JP2001189501A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2001189501A
JP2001189501A JP2000000375A JP2000000375A JP2001189501A JP 2001189501 A JP2001189501 A JP 2001189501A JP 2000000375 A JP2000000375 A JP 2000000375A JP 2000000375 A JP2000000375 A JP 2000000375A JP 2001189501 A JP2001189501 A JP 2001189501A
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piezoelectric transformer
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piezoelectric
voltage
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JP2000000375A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakatsuka
宏 中塚
Takeshi Yamaguchi
健 山口
Katsu Takeda
克 武田
Kojiro Okuyama
浩二郎 奥山
Katsunori Moritoki
克典 守時
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧の出力に対して安定した過電圧保護を
行うのに適した構造を有する信頼性の高い圧電トランス
を提供する。 【解決手段】 圧電体層と電極層が交互に積層された圧
電トランスであって、前記圧電トランスの長手方向の第
1の部分領域における厚み方向一方の表面に形成された
第1の電極10と、第1の部分領域とは異なる第2の部
分領域における厚み方向一方の表面に形成された第2の
電極12と、第1および第2の部分領域における厚み方
向他方の表面に、第1および第2の電極と対向して形成
された第3の電極11とを備え、第1の電極に入力され
た電圧を昇圧して第2の電極から出力すると共に、第3
の電極から出力に比例した電圧を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極管点灯装置
やDC−DCコンバータ等の高電圧発生装置に用いられ
る積層型の圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】図9に、従来の圧電トランスの1つであ
るローゼン型圧電トランスの構造を示す。この圧電トラ
ンスは、電磁トランスに比べて小型化が図れ、不燃性で
あり、電磁誘導によるノイズを出さないなどの長所を有
している。1で示す部分が圧電トランスの低インピーダ
ンス部であり、昇圧用として用いる場合の入力部とな
る。低インピーダンス部1は、厚み方向Aに分極が施さ
れており、厚み方向の主面に電極3U、3Dが配置され
ている。一方、2で示す部分は高インピーダンス部であ
り、昇圧用として用いる場合の出力部となる。高インピ
ーダンス部2は、長手方向Bに分極が施されており、長
手方向の端面に電極4が配置されている。
【0003】次に、この圧電トランスの動作について説
明する。入力部の電極3U、3Dに電圧が印加される
と、逆圧電効果により、電気エネルギーが機械エネルギ
ーに変換され、長手方向の縦振動が励振される。このと
きのエネルギー比が電気機械結合係数k31である。圧
電トランスの駆動周波数が、長手方向縦振動の1次モー
ドや2次モードにおける共振周波数の近傍に設定される
と、出力部2にも大きな機械振動が発生する。出力部2
では、圧電効果により、機械エネルギーが電気エネルギ
ーに変換され、電圧が発生する。このときのエネルギー
比が電気機械結合係数k33である。このとき出力部2
では分極方向が長さ方向であり、その長さは厚みに比べ
て大きいので、電極4からは高電圧を容易に得ることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のローゼン型圧電
トランスの出力電圧の過電圧制御では、圧電トランスの
出力端に分圧抵抗を接続し、その分圧抵抗により分圧し
た電圧を検出して制御を行っていた。
【0005】しかしながら、従来の過電圧保護は、出力
端における高電圧を分圧し、その分圧した電圧をフィー
ドバックするため、分圧抵抗の抵抗値を小さくすると、
圧電トランスの出力負荷が小さくなり、例えば、圧電ト
ランスにより駆動される冷陰極管の点灯に必要な昇圧比
を得ることができなくなる、また、分圧抵抗により不要
