JP2001190025A - 配電用自動電圧調整器及びその電力逆潮流原因判定方法 - Google Patents

配電用自動電圧調整器及びその電力逆潮流原因判定方法

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JP2001190025A
JP2001190025A JP37264499A JP37264499A JP2001190025A JP 2001190025 A JP2001190025 A JP 2001190025A JP 37264499 A JP37264499 A JP 37264499A JP 37264499 A JP37264499 A JP 37264499A JP 2001190025 A JP2001190025 A JP 2001190025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じた
ときにその逆潮流が系統切換によるものか、分散電源の
連系によるものかを判定する配電用自動電圧調整器の電
力逆潮流原因判定方法を提供する。 【解決手段】電力方向継電器9により電力の逆潮流が生
じていることが検出されている状態でタップ切換を行っ
た際に、調整変圧器2の二次側の電圧がしきい値以上の
変化を示したときに、分散電源の連系に起因する電力の
逆潮流が生じていると判定し、タップ切換を行った際に
調整変圧器2の二次側の電圧がしきい値以上の変化を示
さなかったときに、系統切換による電力の逆潮流が生じ
ていると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電系統に設置さ
れる配電用自動電圧調整器で電力の逆潮流が生じたとき
にその原因が系統に連系している分散電源に起因するも
のであるか、系統切換に起因するものであるかを判定す
る電力逆潮流原因判定方法、及び電力の逆潮流の原因に
応じて適確な電圧調整動作を行う配電用自動電圧調整器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽光発電設備などの自家発電設
備が需要家に多く設置されるようになり、該自家発電設
備が分散電源として配電系統と連系するようになってい
る。また配電系統においては、電力の需給バランスを図
ったり、工事の際の停電を防いだりするために、複数の
系統を連系させるようにしている。
【0003】このような配電系統においては、系統の各
部の負荷容量と分散電源の容量との大小関係や、配電用
自動電圧調整器(以下SVRともいう。)の一次側また
は二次側で行われた系統切換により、SVRの二次側か
ら一次側に電力が逆送される(電力の逆潮流が生じる)
ことがある。SVRで電力の逆潮流が生じたときには、
電力の潮流が順方向であるときと同じように調整変圧器
の二次側の電圧を目標電圧に近付けるようにタップ切換
を行っても正しい電圧調整を行うことはできない。その
ため、SVRでは、系統の各部の電圧が異常になるのを
防ぐために、逆潮流時にSVRのタップを固定したり、
逆潮流時に調整変圧器の一次側の電圧を目標電圧に近付
けるようにタップ切換を行うなどの対策を講じている。
【0004】図7は、逆潮流時にSVRのタップを予め
指定されたタップに固定するようにした逆送時タップ固
定形のSVR1の一例を示したもので、同図において、
2はタップ付きの調整変圧器、3及び4はそれぞれ調整
変圧器の一次側及び二次側に接続された配電線(例えば
6.6kV配電線)、5は調整変圧器2のタップを切り
換える負荷時タップ切換器である。また6はSVRの二
次側の電圧を検出する計器用変圧器(PT)、7はSV
Rの二次側を流れる電流を検出する変流器(CT)、8
は計器用変圧器6により検出される二次側の電圧を目標
電圧に保つようにタップ切換器5にタップ切換指令を与
える電圧調整継電器(90リレー)、9は計器用変圧器
6の出力と変流器CTの出力とを入力としてSVRを通
して流れる電力の潮流の方向を検出する電力方向継電器
(67リレー)、10は電力方向継電器9により電力の
逆潮流が検出されたときに調整変圧器2のタップを予め
指定したタップに切り換えて指定タップに固定する指定
タップ切換回路である。
【0005】このSVR1において、電力方向継電器9
は、SVRの二次側の電圧位相を基準にして電流位相を
監視することにより、電力の順送及び逆送の判定を行っ
ている。電圧調整継電器8は、CT6の出力電圧からS
VRの二次側の電圧を検出して、電力方向継電器9によ
り一次側の配電線3側から二次側の配電線4側に電力が
送られていることが検出されているとき(電力順送時)
に二次側の電圧を目標電圧に保つようにタップ切換器5
にタップ切換指令を与える。
【0006】タップ切換器5は、電圧調整継電器8から
与えられるタップ切換指令に応じて調整変圧器2のタッ
プを切り換えて、SVR1の二次側の電圧を目標電圧に
近付けるように(二次側の電圧と目標電圧との差を許容
範囲に収めるように)調整する。
【0007】即ち、電力順送時に二次側の電圧が目標電
圧よりも低くなったときには電圧調整継電器8が昇圧指
令を発生し、これにより調整変圧器2のタップを昇圧側
に切り換えて二次側の電圧と目標電圧との差を許容範囲
以下にするように電圧を調整する。また二次側の電圧が
目標電圧を超えたときには電圧調整継電器8が降圧指令
を発生し、これにより調整変圧器2のタップを降圧側に
切り換えて二次側の電圧と目標電圧との差を許容範囲以
下とするように電圧を調整する。
【0008】本明細書では、上記のように、SVRがそ
の二次側の電圧を目標電圧に保つように調整するときの
動作モードを二次側電圧調整モードと呼ぶ。
【0009】図7に示したSVRにおいて、調整変圧器
2のタップが一次側に設けられているものとし、二次側
の配電線4側から一次側の配電線3側に電力が逆送され
ている状態でその動作モードが二次側電圧調整モードで
ある場合の動作を考える。電力逆送時に二次側電圧が目
標電圧より低くなると、PT6の出力電圧も低下するた
め、電圧調整継電器8は昇圧指令を発生する。これによ
りタップ切換器5は調整変圧器2のタップを電力順送時
の昇圧側に切り換えるが、このタップ切換方向は逆送時
には一次側の電圧を低下させる方向(降圧側)となるた
め、一次側の電圧が低下する。このときタップ切換は配
電線3側で行われるため、タップが切り換えられてもP
T6の出力電圧は変化せず、電圧調整継電器8に加わる
電圧は目標電圧よりも低いままの状態にある。そのた
め、電圧調整継電器8は昇圧指令を発生し続けることに
なり、タップ切換器5はタップを電力順送時の昇圧側
(逆送時の降圧側)の最終タップまで切り換えることに
なる。
【0010】上記のように、SVRで電力の逆潮流が生
じている状態では、動作モードが二次側電圧調整モード
のままであると、タップが逆送時の降圧側の最終タップ
まで切り換えられるため、一次側の電圧が異常に低下す
ることになり、配電系統の電圧が乱れることになる。
【0011】このような異常状態が生じるのを防ぐた
め、図7に示したSVRでは、電力の逆送時に調整変圧
器2のタップを予め指定したタップ(例えば素通しタッ
プ)に固定するようにしている。
【0012】本明細書では、上記のように電力逆送時に
調整変圧器のタップを予め指定したタップに固定する動
作モードをタップ固定モードと呼ぶ。
【0013】またSVRで電力の逆潮流が生じていると
きに系統の電圧が異常になるのを防ぐため、電力の順送
時にはSVRの二次側の電圧を目標電圧に保つように制
御し、電力の逆送時にはSVRの一次側の電圧を目標電
圧に保つように制御する機能を持たせた完全逆送形のS
VRも知られている。
【0014】図8は完全逆送形のSVR1´の構成例を
示したもので、この例では、調整変圧器2の一次側の電
圧及び二次側の電圧をそれぞれ検出する第1及び第2の
計器用変圧器6A及び6Bと、電力方向継電器9により
調整変圧器2の一次側から二次側に電力が順送されてい
ることが検出されているときには第2の計器用変圧器6
Bの出力を選択し、電力方向継電器9により調整変圧器
2の二次側から一次側に電力が逆送されていることが検
出されているときには第1の計器用変圧器6Aの出力を
選択する計器用変圧器切換回路11とが設けられてい
て、計器用変圧器切換回路11により選択された計器用
変圧器の出力が電圧調整継電器8及び電力方向継電器9
に与えられている。
