JP2001191301A - 合板の製造方法 - Google Patents

合板の製造方法

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JP2001191301A
JP2001191301A JP2000000922A JP2000000922A JP2001191301A JP 2001191301 A JP2001191301 A JP 2001191301A JP 2000000922 A JP2000000922 A JP 2000000922A JP 2000000922 A JP2000000922 A JP 2000000922A JP 2001191301 A JP2001191301 A JP 2001191301A
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veneer
pressing
veneers
pressure
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Ryosuke Sato
亮介 佐藤
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Misawa Homes Co Ltd
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Misawa Homes Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性高分子―イソシアネート系接着剤を用い
て合板を製造する際、十分な接着強度を得ることができ
る合板の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 合板の製造方法には、単板に水性高分子
―イソシアネート系接着剤を塗布した後、単板を堆積し
た状態で放置し、複数枚の単板を接着させる堆積工程
と、接着した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、が含
まれている。用いる単板の含水率は5%〜20%であ
る。単板の堆積時間は1分〜12分である。圧締工程に
おいては、常温で単板を10分以上圧締する(冷圧工
程)。また、圧締工程においては、冷圧工程後に、11
0℃〜115℃で短時間単板を圧締する(熱圧工程)も
のとしてもよい。また、冷圧圧力は690kPa(7kgf/c
m2)以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合板の製造方法に
関する。
【0002】
【背景の技術】従来、複数枚の単板を積層して形成され
る合板は、建材として広く利用されている。合板は、単
板に接着剤を塗布して、単板同士を張り合わせ、加熱し
ながら圧締することで接着剤を硬化させて、製造されて
いる。
【0003】主に合板の製造に使われている接着剤とし
ては、フェノール、レゾルシノールなどの特類の接着剤
や、ユリア系、メラミン系などのI類の接着剤などが挙
げられる。しかし、これらの接着剤は、ホルムアルデヒ
ド等の揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic
Compounds)を含有し放散するものであり、製造後のホ
ルマリン臭が問題となることがあった。
【0004】そこで、近年、接着剤からのホルムアルデ
ヒドの発生が実質的にない、水性高分子―イソシアネー
ト系接着剤が、合板製造用の接着剤として注目されてい
る。例えば、特開平11−279506号公報に記載の
水性接着剤の製造方法は、40℃の水へ1時間浸漬後の
溶解度が50重量%以上であり、かつ1重量%水溶液の
表面張力が45mN/m以上であるポリビニルアルコー
ル粉末を、水性エマルジョンに添加して主剤を調製し、
これに多価イソシアネート系化合物を架橋剤として配合
することを特徴としている。この製造方法により、主剤
製造時の安定性を高めることができ、また、比較的低温
において主剤を製造することができるので、安いエネル
ギーコストで高い生産性を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水性高
分子―イソシアネート系接着剤を合板製造に用いるに
は、接着剤の製造方法だけでなく、合板製造時における
圧締圧力や処理温度等の条件を検討しなければならな
い。特に、十分な接着強度を得ることができる条件で合