な電流を消費してしまう等の問題から、分圧抵抗の抵抗
値を十分大きな値にする必要があった。その結果、抵抗
値のバラツキ、基板との寄生容量等に起因して、分圧抵
抗により正確な検出電圧を得ることができなくなり、過
電圧保護回路が誤動作する恐れがあった。
【0006】また、冷陰極管の点灯に必要な電圧が高く
なると、フィードバック用の分圧抵抗にかかる電圧も非
常に大きくなる。そのため、安全規格上、回路基板にお
いて十分な沿面距離を取らざるをえなくなり、それによ
り回路が大型化してしまうなどの問題点があった。
【0007】また、特開平9−9640号公報には、図
10に示すように、負荷RLに流れる電流ILを電流検
出手段168により検出し、この検出結果を輝度設定電
圧V1と比較し、比較結果である誤差電圧を積分器16
2によりフィルタリングすると共に位相補償を行い、V
−Fコンバータ163により電圧/周波数変換を行い、
駆動手段167により圧電トランス161を駆動して、
負荷RLの電流制御を行う駆動装置が開示されている。
この駆動装置において、過電圧保護回路の誤動作を防ぐ
ため、圧電トランス161の出力に、負荷RLと並列に
サージクランパ169を接続するという構成をとってい
る。しかしながら、この場合においても、2次側の高電
圧部からの出力をフィードバックするため、回路基板上
で高圧ラインを引き回す必要がでてくる。その結果、浮
遊容量による誤動作の可能性や沿面距離を十分に取れな
い等の問題点もでてくる。
【0008】さらに、特開平11−68185号公報に
は、圧電トランスの1次側積層部の一部を帰還電極とし
て用いることが提案されている。図11(a)および図
11(b)はそれぞれ、この圧電トランスの構造を示す
斜視図および正面図である。
【0009】図11において、圧電トランスはPZT等
の圧電性を示す圧電材料からなり、1次電極に印加され
た電圧は昇圧比倍され2次側電極から取り出される。1
25は低インピーダンス部であり、121U、121D
は1次側電極である。126は高インピーダンス部であ
り、2次側電極122は高インピーダンス部126の端
面に設けられる。なお、他方の2次側電極は1次側電極
121Uと共用している。また、低インピーダンス部1
25の厚み方向の一部に設けた123Dはセンサ電極の
うちの一方の電極である。尚、センサ電極の他方の電極
は、1次側電極121Uと共用している。
【0010】この圧電トランスは、低インピーダンス部
125に設けた1次側電極121U、121D、圧電ト
ランスの端面に設けた電極122、およびセンサ電極1
23Dから電気接続をとる。しかしながら、センサ電極
123Dからの出力は、圧電トランスの駆動回路を簡略
化する目的で使用されるため、圧電トランスの振動を制
御するという問題の対策には不十分であった。
【0011】また、圧電トランスの1次および2次側電
極とは別個に設けたセンサ電極を用いて、圧電トランス
の過電圧制御を行うことで、低電圧で圧電トランスの出
力電圧を制御することも考えられる。このように、セン
サ電極を用いた場合、圧電トランスの振動をセンサ電極
により検出し過電圧制御を行うため、不要振動をできる
だけ励振しないで駆動を行う必要があるが、容易に高次
の振動を検出することができる構造のため、過電圧保護
回路が誤動作する原因となってしまう。
【0012】したがって、本発明の目的は、入力電圧を
昇圧して出力電圧を得る圧電トランスにおいて、安定し
た過電圧保護に適した構造を有する信頼性の高い圧電ト
ランスを提供すると共に、この圧電トランスを用いるこ
とで、回路を小型化および高効率化することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明の第1の圧電トランスは、圧電体層と電極層
が交互に積層された圧電トランスであって、前記圧電ト
ランスの長手方向の第1の部分領域における厚み方向一
方の表面に形成された第1の電極と、前記第1の部分領
域とは異なる第2の部分領域における厚み方向一方の前
記表面に形成された第2の電極と、前記第1および第2
の部分領域における厚み方向他方の表面に、前記第1お
よび第2の電極と対向して形成された第3の電極とを備
え、前記第1の電極に入力された電圧を昇圧して前記第
2の電極から出力すると共に、前記第3の電極から出力
に比例した電圧を取り出すことを特徴とする。
【0014】前記の目的を達成するため、本発明の第2
の圧電トランスは、厚み方向に分極された圧電体と内部
電極とを厚み方向に交互に積層してなる低インピーダン
ス部と、単層もしくは複数層の圧電体と内部電極からな
り、前記低インピーダンス部と同厚の高インピーダンス
部を長手方向に一体的に連結してなる圧電トランスであ
って、前記低インピーダンス部における厚み方向一方の
表面に形成された第1の電極と、前記高インピーダンス