【0015】電圧調整継電器9は、計器用変圧器切換回
路11により選択された計器用変圧器の出力から検出さ
れる線路電圧を目標電圧に保つようにタップ切換器5に
タップ切換指令を与える。
【0016】図8に示した例では、第1及び第2の計器
用変圧器6A及び6Bと、計器用変圧器切換回路11と
により、電力方向継電器9により電力の順潮流が検出さ
れているときに調整変圧器2の二次側の電圧を検出し、
電力方向継電器9により電力の逆潮流が検出されている
ときに調整変圧器2の一次側の電圧を検出する電圧検出
装置が構成されている。
【0017】また電力方向継電器を設けるとともに、計
器用変圧器を一次側と二次側とに切換接続する回路を設
けて、電力の順送時には計器用変圧器を二次側に接続し
て二次側電圧調整モードで電圧調整を行わせ、電力の逆
送時には計器用変圧器を一次側に接続するとともに、タ
ップ切換の方向を逆にするように電圧調整継電器からタ
ップ切換指令を発生させることにより、一次側電圧調整
モードで電圧調整を行わせるようにした完全逆送形のS
VRも知られている。
【0018】本明細書では、上記のように電力逆送時に
SVRの一次側の電圧を目標電圧に保つように調整する
動作モードを一次側電圧調整モードと呼ぶ。
【0019】上記のように、従来のSVRでは、電力方
向継電器(67リレー)を設けて、該継電器により電力
の逆送が検出されたときに、SVRの動作モードを一次
側電圧調整モードとするか、またはタップ固定モードと
していた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなSVRが
設置されている配電系統において、SVRの一次側が自
系統の電源変電所に接続されたままの状態で、二次側の
線路に分散電源が連系した場合を考える。このとき、S
VRの二次側の負荷が分散電源の出力に対して小さい
と、分散電源からの電力の潮流がSVRを逆方向に通過
するため、電力方向継電器9は、SVRを通して電力の
逆潮流が生じたと判断する。このとき、SVRが図7に
示した逆送時タップ固定形のSVRである場合には、動
作モードがタップ固定モードとなって、タップが指定タ
ップに固定されるため、系統電圧の異常は生じないが、
電圧調整動作が停止してしまうという問題が生じる。
【0021】またSVRが図8に示したような完全逆送
形のSVRである場合には、動作モードを一次電圧調整
モードとして、一次側の電圧を目標電圧に近付けるよう
にタップ切換が行われるが、上記のように一次側が電源
に接続されている状態では、計器用変圧器により電源側
の線路電圧(SVRの一次側の電圧)が検出されること
になって、タップを切り換えても検出電圧が殆ど変化し
ないため、電圧調整継電器はタップ切換指令を出し続
け、最終的にはタップが最低タップまたは最高タップま
で切り換えられるおそれがある。このような状態が生じ
ると、SVRの二次側の電圧は目標電圧からどんどん離
れていき、二次側の配電線の電圧が異常になるおそれが
ある。
【0022】上記のような問題が生じないようにするた
めには、SVRで電力の逆潮流が生じたことが検出され
たときに、その原因を判定して、一次側が自系統の電源
変電所に接続されたままの状態で二次側に分散電源が連
系したことにより電力の逆潮流が生じたと判定された場
合にSVRの動作モードの切換を行わせないようにする
必要がある。
【0023】本発明の目的は、SVRで電力の逆潮流が
生じたときに、その逆潮流の原因が、一次側が自系統の
電源変電所に接続されたままの状態で二次側に分散電源
が連系したことにあるのか、または一次側が自系統の電
源変電所から切り離されて二次側に他系統の電源変電所
が接続されたことにあるのかを判定することができるよ
うにした逆潮流原因判定方法を提供することにある。
【0024】本発明の他の目的は、一次側が電源に接続
されたままの状態で二次側に分散電源が連系したことに
より電力の逆潮流が生じたときに配電系統の電圧が異常
になるおそれをなくすことができるようにした配電用自
動電圧調整器を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる逆潮流原
因判定方法は、配電系統に設置されたSVRで二次側か
ら一次側に電力の逆潮流が生じたときに、その電力の逆
潮流が、SVRの一次側が自系統の電源変電所から切り
離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
切換が行われたことに起因する逆潮流(以下簡単にする
ために、この逆潮流を、単に「系統切換に起因する逆潮
流」ということもある。)であるのか、または、SVR
の一次側が電源変電所に接続されたままの状態で二次側
に分散電源が連系したことに起因する逆潮流(以下この
逆潮流を単に「分散電源の連系による逆潮流」というこ
ともある。)であるのかを判定するSVRの電力逆潮流
原因判定方法である。
【0026】本発明においては、自動電圧調整器で電力
方向継電器により電力の逆潮流が生じていることが検出
されている状態でタップ切換を行った際に一次側の電圧
がしきい値以上の変化を示したときに、一次側が自系統
の電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変
電所に接続される系統切換が行われたことに起因して電
力の逆潮流が生じていると判定し、電力の逆潮流が検出
されている状態でタップ切換を行った際に一次側の電圧
がしきい値以上の変化を示さなかったときには、一次側
が自系統の電源変電所に接続されたままの状態で二次側
に分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮流
が生じていると判定する。
【0027】上記しきい値は、例えば、タップ切換回数
が1回のときに逆潮流の原因を判定する場合には、タッ
プ電圧の電圧変動上限値と、タップ電圧から電圧変動上
限値を差し引いた値との間の値に設定する。
【0028】系統切換に起因する電力の逆潮流が生じて
いるときには、タップ切換が行われた際にSVRの一次
側の電圧が1タップ分の電圧調整量に相当する変化を示
す。これに対し、分散電源の連系に起因する電力の逆潮
流が生じているときには、タップ切換が行われてもSV
Rの一次側の電圧は殆ど変化を示さない。
【0029】したがって、上記のように、電力の逆潮流
が検出されたときに、SVRの一次側の電圧がしきい値
以上の変化を示すか否かを見ることにより、検出された
電力の逆潮流が、分散電源の連系に起因する逆潮流であ
るのか、または系統切換に起因する逆潮流であるのかを
判定することができる。
【0030】また分散電源の連系に起因する電力の逆潮
流が生じたときには、1タップのタップ切換を行うと、
SVRの二次側電圧は、1タップ分の電圧調整量に相当
する変化を示す。これに対し、系統切換に起因する電力
の逆潮流が生じているときには、タップ切換を行っても
SVRの二次側電圧は殆ど変化しない。
【0031】したがって、上記の判定は、SVRの二次
側の電圧がしきい値以上の変化を示すか否かを見ること
によっても行うことができる。
【0032】即ち、自動電圧調整器で電力方向継電器に
より電力の逆潮流が生じていることが検出されている状
態でタップ切換を行った際に、二次側の電圧がしきい値
以上の変化を示したときに、一次側が自系統の電源変電
所に接続されたままで二次側に分散電源が連系している
ことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、タ
ップ切換を行った際に二次側の電圧がしきい値以上の変
化を示さなかったときに、一次側が自系統の電源変電所
から切り離されて二次側が他系統の電源変電所に接続さ
れる系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が
生じていると判定するようにしてもよい。
【0033】上記のように、本発明では、タップ切換が
行われた際にSVRの一次側の電圧または二次側の電圧
が所定の変化を示すか否かを見ることにより、電力の逆
潮流の原因を判定する。本発明において、SVRの一次
側の電圧または二次側の電圧が、タップ切換により所定
の変化を示したか否かを見るためには、実際にタップ切
換の前後の一次側の電圧の変化分または二次側の電圧の
変化分を求めて、その変化分をしきい値と比較するよう
にしてもよく、タップ切換後の一次側電圧または二次側
の電圧の推定値を予め求めておいて、タップ切換後の電