板を製造することは必要不可欠である。しかし、これま
でに合板製造時における条件と、合板接着強度との相関
関係が明らかにされていなかった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、水性高分子―イソシアネート系接着剤を用いて合
板を製造する際に、十分な接着強度を得ることができる
合板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の合板の製造方法は、単板に
水性高分子―イソシアネート系接着剤を塗布した後、単
板を堆積して接着させる堆積工程と、接着した複数枚の
単板を圧締する圧締工程と、を含む合板の製造方法にお
いて、単板の含水率は5%〜20%であることを特徴と
する。
【0008】ここで、堆積工程とは、単板を堆積した状
態で放置し、複数枚の単板を接着させる工程である。
【0009】単板の含水率が5%よりも小さい場合に
は、水分が少なすぎるために、水性高分子―イソシアネ
ート系接着剤が単板に対してなじみにくい。このため、
単板同士を十分な接着強度で接着させるには、接着剤の
塗布量を多くしなければならない。また、単板の含水率
が20%よりも大きい場合には、水分が多すぎるため
に、単板同士を接着させることが困難となる。請求項1
の合板の製造方法においては、単板の含水率が5%〜2
0%であるので、接着剤の塗布量を抑えつつ、十分な接
着強度で単板同士を接着させることができる。なお、単
板の含水率が5%〜13%であれば、より好ましく、5
%〜10%であれば最も好ましい。
【0010】請求項2記載の合板の製造方法は、単板に
水性高分子―イソシアネート系接着剤を塗布した後、単
板を堆積して接着させる堆積工程と、接着した複数枚の
単板を圧締する圧締工程と、を含む合板の製造方法にお
いて、単板の堆積時間は1分〜12分であることを特徴
とする。
【0011】単板の堆積時間が1分よりも短い場合に
は、塗布した接着剤を単板になじませる時間が短すぎ
る。また、単板の堆積時間が12分よりも長い場合に
は、塗布した接着剤が乾いてしまうために、接着強度が
低下してしまう。請求項2の合板の製造方法において
は、単板の堆積時間が1分〜12分であるので、接着剤
を単板になじませ、かつ、接着剤が乾いてしまう前に圧
締することができるので、十分な接着強度を得ることが
できる。なお、単板の堆積時間が1分〜10分であれ
ば、より好ましい。
【0012】請求項3記載の合板の製造方法は、単板に
水性高分子―イソシアネート系接着剤を塗布した後、単
板を堆積して接着させる堆積工程と、接着した複数枚の
単板を圧締する圧締工程と、を含む合板の製造方法にお
いて、圧締工程は、加熱せずに常温で単板を圧締する冷
圧工程であり、冷圧時間は10分以上であることを特徴
とする。
【0013】請求項3の合板の製造方法においては、単
板を熱圧せずに、冷圧のみで合板を製造するので、冷圧
及び熱圧を行っていた従来に比して、合板製造時の工程
を一つ少なくすることができる。この際、冷圧時間が1
0分よりも短い場合には、十分な接着強度が得られない
が、請求項3の合板の製造方法においては冷圧時間が1
0分以上であるので、十分な接着強度を得ることができ
る。なお、冷圧圧力は大きいほど好ましく、冷圧圧力が
1200kPa(12kgf/cm2)以上であれば、より好まし
い。
【0014】請求項4記載の合板の製造方法は、単板に
水性高分子―イソシアネート系接着剤を塗布した後、単
板を堆積して接着させる堆積工程と、接着した複数枚の
単板を圧締する圧締工程と、を含む合板の製造方法にお
いて、圧締工程は、常温で単板を圧締する冷圧工程と、
冷圧された単板を冷圧温度よりも高い温度で圧締する熱
圧工程とを含み、冷圧時間は10分以上であり、熱圧は
110℃〜115℃で短時間行うことを特徴とする。
【0015】請求項4の合板の製造方法においては、熱
圧は短時間(例えば、1分程度)で行われるので、合板
製造にかかる時間を短く済ませることができる。また、
単板を冷圧した後、熱圧するので、接着剤をむらなく硬
化させ、十分な接着強度を持たせることができる。特
に、製造される合板の表面に配置される単板が比較的薄
いもの(例えば、1.6mm程度)である場合には、熱
圧により均一に圧締され、合板表面を平滑に仕上げるこ
とができる。
【0016】請求項5記載の合板の製造方法は、請求項
3または4記載の合板の製造方法において、冷圧圧力は
690kPa(7kgf/cm2)以上であることを特徴とする。