部における厚み方向一方の前記表面に形成された第2の
電極と、前記低インピーダンス部および高インピーダン
ス部における厚み方向他方の表面に、前記第1および第
2の電極と対向して形成された第3の電極とを備え、前
記第1の電極に入力された電圧を昇圧して前記第2の電
極から出力すると共に、前記第3の電極から出力に比例
した電圧を取り出すことを特徴とする。
【0015】前記第1および第2の圧電トランスにおい
て、前記第3の電極は、前記厚み方向他方の表面の全面
に形成されることが好ましい。
【0016】または、前記第1および第2の圧電トラン
スにおいて、前記第3の電極は、前記厚み方向他方の表
面の所定領域に形成され、前記圧電トランスの幅方向に
対して非対称に形成されることが好ましい。
【0017】また、前記第1および第2の圧電トランス
は、半波長が圧電トランスの全長に等しい長手方向縦振
動1次モードの交流電圧で駆動されることが好ましい。
【0018】さらに、前記第1および第2の電極のそれ
ぞれを外部に接続する導線を前記圧電トランスの長手方
向の中心付近に配置することが好ましい。
【0019】前記第2の圧電トランスにおいて、前記第
3の電極は、前記低インピーダンス部の所定領域と前記
高インピーダンス部の所定領域に同厚で厚み方向に形成
されることが好ましい。
【0020】さらに、前記第3の電極の分極方向が互い
に逆向きであることが好ましい。
【0021】また、前記第1および第2の圧電トランス
は、1波長が圧電トランスの全長に等しい長手方向縦振
動2次モードの交流電圧で駆動されることが好ましい。
【0022】さらに、前記第1および第2の電極のそれ
ぞれを外部に接続する導線を前記圧電トランスの長手方
向の中心付近に配置することが好ましい。
【0023】また、前記第1および第2の圧電トランス
において、前記圧電トランスの厚み方向で前記第3の電
極に隣接し対向する電極を接地電極とすることが好まし
い。
【0024】前記の目的を達成するため、本発明の第3
の圧電トランスは、単層の、もしくは分極方向が互い違
いになるよう長手方向に沿って積層した複数層の圧電体
層と、前記圧電体層間に介在させた内部電極とからなる
低インピーダンス部と、単層の、もしくは分極方向が互
い違いになるよう長手方向に沿って積層した複数層の圧
電体層と、前記圧電体層間に介在させた内部電極とから
なる高インピーダンス部とで構成され、前記低インピー
ダンス部と前記高インピーダンス部が同じ厚さで、長手
方向に接続されてなる圧電トランスにおいて、前記低イ
ンピーダンス部における厚み方向一方の表面に形成され
た第1の電極と、前記高インピーダンス部における厚み
方向一方の前記表面に形成された第2の電極と、前記低
インピーダンス部および高インピーダンス部における厚
み方向他方の表面に、前記第1および第2の電極と対向
して形成された第3の電極とを備え、前記第1の電極に
入力された電圧を昇圧して前記第2の電極から出力する
と共に、前記第3の電極から出力に比例した電圧を取り
出すことを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、第1の電極に入力され
た電圧が昇圧されて第2の電極にが発生する圧電トラン
スの2次側での過電圧保護を、第3の電極からの比較的
低い電圧で行うことができるとともに、第3の電極によ
り圧電トランスの振動を簡単にフィードバックすること
ができる。
【0026】また、第1および第2の電極のそれぞれを
外部回路に接続する導線を圧電トランスの長手方向の中
心付近に配置して、圧電トランスを長手方向縦振動1次
または2次モードで駆動することにより、導線が振動に
悪影響を与えることがなく、大振幅時に導線が切断され
る恐れもなくなる。
【0027】これにより、圧電トランスを過電圧保護す
る際に、高圧ラインの保護回路への引き回しを無くすと
共に、圧電トランスの不要振動による誤動作を防止し、
小型、高効率、高信頼性の高電圧発生装置を提供するこ
とが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0029】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態による圧電トランスの構造を示す斜視図であ
る。本実施形態に用いる圧電トランスは、PZT等の圧
電性を示す圧電材料からなり、1次電極に印加された電
圧は昇圧比倍され2次側電極から取り出される。
【0030】図1において、15は低インピーダンス部
であり、10U、10Dは1次側電極である。16は高
インピーダンス部であり、2次側電極12は高インピー
ダンス部16の厚み方向の主面に設けられ、2次側電極
12の電圧基準電極は、1次側電極10Uの電圧基準電
極10Dと共用される。また、10Dと対向する電極はセ