圧と推定値との偏差がしきい値を超えているか否かを見
るようにしてもよい。
【0034】即ち、自動電圧調整器で電力方向継電器に
より電力の逆潮流が生じていることが検出されている状
態でタップ切換を行う際に、一次側が自系統の電源変電
所に接続されたままでそのタップ切換を行った場合の二
次側の推定電圧を求めておき、タップ切換後の二次側の
電圧と二次側の推定電圧との偏差がしきい値を超えてい
るときに、一次側が自系統の電源変電所から切り離され
て二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が
行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判
定し、タップ切換後の二次側の電圧と二次側の推定電圧
との偏差がしきい値未満であるときに、一次側が自系統
の電源変電所に接続されたままで二次側に分散電源が連
系していることに起因して電力の逆潮流が生じていると
判定するようにしてもよい。
【0035】また、自動電圧調整器で電力方向継電器に
より電力の逆潮流が生じていることが検出されている状
態でタップ切換を行う際に、一次側が自系統の電源変電
所に接続されたままでそのタップ切換を行った場合の一
次側の推定電圧を求めておき、タップ切換後の一次側の
電圧と一次側の推定電圧との偏差がしきい値を超えてい
るときに、一次側が自系統の電源変電所に接続されたま
まで二次側に分散電源が連系していることに起因して電
力の逆潮流が生じていると判定し、タップ切換後の一次
側の電圧と一次側の推定電圧との偏差がしきい値未満で
あるときに、一次側が自系統の電源変電所から切り離さ
れて二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換
が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると
判定するようにしてもよい。
【0036】また本発明は、タップ付きの調整変圧器
と、該調整変圧器の二次側の電圧を検出する計器用変圧
器と、調整変圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検
出する電力方向継電器と、計器用変圧器の出力に応じて
タップ切換指令を発生する電圧調整継電器と、タップ切
換指令に応じて調整変圧器のタップを切り換えるタップ
切換器と、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出さ
れたとき電圧調整継電器によるタップ切換指令を無効に
して調整変圧器のタップを指定されたタップに固定する
ようにタップ切換器に切換指令を与える指定タップ切換
回路とを備えた逆送時タップ固定形の配電用自動電圧調
整器に適用される。
【0037】このようなSVRに本発明を適用する場合
には、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出され
て、指定タップ切換回路からタップ切換器に与えられる
タップ切換指令によりタップ切換が行われた際に計器用
変圧器の出力電圧がしきい値以上の変化を示さなかった
ときには二次側が他系統の電源変電所に接続される系統
切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じてい
ると判定して指定タップ切換回路によるタップ切換を許
容し、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出され
て、指定タップ切換回路により最初のタップ切換が行わ
れた際に計器用変圧器の出力電圧がしきい値以上の変化
を示したときには、二次側に分散電源が連系しているこ
とに起因して電力の逆潮流が生じていると判定して、指
定タップ切換回路によるタップ切換を禁止する逆潮流時
タップ切換制御手段を設ける。
【0038】上記のようにSVRを構成すると、系統切
換に起因する電力の逆潮流が生じたときにはタップが指
定タップに固定される動作を許容して系統電圧が異常に
なるのを防止できる。また分散電源の連系に起因する電
力の逆潮流が生じたときには、タップが指定タップに固
定されるのを禁止して、電圧調整動作を継続させること
ができる。
【0039】本発明はまた、タップ付きの調整変圧器
と、該調整変圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検
出する電力方向継電器と、電力方向継電器により電力の
順潮流が検出されているときに調整変圧器の二次側の電
圧を検出し、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出
されているときに調整変圧器の一次側の電圧を検出する
電圧検出装置と、該電圧検出装置により検出される電圧
を目標電圧に近付けるようにタップ切換指令を発生する
電圧調整継電器と、タップ切換指令に応じて調整変圧器
のタップを切り換えるタップ切換器とを備えた完全逆送
形の配電用自動電圧調整器に適用される。
【0040】このようなSVRに本発明を適用する場合
には、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出されて
いる状態で電圧調整継電器からタップ切換器に与えられ
るタップ切換指令によりタップ切換が行われた際に電圧
検出装置により検出された調整変圧器の一次側の電圧が
しきい値以上の変化を示したときには二次側が他系統の
電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因
して電力の逆潮流が生じていると判定して電圧検出装置
が調整変圧器の一次側の電圧を引き続き検出するのを許
容し、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出されて
いる状態で電圧調整継電器からタップ切換器に与えられ
るタップ切換指令によりタップ切換が行われた際に電圧
検出装置により検出された一次側の電圧がしきい値以上
の変化を示さなかったときには、二次側に分散電源が連
系していることに起因して電力の逆潮流が生じていると
判定して電圧検出装置が調整変圧器の一次側の電圧を引
き続き検出するのを禁止して、以後は該電圧検出装置に
二次側の電圧を検出させるように制御する逆潮流時タッ
プ切換制御手段を設ける。
【0041】前記のような逆送時タップ固定形のSVR
に本発明を適用する場合には、自動電圧調整器で電力方
向継電器により電力の逆潮流が生じていることが検出さ
れている状態でタップ切換を行う際に、一次側が自系統
の電源変電所に接続されている状態でそのタップ切換を
行った場合の二次側の推定電圧を求めるとともに、タッ
プ切換後に計器用変圧器により検出される調整変圧器の
二次側の電圧と二次側の推定電圧との偏差がしきい値を
超えているときに、二次側が他系統の電源変電所に接続
される系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流
が生じていると判定して指定タップ切換回路によるタッ
プ切換を許容し、タップ切換後の調整変圧器の二次側の
電圧と二次側の推定電圧との偏差がしきい値未満である
ときには、二次側に分散電源が連系していることに起因
して電力の逆潮流が生じていると判定して、指定タップ
切換回路によるタップ切換を禁止する逆潮流時タップ切
換制御手段とを備えた構成とすることもできる。
【0042】完全逆送形のSVRに本発明を適用する場
合には、自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の
逆潮流が生じていることが検出されている状態でタップ
切換を行う際に、一次側が自系統の電源変電所に接続さ
れたままでそのタップ切換を行った場合の一次側の推定
電圧を求めるとともに、タップ切換後に電圧検出装置に
より検出される調整変圧器の一次側の電圧と一次側の推
定電圧との偏差がしきい値を超えているときに、二次側
に分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮流
が生じていると判定して、電圧検出装置が引き続き一次
側の電圧を検出するのを禁止して以後は該電圧検出装置
に二次側の電圧を検出させ、タップ切換後の調整変圧器
の一次側の電圧と一次側の推定電圧との偏差がしきい値
未満であるときには、二次側が他系統の電源変電所に接