【0017】冷圧圧力が690kPa(7kgf/cm2)よりも
小さい場合には、単板同士の接着強度がばらつくため、
接着強度が小さくなることがあるが、請求項5の合板の
製造方法においては、冷圧圧力が690kPa(7kgf/c
m2)以上であるので、接着強度にばらつきがなく、十分
な接着強度を得ることができる。なお、冷圧時間は長い
ほど好ましく、冷圧時間が20分以上であれば、より好
ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に係る合板の製造方法の一例におい
ては、単板に接着剤を塗布した後、単板を堆積した状態
で放置し、複数枚の単板を接着させる堆積工程と、接着
した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、が含まれてい
る。
【0019】堆積工程では、まず、堆積させる単板を複
数選択する。そして、単板に水性高分子―イソシアネー
ト系接着剤を塗布して、単板を堆積した状態で放置し、
複数枚の単板同士を接着させる。このとき、単板含水率
が5%〜20%、好ましくは5%〜13%、より好まし
くは5%〜10%である単板を選択する。また、単板を
堆積した状態で1分〜12分、好ましくは1分〜10分
放置する。
【0020】ここで、水性高分子―イソシアネート系接
着剤とは、主剤にポリビニルアルコール(PVA)及び
エマルジョンラテックスを、架橋剤にイソシアネート系
化合物を用いる2液性の接着剤であり、従来周知のもの
である。
【0021】次に、圧締工程では、堆積して接着した複
数枚の単板を、加熱せずに常温で圧締する(冷圧工
程)。このとき、冷圧を10分以上、好ましくは20分
以上行う。また、冷圧圧力を690kPa(7kgf/cm2)以
上、好ましくは1200kPa(12kgf/cm2)以上に設定
する。また、この後、冷圧された単板を冷圧温度よりも
高い温度で圧締する(熱圧工程)ものとしても良い。こ
の場合には、熱圧は110℃〜115℃で短時間(例え
ば、1分程度)行う。
【0022】圧締工程においては、例えば、従来より周
知のコールドプレス装置及びホットプレス装置などを用
いて、単板の冷圧及び熱圧を行う。
【0023】上記の単板含水率が5%未満であると、水
分が少なすぎるため、水性高分子―イソシアネート系接
着剤が単板に対してなじみにくい。このため、単板同士
を十分な接着強度で接着させるためには、接着剤の塗布
量を多くする必要が生じる。また、上限数値を超える
と、水分が多すぎるため、単板同士を接着させにくくな
る。本例の合板の製造方法では、単板含水率が5%〜2
0%であるので、接着剤の塗布量を抑えつつ、十分な接
着強度で単板同士を接着させることができる。
【0024】また、上記の単板堆積時間が1分未満であ
ると、塗布した接着剤を単板になじませる時間が短すぎ
る。また、上限数値を超えると、塗布した接着剤が乾き
やすくなり、接着強度が低下してしまう。本例の合板の
製造方法では、単板堆積時間が1分〜12分であるの
で、接着剤を単板になじませ、かつ、接着剤が乾いてし
まう前に単板を圧締するので、十分な接着強度を得るこ
とができる。
【0025】また、上記の冷圧時間及び冷圧圧力が下限
数値未満であると、接着強度がばらつくため、接着強度
が小さくなることがある。本例の合板の製造方法では、
冷圧時間が10分以上であるので、十分な接着強度を得
ることができる。また、冷圧圧力が690kPa(7kgf/c
m2)以上であるので、圧力のむらが少なくなるため、接
着力が増し、十分な接着強度を得ることができる。
【0026】また、熱圧工程を省略した場合には、冷圧
と熱圧とを行っていた従来の場合に比して、合板製造時
の工程を一つ少なくすることができる。
【0027】また、熱圧を行うものとした場合には、1
分程度の短時間で熱圧を行うことができる。また、熱圧
により接着剤をむらなく硬化させるので、十分な接着強
度を得ることができる。特に、合板の表面に配置される
単板が、比較的薄い場合(例えば、1.6mm程度)に
は、熱圧により合板が均一に圧締され、合板表面を平滑
に仕上げることができる。
【0028】なお、冷圧時間を10分以上とする場合に
は、冷圧圧力は大きいほど好ましく、冷圧圧力が120
0kPa(12kgf/cm2)以上であれば、より好ましい。
【0029】また、冷圧圧力を690kPa(7kgf/cm2
以上とする場合には、冷圧時間は長いほど好ましく、冷
圧時間が20分以上であれば、より好ましい。
【0030】
