
体を計量する目安となる計量線が設けられる場合があ
る。従来は、これらの目盛りや計量線等は、容器自体に
印刷を施すか、あるいは容器を成形する際に凸状のレリ
ーフを設けることによって形成するのが一般的であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、目盛りや計量
線等が印刷された容器を用いて有機溶剤や界面活性剤を
含有する液体を取り扱った場合には、これらの有機溶剤
や界面活性剤によって目盛りや計量線等が消失してしま
うおそれがあった。また、印刷により形成された目盛り
や計量線等は、取り扱う者の手に触れたりして磨耗し、
ついには消失してしまうおそれもあった。
【0004】また、レリーフ状に形成された目盛りや計
量線等は、透明な容器に液体が注がれた際に、レリーフ
の光の屈折率とレリーフの周辺部分の光の屈折率との差
が小さく、視認しにくくなるおそれがあった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、消失するおそれがなく、また液体が注がれた
場合でも見えにくくならない目盛りや計量線を含む文字
・図形のが形成された容器およびその文字・図形の形成
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明は、有機溶剤または界面活性剤が含まれた液
体を入れる容器であって、0.05重量%〜3重量%の
範囲内の充填剤を含むオレフィン系樹脂からなり、かつ
この容器の外面または内面にレーザー光照射により文字
・図形が形成された容器を提供する。
【0007】本発明の前記容器にあっては、文字・図形
がレーザー光の照射により容器に炭化、発泡化あるいは
蒸発などの組織的変化を起こして形成されているので、
有機溶剤または界面活性剤を含む液体と接触しても消失
するおそれがなく、また液体が注がれた場合にも見えに
くくなることがない。
【0008】前記オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、
ポリプロピレンまたはこれらの混合物を主体としたもの
であることが好ましい。ポリエチレンやポリプロピレン
は透明で容器内の液体を視認し易く、有機溶剤または界
面活性剤を含む液体に侵されず、0.05重量%〜3重
量%の範囲内の充填剤を含むとき、レーザー光によって
容易に文字・図形を形成することができる。
【0009】前記充填剤は、マイカ、タルク、カオリナ
イトのうち少なくとも1種以上を含むものであることが
好ましい。マイカ、タルクおよびカオリナイトは、オレ
フィン系樹脂に配合するときレーザー光を効率よく熱エ
ネルギーに変換し、容器に炭化、発泡化あるいは蒸発な
どの組織的変化を誘発する。
【0010】本発明はまた、有機溶剤または界面活性剤
が含まれる液体を入れる容器の外面または内面に文字・
図形を形成するに際して、0.05重量%〜3重量%の
範囲内の充填剤を含むオレフィン系樹脂からなる前記容
器の外面または内面に、レーザー光を照射して前記文字
・図形を形成する文字・図形の形成方法を提供する。
【0011】前記においてレーザー光は、CO2ガスレ
ーザー光またはYAGレーザー光であり、このレーザー
光を、マスクパターンによって照射範囲が限定された前
記容器の部分にパルス照射することが好ましい。CO2
ガスレーザー光またはYAGレーザー光はエネルギーが
大きく、特に充填剤を含むオレフィン系樹脂にパルス照
射するとき強力に組織的変化を誘発する。この照射をマ
スクパターンによって照射範囲を限定しながら行えば、
レーザー光が容器に形成する文字・図形以外の部分に散
乱せず、明瞭な文字・図形を形成することができる。
【0012】前記レーザー光は、エネルギー密度3J/
cm2〜25J/cm2の範囲内、パルス幅10ns〜1
000nsの範囲内で照射することが好ましい。また前
記充填剤は、マイカ、タルク、カオリナイトのうち少な
くとも1種以上を含むものであることが好ましい。これ
らはいずれもレーザー光照射による前記容器の組織的変
化を促進する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 [実施形態1]図1に本発明の実施形態である計量容器