続される系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮
流が生じていると判定して、電圧検出装置が調整変圧器
の一次側の電圧を引き続き検出するのを許容する逆潮流
時タップ切換制御手段とを備えた構成とすることもでき
る。
【0043】また逆送時タップ固定形のSVRに本発明
を適用する場合には、自動電圧調整器で電力方向継電器
により電力の逆潮流が生じていることが検出されている
状態でタップ切換を行う際に、計器用変圧器により検出
されるタップ切換前の調整変圧器の二次側の電圧とタッ
プ切換後に計器用変圧器により検出される調整変圧器の
二次側の電圧との偏差がしきい値未満であるときに二次
側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われ
たことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定して
指定タップ切換回路によるタップ切換を許容し、タップ
切換前の調整変圧器の二次側の電圧とタップ切換後の調
整変圧器の二次側の電圧との偏差がしきい値を超えてい
るときには、二次側に分散電源が連系していることに起
因して電力の逆潮流が生じていると判定して、指定タッ
プ切換回路によるタップ切換を禁止する逆潮流時タップ
切換制御手段とを備えた構成とすることができる。
【0044】また完全逆送形SVRに本発明を適用する
場合には、自動電圧調整器で電力方向継電器により電力
の逆潮流が生じていることが検出されている状態でタッ
プ切換を行う際に、電圧検出装置により検出されるタッ
プ切換前の調整変圧器の一次側の電圧とタップ切換後に
電圧検出装置により検出される調整変圧器の一次側の電
圧との偏差がしきい値未満であるときに二次側に分散電
源が連系していることに起因して電力の逆潮流が生じて
いると判定して、電圧検出装置が引き続き一次側の電圧
を検出するのを禁止して以後は該電圧検出装置に二次側
の電圧を検出させ、タップ切換前の調整変圧器の一次側
の電圧とタップ切換後の調整変圧器の一次側の電圧との
偏差がしきい値を超えているときには二次側が他系統の
電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因
して電力の逆潮流が生じていると判定して、電圧検出装
置が調整変圧器の一次側の電圧を引き続き検出するのを
許容する逆潮流時タップ切換制御手段とを備えた構成と
することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】SVRの一次側が電源に接続され
たままの状態で二次側に分散電源が連系したことにより
SVRで電力の逆潮流が生じている場合には、タップ切
換が行われたときにSVRの二次側の電圧はタップ切換
による電圧調整量(ほぼタップ電圧に等しい)に相当す
る分だけ変化するが、電源に接続されているSVRの一
次側の電圧は殆ど変化しない。
【0046】これに対し、SVRの一次側が電源から切
り離されて、二次側が他の系統に接続される系統切換が
行われたことにより電力の逆潮流が生じたときには、タ
ップ切換時にSVRの一次側の電圧はそのタップ切換に
よる電圧調整量に相当する分だけ変化するが、二次側の
電圧は殆ど変化しない。
【0047】図1は、本発明に係わる逆送時タップ固定
形のSVR1の構成を示したもので、同図において、2
はタップ付きの調整変圧器、5はタップ切換指令に応じ
て調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器、6は
変圧器2の二次側の電圧を検出する計器用変圧器、7は
調整変圧器の二次側の電流を検出する変流器、8は計器
用変圧器6の出力に応じてタップ切換指令を発生する電
圧調整継電器、9は計器用変圧器6の出力と変流器7の
出力とから電力の潮流の方向を検出する電力方向継電
器、10は、電力方向継電器9により電力の逆潮流が検
出されたときに電圧調整継電器8によるタップ切換指令
を無効にして調整変圧器2のタップを指定されたタップ
に固定するようにタップ切換器5に切換指令を与える指
定タップ切換回路であり、これらは図7に示した従来の
逆送時タップ固定形のSVRに設けられていたものと同
様に構成されている。
【0048】本発明に係わるSVR1では、更に逆潮流
時タップ切換制御手段20が設けられ、指定タップ切換
回路10が1タップのタップ切換動作を完了する毎に発
生するタップ切換完了検出信号が逆潮流時タップ切換制
御手段20に与えられている。
【0049】逆潮流時タップ切換制御手段20は、電力
方向継電器9が動作した後、指定タップ切換回路10か
ら1タップのタップ切換が完了したことを示す信号が発
生したときに、今回の電力の逆潮流が系統切換によるも
のか、二次側に分散電源が連系したことによるものかを
判定する逆潮流原因判定処理を行って、今回の逆潮流が
分散電源の連系に起因するものであると判定したとき
に、電力方向継電器9をロックする。
【0050】更に詳述すると、逆潮流時タップ切換制御
手段20は、電力方向継電器9が電力の逆潮流を検出す
る動作を行った後、指定タップ切換回路10からタップ
切換器5にタップ切換指令が与えられることにより行わ
れる1タップのタップ切換が完了した際に、計器用変圧
器6により検出される調整変圧器2の二次側の電圧が殆
ど変化しなかったために、この二次側の電圧がしきい値
以上の変化を示していないときには、今回の電力の逆潮
流が系統切換に起因するものであると判定して、電力方
向継電器9が指定タップ切換回路10に指令を与えるの
を許容し、指定タップ切換回路10がタップを指定タッ
プに切り換えて固定するのを許容する。従ってこのとき
は、動作モードがタップ固定モードとなり、タップが指
定タップに切り換えられて系統の電圧が異常になるのを
防止できる。
【0051】ここで、しきい値は、例えばタップ切換回
数が1回のときに逆潮流判定原因判定する場合には、タ
ップ電圧の電圧変動上限値と、タップ電圧から電圧変動
上限値を差し引いた値との間の値とする。
【0052】逆潮流時タップ切換制御手段20はまた、
SVR1で電力の逆潮流が生じて電力方向継電器9が動
作している状態で1タップのタップ切換が完了した際
に、計器用変圧器6により検出される調整変圧器2の二
次側の電圧がタップ電圧に相当する値に変化したため
に、この二次側の電圧がしきい値以上の変化を示してい
るときには、今回の電力の逆潮流が分散電源の連系によ
るものであると判定して電力方向継電器9をロックする
ことにより、該継電器9が指定タップ切換回路10にタ
ップ固定指令を与えるのを禁止し、指定タップ切換回路
10によるタップ切換を禁止する。その他の点は、図7
に示した従来のSVRと同様である。
【0053】上記のように、電力の逆潮流が検出された
ときに、調整変圧器2の二次側の電圧がしきい値以上の
変化を示すか否かを見ることにより、電力の逆潮流の原
因が分散電源の連系に起因するのか、または系統切換に
起因するのかを判定する逆潮流原因判定処理を行って、
電力の逆潮流が分散電源の連系に起因すると判定された
ときに、指定タップ切換回路10によるタップ切換を禁
止するようにすると、タップを指定タップに固定する動
作が行われるのを、系統切換により電力の逆潮流が生じ
た場合に限ることができ、分散電源の連系により電力の
逆潮流が生じたときに電圧調整動作が停止するのを防ぐ
ことができる。
【0054】図1に示したSVR1に設けられる逆潮流
時タップ切換制御手段20は、マイクロコンピュータを
用いて実現することができる。逆潮流時タップ切換制御
手段20をマイクロコンピュータを用いて実現する場合
に、電力方向継電器(67リレー)9が動作していると
き(SVRで電力の逆潮流が生じたことを検出している
とき)に行われる逆潮流原因判定処理のアルゴリズムを
示すフローチャートを図3に示した。
【0055】図3に示すアルゴリズムに従う場合には、
電力方向継電器(67リレー)9が動作している状態で
タップ切換指令が発生したときに、計器用変圧器6によ
り調整変圧器2(SVR1)の二次側の電圧を検出して
おき、調整用変圧器2の一次側が自系統の電源変電所に
接続されている状態でタップ切換が行われたとした場合
のタップ切換後の二次側の推定電圧V2sを演算する。タ
ップが昇圧側に切り換えられる場合、この二次側推定電
圧V2sは現在の二次側電圧とタップ電圧値を加算するこ