【実施例】次に、本発明を以下の実験例により詳細に説
明するが、本発明が以下の実験例により限定されるもの
ではない。
【0031】<実験例1>単板含水率0%〜25%であ
る厚さ1.6mmのメランティ単板を用いて、3プライ
の合板を製造した。ここで、単板に対する水性高分子―
イソシアネート系接着剤の塗布量は、1平方メートル当
たり440g(40g/尺2)とした。また、冷圧圧力は1
200kPa(12kgf/cm2)、冷圧時間は10分とした。
また、熱圧温度は110℃、熱圧圧力は780kPa(8k
gf/cm2)、熱圧時間は60秒とした。合板製造後、合板
の接着強度及び木破率を測定した。
【0032】ここで、木破率とは、接着力試験におい
て、接着層で全部剥離せず、木部が破壊している部分が
あるとき、木部における破壊面積の全破壊面積に対する
割合を意味する。
【0033】測定結果を図1に示す。横軸に示した三つ
一組の数値は、合板の表板、芯板、裏板それぞれの単板
含水率(%)である。また、縦軸は、合板の接着強度で
ある。また、図表中に示した数値(%)は、合板の木破
率である。
【0034】また、図1中、「常態」と示した部分は、
製造後そのままの状態の合板を測定した結果である。ま
た、「1類」と示した部分は、製造された合板を煮沸水
中で4時間処理後、60℃中で乾燥させ、再度4時間煮
沸処理してから、室温水中で処理したものを測定した結
果である。
【0035】図1からわかるように、単板含水率5%〜
20%である合板においては、常態における接着強度が
約2000kPa(20kgf/cm2)、木破率が95%〜10
0%でほぼ一定となり、十分な接着強度が得られた。特
に、単板含水率5%〜10%においては、常態における
木破率が100%であり、高い接着力が得られた。
【0036】また、単板含水率0%においては、木破率
が30%以下となり、接着力不足が確認された。また、
単板含水率25%においては、合板がパンクしたため、
接着強度測定が不可能であった。
【0037】<実験例2>厚さ1.6mmのメランティ
単板を用いて、単板の堆積時間を0分〜30分の範囲で
変化させ、3プライの合板を製造した。ここで、単板に
対する水性高分子―イソシアネート系接着剤の塗布量
は、1平方メートル当たり440g(40g/尺2)とし
た。また、冷圧圧力は1200kPa(12kgf/cm2)、冷
圧時間は10分とした。また、熱圧温度は110℃、熱
圧圧力は780kPa(8kgf/cm2)、熱圧時間は60秒と
した。製造後そのままの状態の合板(常態)について、
合板の接着強度及び木破率を測定した。
【0038】測定結果を図2に示す。横軸は、単板の堆
積時間である。また、左側の縦軸は、合板の接着強度で
あり、右側の縦軸は、合板の木破率である。
【0039】図2からわかるように、堆積時間0分〜1
2分においては、接着強度が約1900kPa(19kgf/c
m2)、木破率が95%〜100%でほぼ一定となり、十
分な接着強度が得られた。特に、堆積時間0分〜10分
においては、木破率がほぼ100%となり、高い接着力
が得られた。また、堆積時間15分以上においては、接
着強度及び木破率は堆積時間が増加するとともに低下し
た。
【0040】<実験例3>南洋材単板を用いて、厚さ4
mmの3プライ合板、厚さ9mmの5プライ合板、厚さ
12mmの5プライ合板をそれぞれ製造した。ここで、
単板に対する水性高分子―イソシアネート系接着剤の塗
布量は、1平方メートル当たり440g(40g/尺2)と
した。また、冷圧圧力は1200kPa(12kgf/cm2)、
冷圧時間は10分、冷圧温度は30℃とした。また、冷
圧後に熱圧を行った場合においては、熱圧温度を110
℃、熱圧圧力を780kPa(8kgf/cm2)とした。また、
熱圧時間は、厚さ4mmの合板については60秒、厚さ
9mm及び12mmの合板については150秒とした。
合板製造後、合板の接着強度及び木破率を測定した。測
定結果を表1に示す。
【表1】
【0041】熱圧の有無が「無し」の欄には、熱圧を行
わずに製造した合板の測定結果を示す。熱圧の有無が
「有り」の欄には、冷圧の後に熱圧を行い製造した合板
の測定結果を示す。
【0042】表1からわかるように、熱圧の有無によっ
て接着強度は大きく変化しなかった。熱圧有無による接
着強度の差が、最大でも210kPaであり、熱圧の有無
にかかわらず、十分な接着強度が得られることが確認さ
れた。
【0043】<実験例4>メランティ単板を用いて、冷
圧時間を5分〜15分の範囲で変化させ、単板厚さ1.
