JP2001187799A - アポトーシスを誘導するペプチドおよびその用途 - Google Patents

アポトーシスを誘導するペプチドおよびその用途

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Yasuki Kojima
泰樹 小島
Adriel Dell Calpio Carlos
アドリエル デル カルピオ カルロス
Akemi Hayakawa
あけみ 早川
Yasukazu Tanuma
靖一 田沼
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 FasまたはFasリガンド上のアミノ
酸配列から導かれるアミノ酸配列を有する、Fas発現
細胞に選択的にアポトーシスを誘導することができる新
規ペプチド、該ペプチドを用いたアポトーシス誘導方
法、該ペプチドを含むアポトーシス研究用試薬、該ペプ
チドを有効成分とする疾患治療剤、特に抗癌剤、並びに
該ペプチドを含む抗癌剤選択のための診断キット。 【効果】 本発明のペプチドは、Fas発現細胞に選択
的にアポトーシスを誘導することができるので、Fas
L/Fas系を介するアポトーシスが関与する様々な生
命現象の解明のための新たなツールと成り得る。また、
FasL/Fas系が関与する疾患の新たな治療手段を
提供し得る点で極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アポトーシスを誘
導し得る新規ペプチド、詳細には、ある種のFas発現
細胞に選択的にアポトーシスを誘導し得る新規オリゴペ
プチドに関する。本発明はまた、該ペプチドを用いたア
ポトーシスの誘導方法、該ペプチドを含むアポトーシス
研究用試薬、該ペプチドを有効成分とする疾患治療剤、
特に抗癌剤、および該ペプチドを含む抗癌剤選択のため
の診断キットに関する。
【0002】
【従来の技術】Fasリガンド(FasL)/Fas系
は、最も盛んに解析が行われているアポトーシス誘導経
路である。両者はともに膜貫通タンパク質であり、Fa
sリガンドを細胞膜上に発現する細胞とFasを発現す
る細胞とが結合すると、後者にアポトーシスが誘導され
る。また、抗Fas抗体も同様にFas発現細胞にアポ
トーシスを誘導することができる。
【0003】FasL/Fas系の異常が種々の疾患に
密接に関与していることが明らかになってきている。例
えば、FasまたはFasリガンドの機能を欠損したマ
ウスでは、異常T細胞の増殖蓄積が見られ、自己抗体の
産生が高まり、糸球体腎炎やリウマチ様関節炎などの全
身性自己免疫疾患を発症して死に至ることが知られてい
る [Cell, 76: 969-976 (1994); Nature, 356: 314-317
(1992)]。
【0004】また、細胞傷害性T細胞(CTL)がウイ
ルス感染細胞や癌細胞などの標的細胞を攻撃する際、C
TLはFasリガンドを発現するとともに、TNFなど
を分泌して標的細胞にFasを発現させることにより、
標的細胞にアポトーシスを誘導していると考えられてい
る [Cell, 88: 355-365 (1997)] 。HBVやHCVによ
る肝炎においては、感染細胞表面上のMHCクラスI分
子に提示されたウイルス抗原を認識して活性化したCT
LがFasリガンドを発現するが、この際、ウイルス感
染細胞だけでなく正常な肝細胞に発現しているFasに
も作用してアポトーシスを誘導することにより、劇症肝
炎を発症するとのメカニズムが提唱されている [Cell
(1997),上述; Nature Med., 3: 409-413 (1997)] 。
【0005】さらに、AIDSにおけるCD4陽性T細
胞の減少にもFasL/Fas系を介したアポトーシス
の関与が示唆されている。HIVに感染したCD4陽性
T細胞はFasLを発現するとともに、TNFなどのシ
グナル因子を介して近傍の正常なT細胞に強制的にFa
sを発現させて、これらの細胞にアポトーシスを誘導す
ると考えられている [Curr. Opin. Immunol., 6: 605-6
15 (1994); Science,260: 1269-1270 (1993)]。
【0006】このようなFasL/Fas系を介したア
ポトーシス誘導と密接に関連する疾患の治療におけるア
プローチの1つとして、この系を人為的に制御すること
ができる物質の探索が盛んに行われている。現在のとこ
ろ、その主たるターゲットは抗Fas抗体であり、これ
までに種々の抗ヒトFasモノクローナル抗体が開発さ
れているが、いずれも、毒性が高い、コントロールが困
難である等の理由で、未だ臨床に応用できるようなもの
は得られていないのが現状である。また、抗Fas抗体
がすべてのFas発現細胞に対してアポトーシスを誘導
するわけではない。例えば、種々のヒト卵巣癌細胞株に
おけるFas発現細胞の頻度は60〜78%程度である
が、同程度にFasを発現する癌細胞株でも、その種類
によって抗Fas抗体により誘導されるアポトーシスに
対する感受性が異なる場合がある [Cancer Lett., 140:
113-119 (1999)]。したがって、抗Fas抗体に対して
非感受性のFas発現細胞にアポトーシスを誘導し得る
新規物質の開発が必要とされている。
【0007】さらに、抗Fas抗体は、FasL/Fa
s系を介したアポトーシスを研究するための重要なツー
ルとして広く使用されているが、抗Fas抗体は高価な
ため、これらの機能を代替するより安価な研究用試薬が
要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、Fasと相互作用してFas発現細胞にアポト
ーシスを誘導し得る新規物質、特に臨床応用の可能性の
ある新規物質を提供することである。また、従来の抗F
as抗体に比べて、より安価なアポトーシス研究用試薬