とにより求められる。またタップが降圧側に切り換えら
れる場合、二次側推定電圧V2sは現在の二次側電圧から
タップ電圧値を減算することにより求められる。
【0056】次いで、タップ切換が完了した後、計器用
変圧器6によりSVR1の二次側電圧V2 を検出し、該
二次側電圧V2 と二次側推定電圧V2sとの偏差がしきい
値Va を超えているか否かを判定する。その結果、二次
側電圧V2 が二次側推定電圧V2sに近い値にまで変化た
ために、二次側電圧V2 と二次側推定電圧V2sとの偏差
がしきい値未満である場合(タップ切換によりSVR1
の二次側の電圧がタップ電圧に相当する変化を示してい
る場合)には、分散電源に起因する電力の逆潮流が生じ
ていると判定する。またタップ切換により二次側電圧V
2 が殆ど変化しなかったために、二次側電圧V2 と二次
側推定電圧V2sとの偏差がしきい値Vaを超えている場
合(二次側電圧がタップ電圧に相当する値の変化を示し
ていない場合)には、系統切換に起因する電力の逆潮流
が生じていると判定する。
【0057】上記の逆潮流時タップ切換制御手段20
は、分散電源に起因する逆潮流が生じていると判定され
たときには、電力方向継電器9をロックすることによ
り、該継電器9が指定タップ切換回路10にタップ固定
指令を与えるのを禁止し、指定タップ切換回路10によ
るタップ切換を禁止する。また系統切換に起因する逆潮
流が生じていると判定されたときには、電力方向継電器
9をロックすることなく、タップを指定タップに固定す
る動作が行われるのを許容する。
【0058】図4は、図1に示したSVR1において、
逆潮流時タップ切換制御手段20をマイクロコンピュー
タを用いて実現する場合に行われる逆潮流原因判定処理
の他のアルゴリズムの例を示すフローチャートである。
このアルゴリズムに従う場合には、電力方向継電器が電
力の逆潮流を検出している状態でタップ切換指令が発生
した際に、SVR1の二次側電圧V2 ´を計器用変圧器
6により検出しておき、タップ切換が完了した後に検出
される二次側電圧V2 とタップ切換前の二次側電圧V2
´との偏差がしきい値Va を超えているか否かを判定す
る。その結果、タップ切換前の二次側電圧V2 ´とタッ
プ切換後の二次側電圧V2 との偏差がしきい値を超えて
いる場合(タップ切換によりSVR1の二次側の電圧が
タップ電圧に相当する値の変化を示しているとき)に
は、分散電源に起因する逆潮流が生じていると判定す
る。また二次側電圧V2 と二次側電圧V2 ´との偏差が
しきい値未満である場合(タップ切換によりSVR1の
二次側の電圧が殆ど変化を示していないとき)には、系
統切換に起因する逆潮流が生じていると判定する。
【0059】図2は、本発明に係わる完全逆送形のSV
R1´の構成を示したもので、同図において、2はタッ
プ付きの調整変圧器、6A及び6Bはそれぞれ変圧器2
の一次側の電圧及び二次側の電圧を検出する第1の計器
用変圧器及び第2の計器用変圧器、7は調整変圧器2の
二次側の電流を検出する変流器、9は第1の計器用変圧
器6Aの出力または第2の計器用変圧器6Bの出力と変
流器7の出力とから電力の潮流の方向を検出する電力方
向継電器、11は電力方向継電器9により調整変圧器2
の一次側から二次側に電力の潮流が生じていることが検
出されているときに第2の計器用変圧器6Bの出力を選
択し、電力方向継電器9により調整変圧器2の二次側か
ら一次側に電力の逆潮流が生じていることが検出されて
いるときに第1の計器用変圧器6Aの出力を選択する計
器用変圧器切換回路、8は計器用変圧器切換回路11に
より選択された計器用変圧器の出力に応じてタップ切換
指令を発生する電圧調整継電器、5はタップ切換指令に
応じて調整変圧器2のタップを切り換えるタップ切換器
である。この例では、第1及び第2の計器用変圧器6A
及び6Bと、計器用変圧器切換回路11とにより、電力
方向継電器により電力の逆潮流が検出されているときに
調整変圧器の一次側の電圧を検出する電圧検出装置が構
成されている。
【0060】本発明においては、電力方向継電器9によ
り電力の逆潮流が検出されている状態で電圧調整継電器
8からタップ切換器5に与えられるタップ切換指令によ
り1タップのタップ切換が行われた際に、逆潮流原因判
定処理を行って、その逆潮流がSVR1´の二次側に分
散電源が連系したことによると判定したときに電力方向
継電器9をロックするようにした逆潮流時タップ切換制
御手段21が設けられている。
【0061】更に詳述すると、図示の逆潮流時タップ切
換制御手段21は、電力方向継電器9が動作している状
態でタップ切換が完了した際に、第1の計器用変圧器6
Aにより検出される調整変圧器2の一次側の電圧電圧
が、タップ電圧に相当する値に変化したために、この一
次側の電圧がしきい値以上の変化を示しているときに、
今回の電力の逆潮流が系統切換によるものであると判定
して、計器用変圧器切換回路11が第1の計器用変圧器
6Aの出力を選択して電圧調整継電器8に与えるのを許
容し、電力方向継電器により電力の逆潮流が検出されて
いる状態でタップ切換が完了した際に、第1の計器用変
圧器6Aの出力電圧が殆ど変化しなかったために、この
一次側の電圧がしきい値以上の変化を示していないとき
には、分散電源の連系によるものであると判定して、電
力方向継電器9をロックすることにより計器用変圧器切
換回路11が第1の計器用変圧器6Aの出力を選択する
のを禁止して該切換回路11に第2の計器用変圧器6B
の出力を選択させるように制御する。その他の点は図5
に示した従来の完全逆送形のSVR1´と同様に構成さ
れている。
【0062】図2に示したSVR1´に設けられる逆潮
流時タップ切換制御手段21もマイクロコンピュータを
用いて実現することができる。この逆潮流時タップ切換
制御手段21をマイクロコンピュータを用いて実現する
場合に、電力方向継電器(67リレー)9が動作したと
きに行われる逆潮流原因判定処理のアルゴリズムを示す
フローチャートの一例を図5に示した。
【0063】図5に示すアルゴリズムに従う場合には、
電力方向継電器9が動作している状態でタップ切換指令
が発生したときに、計器用変圧器6により調整変圧器2
(SVR1´)の一次側の電圧を検出しておき、調整用
変圧器2の一次側が自系統の電源変電所に接続されてい
る状態でタップ切換が行われたとした場合のタップ切換
後の一次側の推定電圧V1sを演算する。タップが昇圧側
に切り換えられる場合、この一次側推定電圧V1sは現在
の一次側電圧とタップ電圧値を加算することにより求め
られる。またタップが降圧側に切り換えられる場合、一
次側推定電圧V1sは現在の一次側電圧からタップ電圧値
を減算することにより求められる。
【0064】次いで、タップ切換が完了した後、計器用
変圧器6によりSVR1´の一次側電圧V1 を検出し、
該一次側電圧V1 と一次側推定電圧V1sとの偏差がしき
い値Va を超えているか否かを判定する。その結果、一
次側電圧V1 が一次側推定電圧V1sに近い値にまで変化
したために、一次側電圧V1 と一次側推定電圧V1sとの
偏差がしきい値未満である場合(タップ切換によりSV
R1´の一次側電圧がタップ電圧に相当する変化を示し
ている場合)には、系統切換に起因する電力の逆潮流が
生じていると判定する。またタップ切換により一次側電
圧V1 が殆ど変化しなかったために、一次側電圧V1 と
一次側推定電圧V1sとの偏差がしきい値Va を超えてい
る場合(一次側電圧がタップ電圧に相当する値の変化を
示していない場合)には、分散電源の連系に起因する電
力の逆潮流が生じていると判定する。
【0065】系統切換に起因する逆潮流が生じていると
判定されたときには、計器用変圧器切換回路11が第1
の計器用変圧器6Aの出力を選択して電圧調整継電器8
に与えるのを許容する。このとき電圧調整継電器8は、
SVRの一次側の電圧を目標電圧に近付けるようにタッ
プ切換器5にタップ切換指令を与える。また分散電源の
連系に起因する逆潮流が生じていると判定されたときに
は、計器用変圧器切換回路11が第1の計器用変圧器6
Aの出力を選択して電圧調整継電器8に与えるのを禁止
して、以後該切換回路11に第2の計器用変圧器6Bの
出力を選択させて、調整変圧器の二次側の電圧の検出値
を電圧調整継電器8に与える。このとき電圧調整継電器
8は、調整変圧器の二次側の電圧を目標電圧に近付ける
ようにタップ切換指令を発生する。
【0066】図6は、図2に示したSVR1´におい