6mm/3.2mm/1.6mm/3.2mm/1.6
mmの単板で構成される5プライの合板を製造した。こ
こで、単板に対する水性高分子―イソシアネート系接着
剤の塗布量は、1平方メートル当たり440g(40g/
2)とした。また、冷圧圧力は1200kPa(12kgf/
cm2)とした。また、熱圧温度は115℃、熱圧圧力は
780kPa(8kgf/cm2)、熱圧時間は240秒とした。
合板製造後、合板の接着強度及び木破率を測定した。測
定結果を表2に示す。
【表2】
【0044】表2中、「特類」の欄に示した数値は、製
造された合板を煮沸水中で72時間処理後、室温水中で
処理したものを測定した結果である。
【0045】表2からわかるように、冷圧時間10分〜
15分においては、木破率が85%〜100%であり、
十分な接着強度が得られた。また、冷圧時間5分におい
ては、木破率が75%以下となり、接着力不足が確認さ
れた。
【0046】<実験例5>南洋材単板を用いて、冷圧圧
力を98kPa〜1400kPa(1kgf/cm2〜14kgf/cm2
の範囲で変化させ、厚さ4mmの3プライ合板を製造し
た。ここで、単板に対する水性高分子―イソシアネート
系接着剤の塗布量は、1平方メートル当たり380g
(35g/尺2)とした。また、冷圧時間は20分とし
た。また、熱圧温度は110℃、熱圧圧力は780kPa
(8kgf/cm2)、熱圧時間は60秒とした。製造後その
ままの状態の合板(常態)について、合板の接着強度を
測定した。
【0047】測定結果を図3に示す。横軸は、冷圧圧力
である。また、縦軸は、合板の接着強度である。
【0048】図3からわかるように、冷圧圧力690kP
a(7kgf/cm2)以上においては、接着強度が約1100
kPa(11kgf/cm2)となり、ほぼ最高値を示しており、
十分な接着強度が得られた。一方、冷圧圧力が690kP
a(7kgf/cm2)を下回ると、各冷圧圧力における接着強
度にばらつきが見られた。
【0049】<実験例6>厚さ1.6mmのメランティ
単板を用いて、3プライの合板を製造した。ここで、単
板に対する水性高分子―イソシアネート系接着剤の塗布
量は、1平方メートル当たり440g(40g/尺2)とし
た。また、冷圧圧力は780kPa(8kgf/cm2)、冷圧時
間は10分又は20分とした。また、冷圧後に熱圧を行
った場合においては、熱圧温度を110℃、熱圧圧力を
780kPa(8kgf/cm2)、熱圧時間を1分とした。合板
製造後、合板の接着強度及び木破率を測定した。
【0050】測定結果を図4に示す。横軸は、熱圧時間
である。また、左側の縦軸は、合板の接着強度であり、
右側の縦軸は、合板の木破率である。
【0051】図4からわかるように、熱圧時間1分にお
いては、合板の木破率がほぼ100%であり、十分な接
着強度が得られた。
【0052】<実験例7>各樹種の単板を用いて、上述
した合板の製造方法に基づき、合板を製造した。レッド
メランティ単板を用いて、厚さ4mmの3プライ合板を
製造し、また、セラヤ単板を用いて、厚さ5.5mmの
3プライ合板を製造した。また、カラマツ単板、エリオ
ッティパイン単板、ラジアタパイン単板をそれぞれ用い
て、厚さ12mmの5プライ合板を製造した(後述する
表3中の樹種及び合板の厚さの欄を参照のこと)。
【0053】ここで、単板に対する水性高分子―イソシ
アネート系接着剤の塗布量は、1平方メートル当たり4
40g(40g/尺2)とした。また、冷圧圧力は1200
kPa(12kgf/cm2)、冷圧時間は10分、冷圧温度は3
0℃とした。また、熱圧温度は110℃、熱圧圧力は7
80kPa(8kgf/cm2)とした。熱圧時間は、厚さ4mm
及び5.5mmの合板については60秒、厚さ12mm
の合板については150秒とした。合板製造後、合板の
接着強度及び木破率を測定した。測定結果を表3に示
す。
【表3】
【0054】表3からわかるように、樹脂分の多いカラ
マツを除いては、いずれの樹種においても、木破率が8
0%以上であり、高い接着力が得られた。
【0055】<実験例8>水性高分子―イソシアネート
系接着剤を用いて単板同士を接着圧締して製造された1
2mm合板について、従来より周知のJASデシケータ
法により、ホルムアルデヒド放散量を測定した。測定結
果を表4に示す。
【表4】
【0056】表4からわかるように、いずれの樹種にお
いても、JAS規格におけるF1レベル(ホルムアルデ