(容器)の一例を示す。この計量容器1は液体等の内容
物の計量に用いられるもので、有底円筒状の樹脂からな
るものである。そして、この計量容器1の外壁面2(外
面)には、液体を計量する際の目安となる複数の目盛り
線3a…および容量数字3b…からなる目盛り(文字・
図形)3が形成されている。目盛り線3a…は等間隔を
空けて相互に平行になるように形成され、容量数字3b
…は概略の容量を示している。なお、この目盛り(文字
・図形)3は、計量容器1の内壁面4(内面)に形成さ
れていてもよい。
【0014】この計量容器1は、マイカ、タルク、カオ
リナイトの少なくとも1種以上を充填剤として添加され
た透明なオレフィン系樹脂からなり、特にポリエチレ
ン、ポリプロピレンまたはこれらの混合物を主体とした
ものからなっている。また目盛り3は、液体の計量の目
安とするもので、CO2ガスレーザー光またはYAGレ
ーザー光のパルス照射によって形成されたものであり、
レーザー光の光エネルギーが充填剤によって熱エネルギ
ーに転換され、この発熱によって容器1を構成するオレ
フィン系樹脂に炭化、発泡化あるいは蒸発などの組織的
変化をもたらすことにより形成されたものである。
【0015】オレフィン系樹脂が炭化して目盛り3が形
成されると、茶色、灰色若しくは黒色の炭化物が形成さ
れて目盛り3自体が着色する。従って、計量容器1に液
体が注がれても、従来のレリーフ状の目盛りとは異な
り、目盛り3が見にくくなることがない。また、従来の
印刷による目盛りとは異なり、目盛り3が擦られても目
盛り3が薄くなって消失することがない。更に、従来の
印刷による目盛りとは異なり、有機溶剤を含む液体が目
盛り3に付着しても目盛り3が消失することがない。
【0016】また、樹脂が発泡化または蒸発して目盛り
3が形成されると、発泡化または蒸発した部分が白色に
着色する。従って、計量容器1に液体が注がれても、従
来のレリーフ状の目盛りとは異なり、目盛り3が見にく
くなることがない。また、従来の印刷による目盛りとは
異なり、目盛り3が擦られても目盛り3自体が薄くなっ
て消失することがない。更に、従来の印刷による目盛り
とは異なり、有機溶剤を含む液体が目盛り3に付着して
も、目盛り3が消失することがない。
【0017】更に、樹脂の炭化と発泡化、蒸発等が同時
に起こると、それらの程度に応じて樹脂が着色し、目盛
り3が白色、茶色、灰色若しくは黒色の様々な濃淡コン
トラストで形成される。従って必要に応じてレーザー光
のエネルギー密度を変化させると、目盛り線の太さや色
を部分的に変化させることもできる。
【0018】また、この計量容器1を構成する樹脂には
前記のような充填剤が添加されている。オレフィン系樹
脂自体は光透過性が高いためにレーザー光の吸収率が低
く、レーザー光による炭化、発泡化、蒸発が起きにく
い。そこで、充填剤を添加して樹脂自体のレーザー光の
吸収率を高め、着色した目盛りを形成する必要があるた
めである。
【0019】充填剤は、マイカ、タルク、カオリナイト
の少なくとも1種以上からなる粉末であり、特にマイカ
を用いることが好ましく、その添加量は0.05重量%
〜3重量%の範囲内とされる。0.1重量%〜1.5重
量%の範囲内がより好ましい。充填剤の添加量が0.0
5重量%未満であると、樹脂のレーザー光の吸収率が低
下してレーザー光が樹脂を透過してしまい、目盛りを形
成することができなくなる。添加量が3重量%を越える
と、コスト高となる上に樹脂が不透明になり、容器1に
注がれた液体を視認しにくくなる。
【0020】また目盛りを形成するために用いるレーザ
ー光は、CO2ガスレーザー光またはYAGレーザー光
であることが好ましい。CO2ガスレーザー光、YAG
レーザー光はいずれも赤外領域の波長のレーザー光(C
2ガスレーザー光は10.6μm、YAGレーザー光
は1.06μm)であり、熱エネルギーへの変換効率が
高い。
【0021】また目盛り3は、上記のレーザー光をパル
ス照射して形成されたものであることが好ましい。レー
ザー光をパルス照射すると高出力のレーザー光を照射す
ることができ、無機充填剤の効果でオレフィン系樹脂が