て、逆潮流時タップ切換制御手段21をマイクロコンピ
ュータを用いて実現する場合に、電力方向継電器(67
リレー)9が動作しているときに行われる逆潮流原因判
定処理のアルゴリズムの他の例を示すフローチャートを
図6に示した。図6に示したアルゴリズムによる場合に
は、電力の逆潮流が検出されている状態でタップ切換指
令が発生した際に、SVR1´の一次側電圧V1 ´を計
器用変圧器6により検出しておき、タップの切換が完了
した後に検出される一次側電圧V1 とタップ切換前の一
次側電圧V1 ´との偏差がしきい値Va を超えているか
否かを判定する。その結果、タップ切換前の一次側電圧
V1 ´とタップ切換後の一次側電圧V1 との偏差がしき
い値を超えている場合(タップ切換によりSVR1´の
一次側の電圧がタップ電圧に相当する値の変化を示して
いるとき)には、系統切換に起因する逆潮流が生じてい
ると判定する。また一次側電圧V1 と一次側電圧V1 ´
との偏差がしきい値未満である場合(タップ切換により
SVR1´の一次側の電圧が殆ど変化を示していないと
き)には、分散電源の連系に起因する逆潮流が生じてい
ると判定する。
【0067】上記の例では、電力の逆潮流が検出されて
いる状態でタップ切換の際の調整変圧器2の一次側の電
圧または二次側の電圧の変化を見ることにより、逆潮流
の原因を判定するようにしたが、一次側の電圧の変化及
び二次側の電圧の変化の双方を見ることにより、逆潮流
の原因を判定するようにしてもよい。このように構成す
ると、逆潮流の原因の判定をより確実に行うことができ
る。
【0068】本発明に係わる電力逆潮流原因判定方法
は、電力方向継電器により電力の逆潮流が生じたことが
検出されている状態で線路電圧が目標電圧からずれてタ
ップ切換が行われるの待って行うようにしてもよく、電
力方向継電器により電力の逆潮流が生じたことが検出さ
れている状態でその原因判定のためにわざとタップ切換
を行わせて、そのタップ切換の際に行うようにしてもよ
い。この場合、複数タップを切換えるようにしてもよ
い。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わる逆潮流原
因判定方法によれば、SVRで電力の逆潮流が生じたこ
とが検出されている状態で該SVRの一次側または二次
側の電圧の変化から、その電力の逆潮流が系統切換に起
因するものであるのか、分散電源の連系に起因するもの
であるのかを判定するようにしたので、各自動電圧調整
器の自端で電力の逆潮流の原因を判定できる利点があ
る。
【0070】更に本発明に係わる配電用自動電圧調整器
によれば、電力の逆潮流が生じているときにその原因を
判定して、分散電源の連系に起因する逆潮流が生じてい
ると判定したときには、動作モードの切換を行わないよ
うにしたので,分散電源に起因する逆潮流が生じたとき
に電圧調整動作が停止するのを防ぐことができる。また
系統切換に起因する逆潮流が生じていると判定したとき
には、動作モードをタップ固定モードまたは一次側電圧
調整モードに切り換えるようにしたので、系統の電圧が
異常に低下したり、上昇したりするのを防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した逆送時タップ固定形のSVR
の構成例を示した回路図である。
【図2】本発明を適用した完全逆送形のSVRの構成例
を示した回路図である。
【図3】図1に示したSVRにおいて、電力の逆潮流が
検出されている状態でタップ切換が行われる際に実行さ
れる逆潮流原因判定処理のアルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
【図4】図1に示したSVRにおいて、電力の逆潮流が
検出されている状態でタップ切換が行われる際に実行さ
れる逆潮流原因判定処理の他のアルゴリズムを示すフロ
ーチャートである。
【図5】図2に示したSVRにおいて、電力の逆潮流が
検出されている状態でタップ切換が行われる際に実行さ
れる逆潮流原因判定処理のアルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
【図6】図2に示したSVRにおいて、電力の逆潮流が
検出されている状態でタップ切換が行われる際に実行さ
れる逆潮流原因判定処理の他のアルゴリズムを示すフロ
ーチャートである。
【図7】従来の逆送時タップ固定形のSVRの構成例を
示した回路図である。
【図8】従来の完全逆送形のSVRの構成例を示した回
路図である。
【符号の説明】
1…逆送時タップ固定形のSVR、1´…完全逆送形の
SVR、2…調整変圧器、3…一次側配電線、4…二次
側配電線、5…タップ切換器、6…計器用変圧器、6A
…第1の計器用変圧器、6B…第2の計器用変圧器、7
…変流器、8…電圧調整継電器、9…電力方向継電器、
10…指定タップ切換回路、11…計器用変圧器切換回
路、20,21…逆潮流時タップ切換制御手段。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行った際に、前記一次側の電圧がしきい値以上の変化
    を示したときに、前記一次側が自系統の電源変電所から
    切り離されて二次側が他系統の電源変電所に接続される
    系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じ
    ていると判定し、 前記電力の逆潮流が検出されている状態で前記タップ切
    換を行った際に、前記一次側の電圧が前記しきい値以上
    の変化を示さなかったときには、前記一次側が自系統の
    電源変電所に接続されたままで二次側に分散電源が連系
    していることに起因して電力の逆潮流が生じていると判
    定することを特徴とする配電用自動電圧調整器の電力逆
    潮流原因判定方法。
  2. 【請求項2】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行った際に、前記二次側の電圧がしきい値以上の変化
    を示したときに、前記一次側が自系統の電源変電所に接
    続されたままで二次側に分散電源が連系していることに
    起因して電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記電力の逆潮流が検出されている状態で前記タップ切
    換を行った際に、前記二次側の電圧が前記しきい値以上
    の変化を示さなかったときには、前記一次側が自系統の
    電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電源変電
    所に接続される系統切換が行われたことに起因して電力
    の逆潮流が生じていると判定することを特徴とする配電
    用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  3. 【請求項3】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記一次側が自系統の電源変電所に接続さ
    れたままでそのタップ切換を行った場合の前記二次側の
    推定電圧を求めておき、 前記タップ切換後の二次側の電圧と前記二次側の推定電
    圧との偏差がしきい値を超えているときに、前記一次側
    が自系統の電源変電所から切り離されて二次側が他系統
    の電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起
    因して電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記タップ切換後の二次側の電圧と前記二次側の推定電
    圧との偏差がしきい値未満であるときに、前記一次側が
    自系統の電源変電所に接続されたままで二次側に分散電
    源が連系していることに起因して電力の逆潮流が生じて
    いると判定することを特徴とする配電用自動電圧調整器
    の電力逆潮流原因判定方法。
  4. 【請求項4】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記一次側が自系統の電源変電所に接続さ
    れたままでそのタップ切換を行った場合の前記一次側の
    推定電圧を求めておき、 前記タップ切換後の前記一次側の電圧と前記一次側の推