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、FasリガンドおよびFasの構
造的特徴から、Fasリガンドの作用を擬制するペプチ
ドの作製を試みた。抗Fas抗体の毒性の要因の1つと
して抗原性が挙げられるが、低分子のオリゴペプチドで
あれば、抗原性の問題を最小限にすることができる。
【0010】まず第一に、本発明者らは、Blalock ら
[Biochem. Biophys. Res. Commun.,121: 203-207 (198
4)]により提唱された、いわゆるセンス−アンチセンス
理論に着目した。これは、あるペプチド(センスペプチ
ド)をコードするmRNAの塩基配列に相補的な塩基配
列によってコードされるペプチド(アンチセンスペプチ
ド)は、該センスペプチドと相互作用するという経験的
に導かれた仮説である。したがって、科学的な裏付けが
乏しく、これまでにも成立例ばかりでなく不成立例も数
多く報告されている [例えば、Receptor Res., 11: 13-
43 (1991); Biochem. Biophys. Res. Commun., 149: 93
0-938 (1987)を参照] 。
【0011】本発明者らは、本理論に基づいて、Fas
リガンド中に存在する、Fasのアミノ酸配列と相補的
なアミノ酸配列を有する領域(アンチセンスホモロジー
ボックス)を検索し、ヒトFasリガンドの256〜2
65位のアミノ酸配列がヒトFasの34〜25位のア
ミノ酸配列と70%の高い相補性を示すことを見出し
た。これに基づいて、ヒトFasリガンドの256〜2
65位のアミノ酸配列を有するオリゴペプチドを合成
し、該ペプチドのFas発現癌細胞株に対するアポトー
シス誘導能を調べた結果、このペプチドがある種のFa
s発現癌細胞株に高頻度にアポトーシスを誘導すること
ができ、しかも抗Fas抗体に非感受性の細胞株に対し
て効率よくアポトーシスを誘導し得ることを見出した。
【0012】次いで、Fasと相互作用し得るさらに別
のペプチドを作製するために、本発明者らはFassina ら
[Arch. Biochem. Biophys., 296: 137-143 (1992)] の
理論に着目した。この理論は、あるペプチドの各アミノ
酸の持つ疎水度 [Kyte and Doolitle score; J. Mol. B
iol., 157: 105-132 (1982) を参照]と、絶対値が同程
度で正負が逆のアミノ酸からなるペプチドは、元のペプ
チドと相互作用するというものであり、センス−アンチ
センス理論同様、実験的に得られた知見であってその理
論的根拠は明らかにされていない。
【0013】本発明者らは、FasのFasリガンドに
対するエピトープ [J. Exp. Med.,185: 1487-1492 (199
7)]および抗Fas抗体に対するエピトープ [Int. Immu
nol., 10: 131-140 (1997)]のそれぞれについて、疎水
度が相補的なアミノ酸配列を有するペプチドを合成し、
各ペプチドのFas発現癌細胞株に対するアポトーシス
誘導能を調べた結果、これらのペプチドがある種のFa
s発現癌細胞株に比較的低濃度で高頻度にアポトーシス
を誘導し得ること、また、癌細胞株の種類によって両者
に対する感受性に差異が認められることを見出して、本
発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明は次に述べるものである。 1.配列表配列番号1に示されるアミノ酸配列から実質
的になり、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的に
アポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。 2.配列表配列番号2に示されるアミノ酸配列からな
り、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的にアポト
ーシスを誘導し得るオリゴペプチド。 3.配列表配列番号3に示されるアミノ酸配列から実質
的になり、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的に
アポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。 4.配列表配列番号4に示されるアミノ酸配列からな
り、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的にアポト
ーシスを誘導し得るオリゴペプチド。 5.配列表配列番号5に示されるアミノ酸配列から実質
的になり、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的に
アポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。 6.2〜20個の上記1〜5のいずれかのオリゴペプチ
ドを末端に有する分枝鎖ペプチド。 7.上記1〜6のいずれかのペプチドを該ペプチドに感
受性のFas発現細胞に接触させることを特徴とする、
該細胞にアポトーシスを誘導する方法。 8.該細胞が癌細胞である上記7記載の方法。 9.上記1〜6のいずれかのペプチドを含むアポトーシ
ス研究用試薬。 10.上記1〜6のいずれかのペプチドを有効成分とす
る、Fasリガンド/Fas系の異常に起因する疾患用
治療剤。 11.上記1〜6のいずれかのペプチドを有効成分とす
る抗癌剤。 12.上記1〜6のペプチドからなる群より選択される
2種以上のペプチドを含む、癌患者に対して投与すべき
抗癌剤の選択のための診断キット。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のオリゴペプチドは、
(1)相補的な関係にあるFasリガンドとFasのア
ミノ酸配列の対(アンチセンスホモロジーボックス)を