ンサ電極11である。この圧電トランスは、低インピー
ダンス部15に設けた1次側電極10U、10D、高イ
ンピーダンス部16の厚み方向の主面に設けた2次側電
極12、およびセンサ電極11から電気接続をとる。こ
のとき、センサ電極11と対向する1次側電極10D
は、電圧基準電極として接地される。
【0031】次に、以上のように構成された圧電トラン
スの昇圧動作について、図2を参照して説明する。
【0032】図2は、本実施形態による圧電トランスの
共振周波数近傍の集中定数近似等価回路である。図2に
おいて、Cd1およびCd2はそれぞれ、1次側および
2次側の束縛容量、Csはセンサ部の束縛容量、A1お
よびA2はそれぞれ、1次側および2次側の力係数、A
sはセンサ部の力係数、mは等価質量、Cは等価コンプラ
イアンス、Rmは等価機械抵抗である。
【0033】本実施形態による圧電トランスでは、力係
数A1は、A2(およびAs)よりも大きく、図2中の
力係数A1およびA2で表される2つの等価理想変成器
により昇圧動作が行われる。また、圧電トランスは、等
価質量mと等価コンプライアンスCからなる直列共振回
路を含むため、特に、負荷抵抗の値が大きい場合に、2
次側電極からの出力は、変成器の変成比以上に大きな値
となる。また、センサ電極からの出力は、等価回路にお
いてAsの力係数で表される理想変成器の出力で表され
る。
【0034】次に、本実施形態による圧電トランスの製
造方法について説明する。
【0035】圧電トランスは、接着積層により、PZT
(PbZrO3−PbTiO3)系の圧電材料で作ること
ができる。まず、圧電層の厚さの板を焼結し、所望の位
置にAuを圧電焼結体表面に蒸着することにより、外部
電極及び内部電極を形成する。電極を形成した後に分極
を施し、その後、接着により積層を行う。最後に、端面
を研磨して、内部電極を端面に露出させ、導電性樹脂に
より内部電極と外部電極を接続する。
【0036】なお、接着により積層を行う代わりに、圧
電性を有する圧電材料およびそれと一体焼成可能である
電極材料を用いて、圧電体を焼結する前に圧電材料と電
極材料を積層し、同時に焼成して図1に示すトランス構
造を形成することもできる。
【0037】上記の製造方法により、内部電極間の各圧
電層の厚さが0.1mm、全体の厚さが1.5mm、全体の
長さが30mm、幅が6mmの寸法を有する圧電トランスを
製造した。
【0038】この圧電トランスの長手方向縦振動1次モ
ードの共振周波数は、アドミタンスの周波数特性から6
1kHzと測定された。この圧電トランスに5kΩの負
荷抵抗を2次側電極12に、500Ωの抵抗をセンサ電
極11に接続したところ、入力電圧10Vに対して80
Vの出力が得られ、このときの出力電力は1.3Wであ
った。また、センサ電極11からの出力は5Vであり、
入力電圧よりも低い電圧を出力することができた。
【0039】また、本実施形態では、低インピーダンス
部15および高インピーダンス部16の外部回路接続用
導線を圧電トランスの長手方向の中心付近に配置した。
図3に、その場合の棒状振動子71の変位と応力の分布
を示す。図3は、長手方向縦振動1次モードの分布を示
し、これは半波長が振動子71の長さと等しい振動モー
ドである。この場合、図3からも明らかなように、振動
子71の中心に振動の節が存在している。そのため、圧
電トランスの長手方向の中心付近に導線を接続し、長手
方向縦振動1次モードの共振周波数で駆動すれば、導線
が振動に悪影響を与えることがない。また、大振幅時に
導線が切断されるという問題にも対処することができ
る。
【0040】なお、本実施形態では、圧電トランスは、
PZTなどの圧電セラミックを用いて形成したが、圧電
性を示す材料であれば、LiTiO3などのような単結
晶材料を用いても同様の特性を得ることができる。
【0041】また、センサ電極についても、圧電トラン
スの厚み方向の主面の一方の全面に形成したが、図4に
示すように、長手方向縦振動1次モードを用いる場合、
幅方向については、端面から後退させて形成しても同様
の効果を得ることができる。さらに、センサ電極は幅方
向に対して対称に形成しなくても同様の効果を得ること
ができ、幅方向の振動検出がしにくくなり、その効果は
大きい。
【0042】さらに、圧電トランスを長手方向縦振動2
次モードで駆動する場合、図5に示すように、低インピ
ーダンス部の一部に第3の電極41Lを、高インピーダ
ンス部の一部に第4の電極41Rを形成し、第3の電極
41Lと第4の電極41Rを外部で接続してセンサ電極
として用いることでも同様の効果を得ることができる。
また、長手方向縦振動2次モードを用いる場合、全面に
第3の電極を形成し、低インピーダンス部と高インピー
ダンス部で厚み方向の分極方向を逆向きにすることでも