    定電圧との偏差がしきい値を超えているときに、前記一
    次側が自系統の電源変電所に接続されたままで二次側に
    分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮流が
    生じていると判定し、 前記タップ切換後の一次側の電圧と前記一次側の推定電
    圧との偏差がしきい値未満であるときに、前記一次側が
    自系統の電源変電所から切り離されて二次側が他系統の
    電源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因
    して電力の逆潮流が生じていると判定することを特徴と
    する配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  5. 【請求項5】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際にタップ切換前の前記二次側の電圧を検出して
    おき、 タップ切換後の前記二次側の電圧を検出して、タップ切
    換後の二次側の電圧と前記タップ切換前の二次側の電圧
    との偏差がしきい値未満であるときに、前記一次側が自
    系統の電源変電所から切り離されて二次側が他系統の電
    源変電所に接続される系統切換が行われたことに起因し
    て電力の逆潮流が生じていると判定し、 前記タップ切換後の二次側の電圧と前記タップ切換前の
    二次側の電圧との偏差がしきい値を超えているときに、
    前記一次側が自系統の電源変電所に接続されたままで二
    次側に分散電源が連系していることに起因して電力の逆
    潮流が生じていると判定することを特徴とする配電用自
    動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  6. 【請求項6】 配電系統に設置された配電用自動電圧調
    整器で二次側から一次側に電力の逆潮流が生じたとき
    に、該電力の逆潮流の原因を判定する配電用自動電圧調
    整器の電力逆潮流原因判定方法であって、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、タップ切換前の前記一次側の電圧を検出し
    ておき、 タップ切換後の前記一次側の電圧を検出して、タップ切
    換後の一次側の電圧と前記タップ切換前の一次側の電圧
    との偏差がしきい値未満であるときに、前記一次側が自
    系統の電源変電所に接続されたままで二次側に分散電源
    が連系していることに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定し、 タップ切換後の前記一次側の電圧と前記タップ切換前の
    一次側の電圧との偏差がしきい値を超えているときに、
    前記一次側が自系統の電源変電所から切り離されて二次
    側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行われ
    たことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定する
    ことを特徴とする配電用自動電圧調整器の電力逆潮流原
    因判定方法。
  7. 【請求項7】 タップ切換回数が1回のときに前記逆潮
    流の原因を判定する場合には、前記しきい値を、タップ
    電圧の電圧変動上限値と、前記タップ電圧から前記電圧
    変動上限値を差し引いた値との間の値に設定することを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の配
    電用自動電圧調整器の電力逆潮流原因判定方法。
  8. 【請求項8】 タップ付きの調整変圧器と、前記調整変
    圧器の二次側の電圧を検出する計器用変圧器と、前記調
    整変圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電
    力方向継電器と、前記計器用変圧器の出力に応じてタッ
    プ切換指令を発生する電圧調整継電器と、前記タップ切
    換指令に応じて前記調整変圧器のタップを切り換えるタ
    ップ切換器と、前記電力方向継電器により電力の逆潮流
    が検出されたとき前記電圧調整継電器によるタップ切換
    指令を無効にして前記調整変圧器のタップを指定された
    タップに固定するように前記タップ切換器に切換指令を
    与える指定タップ切換回路とを備えた逆送時タップ固定
    形の配電用自動電圧調整器において、 前記電力方向継電器により電力の逆潮流が検出されて、
    前記指定タップ切換回路から前記タップ切換器に与えら
    れるタップ切換指令によりタップ切換が行われた際に前
    記計器用変圧器の出力電圧がしきい値以上の変化を示さ
    なかったときには、前記二次側が他系統の電源変電所に
    接続される系統切換が行われたことに起因して電力の逆
    潮流が生じていると判定して前記指定タップ切換回路に
    よるタップ切換を許容し、前記電力方向継電器により電
    力の逆潮流が検出されて、前記指定タップ切換回路によ
    りタップ切換が行われた際に前記計器用変圧器の出力電
    圧がしきい値以上の変化を示したときには、前記二次側
    に分散電源が連系していることに起因して電力の逆潮流
    が生じていると判定して、前記指定タップ切換回路によ
    るタップ切換を禁止する逆潮流時タップ切換制御手段を
    備えたことを特徴とする配電用自動電圧調整器。
  9. 【請求項9】 タップ付きの調整変圧器と、該調整変圧
    器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電力方向
    継電器と、前記電力方向継電器により電力の順潮流が検
    出されているときに前記調整変圧器の二次側の電圧を検
    出し、前記電力方向継電器により電力の逆潮流が検出さ
    れているときに前記調整変圧器の一次側の電圧を検出す
    る電圧検出装置と、前記電圧検出装置により検出される
    電圧を目標電圧に近付けるようにタップ切換指令を発生
    する電圧調整継電器と、前記タップ切換指令に応じて前
    記調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器とを備
    えた完全逆送形の配電用自動電圧調整器において、 前記電力方向継電器により電力の逆潮流が検出されてい
    る状態で前記電圧調整継電器から前記タップ切換器に与
    えられるタップ切換指令によりタップ切換が行われた際
    に前記電圧検出装置により検出された前記調整変圧器の
    一次側の電圧がしきい値以上の変化を示したときには、
    前記二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換
    が行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると
    判定して前記電圧検出装置が前記調整変圧器の一次側の
    電圧を引き続き検出するのを許容し、前記電力方向継電
    器により電力の逆潮流が検出されている状態で前記電圧
    調整継電器から前記タップ切換器に与えられるタップ切
    換指令によりタップ切換が行われた際に前記電圧検出装
    置により検出された一次側の電圧がしきい値以上の変化
    を示さなかったときには、前記二次側に分散電源が連系
    していることに起因して電力の逆潮流が生じていると判
    定して、前記電圧検出装置が前記調整変圧器の一次側の
    電圧を引き続き検出するのを禁止して、以後は該電圧検
    出装置に二次側の電圧を検出させるように制御する逆潮
    流時タップ切換制御手段を備えたことを特徴とする配電
    用自動電圧調整器。
  10. 【請求項10】 タップ付きの調整変圧器と、前記変圧
    器の二次側の電圧を検出する計器用変圧器と、前記調整
    変圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電力
    方向継電器と、前記計器用変圧器の出力に応じてタップ