検索し、得られたアンチセンスホモロジーボックスのF
asリガンドのアミノ酸配列またはそれと同等な配列を
有するオリゴペプチドを合成することによって得ること
ができる。ここで「相補的な関係にある」アミノ酸と
は、あるアミノ酸をコードするコドンに相補的なコドン
(アンチコドン)によってコードされるアミノ酸をい
う。例えば、グリシンはGGN(NはU、C、Aまたは
G)によってコードされるので、相補的な塩基配列の組
み合わせはNCC(5’→3’)である。したがって、
グリシンに相補的なアミノ酸はスレオニン、アラニン、
セリンまたはプロリンである。センス−アンチセンス理
論に基づく各アミノ酸の相補的なアミノ酸を表1にまと
めた。本発明においては、配列内の相補的アミノ酸の比
率が60%以上であるアミノ酸配列を相補的なアミノ酸
配列と定義する。好ましくは相補的アミノ酸の比率は7
0%以上である。なお、アンチセンスホモロジーボック
スの検索は適当なコンピュータープログラム(例えば、
本発明者らが開発したSASプログラム;Peptide Che
m., 217-220 (1996) を参照)を用いて行うことができ
る。
【0016】
【表1】
【0017】検索の結果、表2に示されるように、10
アミノ酸中7アミノ酸が相補的なFasリガンド−Fa
sアンチセンスホモロジーボックスが見出された。これ
らは、それぞれFasリガンドの256〜265位のア
ミノ酸配列およびFasの34〜25位のアミノ酸配列
である。
【0018】
【表2】
【0019】したがって、本発明のオリゴペプチドは、
該ボックス内のFasリガンドのアミノ酸配列に基づい
て、HLYVNVSELS(配列番号1)から実質的に
なるアミノ酸配列を有する。ここで「実質的になる」と
は、上記アミノ酸配列の他、上記配列において、1また
は数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加された
ものも包含することを意味する。例えば、上記アミノ酸
配列において、Fasの配列と相補的でないH、Yおよ
びEを、表1に基づいてFasの対応アミノ酸と相補的
なアミノ酸に置換することができる。
【0020】本発明の別のオリゴペプチドは、Fas上
のFasリガンドに対するエピトープ、すなわちFSS
KCRRCRLCDEG [配列番号7;J. Exp. Med.
(1997),上述] および抗Fas抗体に対するエピトー
プ、すなわちTQNTKCRCKPNFFC [配列番号
8;Int. Immunol. (1997), 上述] のそれぞれに対し
て、疎水度が相補的なアミノ酸配列を有するペプチドで
ある。ここで「疎水度が相補的」とは、対応するアミノ
酸同士の疎水度の絶対値が同程度で且つ正負が逆である
ことをいう。各アミノ酸の持つ疎水度は、Kyte and Doo
litle score [J. Mol.Biol., 157: 105-132 (1982) ]
として当業者に周知である。
【0021】したがって、Fasリガンドエピトープに
疎水度が相補的な本発明のペプチドは、 E−P−P−M−T−F−I−S−I−H−T−M−C−H (N)(S)(S)(A) (C)(C)(P)(C)(N) (A)(I)(N) (D)(W)(W)(C) (I)(L)(W)(L)(D) (C)(L)(D) (Q)(Y)(Y) (L)(F)(Y)(F)(Q) (F)(Q) (H)(N)(N) (V)(V) (V)(E) (V)(E) (P)(D)(D) (K) (A)(K) (R)(Q)(Q) (P) (M)(P) (K)(E)(E) (R) (R) (H)(H) (上段の配列は例示であって、各アミノ酸は下段に示さ
れる括弧内のアミノ酸のいずれであってもよい)であ
る。このうち、D、N、QおよびEは疎水度が同一であ
るので、好ましくはFasリガンドエピトープに疎水度
が相補的なペプチドは、XPPMTFISIHTMCH
(XはD、N、QまたはE;配列番号3)である。
【0022】また、抗Fas抗体エピトープに疎水度が
相補的な本発明のペプチドは、 Y−A−M−P−L−S−I−S−W−T−C−E−E−T (P)(C)(A)(S)(C)(P)(C)(P)(P) (I)(N)(N) (S)(M)(C)(W)(I)(W)(L)(W)(S) (L)(D)(D) (W)(G) (Y)(F)(Y)(F)(Y)(Y) (F)(Q)(Q) (N)(V) (V) (V)(H)(H) (D) (A)(P)(P) (Q) (M)(R)(R) (E) (K)(K) (H) (上段の配列は例示であって、各アミノ酸は下段に示さ
れる括弧内のアミノ酸のいずれであってもよい)であ
る。このうち、D、N、QおよびEは疎水度が同一であ
るので、好ましくは抗Fas抗体エピトープに疎水度が
相補的なペプチドは、YAMPLSISWTCXXT
(XはD、N、QまたはE;配列番号5)である。
【0023】本発明のオリゴペプチドは自体公知のいか
なる方法によっても合成することができる。例えば、t
Boc法またはFmoc法のいずれかの固相合成法が好
ましく挙げられる。
【0024】Fassina ら(上述)によれば、エンドセリ
ンの多量体とその相補ペプチドの多量体との結合は、単
なる単量体同士の結合よりも強固であると報告されてい
る。また、Fasは細胞膜上で三量体を形成することが
知られているので、本発明のオリゴペプチドを、末端に
該オリゴペプチド単位を2〜20個有するような分枝鎖
ペプチドの形態で提供することもまた好ましい。このよ
うな分枝鎖ペプチドの合成法もまた、当業者に知られて
いる [例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,85: 5409-
5413 (1988)を参照] 。すなわち、上記の固相合成法を
用いて、リジンのα−およびε−アミノ基にさらにリジ
ンを順次カップリングし、末端に所望の数のアミノ基を
含むコアリジン鎖を合成した後、その末端の各アミノ基