同様の効果を得ることができる。
【0043】なお、長手方向縦振動2次モードを用いる
場合、圧電トランスの長手方向の長さをLとした時、低
インピーダンス部、高インピーダンス部、およびセンサ
電極の外部回路接続用導線を圧電トランスの長手方向の
端面からL/4の位置に配置する。図6に、その場合の
棒状振動子91の変位と応力の分布を示す。図6は、長
手方向縦振動2次モードの分布を示し、半波長が振動子
91の長さと等しい振動モードである。この場合、図6
からも明らかなように、振動子91の中心に振動の節が
存在している。そのため、圧電トランスの長手方向の端
面からL/4の位置に導線を接続し、長手方向縦振動2
次モードの共振周波数で駆動すれば、導線が振動に悪影
響を与えることがない。また、大振幅時に導線が切断さ
れるという問題にも対処することができる。
【0044】また、本実施形態による圧電トランスの場
合、センサ出力を必要としないときは、センサ電極から
の出力を圧電トランスの出力電圧制御に用いたり、電圧
の異なった出力を必要な場合の出力として用いることも
できる。
【0045】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態による圧電トランスの構造を示す斜視図であ
る。本実施形態に用いる圧電トランスは、PZT等の圧
電性を示す圧電材料からなり、1次側電極に印加された
電圧は昇圧比倍され2次側電極から取り出される。な
お、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、低イン
ピーダンス部、高インピーダンス部の分極方向を厚み方
向ではなく、長手方向にした点にある。
【0046】図7において、55は低インピーダンス部
であり、50U、50Dは1次側電極である。56は高
インピーダンス部であり、2次側電極52は高インピー
ダンス部の厚み方向の主面に設けられ、2次側電極52
の電圧基準電極は、1次側電極50Uの電圧基準電極5
0Dと共用される。また、厚み方向の他の主面に形成さ
れた電極51はセンサ電極である。センサ電極51の電
圧基準電極は、1次側電極50Uの電圧基準電極50D
と共用される。センサ部は、1次側電極50Dと、セン
サ電極51と、これら2つの電極で挟まれた圧電体とで
形成され、厚み方向に分極が施されている。この圧電ト
ランスは、図7に示すように、低インピーダンス部55
の上下主面に設けた1次側電極50U、50D、2次側
電極52、センサ電極51から電気接続をとる。このと
き、センサ電極51と対向する電極50Dは、電圧基準
電極として接地される。
【0047】ここで、本実施形態が第1の実施形態と異
なる点は、前述したように、低インピーダンス部、高イ
ンピーダンス部の分極方向を厚み方向ではなく、長手方
向にした点にある。それは、図7に示すように、1次側
電極50Uと2次側電極52に接続され、厚み方向の上
面側から下面側へと延伸する一方の内部電極54と、1
次側電極50Uの電圧基準電極50Dに接続され、厚み
方向の下面側から上面側へと延伸する他方の内部電極5
4’とを交互に配置して、その間の圧電体に長手方向に
分極方向が交互に異なる分極構造を形成することによっ
て実現される。
【0048】本実施形態による圧電トランスでは、圧電
性を有する圧電材料およびそれと一体焼成可能である電
極材料を用いて、圧電体を焼結する前に圧電材料と電極
材料を積層し、同時に焼成して図7に示すトランス構造
を形成する。
【0049】上記のようにして、全体の厚さが2.1m
m、内部電極54と54’間の各圧電体の長さが3.3m
m、全体の長さが40mm、幅が6mmの寸法を有する圧電
トランスを製造した。
【0050】この圧電トランスの長手方向縦振動1次モ
ードの共振周波数は、アドミタンスの周波数特性から8
3kHzと測定された。この圧電トランスに100kΩ
の負荷抵抗を2次側電極52に、3kΩの抵抗をセンサ
電極51に接続したところ、入力電圧10Vに対して4
00Vの出力が得られ、このときの出力電力は1.6W
であった。また、センサ電極51からの出力は10Vで
あり、入力電圧よりも低い電圧を出力することができ
た。
【0051】また、本実施形態でも、第1の実施形態と
同様に、低インピーダンス部55および高インピーダン
ス部56の外部回路接続用導線を圧電トランスの長手方
向の中心付近に配置した。やはり、圧電トランスの長手
方向の中心付近に導線を接続し、長手方向縦振動1次モ
ードの共振周波数で駆動することで、導線が振動に悪影
響を与えることがなく、大振幅時に導線が切断されると
いう問題にも対処することができる。
【0052】なお、本実施形態では、圧電トランスは、
PZTなどの圧電セラミックを用いて形成したが、圧電
性を示す材料であれば、LiTiO3などのような単結