    切換指令を発生する電圧調整継電器と、前記タップ切換
    指令に応じて前記調整変圧器のタップを切り換えるタッ
    プ切換器とを備え、前記電力方向継電器により電力の逆
    潮流が検出されたときには前記電圧調整継電器によるタ
    ップ切換指令を無効にして調整変圧器のタップを指定さ
    れたタップに固定するように前記タップ切換器に切換指
    令を与える指定タップ切換回路とを備えた逆送時タップ
    固定形の配電用自動電圧調整器において、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記一次側が自系統の電源変電所に接続さ
    れている状態でそのタップ切換を行った場合の前記二次
    側の推定電圧を求めるとともに、タップ切換後に前記計
    器用変圧器により検出される前記調整変圧器の二次側の
    電圧と前記二次側の推定電圧との偏差がしきい値を超え
    ているときに、前記二次側が他系統の電源変電所に接続
    される系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流
    が生じていると判定して前記指定タップ切換回路による
    タップ切換を許容し、前記タップ切換後の調整変圧器の
    二次側の電圧と前記二次側の推定電圧との偏差がしきい
    値未満であるときには、前記二次側に分散電源が連系し
    ていることに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
    して、前記指定タップ切換回路によるタップ切換を禁止
    する逆潮流時タップ切換制御手段と、 を備えたことを特徴とする配電用自動電圧調整器。
  11. 【請求項11】 タップ付きの調整変圧器と、該調整変
    圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電力方
    向継電器と、前記電力方向継電器により電力の順潮流が
    検出されているときに前記調整変圧器の二次側の電圧を
    検出し、前記電力方向継電器により電力の逆潮流が検出
    されているときに前記変圧器の一次側の電圧を検出する
    電圧検出装置と、前記電圧検出装置により検出される電
    圧を目標電圧に近付けるようにタップ切換指令を発生す
    る電圧調整継電器と、前記タップ切換指令に応じて前記
    調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器とを備え
    た完全逆送形の配電用自動電圧調整器において、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記一次側が自系統の電源変電所に接続さ
    れたままでそのタップ切換を行った場合の一次側の推定
    電圧を求めるとともに、タップ切換後に前記電圧検出装
    置により検出される前記調整変圧器の一次側の電圧と前
    記一次側の推定電圧との偏差がしきい値を超えていると
    きに、前記二次側に分散電源が連系していることに起因
    して電力の逆潮流が生じていると判定して、前記電圧検
    出装置が引き続き一次側の電圧を検出するのを禁止して
    以後は該電圧検出装置に二次側の電圧を検出させ、前記
    タップ切換後の調整変圧器の一次側の電圧と前記一次側
    の推定電圧との偏差がしきい値未満であるときには、前
    記二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が
    行われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判
    定して、前記電圧検出装置が前記調整変圧器の一次側の
    電圧を引き続き検出するのを許容する逆潮流時タップ切
    換制御手段と、 を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器。
  12. 【請求項12】 タップ付きの調整変圧器と、前記変圧
    器の二次側の電圧を検出する計器用変圧器と、前記調整
    変圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電力
    方向継電器と、前記計器用変圧器の出力に応じてタップ
    切換指令を発生する電圧調整継電器と、前記タップ切換
    指令に応じて前記調整変圧器のタップを切り換えるタッ
    プ切換器とを備え、前記電力方向継電器により電力の逆
    潮流が検出されたときには前記電圧調整継電器によるタ
    ップ切換指令を無効にして調整変圧器のタップを指定さ
    れたタップに固定するように前記タップ切換器に切換指
    令を与える指定タップ切換回路とを備えた逆送時タップ
    固定形の配電用自動電圧調整器において、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記計器用変圧器により検出されるタップ
    切換前の調整変圧器の二次側の電圧と前記タップ切換後
    に前記計器用変圧器により検出される前記調整変圧器の
    二次側の電圧との偏差がしきい値未満であるときに前記
    二次側が他系統の電源変電所に接続される系統切換が行
    われたことに起因して電力の逆潮流が生じていると判定
    して前記指定タップ切換回路によるタップ切換を許容
    し、前記タップ切換前の調整変圧器の二次側の電圧と前
    記タップ切換後の調整変圧器の二次側の電圧との偏差が
    しきい値を超えているときには、前記二次側に分散電源
    が連系していることに起因して電力の逆潮流が生じてい
    ると判定して、前記指定タップ切換回路によるタップ切
    換を禁止する逆潮流時タップ切換制御手段と、 を備えたことを特徴とする配電用自動電圧調整器。
  13. 【請求項13】 タップ付きの調整変圧器と、該調整変
    圧器を通して流れる電力の潮流の方向を検出する電力方
    向継電器と、前記電力方向継電器により電力の順潮流が
    検出されているときに前記調整変圧器の二次側の電圧を
    検出し、前記電力方向継電器により電力の逆潮流が検出
    されているときに前記変圧器の一次側の電圧を検出する
    電圧検出装置と、前記電圧検出装置により検出される電
    圧を目標電圧に近付けるようにタップ切換指令を発生す
    る電圧調整継電器と、前記タップ切換指令に応じて前記
    調整変圧器のタップを切り換えるタップ切換器とを備え
    た完全逆送形の配電用自動電圧調整器において、 前記自動電圧調整器で電力方向継電器により電力の逆潮
    流が生じていることが検出されている状態でタップ切換
    を行う際に、前記電圧検出装置により検出されるタップ
    切換前の前記調整変圧器の一次側の電圧と前記タップ切
    換後に前記電圧検出装置により検出される前記調整変圧
    器の一次側の電圧との偏差がしきい値未満であるときに
    前記二次側に分散電源が連系していることに起因して電
    力の逆潮流が生じていると判定して、前記電圧検出装置
    が引き続き一次側の電圧を検出するのを禁止して以後は
    該電圧検出装置に二次側の電圧を検出させ、前記タップ
    切換前の調整変圧器の一次側の電圧と前記タップ切換後
    の調整変圧器の一次側の電圧との偏差がしきい値を超え
    ているときには前記二次側が他系統の電源変電所に接続
    される系統切換が行われたことに起因して電力の逆潮流
    が生じていると判定して、前記電圧検出装置が前記調整
    変圧器の一次側の電圧を引き続き検出するのを許容する
    逆潮流時タップ切換制御手段と、 を具備したことを特徴とする配電用自動電圧調整器。
  14. 【請求項14】 タップ切換回数が1回のときに前記逆
    潮流の原因を判定する場合には、前記しきい値を、タッ
    プ電圧の電圧変動上限値と、前記タップ電圧から前記電
    圧変動上限値を差し引いた値との間の値に設定すること
    を特徴とする請求項8ないし13のいずれか1つに記載
    の配電用自動電圧調整器。
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