にtBoc法またはFmoc法により本発明のオリゴペ
プチドのアミノ酸配列を導入すればよい。得られた目的
のペプチドは、逆相HPLC等を用いて精製することが
できる。
【0025】本発明のオリゴペプチドあるいは該オリゴ
ペプチドの多量体である分枝鎖ペプチド(以下、これら
を総称して単に本発明のペプチドという場合もある)
は、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的にアポト
ーシスを誘導することができる。したがって、本発明は
また、上記のいずれかのペプチドを用いてFas発現細
胞にアポトーシスを誘導する方法を提供する。該Fas
発現細胞は使用するペプチドに対して感受性の細胞であ
る。ここで「ペプチドに対して感受性である」とは、細
胞を該ペプチドに接触させることにより、その細胞にア
ポトーシスが誘導されることを意味する。Fas発現細
胞は特に限定されないが、好ましくは癌細胞、例えば、
卵巣癌や乳癌患者から摘出された癌細胞、あるいはそれ
らに由来する樹立細胞株等が挙げられる。
【0026】細胞に接触させるペプチドの濃度は特に制
限はないが、例えば、1〜1,000μg/ml、好ま
しくは10〜300μg/mlである。
【0027】アポトーシス誘導は、細胞の形態学的変化
の観察、フローサイトメトリーによるDNA断片化の検
出、および/またはゲル電気泳動法による染色体DNA
の断片化の検出により確認することができる。
【0028】本発明のペプチドは、研究用および臨床用
等、さまざまな分野で利用することができる。まず、該
ペプチドは、FasL/Fas系を介したアポトーシス
を研究するための、抗Fas抗体に代わる有用なツール
となる。したがって、本発明は、上記のいずれかのペプ
チドを含むアポトーシス研究用試薬を提供する。例え
ば、種々のFas発現癌細胞株が本発明のペプチドに対
して異なる感受性を示す理由の1つとして、Fas遺伝
子に変異が生じていることが考えられるので、本発明の
ペプチドはFas遺伝子の変異の可能性のある癌細胞の
スクリーニングに使用することができる。
【0029】また、本発明のペプチドは、細胞のFas
L/Fas系を介したアポトーシスを代替するので、F
asL/Fas系の異常に起因する種々の疾患、例え
ば、Fasリガンドの欠損による自己免疫疾患、ウイル
ス感染症等の治療に使用することができる。したがっ
て、本発明はまた、上記のいずれかのペプチドを有効成
分とする、FasL/Fas系の異常に起因する疾患用
治療剤を提供する。
【0030】特に、本発明のペプチドは、癌細胞がFa
sを発現する癌患者の治療に好ましく使用することがで
きる。
【0031】本発明のペプチドを有効成分とする該治療
剤は、治療上有効な量の該ペプチドを医薬上許容される
担体と適宜混合し、液状製剤、粉末、顆粒、錠剤、カプ
セル剤、シロップ剤、注射剤、エアロゾル剤等の剤形
で、経口的または非経口的に投与することができる。
【0032】医薬上許容される担体としては、例えば、
ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グ
ルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭
酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロ
リドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコ
ール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、
ナトリウム−グリコール−スターチ、炭酸水素ナトリウ
ム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊
剤、ステアリン酸マグネシウム、エアロジル、タルク、
ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、クエン酸、メントー
ル、グリシルリジン・アンモニウム塩、グリシン、オレ
ンジ粉等の芳香剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナ
トリウム、メチルパラバン、プロピルパラバン等の保存
剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン
酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、
水、生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ
脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワック
スなどが挙げられるが、それらに限定されるものではな
い。
【0033】非経口的な投与に好適な製剤としては、水
性および非水性の等張な無菌の注射液剤があり、これに
は抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれてい
てもよい。また、水性および非水性の無菌の懸濁液剤が
挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、肥厚剤、安定化
剤、防腐剤等が含まれていてもよい。本発明のペプチド
製剤は、アンプルやバイアルのように単位投与量あるい
は複数回投与量ずつ容器に封入することができる。ま
た、該ペプチドおよび医薬上許容される担体を凍結乾燥
(フリーズドライ)し、使用直前に適当な無菌のビヒク
ルに溶解または懸濁すればよい状態で保存することもで
きる。
【0034】本発明のペプチド製剤の投与量は、治療す
べき疾患の種類、病気の進行度、投与対象動物種、投与
対象の薬物受容性、体重、年齢等によって異なるが、通
常、成人1日あたり30μg〜30mg/kg体重、好