炭化、発泡化あるいは蒸発しやすくなり、目盛り3が着
色して視認性が向上するからである。
【0022】この計量容器1で計量する液体は、有機溶
剤または界面活性剤を含有していてもよい。この有機溶
剤は、例えばアルコール類や香料、ポリオール等であっ
てよく、その含有量は例示すると0.5重量%〜95重
量%の範囲内である。また界面活性剤は、陽イオン性界
面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非
イオン性界面活性剤のいずれか、またはこれらの混合物
であってよく、その含有量は例示すると0.1重量%〜
60重量%の範囲内である。計量容器1で計量する液体
の具体的としては、液体洗剤、柔軟剤、漂白剤、医薬品
のシロップ剤等を挙げることができる。
【0023】次に、この計量容器1に目盛り3を形成す
る方法を説明する。本実施形態では、マスクパターンに
よって照射範囲が限定されたCO2ガスレーザー光また
はYAGレーザー光を、計量容器1の外壁面2にパルス
照射し、計量容器1に目盛り3を形成する。
【0024】レーザー光を照射するに際しは、いわゆる
マスク方式のレーザーマーカー装置を用いることが好ま
しい。図2にこのレーザーマーカー装置の一例を示す。
このレーザーマーカー装置11は、レーザー光源12
と、ビームエキスパンダ13と、マスク14と、集光レ
ンズ15とを主体として構成されている。レーザー光源
12から照射されたレーザー光Lは、ビームエキスパン
ダ13によりビーム径が広げられてマスク14に照射さ
れる。マスク14にはあらかじめ目盛り3のパターンが
形成されていて、レーザー光Lはこのパターンの開口部
を通過する。次にマスク14を通過したレーザー光L
は、集光レンズ15により集光されて計量容器1の側壁
面に照射される。そして、照射されたレーザー光Lが無
機充填剤の効果で熱エネルギーに変換され、オレフィン
系樹脂が炭化、発泡化あるいは蒸発し、着色した目盛り
3が形成される。
【0025】レーザー光Lを、マスクパターンによって
照射範囲を限定して照射するので、照射パターンを任意
に拡大、縮小することができ、目盛り3の大きさや形状
の自由度を高くできる。
【0026】レーザー光Lは、CO2ガスレーザー光ま
たはYAGレーザー光を用いることが好ましい。オレフ
ィン系樹脂に目盛り3を形成するには、0.1J/cm
2〜10J/cm2程度の熱量が必要であり、CO2ガス
レーザー光やYAGレーザー光はいずれも赤外領域の波
長のレーザー光(CO2ガスレーザー光は10.6μ
m、YAGレーザー光は1.06μm)であり熱エネル
ギーへの変換効率が高く前記の条件を満足できるものだ
からである。
【0027】また、レーザー光Lはパルス照射すること
が好ましい。パルス照射のパターンとしては、図3に示
すように、一定のパルス幅を有するいわゆるノーマルパ
ルスであっても良く、図4に示すようなパルス幅が極め
て小さく瞬間的に大きな出力で照射するQスイッチパル
スであってもよい。このようにレーザー光Lをパルス照
射すると高出力のレーザー光を照射することができ、無
機充填剤の効果でオレフィン系樹脂が炭化、発泡化ある
いは蒸発しやすくなり、着色した目盛り3を形成でき
る。特に、Qスイッチパルスのレーザー光であれば、レ
ーザー光の出力をより大きくすることができ、白色、茶
色若しくは黒色に着色した目盛り3を確実に形成するこ
とができる。さらに、パルス照射により瞬時に目盛り3
を形成できるので、計量容器1の生産性を向上させるこ
とができる。
【0028】目盛り3を形成する際に必要なレーザー光
Lのエネルギー密度は、3J/cm 2以上であることが
好ましく、特に5J/cm2以上20J/cm2以下であ
ることがより好ましい。この範囲のエネルギー密度を計
量容器1に与えるためには、レーザー光Lの最大出力を
10MW以上、パルス幅を10ns〜1000nsの範
囲内、より好ましくは50ns〜200nsの範囲内と
することが好ましい。
【0029】計量容器1は、充填剤を0.05重量%〜
3重量%の範囲内で含むオレフィン系樹脂からなること
が好ましい。オレフィン系樹脂自体は光透過性が高いた
めにレーザー光Lの吸収率が低く、レーザー光Lによる