晶材料を用いても同様の特性を得ることができる。
【0053】また、センサ電極についても、圧電トラン
スの厚み方向の主面の一方の全面に形成したが、長手方
向縦振動1次モードを用いる場合、幅方向については、
端面から後退させて形成しても同様の効果を得ることが
できる。
【0054】さらに、圧電トランスを長手方向縦振動2
次モードで駆動する場合、低インピーダンス部の一部に
第3の電極を、高インピーダンス部の一部に第4の電極
を形成し、第3の電極と第4の電極を外部で接続してセ
ンサ電極として用いることでも同様の効果を得ることが
できる。
【0055】また、長手方向縦振動2次モードを用いる
場合、全面に第3の電極を形成し、低インピーダンス部
と高インピーダンス部で厚み方向の分極方向を逆向きに
することでも同様の効果を得ることができる。
【0056】なお、本実施形態でも、第1の実施形態と
同様に、長手方向縦振動2次モードを用いる場合、電気
接続を圧電トランスの長手方向の長さをLとした時、低
インピーダンス部、高インピーダンス部、およびセンサ
電極の外部回路接続用導線を圧電トランスの長手方向の
端面からL/4の位置に配置する。やはり、圧電トラン
スの長手方向の端面からL/4の位置に導線を接続し、
長手方向縦振動2次モードの共振周波数で駆動すれこと
で、導線が振動に悪影響を与えることがなく、大振幅時
に導線が切断されるという問題にも対処することができ
る。
【0057】さらに、図8に示すように、圧電トランス
の高インピーダンス部と低インピーダンス部のあいだに
絶縁層61を形成し、1次側と2次側を分離した構造と
した場合でも、同様に圧電トランスの厚み方向の主面の
全面にセンサ電極を形成することで同様の効果を得るこ
とができる。
【0058】また、本実施形態による圧電トランスの場
合、センサ出力を必要としないときは、センサ電極から
の出力を圧電トランスの出力電圧制御に用いたり、電圧
の異なった出力を必要な場合の出力として用いることも
できる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の圧電トラン
スによれば、高電圧が発生する圧電トランスの2次側で
の過電圧保護を、センサ電極からの比較的低い電圧で行
うことができるとともに、センサ電極により圧電トラン
スの振動を簡単にフィードバックすることができる。こ
れにより、圧電トランスを過電圧保護する際に、高圧ラ
インの保護回路への引き回しを無くすと共に、圧電トラ
ンスの不要振動による誤動作を防止し、小型、高効率、
高信頼性の高電圧発生装置を提供することが可能にな
り、実用的上その効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による圧電トランス
の構造を示す斜視図
【図2】 図1に示す圧電トランスの集中定数近似等価
回路図
【図3】 長手方向縦振動1次モードにおける棒状振動
子の変位分布および応力分布図
【図4】 本発明の第1の実施形態による圧電トランス
の変形例を示す斜視図
【図5】 本発明の第1の実施形態による圧電トランス
の変形例を示す斜視図
【図6】 長手方向縦振動2次モードにおける棒状振動
子の変位分布および応力分布図
【図7】 本発明の第2の実施形態による圧電トランス
の構造を示す斜視図
【図8】 本発明の第2の実施形態による圧電トランス
の変形例を示す斜視図
【図9】 従来のローゼン型圧電トランスの構造を示す
斜視図
【図10】 従来の圧電トランスを用いた負荷駆動装置
のブロック図
【図11】 従来の圧電トランスの他の構造を示す斜視
【符号の説明】
10U、10D 1次側電極 11 センサ電極 12 2次側電極 13 圧電体 15 低インピーダンス部 16 高インピーダンス部 41L 41R 電極 71 91 振動子
フロントページの続き (72)発明者 武田 克 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 奥山 浩二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 守時 克典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H730 AA15 AA20 AS04 AS11 EE48 FD31 ZZ19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層と電極層が交互に積層された圧
    電トランスであって、前記圧電トランスの長手方向の第
    1の部分領域における厚み方向一方の表面に形成された
    第1の電極と、前記第1の部分領域とは異なる第2の部
    分領域における厚み方向一方の前記表面に形成された第
    2の電極と、前記第1および第2の部分領域における厚