ましくは300μg〜1mg/kg体重であり、この量
を1回または数回に分けて投与することができる。
【0035】本発明のペプチドはまた、個々のペプチド
が種々のFas発現癌細胞に対して異なるアポトーシス
誘導能を有することを特徴とする。したがって、この能
力の差を利用して、どのペプチドが個々の癌患者に対し
て最も治療効果があるかを、患者の癌細胞を用いて予め
予測することができる。すなわち、本発明は、本発明の
ペプチドを2種以上含む、個々の癌患者に対して投与す
べき抗癌剤を選択するための診断キットを提供する。具
体的には、患者から採取した癌細胞を個々のペプチドに
それぞれ接触させてアポトーシス誘導を比較し、最もア
ポトーシス誘導能が高かったペプチドを有効成分とする
抗癌剤を選択する。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらは単なる例示であって、本発明の範
囲を何ら限定するものではない。
【0037】実施例1 ペプチドの合成(1) 本発明者らが開発したコンピュータープログラム(SA
S)を用いて、ヒトFasリガンドの任意の連続するア
ミノ酸配列について、センス−アンチセンス理論に基づ
く相補的な配列を、ヒトFasのアミノ酸配列上で検索
した。その結果、表2に示されるように70%の相補性
を有するFasリガンド−Fasアンチセンスホモロジ
ーボックスが見出された。そこで、HLYVNVSEL
Sからなるオリゴペプチドを、自動ペプチド合成機(ア
プライドバイオシステム社;ABI 431A)を用い
てtBoc法により合成した。合成したペプチドは、通
常の逆相HPLCにより精製した。該ペプチドをFRP
−1と命名した。
【0038】試験例1 FRP−1による癌細胞株のア
ポトーシス誘導 実施例1で得られたFRP−1のアポトーシス誘導能
を、2種のヒト卵巣癌細胞株(NOS4およびSKOV
−3;Cancer Lett. (1999),上述)を用いて調べた。N
OS4は、重症の卵巣癌患者から切除した癌細胞より、
本発明者らの研究室で樹立され、維持されている。ま
た、SKOV−3はアメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC;Rockville, MD, USA)より入
手した。これらの細胞株は、いずれも10%ウシ胎仔血
清含有RPMI1640培地中、5%CO2 湿気下、3
7℃で培養した。各細胞株について、5×106 個の細
胞を1μg/mlマウス抗FasポリクローナルIgM
抗体(CH−11;医学生物学研究所)および種々の濃
度のFRP−1で37℃、24時間処理した。細胞の形
態学的変化を位相差顕微鏡で観察した。DNA断片化
(DNA含量)は、細胞核をヨウ化プロピジウム(P
I)で染色し、FACS装置(FACS Calibur, Jose., C
A )を用いたフローサイトメトリーにより測定して、%
断片化を決定した。また、1×106 個の細胞を溶解用
バッファー[50mMトリス塩酸(pH7.8),10
mM EDTA,0.5% N−ラウリルサルコシン酸
ナトリウム]50μlに溶解し、0.5mg/ml R
NaseAで50℃、30分、次いで0.5mg/ml
プロテイナーゼKで50℃、90分間処理した後、DN
A溶液を2%アガロースゲル上の電気泳動にかけ、エチ
ジウムブロマイドで染色してUVトランスイルミネータ
ー上で検出した。
【0039】フローサイトメトリーの分析結果を図1に
示す。図中、Aは未処理の細胞、Dはコントロールペプ
チド(VQVHNATKPR;配列番号9)で処理した
細胞である。抗Fas抗体CH−11はNOS4にアポ
トーシスを誘導したが、SKOV−3にはアポトーシス
を誘導しなかった(図1B)。これに対し、FRP−1
は、NOS4にはアポトーシスを誘導しなかったが、S
KOV−3にはアポトーシスを誘導した(図1C)。ま
た、位相差顕微鏡観察により、FRP−1で処理したS
KOV−3細胞は、アポトーシスに特徴的な形態学的変
化を生じていることがわかった。さらに、FRP−1で
処理したSKOV−3細胞より抽出したDNAの電気泳
動では、約180bpの整数倍の長さのバンドがラダー
状に検出された。また、SKOV−3細胞におけるFR
P−1の効果は濃度依存的に増大した(図2)。これら
の結果から、FRP−1は、従来の抗Fas抗体とはア
ポトーシス誘導能において異なる細胞特異性を示すこと
が明らかとなった。
【0040】実施例2 ペプチドの合成(2) Fas上の、Fasリガンドエピトープに対して疎水度
が相補的なペプチドEPPMTFISIHTMCH[F
RP−2;配列番号3(配列中、XaaはGlu)]お
よび抗Fas抗体エピトープに対して疎水度が相補的な
ペプチドYAMPLSISWTCEET[FRP−3;
配列番号5(配列中、XaaはいずれもGlu)]を、
それぞれ末端に8個有する分枝鎖ペプチドをTam ら [Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA (1988),上述]の方法に従っ
て合成した。すなわち、ヒドロキシメチルフェニルアセ
トアミド樹脂(PAM樹脂)にリンカーを介してアミノ
基をtBocで保護したアラニンを結合させ、これに自
動ペプチド合成機(アプライドバイオシステム社;AB
I 431A)を用いて、まずリジンをカップリングし
た。次いでリジン残基のα−およびε−アミノ基にさら
にリジンをカップリングした。同じ操作を繰り返して、
7個のリジンとアラニンからなり、8個のアミノ末端を
有する分枝鎖ペプチドを合成した。得られたペプチドの
各アミノ基に、同様にtBoc法により順次所定のアミ
ノ酸残基をカップリングさせ、末端にFRP−2または
FRP−3を8個有する分枝鎖ペプチドをそれぞれ合成
した(以下、これらの分枝鎖ペプチドを、便宜的に単に
FRP−2およびFRP−3ということとする)。