炭化、発泡化、蒸発が起きにくい。そこで充填剤を添加
して樹脂組成物のレーザー光吸収率を高める必要がある
からである。オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレンまたはこれらの混合物を主体としたもの
であることが好ましい。
【0030】充填剤は、マイカ、タルク、カオリナイト
のうち少なくとも1種以上を含む粉末であり、特にマイ
カを用いることが好ましく、その添加量は0.05重量
%〜3重量%の範囲内であり、0.1重量%〜1.5重
量%の範囲内がより好ましい。充填剤の添加量が0.0
5重量%未満であると、樹脂組成物のレーザー光吸収率
が低下してレーザー光が透過してしまい、目盛りを形成
することができなくなる。添加量が3重量%を越える
と、樹脂組成物が不透明になってしまい、容器1に注が
れた液体を視認できなくなる。
【0031】以上説明したように、上記の計量容器1
は、充填剤が含有されて光吸収率が高くされたオレフィ
ン系樹脂から構成されるとともに、レーザー光のパルス
照射により形成された目盛り3が形成されており、この
目盛り3は無機充填剤の効果により樹脂が炭化、発泡化
あるいは蒸発して形成されたものであり、目盛り3が白
色、茶色若しくは黒色に着色して視認性を高めることが
できる。またこの目盛り3は、有機溶剤を含む液体が付
着しても従来の印刷による目盛りとは異なり、消失する
ことはない。
【0032】また、上記の目盛り3の形成方法は、マス
クパターンによって照射範囲が限定されたレーザー光を
Qスイッチ法によりパルス照射するので、白色、茶色若
しくは黒色に着色した目盛りの輪郭が明瞭となり、視認
性に優れた目盛り3を形成することができる。また、照
射パターンを任意に拡大、縮小することができ、目盛り
3の大きさの自由度を高くできる。更に、瞬時に目盛り
3を形成することができ、計量容器1の生産性を高める
ことができる。
【0033】[実施形態2]図5に、有機溶剤または界
面活性剤が含まれた液体を入れる保存容器の一例を示
す。なお、この保存容器21は、その形状が相異するこ
と以外は先に説明した計量容器1とほぼ同様の構成を有
するものである。この保存容器21は液体の保存に用い
られるもので、先端が先細の有底円筒状の樹脂からなっ
ている。保存容器21の先端にはキャップ24が取り付
けられている。そして、この保存容器21の外壁面22
には、液体の残量を計量するための目盛り23…および
商標25が形成されている。
【0034】この保存容器21は、先に説明した計量容
器1と同様に、充填剤が添加された透明なオレフィン系
樹脂からなり、特にポリエチレン、ポリプロピレンまた
はこれらの混合物を主体としたものからなっている。目
盛り23…および商標25は、レーザー光のパルス照射
により形成されたものであり、保存容器21の表面にレ
ーザー光が照射され、このレーザー光が無機充填剤の効
果により熱エネルギーに変換されてオレフィン系樹脂が
炭化、発泡化あるいは蒸発して、白色、茶色、灰色若し
くは黒色に着色したものである。
【0035】また、この目盛り23および商標25の形
成方法は、先に説明した計量容器1の目盛り3の形成方
法と同様であり、マスクパターンによって照射範囲が限
定されたCO2ガスレーザー光またはYAGレーザー光
を保存容器21の外壁面22にパルス照射することによ
り、保存容器21に着色した目盛り23および商標25
を形成する。
【0036】以上の実施形態では、目盛りが形成された
計量容器1、および目盛りおよび商標が形成された保存
容器21について説明したが、本発明の技術範囲は上記
実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能
である。すなわち上記の実施形態ではレーザー光照射に
より容器に目盛りや商標を形成したが、形成することが
できる文字・図形はこれらに限定されるものではなく、
各種の文字、文、数字、記号、紋様、模様、図案、写真
画像、グラフ等のいずれであってもよいことはいうまで
もない。更に本発明は、計量容器、保存容器に限らず、
計量スプーン、袋状の計量バックまたは収納バック等に
適用してもよい。
【0037】