ヒド放散量が平均0.5mg/l以下)を満たしていること
が確認された。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の合板の製造方法によれば、単板含水率が5%〜20%
であるので、接着剤の塗布量を抑えつつ、十分な接着強
度で単板同士を接着させることができる。
【0058】請求項2の合板の製造方法によれば、単板
堆積時間が1分〜12分であるので、接着剤を単板にな
じませ、かつ、接着剤が乾いてしまう前に圧締すること
ができるので、十分な接着強度を得ることができる。
【0059】請求項3の合板の製造方法によれば、冷圧
時間が10分以上であるので、十分な接着強度を得るこ
とができる。また、冷圧及び熱圧を行っていた従来に比
して、合板製造時の工程を一つ少なくすることができ
る。
【0060】請求項4の合板の製造方法によれば、熱圧
時間を短時間で済ませながらも、接着剤をむらなく硬化
させ、十分な接着強度を得ることができる。また、合板
の表面に配置される単板が比較的薄いものである場合に
は、熱圧により合板が均一に圧締され、合板表面を平滑
に仕上げることができる。
【0061】請求項5の合板の製造方法によれば、請求
項3または4と同様の効果を得ることができるのは勿論
のこと、冷圧圧力が690kPa(7kgf/cm2)以上である
ので、接着強度のばらつきが少なく、十分な接着強度を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合板の製造方法の実験例1を示す
もので、接着強度の単板含水率依存性を示す図面であ
る。
【図2】本発明に係る合板の製造方法の実験例2を示す
もので、接着強度の単板堆積時間依存性を示す図面であ
る。
【図3】本発明に係る合板の製造方法の実験例5を示す
もので、接着強度の冷圧圧力依存性を示す図面である。
【図4】本発明に係る合板の製造方法の実験例6を示す
もので、接着強度の熱圧時間依存性を示す図面である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単板に水性高分子―イソシアネート系接
    着剤を塗布した後、単板を堆積して接着させる堆積工程
    と、 接着した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、を含む合
    板の製造方法において、 単板の含水率は5%〜20%である、ことを特徴とする
    合板の製造方法。
  2. 【請求項2】 単板に水性高分子―イソシアネート系接
    着剤を塗布した後、単板を堆積して接着させる堆積工程
    と、 接着した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、を含む合
    板の製造方法において、 単板の堆積時間は1分〜12分である、ことを特徴とす
    る合板の製造方法。
  3. 【請求項3】 単板に水性高分子―イソシアネート系接
    着剤を塗布した後、単板を堆積して接着させる堆積工程
    と、 接着した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、を含む合
    板の製造方法において、 圧締工程は、加熱せずに常温で単板を圧締する冷圧工程
    であり、 冷圧時間は10分以上である、ことを特徴とする合板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 単板に水性高分子―イソシアネート系接
    着剤を塗布した後、単板を堆積して接着させる堆積工程
    と、 接着した複数枚の単板を圧締する圧締工程と、を含む合
    板の製造方法において、 圧締工程は、常温で単板を圧締する冷圧工程と、冷圧さ
    れた単板を冷圧温度よりも高い温度で圧締する熱圧工程
    とを含み、 冷圧時間は10分以上であり、 熱圧は110℃〜115℃で短時間行う、ことを特徴と
    する合板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の合板の製造方法
    において、 冷圧圧力は690kPa(7kgf/cm2)以上である、ことを
    特徴とする合板の製造方法。
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