【0041】PAM樹脂からの開裂およびアミノ酸側鎖
の脱保護をフッ化水素を用いて行い、通常の逆相HPL
Cにより得られたペプチドを精製した。
【0042】試験例2 FRP−2およびFRP−3に
よるアポトーシスの誘導 実施例2で得られたFRP−2およびFRP−3のアポ
トーシス誘導能を、2種のヒト卵巣癌細胞株NOS4お
よびSKOV−3、並びに2種のヒト乳癌細胞株T47
0およびMB231を用いて調べた。T470およびM
B231は、いずれもATCC(Rockville, MD, USA)
より入手した(それぞれカタログ番号HTB−133お
よびHTB−26)。各細胞株は、試験例1と同様の条
件下で培養した。試験例1と同様に、各細胞株につい
て、5×106 個の細胞を種々の濃度のFRP−2また
はFRP−3で37℃、24時間処理した。DNA断片
化(DNA含量)は、細胞核をヨウ化プロピジウム(P
I)で染色し、FACS装置(FACSCalibur, Jose., CA
)を用いたフローサイトメトリーにより測定して、%
断片化を決定した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】FRP−2およびFRP−3は、比較的低
濃度(10μg/ml以上)で効率よくNOS4にアポ
トーシスを誘導した。両者ともSKOV−3に対しても
アポトーシスを誘導したが、その効果はNOS4に対す
る効果に比べて低かった。また、FRP−2とFRP−
3は、MB231に対しては同程度の弱いアポトーシス
誘導能を示したが、T470に対してはFRP−2の方
がFRP−3よりも高いアポトーシス誘導を引き起こし
た。これらの結果は、複数のペプチドを組み合わせて癌
細胞のペプチドに対する感受性を調べることにより、よ
り治療効果の高いペプチド抗癌剤を予め予測することが
できることを示唆している。
【0045】
【発明の効果】本発明のペプチドは、Fas発現細胞に
選択的にアポトーシスを誘導することができ、また低分
子で抗原性が問題となる可能性が少ないので、FasL
/Fas系の異常に起因する疾患の治療剤として有用で
ある。特に、本発明のペプチドのあるものは、アポトー
シス誘導能において抗Fas抗体とは異なる細胞特異性
を示すので、抗Fas抗体が作用しないタイプの癌など
の治療に極めて有用である。また、本発明のペプチド
は、抗Fas抗体の代わりにアポトーシス研究用の試薬
として使用することができる。該ペプチドは慣用のペプ
チド合成技術を用いて容易に合成することができるの
で、従来より安価にアポトーシス研究のツールを提供で
きるという点でも有用である。さらに本発明のペプチド
を複数組み合わせることにより、癌患者の治療により有
効なペプチド製剤を予め予測することが可能であり、診
断薬としても有効である。
【0046】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:ヒトFasリガ
ンドの部分アミノ酸配列(256位〜265位)と同一
のアミノ酸配列を有する、Fas発現細胞にアポトーシ
スを誘導するオリゴペプチド。 配列番号2:Fas発現細胞にアポトーシスを誘導する
オリゴペプチド。 配列番号3:Fas発現細胞にアポトーシスを誘導する
オリゴペプチド。 配列番号4:Fas発現細胞にアポトーシスを誘導する
オリゴペプチド。 配列番号5:Fas発現細胞にアポトーシスを誘導する
オリゴペプチド。 配列番号6:ヒトFasの部分アミノ酸配列(25位〜
34位)。 配列番号7:ヒトFasリガンドにより認識されるエピ
トープである、ヒトFasの部分アミノ酸配列(97位
〜110位)。 配列番号8:抗ヒトFas抗体により認識されるエピト
ープである、ヒトFasの部分アミノ酸配列(122位
〜135位)。 配列番号9:ヒトIgGから派生したオリゴペプチド。
【0047】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kojima, Taiki; Del Carpio, C.A., Hayakawa, Akemi; Tanuma, Sei-ichi <120> Peptide Inducing Apoptosis and Use Thereof <130> A-4132 <160> 9 <210> 1 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligopeptide inducing apoptosis in Fas-expressing cells, which has amono acid sequence identical to partial amino acid sequence of human Fas ligand (from position 256 to position 265). <400> 1 His Leu Tyr Val Asn Val Ser Glu Leu Ser 1 5 10 <210> 2 <211> 14 <212> PRT <213> Artficial Sequence <220> <223> Oligopeptide inducing apoptosis in Fas-expressing cells. <220> <221> UNSURE <222> (1) <223> Glu, Asn, Asp, Gln, His, Pro, Arg or Lys. <220> <221> UNSURE <222> (2) <223> Pro, Ser, Trp, Tyr, Asn, Asp, Gln, Glu or His. <220> <221> UNSURE <222> (3) <223> Pro, Ser, Trp, Tyr, Asn, Asp, Gln, Glu or His. <220> <221> UNSURE <222> (4) <223> Met, Ala or Cys. <220> <221> UNSURE <222> (6) <223> Phe, Cys, Ile, Leu or Val. <220> <221> UNSURE <222> (7) <223> Ile, Cys, Leu, Phe or Val. <220> <221> UNSURE <222> (8) <223> Ser, Pro, Trp or Tyr. <220> <221> UNSURE <222> (9) <223> Ile, Cys, Leu, Phe or Val. <220> <221> UNSURE <222> (10) <223> His, Asn, Asp, Gln, Glu, Lys, Pro or Arg. <220> <221> UNSURE <222> (12) <223> Met, Ala or Cys. <220> <221> UNSURE <222> (13) <223> Cys, Ile, Leu, Phe, Val, Ala or Met. <220> <221> UNSURE <222> (14) <223> His, Asn, Asp, Gln, Glu, Lys, Pro or Arg. <400> 2 Xaa Xaa Xaa Xaa Thr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Thr Xaa Xaa Xaa 1 5 10 <210> 3 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligopeptide inducing apoptosis in Fas-expressing cells. <220> <221> UNSURE <222> (1) <223> Glu, Asn, Asp or Gln. <400> 3 Xaa Pro Pro Met Thr Phe Ile Ser Ile His Thr Met Cys His 1 5 10 <210> 4 <211> 14 <212> PRT <213> Artficial Sequence <220> <223> Oligopeptide inducing apoptosis in Fas-expressing cells. <220> <221> UNSURE <222> (1) <223> Tyr, Pro, Ser or Trp. <220> <221> UNSURE <222> (2) <223> Ala, Cys, Met or Gly. <220> <221> UNSURE <222> (3) <223> Met, Ala or Cys. <220> <221> UNSURE <222> (4) <223> Pro, Ser, Trp, Tyr, Asn, Asp, Gln, Glu or His. <220> <221> UNSURE <222> (5) <223> Leu, Cys, Ile, Phe or Val. <220> <221> UNSURE <222> (6) <223> Ser, Pro, Trp or Tyr. <220> <221> UNSURE <222> (7) <223> Ile, Cys, Leu, Phe or Val. <220> <221> UNSURE <222> (8) <223> Ser, Pro, Trp or Tyr. <220> <221> UNSURE <222> (9) <223> Trp, Pro, Ser, Tyr. <220> <221> UNSURE <222> (11) <223> Cys, Ile, Leu, Phe, Val, Ala or Met. <220> <221> UNSURE <222> (12) <223> Glu, Asn, Asp, Gln, His, Pro, Arg or Lys. <220> <221> UNSURE <222> (13) <223> Glu, Asn, Asp, Gln, His, Pro, Arg or Lys. <400> 4 Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Thr Xaa Xaa Xaa Thr 1 5 10 <210> 5 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligopeptide inducing apoptosis in Fas-expressing cells. <220> <221> UNSURE <222> (12) <223> Glu, Asn, Asp or Gln. <220> <221> UNSURE <222> (13) <223> Glu, Asn, Asp or Gln. <400> 5 Tyr Ala Met Pro Leu Ser Ile Ser Trp Thr Cys Xaa Xaa Thr 1 5 10 <210> 6 <211> 10 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <223> Partial amino acid sequence of human Fas (from position 25 to position 34). <400> 6 Ala Gln Val Thr Asp Ile Asn Ser Lys Gly 1 5 10 <210> 7 <211> 14 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <223> Partial amino acid sequence of human Fas (from position 97 to position 110), which is epitope recognized by human Fas ligand. <400> 7 Phe Ser Ser Lys Cys Arg Arg Cys Arg Leu Cys Asp Glu Gly 1 5 10 <210> 8 <211> 14 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <223> Partial amino acid sequence of human Fas (from position 122 to position 135), which is epitope recognized by anti-human Fas anitibody. <400> 8 Thr Gln Asn Thr Lys Cys Arg Cys Lys Pro Asn Phe Phe Cys 1 5 10 <210> 9 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Oligopeptide derived from human IgG. <400> 9 Val Gln Val His Asn Ala Thr Lys Pro Arg 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】NOS4(左パネル)およびSKOV−3(右
パネル)において、抗Fas抗体およびFRP−1がD
NA断片化を生じさせる活性を示す図である。縦軸は細
胞数を、横軸は蛍光強度を示す。数値は%断片化を示
す。A:未処理の細胞;B:抗Fas抗体CH−11
(1μg/ml)で処理した細胞;C:FRP−1(2
00μg/ml)で処理した細胞;D:コントロールペ
プチド(200μg/ml)で処理した細胞
【図2】SKOV−3細胞におけるFRP−1によるD
NA断片化の用量依存性を示す図である。白抜きのボッ
クスはコントロールペプチドで処理した細胞、斜線入り
のボックスはFRP−1で処理した細胞である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500011447 早川 あけみ 愛知県春日井市石尾台1−1 タウン石尾 台16−2 (71)出願人 594072683 田沼 靖一 東京都八王子市別所2−21−8−707 (72)発明者 小島 泰樹 愛知県渥美郡田原町田原十七谷111−1 (72)発明者 カルロス アドリエル デル カルピオ 愛知県豊橋市浜道町管石32−2−202 (72)発明者 早川 あけみ 愛知県春日井市石尾台1−1 タウン石尾 台16−2 (72)発明者 田沼 靖一 東京都八王子市別所2−21−8−707 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA17 BA18 CA59 DC50 ZB072 ZB262 ZB332 4H045 AA10 AA30 BA15 BA16 EA28 EA50 FA34

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表配列番号1に示されるアミノ酸配
    列から実質的になり、少なくとも1種のFas発現細胞
    に選択的にアポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。
  2. 【請求項2】 配列表配列番号2に示されるアミノ酸配
    列からなり、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的
    にアポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。
  3. 【請求項3】 配列表配列番号3に示されるアミノ酸配
    列から実質的になり、少なくとも1種のFas発現細胞
    に選択的にアポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。
  4. 【請求項4】 配列表配列番号4に示されるアミノ酸配
    列からなり、少なくとも1種のFas発現細胞に選択的
    にアポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。
  5. 【請求項5】 配列表配列番号5に示されるアミノ酸配
    列から実質的になり、少なくとも1種のFas発現細胞
    に選択的にアポトーシスを誘導し得るオリゴペプチド。
  6. 【請求項6】 2〜20個の請求項1〜5のいずれかに
    記載のオリゴペプチドを末端に有する分枝鎖ペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のペプチ
    ドを、該ペプチドに感受性のFas発現細胞に接触させ
    ることを含む、該細胞にアポトーシスを誘導する方法。
  8. 【請求項8】 該細胞が癌細胞である請求項7記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のペプチ
    ドを含むアポトーシス研究用試薬。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載のペプ
    チドを有効成分とする、Fasリガンド/Fas系の異
    常に起因する疾患用治療剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかに記載のペプ
    チドを有効成分とする抗癌剤。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6に記載のペプチドからな
    る群より選択される2種以上のペプチドを含む、癌患者
    に対して投与すべき抗癌剤の選択のための診断キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7160462B2 (ja) 2015-04-30 2022-10-25 東レ株式会社 免疫誘導剤

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