【実施例】(充填剤の最適添加量の調査)充填剤として
マイカを0.03重量%〜3.3重量%添加したポリプ
ロピレン樹脂を成形することにより、図1に示すような
計量容器を製造した。この計量容器に、Qスイッチ法に
よるCO2ガスレーザー光を、1cm2当たりパルス幅2
00ns、最大出力50MWの条件でパルス照射し、図
1に示すような目盛り(目盛り線3aと容量数字3b)
を形成した。形成した目盛りを目視で観察した。結果を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1において、比較例1は、充填剤の添加
量が0.03重量%であり、この場合は目盛りが形成さ
れるものの不鮮明であり、容器内部に液体を入れた場合
に目盛りが見えにくくなるおそれがある。また比較例2
は、添加量が3.3重量%であり、目盛り自体は黒色に
着色して視認性が良好になるが、充填剤の量が多いため
に容器自体が着色して不透明になり、容器に液体をいれ
ても液面を視認することができず、液体の計量容器とし
て不適切となった。
【0040】これに対して実施例1〜実施例3は、充填
剤の添加量が0.3重量%〜3重量%の範囲内であり、
目盛りは灰色ないし黒色に着色して視認性が良好にな
り、また容器自体も透明性を維持しており、容器に液体
を注いで液面を視認することができ、液体の計量を容易
に行うことができた。
【0041】(レーザー光の最適条件の調査)充填剤と
してマイカを1重量%添加したポリプロピレン樹脂を成
形することにより、図1に示すような計量容器を製造し
た。この計量容器に、Qスイッチ法によるCO2ガスレ
ーザー光を、パルス幅50ns〜500ns、最大出力
10MW〜50MWの範囲内で1cm2あたり1J〜2
5Jの範囲内の照射条件で計量容器にパルス照射して、
図1に示すような目盛りを形成した。形成した目盛りを
目視で観察した。目視観察の結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2において、比較例3は、パルス幅が1
00ns、出力が10MWであり、この場合はエネルギ
ー密度が1J/cm2となり、レーザー光の光量が不足
し、樹脂に加わる熱エネルギーが小さくなり、明瞭な目
盛りの形成が困難であった。比較例4は、パルス幅が5
00ns、出力が50MWであり、この場合はエネルギ
ー密度が25J/cm2となってレーザー光の光量が過
大であり、樹脂に加わる熱エネルギーが過剰に大きくな
ってポリプロピン樹脂がこげる傾向にあり計量容器1が
変形した。これに対して実施例4〜実施例6では、出力
とパルス幅とを適切に調整しているので、視認性が良好
な目盛りが形成された。以上のことから、レーザー光の
照射条件は、エネルギー密度が3J/cm2〜25J/
cm2の範囲内、パルス幅が10ns〜1000nsの
範囲内とすることが好適であることが判明した。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
容器は、0.05重量%〜3重量%の範囲内の充填剤を
含むオレフィン系樹脂からなり、かつこの容器の外面ま
たは内面にレーザー光照射により文字・図形が形成され
ているので、容器の透明性を維持したまま文字・図形の
視認性が良好であり、しかも有機溶剤または界面活性剤
が含まれた液体と接触しても文字・図形が消失すること
はない。
【0045】また、本発明の文字・図形の形成方法にお
いて、レーザー光がCO2ガスレーザー光またはYAG
レーザー光であり、このレーザー光を、マスクパターン
によって照射範囲が限定された前記容器の部分にパルス
照射するようにすれば、オレフィン樹脂が充填剤の効果
により炭化、発泡化あるいは蒸発して白色、茶色若しく
は黒色に着色した輪郭が明瞭で視認性に優れた文字・図
形が形成でき、また照射パターンを任意に拡大、縮小す
ることができ、文字・図形の大きさや形状の自由度を高
くできる。更に、前記の文字・図形は瞬時に形成できる
ので、容器の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である計量容器の斜視図
である。
【図2】 計量容器に目盛りを形成する際に用いるレ