    み方向他方の表面に、前記第1および第2の電極と対向
    して形成された第3の電極とを備え、前記第1の電極に
    入力された電圧を昇圧して前記第2の電極から出力する
    と共に、前記第3の電極から出力に比例した電圧を取り
    出すことを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 厚み方向に分極された圧電体と内部電極
    とを厚み方向に交互に積層してなる低インピーダンス部
    と、単層もしくは複数層の圧電体と内部電極からなり、
    前記低インピーダンス部と同厚の高インピーダンス部を
    長手方向に一体的に連結してなる圧電トランスであっ
    て、前記低インピーダンス部における厚み方向一方の表
    面に形成された第1の電極と、前記高インピーダンス部
    における厚み方向一方の前記表面に形成された第2の電
    極と、前記低インピーダンス部および高インピーダンス
    部における厚み方向他方の表面に、前記第1および第2
    の電極と対向して形成された第3の電極とを備え、前記
    第1の電極に入力された電圧を昇圧して前記第2の電極
    から出力すると共に、前記第3の電極から出力に比例し
    た電圧を取り出すことを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記第3の電極は、前記厚み方向他方の
    表面の全面に形成される請求項1または2記載の圧電ト
    ランス。
  4. 【請求項4】 前記第3の電極は、前記厚み方向他方の
    表面の所定領域に形成され、前記圧電トランスの幅方向
    に対して非対称に形成される請求項1または2記載の圧
    電トランス。
  5. 【請求項5】 前記圧電トランスは、半波長が圧電トラ
    ンスの全長に等しい長手方向縦振動1次モードの交流電
    圧で駆動される請求項1から4のいずれか一項記載の圧
    電トランス。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2の電極のそれぞれを
    外部に接続する導線を前記圧電トランスの長手方向の中
    心付近に配置する請求項5記載の圧電トランス。
  7. 【請求項7】 前記第3の電極は、前記低インピーダン
    ス部の所定領域と前記高インピーダンス部の所定領域に
    同厚で厚み方向に形成される請求項1または2記載の圧
    電トランス。
  8. 【請求項8】 前記第3の電極の分極方向が互いに逆向
    きである請求項7記載の圧電トランス。
  9. 【請求項9】 前記圧電トランスは、1波長が圧電トラ
    ンスの全長に等しい長手方向縦振動2次モードの交流電
    圧で駆動される請求項1、2、7および8のいずれか一
    項記載の圧電トランス。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の電極のそれぞれ
    を外部に接続する導線を前記圧電トランスの長手方向の
    中心付近に配置する請求項9記載の圧電トランス。
  11. 【請求項11】 前記圧電トランスの厚み方向で前記第
    3の電極に隣接し対向する電極を接地電極とする請求項
    1から8のいずれか一項記載の圧電トランス。
  12. 【請求項12】 単層の、もしくは分極方向が互い違い
    になるよう長手方向に沿って積層した複数層の圧電体層
    と、前記圧電体層間に介在させた内部電極とからなる低
    インピーダンス部と、単層の、もしくは分極方向が互い
    違いになるよう長手方向に沿って積層した複数層の圧電
    体層と、前記圧電体層間に介在させた内部電極とからな
    る高インピーダンス部とで構成され、前記低インピーダ
    ンス部と前記高インピーダンス部が同じ厚さで、長手方
    向に接続されてなる圧電トランスであって、前記低イン
    ピーダンス部における厚み方向一方の表面に形成された
    第1の電極と、前記高インピーダンス部における厚み方
    向一方の前記表面に形成された第2の電極と、前記低イ
    ンピーダンス部および高インピーダンス部における厚み
    方向他方の表面に、前記第1および第2の電極と対向し
    て形成された第3の電極とを備え、前記第1の電極に入
    力された電圧を昇圧して前記第2の電極から出力すると
    共に、前記第3の電極から出力に比例した電圧を取り出
    すことを特徴とする圧電トランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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