ーザーマーカー装置の一例を示す構成図である。
【図3】 レーザー光の照射パターンの一例を示す図
である。
【図4】 レーザー光の照射パターンの他の例を示す
図である。
【図5】 本発明の他の実施形態である保存容器の斜
視図である。
【符号の説明】
1 計量容器 2 外壁面 3 目盛り 3a 目盛り線 3b 容量数字 4 内壁面 21 保存容器 22 外壁面 23 目盛り 25 商標
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/34 C08K 3/34 C08L 23/00 C08L 23/00 23/04 23/04 23/10 23/10 // B23K 101:12 B23K 101:12 Fターム(参考) 3E062 AB01 AC02 DA02 DA05 4E068 AB00 CA02 CA03 CD10 DA06 4F073 AA06 AA14 AA15 AA32 BA07 BA08 BA47 BA52 BB03 CA41 CA46 CA51 4J002 BB031 BB121 DJ036 DJ046 DJ056 FD016 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤または界面活性剤が含まれた液
    体を入れる容器であって、0.05重量%〜3重量%の
    範囲内の充填剤を含むオレフィン系樹脂からなり、かつ
    この容器の外面または内面にレーザー光照射により文字
    ・図形が形成されたことを特徴とする容器。
  2. 【請求項2】 前記オレフィン系樹脂が、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレンまたはこれらの混合物を主体とした
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 【請求項3】 前記充填剤がマイカ、タルク、カオリナ
    イトのうち少なくとも1種以上を含むものであることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器。
  4. 【請求項4】 有機溶剤または界面活性剤が含まれる液
    体を入れる容器の外面または内面に文字・図形を形成す
    るに際して、0.05重量%〜3重量%の範囲内の充填
    剤を含むオレフィン系樹脂からなる前記容器の外面また
    は内面に、レーザー光を照射して前記文字・図形を形成
    することを特徴とする文字・図形の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザー光がCO2ガスレーザー光
    またはYAGレーザー光であり、このレーザー光を、マ
    スクパターンによって照射範囲が限定された前記容器の
    部分にパルス照射することを特徴とする請求項4に記載
    の文字・図形の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザー光を、エネルギー密度3J
    /cm2〜25J/cm2の範囲内、パルス幅10ns〜
    1000nsの範囲内で照射することを特徴とする請求
    項5に記載の文字・図形の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記充填剤が、マイカ、タルク、カオリ
    ナイトのうち少なくとも1種以上を含むものであること
    を特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の文
    字・図形の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記オレフィン系樹脂が、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレンまたはこれらの混合物を主体とした
    ものであることを特徴とする請求項4〜請求項7のいず
    れかに記載の文字・図形の形成方法。
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